風立ちぬ (松田聖子の曲)

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風立ちぬ
松田聖子シングル
初出アルバム『風立ちぬ
B面 Romance
リリース
規格 EP盤
ジャンル J-POP
時間
レーベル CBS・ソニー
(8cmCD含む)
ソニー・ミュージックレコーズ
(12cmCD)
作詞・作曲 作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一
プロデュース 若松宗雄
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1981年10月度月間6位(オリコン)
  • 1981年11月度月間2位(オリコン)
  • 1981年12月度月間13位(オリコン)
  • 1981年度年間34位(オリコン)
  • 2位(ザ・ベストテン
  • 1981年度年間32位(ザ・ベストテン)
  • 1位(ザ・トップテン
  • 松田聖子 シングル 年表
    白いパラソル
    1981年
    風立ちぬ
    1981年
    赤いスイートピー
    1982年
    収録アルバム風立ちぬ
    いちご畑でつかまえて
    (4)
    風立ちぬ
    (5)
    流星ナイト
    (6)
    テンプレートを表示

    風立ちぬ」(かぜたちぬ)は、1981年10月7日CBS・ソニーからリリースされた松田聖子の7枚目のシングル。規格品番:07SH 1067(レコード[1]2004年に紙ジャケット仕様の完全生産限定盤12cmCDとして再びリリースされている。

    解説[編集]

    アルバム風立ちぬ』からの先行シングル。大瀧詠一作曲による唯一のシングル曲。編曲の多羅尾伴内は大瀧の変名。メロディーはジミー・クラントンの楽曲「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ」が元になっている。

    A面『風立ちぬ』は松田自身が出演したグリコポッキー」、B面『Romance』は資生堂「エクボ 洗顔フォーム・ミルキィクリーム」でそれぞれCMソングとなった。

    同年リリースのアルバム『A LONG VACATION』がヒット中だった大瀧の起用は、作詞の松本隆の発案。

    CBS・ソニーのプロデューサー・若松宗雄が大好きだったと語る堀辰雄の小説『風立ちぬ』を題材とした曲を企画。松本によれば、中学の修学旅行の時に見かけた軽井沢にある「万平ホテル」の風の抜けるカフェテラスをイメージして歌詞を書いたという[2]

    繊細な陰のある作品を目指したが、意図に反して大瀧によって完成した曲は「ものすごいゴージャスな大作」になったという。セールス面についてもヒットはしたものの若松が期待したほどではなかった[3]。書き上げられた譜に手直しを要求することも多い若松であったが、大瀧は自分の音楽を貫くこだわりの強い人で、妥協はしなかったという。「聖子の娯楽性に、松本さんの文学的な才能と大瀧さんの音楽性が加り、間違いなく松田聖子のアーティスト性がぐっと広がったエポックな作品で、大瀧さんには今もとても感謝しています」と後に語っている[4]

    本曲のヒットにより、大瀧が編曲者の名義として「多羅尾伴内」の名前を無断で使っているのを初めて知った原作者の比佐芳武の親族が、名前の使用を止めるよう大瀧に求めた。以降、大瀧の編曲者名義は金延幸子の『時にまかせて』のシングルバージョンを編曲した際に用いた「CHELSEA」(当初はひらがなの「ちぇるしぃ」)を使用する事になった。大瀧はこの件を通じ、松田の人気ぶりの凄さを感じたと言う。

    『大瀧詠一 Song Book I 大瀧詠一 作品集 Vol.1 (1980-1998)』の大瀧のライナーノーツによると、「(松田が)『いい曲だが、自分には向いていない』と言った為、なかなかボーカルダビングが行われませんでした。取り敢えずCMだけでも、という事でCMバージョンの録音がされましたが、たぶん1回か2回しか歌わなかったと思いますが、嬉しそうにスタジオを出てきて『歌えました!』と言っていた笑顔が印象的でした」と回顧している。その後のシングルバージョンの録音では6テイク録ったが、全て見事に歌い切ったと綴られている。

    大瀧は、自身のコンサートにて「今日歌ったらもう一生、二度と歌う事はない」というMCを添えてセルフカバーしている。公に歌われたのはこの1回限りでありスタジオ録音もされていないため、ファンの期待に反して音源化はなかなか実現されなかった。しかし、大瀧自身がこの時のライブ音源をマスターテープ化して保管していたことが死後に明らかとなり、2016年のセルフカバーアルバム『DEBUT AGAIN』にて初収録された。すでに動画サイト等で当時のライブ音源が出回っていたが、途中が欠損していたり後日FMにて放送された実況が混ざったものであったりしたため、完全な状態での現存は知られていなかった。

    1992年6月30日に発売された大瀧のトリビュート・アルバム『CANARY ISLANDS〜大滝詠一作品集〜』(ヴァージン・ジャパン、のちにポニーキャニオンに発売元が移行・規格品番:VJCA-00017)で、フィル・スペクターの元妻で元ロネッツロニー・スペクターRonnie Spector)がカバーしている。

    2016年サントリー伊右衛門」のCM「秋の歌編」にて、出演者の本木雅弘宮沢りえが本曲を口ずさんでいる。

    収録曲[編集]

    全作詞:松本隆

    1. 風立ちぬ(4分35秒)
    2. Romance(3分27秒)

    関連作品[編集]

    カバー[編集]

    風立ちぬ

    脚注[編集]

    1. ^ ディスコグラフィ|松田聖子オフィシャルサイト”. www.seikomatsuda.co.jp. 2022年10月16日閲覧。
    2. ^ 「普通のアイドルに決別--松田聖子《風立ちぬ》」(朝日新聞2009年9月5日付 e1面)
    3. ^ 大久保達朗「DIRECTOR'S INTERVIEW 松田聖子の歌手としてのすごさは"勘の良さ"と"ブレない"信念 若松宗雄 松田聖子ディレクター」『洋泉社MOOK 80年代アイドルカルチャーガイド』洋泉社、2013年、p.160
    4. ^ 大滝詠一の80年代伝説<前編> 唯一無二のナイアガラ・サウンドで革命をもたらした 『A LONG VACATION』と松田聖子の『風立ちぬ』 GINZA 2021年3月31日
    5. ^ 真心ブラザーズ、聖子&明菜ら昭和の女性アイドルカバー「歌うの楽C」”. ORICON (2015年7月10日). 2015年7月10日閲覧。
    6. ^ 稲垣潤一、デュエットカバーアルバム第5弾が発売”. 映画.com (2015年9月22日). 2015年9月24日閲覧。
    7. ^ 大滝詠一が「快盗ルビイ」「風立ちぬ」など提供曲を歌うアルバム3月発売”. 音楽ナタリー (2016年1月8日). 2016年1月8日閲覧。

    関連項目[編集]