EACH TIME

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EACH TIME
大滝詠一スタジオ・アルバム
リリース
録音 STUDIO“不夜城”Shinanomachi & Roppongi
ジャンル ポップス
レーベル NIAGARACBS/SONY
プロデュース 大瀧詠一
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン、LPチャート)[1]
  • 週間75位(マスターサウンド盤、オリコン、LPチャート)[1]
  • 1984年度年間8位(オリコン)
大滝詠一 年表
アーリー 大瀧詠一
1982年
EACH TIME
(1984年)
B-EACH TIME L-ONG
1985年
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EACH TIME』(イーチ・タイム)は1984年3月21日にリリースされた大滝詠一スタジオ・アルバム

解説[編集]

当初はLP盤とカセットテープのみの発売だったが、1984年6月1日にCD化(品番35DH 78)。CDの発売週は、マイケル・ジャクソンの『スリラー』に抜かれたために2位だったが、翌週に邦人アーティストとしては初のオリコンCDチャートで3週連続1位を記録。大滝詠一としては唯一の1位獲得作品である。

当時の音楽業界には「シングル・ヒットがなければアルバムは売れない」という考えがあり、その常識を覆すために敢えてシングルは発売せず、アルバム単独で発売された。結果的に60万枚を売り上げ、前作『A LONG VACATION』に続いて大ヒットを記録した。

1989年6月1日には、収録曲と曲順を変更したリマスター盤を発売。1991年には、元の曲順でCD選書で再発された。1997年には、MD選書でMD化もされている。また、発売から20年経過した2004年3月21日には、ボーナストラックを追加した20周年記念盤CD、さらに10年後には純カラオケを加えた2枚組CDの30周年記念盤がそれぞれ発売された。

再発盤以降は長らく全ての盤で「レイクサイド ストーリー」のエンディングがカットされたヴァージョンとなっていた。これに関しては現在でも賛否があるが、「大滝自身がソロ活動に終止符を打つ」「松本との決裂を意味するものであった」などの理由から刻まれていたフィナーレのために、現在はカットされていると言われる[2]。このエンディング付きバージョン(大エンディング・バージョン)の収録されたCDは、初発時の品番35DH 78である。その後、2015年3月21日に発売された『NIAGARA CD BOOK II』でエンディング付きバージョンが収録された。

一般に前作『A LONG VACATION』の続篇と捉えられる作品ではあるが、大滝自身はこのアルバムを一つのストーリーとして製作していた為に、世間での受け入れ方にはやや難色を示す(ただし、発売前には「『A LONG VACATION』の続編の様なアルバム」、また発売されて暫く経ってからは「『A LONG〜』がA面で『EACH TIME』がB面の様」といずれも大瀧自身がラジオで語っており、真意は不明)。

ジャケットのイラストは河田久雄によるもの。

タイトルの由来は、大滝がラジオDJ等で自分のことを「イーチ・オータキ」と名乗っていたことに由来する。

大滝は本作発売後に、音楽活動を休止することを宣言した。そのため、収録曲をライブで披露したことは一度もなく、そのままコンサート活動が再開されないまま大滝が2013年に死去したことで、本人が携わったオリジナル・アルバムとしては最後の作品になった。

発売までの経緯[編集]

  • 元々1年前の1983年、大滝の誕生日である7月28日に発売するはずであったが、製作過程で不満が生じ、レコーディングを全て破棄したために発売が延期されたという経緯がある。大滝曰く「レコードの発売日を誕生日に設定すると発売延期になるので誕生日は鬼門」。
  • お詫びの意味を込めて、その年の「西武球場スーパーフェス '83(ALL NIGHT NIPPON SUPER FES. '83 ASAHI BEER LIVE JAM)」にレコーディングメンバー全員で出演した。
  • 本来『EACH TIME』のお披露目ライブだったとも言われる上記のライブへの出演が、大滝詠一名義としては結果的に最後のものとなった(この後1985年に行われたはっぴいえんどの同窓会ライブには参加している)。
  • このライブでは『A LONG VACATION』や『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』の楽曲を中心に演奏しつつ、当時薬師丸ひろ子に提供し大ヒットを記録した「探偵物語」、「すこしだけやさしく」や森進一に提供した「冬のリヴィエラ」の大滝版「夏のリヴィエラ」を演奏した。
  • この頃のライブでは自身が提供した曲がヒットし始めたこともあり、セルフカヴァーを多く披露していた。西武球場ライブの1年半前に行われたヘッドフォンコンサートでは松田聖子に提供した「風立ちぬ」をセルフカヴァーしている。
  • 発売前はこれらの動きから「風立ちぬ」や「探偵物語」がニューアルバムの収録曲かとも言われていたが、結局ライブのみでの披露となった。このうち「夏のリヴィエラ」は後に『SNOW TIME』で、「探偵物語」「すこしだけやさしく」「風立ちぬ」が死後にマスターテープが発見され『DEBUT AGAIN』においてスタジオ・レコーディングされたヴァージョンが聴ける。
  • また、発売の2か月前にNHK-FMにて発売前インタビューと共に放送された『EACH TIME』アウトテイク音源は20周年盤で収録されるものと言われたが、現在もCD化されていない。

収録曲[編集]

SIDE 1[編集]

  1. 魔法の瞳
  2. 夏のペーパーバック
  3. 木の葉のスケッチ
  4. 恋のナックルボール
  5. 銀色のジェット

SIDE 2[編集]

  1. 1969年のドラッグレース
    映画ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」挿入歌、更にテレビ宮崎UMKスーパーサタデーJAGA2天国」のテーマ曲として使われていた。松本隆の作詞活動30周年記念CD-BOX風街図鑑』に収録。
  2. ガラス壜の中の船
  3. ペパーミント・ブルー
  4. レイクサイド ストーリー
    エンディング付きバージョン(大エンディング・バージョン)
All Songs Written by 松本隆 & 大瀧詠一

1989年盤(CD:27DH-5303)[編集]

  1. 1969年のドラッグレース
  2. Bachelor Girl
  3. ペパーミント・ブルー
  4. 恋のナックルボール
  5. 銀色のジェット
  6. 夏のペーパーバック
  7. 木の葉のスケッチ
  8. フィヨルドの少女
  9. レイクサイド ストーリー

「魔法の瞳」と「ガラス壜の中の船」をカットし、代わりに「Bachelor Girl」と「フィヨルドの少女」を収録した。

CD選書シリーズ (CD:CSCL 1664)[編集]

EACH TIME
大滝詠一スタジオ・アルバム
リリース
録音 STUDIO“不夜城”Shinanomachi & Roppongi
ジャンル ポップス
レーベル NIAGARACBS/SONY RECORDS
プロデュース 大瀧詠一
大滝詠一 年表
A LONG VACATION
NIAGARA TRIANGLE Vol.2
NIAGARA SONGBOOK
EACH TIME
NIAGARA SONGBOOK 2
B-EACH TIME L-ONG
1989年
EACH TIME
A LONG VACATION
NIAGARA TRIANGLE Vol.2
NIAGARA SONGBOOK
NIAGARA SONGBOOK 2
B-EACH TIME L-ONG
大瀧詠一 Song Book I
1991年
NIAGARA MOON
NIAGARA TRIANGLE Vol.1
NIAGARA CM SPECIAL
大瀧詠一 Song Book II
1995年
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解説[編集]

「CD選書シリーズ」の一枚として廉価盤でのリリース。1991年リマスターを使用、曲順がオリジナルに戻された。

収録曲[編集]

  1. 魔法の瞳  (4:50)
  2. 夏のペーパーバック  (3:55)
  3. 木の葉のスケッチ  (4:17)
  4. 恋のナックルボール  (3:13)
  5. 銀色のジェット  (4:11)
  6. 1969年のドラッグレース  (4:50)
  7. ガラス壜の中の船  (5:23)
  8. ペパーミント・ブルー  (4:59)
  9. レイクサイド ストーリー  (5:44)
    エンディングがフェードアウトするバージョンのままになっている。

クレジット[編集]

20th Anniversary Edition (CD:SRCL 5002)[編集]

EACH TIME 20th Anniversary Edition
大滝詠一スタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ポップス
レーベル NIAGARASony Records
CD:SRCL 5002 (NGCD-3-OT)
プロデュース 大瀧詠一
チャート最高順位
  • 39位(オリコン)
大滝詠一 年表
A LONG VACATION 20th Anniversary Edition
2001年
EACH TIME 20th Anniversary Edition
2004年
NIAGARA MOON 30th Anniversary Edition
2005年
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解説[編集]

2004年3月21日に『EACH TIME』のオリジナル盤発売から20周年を記念して「ナイアガラ不滅プロジェクト」の20周年企画のラストを飾るものとして発売された。CDの包装には「Final EACH TIME」と銘打ったシールが貼られているほか、全曲にリマスタリングを施され今までの『EACH TIME』の中では最高の音質を誇るものとなった。

またもや曲順の変更が行われているほか、「魔法の瞳」が『EACH TIME SINGLE VOX』収録されたものと同じで『complete EACH TIME』にも収録されたロングバージョンに差代わり、「Cider '83」、「恋のナックルボール (1st Recording Version)」、「マルチスコープ」の3曲がボーナストラックとして追加収録されている。また、この盤が発売されるまで入手困難な状態にあった「Bachelor Girl」と「フィヨルドの少女」も、収録に際しリマスタリングされている。しかし、オリジナル盤収録の「レイクサイド ストーリー」のエンディング付きバージョンはまたも収録されず、かつフェードアウトが1991年盤よりも早くなっている(エンディング付きバージョンのエンディング部分だけカット)バージョンが収録された。オリジナル盤発売前にラジオで放送されたバックトラックのみの未発表曲も収録されないままになっている。

ボーナストラックのうち「Cider '83」は『NIAGARA CM SPECIAL』で、「マルチスコープ」は「ゆらりろ」というタイトルで『大瀧詠一 Song Book II -大瀧詠一作品集 Vol.2 (1971-1988)-』にそれぞれ収録されてCD化済。「恋のナックルボール (1st Recording Version)」のみ今回初収録の未発表音源となっている。

収録曲[編集]

  1. 夏のペーパーバック  (3:56)
  2. Bachelor Girl  (4:36)
  3. 木の葉のスケッチ  (4:16)
  4. 恋のナックルボール  (3:12)
  5. 銀色のジェット  (4:07)
  6. 1969年のドラッグレース  (4:54)
  7. ガラス壜の中の船  (5:21)
  8. ペパーミント・ブルー  (4:58)
  9. 魔法の瞳  (5:18)
  10. レイクサイド ストーリー  (5:10)
  11. フィヨルドの少女  (3:57)
    Bonus Tracks
  12. Cider '83  (0:30)
  13. 恋のナックルボール (1st Recording Version)  (3:43)
  14. マルチスコープ  (2:05)
    NHK総合テレビマルチ・スコープ」テーマソング
All Songs Written by 松本隆 & 大瀧詠一
Except 12 & 14 by 伊藤アキラ & 大瀧詠一

クレジット[編集]

30th Anniversary Edition (2CD:SRCL 8005-6)[編集]

EACH TIME
30th Anniversary Edition
大滝詠一スタジオ・アルバム
リリース
録音 STUDIO“不夜城”Shinanomachi & Roppongi
ジャンル ポップス
レーベル NIAGARASony Records
プロデュース 大瀧詠一
大滝詠一 年表
NIAGARA TRIANGLE Vol.2
30th Edition
2012年
EACH TIME
30th Anniversary Edition

2014年
ナイアガラ・レーベル 年表
NIAGARA SONG BOOK
30th Edition / NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL
2013年
EACH TIME
30th Anniversary Edition
/ 大滝詠一
2014年
Best Always / 大滝詠一
2014年
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解説[編集]

“Final Complete EACH TIME”と名付けられた本作は、大瀧本人による2013年リマスター音源を使用し曲順が改められ、さらに初公開となる純カラオケ・バージョンを収録したボーナス・ディスクのdisc 2との2枚組での発売。初回盤はデジパック+三方背ボックスによる、初回仕様限定盤。また、大滝とゆかりの関係者数名の文章が寄稿された“EACH TIMES”を封入[3]。大滝は2013年12月に死去したが、11月にはリマスタリング作業を終えていたため、予定通りリリースされた[4][5]。本作のリリースに合わせて2011年に復活、完全生産限定盤としてリリースされたCD12枚組のボックス・セット『NIAGARA CD BOOK I』もアンコールプレスにて同時発売された[6]

disc 1[編集]

  1. 夏のペーパーバック  (3:54)
    イントロ部分の楽器がやや少なめに構成されているバージョン。(『Complete EACH TIME』に収録されているバージョン)
  2. Bachelor Girl  (4:37)
  3. 木の葉のスケッチ  (4:16)
  4. 魔法の瞳  (4:46)
  5. 銀色のジェット  (4:07)
  6. 1969年のドラッグレース  (4:55)
  7. ガラス壜の中の船  (5:42)
  8. ペパーミント・ブルー  (4:58)
  9. 恋のナックルボール  (3:12)
  10. レイクサイド ストーリー  (5:41)
    1991年盤同様、エンディングがフェードアウトする長めのバージョン。
  11. フィヨルドの少女  (3:59)

disc 2 TRACKS[編集]

  1. 夏のペーパーバック
  2. Bachelor Girl
  3. 木の葉のスケッチ
    エンディングがフェイド・アウトせずに終わるバージョン。(『Complete EACH TIME』に収録されているバージョン)
  4. 魔法の瞳
  5. 銀色のジェット
  6. 1969年のドラッグレース
  7. ガラス壜の中の船
  8. ペパーミント・ブルー
  9. 恋のナックルボール
  10. レイクサイド ストーリー
    1984年盤の歌入りと異なり、一度フェードアウトせずエンディングまで音量がそのままになっているエンディング付きバージョン。
  11. フィヨルドの少女

クレジット[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、98頁。ISBN 4871310256
  2. ^ 文藝別冊(2005年、河出書房新社刊)の「総特集 大滝詠一」に大滝と内田樹の対談「ナイアガラ・ライフ30年!」が掲載されている。対談は同年8月16日に山の上ホテルで行われた。その対談で大滝はエンディングの編集について言及している。曰く「『レイクサイド・ストーリー』というのはフェイドアウトする曲なんだけれども、エンディングが二つ作ってあって、オリジナル・イシューでは大エンディングのものを作りたいと最後のところで心変わりをしまして、今日工場に行かないと発売日に間に合わないというので階下に車が待っているという状況で『じゃあ行ってきます』という段階になって、『待て』とテープをつなぎ換えた」。大滝は本作の制作中に「曲が出なくなる」状態に陥ったが、彼はその際に「(やることを全てやり)満ちたことを知った」と述べている。大滝はエンディング編集時の心境を振り返り、「(『EACH TIME』は)結果的に最後のアルバムになりましたから、多分自分で(音楽活動に関して)終わろうとしたんだと思う」と述懐している。
  3. ^ 大滝詠一 / EACH TIME 30th Anniversary Edition”. タワーレコード (2013年12月24日). 2014年1月1日閲覧。
  4. ^ 大滝詠一さん急死 65歳早すぎる…ポップスの天才”. スポーツニッポン (2014年1月1日). 2014年1月1日閲覧。
  5. ^ 大滝詠一さん突然死 音楽界に衝撃”. 日刊スポーツ (2014年1月1日). 2014年1月1日閲覧。
  6. ^ 2011年に限定発売された『NIAGARA CD BOOK I』がアンコール・プレス”. タワーレコード (2014年2月5日). 2014年2月5日閲覧。