スリラー (アルバム)
『スリラー』 | ||||
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マイケル・ジャクソン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1982年4月 - 7月 | |||
ジャンル | R&B / ポップス | |||
時間 | ||||
レーベル | ||||
プロデュース | ||||
専門評論家によるレビュー | ||||
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チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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マイケル・ジャクソン アルバム 年表 | ||||
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『スリラー』(Thriller)は、1982年12月1日に発売されたマイケル・ジャクソンのスタジオ盤。発売から現在に至るまでの売上は約7000万枚[13]と推定されており、「史上最も売れたアルバム」とされている。
前作の『オフ・ザ・ウォール』に引き続きクインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎え、ロサンゼルスのウエストレイク・スタジオにて制作。前作から進化させたポスト・ディスコやクワイエット・ストームのスタイルを基にしつつ、ポール・マッカートニーやエディ・ヴァン・ヘイレンの参加で白人音楽の要素を取り入れることに成功。音楽専門チャンネルMTVの普及に乗っかって制作された革命的なミュージック・ビデオの数々も話題となり、人種の垣根を超えた社会現象を起こした。
2008年2月20日に25周年記念盤、2022年11月18日に40周年記念盤が発売された[14]。
ミュージック・ビデオ[編集]
1983年1月発表の第2弾シングル「ビリー・ジーン」はマイケルが作詞・作曲した曲で、ストーカー被害に遭う自身の姿を投影したものと言われている[要出典]。シングルの発売に際して曲の暗い世界観を表したミュージック・ビデオがMTVで放映され、当時にしては革新的な物語性のある映像が話題となった。なお、それまでMTVは黒人音楽家によるミュージック・ビデオを放映しないという方針を取っていたが、本作に関してはCBS側からの圧力に屈し放映が実現。人種の制限を突破した本作は以後のミュージック・ビデオ・ブームの先駆けとなった。1983年5月には、モータウン25周年コンサートで本曲を演奏し、そこでムーンウォークを初披露した(しかし本人曰く、この時のムーンウォークは満足のいく出来ではなかった)。
同年2月、ギタリストにエディ・ヴァン・ヘイレンを迎えた力強いロックナンバー「ビート・イット」が第3弾シングルとして発売。マイケルを先頭にロスの本物のギャング集団がダンスするという、『ウエスト・サイド・ストーリー』を模したスタイルのミュージック・ビデオが大きな話題となった。
12月には、現在に至るまでミュージックビデオの最高傑作と目される約14分の大作「スリラー」がMTVで初公開された。マイケルが狼男に変身したり、ゾンビとダンスを踊ったりと、特殊効果を多用したホラー映画風の本作は社会現象となり、これまでに大量のパロディが制作されている。1999年にMTVが発表した「今まで作られたビデオの中で最も偉大なベスト100」で1位に輝いている。
また、ローリング・ストーン誌が発表した『ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500』に於いては、「ビート・イット」が81位、「ビリー・ジーン」が58位に選ばれている。
成功[編集]
アルバムは全米チャートで通算37週に渡って1位を記録し、他7ヶ国でも1位を獲得。日本ではオリコン洋楽アルバムチャートで1984年2月13日付から12週連続1位を獲得し[13]、オリコンでの集計で史上2枚目の洋楽アルバムのミリオンセラーを達成した[15]。
またアルバムからは全9曲のうち7曲がシングルとして発売され、その全てが全米でトップ10入りを果たす快挙も成し遂げた。
売上枚数に関しては諸説あるものの、2012年にギネス世界記録において7000万枚の認定を受けており、現在も売上枚数を増やし続けている[16][17][18]T。2015年12月16日のアメリカレコード協会の発表によるとアメリカでの売上枚数は史上初めて3000万枚を超え、2019年現在のアメリカでのアルバムの売上枚数は歴代2位(1位はイーグルスの『グレイテスト・ヒッツ 1971-1975』の3800万枚)で、[19]世界全体での売上は歴代1位となっている。
1984年の第26回グラミー賞において、主要部門である最優秀レコードと最優秀アルバムに加え、最優秀男性ポップ歌手、最優秀男性ロック歌手、最優秀男性R&B歌手、最優秀R&Bソング、最優秀児童向けレコード、最優秀プロデューサー(プロデューサーであるクインシー・ジョーンズ個人の受賞)と異例の8部門を受賞した[20]。
収録曲[編集]
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「Wanna Be Startin' Somethin'」 | マイケル・ジャクソン | |
2. | 「Baby Be Mine」 | ロッド・テンパートン | |
3. | 「The Girl Is Mine」(feat. ポール・マッカートニー) | マイケル・ジャクソン | |
4. | 「Thriller」 | ロッド・テンパートン | |
5. | 「Beat It」 | マイケル・ジャクソン | |
6. | 「Billie Jean」 | マイケル・ジャクソン | |
7. | 「Human Nature」 | ジョン・ペティス スティーブ・ポーカロ | |
8. | 「P.Y.T. (Pretty Young Thing)」 | ジェームス・イングラム クインシー・ジョーンズ | |
9. | 「The Lady In My Life」 | ロッド・テンパートン | |
合計時間: |
スペシャルエディションのボーナストラック[編集]
- ナレーション〜クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.1
- サムワン・イン・ザ・ダーク(当時のアウトテイク/完全未発表)- Someone in the Dark (from E.T.: The Extra-Terrestrial storybook)(4:47)
- ナレーション〜クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.2
- ビリー・ジーン(オリジナル・デモ)
- ナレーション〜クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.3
- ナレーション〜ロッド・テンパートン・インタビューNo.1
- ナレーション〜クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.4
- ナレーション〜ヴィンセント・プライスによる「スリラー」ナレーション
- ナレーション〜ロッド・テンパートン・インタビューNo.2
- ナレーション〜クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.5
- メリーゴーランド(当時のアウトテイク/完全未発表)- Carousel (edited version)(1:50)
- ナレーション〜クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.6
Thriller 25[編集]
25周年記念特別盤。通常版と同じトラックと、ブラック・アイド・ピーズのファーギーやウィル・アイ・アム、他にもカニエ・ウェスト、エイコンなどがフィーチャリングしたトラックが含まれる。さらにDVDも含まれる。
- 10. Voice-Over Session from Thriller - 0:24
- 11. The Girl Is Mine 2008 with will.i.am - 3:11
- 12. P.Y.T. (Pretty Young Thing) 2008 with will.i.am - 4:17
- 13. Wanna Be Startin' Somethin' 2008 with Akon - 4:11
- 14. Beat It 2008 with Fergie - 4:10
- 15. Billie Jean 2008 Kanye West Remix - 4:34
- 16. For All Time - 4:08
- スリラー制作期の未発表曲であり、デヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ポーカロがプロデュースしている。また、スティーヴ・ルカサー、ジェフ・ポーカロが演奏している。構成はヒューマン・ネイチャーに近いものとなっている。
- 17. Got the Hots - 4:27
- これもスリラー制作期の未発表曲であり、日本盤のみ収録されている。オフ・ザ・ウォール時代の音楽性に近く、スリラーの方向性と合わず収録されなかった。
DVD
- 1. Thriller
- 2. Beat It
- 3. Billie Jean
- 4. Billie Jean (live, Motown 25: Yesterday, Today, Forever)
『スリラー25周年記念リミテッド・エディション』とブックレットが豪華な『スリラー25周年記念リミテッド・デラックス・エディション』がある。
その他[編集]
T『スリラー』のセールスは最高で1億1,000万枚と喧伝されることもあるが、[21] 非現実的な数字である。[22][23][24][25]
脚注[編集]
- ^ Thriller - Michael Jackson : Awards : AllMusic
- ^ ChartArchive - Michael Jackson - Thriller
- ^ dutchcharts.nl - Michael Jackson - Thriller
- ^ Item Display - RPM - Library and Archives Canada - 1983年4月23日付のRPMアルバム・チャートを掲載
- ^ swedishcharts.com - Michael Jackson - Thriller
- ^ charts.de
- ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.276
- ^ charts.org.nz - Michael Jackson - Thriller
- ^ Michael Jackson - Thriller - austriancharts.at
- ^ Michael Jackson - hitparade.ch
- ^ norwegiancharts.com - Michael Jackson - Thriller
- ^ “THE RECORD : 平成6年5月号: 平成6年3月度「ゴールド・アルバム」他認定作品”. 2014年5月6日閲覧。
- ^ a b マイケル・ジャクソン『スリラー』、全米セールス3300万枚を突破。史上初の33×プラチナ認定作品に! | マイケル・ジャクソン | ソニーミュージックオフィシャルサイト
- ^ “人類史上最も売れたアルバム、キング・オブ・ポップ=マイケル・ジャクソン 『スリラー』 の40周年記念盤が11月18日に発売決定!”. ソニーミュージック. 2022年7月1日閲覧。
- ^ オリコン史上初の洋楽ミリオンセラーは「フラッシュダンス」
- ^ Craig Glenday: “Biggest-selling Album Ever”. Guinness World Records. 2006年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月3日閲覧。
- ^ Gitlin, Martin (March 1, 2011). The Baby Boomer Encyclopedia. ABC-CLIO. p. 196 2012年3月15日閲覧。
- ^ Janosik, MaryAnn (2006). The Greenwood Encyclopedia of Rock History: The video generation, 1981-1990. Greenwood Press. p. 16. ISBN 978-0-313-32943-2 2011年7月14日閲覧. "The phenomenal success of Thriller as a landmark pop/rock album was enhanced further by Jackson's innovative dance based music videos"
- ^ “M・ジャクソンの「スリラー」、米売り上げが3000万枚超え新記録”. ロイター. (2015年12月17日) 2017年4月閲覧。
- ^ “マイケル・ジャクソン、『スリラー』で第26回グラミー賞8部門受賞(1984)”. ヤマハ. 2014年9月18日閲覧。
- ^ Leopold, Todd (2012年6月25日). “Michael Jackson's 'Thriller' At 30: Classic Track-By-Track Review”. Billboard 2012年12月3日閲覧. "Worldwide, estimates range as high as 110 million albums sold."
- ^ Bill Wyman (2013年1月4日). “Did "Thriller" Really Sell a Hundred Million Copies?”. The New Yorker (Condé Nast) 2013年1月10日閲覧。
- ^ Carl Bialik (2009年). “Spun: The Off-the-Wall Accounting of Record Sales”. The Wall Street Journal (Dow Jones & Company (News Corporation)) 2013年1月10日閲覧。
- ^ Carl Bialik (2009年7月14日). “How many albums did Michael Jackson Sell?”. The Wall Street Journal (Dow Jones & Company (News Corporation)) 2013年1月10日閲覧。
- ^ David Lara (2012年5月12日). “Michael Jackson's 'Bad' Gets a Revamp and More Inflated Sales!”. Impre (ImpreMedia) 2013年1月10日閲覧。
関連項目[編集]
- ビハインド・ザ・マスク (曲) - カバーを予定していたイエロー・マジック・オーケストラの楽曲。
- スプラッターハウス わんぱくグラフィティ-ナムコ発売のFCのアクションゲーム。ステージ1のボスがスリラーのパロディとなっている。
- 最も売れたアルバム一覧