カム・トゥゲザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
カム・トゥゲザー
ビートルズシングル
初出アルバム『アビイ・ロード
A面 サムシング(両A面)
リリース
録音 アビー・ロード・スタジオ
(1969年7月21日,7月25日,7月29日)
ジャンル ブルースロック[1]
時間
レーベル アップル・レコード
プロデュース ジョージ・マーティン
チャート最高順位
ビートルズシングル盤 U.K.U.S. 年表
ジョンとヨーコのバラード
b/w
オールド・ブラウン・シュー
(1969年)
カム・トゥゲザー
両A面
サムシング
(1969年)
レット・イット・ビー
b/w
ユー・ノウ・マイ・ネーム
(1970年)
ビートルズシングル盤 日本 年表
ジョンとヨーコのバラード
b/w
オールド・ブラウン・シュー
(1969年)
カム・トゥゲザー
b/w
サムシング
(1969年)
レット・イット・ビー
b/w
ユー・ノウ・マイ・ネーム
(1970年)
アビイ・ロード 収録曲
A面
  1. カム・トゥゲザー
  2. サムシング
  3. マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー
  4. オー!ダーリン
  5. オクトパスズ・ガーデン
  6. アイ・ウォント・ユー
B面
  1. ヒア・カムズ・ザ・サン
  2. ビコーズ
  3. ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー
  4. サン・キング
  5. ミーン・ミスター・マスタード
  6. ポリシーン・パン
  7. シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー
  8. ゴールデン・スランバーズ
  9. キャリー・ザット・ウェイト
  10. ジ・エンド
  11. ハー・マジェスティー
ミュージックビデオ
「Come Together」 - YouTube
テンプレートを表示

カム・トゥゲザー」(Come Together)は、1969年9月にビートルズが発表したイギリス盤公式オリジナル・アルバムアビイ・ロード』の収録曲であり、翌10月にシングル・カットされ、21枚目のオリジナル・シングル曲ともなった。シングル盤はA面曲で片面は「サムシング」である。ビートルズの楽曲の中でも、特にブルージーな曲として知られている。ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500に於いて、202位にランクされている[4]

解説[編集]

レノン=マッカートニーの作品。実質的にはジョン・レノンの作った楽曲である。リード・ボーカルはジョン・レノン[5]

本作は、「ドラッグの教祖」とあだ名されていたティモシー・リアリーが、アメリカ合衆国カリフォルニア州知事選挙に出馬を表明した際の応援ソングとして作られた楽曲。しかしティモシーは、選挙運動中にマリファナ所持により逮捕され、キャンペーンは中止となった[6][注釈 1]

ジョンは「この曲は、ファンキーだ。ビートルズの作品の中で、ぼくの好きな曲だといえるし、またレノンの作品の中でも、好きなもののひとつだね。ファンキーで、ブルースっぽくて、ぼくもかなりうまく歌っているしね。サウンドが気に入っているんだ。踊ることもできる。この曲は買いだね」と語っており[7]、解散後にも1972年のニューヨークでエレファンツ・メモリーと共にチャリティー・コンサートで演奏している[8]。この模様は、ソロ・ライヴ・アルバム『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』、2005年のベスト・アルバム『決定盤ジョン・レノン〜ワーキング・クラス・ヒーロー』で聴くことができる。

歌詞[編集]

歌詞は日本語に直訳すると意味不明なものであり、1976年に再発されたのアナログ盤『アビイ・ロード』の歌詞カードには「対訳不可能」と記載されていたほどである[注釈 2]。大意としては、ビートルズの各メンバーについて皮肉っているようであり、いくつかの単語は当時のメンバーの様子を表しているとされる。"One and one and one is three."の歌詞には三位一体を皮肉っている説や、「ビートルズは4人なのに1人欠けている」と、ポール・マッカートニー死亡説の一つにも挙げられた。

冒頭の「シュッ」と聞こえる声は、 "Shoot me"(「俺を撃て」)と歌っており[9]1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』に収録されたアウトテイクの冒頭や間奏部分では、ジョンが"Shoot me"と言っているのがはっきり聞き取れる。

発表当時の対訳者のレベルでは、翻訳不可能とされており、今日でも誤訳が散見される。Old Flat Topは1950年代にアメリカで特徴的に見られたデザインの自動車のことであるが、航空母艦や角切り頭と訳した為に後に続く歌詞が支離滅裂になっている和訳が多く見られる[注釈 3]

レコーディング[編集]

この曲のレコーディングは、1969年7月下旬にアビー・ロード・スタジオで開始され、プロデューサーのジョージ・マーティンの下で、ジョン・レノンリズムギターエレクトリックピアノに加えてリード・ボーカルポール・マッカートニーベースジョージ・ハリスンリードギターリンゴ・スタードラムスという編成で行われた[9]

7月25日にポールによるコーラスがオーバー・ダビングされた[10][注釈 4]。のちにポールはこの曲のコーラスについて、「昔のようにうまくハモれなかった」と述べている[12]7月29日7月30日にオーバー・ダビングされたジョージによるアウトロ近くのギターの高い音は、ビートルズの公式発表楽曲中一番高い音とされている(ハーモニクスを除く)。

リリース[編集]

「カム・トゥゲザー」は、アルバム『アビイ・ロード』のA面1曲目として収録されたのち、同作収録曲「サムシング」との両A面シングル[注釈 5]としてリカットされた。シングル盤は、アメリカで1969年10月6日にリリースされ、『ビルボード』誌が発表した1969年11月29日付のBillboard Hot 100で第1位を獲得[2][注釈 6]し、1969年年間ランキングでは第4位にランクインした。英米でジョン・レノン作のビートルズ・ナンバーとしては最後のチャート1位となっている。イギリスでは10月31日にリリースされ、全英シングルチャートで最高4位を記録した[13]

1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』には、1969年7月21日に録音された第1テイクが収録された。このテイクは、リリース版と歌詞が一部異なっている[注釈 7][14]

2006年シルク・ドゥ・ソレイユのミュージカルのサウンドトラック盤『ラヴ』には、「カム・トゥゲザー/ディア・プルーデンス/クライ・ベイビー・クライ」というメドレー形式の楽曲として収録された。この音源では、エンディングが「ディア・プルーデンス」のエンディング部分とクロス・フェイドし、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のピアノとドラム、「エリナー・リグビー」のストリングスが加えられた「Can You Take Me Back」[注釈 8]が流れて次曲に繋がるように編集が加えられている。

裁判[編集]

ビートルズ解散後、ジョンはチャック・ベリーの著作権者であり、マフィアとつながりがあったモリス・レヴィー(Morris Levy)から、この曲のメロディと一部の歌詞が、ベリーの「ユー・キャント・キャッチ・ミー」の歌詞及びメロディーの盗作であるとして訴えられた[注釈 9]

結局、アルバム『心の壁、愛の橋』にモリスが権利を有するリー・ドーシーの「ヤ・ヤ」を入れること、『ロックン・ロール』にベリーの「ユー・キャント~」と「スウィート・リトル・シックスティーン」、そして「ヤ・ヤ」を収録することでジョンとレヴィーは和解した。なお、チャック・ベリーは裁判を起こすようなタイプではなく、著作権者が勝手に起こした訴訟である。チャック・ベリーは、70年代前半にはコンサートでジョン・レノンと共演もしている。

演奏[編集]

※出典[10]

カヴァー[編集]

他にもコンサートなどを含めるとグラディス・ナイト&ザ・ピップス[16]プリンスエルトン・ジョンマリリン・マンソンなど、数多くのアーティストがカヴァーしている。また非常に古い話だが、桑田佳祐が1986年と87年にクリスマス特番(NTV)で歌っている。

収録アルバム/シングル[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ なお、この年対抗馬として立候補していたのが、共和党右派のロナルド・レーガンである。
  2. ^ 1987年のCD発売以降は、基本的には単純に直訳されたものが対訳として歌詞カードには記載されている
  3. ^ 他には、Coca-Colaをコカインと訳すべきところそのままコカ・コーラMuddy Waterを泥水、等々。
  4. ^ ただし、レコーディング・エンジニアジェフ・エメリックは、「この曲のボーカルは全部ジョンが担当した」と述べている[11]
  5. ^ ビートルズの両A面シングルは、過去にも「恋を抱きしめよう/デイ・トリッパー」、「イエロー・サブマリン/エリナー・リグビー」、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー/ペニー・レイン」と3つあったが、これらが両A面扱いであったのはイギリスにおいてのみだったため、英米ともに両A面シングルとしてリリースされた唯一の作品となる。
  6. ^ 発売当初、「サムシング/カム・トゥゲザー」は、通例によりそれぞれ単独の曲としてランクインし、「サムシング」は3位、「カム・トゥゲザー」は2位まで到達したが、両曲ともトップ10内に在位中にビルボードのチャート集計方法が変更され、両面ヒットは単独の作品として数えられるようになったため、両曲のポイントが合算されて「カム・トゥゲザー/サムシング」として1位になった。なお、『キャッシュボックス』誌では、別々にランキングされたまま単独で3週連続第1位を記録し、年間ランキングでは63位を記録した。
  7. ^ 例としては、第1テイクでは"he's one"と言っていたのが完成ヴァージョンでは"he one"と、be動詞を省略している。また、第1テイクでは"knees"と言っていたのが完成ヴァージョンでは"knee"となるなど、名詞の複数を表す"s"がことごとく省略されている。
  8. ^ クライ・ベイビー・クライ」の曲終了後に含まれているポール・マッカートニー作の楽曲
  9. ^ レコーディング時にポールによって指摘されており、ジョンは曲のテンポを遅くし、ヘビーなベースリフを加えてオリジナルのものにした[12]

出典[編集]

  1. ^ Freeman, Phil (2007). Marooned: The Next Generation of Desert Island Discs. Da Capo Press. p. 145. ISBN 978-0-306-81485-3. https://books.google.com/books?id=FhGhMWOQk-MC&pg=PA145. "It's a surface-heavy blues-rock tune, flanging and wailing away…" 
  2. ^ a b Wallgren, Mark (1982). The Beatles on Record. New York: Simon & Schuster. p. 57. ISBN 0-671-45682-2. 
  3. ^ Something / Come Together”. everyHit.com. 2007年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月13日閲覧。
  4. ^ The Rolling Stone 500 Greatest Songs of All Time”. Rolling Stone (2007年). 2019年4月13日閲覧。
  5. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 355. ISBN 1-84413-828-3. 
  6. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 314. ISBN 1-84413-828-3. 
  7. ^ 出典:『PLAYBOYインタビュー ジョン・レノン』、1981年 集英社(141~142頁)
  8. ^ Edmonson, Jacqueline. John Lennon: A Biography. 2010, ABC-CLIO, 978-0-313-37938-3, p. 149
  9. ^ a b Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 181. ISBN 0-517-57066-1. 
  10. ^ a b MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 358. ISBN 1-84413-828-3. 
  11. ^ Emerick, Geoff; Massey, Howard (2006). Here, There and Everywhere: My Life Recording the Music of the Beatles. New York: Penguin Books. p. 285. ISBN 1-59240-179-1. 
  12. ^ a b Miles, Barry (1997). Many Years From Now. London: Seeker & Warburg. p. 553. ISBN 0-436-28022-1. 
  13. ^ Something / Come Together”. everyHit.com. 2007年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月19日閲覧。
  14. ^ Winn, John C. (2009). That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966-1970. New York: Three Rivers Press. p. 307. ISBN 978-0-307-45239-9. 
  15. ^ Godsmack Chart History”. Billboard. 2019年4月13日閲覧。
  16. ^ Gladys Knight And The Pips - A Little Knight Music (Vinyl, LP) at Discogs

外部リンク[編集]

先代:
フィフス・ディメンション
ウェディング・ベル・ブルース
Billboard Hot 100 ナンバーワンシングル
1969年11月29日(1週)
次代:
スティーム
「ナナ・ヘイ・ヘイ・キス・ヒム・グッバイ」