バッド (アルバム)

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バッド(原題:Bad)は1987年8月31日に発売されたマイケル・ジャクソンのアルバム。

これまでに3000万枚以上を売り上げており、史上最も売れたアルバムの一つ。「ローリング・ストーンズ誌が選ぶ史上最も偉大なアルバム500」において202位。

シンセサイザーによる近未来的な世界観や歌詞のメッセージ性が強調された作品で、クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えた80年代三部作の最終作。

2012年9月19日には25周年記念盤が発売された。

Bad
マイケル・ジャクソンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1987年1月5日 - 6月9日
ウエストレイク・レコーディング・スタジオ
(カリフォルニア州ロサンゼルス)
ジャンル ポップ
時間
レーベル EPIC SONY
プロデュース マイケル・ジャクソン
クインシー・ジョーンズ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位 (オリコン
  • 1987年度年間アルバムチャート5位(オリコン)
  • マイケル・ジャクソン アルバム 年表
    Thriller
    (1982年)
    Bad
    (1986年)
    Dangerous
    (1991年)
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    概要[編集]

    マイケルがクインシー・ジョーンズをアルバムのプロデューサーに迎えたのは、本作が3度目であり最後である[1]

    当時一世を風靡した電子楽器「シンクラヴィア」を駆使した革新的な音作りと、世界平和や世相批判など決して個人的なものに留まらないメッセージ性の強い歌詞が、本作の大きな特徴とされている。

    収録曲は「マン・イン・ザ・ミラー」と「ジャスト・グッド・フレンズ」の2曲を除いて全てが自作である。「今回の曲は全部マイケルが書くべきだ」と言ったのはクインシーで、マイケルはその提案のもと本作のために60曲以上を作詞・作曲[1][2]し、そのうち33曲を正式に録音したという[1]。マイケルはこれらを3枚組のアルバムとしてリリースしようとしたが、「無理だ、長すぎる」というクインシーの反対により断念。その候補曲の多さゆえに、後に名曲としてファンの間で親しまれることとなる「ストリートウォーカー」「フライ・アウェイ」「チーター」などの曲が惜しくも選曲から漏れることとなった。

    逸話[編集]

    • 先行シングルとしてカットされたのは、クインシーの秘蔵っ子だったサイーダ・ギャレットとのデュエット曲「キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」。本曲から第5弾シングルの「ダーティ・ダイアナ」まで、5曲連続で全米1位を獲得することとなる。
    • 表題曲は、私服警官に強盗と間違えられて射殺されてしまった青年の実話[3]を基に制作された18分に及ぶショートフィルムが話題となった。
    • 5曲目の「ジャスト・グッド・フレンズ」では、モータウン時代からの旧友でもあるスティーヴィー・ワンダーとの共演が実現している。
    • 7曲目の「マン・イン・ザ・ミラー」では、ゴスペルを基調とした力強い音楽にのせて政治的な題材が扱われ、自作曲ではないものの後のマイケルの作風に大きな影響を与えた。
    • 第5弾シングル「ダーティ・ダイアナ」はダイアナ・ロスに向けて歌われたものではないかといわれたが、マイケル本人は否定している。ダイアナ妃をゲストに迎え入れた1988年のロンドン公演で、ダイアナ妃に「『ダーティダイアナ』は歌われるのですか?」と訊かれたマイケルが「いえ、貴方に失礼かと思いまして歌いません」と答えたところ、「ええ!私はあの曲が大好きなので歌って下さい!」と懇願されたという逸話が残っている。
    • マイケル本人が製作総指揮を取った1988年の映画「ムーンウォーカー」は、LP版で作品のラストを飾る一曲「スムーズ・クリミナル」の世界観を基に作られ、作中で披露された無重力傾斜(アンチ・グラヴィティ・リーン)が話題となった。
    • 未収録曲「ストリートウォーカー」はマイケル側がどうしても収録したがっていたが、代わりに「アナザー・パート・オブ・ミー」を収録すべきだというクインシー側の主張と対立し、その審議の最中に皆が踊りだしたのが「アナザー・パート・オブ・ミー」だったために収録が見送られた。なお、本曲はのちに「スペシャル・エディション」や「25周年記念盤」に収録されている。

    売上・評価[編集]

    前作『スリラー』の売上を超えるというマイケルの目標は達成されなかったものの[1]、本作は聴衆及び批評家から概ね高い評価を得た。特に、ビルボード史上において初めて同一オリジナルアルバムからのシングル5曲連続1位獲得を達成したという功績は特筆すべきである。1988年の第30回グラミー賞では4部門においてノミネートされ、最優秀録音賞を獲得した[1]

    売上に関しては諸説はあるものの、これまでおよそ3000万枚から4000万枚を売り上げたとされており、「史上最も売れたアルバム」ランキングの上位に位置付けられている。

    Bad 25周年記念盤[編集]

    Bad 25周年記念盤(原題:Bad 25th Anniversary)は、2012年最新リマスターを施したオリジナル盤に加え、当時選曲から漏れた未発表曲の数々や、25周年に合わせて制作された最新リミックス、及び1988年7月16日にロンドンのウェンブリー・スタジアムにて行われたコンサートの模様を収録したライヴDVD『Live At Wembley』が含まれる。 2枚組のスタンダードエディション、4枚組のデラックスエディションが存在する。

    収録曲[編集]

    #タイトル作詞・作曲時間
    1.Badマイケル・ジャクソン
    2.The Way You Make Me Feelマイケル・ジャクソン
    3.Speed Demonマイケル・ジャクソン
    4.Liberian Girlマイケル・ジャクソン
    5.Just Good Friends(feat. スティービー・ワンダー)テリー・ブリテン
    グラハム・ライル
    6.Another Part Of Meマイケル・ジャクソン
    7.Man In The Mirrorサイーダ・ギャレット
    グレン・バラード
    8.I Just Can't Stop Loving You(feat. サイーダ・ギャレット)マイケル・ジャクソン
    9.Dirty Dianaマイケル・ジャクソン
    10.Smooth Criminalマイケル・ジャクソン
    11.Leave Me Alone(CD盤のみ)マイケル・ジャクソン
    合計時間:
    Special Edition Bonus Truck
    #タイトル作詞・作曲時間
    1.「ナレーション~クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.1」  
    2.「Streetwalker」マイケル・ジャクソン
    3.「ナレーション~クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.2」  
    4.Todo Mi Amor Eres Tuマイケル・ジャクソン
    ルーベン・ブラデス
    5.「ナレーション~クインシー・ジョーンズ・インタビューNo.3」  
    6.「Fly Away ナレーション」  
    7.「Fly Away」マイケル・ジャクソン 
    25th Anniversary Disc2
    #タイトル作詞・作曲時間
    1.「Don't Be Messin' 'Round」マイケル・ジャクソン
    2.「I'm So Blue」マイケル・ジャクソン
    3.「Song Groove」マイケル・ジャクソン
    4.「Free」マイケル・ジャクソン
    5.「Price Of Fame」マイケル・ジャクソン
    6.Al Caponeマイケル・ジャクソン
    7.「Streetwalker」マイケル・ジャクソン
    8.「Fly Away」(姉リビー・ジャクソンに提供していた曲のセルフカバー)マイケル・ジャクソン
    9.Todo Mi Amor Eres Tuマイケル・ジャクソン
    ルーベン・ブラデス
    10.Je Ne Veux Pas La Fin De Nousマイケル・ジャクソン
    クリスティーン・ココ・ディクロワ
    11.Bad (Remix)(feat. ピットブル)マイケル・ジャクソン
    12.Speed Demon (Remix)マイケル・ジャクソン
    13.Bad (Club Mix)マイケル・ジャクソン
    25th Anniversary Disc3
    #タイトル作詞・作曲
    1.Wanna Be Startin' Somethin'(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    2.This Place Hotel(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    3.Another Part Of Me(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    4.I Just Can't Stop Loving You(ライヴ feat. シェリル・クロウ)マイケル・ジャクソン
    5.She's Out Of My Life(ライヴ)トム・バーラー
    6.I Want You Back/The Love You Save/I'll Be There(ライヴ)ハル・デイヴィス etc...
    7.Rock With You(ライヴ)ロッド・テンパートン
    8.Human Nature(ライヴ)スティーヴ・ポーカロ
    ジョン・ベディス
    9.Smooth Criminal(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    10.Dirty Diana(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    11.Thriller(ライヴ)ロッド・テンパートン
    12.Workin' Day And Night(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    13.Beat It(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    14.Billie Jean(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    15.Bad(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    16.Man In The Mirror(ライヴ)サイーダ・ギャレット
    グレン・バラード
    25th Anniversary Disc4
    #タイトル作詞・作曲
    1.Wanna Be Startin' Somethin'(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    2.This Place Hotel(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    3.Another Part Of Me(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    4.I Just Can't Stop Loving You(ライヴ feat. シェリル・クロウ)マイケル・ジャクソン
    5.She's Out Of My Life(ライヴ)トム・バーラー
    6.I Want You Back/The Love You Save/I'll Be There(ライヴ)ハル・デイヴィス etc...
    7.Rock With You(ライヴ)ロッド・テンパートン
    8.Human Nature(ライヴ)スティーヴ・ポーカロ
    ジョン・ベティス
    9.Smooth Criminal(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    10.Dirty Diana(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    11.Thriller(ライヴ)ロッド・テンパートン
    12.「Bad Groove」(ライヴ) 
    13.Workin' Day And Night(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    14.Beat It(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    15.Billie Jean(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    16.Bad(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    17.Man In The Mirror(ライヴ)サイーダ・ギャレット
    グレン・バラード
    25th Anniversary Disc4 Bonus Truck
    #タイトル作詞・作曲
    1.The Way You Make Me Feel(ライヴ)マイケル・ジャクソン
    2.I Just Can't Stop Loving You(ライヴ feat. シェリル・クロウ)マイケル・ジャクソン
    3.Bad(ライヴ)マイケル・ジャクソン
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    注釈[編集]

    出典[編集]

    1. ^ a b c d e 西寺郷太「第三章 「マイケル」と戦うマイケル - 絶頂期の混乱」『マイケル・ジャクソン』講談社〈講談社現代新書〉、2010年3月20日、第一刷、129から135ページ。ISBN 978-4-06-288045-9
    2. ^ マイケル・ヒートリー「CHAPTER 3: 世界的な偉業 1986-1999」『マイケル・ジャクソン 伝説の軌跡』ベストセラーズ、2009年8月8日、初版第1刷、76ページ。ISBN 978-4-584-17098-4
    3. ^ [1]