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'''[[空条承太郎]]'''が[[スターダストクルセイダース|エジプトでの決戦]]で'''[[ディオ・ブランドー|DIO]]'''を撃破してから10年以上の月日が流れた、[[1999年]]。[[日本]]のM県S市にある'''[http://live.watchmovie-gratis.info/movie/tt6105880/.html 杜王町]'''(もりおうちょう)に住む高校[http://live.watchmovie-gratis.info/movie/tt6105880/.html 生'''広瀬康''']'''一'''の視点と語りで物語が語られる。 |
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海洋冒険家となった承太郎は、老いて死を実感するようになった祖父の'''[[ジョセフ・ジョースター]]'''の遺産分配について調査した結果、彼の隠し子<ref group="注">承太郎の年下の叔父。</ref>である'''[[東方仗助]]'''(ひがしかた じょうすけ、ジョジョ)が杜王町に住んでいることを知る。仗助と話をするために杜王町を訪ねた承太郎は、偶然、不良学生に絡まれていた仗助を発見する。当初は腰が引けていた仗助が、髪型を侮蔑された怒りで[[スタンド (ジョジョの奇妙な冒険)|スタンド]]を発現させて不良学生を撃退する姿に、承太郎は驚く。承太郎は仗助に父ジョセフのことを伝える一方、仗助を探す過程でジョセフが念写した写真により、凶悪犯罪者にしてスタンド使いの'''アンジェロ'''がこの街に潜んでいることが判明したため、警戒をうながす。しかしアンジェロは仗助の一瞬の油断をつき、かつてアンジェロを逮捕した警官である仗助の祖父を殺害する。仗助は、警官として杜王町を長年守ってきた祖父の遺志を継ぎ、町を悪のスタンド使いから守る決意を固める。アンジェロを追い詰めて撃破した承太郎と仗助は、アンジェロが何者かに、スタンド能力を覚醒させる'''「弓と矢」'''で射られてスタンドを発現したこと、その何者かと「弓と矢」はDIOと関わりがあることを知る。 |
海洋冒険家となった承太郎は、老いて死を実感するようになった祖父の'''[[ジョセフ・ジョースター]]'''の遺産分配について調査した結果、彼の隠し子<ref group="注">承太郎の年下の叔父。</ref>である'''[[東方仗助]]'''(ひがしかた じょうすけ、ジョジョ)が杜王町に住んでいることを知る。仗助と話をするために杜王町を訪ねた承太郎は、偶然、不良学生に絡まれていた仗助を発見する。当初は腰が引けていた仗助が、髪型を侮蔑された怒りで[[スタンド (ジョジョの奇妙な冒険)|スタンド]]を発現させて不良学生を撃退する姿に、承太郎は驚く。承太郎は仗助に父ジョセフのことを伝える一方、仗助を探す過程でジョセフが念写した写真により、凶悪犯罪者にしてスタンド使いの'''アンジェロ'''がこの街に潜んでいることが判明したため、警戒をうながす。しかしアンジェロは仗助の一瞬の油断をつき、かつてアンジェロを逮捕した警官である仗助の祖父を殺害する。仗助は、警官として杜王町を長年守ってきた祖父の遺志を継ぎ、町を悪のスタンド使いから守る決意を固める。アンジェロを追い詰めて撃破した承太郎と仗助は、アンジェロが何者かに、スタンド能力を覚醒させる'''「弓と矢」'''で射られてスタンドを発現したこと、その何者かと「弓と矢」はDIOと関わりがあることを知る。 |
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=== 仗助とその仲間たち === |
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: 声 - [[羽多野渉]] / [[小野友樹]](少年時代 - [[大地葉]]) / 演 - [[山崎賢人|山﨑賢人]] |
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: 本作の主人公。身長180cm<ref group="注">初登場時185cm(成長中)と記載されていたが後に180cmとなった</ref>。双子座。爬虫類が苦手(特に亀)。第4部のJOJO。ジョセフの隠し子で、血縁上は承太郎の叔父。スタンドは触れたものを直す「'''クレイジー・ダイヤモンド'''」。 |
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|1-6=OLMの映画作品 |
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|1-7=漫画を原作とする映画作品 |
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2017年4月24日 (月) 05:43時点における版
ダイヤモンドは砕けない | |
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ジャンル | サスペンス・ホラー |
漫画:ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない | |
作者 | 荒木飛呂彦 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプ・コミックス |
発表期間 | 1992年20号 - 1995年51号 |
巻数 | 単行本 全19巻(29 - 47巻) 文庫版 全12巻(18 - 29巻) |
話数 | 全174話 |
テンプレート - ノート |
Template:漫画 は 廃止されました |
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『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』(ジョジョのきみょうなぼうけん パート4 ダイヤモンドはくだけない、JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Part4 Diamond is unbreakable)は、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart4(第4部)。スタンド(幽波紋)シリーズ・第2弾。サスペンス・ホラー漫画に分類される。
単行本29巻 - 47巻(1992年 - 1995年)に収録。
『ダイヤモンドは砕けない』は後年に付けられた副題で、連載当時の副題は「第4部 東方仗助」。なお、文庫版で付けられた日本における英語表記は『Diamond is not Crash』だったが、これは英語としては誤った表現であるため、後に発売されたゲーム版や画集やアニメでは『Diamond is unbreakable』へと変更された。
2015年10月24日には、テレビアニメ化が決定したことが報じられ[1]、2016年4月から12月まで放送された。
2016年9月28日には、本作単体での実写映画化が発表された。詳細は#実写映画を参照。
あらすじ
空条承太郎がエジプトでの決戦でDIOを撃破してから10年以上の月日が流れた、1999年。日本のM県S市にある杜王町(もりおうちょう)に住む高校生広瀬康一の視点と語りで物語が語られる。
海洋冒険家となった承太郎は、老いて死を実感するようになった祖父のジョセフ・ジョースターの遺産分配について調査した結果、彼の隠し子[注 1]である東方仗助(ひがしかた じょうすけ、ジョジョ)が杜王町に住んでいることを知る。仗助と話をするために杜王町を訪ねた承太郎は、偶然、不良学生に絡まれていた仗助を発見する。当初は腰が引けていた仗助が、髪型を侮蔑された怒りでスタンドを発現させて不良学生を撃退する姿に、承太郎は驚く。承太郎は仗助に父ジョセフのことを伝える一方、仗助を探す過程でジョセフが念写した写真により、凶悪犯罪者にしてスタンド使いのアンジェロがこの街に潜んでいることが判明したため、警戒をうながす。しかしアンジェロは仗助の一瞬の油断をつき、かつてアンジェロを逮捕した警官である仗助の祖父を殺害する。仗助は、警官として杜王町を長年守ってきた祖父の遺志を継ぎ、町を悪のスタンド使いから守る決意を固める。アンジェロを追い詰めて撃破した承太郎と仗助は、アンジェロが何者かに、スタンド能力を覚醒させる「弓と矢」で射られてスタンドを発現したこと、その何者かと「弓と矢」はDIOと関わりがあることを知る。
折しも杜王町では、何者かが「弓と矢」でスタンド使いを無差別に増やし続けていた。ある日、学校帰りの康一と仗助は虹村億泰とその兄の虹村形兆に因縁をつけられ、更に康一が形兆に「弓と矢」で射られてしまう。虹村兄弟の父親はかつてDIOの手下として働いていたのだが、DIOの死によって植え込まれていた「肉の芽」が暴走し、醜い不死身の肉体に変貌してしまっていた。形兆が父親を楽に死なせてやれるスタンド使いを探し続けていたことを知った仗助は彼らに同情し、改心した億泰も兄を説得するが、形兆は突如現れた電気のスタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」によって殺害され「弓と矢」も奪われてしまう。
新たにスタンド能力を覚醒した康一と、復讐に燃える億泰の協力もあり、仗助はチリ・ペッパーの本体である音石明を倒し、承太郎は「弓と矢」を回収する。しかし、杜王町には未だ、形兆や音石が「弓と矢」を使って覚醒させたスタンド使いが多数存在していた。仗助と康一は数々の奇妙な事件を経て、康一を偏愛する女学生・山岸由花子、天才漫画家・岸辺露伴、金に汚いがどこか憎めない中学生・重ちー(矢安宮重清)、他人の顔と運勢を操るエステティシャン・辻彩などといった、杜王町の奇妙なスタンド使いたちと交流する。また仗助は、杜王町にやってきた父・ジョセフと対面し、不器用ながらも親子の絆を深めていく。
ある日、康一と露伴はこの世とあの世の境界に迷い込み、幽霊の少女・杉本鈴美と出会う。15年前に「美しい手の女性を狙う殺人鬼」に殺された鈴美は、その殺人鬼が今もなお杜王町で快楽殺人を続けていることに心を痛めており、2人に町の尊厳を取り戻すことを懇願する。その後、杉本鈴美を調査した露伴は、その殺人鬼から鈴美によって幼少期の自分が助けられていたという過去の事実を知る。それからまもなくして、その連続殺人鬼にしてスタンド使いの吉良吉影と偶然出会ってしまった重ちーは、口封じとして人知れず吉良に殺害される。重ちーの遺した手がかりから調査を始めた仗助たちは吉良を追い詰めるが、吉良は辻彩のエステ店に逃げ込み、自分と背格好が似た他人・川尻浩作の顔へと自分の顔を変化させた後、彩を殺害して逃亡する。吉良の自宅に乗り込んだ仗助たちは、形兆とは別ルートで吉良が入手していた、スタンド能力を覚醒させる「弓と矢」を新たに発見する。だが、死してなお幽霊となってスタンド能力で息子を守ろうとする吉良の父親・吉良吉廣が現れ「矢」だけを奪って逃亡する。
別人・川尻浩作に成り済ましてなおも殺人を重ねる吉良を追う仗助たちだが、それを排除しようと吉廣は「矢」を用いて新たなスタンド使いを増やし続ける。仗助ら一行と露伴は、吉廣が唆して差し向けた5人の刺客となるスタンド使いと戦い、退けながら吉良の所在を捜索する。一方、父・浩作の変化に不審感を抱いた小学生・川尻早人は独自に調査を始め、本物の父は既に殺され、今の父親の正体は殺人鬼が成り替わった偽者であるという事実をつきとめる。あくまでも平穏な生活を続けたい吉良は早人を脅迫するが、逆に自分の正体を暴露すると脅され、勢い余って早人を殺してしまう。露伴たちが確実に怪しむ、決定的な証拠を作ってしまい絶望する吉良だったが、再び「矢」に射貫かれたことで、吉良に不利な状況が起こる以前にまで時間を巻き戻すという“運命”そのものを味方にしたかのような新たな能力「バイツァ・ダスト」を手に入れる。
バイツァ・ダストによる時間の巻き戻しにより生き返った早人は、バイツァ・ダストの能力で吉良に迫ろうとする者たちを誘き寄せて確実に排除するための“地雷”として利用されてしまう。バイツァ・ダストの能力で仗助ら一行が死亡・全滅することが確定した“運命”にまで追い込み、勝利を確信する吉良だったが、その無敵と思われた能力は“偶然”に賭けた早人の挑戦で破られ、自身のスタンド能力の最大の天敵・東方仗助の眼前に引きずり出されることになる。朝の出勤ラッシュ後の閑静な住宅地で最終決戦を繰り広げる仗助と吉良。その戦いの中でも、影に潜んで息子を援護していた吉廣は、仗助の策にはまり息子の攻撃に巻き込まれて消滅する。一進一退の攻防の末に互いに満身創痍となる仗助と吉良だったが、騒ぎが大きくなったことで、駆けつけた仗助の仲間たちだけではなく町の人々までもが集まりだし、吉良は“大衆の面前に晒される”という最も恐れていた状況に追い込まれる。バイツァ・ダストを発動させて、この状況が起こる以前にまで時間を巻き戻しての逃亡を図る吉良だったが、それも承太郎と康一に阻止され、救助のためにやってきた救急車の進路上に殴り飛ばされて轢死する。
この世とあの世の境界に降り立った吉良の幽霊は、鈴美によってあの世へと送り込まれ、杜王町は真の意味で殺人鬼の恐怖から解放される。鈴美は、仗助たちや早人ら杜王町の人々の奮闘により町の尊厳が守られたことに満足し、仗助たちに見送られながら天国へと旅立っていった。「弓と矢」がもたらした一連の脅威も去ったことで、承太郎とジョセフもアメリカへの帰国の途に就く。仗助ら杜王町の住人たちには、悪に屈さぬ正義の心「黄金の精神」が宿っており、その精神はこれからも連綿と引き継がれていくことだろうと述懐するジョセフと、それを見送る仗助の姿を描きつつ、第4部は閉幕する。
エピソード
収録状況はジャンプ・コミックスのもの。
巻数 | タイトル | 話名 |
---|---|---|
29 | 東方仗助 登場するの巻 | 空条承太郎! 東方仗助に会う その1〜3 東方仗助! アンジェロに会う その1〜5 虹村兄弟 その1 |
30 | 虹村億泰・形兆の巻 | 虹村兄弟 その2〜10 |
31 | 広瀬康一(エコーズ)の巻 | 広瀬康一(エコーズ) その1〜5 間田敏和(サーフィス) その1〜5 |
32 | 山岸由花子は恋をするの巻 | 山岸由花子は恋をする その1〜9 |
33 | イタリア料理を食べに行こうの巻 | イタリア料理を食べに行こう その1〜4 レッド・ホット・チリ・ペッパー その1〜6 |
34 | 漫画家のうちへ遊びに行こうの巻 | レッド・ホット・チリ・ペッパー その7〜8 やばいものを拾ったっス! その1〜3 漫画家のうちへ遊びに行こう その1〜4 |
35 | 岸辺露伴の冒険の巻 | 漫画家のうちへ遊びに行こう その5〜7 「狩り」に行こう! その1〜5 岸辺露伴の冒険 その1〜2 |
36 | 「重ちー」の収穫の巻 | 岸辺露伴の冒険 その3〜5 「重ちー」の収穫 その1〜7 |
37 | 吉良吉影は静かに暮らしたいの巻 | 吉良吉影は静かに暮らしたい その1〜5 杜王町の人々 山岸由花子はシンデレラに憧れる その1〜3 |
38 | シアーハートアタックの巻 | 山岸由花子はシンデレラに憧れる その4〜6 シアーハートアタック その1〜6 |
39 | 父の涙の巻 | シアーハートアタック その7〜11 アトム・ハート・ファーザー その1〜5 |
40 | ジャンケン小僧がやって来る!の巻 | 吉良吉影の新しい事情 その1 ジャンケン小僧がやって来る! その1〜6 吉良吉影の新しい事情 その2 ぼくは宇宙人 その1〜2 |
41 | ハイウェイ・スターの巻 | ぼくは宇宙人 その3〜6 ハイウェイ・スター その1〜6 |
42 | 猫は吉良吉影が好きの巻 | ハイウェイ・スター その7〜8 猫は吉良吉影が好き その1〜6 鉄塔に住もう その1 |
43 | エニグマは謎だ!の巻 | 鉄塔に住もう その2〜6 エニグマの少年 その1〜4 |
44 | ぼくのパパはパパじゃないの巻 | エニグマの少年 その5〜6 ぼくのパパはパパじゃない その1〜2 チープ・トリック その1〜6 |
45 | アナザーワン バイツァ・ダストの巻 | アナザーワン バイツァ・ダスト その1〜10 |
46 | クレイジー・Dは砕けないの巻 | クレイジー・Dは砕けない その1〜9 |
47 | さよなら杜王町 -黄金の心の巻 | 思い出させてあげる 町の守護聖霊 さよなら杜王町 - 黄金の心 |
登場人物
スタンドのパラメーターは『JOJO A-GO!GO!』より。声の項は指定が無い限り、順にASB版・EOH版 / テレビアニメ版のもの。1つしかないものはテレビアニメ版のものとする。演の項は実写映画版における俳優。
仗助とその仲間たち
- 東方 仗助(ひがしかた じょうすけ)
- 声 - 羽多野渉 / 小野友樹(少年時代 - 大地葉) / 演 - 山﨑賢人
- 本作の主人公。身長180cm[注 2]。双子座。爬虫類が苦手(特に亀)。第4部のJOJO。ジョセフの隠し子で、血縁上は承太郎の叔父。スタンドは触れたものを直す「クレイジー・ダイヤモンド」。
- 『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズを象徴する主人公の愛称は「ジョジョ」だが、仗助に対しては序盤で一度用いられただけである。
- 『オールスターバトル』の北米版では第八部の東方定助との区別のため"Josuke Higashikata 4"と表記されるほか、スタンド名も"Shining Diamond"(シャイニング・ダイヤモンド)と改名されている。Crunchyrollで配信されているテレビアニメの北米版でも、スタンド名は同様の変更である。
- 広瀬 康一(ひろせ こういち)
- 声 - 朴璐美 / 梶裕貴 / 演 - 神木隆之介
- 仗助の同級生。今作の語り部。1984年3月28日生まれ。牡羊座。設定上の身長は157cmだが、作中ではそれより低く描かれている。両親と姉との4人暮らしで老犬ポリスを飼っている。当初は一般人だったが、虹村形兆に「矢」で射抜かれスタンド使いとなる。
- 最初はどこか頼りない性格だったが、自分で窮地を乗り越えていく度に人間的に成長していき、仗助たちから強く信頼されるようになる。特に承太郎や岸辺露伴からの信頼は厚い。また、一癖ある人物からも好かれる性質で、露伴は彼を親友と言い、山岸由花子は異常に彼を愛し、敵として交戦経験もあった小林玉美や間田敏和からも親しくされている。
- 当初は由花子の求愛に引き気味であったが、和解を申し出たのち、辻彩によるスタンドメイク術を経て彼女に想いを寄せる。メイク効果が切れた後も変わらず、むしろ由花子の内面的な魅力に惚れこみ、晴れて両思いとなった。由花子の顔が元通りにならなかった場合、自分に見られるのが嫌だろうと考えそれなら自分の両目を見えなくさせるよう求めるなど、真剣に由花子を愛しており、その行動が辻彩の心を動かした。
- Parte5『黄金の風』の序盤にも登場。そのためPlayStation 2用ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』に登場予定だったが事情により未登場となった[注 3]。
- 名字の由来は、宮城県仙台市を流れる河川「広瀬川」[2]。
- エコーズ
- 虹村形兆に「矢」で射抜かれたことで発現したスタンド。当初卵の状態で出現し、玉美との戦いで殻を破って誕生した。康一の精神的成長に合わせて脱皮するように進化していく[注 4]。進化直後は進化前の能力を使用できず狼狽する場面もあったが、後にエコーズの各形態を用途に応じて任意で切り替えて使い分けている。
- スタンド名の由来はイギリスのバンドピンク・フロイドの楽曲「エコーズ」[3]。
- 『オールスターバトル』およびテレビアニメの北米版では、"Reverb"(リバーブ)と改名されている。
- ACT1(アクトワン)
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 卵から孵ったエコーズ。射程は50m程度。パワー、スピードはほとんど無いが、物体に文字(擬音)を貼り付け、その音を繰り返し響かせる能力を持つ。また、康一の気持ちを文章にしたモノを相手に貼り付ければ、相手の心に直に想いを強く訴えることができる。ただし、異常なほど思い込みの激しい人間には通用しない。
- デザインのイメージはエイリアンの幼生[4]。
- ACT2(アクトツー)
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 「ACT1」が進化した姿で、やや小型化したエコーズ。射程はACT1と変わらない。ACT1よりスピードが格段に上昇し、尻尾を切り離して変形させたしっぽ文字に触れた者に文字に応じた擬音の効果を体感させる能力を持つ。文字はACT1同様物体に貼り付けることも可能。
- デザインのイメージは立ち上がったアライグマ[4]。
- ACT3(アクトスリー)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 「ACT2」が進化した姿で、それまでのエコーズの姿とは異なり子供のような姿をした人間型のスタンド。自意識を持ち会話も可能であり、康一には従順で丁寧な言葉使いだが口汚く、「S・H・I・T(エス・エイチ・アイ・ティー)」が口癖。射程は短く5m程度だが、その分身体的強度とパワーが増し肉弾戦が可能となった。殴った物質を重くする「3 FREEZE(スリー・フリーズ)」の能力を持つ。重さは康一が対象に近づけば近づくほど重くなり、30cmくらいまで接近すればスタンドさえも地面にめり込みほとんど動けなくなるほど重くできるが、一度に一つの物しか重くできず、射程距離外に出てしまうと重さが消えるどころか能力自体が解除されてしまう。
- なお第5部『黄金の風』での登場時には、破壊力が「A」に格上げされている。
- 虹村 億泰(にじむら おくやす)
- 声 - 高木渉 / 同左(小学生時代 - 齋藤小浪) / 演 - 真剣佑
- 虹村形兆の弟。身長178cm。てんびん座。各部に貨幣に関するマークが入り、右肩に「億」、左肩に「BILLION」と書かれた学ランを着ている。
- 単純で直情的だが気のよい人物。頭が良くないことをたびたび指摘されており、本人いわく物事を深く考えると頭痛を起こすらしい。いつも兄を信じ頼って行動していたため、決断が苦手。女の子に縁がないらしく、康一と由花子の関係に嫉妬して泣いて悔しがる場面がある。強面な容姿に似合わず、なかなかにおぼっちゃん育ちでグルメ[注 5]。甘党であり、カレーライスは甘口の物しか食べられず、最後は料理に惹かれ口にしているが、トニオ(後述)の作る唐辛子入りパスタにも初めは難色を示した。その他にも、幕の内弁当を食べながらミルクティーを注文したり、憂鬱な月曜の朝にはストロベリー&チョコチップアイスを舐めながら登校するのが心の慰めと語っている。
- 物語序盤は敵スタンド使いとして登場。DIOに植え付けられた肉の芽の暴走によって怪物と化した父を殺すため、「弓と矢」で「父親を殺せるスタンド使い」を産み出すという兄の手助けのため仗助と戦った。しかし彼に助けられ、また父親を殺すスタンドを探しているという形兆に、治すスタンドを探すなら手伝ってもいいと言ったことを物陰で聞いたことにより改心し、それ以降は仗助の親友となる。仗助らと打ち解けた直後、レッド・ホット・チリ・ペッパーに兄の形兆を殺害され、捜索の末に本体の音石明を見つけ出し仇を討つことに成功[注 6]。その後も仗助らと行動を共にする。元々は実家のある東京の高校に在籍していたが、形兆の死後はぶどうヶ丘高校に転校。仗助と康一とは在籍クラスが違う。
- 吉良吉影との決戦では、猫草の「空気弾」による爆撃で重傷を負い、心肺停止状態に陥るが、クレイジー・ダイヤモンドによる修復と、夢の中で邂逅した兄・形兆から「自分の行き先は自分で決めろ」と諭され「杜王町に戻る」と決断したことで戦線に復帰した。
- 作者によると、「虹村」という名前は漢和辞典を取り出しながら「虹がいいなあ」と考えて決めたという[5]。
- ザ・ハンド(手)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 右手で掴んだあらゆる物を空間ごと削り取る、人型のスタンド。削られた空間は自然に閉じ、空間ごと削り取られた対象物がどこに行くのかは能力者の億泰自身にも分からず、クレイジー・ダイヤモンドの修復能力でも戻すことはできない。対象の強度・硬度に関わらず、当てることさえできればあらゆる物を削り取れる驚異的な能力を持つため、仗助や形兆など複数の人物から「恐ろしいスタンド」と評されている。基本的に無表情で、作中でも変わることはなかった。
- 空間ごと削り取るには、右手で弧を描くような軌道で大振りする必要があるため、接近戦を得意とするスタンドやスピードが速いスタンドには直接当てることは難しく、劇中でも戦闘中に敵自体を削り取ったことは一度もなかった。レッド・ホット・チリ・ペッパーにも「スローすぎる」とこの欠点を指摘された。
- だが直接削り取る以外にも能力の応用として、自分と対象の間の空間を削り取り、その空間が閉じる力を利用して、弧を描いた方向へ自身を瞬間移動させたり、弧を描いた軌道上の対象物を自身の方へと引き寄せることが可能で、これを用いることにより多彩な行動や味方の戦闘のサポートが行える。レッド・ホット・チリ・ペッパー戦では、この能力で自身を瞬間移動させて戦い相手を翻弄し、仗助と吉良吉影の決戦の最終局面では、追い詰められたキラークイーンが腹部のシャッターを閉めていない隙を突いて、この能力で猫草を引き寄せ奪い取るという活躍をみせた。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「ザ・バンド」[6]。
- 岸辺 露伴(きしべ ろはん)
- 声 - 神谷浩史 / 櫻井孝宏
- 杜王町に住む人気天才漫画家。「矢」で貫かれスタンド能力に覚醒する。
- スタンド能力で対象を本へと変え、情報を閲覧したり書き込んだりもできるスタンド「ヘブンズ・ドアー(天国への扉)」を操る。
- 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)
- 声 - 小野大輔 / 同左 / 演 - 伊勢谷友介
- Part3の主人公で仗助の(年上の)甥。28歳。祖父のジョセフに何かがあった時のために遺産を整理していたところ、ジョセフに隠し子・仗助がいることが発覚。仗助への遺産分配の手続きと、ジョセフの念写により杜王町に潜伏していることが判明した殺人鬼・アンジェロの追跡のため、杜王町を来訪する。絶大な破壊力と精密性、時間停止能力を持つ最強のスタンド「スタープラチナ(星の白金)」を操る。
- ジョセフ・ジョースター
- 声 - 杉田智和(ASB版)・石塚運昇(EoH版) / 石塚運昇
- Part2の主人公で仗助の父親。79歳。仗助と対面するため、また音石明をそのスタンド能力で追跡するため、杜王町を訪れる。念写能力を持つ茨状のスタンド「ハーミットパープル(隠者の紫)」を操る。
- 川尻 早人(かわじり はやと)
- 声 - 佐藤ゆうこ / 佐藤利奈
- 川尻浩作と川尻しのぶの息子。11歳。登場時点では両親の盗撮や盗聴が趣味の暗い性格の少年だったが、父親が別人とわかり得体の知れない恐怖と危機感を抱くようになってからは、感情表現豊かな子供となった。母いわく「何を考えてるか分からない子」だが、本人いわく「本当に自分は両親から求められて生まれた子なのか?」と両親の愛が欲しかったゆえ、考えた末に「記録と観察」という結論で盗撮に走った模様。盗撮する中で吉良吉影が成り済ました父の不審な行動に疑念を抱き、猫草の一件で今の父は殺人鬼が成り替わった偽者であると確信に変わったことから吉良と戦おうと決心し、スタンド能力を持たない一般人でありながら、後にはスタンド使いの仗助たちと共に吉良を追いつめた。
- 前述の確信を得たことから吉良に殺害されるが、バイツァ・ダストが時間を巻き戻したことから復活させられた後は意志の強さと度胸を見せるようになっていくうえ、戦いではさらなる成長を遂げていく。バイツァ・ダストを「偶然」に賭けて解除したり、仗助と吉良の最終決戦でも、仗助の代わりに爆弾に変えられた億泰に触って第一の爆弾を解除するなど、共闘した仗助を驚愕させるほどの捨て身の行動力は、仗助に「ブッ飛んでる根性の持ち主」「本当に小学生かよ」と言わしめた。
- 父とは決して仲が良いわけではなかったが、吉良(浩作)の死亡後はいつまでも夫を待ち続ける母の姿に心を打たれ、自分も父を一緒に待ち続けると涙した。
杜王町のスタンド使い
- 小林 玉美(こばやし たまみ)
- 声 - 田中一成 / 鶴岡聡
- 仗助たちの高校のOB。ゆすり屋。身長153cm(初登場時は長身で6頭身以上あったが、回を追うごとに身長が縮んでいった。テレビアニメでは当初から身長が低く描写されている)。乙女座。20歳。口の左に十字型の傷がある。
- 虹村形兆の「矢」で射抜かれてスタンド使いになり、その能力を使って康一とその家族をゆすり、破滅させようとしたが、康一のスタンド「エコーズ」に倒されて改心し、一方的に彼の舎弟になる。その後はゆすり屋を辞め、金融業者の取立人となった模様(仗助からは怪しまれている)。
- 味方にはなったものの、活躍は間田に関する情報を提供したのみで、実戦には一切参加していない。また、間田と出会った際には仗助に変身したサーフィスに攻撃され、人知れず入院していた時期もある。退院後、罪悪感に反応する能力を買われて仗助と露伴のチンチロリン勝負に取立人として立ち会った。康一の舎弟になって以降も仗助に対しては、以前の敵対していた頃の恨みはまだ根に持っているとのこと。
- 後に、数コマだが『岸辺露伴は動かない -六壁坂-』にも登場している。
- ザ・ロック(錠前)
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 他者に取り付く南京錠型のスタンド。本体の周囲で罪悪感を感じた人間から出現し、対象の持つ罪悪感に応じて大きくなり、心身に重圧を与える。複数の相手に同時に取り付けることも可能。精神作用から、相手の自殺を誘発することさえあるという。
- 罪悪感を持たない相手には効果がなく、錠を取り付けられた場合でもその素である罪悪感が無くなれば解除される。
- ゲームなどのルールを、契約した「約束」として守らせるために能力を使うこともでき、仗助と露伴のチンチロリン勝負では取立人として呼び出され、二人の勝負に立ち会った。
- 間田 敏和(はざまだ としかず)
- 声 - 松野太紀 / 下和田ヒロキ
- 仗助たちと同じ高校の3年生。身長165cm。獅子座。形兆のスタンドの「矢」で射抜かれ、スタンド使いとなった。かなり卑屈で陰険な性格。テニス部でマンガ好き。
- 自分たちより強いよそ者である承太郎の存在を嫌って町から追い出そうと画策し、最終的には殺害しようとするが、仗助たちが先に承太郎の下に到着しており、仗助が追跡中に間田が痛めつけたバイカーたちの怪我を治した上で、間田のいる場所まで呼び寄せていたため、そのバイカーたちに袋叩きにされ、戦闘不能になる。敗北して入院後、仗助たちに「スタンド使いは無意識のうちにひかれ合う」という物語の重要なキーワードを話した。
- 最初は頭身が高く描写されていたが、やがて顔がギャグ調になり、身長も康一と同じ程度にまで縮んで描写されている[注 7]。仗助のことは「女にモテる奴だ」とあまり好きではないが、康一のことは露伴同様「気が合いそうだ」と好感を持っており、同じ漫画好きという共通点で一方的に友人として接している。
- 岸辺露伴の大ファンで、康一と共に露伴の家を訪れた際には康一共々ヘブンズドアーで記憶を読まれ、露伴のためになるならと読まれることに感激していたが、仗助や承太郎、億泰、由花子などの出会いによって生み出された康一の記憶は「最高だ」「読者にも好かれると思うよ」と高評価だったのに対し、しょうもないことを考えている敏和の記憶は「最低なヤツだ」「こんなの書いても読者が喜ぶハズがない」と酷評された[注 8]ため、「救いがない」と嘆いた。
- サーフィス(うわっ面)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C(数十メートル) / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 等身大の木製デッサン人形をベースに、触れた人間の姿、仕草、指紋、声紋からすべてコピーするスタンド。自律型スタンドで性格までコピーされるため、大雑把な命令には従うが本体の間田に忠実というわけではない。コピーした本体との見分け方は、サーフィスの方の額についている+型のネジ。実体化しており、普通の人にも見える。コピーされた相手はサーフィスと向き合うと、鏡に映ったように同じ動作しか取れなくなる。外見が変わっても木製なのは変わらないため、衝撃により破損[注 9]することがある。あくまでデッサン人形に憑依するタイプのスタンドで、人形にダメージを与えても本体である間田にダメージは反映されない。また、クレイジー・ダイヤモンドほどではないが、パワーもスピードも共に高い。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「サーフェス」[3]。作者は「漫画『パーマン』のコピーロボットのイメージかもしれない」と語っており[4]、作中でサーフィス自身も自分の能力に関してそのことに言及している。
- テレビアニメの北米版では、"Show Off"(ショウ・オフ)と改名されている。
- 山岸 由花子(やまぎし ゆかこ)
- 声 - 赤﨑千夏 / 能登麻美子 / 演 - 小松菜奈
- 康一を異常に愛する容姿端麗な女子高生。身長167cm。射手座。腰まである長い髪が特徴。高校では億泰と同じクラス。形兆に「矢」で射抜かれてスタンド使いとなる。
- 普段はクールで素っ気無い態度だが、非常に身勝手でキレやすく、思い込みの激しい性格。
- 康一に一目ぼれし、喫茶店に呼び出して告白するが、その後はストーカー紛いのアプローチを開始し、康一に関わる女生徒を殺そうとするなど、行動はエスカレートしていく。康一のテストの点数の悪さに見かねて彼を自分好みに教育しようと別荘に軟禁するが、求愛を拒否されたことに逆上して暴走する。結果として康一とエコーズが成長するきっかけとなり、頭髪が真っ白になるほどのダメージを受けながらも抵抗するが、敵でさえ気にかける彼の優しさに触れ、完敗してもなお康一を愛し続ける。辻彩の介入の後、やがて両想いとなった。
- 料理の腕は抜群で、康一は監禁されている間も由花子の作る料理だけは本心から喜んで食べていた。
- テレビアニメ版では、第7話の間田戦の中盤で仗助と康一が間田を追跡する場面でワンシーンであるが先行登場している。
- トニオ・トラサルディー
- 声 - 松原大典 / 川島得愛
- 杜王町でイタリア料理店「トラサルディー」を営むイタリア人の男性(ナポリ生まれ)。「自分の作った料理でお客様に快適になってもらうこと」を望み、それに情熱のすべてをかける。年は若いが、料理人としての腕前は億秦の舌を唸らせ、「天使のような料理人」とまで言わせるほど。
- 自分の理想とする料理を求めて世界中を旅していた当時、スタンド能力に気づいたと語っている。故郷ではまだ若いという理由で自分の店を出すことを認められず、日本でなら実力さえあれば年齢に関係なくチャンスが得られると考えて来日し、新鮮で美味しい食材が手に入るという理由から杜王町に出店した。
- 店の仕事はすべて単独でやっており、料理を運ぶウェイターの仕事もこなさなければならないため、テーブルの数はわずか2つという小さな店である。しかしながら、料理の才能は超一流であるのはもちろん、手のひらを見ただけで相手の体調を完璧に見抜くという特殊能力を持っており、それぞれの客の体調に合わせた健康に良い料理を出すことをポリシーとしている。そのため、店に決まった形のメニューはない(ただし、作る料理はどれも基本的にはイタリアの伝統的な家庭料理をベースとしている)。
- 基本的には善人だが、店の衛生管理には非常に気を使っており、手を洗わないまま厨房に踏み入った者に激怒し、包丁を投げ付けるという神経質な一面を持つ。
- 料理を食べる度に億秦が常軌を逸したリアクションをとったことから、敵スタンド使いとの連戦で疑心暗鬼気味になっていた仗助から敵ではないかと誤解されたが、結局は誤解が解けて戦わずに終わり、逆に厨房に勝手に入った仗助を掃除係としてこき使った。
- 『岸辺露伴は動かない 〜エピソード6:密漁海岸〜』にも登場するが、来日した理由や杜王町に出店した理由が本編や小説とは異なり、重病の恋人の治療に必要な食材が杜王町にあるうえ、それを手に入れるために来日したことになっている。
- 小説『恥知らずのパープルヘイズ』ではパッショ-ネの元麻薬チームメンバー、マッシモ・ヴォルペの実兄という設定となっている。本名はアントニーオ・ヴォルペで、トニオは愛称。イタリアの貴族ヴォルペ家の跡継ぎだったが、その当時ヴォルペ家は血のつながりのない、貴族の地位を金で買っただけのブルジョア商人ばかりであり、彼らに対し表向きは媚びへつらい裏では罵倒する父に愛想を尽かして家を継がずに料理人の道を目指すことを決める。しかしそれに理解を示さない父親から勘当され、以降は母方の姓であるトラサルディーを名乗り、イタリアの料理界は貴族崩れの半端者である自分を受け入れてはくれないと判断してイタリアを離れ、修行のために世界中を回ったとされている(家を出た後、実家のヴォルペ家が借金で立ち行かなくなり、パッショーネに家名ごと身売りしたことや、スタンド能力を身に着けた弟のマッシモの能力により、父親が廃人となっていることを知っているのかどうかは不明)。
- テレビアニメの北米版では、"Tonio Trendy"(トニオ・トレンディー)と改名されている。
- パール・ジャム
- 【破壊力 - E / スピード - C / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 料理に混入し、食べた者の身体の不調を治すスタンド。顔と腕のあるプチトマトのような姿をしており、複数いる。治し方は症状にもよるが、目から涙が滝のように流れて睡眠不足が解消されたり、虫歯が凄まじい勢いで抜けた後に新しい歯が猛スピードで生えてきたりするなど、常軌を逸したリアクションが起こる。ただし、治せる不調には限度があり、一定以上の重病には効果を発揮しない。本体が善人ということもあって、基本的に無害なスタンドである。
- なお、客に対しては治る理由を「食材に含まれる栄養素の効能」と説明しており、身体に不調の無い者が同じ料理を食べてもリアクションは起きない。治癒能力は基礎となる食材に大きく左右され、トニオの調理技術と食材と相成ってはじめてその力が発揮される。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「パール・ジャム」[7]。
- テレビアニメの北米版では、"Pole Jam"(ポール・ジャム)と改名されている。
- 静・ジョースター(しずか・ジョースター) / 透明の赤ちゃん
- 声 - 川田妙子
- 杜王町で迷子になっていた所をジョセフに保護された身元不明の赤ん坊。性別は女。
- 当初はストレスから生じた無意識のスタンドの暴走であらゆる物を透明にして騒ぎを起こしたが、結果的に静の存在が仗助とジョセフのわだかまりを解消することとなった。
- その後、ジョセフにだけは心を開き、彼のそばにいる間は能力を発動しなくなったが、ジョセフから離れたりカメラのフラッシュなどでショックを受けると、すぐに周囲を透明にしてしまう。
- 最後まで母親は分からず、ジョセフの養女となる。静・ジョースターはその後の名前であり、出生名は不明。
- 矢安宮 重清(やんぐう しげきよ)
- 声 - 山口勝平 / 同左
- ぶどうヶ丘中学校に通う中学2年生。あだ名は「重ちー」。体重110kg。実年齢より精神年齢は幼く、口癖は「〜だど」「ししっ」「理解不能」。頭に無数のトゲが生えたような髪型。家で飼っている亀の名は「ゴン太」。自らのスタンドを使い、町中に落ちている小銭を集めている。
- 欲深な守銭奴だが、仗助いわく「どこかほっとけない」人物。心の底では杜王町と両親を一心に想い愛している。「サンジェルマン[注 10]」のテリヤキチキンサンドが好物。当初は仗助と億泰から「小遣い稼ぎ」に利用され、3人で手に入れた宝くじの賞金を独占しようとして一悶着起こしたが、結局は自分だけでは宝くじを手に入れられなかったことを悟って改心し、その賞金は平等に三等分した。その後は仗助と億泰と友人になる。
- 後日、吉良吉影と遭遇した際に彼の秘密を知ったために交戦するが、爆殺されてしまう。しかし、死の間際には吉良の服のボタンを手に入れ、スタンドに運ばせることで仗助たちに手がかりを残した。重清の魂は昇天しながら崩れ去り、その際の叫びは仗助や億泰をはじめとするスタンド使い達にも届き、彼らを鈴美の元に集結させ、町に長年潜む連続殺人鬼(吉良吉影)の危険性を知る事になった。死の当日も重清と親しくしていた仗助や億泰の受けた衝撃は大きく、率先して吉良を探し出すきっかけを作った。吉良のスタンド能力ゆえ遺体すら残らず消滅したため、警察では行方不明者扱いになっている。
- 苗字の「矢安宮」はカナダの歌手ニール・ヤングに由来する[7]。仗助と並び、作者の一番のお気に入りキャラクターであり、『ジョジョ』シリーズ通して一番好きなキャラクターと評している[8]。また、物語を盛り上げるためとはいえ死なせたことに苦悩し、何度も復活させたいと思っていたと語っている[8]。
- ハーヴェスト(収穫)
- 【破壊力 - E / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 自称500体からなる、4本の腕を持つ小さな群体型スタンド。物を集めることを得意とする。破壊力自体は低いものの、相手の皮膚を「集める」能力で削り取ることは可能であるうえ、眼球や頸動脈といった急所をピンポイントで狙えるため、高い殺傷力を発揮する。眉間から注射針のような器官を出し、酒など集めた液体を相手の身体に直接注入できる。バケツリレーのように重清自身を運ばせることで素早い移動も可能であるうえ、高い悪路走破能力もあり、ビルを垂直に登ることもできる。遠隔操作が可能で、射程距離については「迷子になるから杜王町の外には出ないようにしている」とのこと。
- 非常に数が多い群体型スタンドであるため、スタンドを攻撃しても数匹潰した程度では本体へのダメージにならず、1体がかなり小さいのでそもそも攻撃することが困難。それでいて急所を狙えば人間に致命傷を与えられる程度の攻撃力を持ち、酒類などを利用すれば致命傷を与えるまでも無く戦闘能力を奪うこともできる。精密動作性は「E」と評価されているが、先述の酒を血管に注射する際、目の前の相手に気づかれないよう1匹を死角から回り込ませていることから、少なくても目に見える範囲であれば1体ずつにバラバラの命令を与えられる模様。このスタンドの特性と「集める」能力を駆使したトリッキーな戦闘スタイルは、仗助と億泰の2人がかりでも奇策で降参させるのがやっとなほど強力で、仗助からは「ハーヴェストに勝てるやつがいるとは考えられない」と高評されている。作者自身も西尾維新との対談において、重清(ハーヴェスト)は最強ではないかという西尾の質問に対し、肯定している[9]。
- スタンド名の由来はニール・ヤングのアルバム「ハーヴェスト」[7]。
- 辻 彩(つじ あや)
- 声 - 水橋かおり / 大原さやか
- 杜王町でエステ「シンデレラ」を営むエステティシャン。世界各国のエステティシャンコンクールで優勝した実力派で「魔法使い」を自称する。ため息をつきながら喋る口調が特徴。幼い頃から童話『シンデレラ』に登場する魔法使いに憧れ、エステティシャンとなった。
- 「愛と出遭うためのメイク」と称し、スタンド能力でエステを行っていた。康一を振り向かせたい由花子の願いを聞き入れて協力するが、顔を維持するための条件を守らなかったために顔が崩れて逆恨みしてきた彼女に「無数の顔の中から自分の顔を見つけ出す」という選択を迫る。実はその中に正解はなかったが、康一の自身の犠牲を一切厭わない優しさを目の当たりにして心を打たれ、由花子の顔を元に戻した。
- その後、逃走中だった吉良吉影に、川尻浩作の顔と右手の指紋を無理矢理移植させられた後、口封じのために瀕死の重傷を負い、更にはキラークイーンの能力で自身が爆弾にされる。駆け付けた仗助たちに吉良の新しい顔を教えようとした瞬間、爆殺される。そして重清同様、警察で行方不明者扱いになった。
- テレビアニメでは原作の掲載順とアニメでの放送順が異なる関係上、鈴美の元にスタンド使いが集結する場面にも登場しており、その時点では自分の店に来るとは思っていない旨の発言をする描写が挿れられた。
- 支倉 未起隆(はぜくら みきたか) / ヌ・ミキタカゾ・ンシ
- 声 - 加瀬康之
- 仗助の高校に転校してきた、「マゼラン星雲からやって来た『宇宙人』で、本名はヌ・ミキタカゾ・ンシ、年齢は216歳、職業は宇宙船のパイロット」と自称する青年。
- ブドウヶ丘の畑道を1人で歩いていた所、スタンドの「矢」の導きに従い町をさまよっていた吉良吉廣に目を付けられ、仗助らに差し向ける6人目の刺客となるスタンド使いへと仕立て上げようと、背後から「矢」を首にめがけて投げつけられる。しかし貫かれずに「矢」が弾き飛ばされるという、全シリーズ中でも唯一の現象を見せた(本人は何かが命中したことにだけ気づいた)。しかし、射抜かれずには済んだものの、「矢」が当たった首の右側に軽傷を負い、意識を失いミステリーサークルの中心で倒れていた所、目覚めた際に仗助と億泰に出会う。
- 掴み所の無い性格で一般常識に乏しい。ポケットティッシュを丸飲みするなど常軌を逸した行動に出ることもあったが、仗助からは悪人でないと判断された。登場当初はスタンドが見えていない描写があったが、後の相関図(44巻)には「スタンドは見えるらしい」との記述がある[注 11]。サイレンの音に対してアレルギーを持つらしく、耳にするとジンマシンが出たり、悲鳴を上げたり、嘔吐したりしていた。
- 苦手とするサイレンの音から逃げるために仗助のスニーカーに変身してサイレンから逃げる手助けをしてもらい、その恩を仗助に返そうとする。仗助は未起隆をサイコロに変身させ、イカサマ博打で露伴から金を巻き上げようと画策した。鋼田一との戦闘の際には変身能力を駆使して仗助と共に戦い、億泰からもその覚悟を認められた。
- 母親なる人物が登場し「息子が『自分は宇宙人だ』と言って転校する先々の学校を混乱させて困る」と言うが、当の未起隆は彼女のことを「母親役を演じさせるために洗脳している」と語っていた。結局、未起隆が宇宙人なのか、そう思い込んでいるスタンド使いなのかは不明のままとなっている。作者は「本当はどっちなんだろうな、というのが面白い」ということで、自分では決めていないと語っている[10]。
- アース・ウインド・アンド・ファイヤー
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 本体をバラけさせ、何にでも変身できる能力を持つスタンド。小さな物や軽いものなら何でも変身でき、複数に分裂することもできるが、自分以上に力のあるものや複雑な機械には変身できないうえ、人の顔真似などもできない。姿を変えた自分を対象に装着させることで自分+対象の結果を出せる。本体の一部を分離して変身させることも可能。未起隆自身はスタンド能力ではなく、宇宙人としての特殊能力だと語っている。
- 後のPart6でも同名の能力が登場するが、そちらは単行本収録時に名称が変更されている。
- 能力名は劇中には登場せず、画集『JOJO A-GO!GO!』でつけられた。能力名の由来はアメリカのバンド「アース・ウィンド・アンド・ファイアー」[11]。
- 『オールスターバトル』の北米版では、"Terra Ventus"(テラ・ヴェントゥス)と改名されている。
- 噴上 裕也(ふんがみ ゆうや)
- 声 - 神原大地 / 谷山紀章
- 暴走族の高校生。「控えめに言ってもミケランジェロの彫刻のように美しい」と自称するナルシスト。取り巻きにアケミ(声 - 古賀葵)、ヨシエ(声 - 木村珠莉)、レイコ(声 - 篠田みなみ)というヤンキー女3人をはべらせている。自慢は猟犬以上に良い鼻。
- 当初は吉良吉廣に唆され、吉影を追う仗助や露伴らを倒そうと仕向けた5人の刺客の1人として登場。バイク事故で重傷を負った際に吉廣の「矢」で貫かれ、スタンド能力を発現する。病院に運ばれた後、自身の負傷を回復させたいという強い思いから事故を起こした二つ杜トンネルに罠を張り、強い生命力を持つスタンド使いを取り込もうと待ち構えていた。
- 岸辺露伴を罠に取り込み、彼を追って現れた仗助と追跡戦を繰り広げた末に辿り着かれた病室では、仗助の養分を吸い取って追い詰めるが、自分の治療用の点滴で仗助が体力を回復したことにより、形勢は逆転する。仗助の「怪我人を攻撃するのは気分が悪い」という理由から、スタンド能力によって怪我を一度完治させられたうえでラッシュ攻撃を叩き込まれ、そのまま入院生活を続けることになってしまう。
- 後のエニグマの少年(宮本輝之輔)と戦う際には、怪我を治してもらうことを条件に仗助と共闘する。当初は康一の捜索にだけ協力すると決めており、敵と戦う気はまったくなかったが、罠の可能性が高くても友人を助けに行く仗助の姿に心を打たれた結果、敵スタンドの術中に自分からはまる捨て身の戦法を用いて仗助と康一を救出する。そのため、仗助には「ちょっぴりカッコいいんじゃねーかよ」と評された。
- 「弓と矢」にまつわる一連の事件の解決後、杉本鈴美が天国へと旅立つ際には見送りに顔を出した。
- ハイウェイ・スター
- 【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 人間の体内に侵入して養分を吸い取る遠隔操作型のスタンド。二つ杜トンネルの中に部屋を作り出し、対象人物が興味をそそる幻覚を見せておびき寄せ、好奇心でその部屋に入り込んだ者の匂いを記憶し、標的をどこまでも追跡する。網目状の模様が付いた人型の姿から、スライス状に分離して複数の足跡のような姿に変化できる。
- 視覚や聴覚は本体と共有でき、遠隔自動操縦も可能。追跡スピードの最高は時速60km。追跡相手に振り切られた場合には、スタンドを一度解除して予測した大よその位置に再出現させ、相手の匂いを頼りに再度追跡を開始することもできる。
- 遠距離からの奇襲を得意とするが、ある程度なら近距離での戦闘もできる。ただし能力の性質上、養分を吸いとれる生物に対しては強いが、スタンド自体の素地の力は弱く、シュレッダーを殴っても破壊できない。
- スタンド名の由来はディープ・パープルの楽曲「ハイウェイ・スター」[11]。
- 『オールスターバトル』の北米版では、"Highway Go Go"(ハイウェイ・ゴー・ゴー)と改名されている。
敵スタンド使い
- 片桐 安十郎(かたぎり あんじゅうろう) / アンジェロ
- 声 - 浜田賢二 / 演 - 山田孝之
- 「日本犯罪史上最低の殺人鬼」。1964年杜王町生まれ。IQ160。
- 「いい気になっている奴」を破滅させることが生き甲斐。12歳の時に強姦と強盗を犯し、投獄。それからも罪を犯し続け、青春の大半を獄中で過ごしてきた。1994年3月に少年3人を強姦殺人して死刑判決を受けていたが、虹村形兆に「矢」で射抜かれてスタンド使いとなり、スタンド能力で絞首刑を生き延びて脱獄した。バイセクシャルであるらしく、少年少女どちらも被害に遭う描写がなされた。
- その後、杜王町でスタンドを一般市民に取り付かせ、犯罪を楽しんでいたところ、仗助に邪魔されて彼を逆恨みする。仗助の母に取り付こうとして失敗し、スタンドを小瓶の中に閉じ込められてしまうが、そこでかつて自分を逮捕した仗助の祖父を偶然発見し、私怨により殺害する。
- 葬式の3日後、雨の日を狙って仗助と承太郎に襲い掛かるが、仗助の機転により再度スタンドを捕らえられ、本体の居場所が暴かれてしまった。最後は岩と融合させられ、スタンド能力を得た経緯を承太郎に白状させられるが、それでも悪あがきをしたうえに仗助の髪型をバカにしたため、キレた彼の手でより念入りに融合させられ、「アンジェロ岩」と呼ばれる杜王町の観光名所と化す。
- 通称の由来はアメリカの作曲家「アンジェロ・バダラメンティ」[3]。
- アクア・ネックレス(水の首かざり)
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - E】
- 水分に混ざり相手の体内に侵入して攻撃するスタンド。水蒸気にも同化できる。簡単なものになら姿を変えることもできる。人型で全身には無数の目がある。人間に取り憑いて操ることもできる。
- 物質同化タイプのスタンドなので自由に消すことができず、閉じ込められてもガラスを破るパワーもないという弱点がある。
- 虹村 形兆(にじむら けいちょう)
- 声 - 志村知幸(小学生時代 - 東内マリ子) / 演 - 岡田将生
- 虹村億泰の兄。18歳。億泰とは対照的に冷静沈着で、非常に几帳面な性格。
- 杜王町で「弓と矢」を使ってスタンド使いを増やしていた者の1人。「弓と矢」の性質上、スタンドの素質のない者を何人も殺害してきた。その目的は、DIOの肉の芽の暴走により不死身の化け物になってしまった父親を「普通に死なせてやる」ことのできる能力者を探すこと。
- 仗助に倒された億泰に重傷を負わせ、自身はスタンドで仗助を迎え打つが、クレイジー・ダイヤモンドで再生したミサイルを撃ち返されて敗北し、父親の家族を想う気持ちを仗助に知らされた直後、レッド・ホット・チリ・ペッパーの攻撃から億泰を庇い、電線に引き込まれて死亡する。
- 自分で調べた情報から、承太郎が遠因で父親が変貌したことは分かっていたが、父親が悪行を行っていたことから「DIOに魂を売った親父の自業自得」と割り切っており、承太郎のことは憎んではいない[要出典]。
- 後に吉良吉影との戦いで重傷を負った億泰の夢の中に現れ、彼自身に進むべき道を決断させ、戦線へ復帰させた。
- バッド・カンパニー(極悪中隊)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- M16自動小銃を装備した 歩兵60名、戦車7台、AH-64 アパッチ4機で構成されている米陸軍を模したミニチュア軍隊のスタンド。他にも地雷や、康一のスタンドを覚醒させるためにけしかけたグリーンベレーがいる。
- 群体のスタンドであるため、数体倒されたところで本体には影響はほとんどない。軍隊の武器のサイズは小さいが威力は本物であり、数体の同時攻撃やミサイルでの攻撃は高い殺傷力を誇る。
- スタンド名の由来はイギリスのバンド「バッド・カンパニー」[6]。作者は「『G.I.ジョー』のフィギュアなどからの発想」と語っている[4]。
- テレビアニメの北米版では、"Worse Company"(ワース・カンパニー)と改名されている。
- 音石 明(おといし あきら)
- 声 - 森久保祥太郎 / 同左
- ギターを愛するロッカー。19歳。ライトハンド奏法ができる。一見自信家でお調子者のように見えるが、仗助や承太郎らと渡り合うために力を蓄えてから彼らの前に姿を現したり、相手の実力を見極めて反省すると即座にその戦いに適応するなど、戦いの駆け引きに関しては優れた能力を持つ。
- 虹村形兆に「矢」で射抜かれてスタンド能力を引き出されるが、スタンド能力が成長した後、彼を殺害して「弓と矢」を奪い、以降はスタンドによる窃盗などを繰り返しながら力を蓄えていた。その後、仗助らの前に姿を現し、自身を探知できるジョセフの存在を知って彼を殺そうとしたところ、億泰と仗助に阻まれる。億泰には勝利し、仗助にはスタンドパワーを最大限に引き出して圧倒するが、スタンドが能力の弱点である海に落ちて敗北する。そのまま再起不能になったと思いきや、ジョセフの乗った船に自ら泳いで乗り込み、船員に扮してジョセフの殺害に動いたところを勘で億泰に殴り倒される。
- スタンド能力で働いていた5億円相当の窃盗罪で逮捕され、懲役3年の刑に科せられる[注 12]が、その際に承太郎と億泰に「今度スタンドで悪事をしたら、確実に息の根をとめてやる」と脅されたうえ、承太郎から依頼されたスピードワゴン財団に、秘密裏に「弓と矢」を所有していた間の行動を自白剤などで尋問され、ドブネズミ2匹を射たことを自白している。なお、この「弓と矢」はスピードワゴン財団によって回収・管理されている。
- 後に『岸辺露伴は動かない -六壁坂-』にも登場しており、この頃にはすでに刑期を終え、出所していることが判明している。
- 『オールスターバトル』では、康一に仲良くしようと歩み寄ったり露伴にかなり真剣にサインを求めるなど、作中でほぼ描かれなかった一面を見せた。
- レッド・ホット・チリ・ペッパー
- 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 電気を操り、電気と同化する人型のパキケファロサウルスを思わせる姿をしたスタンド。電気があるところならどこにでも移動可能であり、普段はコンセントや電線の中を移動する。他の物体を電気と同化させて電線の中に引っ張り込むこともできる。
- 遠隔操作型のスタンドだが、電気を吸収すればするほど強くなる特性を持つため、電気さえあれば遠距離でも近距離パワー型に匹敵するパワーと精密操作を行える。特にスピードは、電気と同化しているために光速に近い。弱点はスタンドが電気と一体になっていることで、電気が失われるとパワーダウンにとどまらずスタンド自体が消滅(=本体の死)してしまう危険性がある[注 13]。
- スタンドが顕現している状態では常に電気を消費し続けているため、長く活動するにはそれだけ大量の電気が必要となる。また、電気抵抗の影響も直に受けるため、ゴムなどの絶縁体内では電気の補給も通過もできず、逆に導体である海に転落すれば短時間で拡散してしまう。
- 舞台となった杜王町では、町一帯の電力を全て吸い上げることでクレイジー・ダイヤモンドを遥かに超えるスピードとパワーを発揮できるが、それを行なうとしばらく町が停電に陥りバッテリーなどの弱い電力でしか活動できなくなるため、最後の切り札としていた。実際の最大のパワーはどの位であるかは不明である。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」[6]。デザインは漫画『恐竜大紀行』の頭突きの強い恐竜(パキケファロサウルス)と『ドラゴンボール』のフリーザの影響を受けている[4]。
- 『オールスターバトル』およびテレビアニメの北米版では、"Chili Pepper"(チリ・ペッパー)と改名されている。
- ネズミ(虫喰い、虫食いでない[12])
- 声 - なし
- 杜王町に生息する2匹のドブネズミ。音石に「矢」で射抜かれ、スタンド使いとなる。承太郎を襲った個体は耳たぶが虫喰い状にちぎれているため、承太郎が「虫喰い」という通称を名付けた。
- 普通のネズミを凌駕する高度な知能をスタンド能力と合わせ、同種のネズミや人間を襲っていた。音石の自白からその存在を知った承太郎と仗助が狩りに乗り出す。身体自体は普通のネズミと同様であり、高速で放たれたパチンコ玉や銃弾の直撃に弱いため、「虫喰いでない」は仗助の放ったパチンコ玉で仕留められるが、さらに奸智に長けた「虫喰い」は仗助と承太郎を苦戦させる。仗助と承太郎の仕掛けた罠を逆に利用したり、バックトラックを用いたりして彼らを手玉にとるが、仗助の放った1発目の銃弾が外れたことに油断し、岩陰から顔を出したところを2発目の銃弾で仕留められた。
- ラット
- 【破壊力 - B / スピード - C / 射程距離 - D / 持続力 - B / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 生物や物、さらにはスタンドさえ溶かしてしまう毒針を発射する、背中に乗せた砲台型のスタンド。通常は一つ眼の怪物のような形態で、眼の部分がスコープになっている。詳細は不明だが、溶かしたものを煮こごりのように固めることもできる模様。毒針自体の威力はさほどではなく、金属製のフライパンなど、ある程度硬いものには跳ね返された。また、スタープラチナのようなスピードと精密性に優れるスタンドならば容易に針を掴んで止めることができるが、針に触っただけで毒が回ってしまうため、実質的に避けるしかない。針は通常時は単発発射だが、3発までなら連続発射できる。
- この毒で溶かされた生物はすぐ死ぬわけではなく、原形を止めないほどに溶かされて形を変えられていても、頭などの重要な部分が原形を保っていれば生きていることが多い。そのため、息さえあればクレイジー・ダイヤモンドで元の溶かされる前の姿に戻せる。
- 本体が別々に存在するが、2匹とも同じデザイン・同じ能力の珍しいスタンドである。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「ラット」[7]。
- 吉良 吉影(きら よしかげ)
- 声 - 小山力也 / 森川智之
- 手の綺麗な女性を48人殺してきた連続殺人鬼。本作における最大の敵。
- スタンドは爆弾に関する能力を持つ「キラークイーン」。スタンド名は、『オールスターバトル』の北米版では"Deadly Queen"(デッドリークイーン)と改名されている。
- 詳細は「吉良吉影」を参照
- 吉良 吉廣(きら よしひろ) / 写真のおやじ
- 声 - 島田敏 / 千葉繁
- 吉良吉影の父親。息子を溺愛し、異常な性癖を理解している唯一の人物。
- かつて、エジプトでエンヤ婆から素養のある人間をスタンド使いに覚醒させる「弓と矢」を譲り受け、その時点でスタンド能力を手にした。吉影が21歳の時に癌により死亡するが、幽霊となってからもスタンド能力で現世に残り息子を護り続けている。写真の中から、着ている寝間着から綻びさせた毛糸を巧みに操り、物を取ったり移動したりできる。吉影に対しては慈愛に満ちた態度で接する一方、吉影に害を成す相手に対しては一転して攻撃的な本性をさらけ出し、徹底的に排除しようとする。
- 吉良家を調査に来た仗助たちにスタンド能力を用いて襲いかかるが、スタンド能力の弱点を見抜いた承太郎に無力化され、一度は捕われる。だが話術と奇策で億泰と康一を出し抜き「矢」を奪って逃走する。
- その後は「矢」を用いて能力を悪用するようなスタンド使いを増やし、言葉巧みに唆して刺客として差し向けることで、吉影を追う仗助らを倒そうと暗躍する。仗助と吉影の最終決戦では、早人のポケットに隠れて携帯電話で吉影を援護していたが、それを仗助に気づかれて空気弾を誘導され、吉影に仗助と間違われて爆破されてしまい写真ごと完全に消滅し、同時に成仏した。
- アトム・ハート・ファーザー
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 自身が写っている写真の中に空間を隔離するスタンド。写真の中で起きたことは隔離された空間の中にも作用する。写真と同じ空間にいる人間はその枠内から出られず、枠の外からの干渉もできない(干渉しようとすると、枠の外から中をすり抜けて反対側へ移動する)。
- 「写真の中」へは一切干渉できず、写真自体に攻撃してもそのダメージは写っている人間にそのまま返ってくるため、「写真の中」からの攻撃を防ぐ手段はない。ただし、影響を及ぼせる写真は本体が最後に写った1枚のみなので、新たに写真を撮り直せばリセットされる。半ば「写真の中」と一体化しており、このスタンドの影響下にある写真を吉廣ごと撮影すれば、その空間がくり抜かれたようになる。この能力で仗助と承太郎を殺そうとするが、承太郎に能力の弱点を見抜かれ無力化された。
- 吉廣のセリフによると生前は写真に入り込む能力だったらしく、幽霊となった現在も感光された後の写真の中に自身や物を出し入れできる。
- スタンド名の由来はピンク・フロイドのアルバム「アトム・ハート・マザー」(邦題「原子心母」)[11]。
- 大柳 賢(おおやなぎ けん) / ジャンケン小僧
- 声 - 日野未歩 / 坂本千夏
- 岸辺露伴が町で吉良吉影の捜査を行っている際、唐突にジャンケン勝負をけしかけてきた捉え所のない不思議な少年。年齢11歳の小学6年生。
- 吉良吉廣が唆し、吉影を追う仗助や露伴らを倒そうと仕向けた5人の刺客の1人で、「矢」で貫かれてスタンド使いへ覚醒した。左頬には「矢」が刺さった際に生じた穴が開いたままになっているが、痛みはない様子。ジャンケンの勝敗は単なる運ではなく、「心の強さ」で決するものだという持論を持つ。
- 20歳という若さで漫画家として認められている露伴に目をつけ、彼を心の強さで打ち負かして乗り越え、露伴を超える尊敬される人物になるため、ジャンケン勝負を挑む。スタンド能力でヘブンズ・ドアーの2/3を奪うところまで追い詰めるが、静・ジョースターを利用した露伴の策によりヘブンズ・ドアーを奪い返されたうえ、強運を自力で手繰り寄せた露伴に敗北する。その後、露伴に悪事を働くことがないようヘブンズ・ドアーで「再起不能」にしようと詰め寄られるが、「自身の精神が他人の命令に左右されるくらいなら」と道路に飛び出して自決を図ったところ、その矜持に感銘を受けた露伴によって助けられたため、彼の捨て身の行動に感銘を受けて完全敗北を認める。露伴も潔く敗北を受け入れた賢を「短期間でスゴい奴になった」と認めて「再起可能」のまま見逃した。
- ボーイ・II・マン
- 【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 5回勝負の「ジャンケン」を行い、勝った相手のスタンド能力を本体の頬の穴から1/3ずつ吸収するスタンド(自身は2敗までは影響なし)。その能力の特性から『スタンドは一人一体』の原則の例外であり、一人で複数のスタンドを行使できるようである。フードを被った鋼鉄のロボットのような容姿をしている。吸収したスタンドは、ジャンケン勝負の途中でも吸収した分だけスタンド能力を使える。奪われた相手は、その時点からスタンド能力を奪われた分だけ使えなくなる。また、該当する部分の身体を本体の意のままに操ることもできる。負ければスタンドは逆に奪い返され、相手が3勝すれば吸収した分に関係なくすべて奪い返される。
- 吉廣はジャンケン勝負という能力の性質上、露伴の「相手の心を覗き見れる」ヘブンズ・ドアーさえ手に入れてしまえば、無敵のスタンドになれると踏んでいた。
- スタンド名の由来はアメリカのコーラス・グループ「ボーイズIIメン」[11]。デザインのイメージは横山光輝の漫画に登場するロボット[4]。
- 『オールスターバトル』の北米版では、"Boy Man Man"(ボーイ・マン・マン)と改名されている。
- ストレイ・キャット / 猫草(ねこぐさ) / 元「タマ」
- 声 - なし
- 元はブリティッシュ・ブルー種のネコで、その頃の名前は「タマ」。「矢」に貫かれた後、川尻しのぶが誤って倒した棚の下敷きにされて死んだと判断され、川尻家の庭に埋葬されてしまう。だが、実際には仮死状態のまま生きていたため、スタンドの影響で埋葬場所から猫とも草ともつかない未知の生き物として生まれ変わる。
- 一応植物なので歩けず、日の当たらないところではほとんど活動しない。自我は猫のままなので、性格は気まぐれ。「本能と欲望のままに生きる」がモットー。殺されかけた時の恨みからしのぶを攻撃し、その様子を見た吉良が危険と判断して始末に踏み切るが、スタンドの相性の悪さから断念し、扱いようによっては利用できると考えた彼によって植木鉢に移され、川尻家の屋根裏部屋で密かに育てられていた。その後、成長により姿が変化した。
- 直接的に仗助らと敵対することはなかったが、仗助と吉良の最終決戦時には「キラークイーン」の腹部シャッター内に取り込まれ、爆弾の能力を最大限に生かす強力な「武器」として利用され、仗助を大いに苦しめる。しかし決戦終盤、キラークイーンが腹部シャッターを閉めていない隙をついて、復活した億泰が「ザ・ハンド」でキラークイーンの腹部から引き寄せて捕えた。
- 吉良との最終決戦の後は、億泰の父親が引き取り彼の友達になった。
- ストレイ・キャット
- 【破壊力 - B / スピード - E / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 本体と一体化しているスタンド。空気を操る能力を持ち、固めて発砲したりクッション代わりにして防御するなど、幅広く応用できる。空気をなくすことで「キラークイーン」の「第一の爆弾」を無力化した、唯一のスタンドでもある。光合成で行われる呼吸により操作するため、強い光を当てれば当てるほど強化されるが、逆に光を当てなければほとんど無力化される。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「ストレイ・キャッツ」[13]。
- 『オールスターバトル』の北米版では、"Feral Cat"(フェラル・キャット)と改名されている。
- 鋼田一 豊大(かねだいち とよひろ)
- 声 - 遠近孝一
- 杜王町郊外の廃鉄塔を10万円で買い取り、3年間その鉄塔の中だけで自給自足の生活を送っていた奇妙な男。
- 仗助、億泰、未起隆の3人が好奇心から近寄るが、実は自らのスタンドと一体化した鉄塔に囚われているスタンド使いであり、吉良吉廣が唆して吉影を追う仗助らに仕向けた5人の刺客の1人であった。仗助ら吉影の追跡者の誰かを鉄塔に閉じ込めれば「鉄塔を出た後の生活の面倒はすべて見てやる」という吉廣の言葉を信じ、自身の身代わりとして鉄塔に閉じ込めようと仗助らに襲いかかる。
- 仗助たちと出会った際の顔は素顔ではなく精巧なマスクを被っており、名前も偽名であったりと、鉄塔を出た逃亡後に追跡されないための下準備もしていた。長年の鉄塔での生活で掌のタコが異常なほど硬く発達しており、電線に引っかけたり、カッターナイフなどの小物を収納できるなど幅広く応用が利く。鉄塔とスタンド能力の特性を熟知しており、鉄塔内での地の利を生かして戦う。
- 鉄塔に入り込んだ仗助と未起隆に対し、鉄塔への攻撃エネルギー循環を操作して戦い追い詰めるが、クレイジー・ダイヤモンドの「治す」能力でエネルギーを撃ち返されて敗北した。この敗北で、自分が一番安心して生活できる場所はここしかないと改心し、鉄塔中で生涯を過ごすことを決意する。
- その後、吉良親子に関する情報を仗助に問われた際には、別の刺客(エニグマの少年)によって康一がすでに始末されたという情報を、仗助らに提供している。
- テレビアニメ版ではその後も未起隆と交流があるようで、彼に釣った魚の手料理を振舞ってる。
- スーパーフライ
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 豊大が住居としていた鉄塔に一体化してしまったスタンド。鉄塔の枠の中に1人以上残っていない状態で枠の外に出ようとすると、枠の外に出た部分が金属に変化してしまう。一度捕らわれれば誰かと入れ替わるまで脱出できない。本体である鋼田一豊大にも制御ができず同調もしておらず、スタンド能力が「ひとり歩き」している状態のため、彼自身も能力に囚われてしまっている。
- また、攻撃を受けるとその破壊エネルギーを鉄塔内で循環させた後、攻撃を受けた場所から放出するため、破壊することもできない。この性質を利用し、豊大は放出される破壊エネルギーの軌道を見切ることで、攻撃や移動にも使用している。
- スタンド名の由来はアメリカの歌手カーティス・メイフィールドの楽曲およびその収録アルバム「スーパーフライ」[11]。
- 宮本 輝之輔(みやもと てるのすけ) / エニグマの少年
- 声 - 成瀬誠 / 河西健吾
- 他人が恐怖する姿を観察することに悦びを得る悪癖を持ち、その欲求を満たすために能力を悪用するスタンド使いの少年。吉良吉廣が唆して吉影を追う仗助らを倒そうと仕向けた5人の刺客の1人。劇中では本名が出ず「エニグマの少年」と表記されていたが、後に関連書籍で正式な名前「宮本輝之輔」が明かされた。
- 康一や朋子をスタンド能力で人質にして仗助を追い詰めるが、噴上裕也の協力もあり抹殺に失敗する。その卑劣な手段と陰湿な性格が仗助の怒りを買い、最後は彼によってシュレッダーの紙屑と融合させられて本になり、杜王町の図書館に寄贈される。この本を読んでいると、時折声が聞こえるらしい。
- エニグマ
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- あらゆる物を紙の中に閉じ込めることができる人型のスタンド。人間に対しては発動条件があり、個人が持つ特有の「恐怖のサイン」を、輝之輔が見抜いたうえで相手に示させることで紙に閉じ込めることができる。何かを閉じ込めた紙は折りたたまれており、開くことで中身を取り出すことができる。
- 本体の輝之輔も紙の中へ自由に出入り可能で、紙に入った状態で身を潜めたり、風を利用して飛び回っての移動ができる。紙の中では時間経過の概念がないため、ラーメンも温かいまま麺が伸びることなく保存でき、タクシーのような大きな物も閉じ込めることが可能[注 14]。
- スタンド自身に攻撃力はないが、紙に閉じ込めた物は、紙を破り裂くなど破損させれば同じようにダメージを受けるため、あらゆる物を簡単に破壊できる。
- スタンド名の由来はルーマニアの音楽プロジェクト「エニグマ」[11]。
- 乙 雅三(きのと まさぞう)
- 声 - 石井真
- 半焼した露伴の自宅を改修工事の見積りのために訪れた、一級建築士。1970年生まれ。
- 吉良吉廣が吉影に迫りつつある露伴らに仕向けた5人の刺客の1人であるが、雅三にその自覚は一切ない。吉廣に「矢」で背中を射抜かれてスタンドが発現したが、スタンド能力を認識できないうえにスタンド自体が自我を持った暴走状態で発現してしまったため、まったく制御できていない。スタンド能力には最後まで無自覚だったものの「背中を見られたくない」「見られたらおしまいだ」という恐怖だけは感じており、他人に背中を見せないように生活していた。基本的には温厚で礼儀正しい性格だが、ヘブンズ・ドアーで調べた情報によると、内心では露伴が金持ちであるのをいい事に値段を少しボッたくろうと考えており、腹黒く金に汚い面がある。
- 岸辺家を訪れた際に背中を見せまいと振る舞ったことが逆に露伴の好奇心を引いてしまい、彼に背中を見られたことで自らのスタンドによって背中から血を噴き出して死亡し、異常なほどに小さく干からびた死体と化す。その後、スタンドは露伴の背中へ取り憑いた。
- チープ・トリック
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - E / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 自意識を持ち、宿主の背中に取り憑く完全な自律型スタンド。パワーはほとんどゼロに近く、本人いわく「絆創膏を剥がすほどの力さえも持っていない」そうだが、作中で出前を注文しているシーン[注 15]があるので受話器を持ち上げる程度の力はある模様。他人のボケに対してツッコミをしたり、慰めたりもする。「ね?」が口癖。
- 宿主の耳元で囁くことで精神的なダメージを負わせるほか、周囲の人や動物に話しかけ、宿主の背中を見るように仕向ける。宿主が誰かに背中を見られると、このスタンドは背中を見た者(動物でもいい模様)の背中へ移動して取り憑き、その者を新たな宿主とする。その際に元の宿主は背中を引き裂かれ、精気を吸われて死亡する。
- 能力によって貼り付いているために物理的な力で引き剥がすことはできず、強引に剥がそうとすれば背中ごと裂けてしまううえ、スタンド攻撃もそのまま宿主へ跳ね返ってくる。自他ともにろくな行動ができず、能力の発現に第三者を必要とする受動的なスタンドである。
- 雅三の背中を見た露伴に取り憑き、吉良の手掛かりとなる写真を焼けば周囲に背中を見るように仕向けないと露伴に取引を持ち掛けるが拒否され、対抗策を思いつき外出した露伴に対し様々な妨害を行う。最後は「ふり向いてはいけない小道」にたどり着いた露伴が康一にわざと背中を見せたことで、康一に取り憑くためにふり向いてしまい、そこにいる存在によって露伴から引き剥がされ、露伴にヘブンズ・ドアーで「地獄に行く」と書かれた状態であの世へ引き込まれた。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「チープ・トリック」[13]。モチーフはおんぶおばけ[4]。
その他・杜王町の住人
- 杉本 鈴美(すぎもと れいみ)
- 声 - 広橋涼 / 原紗友里
- コンビニ「オーソン」と薬局「ドラッグのキサラ」の間に存在する(実際には存在せず、地図にも掲載されていない)道に出現する少女の幽霊。Part4の開始15年前、自宅で吉良吉影に両親や飼い犬アーノルドと共に殺害された。享年16(墓標に昭和58年8月13日と表記)。それ以降、吉良の危険性を街中の人に伝えるため、地縛霊となって現世に留まっている。
- 実は吉良が杉本家に現れた際に偶然幼少時の岸辺露伴を預かっており、自らの命を犠牲にして彼を逃がしていたが、露伴は当時の恐怖からその記憶を喪失していた。幼少時の露伴を知っているため、彼のことはちゃん付けで呼ぶ。吉良の死後には、露伴、康一、そして杜王町の人々に見守られながら、アーノルドと共に成仏する。
- アーノルド
- 杉本鈴美の飼い犬の幽霊。かつて、杉本家で吉良吉影によって首を切られて殺害され、その直後に殺害された鈴美と同じく地縛霊となる。殺害された時点での容姿のまま、首から血を滴らせている。
- 幽霊化した吉良に襲いかかり、彼を消滅させる直接のきっかけを作った後、鈴美と共に成仏する。
- 虹村兄弟の父親
- 声 - 楠見尚己
- 虹村兄弟の父親。下の名前は不明。元々は東京在住で何らかの会社(テレビアニメ版では不動産会社)を経営していたが、1987年には妻を病で失い、その2年後にはバブル真っ最中ながらも莫大な借金を残して会社は倒産した。まもなく、スタンドの才能をDIOに見いだされ、彼の部下になる。ただし第三部では描かれなかった。
- 億泰が「5〜6年は生活していく蓄えはある」「食ってくだけの金はある」と発言していることから、DIOによる報酬は借金を返済して余りあるほどだった様子。だが、肉の芽を頭に打ち込まれていたため、DIOの死亡後にはそれが暴走して肉体を侵食され、醜悪な容姿に変わり果てて知能が低下する。そのうえ、片腕を切断されてもそれを食べて再生するという、食欲と再生能力だけの肉塊となってしまう。
- 形兆によれば会社の倒産後は息子たちに理不尽な暴力を振るうような堕落しきった状態だったが、不死身の怪物と化しても家族の写真が入っていたはずの箱を必死に漁り続けるなど、家族を思う気持ちだけは残っていた。吉良の死後は猫草に気に入られ、一緒に暮らしているらしい。
- テレビアニメ版ではトニオの料理を食べ、億泰は元の体に戻ることを期待するが、一皮剥けて肌がきれいになっただけに留まった。
- 川尻 浩作(かわじり こうさく)
- 声 - 小山力也 / 森川智之
- 会社員。吉良吉影に年齢と体格が近いために狙われてしまい、殺害された後に自身の顔と右手の指紋をシンデレラの能力で吉良に移植させられ、成り替わられる。本人は寡黙で誠実な性格だったらしく、妻のしのぶいわく「つまらない男」、息子の早人いわく「普段から会話をする機会もなく、親子仲は決して良いものとはいえなかった」とのこと。だが吉良によると、生前は昇進を狙っていたとのことであり、妻子のためにと陰ながら努力していた模様。シイタケが大の苦手で、それを食した浩作(=吉良)はしのぶに珍しいと指摘されたため、早人に怪しまれた。本物の遺体は辻彩の爆発に巻き込まれる形で消失しており、吉良の死後は行方不明扱いになっている。
- 川尻 しのぶ(かわじり しのぶ)
- 声 - 嶋村侑
- 川尻浩作の妻。学生時代に夫と付き合い、早人を妊娠したために結婚したものの、結婚後の生活と平凡な夫がつまらないとずっと鬱屈した感情を抱き、息子の存在を枷と考え、内心では疎んじていた。だが、浩作が吉良吉影と入れ替わってからは、打って変わってスリルのある行動を取るようになった夫に対し、ときめきを感じるようになる。
- 猫好きだが、猫草になる前の猫(タマ)を事故で殺してしまったことにより猫草に嫌われており、襲われた際には足の親指の爪を吹き飛ばされる程度の傷で済んだものの気絶したところを吉良に助けられている。
- 最終決戦後、吉良の事故死により失踪した形になった浩作の帰りを、今後も待ち続けるであろうと語られている。
- 東方 朋子(ひがしかた ともこ)
- 声 - 豊口めぐみ(第1話 - 第15話)→伊藤静(第31話 - 第39話)[注 16] / 演 - 観月ありさ
- 仗助の母で職業は教師。大学在学中に当時62歳のジョセフと不倫し、仗助を産む。実年齢よりも若く見え、ナンパされるほどの美人であるが、仗助と同様にキレやすい性格。仗助が高熱で生死の境をさまよった際には、周囲が豪雪に見舞われているにもかかわらず彼を心配するあまり、救急車を呼ばずに自家用車で病院へ急ごうとして立ち往生したため、結果的には学ラン姿の少年に仗助が憧れるきっかけを作っている。
- ジョセフのことは今でも愛しており、承太郎が家を訪ねてきたときにはジョセフと間違えて抱きついたうえ、勘違いと分かった後でも惚気ていたほどである。好物は菓子の「鎌倉カスター」。
- 東方 良平(ひがしかた りょうへい)
- 声 - 宝亀克寿 / 演 - 國村隼
- 朋子の父で、仗助の母方の祖父。定年間近で出世こそ無かったが、35年間杜王町を守ってきた正義感あふれる警官。普段はお茶目な姿も見せるが、時折見せる顔は町を守る男の顔。杜王町と朋子、仗助を深く愛する。ファッション収集が唯一の趣味であり、その性格は仗助にも受け継がれている。
- 片桐安十郎(アンジェロ)を最初に捕まえた警官でもあり、逆恨みを込められたアクア・ネックレスによって殺害される。その際に出血していた遺体は仗助のクレイジー・ダイヤモンドによって修復されるが、すでに良平が絶命していたことから蘇生までは叶わず、死因は急性心臓発作[注 17]として扱われた。仗助は大好きな尊敬すべき祖父を殺害された後悔から、彼の代わりに杜王町を守ろうと決意することになる。享年55。
- テレビアニメ版では、骨壺が入った化粧箱や「福守良道信士」という戒名が書かれた位牌が遺影の隣に添えられている。
- 広瀬姉弟の母親
- 声 - 長尾歩
- 下の名は不明。息子の康一を信じている温和な性格で、良き理解者。
- 広瀬 綾那(ひろせ あやな)
- 声 - 武田華
- 康一の2つ年上の姉で、女子高の3年生。母親似で康一を「康ちゃん」と呼んでいる。名前は露伴の「ヘブンズ・ドアー」によって判明した。
- ポリス
- 広瀬家で飼っている犬。動くことが苦手ですぐ眠ろうとする。康一いわく「ボケ犬」らしい。
- 学ラン姿の少年
- DIOの復活でスタンド能力が発現し、それに伴う高熱で生死の境をさまよっていた幼い仗助が病院に運ばれる途中、積雪に車のタイヤを取られて立ち往生していたところに通りがかった、リーゼントヘアで学ラン姿の少年。どこかで喧嘩でもしてきたのか傷だらけの姿だったが、着ていた学ランを何の躊躇もなく車のタイヤ下に敷いて車を押し動かし、ボロボロになった学ランと共に何事もなかったようにその場を立ち去る。その後、東方朋子が礼を言うためにその少年を探したが見つからず、その少年が誰なのかは不明のままだが、朦朧とした意識の中で見た彼の姿に仗助は憧れ、同じような服装や髪型をするようになる。
- テレビアニメ版では声優がキャスティングされておらず、台詞は字幕で表示されている。
- DIO(ディオ)
- Part1やPart3でジョースター家の宿敵として登場した人物。
- Part3で空条承太郎に倒されたため、今作では直接の登場はないが、承太郎などの台詞や虹村形兆の回想で登場する。
- 詳細は「ディオ・ブランドー」を参照
- エンヤ婆
- Part3の登場人物で「魔女」の異名を持つ老婆。素養のある人間にスタンド能力を発現させる「弓と矢」を使い、DIOをはじめとする多くのスタンド使いを生み出した。
- 本作では、かつて虹村形兆や吉良吉廣に接触し、「弓と矢」を託していたことが明らかとなる。
- カイ原田(カイはらだ)
- 声 - バッキー木場
- アニメオリジナルキャラクター。杜王町で放送中のラジオ番組『杜王町RADIO』のメインパーソナリティー。キャッチフレーズは「あなたの隣人、カイ原田!」。ラジオからの声のみで本人の姿は登場していない。
- 吉良吉影は『杜王町RADIO』が好きな様子で、自宅および殺害した女性宅での朝食の準備中に流したり、川尻浩作に成り済ましてからさえも食事の準備中には『杜王町RADIO』を流していた。
用語
- M県S市杜王町
- 人口約53000人の東北地方の中心都市の郊外にある大規模なニュータウン。町の花は「フクジュソウ」。特産品は「牛たんのみそづけ」。1980年前半からS市のベッドタウンとして急速に発展した。その後の外伝『デッドマンズQ』ではS市の政令指定都市化によって行政区化している。その範囲は海岸部から丘陵部まで幅広い(『The Book』より)。その快適な環境から行楽シーズンでは各地から観光客が訪れるが、同時に年に全国的平均から見ても7、8倍の行方不明者が発生する。
- モデルとなっているのは、作者の出身地である宮城県仙台市[14]であり、作中に出てくる地名(勾当台、定禅寺、国見など)には実際の仙台市北部・中心部の地名と同一のものもみられる。市の名前がS市と伏せ字になっているのは本作に殺人鬼が出てくることから、仙台を舞台とすることをためらったため。「杜王町」という架空の街を舞台にしたのも「仙台市民になるべく迷惑がかからないように」という配慮からである[14]。また、連載時(1992年 - 1995年)はS市というのが仙台市で、杜王町はその郊外の街という設定で、仙台市そのものが舞台ではなかった。
- 地理上のモデルは、松島町の北から東松島市のあたりが参考にされている。また、ベッドタウンとしての街のイメージは、1970〜1980年代に仙台市北部周辺に造成されていった新興住宅地(仙台市泉区(旧・泉市)や宮城野区の鶴ヶ谷ニュータウンなど)がモデルとなっている[14]。
- この地名はPart8など作中だけではなく、作者の原画展の告知にも使われている[15]。
- 物語の途中で杜王町内の一部の地名が変更され、「定禅寺」が読みはそのままで字が「浄禅寺」に(なお、モデルである仙台市の地名は最初に使われていた「定禅寺」の字)、「杜王駅」が「杜王町駅」にそれぞれ変わっている。
- 33巻に登場した杜王町地図にて、32巻に登場した「CAFE れんが亭」の位置に「カフェ ドゥ・マゴ」と表記されている。しかし、38巻に登場した杜王駅前上面図でのカフェ ドゥ・マゴの位置は33巻の地図と異なっている。なお、リミックス版のおまけページでの特集では、先に発売された一部抜粋収録版ではれんが亭の名前が変わったと書かれているが、後に発売された全話収録版ではれんが亭とドゥ・マゴを別々の店として扱っている。
- 「弓と矢」
- この「矢」に射抜かれた者(人間に限らない)は、スタンド使いの素質があれば死なずにスタンド使いとなる。素質のないものは、致命傷であれば命を落とすことになる。
- 第4部の劇中では2本登場し、1本目を手に入れていた虹村形兆は無差別に町の人間を射抜いてスタンド使いを探していたが、吉良吉廣が持っていた2本目は、スタンドの素質を持つ者を意思を持ったかのように選び指し示し、吉良吉影の「バイツァ・ダスト」を目覚めさせたときには吉廣の意思とは関係なく勝手に動き出して吉影を貫いた。
- 鏃は50,000年ほど前に地球に飛来した隕石を加工したもので、確認されている矢の数は6本(多くの情報はPart5に登場)。弓および矢の胴体部分には、特に特殊な能力はない。
- オーソン
- 杜王町の名所「少女の幽霊に会える小道」に隣接したコンビニ。康一が利用するほか、吉良に関する打ち合わせを店の前で行っている。
- 綴りは「OWSON」。モデルになったローソン(LAWSON)は連載より前の1978年に仙台市に出店している。
- 2012年に開催された作者の原画展に合わせ、仙台市のローソン仙台柳町通店の看板を改装し「オーソンS市杜王町店」として期間限定で営業した[16]。
- 2016年8月に開催された「ジョジョ七夕まつり in S市杜王町」においても仙台柳町通店が「オーソンS市杜王町店」として期間限定で営業した[17]。
- 黄金の精神
- ジョースターの血を引く者の精神性を表現するのにしばしば出てくる用語で、本作品が初出。実際は仗助を含めた杜王町の若者たちに向けてジョセフが彼らを賞賛した言葉であり、ジョースター特有の精神性というわけではない。
杜王町の名所
- アンジェロ岩
- 名所その(1)。片桐安十郎が仗助によって岩と一体化させられ、そのまま放置されている。不気味な外見とは裏腹に町民には親しまれており、恋人の待ち合わせの場所として人気を博している。話しかけると時々「アギ…」という唸り声が聴こえてくることがある。
- ボヨヨン岬
- 名所その(2)。岬の崖から転落して岩にぶつかりそうになった由花子が、エコーズACT2の能力によって助けられた瞬間を漁師が目撃したことから広まった。漁師たちの間では海の神様がいると信じられている。
- 岸辺露伴の家
- 名所その(3)。3か月前に越してきた。本人はとても忙しいためか、サインをもらおうと家を訪れても出てこない。仗助のせいで火事に遭っている。
- 少女の幽霊に会える小道
- 名所その(4)。「振り向いてはいけない小道」とも呼ばれる。地縛霊になった杉本鈴美と愛犬アーノルドが存在している場所であり、死者の魂の通り道。入口はオーソンとキサラの間の道だが、前述の理由から地図にも無く通常は見えない。出口はポストを越えて曲がった後、20m先の道にある。その間、ポストを越えて出口に到着するまでは決して後ろをふり返ってはいけないという決まりがあり、ふり返った者(人間はもちろん、スタンドでも)無数の手によりあの世へ引きずり込まれる。道を通る間は、後ろから得体の知れない何者かが振り向かせようと、さまざまな嫌がらせや誘惑、脅しをかけてくるが、振り向かない限りその実体には捕まらない。吉良吉廣は「この世とあの世の通り道」と息子・吉影に話している。
- 送電鉄塔に住む男
- 名所その(5)。鋼田一豊大が住んでいる鉄塔。豊大は自給自足で鉄塔ライフを確立させているが、塩や菓子類は手に入らないため、持って行くと喜んで写真撮影などに応じてくれるという。
アニメ版で追加された名所
- イタリア料理店「トラサルディー」
- 杜王町国見峠霊園バス停から徒歩で1分の所で営業しているイタリア料理店。決まったメニューはなく、経営者兼シェフのイタリア人・トニオが客の健康状態を診て、体調に見合った料理を出す。杜王町で採れた食材を使うイタリア料理は絶品で体調も回復することから繁盛しているが、シェフが一人で経営しているためテーブルが2つしかなく予約が推奨とされている。
- 杜王グランドホテル
- 海岸沿いの「杜王海水浴場」に位置する杜王町を代表するホテル。杜王町に滞在中の承太郎が、長期宿泊している。
- 高級別荘地帯にある趣と歴史あるホテルは杜王町を訪れる旅行者の宿として長年愛され、満足できるサービス精神によりリピーター客も多い。ホテル内レストランで食べることのできる牛タン料理は絶品と評判。
- パン屋「サンジェルメン」[注 18]
- 杜王駅から伸びるグリーンロードを歩いて1分の所に位置するパン屋。独自の製法と石窯で焼いたパンにこだわりを持ち、学生やOLなどの幅広い層から支持され、特に11時に焼き上がったパンで作るサンドイッチは、昼食時には必ず売り切れるほどに人気がある。
- 二つ杜トンネル
- 杜王町とS市を繋ぐ国道にあるトンネル。嘉永五年(1852年)開通。昭和58年(1983年)修復。全長450m。
- トンネル内はカーブしているために反対側の道路が見えず、夜道の灯りが少ないために交通事故が絶えないうえ、不気味な雰囲気からも心霊スポットとして若者の間で有名である。
制作背景
作者によると、本作のテーマの1つは「街を描く、街を創る」ということ[5]。本来はPart3で『ジョジョ』を完結させて、次回作として隣の街にいそうな殺人鬼の話を新しく描く予定だったが、蜘蛛の巣を張って待ち構えているタイプのスタンドのアイデアが残っていたため、「街を舞台にして第4部をやろう」ということになった[10]。また、「第1部から第3部のひとつの流れから緩やかにつながって広がっていったのが第4部であり、第5部からはテーマ性が深化したため、初期の構想から考えると『ジョジョ』は第4部で終わっていたと言えるかもしれない」とも語られている[8]。
読者や編集部から「第4部になって敵が弱くなった」という意見が多く寄せられたという。これに対して作者は「第4部は人の心の弱さがテーマ」、「心に弱さをもった人が、その弱さを攻撃に向けることが真の怖さである」といった趣旨の反論をしている[18]。
本作の時代設定は連載当時からは未来に当たり、作者によると世紀末の不安と日常が描けるということで1999年という近い未来になった。また、初めは死後の世界の話にしようとしたが、馴染みがないため止めたと語られている[5]。
小説
『“The Book”jojo's bizarre adventure 4th another day』(著:乙一。2007年。ジャンプ j-BOOKS) - 時系列は原作Part4の後日談に当たり、杜王町と仗助らに迫る新たな危機を描くノベライズ作品。
テレビアニメ
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』のタイトルで、2016年4月から12月まで全39話で放送された。
アニメ化での主な変更点は、エピソードの時系列が「山岸由花子はシンデレラに憧れる」→「吉良吉影は静かに暮らしたい」の順に入れ替わっているほか、「鉄塔に住もう」「エニグマの少年」「ぼくのパパはパパじゃない」「チープ・トリック」の4つのエピソードをまとめて「7月15日(木)」とし、ストーリーを時系列順に進行させている。
実写映画
この節には公開前の映画に関する記述があります。 |
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 | |
---|---|
監督 | 三池崇史 |
脚本 | 江良至 |
原作 | 荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない」 |
出演者 |
山﨑賢人 神木隆之介 小松菜奈 岡田将生 真剣佑 観月ありさ 國村隼 山田孝之 伊勢谷友介 |
制作会社 | OLM |
製作会社 | 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会 |
配給 |
東宝 ワーナー・ブラザース映画 |
公開 | 2017年8月4日 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(ジョジョのきみょうなぼうけん ダイヤモンドはくだけない だいいっしょう)のタイトルで、2017年8月4日に公開予定[19]。監督は三池崇史、主演は山﨑賢人。東宝とワーナー ブラザース ジャパンによる初の共同製作・配給作品である。
タイトルに「第一章」と冠しているのは「ジョジョ第4部自体も長いので、1作が2時間の尺では収まらない。第一章は1本でワクワクして楽しめる映画にしたいと思っているけれど、キャスト監督制作陣含めて、できれば観ていただいたお客さんの応援があって、その先の第4部をすべてやっていきたいという思いがある」ということから[20]。スペインなどで撮影することが明かされている。
キャスト(実写映画)
スタッフ(実写映画)
- 原作 : 荒木飛呂彦
- 監督 : 三池崇史
- 脚本:江良至
- 共同製作・配給:東宝、ワーナー・ブラザース映画
- 制作プロダクション:OLM
- 製作:映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会
関連項目
- 魁!!男塾 - 宮下あきらの漫画作品。本作品中に登場する「旅行するなら日本のここベスト100」なる本の出版元として、同作品に登場する架空の出版社、民明書房の名が出る。
- BREEEEZE GIRL - 日本のバンドBase Ball Bearのシングル。ジャケットに山岸由花子が描かれている。また同曲のPVに市川紗椰を起用、由花子をイメージ再現して演じている[21]。
脚注
注釈
- ^ 承太郎の年下の叔父。
- ^ 初登場時185cm(成長中)と記載されていたが後に180cmとなった
- ^ ゲームのサウンドトラックにはボイスの一部が収録されており、夏樹リオが演じている。
- ^ 「ACT2」の登場後は、初期のエコーズは「ACT1」と命名された
- ^ ただし、自炊している
- ^ 兄はスタンド使いを増やす過程で殺人を繰り返していたという事情から、命だけは見逃した
- ^ テレビアニメ版では小林玉美と同様に最初から身長が低く描写されている。
- ^ その出来事は露伴によって記憶から消された。
- ^ 作中では扉に挟まり、手首がもげた。
- ^ テレビアニメ版では「サンジェルメン」と呼称されている。
- ^ スーパーフライ戦でも、クレイジー・ダイヤモンドが見えているかのような発言をしていた。
- ^ スタンド能力は一般人に視認できないため、それによる殺人罪は立件できなかった。
- ^ 同化タイプのスタンドなので、本体の自由には消せない。
- ^ 作中では運転手ごと閉じ込められており、出された際には紙の中での記憶はなかった。
- ^ TVアニメ版ではそのシーンはカットされている。
- ^ 豊口の産休による声優交代。
- ^ テレビアニメ版では脳溢血。
- ^ 原作漫画版では「サンジェルマン」と呼称されている。
出典
- ^ “ジョジョの奇妙な冒険:第4部「ダイヤモンドは砕けない」がテレビアニメ化”. まんたんウェブ. 2015年10月24日閲覧。
- ^ “私の広瀬川インタビューVol.18 マンガ家 荒木飛呂彦さん「第3回 広瀬康一君の由来は? 」”. 広瀬川ホームページ. 2014年5月10日閲覧。
- ^ a b c d 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol14 ラブ・デラックス編』 P86「The origin of STANDS!」part.2
- ^ a b c d e f g 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』より。
- ^ a b c 画集『JoJo6251 [荒木飛呂彦の世界]』より。
- ^ a b c 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol14 ラブ・デラックス編』 P83「The origin of STANDS!」part.1
- ^ a b c d e f 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol16 ヘブンズ・ドアー編』 P90「The origin of STANDS!」part.3
- ^ a b c SPURムック『JOJOmenon』より。
- ^ 『西尾維新クロニクル』宝島社、2006年、86頁。ISBN 4-7966-5092-X。
- ^ a b 『JOJO-A-GO!GO!』 DISC.3 ARAKI HIROHIKOより。
- ^ a b c d e f 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol17ハーヴェスト編』 P106-107「The origin of STANDS!」part.4
- ^ 画集『JOJO A GOGO』、およびTCG『ジョジョの奇妙な冒険 Adventure Battle Card』における呼称
- ^ a b 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol17ハーヴェスト編』 P188「The origin of STANDS!」part.5
- ^ a b c 私の広瀬川インタビューVol.18 マンガ家 荒木飛呂彦さん「第1回 「杜王町」と仙台市との関係は?」
- ^ 荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S市杜王町
- ^ ジョジョの奇妙な冒険キャンペーン
- ^ “「ジョジョ七夕まつり in S市杜王町」に参加すべく仙台に行ってきました - GIGAZINE”. GIGAZINE (2016年8月6日). 2016年10月1日閲覧。
- ^ 単行本第46巻のカバー折り返しより。
- ^ “山崎賢人主演「ジョジョの奇妙な冒険」公開日が8月4日に決定”. 映画ナタリー. (2016年12月15日) 2016年12月15日閲覧。
- ^ 人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』が初の実写映画化 山崎賢人が主演
- ^ “Base Ball Bear - BREEEEZE GIRL”. BaseBallBearVEVO (2012年7月8日). 2016年4月3日閲覧。
外部リンク
- ジョジョの奇妙な冒険公式サイト
- JOJO×乙一 - JUMP j-BOOKS内 ノベライズ本公式サイト
- 映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』公式サイト
- 映画『ジョジョの奇妙な冒険』公式 (@jojomovie_jp) - X(旧Twitter)