吉良吉影

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吉良 吉影
ジョジョの奇妙な冒険』のPart4
ダイヤモンドは砕けない』のキャラクター
作者 荒木飛呂彦
声優 小山力也
森川智之
プロフィール
性別 男性
親戚 吉良吉廣(父)
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吉良 吉影(きら よしかげ)は、荒木飛呂彦漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する架空の人物。短編集『死刑執行中脱獄進行中』に収録されている外伝的作品『デッドマンズQ』の主人公でもある。また『ジョジョの奇妙な冒険』のPart8『ジョジョリオン』では同姓同名の人物が登場している。

担当声優は、ゲーム『オールスターバトル』および『アイズオブヘブン』では小山力也テレビアニメ版では森川智之

人物[編集]

Part4『ダイヤモンドは砕けない』[編集]

特徴

1966年1月30日生まれ。A型。身長175cm。体重65kg。D学院大学文学部卒(空条承太郎いわく「二流」の大学)。デパート「カメユーチェーン」に勤務している。免許証に書かれている住所は「杜王町浄禅寺1-128」[1]だが、原作では広瀬康一は住所を「杜王町浄禅寺1-28」と言っている。

表向きは平凡なサラリーマンとして生活しているが、その正体は生まれながらに殺人衝動を持ち、手の綺麗な女性を1983年8月13日(17歳)以降48人も殺してきた連続殺人鬼。最初の被害者である杉本鈴美は死体を現場に残したため、殺人事件として世間に知られたが、それ以外の死体は自身のスタンド「キラークイーン」により消滅させてきたので殺人事件としては発覚していない。女性の綺麗な手に異常な執着を示す性的嗜好の持ち主で、初めてその嗜好を自覚したのは、子供のころモナリザの肖像画に描かれている手を見たことによる。

「植物の心のような人生」と表現される「平穏な生活」を送ることを信条としており、闘争を嫌っている。ただしこれは「争いにはきりがなく、ストレスや面倒事の元となるため」という自己本位の考えによるものであり、純粋な平和主義から来る考えではない。一例として、スタンド攻撃によって吉良を悪目立ちさせてチンピラに絡まれる結果を招いた康一には、極度の怒りを抱き、腹いせに執拗にいたぶっている。内心におけるプライドも高く、「もし戦ったとしても誰にも負けない」として自信を見せている。

社会生活においては高い能力を隠して中庸にふるまい、目立たない立場を貫いている。影の薄い男として周囲から認識されており、出世コースからも外されているが当人は「出世は気苦労のほうが多い」として気に留めない。エリート的な雰囲気と端正な顔立ちのため、女性には好意を持たれるが、誘いを平気で断ることも多い。自宅に置かれた幼少期からのトロフィーや賞状はすべて3位のもので、妬まれはしないが馬鹿にもされないように自身を位置づけている。また自分が何を得意とするのか他者に特定させないため、様々な分野の賞を意図的に取るなどしている(作者の荒木飛呂彦いわく、どれでも1位を取る実力はあるとのこと[要出典])。学生時代は陸上競技大会でも3位を獲得していたが、社会人になってからは体力がやや低下しており、エコーズACT3により左手が重くなった時には「運動不足を実感した」と語った。

平穏な生活を体現する一方で、殺害した女性の手首だけを切り取って密かに持ち歩き、その手に話しかけたり食べ物を持たせたりといった常軌を逸した行動を取る。その殺人行為を知った人間を例外なく抹殺してきてもいる。持ち歩く手首は臭いがきつくなってきたなどのタイミングで処分し、新たなターゲットの女性を選んで殺し、切り取った手首を再び持ち歩く生活を送る。

自身の爪の伸び率をノートに記録し、切った爪を小瓶に保存する趣味がある。爪の伸びが早い時期には殺人衝動を抑えることができなくなり、特に殺人欲求が高まったときには目に見えるほどの速さで音を立てて爪が伸びる。また、この行為は殺しの体調を占う意味も持ち、一か月に30cm以上爪が伸びる時期は「絶好調」とノートに記されていた。絶望した時は血が出るほど爪をかむ癖もある。爪を保存する行為の元ネタは作者自身の「ペン先を捨てる時に小瓶にためていて、2月8日針供養の日に、豆腐に刺してまとめて捨てる」という行為から着想したものである[2]

几帳面で神経質な面があり、確実に殺せる状態に追いこんだ広瀬康一の靴下が裏返しになっているのを見て、とどめを刺す前にわざわざ履き直させた。また生まれ育った杜王町を「これ以上素晴らしい所はない」と愛しており、川尻早人を殺害し父・吉廣から別地への逃亡を促されたときも、「追手を気にして安心できない生活を送るのはまっぴらだ」と激しく拒絶している。

目立たない人生を心がける一方で、ファッションに対しては強いこだわりが窺える。ルビアム(承太郎いわく「スカした高級ブランド」であり目立つ服)やヴァレンティノのスーツ、猫のドクロをあしらったネクタイを好んで身に着けていた。他にも「彼女」である切り取った手首にオブレイの腕時計を買ってやるなど、身の回り品に人並み以上に気を使っており、そのための出費は厭わない。結果的にそのこだわりが隙となって承太郎に追跡を許した。

テレビアニメ版ではラジオ番組『杜王町RADIO』を愛聴する習慣がある。自宅ではもちろん、殺害し一泊した被害者女性宅や、川尻浩作に成り済ましてからも川尻宅で食事を作る際にこのラジオを流している。

劇中での活躍 

殺して切り取った女性の手首を愛でながら外で昼食をとっていた際、一匹の犬に動揺して思わずベーカリー「サンジェルマン」の紙袋に手首を隠す。その紙袋を「重ちー」こと矢安宮重清に自分のものと間違えられて持ち去られる。取り戻すべくぶどうヶ丘中学へと向かうが、最終的に紙袋の中身を目撃されてしまう。

人生初の他スタンド使いとの闘いになり、証拠隠滅のために重清を爆殺。これによって重清の友人の東方仗助らに追われることとなる。靴屋『ムカデ屋』での戦いで広瀬康一には勝利するも、空条承太郎とは相討ちとなる。その後、駆けつけた仗助に通りすがりの一般人を装って傷を治してもらうよう画策するが、焦りのために自らが敵スタンド使いであることを看破され、重傷を覚悟して「シアーハートアタック」が宿る左手を足止めのため切り離して逃亡。

逃げる途中、背格好が自分とほぼ同じ男「川尻浩作」を捕まえ、顔を入れ替えるスタンド能力を持つエステティシャンの辻彩を脅迫し、浩作の顔と指紋を自分と入れ替えさせる。そのあと辻彩を爆弾化させて殺し、それに巻き込む形で浩作の遺体も消滅させた。そのまま行方をくらまし、川尻浩作として身分を装って生きることとなる。その間、川尻浩作の妻である川尻しのぶを「ストレイキャット」の危険から救い、彼女の無事を心から安堵したことに自分自身で動揺するなどの内面も見せている。

しかし川尻家で生活するうち、本来の川尻浩作の息子である川尻早人に不審感を抱かれる。本物の父親ではないことを察知され、通勤電車で居合わせた態度の悪いカップルを衝動的に爆殺したところを、尾行していた早人にビデオ録画される。その事実を指摘された吉良は逆上して早人を殺してしまう。早人の殺害は、ちょうど同時期に川尻家のことを調べ始めていた岸辺露伴の疑いを強めることが確実だった。取り返しのつかない状況に絶望していたその時、ひとりでに動き出した「矢」に再び貫かれ、キラークイーン第三の爆弾「バイツァ・ダスト」が覚醒し、時間を爆破して巻き戻すことができるようになった。

早人を殺害した事実をも「バイツァ・ダスト」で消し去ることに成功した吉良は、その力で仗助ら一行を全滅が確定した“運命”に誘いこもうとする。だが、その運命を覆す“偶然”に賭けた早人の策略によって破られ、迂闊な自分の発言から東方仗助と対峙することになり、朝の出勤ラッシュを終えた閑静な住宅地で最終決戦を行う。

攻防の末、仗助を重傷の状態まで追いこむが虹村億泰によって形勢を逆転される。また爆発音や煙で騒ぎが大きくなったため、仗助の仲間たちや駆けつけた消防隊員まで集まり出し、吉良が最も恐れていた“目立ってしまい大衆に注目される”という状況にまで追い詰められる。吉良は救急隊員の女性を媒体にして再度「バイツァ・ダスト」を発動させ、時間を巻き戻しての逃亡を謀るが、広瀬康一のエコーズACT3と空条承太郎のスタープラチナ・ザ・ワールドがそれを妨害。追撃を受けたことで吹っ飛び、救急車の後輪に顔を轢かれて事故死扱いで絶命する(「スタープラチナ・ザ・ワールド」により時が停止していた状態で殴り飛ばされたため、救急車をバックさせていた救急隊員たちは気づくことができなかった)。

救急車のタイヤと地面にはさまれて顔の皮膚が剥ぎ取られたこと、直前に救急隊員の女性に「吉良吉影」と名乗っていたこと、歯型までは川尻浩作と入れ替えていないため歯型を照合すれば吉良本人のものであることなどから、事故死した死体は中身どおり吉良吉影として処理される結果となった。成り代わられていた「川尻浩作」は後に行方不明として処理された。

死後、その魂は「ふり向いてはいけない小道」にたどり着き、幽霊である杉本鈴美とその愛犬アーノルドに遭遇。この時は自分が死んだことに気づかず、鈴美によって自分が死亡した経緯を見せられるが、「幽霊として生活した方が意外と自分の求める“安心した生活”があるかもしれない」と考えを改める。そして鈴美を無理にふり向かせて排除しようとするが、彼女とアーノルドの奇策によって自身がふり向かされ、スタンドもろとも「安心なんて無いところ」へ引きずりこまれていった。

外伝作品『デッドマンズQ』[編集]

生前の記憶は名前しか憶えておらず、スタンド能力も持たない幽霊として登場する。4部本編でみられた異常な性的嗜好は窺えないが、平穏を望む性格は同様である。また3位という中庸な順位への執着は解消されているが、生前の自分を「稼ぐ金額はより多く、体脂肪はより少なく」とより優れた数字を求めていたと回想する点で4部本編とは異なる。

心の平穏を求めて殺し屋の任務を請け負っている。しかし「殺人に用いる凶器は現地調達しなければならない」「住人のいる空間に入るにはドアやその一部を開けてもらう、入室を許可するセリフを言わせるなどして『魂の許可』を得なくてはならない」「生者に触れられると身体がちぎれてしまう」など制約が多く、思うように依頼を遂行できないことに苛立ちを感じている。

劇中での活躍

短期連載の最終回にあたる話では、依頼主の尼僧から幽霊屋敷ならぬ「屋敷の幽霊」に住む者の殺害を命じられ、S市杜王区を訪れる。依頼先にあったのは家屋や家財道具の何もかもが「幽霊」として存在する場所であり、すべての物体が制約なしに自由に持ち歩けることから吉良は「宝の山」だと狂喜する。しかし、屋敷に仕掛けられた幽霊ではない謎の存在に襲撃を受け、かろうじて屋敷から脱出できたものの左腕を失う。依頼内容に不審を抱いた吉良は、「幽霊」の銃と銃弾を持ちだして依頼内容を独自に調査すると心に決めて去る。

Part8『ジョジョリオン』[編集]

故人。生前の29歳当時、船医を務めていた。ナルシストであり、自身の美しい手に異常に執着している。棚には、グリーンピースワサビなど緑色の食品を陳列している。Part4同様、切った爪を瓶に保存する習慣がある。物語冒頭、壁の目の下で心筋梗塞で死亡して埋まっている状態で発見される。東方家に存在する家系図によれば、第7部の主人公のジョニィ・ジョースターの後裔であり、東方家とも遠戚にある。

スタンド能力はキラークイーン。名前も容姿もPart4のそれと同じであり、第二の爆弾シアーハートアタックを使用していたが、虹村京によると触れると爆発するシャボン玉を放つ能力を持っていたとされている。

ラッシュ攻撃時の掛け声は「WRYYYYYEEEE…A(ウリイイイイイィィィィ…ア)!!」。第1部や第3部のDIOや第5部のジョルノと似た掛け声で、彼らと同じくスタンドではなく本体自身が叫ぶ。

キラークイーン[編集]

【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - B / 精密動作性 - B / 成長性 - A】

吉良の快楽殺人の証拠隠滅と“平穏な生活”を守るために生まれた爆弾に関する能力をもつスタンド。手で触れたあらゆる物を爆弾に変えることができる。両手の人差し指の側面には起爆用のスイッチがある。猫のような顔を持つ人型のスタンドで、ベルトのバックルをはじめ、身体の各部にドクロの紋章がある。近距離パワー型のスタンドで、エコーズACT3のラッシュ攻撃を容易くすべて防ぎきるスピードと、クレイジー・ダイヤモンドと渡り合うほどのパワーを持つ。作中「矢」によって更なる進化を遂げるが、シリーズ中進化したスタンドの中で唯一外見が変化していない。その手で触れられただけで勝敗が決してしまう能力(後述)を持つため、その手に触れられずにキラークイーンの攻撃を捌ききれるだけの最高位のスピードと精密性を備えた近距離パワー型スタンド(クレイジー・ダイヤモンドやスタープラチナ)、もしくはザ・ハンドのように爆弾に触れずに爆風や爆圧に対処できるスタンドでなければ、まともな戦闘すら困難。

荒木はシンプルなデザインで気に入っているが、爆弾の能力はやろうと思えば何でもできてしまうので扱いが難しかったと語っている[3]。なお『オールスターバトル』の北米版では、スタンド名が"Deadly Queen"(デッドリークイーン)と改名されている。

第一の爆弾
キラークイーンの手(厳密には手の指)で触れたあらゆる物を「爆弾」に変化させる能力。爆弾化した物の外見は変化しないが、ストレイ・キャットとの戦いで石を爆弾に変えた時のみタイマーのようなものが付加されていた。触れた対象物の全体を丸ごと爆弾にして完全に消し去ったり、触れた一部分のみを爆弾にするなど、爆弾化させる範囲は調整が可能。後述の爆弾のタイプの選択や、爆発の影響を周囲に及ぼさないように爆発力を調整するなど、爆弾のタイプを切り替えることで応用範囲は広がる。しかし、この能力で一度に爆弾にできる物は1つだけであり、新たに別の物を爆弾化するには、対象物を起爆するか能力を解除しなければならない。また、爆発時の燃焼に必要とされる酸素が無い場所での起爆は不発となる。
爆弾には「点火型」と「接触型」の2種類がある。「点火型」は触れた物を手のスイッチを押して任意のタイミングで起爆させることができる。逆に言えばスイッチを押せない場合は何をしても爆発しない。「接触型」は地雷機雷のようなトラップ爆弾に変化させ、その「トラップ爆弾化した物に触れた人物側のみ」が爆発する。トラップ爆弾化されていた対象物は一切無傷でそのまま残り、爆弾化の能力は解除される。このトラップ爆弾は誰かがそれに触れなければ爆発しないため、意図しない人物がそれに触れるなど誤爆してしまう可能性もある。また他にも、手で触れると同時に「接触した物自体」を爆発させた例[4][5][6]も存在する。なお、いずれのタイプの爆弾も、爆発する対象物は内部から木端微塵に爆破されるため、爆破対象が人間ならば髪の毛1つ残らないほど跡形もなくなり、証拠も一切残さず完全に破壊できる。ただし、前述の通り爆発の規模は調節できるため、体の一部分だけ残るように器用に爆破することも可能。
爆風&爆炎のタイプも2種類あり、爆風や爆炎にもダメージがある物と、爆発のみに破壊力があり爆風や爆炎には一切の破壊力を0にすることもできる。この調整により爆圧も爆風も発生させずに、対象物を静かにゆっくりと粉塵化し消滅させることも可能。さらに、スタンド使いではない普通の人間にはその攻撃を認識できないため、「爆破が起こった」という事実を誰にも知られぬまま証拠を隠滅できる。
これらの爆弾のタイプを応用的に使いこなすことで、直接的に相手を殺傷する際には「手で触れると同時に相手を丸ごと爆弾化して爆殺する[4][6]」、間接的には「ドアノブなどを爆弾化させることで触れた相手を爆殺するトラップとする」など多様に用いて戦う。
空気弾
キラークイーンの腹部に猫草を収納し、ストレイ・キャットの「空気を操る能力」により「空気弾」を発射させ、その空気弾を「第一の爆弾」によって爆弾化させる攻撃方法。腹部に猫草を取り込み収納している間は、ストレイ・キャットの「空気弾」の能力も吉良の制御下にあり、吉良の任意で空気弾を発射できる上、空気弾の大きさやスピードなど弾の種類の選択、遠隔操作まで可能。また猫草自身の意識もそのまま残っており、キラークイーンが攻撃された際には、自身が攻撃されたと判断して吉良の意図とは別に、独自に空気弾で自衛行動を取ったりもしている。戦闘の際には猫草を奪われたり攻撃されないように、空気弾発射終了の都度キラークイーンのシャッター式の腹部を閉じていた。だが仗助との決戦の最終局面では、追い詰められていたこともあり、シャッターを閉めていない隙を突かれて、復活した億泰のザ・ハンドの能力で猫草を奪われてしまった。
空気弾の特性上、肉眼では非常に見えにくい。空気弾を爆弾にする際に起爆を切り替えることで、触れたものを爆破する「接触弾」と、好きなところで右手の指にあるスイッチを入れて点火できる「着弾点火弾」の2種類を使い分けることができる。
「接触弾」は当てれば確実に致命傷を与えることができるが、触れた瞬間爆発するので障害物などで防がれやすい欠点がある。「着弾点火弾」は障害物もすり抜け弾道を自在に操ることもできるが、微妙なタイミングの誤差で標的を仕留めきれないこともある。両タイプに通じる欠点は、至近距離では吉良自身が爆発に巻き込まれる危険性もある。また、本来の空気弾は尖った物に弱く穴が開くと萎んでしまうが、空気弾をキラークイーンの能力で「爆弾化」することで、内部の空気を含めて「爆弾」として固定されているので、真っ二つにされても空気弾が消えることはない。しかし虹村億泰のザ・ハンドに対しては、爆発しようがしまいが空気弾が存在する空間ごと削り取られてしまうため無効化された。
第二の爆弾 シアーハートアタック
声 - カシワクラツトム(ASB版・EoH版) / 森川智之(テレビアニメ版)
【破壊力 - A / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - A】
キラークイーンの左手の甲には、体温を感知して自動追尾する第二の爆弾が仕込まれており、シアーハートアタックと呼ばれる。額に剣が付いたドクロをあしらった丸い物体にキャタピラがついた形をしており(扉絵では「爆弾戦車」と呼称された)、一見それ自体が別のスタンドのようだが、あくまでキラークイーンの技(武器)の一種である。キラークイーン(の左手)の一部であるため、シアーハートアタックに与えられたダメージや能力は吉良の左手へ還る。「コッチヲ見ロ」「今ノ爆破ハ人間ジャネェ」など機械的な音声を発しながら移動する。
自動操縦で敵を追尾し、接触すると爆破する。この爆破はシアーハートアタック自体が爆発するわけでなく、爆炎を放つか、前述の第一の爆弾のように触れている物体を爆破するため、爆発してもシアーハートアタックはその場に残る。そのため、標的となる全ての人間を爆殺するまで止まることはない。なお、シアーハートアタックを射出している間でも、キラークイーン本体および第一の爆弾は併用可。
爆破以外の動作においても非常に強力なパワーを有しており、広瀬康一のスタンド「エコーズACT3」の「ACT 3 FREEZE」を食らっても地面にめり込みながらも前進するほどの膂力に加え、スタープラチナの(原作では数ページ分にも渡る)オラオララッシュでも破壊できないほど強固な防御力を併せ持つ(表面が多少欠けたりキャタピラが取れた程度)。そのためスタープラチナのラッシュを受けても吉良の左手にはダメージが現れた様子は無かった。以上の点から吉良はシアーハートアタックの性能に十分な信頼を寄せており、「弱点はない」と言い切るほどだった。
しかしながら自動操縦であるため、単純な動きしかできないという欠点がある。自動追尾は「熱」を感知するものであり、通常ならば人間=標的の体温を追いかけるが、それよりも温度が高い物体が他にあると、そちらに向かって行ってしまう。人間が複数いた場合でも、(誰が標的であるかに関わらず)興奮するなどして体温が一番上がっている人間を優先してしまう。加えて、物理攻撃にはほぼ無敵でもスタンドの固有能力までは防げない。エコーズACT3の「ACT 3 FREEZE」を喰らった時にはその加重によって動きを封じられたため、吉良が重くなった左手を引きずりながらシアーハートアタックの回収に向わねばならない(直接スタンドで回収しないと「引っ込める」ことができない)。
承太郎すら瀕死の状態にまで追い込んだほどの強力な能力だが、吉良が己の左手を切り落とすことで上記の欠点を解消してシアーハートアタックを暴走させて放つも、クレイジー・ダイヤモンドの「直す能力」の前では、左拳の一部を分離させて放つ能力という性質上、強制的に吉良の左手に戻されて無力化されてしまうため、仗助にはまったく意味を為さない能力となった。
ドクロの顔はキラークイーンの顔をもとにしており、コンセプトはどんなことをしても壊れそうにない雰囲気の小さい戦車、額の剣は暗殺者をイメージしている[3]
第三の爆弾 バイツァ・ダスト(BITE THE DUST〈負けて死ね〉)
【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - A】
物語終盤で追い詰められた吉良吉影が再び「矢」に射抜かれて発現させた第三の爆弾。この能力は、吉良が激しく「絶望」するほどの不利に陥る事態が発生することによって能力が発動する。吉良の情報や正体を知る、スタンド使いではない人間にキラークイーンを取り憑かせ、その人物から吉良吉影についての情報を得た者[7]、および得ようとした者、あるいは取り憑かれている秘密を知る人間を攻撃しようとした者を爆殺し、かつ、それまでの時間の経過を爆発で消し飛ばして約1時間ほど巻き戻し、その件自体が無かったことにすることができる。川尻早人からは「時間をぶっ飛ばす爆弾」と形容され、吉良本人は自身の秘密が守られる上に不穏分子を次々と排除してくれるため、「無敵」の能力だと発言している。取り憑かれている吉良の秘密を知る人間への攻撃は、全てキラークイーンによって自動的に防がれるため、キラークイーンに取り憑かれている秘密を知る人間は自殺を図ることもできないが、取り憑かせている間は吉良本人による攻撃も不可能となる。またこの能力発動中は、秘密を知る人間にキラークイーンを取り憑かせている状態のため、吉良はスタンドが一切出せなくなる。
第三の爆弾として人間に取り憑いたキラークイーンは普段は表に出ないが、爆破の条件を満たす者が現れるか、取り憑いた人間に危害が加えられると、小型の人形サイズになったキラークイーンが出現、条件を満たした対象者が何人いようと全て爆破する。条件を満たした対象者が取り憑いているキラークイーンを「見た」時点で能力の発動は決定しており、そのまま爆破するため防御も回避も一切が不可能。
この能力で時が巻き戻ると、その約1時間の間の(取り憑かれている人間の記憶以外の)あらゆる事実が「無かったこと」になるが、時が巻き戻される前の時間で起こった不穏分子を爆殺したという事象だけは決定事項の「運命」として再び無条件で起こる。つまり、一度でもバイツァ・ダストの条件を満たして爆破されてしまった人間は、再び巻き戻された時間の中で今度は条件を満たさなかったとしても、同じ時刻を向かえると無条件で爆死してしまう。時が巻き戻されても条件を満たす対象者が現れる度に何度でも時を戻し続けるため、吉良の情報を知ろうとする不穏分子が完全に居なくなるまで能力は発動し続ける。
能力は吉良の任意で解除できる。能力解除までに時が何度か巻き戻されていて、誰かが爆死する「運命」ができ上がっていた場合でも、対象者が爆死する前に能力を解除してしまうと、爆死する「運命」は無効化される。反対に対象者を爆殺する「運命」がすでに実行されて「事実」になった後では、再び時が巻き戻る前に能力を解除すると、もはや何をしても時が戻ることは無いため、爆殺された敵は完全に抹殺される。ただし、上述のようにバイツァ・ダスト発動中の吉良は他のキラークイーンの能力を使用できなくなるため、発動中に敵からの攻撃を受けた場合は能力を解除してガードしなければならなくなってしまう。また、一度解除してしまうと、吉良が再び「絶望」するような状況に追い込まれなければ発動しない。
時が戻った場合、キラークイーンに取り憑かれた者以外の人間は本体である吉良を含め、「時が何度戻ったのか」「時が戻る前に何が起きたのか」を知ることができない。ただし、吉良自身のようにバイツァ・ダストの存在を知る人間ならば、取り付かせた人間の言動や、「運命」によって自動的に爆死した人間を目撃することなどによって、何度時が巻き戻ったかを推察することはできる。
この能力の真価は、吉良が「絶望」した原因を爆殺することで消滅させ、さらに吉良が「絶望」したという記憶すらも吹き飛ばし、絶対的な平穏と安心感を得ることにある。
荒木は何でもありのスタンドにしたくなかったため、細かく能力を分けて描写することで、ある種の制限を持たせたかったと語っている[3]

由来など[編集]

名前の由来は姓の「吉良」は英語の「KILLER(殺人者)」から。名の「吉影」は『ジョジョ』のように荒木が頭文字を揃えることを好んでいたことと、「『吉』で合わせたら覚えやすいかな」という発想から決まった[8]。スタンド名の由来はそれぞれクイーンの楽曲「キラー・クイーン」、「シアー・ハート・アタック」、「アナザー・ワン・バイツ・ザ・ダスト」(邦題「地獄へ道づれ」)から[9]

その他[編集]

  • 荒木がシリーズで最も気に入っている悪役であると語っている[10]
  • 荒木は吉良の家族について「吉良の母親はかわいがりすぎる虐待みたいなものを吉影にしており[11]、父親の吉廣はそれを知りつつも止められなかった申し訳なさから、息子が殺人鬼だと知っても守ろうとしていた[12]」という裏設定があったことを語っている。しかし、そうした裏側を描いてしまうと、「悲しい過去を持つ悪役」になってしまうため、少年誌の制約上あえて作中には出さなかったという[11][12]
  • 2003年に発売されたコンビニコミック『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けない』のvol.22『吉良吉影は静かに暮したい編(1)』以降の内容は吉良との戦いがメインとなることから、vol.28『吉良吉影の新しい事情編(4)』まで吉良が登場人物や杜王町の施設、フィクションに登場する殺人鬼などについて解説、論評するコラム「吉良吉影の部屋」が掲載され、vol.27 『吉良吉影の新しい事情編(3)』とvol.28 『吉良吉影の新しい事情編(4)』の巻末には作者インタビュー「荒木飛呂彦 吉良吉影を語る」が掲載された。
  • 一般からTシャツのデザインを募集するユニクロ主催のイベント「UNIQLO CREATIVE AWARD 2006」に荒木が審査員として参加した際、荒木自らもデザインを手がけたコラボTシャツを発表している。キラークイーンから派生したオリジナルバリエーションキャラクターとして、「キラー・タイガー・クイーン」と「キラー・ダンシング・クイーン」の2種が活躍する絵柄が描かれている。
  • 吉良が劇中で締めていたネクタイは2008年11月にファッションブランドultra-violenceにより「KILL・A’s tie」という名で商品化されている。
  • 連載当時、吉良の設定を強くしすぎたために、ほぼ無敵状態になってしまった吉良をどう倒す(倒させる)のか先の展開が思いつかない状況に陥り、「主人公が負けてしまうかも知れない」と諦めかけたというエピソードを荒木が語っている[13][14]

脚注[編集]

  1. ^ アニメでの住所は「杜王町勾当台1-128」。
  2. ^ 「男たちの奇妙な愛情!?『ジョジョの奇妙な冒険の平行世界』」『ユリイカ 11月臨時増刊号 総特集☆荒木飛呂彦 -- 鋼鉄の魂は走りつづける』 青土社2007年11月25日、22頁。ISBN 978-4-7917-0170-4
  3. ^ a b c 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』集英社、2013年9月30日、130-134頁。
  4. ^ a b 荒木飛呂彦「吉良吉影の新しい事情 その1」『ジョジョの奇妙な冒険 第40巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1995年1月16日、ISBN 4-08-851410-6、22頁。
  5. ^ 荒木飛呂彦「猫は吉良吉影が好き その4」『ジョジョの奇妙な冒険 第42巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1995年5月16日、ISBN 4-08-851892-6、125頁。
  6. ^ a b 荒木飛呂彦「ぼくのパパはパパじゃない その1」『ジョジョの奇妙な冒険 第44巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1995年10月9日、ISBN 4-08-851894-2、56頁。
  7. ^ キラークイーンの姿を見ただけでも、吉良吉影についての情報を得たとみなされる。仗助、康一、承太郎、億泰は、早人の自殺を止めたキラークイーンを見たせいで爆殺された。また、「(口頭で伝えられた)言葉」ではなく「(メモなどに書かれた)文字」という形で情報を得た場合も同様で、露伴は早人に対して「ヘブンズ・ドアー」を使って早人を「本」に変えた際、その中の「(早人の)パパはキラ・ヨシカゲだ」という記述を読んだことにより爆殺された。
  8. ^ 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol.27 吉良吉影の新しい事情編(3)』巻末インタビュー「荒木飛呂彦 吉良吉影を語る」前編
  9. ^ 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol17ハーヴェスト編』 P190「The origin of STANDS!」part.6
  10. ^ 荒木飛呂彦が設定秘話を明かす!『ジョジョ』発表会レポート(Gpara.com)
  11. ^ a b 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol.28 吉良吉影の新しい事情編(4)』巻末インタビュー「荒木飛呂彦 吉良吉影を語る」後編
  12. ^ a b ジャンプスクエア 2008年1月号掲載インタビュー『『天国への扉』で荒木を読むッ』
  13. ^ 日本中を“波紋”に巻き込め -「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド共同プロジェクト」記者発表会
  14. ^ 週刊少年「荒木飛呂彦」スカイパーフェクTV 2003年