恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-

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恥知らずのパープルヘイズ
–ジョジョの奇妙な冒険より-
ジョジョの奇妙な冒険 Parte5
『黄金の風』
著者 上遠野浩平
イラスト 荒木飛呂彦
発行日 2011年9月16日
発行元 集英社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 300
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恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』(はじしらずのパープルヘイズ –ジョジョのきみょうなぼうけんより-、Purple Haze feedback)は、2011年9月16日集英社から発売された上遠野浩平による荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』の後日談を扱ったノベライズ作品。

概要[編集]

荒木飛呂彦の執筆30周年、『ジョジョの奇妙な冒険』の連載25周年の記念企画「ARAKI 30th & JOJO 25th / 2011-2012 JUMP j BOOKS Presents Special Project“VS JOJO”」の第一弾として発表された小説作品。

2001年に発表されたノベライズ作品『ジョジョの奇妙な冒険 II ゴールデンハート/ゴールデンリング』同様、物語はパンナコッタ・フーゴを中心に展開する。

組織のボスであったディアボロを倒した後のジョルノ達のその後といった原作では語られなかった部分の補完や、これまで接点の薄かった他の部とのつながりを感じさせる描写などが随所にみられるのが特徴である。

なお、本作オリジナルのスタンドの名称は、主役であるフーゴと同じく、すべてジミ・ヘンドリックスの楽曲名からとられている。

2014年3月19日に新書サイズ版が発売。トリッシュをメインにした書きおろし短編が収録される。

あらすじ[編集]

ジョルノ・ジョバァーナがボスを倒し、パッショーネを掌握してから半年後、ボスへの離反を拒否してブチャラティチームから離脱したパンナコッタ・フーゴはかつて同じチームであった組織の副長、グイード・ミスタジュゼッペ・メアッツァまで呼び出される。かつてブチャラティチームを裏切ったフーゴに対して、改めて組織への忠誠を証明させる為である。

ミスタはジョルノが推し進めている裏社会の清浄化の一環として、旧組織の負の遺産である麻薬チームを始末するように命じ、自身が連れてきたスタンド使いシーラEにも共に任務を遂行するように命じる。完遂できなければ死という状況下で、フーゴの新たな任務が始まった。

登場人物[編集]

原作からの登場人物[編集]

パンナコッタ・フーゴ
  • スタンド名:パープル・ヘイズ
本作の主人公。16歳。かつてはジョルノらと同じくブチャラティチームに所属していたが、組織を裏切ってボスに戦いを挑む事を決めたブチャラティの考えについていけず、チームの中でただ一人離脱を選んだ。その判断によりディアボロに殺される事無く生きのびたが、ジョルノがディアボロを倒してボスとなった為に組織からの信用を失った。バーでピアノ弾きをしながらひっそりと暮らしていた所を呼び出され、ミスタから改めて組織への忠誠を確かめる為に麻薬チームの始末を命じられる。
ブチャラティがボスを裏切った後、一人だけついて行けなかったことが大きなわだかまりとなっており、作中でも自問自答を繰り返している。しかしヴォルペに敗北して満身創痍になったシーラEの姿を目の当たりにし、ついにその疑問に決着をつける。この精神の成長によってスタンドも進化を遂げ、ヴォルペを瞬殺した。
任務を完了した彼はジョルノに呼び出され、彼がフーゴの死後、「パープル・ヘイズ」だけが一人歩きして暴走してしまうことを危惧していたこと、任務を命じたのはフーゴが「パープル・ヘイズ」を制御することこそが真の目的であったことを告げられる。そして、自分に手を差し伸べるジョルノに全てを捧げると誓う。
本作で、彼がギャングになった経緯が明かされている。実家は、祖父が自分の息子(フーゴの父親)と破産した貴族の娘とを結婚させ、名家の地位を手に入れた成金にすぎず、フーゴがわずか13歳で大学入学の許可を得れたのも、才能を認められたのではなく、実家が金で資格を買っただけであった。大学教授を殴り退学処分になった後、実家から勘当され、どこにも行く場所がなくなった時にブチャラティにスカウトされている。
パープル・ヘイズ→パープル・ヘイズ・ディストーション
【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - C→E / 持続力 - E / 精密動作性 - E→C / 成長性 - B→?】
あらゆる生物を溶かし尽くしてしまう、殺人ウイルスを散布するスタンド。本体のフーゴさえもウイルスからは逃れられず、制御しきれないため極めて厄介なスタンドであった。
上述の進化によりウイルスの効果がフーゴの精神に左右されるという効果が付きさらに凶悪化したが、あまりにも凶暴なためにウイルス同士が共食いを行うようになり、場合によっては感染者を死に至らしめる前にウイルスが先に死滅してしまうようになった。そのため全力で攻撃するより手加減して攻撃した方が殺傷性が高いという奇妙な性質が備わり、却って抑制が効くようになった。効果時間は30秒からほとんど一瞬に変化している。
名前のモチーフはジミ・ヘンドリックスの楽曲「パープル・ヘイズ」と、ジミが好んだアンプの音量を上げることによって音を歪ませる音響技術「ディストーション」から。
ジョルノ・ジョバァーナ
  • スタンド名:ゴールド・エクスペリエンス / ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム
Parte5の主人公にしてギャング組織・パッショーネの現ボス。16歳。かつてのボスであったディアボロを倒して新しいボスとなる。ディアボロが自分がボスであることを隠していたのを利用し、「その幼さ故にいらぬ反感を買うことを警戒して素性を隠していたが、組織に裏切り者が出てボスの正体を探ろうとし、無関係の娘を巻き込んだ抗争に発展しかけたことから、もはや正体を隠す理由がなくなったと判断し、正々堂々と姿を見せることにした」として、以前からボスであったように振る舞っている。ディアボロを連想させる「ボス」という呼び方を好まず、「ジョジョ(GIOGIO)」と呼ばれる事を望んでいる。
ボスとなってからは父であるDIOを髣髴とさせるカリスマ性で組織を束ねあげ、世界有数の財団であるSPW財団とも手を結び、イタリアの表社会を常時たやすく動かせるほど組織を今まで以上に拡大していく一方で、ブチャラティの遺志を継いで裏社会の清浄化を進めており、彼が嫌悪していた麻薬の流通を止めるために麻薬チームを壊滅させるよう命じた。
スタンド「ゴールド・エクスペリエンス」のレクイエム化を経て、物語終盤にフーゴの負傷した肉体を一瞬で治療するなどそのスタンドパワーの進化ぶりがフーゴを驚かせた。
グイード・ミスタ
  • スタンド名:セックス・ピストルズ
パッショーネの副長。ボスとの最終決戦にジョルノと共に生き残り、組織のNo.2となるが、2は掛け合わせると4になることから本人は嫌がり、No.2はポルナレフであるとし、No.3を自称している。
ボスとの最終決戦から半年後、かつてチームを離脱したフーゴをジュゼッペ・メアッツァに呼び出し、麻薬チームの始末を命じた上で「できなかった場合はお前を殺す」と冷たく言い放った。
ブローノ・ブチャラティ
  • スタンド名:スティッキィ・フィンガーズ
故人。フーゴの回想で登場。組織が流している麻薬で汚染される街のことを考え、涙を流さず悲しみに満ちた表情をみせた。
ナランチャ・ギルガ
  • スタンド名:エアロスミス
故人。回想の中で登場。フーゴに拾われたことが切っ掛けで組織に入団した。ディアボロとの最終決戦時で死亡した後、ジョルノがネアポリスの教会に多額の寄付をした上で葬式を出している。
レオーネ・アバッキオ
  • スタンド名:ムーディ・ブルース
故人。回想の中で登場する。フーゴと面会して、元警官という出自から一生出世は望めないことを伝えられながらもパッショーネに入団した。また、彼が取引していたチンピラはパッショーネの麻薬密売人で、「真夏に凍死する」という形で死亡した。アンジェリカがスタンドで作り出した記憶の中では、警察在籍中からブチャラティチームと親しげにしていた。
トリッシュ・ウナ
  • スタンド名:スパイス・ガール
パッショーネの前ボス・ディアボロの娘。自分に繋がるすべての存在を消し去ろうとしていたディアボロに命を狙われるが、ジョルノがディアボロを倒したことにより生き延びた。抗争の終結後は表向き組織とは無関係という事になっており、抗争に巻き込まれる以前から行っていた歌手としての活動を再開し、CDデビューも果たしている。
新書サイズ版の書きおろし短編にて、ブチャラティの墓がある、彼の出身地へ仕事で訪れたさいに墓参りをするが、そこでブチャラティの母親と出会うシーンが加筆されている。
ジャン=ピエール・ポルナレフ
Part3の主要人物。かつてはスタンド使いを生み出す矢をめぐってディアボロ統治時代のパッショーネと敵対しており、組織から離反したブチャラティチームにディアボロ打倒の希望を見出し協力していた。ディアボロとの戦いで死亡したが、亀のココ・ジャンボのスタンド『ミスター・プレジデント』の能力で、魂のみがこの世に残り、亀のスタンド能力で作られた部屋の中に留まっている。
ジョルノが組織を掌握した後、本来ならNo.2のミスタが、NO.2を嫌がりNo.3を自称しているため、形式上組織のNo.2となっているが、プロローグにおけるフーゴとミスタの会話から察するとポルナレフの存在自体が組織の限られた人物しか知らないトップシークレットとなっている模様。登場人物たちの会話で名前が語られているのみで本人は登場していない。
サーレー
  • スタンド名:クラフト・ワーク
パッショーネの組員。かつてポルポの遺産を横取りしようとブチャラティチームを襲撃した事から、フーゴと同様に組織への忠誠を証明する為に麻薬チームを始末するように命じられる。
ヴィッラ・サン・ジョヴァンニで麻薬チームのビットリオと対決するが、「クラフト・ワーク」による攻撃のダメージを彼のスタンドにより返され、心臓が体から飛び出して死亡する。
マリオ・ズッケェロ
  • スタンド名:ソフト・マシーン
パッショーネの組員。サーレーの相棒で、同じくブチャラティチームからポルポの遺産を横取りしようとしたため、忠誠の証明としてフーゴやサーレーと同様に麻薬チームの始末を命じられる。
ヴィッラ・サン・ジョヴァンニでサーレーと共に麻薬チームを襲撃しようとしたがマッシモのスタンド能力で麻薬漬けにされてしまい、情報を引き出された後は自我を奪われ、接近してきたものを反射的に攻撃するだけの戦闘機械にされてしまう。麻薬チームを追ってシチリア島までやってきたフーゴ一行のうちシーラEと対決するが、ヴードゥー・チャイルドの唇によるトラップで拘束され、その直後にマッシモの能力による血圧の異常な上昇が肉体の限界を超え、全身が破裂して死亡した。
ポルポ
  • スタンド名:ブラック・サバス
パッショーネの元幹部。故人。回想の中で登場。フーゴが町の麻薬密売人の報告をしたことで、裏でボスが麻薬密売に手を染めていた事を悟り、これ以上深く詮索する事が自身を含めるチーム全員の命を危うくする行為だと判断し、フーゴに捜索中止を命令した。
ルドル・フォン・シュトロハイム
第2部『戦闘潮流』に登場したナチス・ドイツの将校。本人は1943年スターリングラード戦線で戦死している。その当時、石仮面による不死の研究の責任者であり、シチリアにあった石仮面を回収する予定であった。しかし、彼の戦死と連合軍のシチリア上陸によるドイツ軍の撤退で、石仮面は回収されないまま、シラクサドゥオーモに隠されていた。

小説版オリジナルの登場人物[編集]

パッショーネ構成員[編集]

シィラ・カペッツート(シーラE)
パッショーネのボス親衛隊。15歳。通称のシーラEのEはイタリア語で復讐を意味するエリンニ(Erinni)からとったもので、敵に対してどこまでも無慈悲であることを誓った証である。
自分の姉を殺した暗殺チームのメンバー、イルーゾォへの復讐の機会を得るために組織に入団。わずか10歳でローマの賭場を仕切っていたミランツァ組を潰してパッショーネの縄張りとした功績を認められ、ボス親衛隊に抜擢される。
姉の仇であるイルーゾォはブチャラティチーム(物語の途中で直接手を下したのがフーゴであることに気付く)によって殺された為に本懐を果たすことができなくなってしまったが、ジョルノからイルーゾォの死に様を聞かされて「イルーゾォは自分のしてきたことを後悔するほどの苦しみを味わいながら、姉を殺した報いを受けた、正義は行われた」とジョルノに深い恩義を感じ、彼の為なら命を捨てることも厭わないほどに心酔するようになった。だが、親衛隊と暗殺チームとの連絡役であったことから組織からの信用が得られず、身の潔白を証明するために麻薬チームの始末を命じられる。
ジョルノは彼女の行き過ぎてしまう性格を憂慮しており、彼女に「負けを認める勇気」を学ばせるためにこの指令を命じたという。
ヴードゥー・チャイルド
【破壊力 - B / スピード - A / 射程距離 - E / 持続力 - E / 精密動作性 - B / 成長性 - B】
殴ったものに唇を生み出し、以前にその場所で発せられた陰口を喋らせる近距離パワー型のスタンド。人間を殴った場合、唇はその人間の深層心理からの罵倒を行い、相手にショック死もあり得るほどの精神的なダメージを与える[1]。また、スタンドで生み出した唇に噛み付かせて攻撃することも可能。ラッシュ時の決め台詞は「エリエリエリ…」
カンノーロ・ムーロロ
パッショーネの情報分析チーム所属で、情報管理担当者。32歳。1930年代のギャング映画から抜け出してきたような、いかにもギャングと言わんばかりの服装をしている。裏切り者の暗殺チームからの依頼で焼けた写真の復元を行い、それがブチャラティチームがギアッチョに襲撃されるきっかけとなった事から、身の潔白を証明するために麻薬チームの始末を命じられる。
自分の生い立ちを「社会の底辺のゴミ溜めのような場所で生まれ育ち、目先の怒りや苛立ちを晴らすだけの何の希望も無い人生を送っていた」と語っており、パッショーネに入団してからも「自分はその気になれば誰でも殺せる、無敵の存在である」「誰の為であっても、俺がストレスを感じる事は許せない」という慢心から暗殺チームとディアボロが敵対するように仕向け、どちらが勝ってもいいように立ち回っていた(ディアボロに暗殺チームが身辺を探っている事を密告、一方で暗殺チームにもディアボロに関する情報を与えるなど)。そうした過去から麻薬チームのコカキからは「お前のようなヤツがいるから世界は歪んでしまう」と評されている。
しかし、新しいボスとなったジョルノに薄っぺらな己の本質を見抜かれた事で生まれて初めて「恥」という感情を感じ、ジョルノに心から服従するようになる。その後はジョルノの密命で組織の裏切り者の始末を行っており、今回麻薬チームの始末を命じられたのも隠れ蓑に過ぎず、真の任務は(スピードワゴン財団や承太郎から警戒される恐れがあるために石仮面に接触できないジョルノの代わりに)ナチスドイツがシラクサのドゥオーモに隠した石仮面を見つけ出して破壊すること。そのため、麻薬チームの討伐任務中も彼らをある程度泳がせていた。
オール・アロング・ウォッチタワー(劇団〈見張り塔〉)
【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 – A / 精密動作性 - A / 成長性 - E】
トランプと一体化した、全53体の群体型スタンド。本体がトランプタワーを作ることで発動し、スタンドと一体化したカードからは手足が生え、絵柄が生物の様に動くようになる。53体がそれぞれ別個の自我を持っており、本体の知りたいことをそれぞれのカードが舞台劇の様に演じる。ムーロロは千里眼のような能力であると説明しているが、本当はカードの薄さを利用して様々な場所に忍び込み、情報収集や暗殺を行う事が主能力であり、劇はそれを本体に報告しているだけである[2]
ジャンルッカ・ペリーコロ
パッショーネの幹部、ヌンツィオ・ペリーコロの息子。幼いころに大病を患い、医者からも見捨てられたところをパッショーネに救われた事から父と共にパッショーネに入団する。スタンド能力は持たないが、組織の為に自らの命を絶った父同様組織に対し、非常に忠実で、父の死すら「父は組織に身を捧げたのだ」と当然のごとく受け入れた。
ジョルノが組織を掌握し、ボスとして姿を現した際には、組織の安定化を図るためにジョルノに疑いを持つ幹部らのもとに単身丸腰で出向き、命懸けで説得を行った。その姿勢がジョルノの目に留まり、父が任せられていた基盤を受け継ぐことを許され、副長のミスタに次ぐ地位を得た。
なお、ヌンツィオへの自殺の命令は前ボス・ディアボロによるもので、ジョルノ自身ディアボロの命令を引っ被るものであったが、ジョルノ自身ヌンツィオの人柄を知っており、彼に対するせめてもの罪滅ぼしである故に地位を与えた。

麻薬チーム[編集]

マッシモ・ヴォルペ
麻薬チームのメンバー。25歳。麻薬を製造する能力を持つ、チームの中核的存在。ディアボロが蔓延させた麻薬は全て彼が塩に自身の能力を付加して作り出したものであり、麻薬チームリーダーのコカキには「お前の能力さえあれば、全ての人間の上に君臨することが可能」とまで評され、一方ジョルノはその危険性から彼を抹殺対象リストの最上位に挙げ、他の標的を全員取り逃がしても彼だけは始末するように命じるほど危険視している。
もともとは貴族の家系だったが、夢や目標を持って家を出た兄と違い、希望を持たない後ろ向きな人間となり、結果的に家が没落してしまった父親をも自分の能力で麻薬漬けにしてしまっていた。フーゴとは大学時代の同期であり、優等生であった彼の事を軽蔑している。一方で彼の周囲を顧みない部分に共感しており、教師を殴って退学になった時も特に驚く様子を見せなかった。
ヴィッラ・サン・ジョヴァンニで襲撃してきたズッケェロを捕らえ、この後も続くであろう刺客の襲撃に備えて拠点をオルティージャ島へと移し、同時に自身の能力の欠点である身体への過剰な負荷を克服すべく、かつてナチス・ドイツが行っていた不死の研究材料である石仮面を回収しようとする。
コカキを倒してオルティージャ島まで追ってきた刺客のうち、シーラEをスタンドによって極限まで強化した肉体によって抵抗する隙すら与えずに戦闘不能にするが、ビットリオはムーロロに敗れて石仮面は破壊され、アンジェリカも殺人ウイルスに感染して肉体の大半が崩壊し、いつ死んでもおかしくない状態になってしまう。その怒りからシーラEを拷問してフーゴを呼び出し、それに気付いて現れたフーゴを殺害しようとするが、フーゴが相打ち覚悟で口に忍ばせていたパープル・ヘイズのウイルス入りカプセルを噛み砕き、その際の吐血を浴びた事でウイルスに感染し死亡した。
なお、回想シーンにおいて、彼の兄はPart4に登場する料理人、トニオ・トラサルディー(本名:アントニーオ・ヴォルペ)であることが明かされており、マッシモも兄がスタンド使いである事や、自分と同じく身体に影響を与える能力でありながら、自分とは逆の能力を発現している事を心のどこかで感じ取っているようである。
マニック・デプレッション
【破壊力 - C/ スピード - A / 射程距離 - E / 持続力 – B(薬物効果は半月ほど) / 精密動作性 - B / 成長性 - C】
餓鬼のような像をしたスタンド。全身から注射器のようなトゲを出し、トゲで刺した対象の生命力を過剰促進させる能力を持つ。ドーピングの様に身体能力を肉体の限界を超えて増強させて常人には不可能な力を発揮させたり、相手の身体能力を肉体が耐えられないレベルまで増強させて自滅させることが可能。
また、能力を別の物体に付加する事もでき、塩に脳内麻薬を過剰分泌させる様に能力を付加する事で、それを摂取した者に麻薬と同じ効果をもたらすといった事も可能。この麻薬は半月程度でただの塩に戻ってしまうが、この性質は麻薬を流通させるときに問題となる横流しを防ぐことに都合が良かったという。
肉体を活性化させるという部分では兄のスタンドであるパール・ジャムと通ずる部分があるが、使えば使うほど対象の肉体は蝕まれるため、対象を健康にするパール・ジャムとは対極の能力といえる。
ビットリオ・カタルディ
麻薬チームのメンバー。16歳。全身には自傷行為やスタンド能力を発動させるために付けた傷の痕が無数にあり、将来性の感じられない退廃的な言動が特徴。
ジョルノから差し向けられた刺客のサーレーをスタンド能力で返り討ちにした後、タオルミーナに渡ってからはマッシモらと共にシチリアへと向かい、シラクサのドゥオーモに隠された石仮面の回収にあたるが、ムーロロによって石仮面を奪われて破壊される。激昂してスタンドを発動するが、ムーロロのスタンドがダメージフィードバックの少ない群体型であったことから思うようにダメージを与えることができなかった。ムーロロからは降伏してジョルノへ服従することを勧められるが、その言葉に耳を貸さずスタンド能力を道連れ覚悟で使い続けた事により、自ら負った傷による出血多量で力尽きて死亡した。
ドリー・ダガー
【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - B / 成長性 - C】
ナポレオン時代の短剣と一体化したスタンド。本体の負ったダメージの七割を刀身に映り込んだものに転移させることができる。
ビットリオの「自分は悪くない、責任転嫁したい」という強い思いを反映した能力である[3]
銃撃や殺人ウイルスのダメージすら相手に返すことが可能だが、ダメージの三割は自分の身体に残る為、「クラフト・ワーク」による心臓固定のように相手の攻撃の内容によっては三割に軽減されても危険な場合もある。また、群体タイプのスタンドを相手にした場合、効果が分散され相手に大したダメージを与えられず、逆に自分自身に大きなダメージが蓄積される危険性があり、ムーロロの「オール・アロング・ウォッチタワー」と戦ったことによりそれが実証された。
アンジェリカ・アッタナシオ
麻薬チームのメンバー。14歳。先天性の“血液がささくれ立つ”といわれる難病に侵されており、その病による血管の中に無数の微細な針が流れているかのような激痛を和らげるために麻薬に依存し、末期の麻薬中毒となっている。
麻薬中毒のため敵を前にしても注意を払うといった行動ができず、シチリアの民謡である『しゃれこうべの歌(VITTI’NA CROZZA)』を口ずさんでいる。本人に戦闘力はほとんどなく、病のためマッシモの傍を離れられないが、無意識に放っているスタンドで敵を無力化することでチームの支援を行う。
ビットリオと共にサーレーを始末した後、コカキと別れて他のメンバーと共にシラクサのオルティージャ島へと渡り、コカキを倒して追ってきたフーゴ達を襲撃する。スタンドで麻薬中毒にした島の住人達に紛れて襲い掛かり、フーゴをナイフで刺殺しようとするが、フーゴを刺して逃げる際にパープルヘイズの攻撃を受けて敗北。その時感染した殺人ウイルスにより、合流したマッシモの目の前で体が崩れていったが、マッシモの能力により生き永らえさせられ、死の直前までスタンドでマッシモを援護し続けた。
ナイトバード・フライング
【破壊力 - E / スピード - A(相手次第) / 射程距離 - A / 持続力 – A(症状が続く限り) / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
小鳥のような姿をした、半自律型のスタンド。他人の魂を探知して自動追尾し、対象の心身の状態を末期の麻薬中毒と同じ状態にする。攻撃力は全くないが、思考力・判断力の低下や幻覚などによって対象をほぼ無力化でき、能力にかかった人間を幻覚によって操ることもできる。このほか、他人の魂を探知する特性をレーダーの様に使う事も可能。
アンジェリカの他人に理解してもらえない寂しさが形となった能力である[4]
ヴラディミール・コカキ
麻薬チームのリーダー。70歳。哲学的な物言いが特徴の物静かな態度の老人で、パッショーネに加わる以前からギャングとして活動しており、ディアボロですら力による屈服よりも交渉による懐柔を選んだほどの実力者。少年時代に第二次世界大戦に巻き込まれ、妹を失った過去がある。その長い人生で培った人生観と人間性、そして威厳のある言動からチーム内で実父のように慕われている。
ディアボロが敗れてからはチームを守るために姿を隠すが、ジョルノに刺客を差し向けられた事から戦うことを選ぶ。他の3人をシラクサのオルティージャ島に向かわせて、自身はタオルミーナ東端の野外劇場でフーゴらを迎え討つ。
戦いの前から展開していたスタンド能力と話術によってフーゴとシーラEを手玉に取り、リゾットら暗殺チームに情報を与えて抗争の引き金を作ったムーロロを始末しようとするが、フーゴがパープルヘイズに自分をコカキの真上に投げ飛ばさせたことで、定着させられた「落ちる感覚」を打ち消され、そのまま落下してきたパープルヘイズの一撃により首の骨を折られて死亡する。死体はその直後ウイルスによって朽ち果てた。
レイニーデイ・ドリームアウェイ
【破壊力 - E / スピード - B (霧雨の広がる速度)/ 射程距離 – A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
相手の感じた感覚を定着させる能力を持つ、霧雨状のスタンド。「転びそうになる」「落ちる」といった感覚を定着させるとその感覚に縛られて体の自由が奪われ、「敵わない」と思った相手にその感覚を定着させると自分に決して勝てないようになる。対象の精神エネルギーを利用した能力であるため、一度術中にはまるとスタンドの射程外に出ても能力は解除されない[5]

その他[編集]

  • 原作に対する本作独自の解釈として、「群体型スタンドの持ち主は精神に決定的な欠陥を抱えている」というものがある。これは作中ではSPW財団の研究者の見解とされている。

書籍情報[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『恥知らずのパープルヘイズ』123ページ
  2. ^ 『恥知らずのパープルヘイズ』245ページ
  3. ^ 『恥知らずのパープルヘイズ』46ページ
  4. ^ 『恥知らずのパープルヘイズ』196ページ
  5. ^ 『恥知らずのパープルヘイズ』161ページ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]