見張塔からずっと

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見張塔からずっと
ボブ・ディラン楽曲
収録アルバムジョン・ウェズリー・ハーディング
リリース1967年12月27日
録音1967年11月6日
ジャンルフォークロック
時間2分31秒
レーベルコロムビア・レコード
作詞者ボブ・ディラン
作曲者ボブ・ディラン
プロデュースボブ・ジョンストン
"聖オーガスティンを夢でみた"
(3)
見張塔からずっと
(4)
"フランキー・リーとジュダス・プリーストのバラッド"
(5)
ミュージックビデオ
「All Along the Watchtower」 - YouTube

見張塔からずっと」(みはりとうからずっと、All Along the Watchtower) はボブ・ディランが作詞・作曲した楽曲。

ボブ・ディランのバージョン[編集]

1967年12月27日発売のアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』に収録された。シンプルで鋭い旋律と含蓄に富む歌詞によってディランの精髄を示す作品とされ、彼のコンサートで歌われることも多い。

偉大なる復活』(1974年)、『武道館』(1978年)、『ディラン&ザ・デッド』(1989年)、『MTVアンプラグド』(1995年)などのライブアルバムにも収録されている。『偉大なる復活』のバージョンはシングル・カットされた。

歌詞は『聖書』「イザヤ書」第21章の、見張り塔から馬に乗った二人の男が来るのが見えたとき、堕落したバビロンが崩壊したことを知るという逸話を踏まえており、ディランは二人の男に道化師と泥棒、見張り人に王子達を配して、彼の社会観を象徴する寓話的な内容に仕立てている。

ジミ・ヘンドリックスのバージョン[編集]

ウォッチタワー
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスシングル
初出アルバム『エレクトリック・レディランド
B面 アメリカ合衆国の旗 真夜中のランプ
イギリスの旗 長く暑い夏の夜
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 1968年
ジャンル ロック
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗 リプリーズ・レコード
イギリスの旗 トラック・レコード
作詞・作曲 ボブ・ディラン
プロデュース ジミ・ヘンドリックス
チャート最高順位
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス シングル 年表
空より高く
(1968年)
ウォッチタワー
(1968年)
クロスタウン・トラフィック
(1968年)
ミュージックビデオ
「All Along The Watchtower」 - YouTube
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ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスは「見張り塔からずっと」をカバーしている(日本での題は「ウォッチタワー」)。最初は1968年9月21日、アメリカでシングルA面曲として発表された。その後、同年10月発売のアルバム『エレクトリック・レディランド』にも収録された。10月19日から10月26日にかけてビルボード・Hot 100で2週連続20位を記録した(ヘンドリックスにとってのビルボード最高位)[1][2]。英国ではチャートの5位を記録した。

レコーディングにはエクスペリエンスの2人(ヘンドリックス(ベーシストもヘンドリックスが務めている)、ドラマーのミッチ・ミッチェル)のほか、サイドギターでデイブ・メイスン、パーカッションでブライアン・ジョーンズが参加している。

ディランはこのカバーを「この曲の権利の半分くらいはヘンドリックスのもの」、「これが公式の完成版」などと絶賛し、コンサートではこれに近いスタイルで演奏することが多くなったという。

ヘンドリックスのバージョンは「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」(2010年版)で47位にランクされている[3]。また、2000年に、イギリスの雑誌「トータル・ギター」が選んだ「これまでで最もすぐれたカヴァー・バージョン」、及びイギリスの新聞「デイリー・テレグラフ」の音楽評論家が2004年に選出した「ベスト・カヴァー・ソングTOP50」では1位となった。ロックの殿堂の「ロックン・ロールの歴史500曲(500 Songs that Shaped Rock and Roll)」の1曲にも選出されており、2001年グラミーの殿堂(Grammy Hall of Fame)入りを果たしている。

その他のバージョン[編集]

ニール・ヤングデイブ・メイスングレイトフル・デッドU2デイヴ・マシューズ・バンドプリンスブライアン・フェリーXTCパール・ジャムポール・ウェラーリッチー・ヘブンスジェフ・ヒーリーレニー・クラヴィッツエリック・クラプトンジョン・メイヤータジ・マハールキザイア・ジョーンズCHARなど、多くのミュージシャンがカバーしている。1977年にはマホガニー・ラッシュが全米Top 40に送り込んだ。

脚注[編集]

外部リンク[編集]