劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス

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劇場版ポケットモンスター
水の都の護神 ラティアスとラティオス
監督 湯山邦彦
脚本 園田英樹
製作 吉川兆二
松追由香子
盛武源
製作総指揮 久保雅一
川口孝司
出演者 松本梨香
大谷育江
飯塚雅弓
上田祐司
神田うの
釈由美子
グッチ裕三
山寺宏一
音楽 coba
宮崎慎二
主題歌 「ひとりぼっちじゃない」coba & 宮沢和史
撮影 白井久男
編集 辺見俊夫
配給 東宝
公開 日本の旗2002年7月13日
上映時間 72分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 26億7000万円
前作 劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇
次作 劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ
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劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス』(げきじょうばんポケットモンスター みずのみやこのまもりがみ ラティアスとラティオス)は、2002年7月13日から公開されたテレビアニメポケットモンスター』の劇場版5作目である。同時上映作品は『ピカピカ星空キャンプ[1]

概要[編集]

モデルとなったヴェネツィアの町並み

無印編の劇場版ポケットモンスターとしては最後の作品。舞台である「アルトマーレ」はイタリア語で、直訳すれば「永遠なる海」。アルトマーレのモデルはイタリアの都市ヴェネツィアであり、ポケットモンスター劇場版シリーズとしては初の実在の街がモデルとなっている。アコーディオニストのcobaが主題歌に加え、映画本編のBGMを作曲し、本作以前の作品とは一風違う雰囲気をかもし出している。アバンオープニングでは、新規にTVアニメ版第1話のダイジェストが描かれた。また、歴代の映画の主役ポケモン(ミュウツールギアエンテイセレビィ)がどこかに変わった姿で登場する。

本作品は同年2002年の邦画興行成績26億円を記録。ただポケットモンスター劇場版シリーズにおいて傑作と評価されつつも、同年は超大作『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』と公開時期が重なったことや、同じく同年に世界的な大旋風を巻き起こした『ハリー・ポッターと賢者の石』が日本で公開されたことに影響され邦画興行収成績は第4位となった。

あらすじ[編集]

旅を続けるサトシ達一行は、水の都と呼ばれる美しい町「アルトマーレ」にやって来ていた。サトシとカスミはこの時期に行われるアルトマーレの名物「水上レース」に参加する。レース後に街を観光をしていると、サトシは女の子が襲われているところに遭遇する。助けている途中ではぐれてしまうが、博物館で再び姿を見かけ追いかける。不思議な壁を通り抜けた先の庭園で、その女の子は伝説のポケモン、ラティアスが変身していたと判明する。ラティアスが姿を借りていた少女カノンと、その祖父ボンゴレに、この町に伝わる御伽話を聞かされると、サトシはこの町に忍び寄る不穏を感じ取る。その裏では怪盗姉妹のザンナーとリオンが悪事を企てているのだった。

エンディング直前に、"帽子を被っていない"カノンと思しき少女がサトシにキスをする場面が存在するが、このシーンに関して、カノン本人がしたのか、カノンに変身しているラティアスがしたのかが話題になった。本作品の書籍版「劇場版ポケットモンスター―水の都の護神ラティアスとラティオス ピカピカ星空キャンプ (This is animation)」(ISBN 4091015662)では、他の場面では少女がカノン本人か変身したラティアスかのどちらかであるかが明記されているが、このキスシーンのみ「少女」とのみ表記されている。また、この場面に使用されているBGMの曲名は「カノン」となっている。それ以外のカノン、カノンに変身したラティアスが登場する場面で使用されているBGMの曲名は「謎の少女」および「謎の少女、再び(迷宮)」。見分け方として少女がどちらであるかは、帽子を被っているか否かで判ると前述の書籍では解説されているが、エンディング直前の場面では帽子はカノンの部屋のイーゼル(三脚)に掛けてある状態であり、その時カノン本人は被っていないことがわかる様になっている。

登場人物[編集]

レギュラー[編集]

詳細は個別記事かアニメ版ポケットモンスターの登場人物を参照。

サトシ
- 松本梨香
ポケモンマスターを目指す主人公。
ピカチュウ
声 - 大谷育江
サトシの相棒であるポケモン。
カスミ
声 - 飯塚雅弓
サトシを旅を共にする少女。水上レースで優勝を果たす。
タケシ
声 - 上田祐司
サトシと旅を共にし、ブリーダーを目指している。
トゲピー
声 - こおろぎさとみ
カスミの所持するポケモン。
ムサシ
声 - 林原めぐみ
コジロウ
声 - 三木眞一郎
ニャース
声 - 犬山犬子
ロケット団。今回はサトシたちとはあまり絡まず、別行動をしているが毎回散々な目にあっている。中でもコジロウはザンナーとリオンの存在を知っていた。
ワニノコ
声 - 西村ちなみ
サトシの手持ちポケモン。水上レースのパートナーとして使用するが、優勝を逃してしまった。
サニーゴニョロトノ
声 - 大谷育江、三木眞一郎
カスミの手持ちポケモンたち。サニーゴは水上レースでカスミに優勝をもたらしている。その後、カスミにサトシを探すよう頼まれ、ニョロトノと共に「バブルこうせん」と「みずでっぽう」のダブルでカブトプスを撃退した。
クロバット
声 - 三木眞一郎
タケシの手持ちポケモン。タケシにサトシを探すよう頼まれる。サトシがカブトプスに襲われた際は体当たりで吹っ飛ばした。

ゲスト[編集]

カノン
声 - 折笠富美子
絵を描くことが好きな少女。祖父のボンゴレと共に「こころのしずく」を守っている。最初は庭園に無断で入ったサトシを疑うが、すぐに誤解と分かり仲良くなる。
劇中ではラティアスがカノンに度々変身しサトシたちを度々混乱させる場面があるが、基本的に帽子を被っているのがカノン自身で、被っていないのがラティアスである。
髪の一部がラティアス、ラティオスの耳と似ている。また変身中のラティアスはどんなことがあっても声を発しない。
ボンゴレ
声 - グッチ裕三
アルトマーレのゴンドラ職人でカノンの祖父。博物館の案内なども行う。
先祖代々からの「こころのしずく」を守る一族である。
怪盗姉妹
名の知れたおしゃれな怪盗。アルトマーレには「こころのしずく」を盗みに訪れる。なお、視聴者に彼女らが姉と妹の区別が付けられるのは、リオンが一瞬だけ「お姉ちゃん」と叫んだワンシーンのみである。
その目的のためにラティアスやラティオスを襲う。ED中には逮捕されている描写が描かれている。
ザンナー
声 - 神田うの
怪盗姉妹の姉。長いカールのかかった金髪が特徴。宝石などの金品を好む。高飛車で自らの容姿に心酔しており、毎日メイクは欠かせない。
使用ポケモン
エーフィ
声 - かないみか
使用技は「サイケこうせん」、「サイコキネシス」、「スピードスター」、「たいあたり」。
リオン
声 - 釈由美子
怪盗姉妹の妹。短い銀髪が特徴。姉とは違い、宝石などの金品には興味が薄く、野心かつ冷酷な性格で世界征服を目論む。姉との姉妹喧嘩にはムキになる面も。
使用ポケモン
アリアドス
声 - 坂口候一
使用技は「ナイトヘッド」、「いとをはく」。
ロッシ
声 - 山寺宏一
水上レースの前大会優勝者。カスミが優勝した際には、餞別としてゴンドラに乗せてくれるなど、気前の良い人物。
使用ポケモン
ホエルコ
レース時のパートナー。
アナウンサー
声 - 広川太一郎
水上レースの実況アナウンサー。アドリブ(広川節)で有名な広川が担当したため、アドリブの多い実況を演じた。
プテラカブトプス
声 - 小西克幸、三木眞一郎
「こころのしずく」により復活したポケモン。リオンの命令でラティアスを捕まえようとするも、プテラは襲う途中で建物に激突、カブトプスは駆け付けたクロバット、サニーゴ、ニョロトノによって撃退された。
ラティアス
声 - 林原めぐみ
水の都「アルトマーレ」に住む伝説のポケモンでラティオスの妹。ラティオスと共に「水の都の護神」と呼ばれ、「秘密の庭」に住む。大昔、街にもたらされた「こころのしずく」を代々護っている。水上レース中、壁に激突しそうになったサトシを助け、その後水道を使いたがっていたピカチュウのために水を出すなど心優しい性格。滅多に人に姿は見せないため、普段は兄と共に透明になっている。好奇心旺盛で、カノンに変身して秘密の庭から出て街を散策することもある。また、ラティオスが見ている状況をその場で映す「ゆめうつし」を使う。サトシの人間性を感じたのか彼に好意を持ち、自分達が住んでいる秘密の庭に導く。また、無邪気な面もある。ラティオスとはとても仲の良い兄妹で、劇中の前半部分ではその仲の良さが強く描かれている。
ラティオス
声 - 江原正士
ラティアスと共にアルトマーレに住む伝説のポケモンでラティアスの兄。ラティアス同様「こころのしずく」を代々護っている。サトシが初めて庭を訪れた際は、不審から全力で追い払おうとするが、誤解が解けた後は傷付いたピカチュウを気遣い、遊びに付き合ったり、ラティアスの悪戯で空中から落とされたサトシを受け止めるなど、素直な優しさも見せるようになる。非常に妹想いで、怪盗姉妹の秘密の庭への襲撃時は自らの身が傷付くことをいとわず、ラティアスを庇い逃がす。最終的にはアルトマトーレを救うために、妹の前に消滅して、新たな「こころのしずく」として生まれ変わる。
なお、アメリカ版で公開されたバージョンでは江原ではなく、林原に差し替えており、外国版でポケモンの声優が別の日本語声優に変更されるのは今作のみである[2]

スタッフ[編集]

  • 原案 - 田尻智
  • スーパーバイザー - 石原恒和
  • アニメーション監修 - 小田部羊一
  • エグゼクティブプロデューサー - 久保雅一、川口孝司
  • プロデューサー - 吉川兆二、松追由香子、盛武源
  • アニメーションプロデューサー - 奥野敏聡神田修吉
  • アソシエイトプロデューサー - 川原章三、山内克仁、大橋美紀子、山下善久、千田寿嗣、吉田紀之
  • アシスタントプロデューサー - 福田剛士
  • TVリレーションシップス - 岩田圭介、岩田牧子
  • デスク - 藁科久美子、島村優子、金原由香里
  • 脚本 - 園田英樹
  • 絵コンテ - 湯山邦彦毛利和昭長濱博史
  • 演出 - 越智浩仁、鈴木輪流郎、浅田裕二、井硲清高
  • キャラクター原案 - 杉森建、藤原基史、森本茂樹、吉田宏信、太田敏、にしだあつこ、斎藤むねお、吉川玲奈、奥谷順
  • キャラクターデザイン - 玉川明洋、一石小百合松原徳弘
  • デザインワークス - 近永健一、ゴトウマサユキ、コレサワシゲユキ、毛利和昭
  • 作画監督 - 玉川明洋、井ノ上ユウ子、松原徳弘、毛利和昭、高橋英吉、辻初樹池田和美
  • 動画チェック - 榎本富士香、齋藤徳明、室岡辰一、大島嘉代、吉野満純、山中正博、森出剛
  • 色彩設計 - 吉野記通、佐藤美由紀
  • 色指定 - 手嶋明美
  • 検査 - 石川直樹、伊藤良樹、伊藤敦子、奥井恵美子、安藤有由美、粕田信治、川崎亜矢、中沢賢宏
  • 特殊効果 - 太田憲之
  • 美術監督 - 金村勝義
  • デジタルワークス - 高尾克己
  • 撮影監督 - 白井久男
  • CGI監督 - 鹿住郎生
  • 2Dディレクター - 水谷貴哉
  • プロダクションマネージャー - 大竹研次
  • チーフ3DCGデザイナー - 佐藤誠
  • 編集 - ジェイ・フィルム(辺見俊夫)
  • 編集助手 - 板部浩章、神野学、今井大介
  • 現像 - イマジカ
  • 音楽 - coba宮崎慎二
  • 音楽プロデューサー - 斎藤裕二、たなかひろかず
  • 一部原曲・作曲 - 一之瀬剛、青木森一
  • 音響監督 - 三間雅文
  • 音響プロデューサー - 南沢道義、西名武
  • 制作担当 - 小板橋司
  • 制作進行 - 牧野治康、児玉隆、加藤浩幸、新田典生、古宮磨里、村上修一、亀井康輝、上野弘泰
  • アニメーション制作協力 - スタジオコクピット京都アニメーション
  • アニメーション制作 - OLM
  • 制作 - 小学館プロダクション
  • 監督 - 湯山邦彦
  • 製作 - 亀井修、鶴宏明、富山幹太郎、芳原世彦、宮川鑛一、福田年秀、八木正男、ピカチュウプロジェクト2002

原画[編集]

松原徳弘 井ノ上ユウ子 毛利和昭 渡辺浩二 中山勝一 小川ひろし
久高司郎 池田和美 宮田忠明 上野真理子 田口広一 吉岡忍
辻初樹 岩根雅明 佐藤雄三 長縄宏美 今野博司 森悦史
千明ゆり 海野好春 増尾昭一 竹田欣弘 瀬尾佳博 奈須川充
吉田潤 才木康寛 上口正樹 高倉佳彦 久保正 津幡佳明
橋本宣夫 小林ゆかり 清水勝祐 野沢隆 篠原真希子 羽山淳一
入好さとる 中村和久 新岡浩美 本田隆 服部憲知 東海林康和
板垣敦 斎藤哲人
中村プロダクション

主題歌・挿入歌[編集]

オープニングテーマ「めざせポケモンマスター2002」coba松本梨香
作詞 - 戸田昭吾 / 作曲 - たなかひろかず / 編曲・アコーディオン演奏 - coba / 歌 - 松本梨香
エンディングテーマ「ひとりぼっちじゃない」coba宮沢和史
作詞・歌 - 宮沢和史 / 作曲・編曲・アコーディオン演奏 - coba
劇中で使われている「ひとりぼっちじゃない(映画バージョン)」は表記通り映画バージョンであり、「ポケットモンスター映画主題歌ソング集パーフェクトベスト」などに収録されている。対してマキシシングル「ひとりぼっちじゃない」(2002年7月10日発売。現在廃盤)に収録されている「ひとりぼっちじゃない」は同曲のオリジナルであり、一部の歌詞が異なる。
挿入歌「SECRET GARDEN」MADOKA.
作詞 - Natsumi Watanabe / 作曲・編曲 - 宮崎慎二 / 歌 - MADOKA.

DVD[編集]

  • 本編のDVDは2002年12月20日発売。本作以降DVDは公開された年の12月発売となっている。
  • 映画10周年を記念して発売された「劇場版ポケットモンスター PIKACHU THE MOVIE BOX 1998-2002」に収録されている。

その他[編集]

映画公開記念として、ラティアスとラティオスをデザインしたゲームボーイアドバンスが発売された。

海外版[編集]

前作同様、全米でも『Pokémon Heroes』として2003年5月16日に全米200館で公開された[3]

なお、オリジナル版とは、

  • プロローグで神話が語られる部分が削除されている
  • ザンナーとリオンがロケット団に所属している
  • 「こころのしずく」にラティオスの魂が宿った旨の表現が明確化されている

などの点で異なる。

また本作は、ポケットモンスターの劇場版作品では唯一アカデミー長編アニメ映画賞の最終選考エントリー作品となっている。

脚注[編集]

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  1. ^ 作品紹介OLM”. 2015年6月4日閲覧。
  2. ^ 他のパターンでは英語声優、あるいは日本統一声優等がある。
  3. ^ http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=pokemonheroes.htm

関連項目[編集]

外部リンク[編集]