アトム ザ・ビギニング

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アトム ザ・ビギニング
Atom The Beginning logo.png
ジャンル SF
漫画
原作・原案など 手塚治虫(原案)
ゆうきまさみ(コンセプトワークス)
手塚眞(監修)
手塚プロダクション(協力)
作画 カサハラテツロー
出版社 ヒーローズ
掲載誌 月刊ヒーローズ
レーベル ヒーローズコミックス
発表号 2015年1月号 -
巻数 既刊6巻(2017年6月現在)
アニメ
原作 手塚治虫、ゆうきまさみ
カサハラテツロー
総監督 本広克行
監督 佐藤竜雄
シリーズ構成 藤咲淳一
キャラクターデザイン 吉松孝博
メカニックデザイン 常木志伸、石本剛啓
宮崎真一
音楽 朝倉紀行
アニメーション制作 OLMProduction I.G
SIGNAL.MD
製作 アトム ザ・ビギニング製作委員会
放送局 NHK総合
放送期間 2017年4月15日 - 7月8日
話数 全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ手塚治虫

アトム ザ・ビギニング』(ATOM THE BEGINNING)は、コンセプトワークス:ゆうきまさみ、漫画:カサハラテツローによる日本漫画作品。監修:手塚眞、協力:手塚プロダクション手塚治虫の『鉄腕アトム』を原案としており、鉄腕アトム誕生までの物語を描く。『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)にて2015年1月号から連載中。

あらすじ[編集]

原因不明の大災害が発生してから5年後の日本。練馬大学の若き天才コンビ、天馬午太郎とお茶の水博志は、協力して「自我」すなわち「」を持つ新型人工知能「ベヴストザイン」を開発。それを搭載した、意志人格を持つ自律型ロボット・A106(エーテンシックス)を作製する。しかし彼らの「第7研究室」は、慢性的な資金不足。しかも教授会からは、なかなか理解されない。

資金稼ぎのため、賞金目当てで「ロボット・レスリング」に出場。対戦相手の弱点を突いて勝ち上がり、最後は前回チャンピオンの「マルス」を機能停止させて優勝。一躍注目を浴びることになった。

ところが、マルスの開発者Dr.ロロについて、興味本位で探ろうとしたことから、事態は思わぬ方向へ。裏社会の秘密ないし政府の暗部、加えて5年前の大災害の闇に手を出す結果となり、午太郎も博志も、謎の組織に狙われる羽目となる。

しかし、その程度でへこたれるはずもない二人。科学省および大学上層部からの依頼で、オーストラリアで行われるイベント「ワールド・ロボット・バトリング(WRB)」に、A106の後継機A107(エーテンセブン)で出場することになる。ところが、ベヴストザインに感情を持たせたことが、参加ロボットの暴走という予想外の事態を引き起こし、イベントそのものを滅茶苦茶にしてしまった。

結局WRBは中止となり、日本に戻った一同の前に、外遊していた博志の祖父が現れる。その口から語られたのは(博志は以前から聞いていたが)「未来から来た少年型ロボット」という、信じ難い話であった[1]

登場人物[編集]

7研およびその関係者[編集]

天馬 午太郎(てんま うまたろう)
- 中村悠一
練馬大学ロボット工学科第7研究室でロボット研究をしている大学院生。5年ほど飛び級しており、年齢的には大学の新入生と同世代。
自身の技術に絶対の自負を持つ天才タイプで、歯に衣着せぬ物言いと高圧的な態度から他人の顰蹙を買いやすい。自分の考えを超えた結果などありえないと考えているところがあり、自分の命令を守らないシックスを「出来損ない」と吐き捨てることも多い。特に自身の命令を正確に実行しなかったり、曲解されることを嫌っており、WRBでは博志にも無断で緊急停止装置をシックスに組み込んでいた[注 1]
ジャガイモ加工工場を営んでいた両親は、5年前の爆発災害で亡くなっている。この時、工場内に取り残された両親の救助を「火の勢いが強すぎて、超人でもない限り突入できない」と言われたことが、ロボット開発のきっかけとなった。
お茶の水 博志(おちゃのみず ひろし)
声 - 寺島拓篤
練馬大学ロボット工学科第7研究室で、午太郎とロボット研究をしている大学院生。性格は温厚かつお人好し。午太郎から「コアラちゃん」とも評される顔のせいで女性にはまるでもてないが、本人はその種の欲望が薄く、気にする様子は無い。
優秀だがロマンチストすぎる面があり、情緒的すぎると評されることも多い。ロボットに対しての愛情を公言するほどだが、新しい技術を目にするとそちらに気を取られることもある。午太郎とは時折口論となることがあるが、その時にはお互い苗字で呼び合っている。また、身近な対象には自分なりの愛称を付ける癖がある。
本作の時点では、トレードマークの大きな鼻はまだそれほど大きくない。
A106(エーテンシックス)
声 - 井上雄貴
通称・シックス。第7研究室で開発中のベヴストザインを搭載した自律型ロボット「A10シリーズ」の6号機。身長162センチメートル、体重80キログラム。ロボレスでのキャッチフレーズは「心やさしき科学の子」[注 2]。下腕部や脚部に高圧ガスで稼働する「ブーストシリンダー」を装備し、跳躍力を強化した「ブーストジャンプ」やインパクトアタックと称される拳撃、連続稼働させる「高速ビートパンチ」を使用する。
1000馬力のパワーと優れた判断力を持ち、ロボレスではその高度なAIで、対戦相手の弱点を正確に見抜く。その一方午太郎からは「不完全な出来そこない」と評されることも多い。A106自身も「自分の自我システムは完全ではない」と考えているが、バルトによって蘭が傷ついた時や、イワンの語り掛けが自分の記録を継ぎはぎしただけの代物と気付いた際には、「怒り」の感情を表している。一方で、他のロボットを修復不可能なレベルまで破壊する行為を忌避している。
WRBではユウランの活躍を観戦していたが、周囲の暴走に恐怖したユウランを助けようとして午太郎にシステムを強制停止される。蘭の手で再起動すると暴走の末マルスに破壊されんとしたユウランを守って戦闘に突入。マルスとは互いに傷つきながらも対話を行う。
堤 茂斗子(つつみ もとこ)
声 - 小松未可子
ロボット工学科に所属する大学2年生で、堤茂理也の妹。専門はプログラムなどのシステム関係。大金持ちの娘で、美人でスタイルも良い才色兼備なお嬢様。服装も露出度の高いものを好む。
兄の影響から当初は弄ぶつもりで7研に接触したが、博志や蘭、A106と触れ合う内に感化されて7研に出入りするようになる。特に博志に対しては、ミイラ取りがミイラになりつつあるが、本人は特に気にすることもなく「クズに感染しちゃった」とか言いながら楽しんでいる。ロボレス時の記録チェックから博志が「ロボット同士の対話」に気づくきっかけを作ったりした。ユウランの制作から本格的に7研に参加する。午太郎とはシックスやユウランのコミュニケーションに水を差すのを腕力で止めるなど、よい意味で遠慮のない間柄となっている。
お茶の水 蘭(おちゃのみず らん)
声 - 佐倉綾音
博志の妹で、兄たちの研究室に入り浸っている眼鏡少女。趣味は機械の分解で、よく7研のある廃材置き場から部品を漁っている。高校のロボット部に所属している。
顔立ちは兄とはまったく似ておらず、モトコからは初対面時に小学生と間違われたほど小柄。
当初はシックスの部品を抜き取ろうとしていたが、午太郎たちの留守中に外見を偽装したマルスに襲われた際にシックスに救われる。以来好意をもって接する。WRBでは午太郎の手で強制停止させられたシックスを再起動させ、大会後にユウランから感謝されている。
原作では一度も言葉を発したことがないが、アニメでは口数こそ少ないものの普通に会話をしている。
A107(エーテンセブン)
通称・ユウラン。シックスの後継機で、A10シリーズの完成形として作られた自律型ロボット。
身長129.3センチメートル、体重58キログラム。シックスの3倍の出力とU字型ミュオンセンサー、マイクロジェットシステムによる飛行能力を持つ。一方でバッテリーの消耗が激しく、2つの予備バッテリーを搭載している。
予算不足で開発が危ぶまれていたが、大学側からWRB出場の要請で大幅に予算を増強されたことで製作が開始された。外形デザインやプログラムに蘭や茂斗子が協力したことで女性的な要素を持ち、シックスには「妹」と紹介された。ベヴストザインも「感情」を持たせることでより進歩しているが、自身の能力を理解しているがゆえに他のロボットだけではなく人間すら見下し気味[注 3]。暴走して第1研究室の試作ロボットを破壊しようとした際にはシックスに止められ、通信によるコミュニケートを一切拒否されることで初めて音声による会話を行い謝った。身近なロボットでまともに会話が成立するのはシックスのみなため、寂しがり屋な一面もある。
WRBでは当初ぶっちぎりの成績を見せていたが、自身の感情に影響されたロボットたちの暴走に恐怖して自らも暴走。イガー部隊を支配して大暴れし投入されたバルト部隊に対しても無双するが、Dr.ロロの命令を受けたマルスに身動き取れない状態まで破壊される。危うく完全破壊されるところをシックスに救われるが、この時の恐怖から修復後再起動した際にマイクロジェットの機能を封印、出力の半分にも自らリミッターを掛けた。
U字型ミュオンセンサー
午太郎が開発した新設計のセンサー。透過性の高いミュオン粒子を利用したスキャナーと増幅したセンサーパルスを全方位に発信するシステム。午太郎自身は、単に高性能化したセンサーシステムという認識だった。ところがWRBにおいて、発信パルスに乗ったユウランの感情(の一部)が、周囲のロボットのAIに伝播し、彼らを暴走させてしまった。影響を受けないのはマルスやバルトのように外部通信装置を外しているか、ノースのようにA10シリーズと同等以上のレベルに成長したAIを持っている機体のみであった。
その形状から博志は「ブーメラン」と呼称しており、「U字型ブーメランセンサー」を搭載していることからA107をユウランと名付けた。
A10シリーズ
シックス以前に開発されたロボットたち。シックスやユウランを含めてセンサー精度と解析能力に秀でている[注 4]
A101(エーテンワン)からA105(エーテンファイブ)まで存在する。A101(通称・ハル。声 - 丸山有香)はPC内に設定された対話型プログラムで、第7研究室の管理システムとして流用されている。A102(二郎)・A103(コブくん)・A104(ポチ)はそれぞれが飛行型・蛇型・犬型のドローン。A105(チョロギ)は博志はおろか午太郎すら「人目に触れたらロボット研究者としては終わり(この発言はアニメ版より)」と判断しており、お蔵入りしている。
F14(エフ-じゅうよん)
7研のある廃材置き場に住み着いた猫。名前は2月14日に見つけたことから午太郎が命名したが、博志の付けた「トム(F-14トムキャットから)」という愛称の方が馴染んでいる。修理やメンテナンスのためシックスの電源を落としてある時に、勝手にスイッチを入れてしまうことが多い。
キャラクターモチーフは手塚治虫によるセルフパロディ作品「アトムキャット」より。
伴 健作(ばん けんさく)
声 - 飛田展男
午太郎たちが資金稼ぎのためにアルバイトに行った何でも屋「マルヒゲ運送」の社長。アナログなタイプでロボットやコンピュータを信用していない。
医師だった祖父のツテで構築されたネットワークで、簡単には手に入らないパーツや素材を調達できる。初対面時には気が付かなかったが、後に博志の祖父と面識があったことが明かされている。
キャラクターデザインは手塚漫画におけるキャラクター「ヒゲオヤジ」を元にしている。
伴 俊作(ばん しゅんさく)
声 - 河西健吾
健作の息子で高校生。父親と違いロボット好きで、ロボレスのファン。初対面時に蘭に一目ぼれしている。自称・探偵で詮索好き。護身のため家伝の実戦柔術も使う。
本作の時点では若い青年然とした姿となっている。アニメでは、目元が父親そっくりなデザインになっている。
彼が後の(『アトム』本編の)ヒゲオヤジ」本人である

7研以外のロボット開発関係[編集]

堤 茂理也(つつみ もりや)
声 - 櫻井孝宏
練馬大学ロボット工学科第1研究室に所属する首席研究生。午太郎と同じく、5年前の大災害で両親を失っている。自身も、その時に負った重傷から脚が不自由で、自ら設計したロボチェアを利用している。
表面上人当たりは良いが、他人をクズ呼ばわりして「クズは感染する」と蔑んでいる。首席は伊達ではなく非常に優秀だが、所属する第1研究室は偏ったニーズに対応しており、本人は内心不満を抱えている。
ベヴストザインを搭載したA106の存在に気づいてからは自らを敵視する午太郎はともかく、博志との接触を図っている。また、Dr.ロロの秘密や、博志と午太郎を狙った組織について知っている素振りを見せる。
Dr.ロロ
声 - 斎賀みつき
マルスの開発設計者にしてオーナーということ以外、一切不明の美女だが、その正体は堤 茂理也の変装。変装した時は性格も変わるようである。登場する時に必ずドレス姿なのは足に歩行アシスト装置を装着している為である。声は声帯を変化させる機能をもつブローチを使用して変えているが、効果範囲内にいる者には無条件に影響する。マルスに使用されている素材や技術から、軍需企業「ヘラクレス社」との関係が疑われていたが、WRBにてヘラクレス社技術顧問という肩書きで出場。
シックスとの対戦からマルスに起きた変化を不調と捉えて、原因はシックスによるクラッキングではないかと疑う。その対応策としてマルスの超近距離通信システムを外したほか、とある組織が運用するロシア製軍用ロボット「イワン」に、シックスの発した超短距離通信コードを組み込むなどしている。
ベヴストザインを搭載したロボットは「自分のプログラムを自分で書き換える」ことが可能であると気づき、それが人類にとっての脅威になるとして、危険視している。
マルス
声 - 櫻井孝宏
身長190センチメートル、体重120キログラム。軍事兵器のテストベッドとして開発されたロボットで、ロボット格闘技イベント「ロボレス」を2連覇しているチャンピオン。キャッチフレーズは「無敵の軍神」。
A106に匹敵する優秀なAIに加えて、超振動を利用した手刀「ナイフハンドストライク」、飛行を可能とする羽「ジェッターシールド」、開発途中の新合金「ゼロニウム」を利用したボディ[注 5]を備える。
自身の存在意義もわきまえており、シックスが求めた対話を「くだらん」と切り捨てるも、そのことはオーナーにも報告していない。だが、「対話」をクラッキングの類と判断したオーナーによる対応策として超短距離通信システムや音声も含めた送信機能を外され、聴覚システムも限定したもの以外がカットされている。
WRBではユウランやノースと並んで好成績を納めるが、暴走事故の際にDr.ロロの命令でユウランの破壊を実行しようとしてシックスに阻止される。戦いながらシックスとの対話を行うが、破壊行為に対して「悦楽」を感じているなど危険な兆候も見られる。
CO-84バルト
身長185センチメートル、体重115キログラム。とある組織によってマルスのデータから造られた歩兵型ドローン。
マルスに準じた装備とスペックを誇り、人間用の装備もそのまま利用できる器用さをもつ反面、人工知能は仕様が一段落ちている。WRBにおいてヘラクレス社の新製品として紹介され、開発に日本政府が関わっていたことも明らかにされる。暴走したユウランの鎮圧に駆り出されるが、大学内でしか知られていないシックスの戦闘パターンを入力されている。
菜岡教授(なおかきょうじゅ)
練馬大学ロボット工学科第1研究室の担当教授。中年の女性で「お金になるから」という身も蓋もない理由を盾に、実用性より客受けの良いロボットの開発を進めているが、裏では別の思惑も見え隠れしている。
ゼータ、イータ、シータ
練馬大学ロボット工学科第1研究室にて開発中のロボット。「人間社会への同化」をテーマに、外見は完全に人体を模倣した美少女型に設計され、パワーは人間一人を抱えられる程度で戦闘力はない。AIもスペックより感情表現のデータ蓄積を優先していて一見すると感情豊かだが、シックスやユウランの発する超短距離通信を認識できない。
暴走したユウランに完全破壊されかけるが、シックスによって阻止された。1研メンバーは「娘」と呼ぶ3体の無残な有様から悲嘆に暮れた。
アーロン・ブレムナー
スコットランド出身の貴族伯爵)にして優秀なロボット研究者。茂理也からの連絡を受けて午太郎たちの前に現れる。
物言いは大仰なところはあるが、自ら開発したロボット「ノース」と超高速潜航艇「ロレンチーニ」でフィールドワークを行う行動派。謎を解き明かすことを生き甲斐としており、そのためには手段を問わない一面もある。当初は無関心だったWRBに「直観」から参加を決め、イベントの裏側を調査していたがユウランによって引き起こされた暴走とそれに繋がったシックスとマルスの決闘に割って入り大破していたシックスとユウランを連れて姿を消す。その後内部データから完全修復したシックスとユウランを郵送してきた際に手紙で調査への協力を要請する。
ノース
身長4.72メートル、体重680キログラム。ブレムナーが開発したロボット1号機。
格闘よりも銃火器を含めた実戦に主眼を置いた高機動型でフレキシブルに動く6本腕「テレスコピックアーム」や走行用モノホイールと8つの飛行用ジェットノズルを備えた「スフィアジャイロ」を持つ。基本的にブレムナー一人と行動するため、超短距離通信(A106による「対話」)を受信することはできるが、発信する機能はもたない。
WRBではユウランの暴走に巻き込まれることなく、人命救助を行う。
佐流田 彦蔵(さるた ひこぞう)
練馬大学ロボット工学科の教授。電子頭脳開発の権威で、偏屈だが大学内では圧倒的な権限を持っている。
午太郎たちが手に入れたバルトの頭部とそれらに関する情報に、口をつぐむのと引き換えに、第7研究室の存続を認めさせた。WRBでは7研一同へのお目付役としてオーストラリアにやって来るが、イベント中に起きた騒ぎの中で姿を消す。
彼の元ネタである猿田一族は御茶ノ水一族の類縁だが(共に鼻が大きいのはそのため)、佐流田とヒロシの間にそのような認識はない模様。
博志の祖父
2017年11月号で登場。本名不詳。午太郎が付けた仇名は「お茶爺(おちゃじい)」。キャラクターデザインは、身長が高く足が長いことを除き、お茶の水博士そのものである。
本人の語るところによれば、太平洋戦争後の日本が貧しかった時代に、両親が過酷な労働を強いられ、それゆえに早死にしたことから、「人と一緒に働くロボットを作ろう」と決意したという。
ただし、「人の代わりに働かせる奴隷ではいけない。人から仕事を奪うような存在になってもいけない。人と共に働き、共に生き、喜びを分かち合えるような、心を持ったロボットでなければならない」と、考えたという。
そのために様々な発明をし、プログラム言語をいくつも開発し、その後のロボット技術の基礎を築いた。
若い頃、医師だった伴健作の祖父(「白ヒゲ先生」と呼ばれていた)、その病院の地下室に下宿していた。孫の博志同様に、自分の夢を叶えること以外には欲が無く、たびたび騙されそうになったところを助けられていた。
その代わり、病院の維持費を一部負担していた(伴健作の記憶では、祖父は、病院は博志の祖父に造ってもらったと言っていたという)。その頃、「未来から来た少年型ロボット」と出会ったという。

ロボット・レスリング[編集]

大石リンダ(おおいし リンダ)
声 - 清水彩香
遠隔操縦型ロボット『モヒカーン・バッソ』のオーナー。ポニーテールの女性でキャンペーンギャルのような恰好をしている。
顎岩 ガンジ(あごいわ ガンジ)
声 - 山本祥太
搭乗型ロボット『ギガトンハンマー』のオーナー。ひげ面の中年男性。
猪突 猛(ちょとつ たけし)
声 - 日野聡
搭乗型ロボット『デッドリータウロス』のオーナー。度の強いメガネの青年。
山田とゆかいな仲間たち
声- 岩中睦樹木田祐塩尻浩規村上聡
AI制御型ロボット『ドラムショルダー(声 - 吉川幸之助)』のオーナー。アニメでは機械部品メーカーの社長と社員たちと設定されている。
サルカ・ニガッセン
声 - 佐藤拓也
AI制御型ロボット『ヘルシザー』のオーナー。Dr.ロロにカリスマ性を感じているようで自分のロボットを破壊されて逆にうっとりとしていた。

その他[編集]

佐流田 月江(さるた つきえ)
声 - 能登麻美子
佐流田教授の娘。国際犯罪調査機構・ICEに所属する特殊捜査部員。高い鼻が特徴。
18年前に遭遇した事故によって母親を失い、自身も右眼と脳の一部を失うが、その際に父に施された処置で常人を超えた視覚と電子機器に直接アクセスする能力を得ている。ただし本人の脳にかかる負担も大きく、多用は出来ない。
星江(ほしえ)
月江の娘で佐流田教授の孫娘。月江が仕事で長期留守にする際には祖父である彦蔵に預けられている。普段は仏頂面の佐流田教授も彼女のことになると相好を崩す。
WRBにて7研のお目付け役として現れた佐流田に連れられてきた。まだ小学生だが、午太郎を意識している風がある。
マリア
声 - 南條愛乃
テーマパーク「メカシティ」にて、客相手のデモンストレーションを行うロボット。上半身は人間型だが腰から下は蜘蛛を6本脚(アニメでは4本脚)にしたようなデザイン。アニメでは、メカシティの親会社がロボレスのスポンサードもしているようでロボレス参加者がシティのイベントに参加し、マリアはロボレスの司会も務める。
ベーコンエッグ
WRBの司会。「こりゃまいった」が口癖。タキシードにシルクハット、サングラスの胡散臭い外見だが、一般人。キャラクターデザインは、手塚漫画の悪役スター「ハム・エッグ」がベース。
ナウーラ
ヘラクレス社のスタッフ。ユウランによって起きた暴走事故に対してバルト部隊を投入する。

用語[編集]

ベヴストザイン (Bewußtsein)
練馬大学ロボット工学科第7研究室で研究開発中の人工知能システム。AIに明確な自我を持たせることを目的とし、あらかじめ決められたプログラムとパターンデータによる対応ではない「真の自律型AI」を目標としているが、佐流田以外の教授連からは「ロボットに自我を持たせる必要性」を疑問視される。
学習型AIとしては破格の性能をもっているが、成長するにつれて開発者や製作者でも手が出せない領域が増えていき、必要に応じて優先命令や行動プログラムを自ら書き換えてしまうという問題[注 6]があり、結論として「人間を育てるのと大差ないコスト」がかかるという問題が判明している。
大災害
作中の5年前に日本各地で同時多発した爆発災害。一晩で数千から数万の死傷者が出た未曽有の災害だが、事故調査チームによる報告もされないまま調査は打ち切られる。海外の団体や組織からも調査参加を申請されたが拒絶されている。
午太郎たちが訪れた小島にあった施設のデータによると「BUGS」という代物が関わっており、「プロジェクトT(T計画)」と呼ばれるものが切っ掛けとのこと。
ロボット・レスリング
略して「ロボレス」。大災害以降、急速に成長したロボット産業の影響で登場したイベント。優勝賞金も高額で参加者は多い。
対戦相手が動かなくなれば勝ちというルールで遠隔操作型・搭乗型・AI制御型といったロボット同士の壊し合いが繰り広げられる。試合場のゲートを通過できれば基本的にサイズは問わないが、ルールと流行りから4、5メートル以上の重機クラスが主流で、人間サイズのロボットが優勝したのはマルスが初。年に3、4回開催されており、シックスとマルスが対戦した大会で18回目。
ワールド・ロボット・バトリング
略して「WRB」。オーストラリアで開催された、史上初の全世界的規模のロボット競技大会。その実態は、ヘラクレス社を始めとした各国の軍事企業が協賛する、ロボット兵器の見本市に近い。

書誌情報[編集]

単行本[編集]

小説[編集]

テレビアニメ[編集]

2017年4月15日から7月8日までNHK総合にて放送された[2]。アニメーション制作は、OLMProduction I.GSIGNAL.MDが共同で務める。また、協力として同じくアニメ制作会社の手塚プロダクションも参加している。

ストーリーは原作第6話までに準拠しつつも、原作では描き切れなかった7研メンバーの日常を取り上げたオリジナルの話も製作されている[3][4]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「解読不能」[6]
作詞・作曲・編曲 - まふまふ / 歌 - After the Rain
エンディングテーマ「光のはじまり」
作詞・歌 - 南條愛乃 / 作曲・編曲 - 未知瑠

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 メカニック
作画監督
放送日
第01話 鉄腕起動 藤咲淳一 佐藤竜雄 朝倉カイト 伊藤秀樹 中原久文
吉田大洋
2017年
4月15日[注 7]
第02話 ベヴストザイン 名取孝浩 熊谷哲也 4月22日
第03話 それぞれの追跡 藤沢文翁 桑原智 清水健一 4月29日
第04話 練大祭へようこそ 森田繁 松川朋弘 柳瀬譲二 5月6日
第05話 激走マルヒゲ運送 冨岡淳広 西村聡 前園文夫 小林一三 5月13日
第06話 7研壊滅す! 藤咲淳一 畑博之 ありえゆうき 高橋和徳 5月20日
第07話 蘭とTERU姫 森田繁 西田正義 又野弘道 山田桃子 6月3日
第08話 ロボレス 冨岡淳広 松川朋弘 ふくだのりゆき、山村有里
Ryu Joong Hyeon
6月10日
第09話 シックス戦闘不能 藤沢文翁 前園文夫 小林一三 6月17日
第10話 バトルロイヤル 森田繁 又野弘道 斉藤圭太 6月24日
第11話 対話 冨岡淳弘 朝倉カイト 松浦直紀 伊藤秀樹 7月1日
第12話 ビギニング 藤咲淳一 佐藤竜雄 Park Dae Yeal
服部益実、松岡謙治
7月8日

放送局[編集]

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[7]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域[8] 備考
2017年4月15日 - 7月8日 土曜 23:00 - 23:25 NHK総合 日本全域 字幕放送
日本国内 インターネット放送 / 放送期間および放送時間[7]
配信期間 配信時間 配信サイト 備考
2017年4月16日 - 7月9日 日曜 1:30(土曜深夜) 更新 Amazonプライム・ビデオ 見放題独占配信
2017年4月17日 - 7月10日 月曜 15:00 更新 ニコニコチャンネル 第1話無料、第2話以降有料

BD[編集]

発売日[9] 収録話 規格品番
1 2017年8月27日 第1話 - 第6話 GNXA-1541
2 2017年10月4日 第7話 - 第12話 GNXA-1542

Webラジオ[編集]

音泉にて、Webラジオ『アトム ザ・ビギニング 7研 1031ラジオ』(アトム ザ・ビギニング ナナケン テンサイラジオ)が2017年4月3日から7月10日まで毎週月曜日に配信された。パーソナリティはA106役の井上雄貴に加え、天馬午太郎役の中村悠一とお茶の水博志役の寺島拓篤の2人が交代で担当した。

NHK総合 土曜23:00 - 23:25枠
前番組 番組名 次番組
3月のライオン 第1シリーズ
(2016年10月8日 - 2017年3月18日)
アトム ザ・ビギニング
(2017年4月15日 - 7月8日)
THE REFLECTION
(2017年7月22日 - 10月7日)

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ この時に組み込まれていたのはAI本体と運動制御ユニットの間にスイッチを組み込むことで物理的なオン・オフを行う単純な仕掛けで、博志に気づかれないように「あえて」単純な仕掛けにしたが、それに気づいた蘭はスイッチを取り除いてユニットを直結。モトコも協力して再起動させた。
  2. ^ 当初は午太郎の考えた「7つのパワーの究極超人」だったが、博志の判断で変更された。
  3. ^ 開発者である7研メンバーに対しても猫をかぶっており、午太郎が設定した呼び方もシックスとの会話では無視している。
  4. ^ 午太郎によるとA10シリーズのセンサーで透視できない隠蔽システムを使用しているだけでも只事ではないと判断できるとのこと。
  5. ^ マルスのボディはシックスのセンサーでも透視できない。
  6. ^ AIの教育過程で開発側に不都合な認識が生じた場合、バックアップされた時点以降のメモリを「リセット」してやり直すが、ベヴストザインやそれに影響を受けた高等AIは不可視化した領域にメモリを保持していくようになっており、これは開発者も手が出せない。
  7. ^ 2017年5月27日23時5分から「アトム ザ・ビギニング選」として放映予定だったが、安倍首相記者会見の中継が延びたため放映されずに終わった。

出典[編集]

  1. ^ 月刊ヒーローズ,2017年12月号。
  2. ^ 鉄腕アトム誕生以前を描く「アトム ザ・ビギニング」NHKでアニメ放送 総監督・本広克行”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ (2016年11月20日). 2016年12月27日閲覧。
  3. ^ “「アトム ザ・ビギニング」特集 佐藤竜雄監督×シリーズ構成・藤咲淳一対談”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). http://natalie.mu/comic/pp/atom_tb/page/4 2017年6月3日閲覧。 
  4. ^ “ついに最終回! TVアニメ『アトム ザ・ビギニング』原作者・カサハラテツロー氏と物語を振り返る / インタビュー”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2017年7月8日). http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1499505048 2017年7月17日閲覧。 
  5. ^ “アトム ザ・ビギニング 第1話「鉄腕起動」”. ニコニコ動画: 該当時間: 2:34. http://www.nicovideo.jp/watch/1492070491?from=154 2017年4月17日閲覧。 
  6. ^ After the Rain、2017年ファーストリリースはTVアニメテーマソングをそれぞれ収録したシングル2枚同時発売!!”. リスアニ!WEB (2017年1月5日). 2017年1月5日閲覧。
  7. ^ a b ON AIR”. TVアニメ『アトム ザ・ビギニング』公式サイト. 2017年3月7日閲覧。
  8. ^ テレビ放送対象地域の出典: 放送分野の動向及び規制・制度(資料2)”. 政府規制等と競争政策に関する研究会通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2 (2009年10月9日). 2016年8月12日閲覧。 基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号 (1988年10月1日). 2016年8月12日閲覧。 地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2016年8月12日閲覧。
  9. ^ Blu-ray”. TVアニメ「アトム ザ・ビギニング」公式サイト. 2017年4月14日閲覧。

外部リンク[編集]