殺し屋1
この記事には暴力的または猟奇的な記述・表現が含まれています。免責事項もお読みください。 |
殺し屋1 | |
---|---|
ジャンル | 青年漫画、バイオレンス、犯罪 |
漫画 | |
作者 | 山本英夫 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊ヤングサンデー |
発表期間 | 1998年12号 - 2001年18号 |
巻数 | 全10巻 |
話数 | 全103話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『殺し屋1』(ころしやイチ、Ichi the Killer)は、山本英夫による日本の漫画作品。または、それを原作に制作された映画、OVA作品。それらの主人公の名称。
概要[編集]
山本英夫の代表作。元いじめられっ子の殺し屋「イチ」が主人公のバイオレンスアクション漫画で、過激な暴力描写が特長。累計発行部数は約500万部。このほか関連作品として本作連載開始前に描かれた「『1 -イチ-』(全1巻)」と「『殺し屋1(イチ) 誕生編』(全3話)」が存在する。
2001年に三池崇史監督で映画化されたが[1]、その際には映倫によってR-18指定( = 成人指定)されている。なお、本来のR-18は性描写に対するものがすべてであったが、暴力描写による指定は本編が初とされている。また、第1巻の電子書籍版がアマゾンのKindleストアで無料配信された際には、アダルト本のカテゴリーに分類されていた(現在は終了)。有料配信では通常のコミックとして扱われている。また、前述した『1 -イチ-』も2002年に映画版のスタッフ(丹野雅仁監督)によってオリジナルビデオ作品として映像化された。主演は映画版と同じく大森南朋。
ストーリー[編集]
殺し屋「イチ」を擁する歌舞伎町のハグレ者グループと「垣原」率いる暴力団・安生組との攻防、そしてイチと垣原の異常性愛者同士の邂逅を描く。
欲望が渦巻く街、新宿歌舞伎町。この町にある、入居者の8割が暴力団関係者という危険な集合住宅(通称・ヤクザマンション)が物語の中心となる。
様々な理由で組織を破門されたハグレ者たちを率いる謎の男「ジジイ」は仲間たちとともに、ヤクザマンションで最も恐れられる武闘派暴力団「安生組」の壊滅を計画。殺し屋「イチ」を使って組長の安生芳雄を殺害し、組の資金である3億円もの大金を奪う。「イチ」こと城石一はジジイがマインドコントロールによって殺し屋に仕立て上げた22歳の青年で、普段は気弱な性格だが学生時代にいじめを受けたトラウマが蘇ると子供のように泣き喚きながら相手を惨殺する「泣き虫の殺し屋」だった。
安生組の若頭である「ピアスのマー坊」こと垣原雅雄は、暴力と拷問を用いた執拗な追跡により組長を消した犯人がジジイ一派と殺し屋「イチ」であるという事実を突き止め、彼らへの報復を誓う。抗争に巻き込まれることを恐れたヤクザたちは次々にヤクザマンションから離れていくが、真正のマゾヒストである垣原は逆にイチの持つ残虐性に惹かれ、いつしかイチが自分の前に現れるのを待ちわびるようになる。一方、イチは人を傷つけることに迷いを覚え始め、暴力の世界から遠ざかろうとするが、様々な出会いを通じて、人が痛めつけられる様子を見て性的興奮を感じている自分がいることに気付く。やがて究極のサディストであるイチと究極のマゾヒストである垣原の二人は、ヤクザマンションで出会い、殺しあうこととなる。
エピローグでは3年後、かつての抗争を生き残り、それぞれの日常を過ごす者たちの姿が描かれる。最後は、些細なことからヤクザに絡まれてしまい泣き出す寸前のイチの泣き顔とともに物語は幕を閉じる。
作品舞台[編集]
新宿歌舞伎町の風景がリアルに描かれており、モデルとなったマンションや病院も実在する。また、PePeや風林会館など、実名で登場した施設もある。
ヤクザマンション[編集]
本作の主要舞台。歌舞伎町に佇む13階建てのマンション。正式名称は「歌舞伎町サンライズマンション」。
表向きはごく普通のマンションだが、一般人の入居者がわずかに2割。残りの8割は組事務所、住居、愛人宅、風俗店、不法就労外国人のタコ部屋などといった、暴力団関係施設が占める。警備員もヤクザの息のかかったものが務める。
ヤクザ間の取り決めとして、「マンション内では、銃器は使用厳禁」という暗黙の掟が存在する。
- マンション内の主な施設
- 11階 安生の愛人宅
- 部屋不明。イチが安生とその愛人を殺し、ジジイらが約3億円を金庫から盗み出した。作中の時間軸でのイチによる最初の殺人。
- 1303号室 安生興業事務所
- のち垣原組事務所。最上階。
- 803号室 SMクラブ「ウィスパー」
- 安生組系のSMクラブ。完全防音になっており、垣原達が拷問を行う際によく用いられる。
- 905号室 SMクラブ「ウィスパー2」
- 安生組系のSMクラブ。1巻の時点では組(安生興業かそうでないかは不明)の事務所が入居していた場所。二郎三郎兄弟による拷問シーンでは外に音が漏れており防音ではない。
北新宿中央総合病院[編集]
垣原達の拷問を受けた鈴木が収容された病院。
![]() | この節の加筆が望まれています。 |
登場キャラクター[編集]
はぐれ者グループ[編集]
- イチ
- 本作の主人公。本名は城石一(しろいし はじめ)。22歳。
- 長身痩躯で五分刈りにした青年。見た目どおりの気弱な性格。普段は新潟県にある海沿いのコテージに住み[2]、鉄工所で働いている。
- 学生時代にイジメを受けていた過去を持ち、そのトラウマをジジイに利用され、対象人物が過去に自分を虐めたとされる人物(時としてジジイの刷り込みによる架空の者)に重なった時、泣き喚きながら発作的に相手を殺害する殺人マシーンとなった。彼の正体を知っているのはジジイのみ。
- 超人的な脚力を持つ。主な殺害方法は、彼の履く鉄骨仕込みの靴の踵にある仕込み刃によるもので、彼の超人的脚力も相まって、人間の四肢を軽々と切断し、斬られた相手が気付かないほどのすさまじい切れ味を誇る。また、彼の着ている特殊スーツ(ダウンヒル用の防護スーツと似たデザイン)のところどころにあるプロテクターはかなり高度な防弾加工がしてある。
- 本人は自覚していなかったが、高校生の時に同級生を撲殺し、医療少年院に送られている。総合格闘技やキックボクシングに詳しい一面もある。人が傷つき痛めつけられることに性的興奮を覚える潜在的間接的サディスト(相手の殺害後等、自慰行為を行い射精し、そのまま精液を現場に残して去る事もある。)。自分の殺人行為を目撃してしまった地元の風俗嬢セーラを殺害してからスランプに陥り、どうやっても勃起が収まらず射精ができない状態が続く。その時は激しい嘔吐を繰り返していた。また、ヤクザでありながらマゾヒストでもある垣原との対峙が本作の中核でもある。
- ジジイ
- 本作の狂言回し。グループのリーダー的存在。白髪頭に無精髭の、小柄な初老男性の容姿をしている。喫煙者である。
- イチに安生興行の組長である安生を殺させ、言葉巧みにヤクザマンション内での内部抗争を扇動する。自身が考えた「イチによる平和の新宿(ハイキョ)計画」というシナリオ通りに、陰で操っていく男。理知的で策略に長け、流暢な中国語を話すこともできる。
- 常に笑みを浮かべているが、裏の性格は非情かつ冷酷。自らの計画のためなら他人を「駒」としか捉えず、巻き込まれた者が死のうが拷問を受けようが全く気にならない。
- 自身の老いた外見は整形手術によるもので実年齢は30代前半。また、ステロイド注射によって小柄な骨格に不相応な筋量を有していることが判明する。
- イチ以上の強固な妄想に基づいて行動するが、OVA・実写版では垣原個人に対する個人的な感情で動いていたことが示唆される。
- OVA版では、田辺(タナベ)という偽名を名乗っている。
- 昇(ノボル)
- ジジイの「仲間」の一人。苗字不明。白いタンクトップに坊主頭で両腕の入れ墨が特徴的な巨漢。垣原や二郎らには「ハゲ」と呼ばれている。拳銃使い(ブローニング・ハイパワーを手にした時は嬉しそうな笑みを浮かべていた。)で密輸ルートなどにも詳しい。垣原に捕まり陰茎を鋏で真っ二つに切られた上、二郎の拷問を受け両腕をもがれてしまう。後にイチがその場に駆けつけるが、ジジイの裏切りで二郎もろとも殺害される。実写映画版には未登場。
- 井上が垣原に殺害された際は怒りを露わにしたり、拷問を受けていた部屋にイチが現れた時には、イチが助けに来てくれたものだと勘違いして嬉し涙を流すなど、武闘派の元ヤクザ者といえども、本作品内では比較的常識的かつまともな人物である。
- 龍(りゅう)
- 同じくジジイの仲間。中国訛りの日本語が特徴の中国人で、ミユキというヘルス嬢に貢がせている「ヒモ」だが、実際は女性を心の底から愛でている。使用武器は、苦無。裏社会の人間であるが、殺人を犯す事は気が進まないと語っている。昇と同じく、井上の死に憤るなど悪党でありながら義理人情には厚い男。
- ミユキを拉致した垣原に騙されて捕らえられ、二郎に耳を引き千切られた後、拳で睾丸を潰され、三郎には足の親指にドスを突き立てられる、顔を含む上半身をドスで斬りつけられるなどの拷問を受けた後、とどめとして三郎に股間にドスを刺され、ミユキに謝罪の言葉を残し息絶えた。その直後にミユキも二郎に顎を殴打され、殺害された。
- 実写映画版では拳銃を使い、昇とキャラクターが統合されている。
- 井上(いのうえ)
- ジジイの仲間。本名は加納(かのう)。鋭い目つきに鼻の下と顎のヒゲ、禿げ頭が特徴の薬物中毒者(アフガン産のヘロインを嗜好している。)で死体性愛者の人物。上下スウェットのような衣服を着用している。使用武器は、ナタ。
- 元は安生組の構成員であったが(構成員時代に垣原により、耳にピアッシングされた無数のピアスホールが、現在も残っている。)、覚醒剤絡みの件で失態を犯し、破門される。それを隠しながら新宿で生きていくために、整形手術を受けている。
- 垣原に捕らえられ、薬物による禁断症状にも襲われる中、針を身体中に突き刺される拷問を受けた後、頭部を針で貫かれ殺害される。死の直前に、自分が死んだら屍姦してくれるように垣原に頼み込み、死後、垣原の部下の藤原によりその希望は叶えられる。
垣原組[編集]
※登場人物のうちヤクザにはU系と呼ばれるプロレスラーの名前が元ネタに使われていることが多い。具体的には、垣原、高山、藤原、安生、船鬼、鈴木がそれにあたる。
- 垣原雅雄(かきはら まさお)
- 本作のもう一人の主人公。左右非対称の髪型をしており、ヒゲを生やしている。体毛が濃い。喫煙者である。安生組の若頭であったが、後に三光連合から絶縁処分を受けて「垣原組」をつくる。拷問による顔にある大きな傷や裂けた口(登場してから暫くの間、裂け始めた部分にピアスを着けていた。)、眉や口に嵌められたピアス(他には、耳や性器に無数に着けている。)が特徴的で「ピアスのマー坊」という呼び名を持っている。身体改造にも関心を持っており、昇を捕らえた際、彼の陰茎に「サブインシジョン」の改造を施した。
- 痛みを性的な快感に置き換える究極のマゾヒスト。同時にサディストでもあり、「オトシマエ」と称して失態を犯した部下の顔や性器にピアスをつけさせている。性癖上、拷問をすることも受けることも好む。拳銃は所持しない主義であると発言し、代わりにピアッシング用のニードルを常時何本も持ち歩いており(スーツの上着の内ポケットや、ズボンの下に着用したホルスターに忍ばせている。)、戦闘は勿論、拷問や「オトシマエ」に欠かせない彼の愛用の品である。本人曰く、大の甘党。
- 当初は安生組長の敵を討つために行動していたが、イチの猟奇性・異常性が判明していくにつれ、イチへの期待が高まっていく。そのイチに狙われているという状況をSMプレイのように楽しみ、「絶望したい」欲望を満たすために彼を求める。彼にとってSMとはプレイではなく生活である。常軌を逸した精神と痛みに対する異常なまでの拘りと独特な思想を表す言動も多い。上記の様に常軌を逸した狂人であるものの、暴走しがちな二郎・三郎を窘めたり、一般人には基本的に害を加えない等、時と場合によっては理性的で冷静な対応や判断を行う一面もある。
- 物語終盤にイチと対峙し、イチの異常性に恍惚した表情を浮かべ襲い掛かるも、イチに陰部体を切られたことで今まで感じなかった痛みを感じ、ジジイに喜びを見出したことで痛みを感じたことを指摘される。最期は死にたくないと吐露し、逃亡を図るもイチに追い詰められ、マンションから転落死する。
- 映画版では容姿が著しく異なる。
- 金子修二(かねこ しゅうじ)
- 安生組(後に垣原組)の鉄砲玉。愛用銃はトカレフ。
- 組への忠義心が高く、組のために命を投げる覚悟を持っている。だが、同時にかなりの臆病者である。垣原組組員の中では顔に傷やピアスがついていない人物。妻には逃げられ、息子のタケシと二人暮らしをしている。ひょんな事から街でイチ[3]と知り合い、交流を持っていたが、イジメにあっているタケシに蹴り技を教えてくれた城石=「イチ」という事実を知り、ヤクザマンションで垣原を襲っているイチに発砲するが返り討ちに合い、息子をイチに託し死亡する。キックボクサーだった過去を持つ。実力は三回戦ボーイ止まり(映画版では拳銃を紛失して退職した元警官)。
- 高山(たかやま)
- 垣原組の構成員。垣原の傍に仕えている大男。二郎・三郎兄弟には「ゴリラ」とあだ名されている。
- かつて暴力で名を上げてきたが、威勢がいいだけの肝っ玉の小さい男。垣原の凶行には内心おびえる。ジジイ曰く「凡人的欲しか持たないブタ」。ヤクザマンションに一人で侵入していたジジイを見つけ後を追い、交戦するが返り討ちに遭いジジイに首を折られて死亡する。初めは両耳にピアスを付けていた(「オトシマエ」によるものかどうかは不明)が、後半からは付けていない。
- 二郎・三郎(じろう、さぶろう)
- 6年前に解散した九州の悪名高き暴力団「阿籐組」の残党(実写映画版では悪徳刑事)の双子。
- 揃いのダブルスーツを着用しており、髪型は二郎がリーゼントで、三郎がドレッド。二人とも豆泥棒を行い、それを元に生計を立てており、それに加えて暴力で女をねじ伏せ、金を巻き上げる、龍とは違うタイプのヒモ。同じく阿籐組組員だった垣原に呼ばれ、対イチ用の助っ人として歌舞伎町に来た。二人とも、垣原までもが「イカれている」と評し、一般人や無関係な人物に対しても理不尽に暴力を加える危険人物である。二郎は人体を素手で引き千切るほどの怪力の持ち主で、三郎はドスの名手。
- 双子ゆえの不思議な感情をお互いが持っており、些細なことで競い合っては手が付けられない兄弟喧嘩に発展する。[4]本来は三つ子で、一郎という長兄がいたが、過去に些細な喧嘩が原因で二郎・三郎に殺害されている(三郎もイチと対峙する時には「いつか二郎も、俺が殺してやろうと思っていたのに!」と暴露していた)。
- 垣原の顔の傷と裂けた口は、過去に彼らがつけたものである。最終的には二人ともイチに殺害された。二郎は昇を拷問中に現れたイチに両腕を折られたのち、渾身の蹴りを受けて首を折られて死亡する。三郎は終盤にイチと対峙した際、緊張から落としたドスを拾おうとした瞬間、頭頂部を斬られて絶命する。
- 藤原(ふじわら)
- 垣原組の構成員。ヘマをすることが多いらしく、大量に「オトシマエ」のピアスが付けられている。井上が死亡した際は屍姦を強要されるなど散々な目に遭わされている(屍姦を行った際は嘔吐していた。)。他の組員が引き抜かれていく中、どこにも引き抜かれることなく渋々垣原組に残留していたが、後に耐えられなくなり逃亡。
イチの家族[編集]
※OVA版のみの登場。
- イチの父親(仮称)
- ごく普通の中年のサラリーマン。年の割に性欲旺盛で、妻に毎晩肉体を求めている。
- イチの母親(仮称)
- 世間体を気にする専業主婦。息子の学力低下を気に病んでいる。夫から肉体を求められ、断り切れずに受け入れている。
- 城石二郎(しろいし じろう)
- イチの弟。大の野菜嫌い。
垣原組の関係者[編集]
- カレン
- 安生芳雄の愛人だったホステス。後に人脈を使い、垣原を援護する立場になる。
- ミユキを垣原達に売り渡し、二郎三郎から拷問を受けて凄惨な姿になってしまった彼女を見ても平然としているが、実際にはジジイに踊らされている傀儡の一人。
- イチのいじめられ仲間であった立花のふりをしていた為、それを利用したジジイの策略により、作中の最後でイチに殺される。
- 鈴木(すずき)
- 「船鬼一家」の幹部だったが、ジジイの謀略で垣原から拉致・拷問され、重傷(熱した油を頭や背中に掛けられた事による大火傷。)を負わされ入院。その恨みと、中国マフィアに扮したジジイらの一計から、垣原組を壊滅させるための殺し屋(=イチ)を雇う。
- 物語終盤、殺し屋を雇っていたことを垣原たちに知られ、裏ビデオの撮影を行っている最中、病室に乗り込んできた三郎に頭部にドスを突き立てられ、殺害された。
- 中沢俊至(なかざわ しゅんじ)
- 安生や船鬼を傘下におさめる本家三光連合の会長。昔頭に銃弾を撃ち込まれた影響で常にフラフラしている。
- 船鬼(ふなき)
- 安生組とは同じ傘下にある、インテリ経済ヤクザである「船鬼一家」の組長。
- 安生芳雄(あんじょう よしお)
- 新宿の暴力団の中でも武闘派として一番恐れられている安生興業の組長。第一話にて「イチ」に殺害されるも、ダイイング・メッセージを遺す。垣原は安生から受ける暴力に悦びを感じていたとされるが、次の存在が見つかるまでの気休めでしかなかったらしい。
- カレン曰く「ロリコン」。本編には死体の一部しか登場せず、垣原が所持する写真でのみ顔がわかる。
その他[編集]
- 林田洋子(源氏名:セーラ)
- 新潟県の某風俗店に勤務するピンサロ嬢。24歳。
- 同棲している小太りの中年男に凄惨なドメスティックバイオレンスを受け、体中が傷だらけ。
- イチとの行為中、「同棲相手の男を殺してやりたい」と愚痴を漏らしてしまう。その後、イチは希望を叶えて男を殺害したが、彼女自身もイチを拒絶する姿勢を見せたため、男に続いて殺害される。
- 金子タケシ
- 金子の一人息子。小学生。
- 父親と共にヤクザマンションで暮らしている。学校でイジメを受けていたがイチが教えた蹴り技のおかげでいじめられなくなった。抗争にて父を失い天涯孤独になるが、作品の最後にはジジイによって「計画」のための新たなる殺し屋に仕立てられることを仄めかす描写がある。
- 立花
- イチの中学生時代の同級生。元々は転校生だったが、イジメられているイチを庇ったため、彼と共にイジメの標的となった。
- クラスの不良連中からキスの強要や排便の強制、強姦など性的なイジメを受けていた。イチの性癖にも影響を与えていたキーパーソン的存在。
- ミユキ
- 龍の情婦。21歳。ファッションヘルス嬢。龍からは「ミユミユ」と呼ばれている。
- 二郎&三郎兄弟に龍の居所を問い詰められた際には毅然とした態度で対応し、彼らに襲われた際にも応戦するなど頭の回転が良く勇敢な女性だが、龍の居所を探ろうする垣原の策略により、二郎&三郎兄弟に拉致され、強姦や凄惨な拷問を受けた挙句に殺害される。
- みどり
- 番外編およびOVA版に登場。コードネームは「ナンバー3」。
- イチと同じ空手道場に通う若い女。脚技や関節技に長け、チンピラを一蹴するほどの腕前。極度のマゾヒストで、SMプレイによる傷跡が無数に残っている。
- 実はジジイの協力者であり、イチの性癖を覚醒させる役目を担った。
関連作品[編集]
1 -イチ-[編集]
1993年週刊ヤングサンデー連載の全1巻。元いじめられっ子だが空手の達人である高校生・城石一(しろいし はじめ、通称・イチ)が主人公の喧嘩アクション漫画。イチと同じ空手道場に通っていた不良・赤熊大(あかくま だい)や関西から来た転校生・鬼鮫(おにざめ)などのキャラクターも登場する。『殺し屋1』の外伝であると同時に原点に当たる作品である。
殺し屋1 誕生編[編集]
『1 -イチ- 』の続編で、全3話の読み切り作品。作中では前作『1 -イチ- 』の舞台が1991年、本作の舞台がそれから2年後の1993年でイチの年齢は20歳と語られている。元ボクサーのヤクザと戦う「前編」と、暴力中毒者(パワージャンキー)の女との出会いや渋谷のチーマーとの戦いを描く「後編」の二つのエピソードがある。『殺し屋1』のパイロット版ともいうべき作品で、『殺し屋1』本編とはパラレルワールドの関係であるとされる。後に映画化の際に発刊された公式ガイドブックに再掲載された。
映像作品[編集]
映画[編集]
殺し屋1 | |
---|---|
監督 | 三池崇史 |
脚本 | 佐藤佐吉 |
原作 | 山本英夫 |
出演者 |
浅野忠信 大森南朋 SABU 塚本晋也 |
撮影 | 山本英夫 |
編集 | 島村泰司 |
配給 | プレノンアッシュ |
公開 |
![]() ![]() |
上映時間 | 128分 |
製作国 |
![]() |
言語 | 日本語 |
- 出演
- 垣原:浅野忠信
- イチ:大森南朋 (中学期:三浦アキフミ)
- 金子:SABU
- ジジイ:塚本晋也
- 二郎・三郎:松尾スズキ(二役)
- 高山:菅田俊
- 鈴木:寺島進
- 龍:KEE
- 船鬼:國村隼
- 藤原:手塚とおる
- カレン:Alien Sun (en)
- イチのバイト先の店長:モロ師岡
- ヤクの売人:風祭ゆき
- 龍の恋人 ミユキ:青木理央
- タケシ:小林宏至
- 中沢:有薗芳記
- 井上:新妻聡
- セーラの情夫 :木下ほうか
- セーラ :後藤麻衣
- パブ「ヒランドゥー」の客:森下能幸
- パブ「ヒランドゥー」店長:川屋せっちん
- ヤクの売人 :佐藤佐吉
- ヤクの売人 :菅原香織
- ヤクの売人 :迫英雄
- ヤクの売人 :森羅万象
- スタッフ
- 監督:三池崇史
- 脚本:佐藤佐吉
- 撮影:山本英夫(原作者とは同姓同名で漢字も同じだが別人である)
- 製作協力:エクセレントフィルム
- 製作:オメガ・プロジェクト、オメガ・ミコット
- 配給:プレノンアッシュ
- エピソード
クエンティン・タランティーノは本作のファンで、電話口で怒鳴る高山役の菅田の演技を気に入り、『キル・ビル Vol.1』に菅田を起用した。他にも船鬼役の國村や、ヤクの売人役の風祭なども同作に出演している。
オリジナルビデオ作品「1 -イチ-」[編集]
- スタッフ
- 出演
OVA作品「殺し屋1 THE ANIMATION EPISODE.0 」[編集]
このOVA作品では、原作で語られることのなかった、殺し屋「イチ」の過去の話について明かされている。2002年9月27日発売。
- 映像特典:対談「イチを創った男たち」(原作・山本英夫×精神科医・名越康文×脚本家・佐藤佐吉)/三池崇史アフレコ初体験/特報/劇場予告編
- 時間:50分
- 言語音声:DD(ステレオ)
- スタッフ
- 監督:石平信司
- キャラクターデザイン:二宮常雄
- 作画監督:大花松理、平林孝、八木元喜、加藤清司郎
- 絵コンテ:水野和則、中山勝一、帆村荘二
- 脚本:佐藤佐吉
- 美術監督:廣瀬義憲
- 色彩設計:友野亜紀子
- 撮影監督:大前亮介
- 編集:岡田輝満
- 音楽:高瀬ゆい
- 音響監督:亀山俊樹
- プロデューサー:千葉善紀
- アニメーション制作:AIC
- 製作:メディア・スーツ
- 出演
- イチ:鈴木千尋
- 垣原:三池崇史
- ジジイ:辻親八
- みどり:大原さやか
- 金田:山岸功
- 平野:宮田幸季
- 広瀬:阪口大助
- 今村:藤原泰浩
- 父:青山穣
- 母:斎藤恵理
- 次郎:小暮英麻
- 財務官:小形満
- 先生:吉田裕秋
- 店長:中嶋聡彦
- 師範代:飯島肇
- 道場の男:白鳥修馬
- ノブオ:伊丸岡篤
- ウェイトレス:多田桂子
脚注[編集]
- ^ 待っていた…オマエみたいなスタンプを…「殺し屋1」がLINEスタンプにナタリー
- ^ 1巻では東京から自転車で10時間という描写があり、後に具体的に新潟と描かれた。
- ^ イチは金子に「城石」と名乗っており、金子も彼の事を「田舎から来た気弱で不器用な青年」という認識でいた様子
- ^ 二郎・三郎兄弟の夜の相手をした女性2人(カレン曰く、「普段は政治家の相手をしているホテトル嬢」)に「俺たちのどちらが良かったか?」と行為後に寄った焼肉店で無理やり問い詰めた挙句、女性達が仕方なく二郎や三郎のどちらか一方を答えた所、それに納得がいかず、女性達に理不尽な暴行を加えた(後に垣原が「(女性たちを)使い物にならなくしたらしいな」と話している場面がある)
外部リンク[編集]
- 殺し屋1 - allcinema
- 殺し屋1 - KINENOTE
- Ichi the Killer - オールムービー(英語)
- Ichi the Killer - インターネット・ムービー・データベース(英語)
|