九州新幹線 (鹿児島ルート)

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JR logo (kyushu).svg 九州新幹線(鹿児島ルート)
■
八代海を背にみかん畑を走る新幹線N700系
八代海を背にみかん畑を走る新幹線N700系
基本情報
日本の旗 日本
所在地 福岡県の旗 福岡県佐賀県の旗 佐賀県熊本県の旗 熊本県鹿児島県の旗 鹿児島県
種類 高速鉄道新幹線
起点 博多駅
終点 鹿児島中央駅
駅数 12駅
開業 2004年3月13日(新八代 - 鹿児島中央間)
全通 2011年3月12日
所有者 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
運営者 JR logo (kyushu).svg 九州旅客鉄道(JR九州)
使用車両 800系N700系
路線諸元
路線距離 256.8 km
営業キロ 288.9 km
軌間 1,435 mm
線路数 複線
電化方式 交流25,000 V・60 Hz
架空電車線方式
最高速度 260 km/h
路線図
Kyushu Shinkansen map Kagoshima route and Nagasaki route.png
テンプレートを表示
八代海をバックに走る新幹線800系
(2007年3月7日、新水俣駅 - 出水駅間)
桜島を前に鹿児島中央駅に到着するN700系
(川内駅 - 鹿児島中央駅間)

九州新幹線(鹿児島ルート)(きゅうしゅうしんかんせん かごしまルート)は、博多駅から鹿児島中央駅までを結ぶ九州旅客鉄道(JR九州)の高速鉄道路線(新幹線)、およびその列車である。旅客案内上は単に「九州新幹線」の呼称で営業を行っている。また、直通運転を行っている山陽新幹線と総称して「山陽・九州新幹線」(さんよう・きゅうしゅうしんかんせん)とも呼ばれる。

目次

概要[編集]

九州新幹線鹿児島ルートは、1972年に告示された改正基本計画に盛り込まれた5線(整備新幹線と呼ばれるもの)のうちの一つであり、福岡県福岡市から熊本県熊本市を経て、鹿児島県鹿児島市に至る九州を縦貫するルートとして計画された。

山陽新幹線を延長する形で計画されたが、建設は起点の福岡市側からではなく終点の鹿児島市側から開始された(「建設の経緯」節も参照)。1991年に八代駅[注釈 1] - 西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)間が鹿児島ルートで初めて本格着工されたのを皮切りに、1998年新八代駅 - 船小屋信号場(現在の筑後船小屋駅)、2000年に残る博多駅 - 船小屋信号場間が着工された。2004年3月13日に先行して建設が進められていた新八代駅 - 鹿児島中央駅間がフル規格で営業運転を開始、博多駅 - 新八代駅間は在来線特急「リレーつばめ」で接続し、博多駅 - 鹿児島中央駅間の所要時間は従前の特急「つばめ」の3時間50分から最速2時間10分となった。

その後、2011年3月12日に博多駅 - 新八代駅間が開業し、整備計画の決定から38年を経て全線で営業運転を開始、同時に山陽新幹線との直通運転を開始した[広報 2][1]。2012年3月17日ダイヤ改正時点では、博多駅 - 鹿児島中央駅間を最高速度260km/h、所要時間最速1時間17分で結んでいる。

九州新幹線の運営はJR九州が行っているが、同じく九州内にある小倉駅 - 博多駅 - 博多南駅については従前通り西日本旅客鉄道(JR西日本)が山陽新幹線・博多南線として営業を継続している。

また、山陽新幹線との相互直通運転を行っている関係で、九州新幹線の列車はJR九州所有車両のほか、JR西日本所有の車両でも運行されている。

九州新幹線新八代駅 - 鹿児島中央駅間の先行開業に際して、並行在来線である鹿児島本線八代駅 - 川内駅間がJR九州より経営分離され、第三セクター「肥薩おれんじ鉄道」に転換された。博多駅 - 八代駅間と川内駅 - 鹿児島中央駅間は、都市圏輸送を担っており九州新幹線開業後も採算が見込めるため経営分離は行われず、九州新幹線開業後もこれまで通りJR九州が鹿児島本線として運営を行っている。このため、正式な線路名称においては、並行在来線を分離した新八代駅 - 川内駅間だけが独立した「九州新幹線」という線路名称を持ち(営業キロは実キロを使用)、博多駅 - 新八代駅間と川内駅 - 鹿児島中央駅間は鹿児島本線の無名枝線という扱い(営業キロは鹿児島本線の距離を使用)になっている。

九州新幹線では同ルートのほかに福岡県福岡市と長崎県長崎市を結ぶ長崎ルートがある。長崎ルートは博多駅 - 新鳥栖駅間を鹿児島ルートと共用する計画となっている。

路線データ[編集]

九州新幹線独特である一部が空洞のスラブ軌道。費用削減のため一部を空洞にしている[2]。(久留米駅付近から船小屋方面、2009年8月25日 見学会にて)
九州新幹線最長の筑紫トンネル(鳥栖側、2010年5月15日レールウォークにて)
東海道・山陽・九州新幹線の最後の距離標。東京駅起点1325.9kmを示す(鹿児島中央駅構内)

全線を本社鉄道事業本部内の新幹線部が管轄している。ただし、博多駅から博多総合車両所(博多南線博多南駅)にかけての区間はJR西日本新幹線管理本部の管理に置かれている。

博多駅 - 新八代駅間の約3割、新八代駅 - 鹿児島中央駅間の約7割がトンネル区間で構成され、山陽新幹線と同様に総延長の半分(49%)がトンネルで占められる路線である。工費を節減するために新幹線としてはやや簡素な仕様で建設されている部分があり、山を迂回せずに最大35パーミルの急勾配区間を設けるなどの影響が出ている[2]

構造種別延長割合は以下の通り[4]

  • 博多駅 - 新八代駅間
    • 路盤 5%
    • 橋梁 14%
    • 高架橋 51%
    • トンネル 30%
  • 新八代駅 - 鹿児島中央駅間
    • 路盤 12%
    • 橋梁 7%
    • 高架橋 12%
    • トンネル 69%

駅一覧[編集]

駅名 博多からの 新大阪からの 東京からの 停車駅 接続路線 所在地
営業
キロ

キロ
営業
キロ

キロ
営業
キロ

キロ
博多駅 0.0 0.0 622.3 553.7 1174.9 1069.1 西日本旅客鉄道■ 山陽新幹線博多南線
九州旅客鉄道鹿児島本線篠栗線福北ゆたか線
福岡市交通局Subway FukuokaKuko.svg 空港線(K11)
福岡県
福岡市博多区
新鳥栖駅 28.6 26.3 650.9 580.0 1203.5 1095.4   九州旅客鉄道:長崎本線 佐賀県鳥栖市
久留米駅 35.7 32.0 658.0 585.7 1210.6 1101.1   九州旅客鉄道:鹿児島本線・久大本線 福岡県 久留米市
筑後船小屋駅 51.5 47.9 673.8 601.6 1226.4 1117.0   九州旅客鉄道:鹿児島本線 筑後市
新大牟田駅 69.3 59.7 691.6 613.4 1244.2 1128.8     大牟田市
新玉名駅 90.4 76.3 712.7 630.0 1265.3 1145.4     熊本県 玉名市
熊本駅 118.4 98.2 740.7 651.9 1293.3 1167.3 九州旅客鉄道:鹿児島本線・豊肥本線三角線(あまくさみすみ線)
熊本市交通局幹線田崎線熊本駅前駅
熊本市西区
新八代駅 151.3 130.0 773.6 683.7 1326.2 1199.1   九州旅客鉄道:鹿児島本線 八代市
新水俣駅 194.1 172.8 816.4 726.5 1369.0 1241.9   肥薩おれんじ鉄道肥薩おれんじ鉄道線 水俣市
出水駅 210.1 188.8 832.4 742.5 1385.0 1257.9   肥薩おれんじ鉄道:肥薩おれんじ鉄道線 鹿児島県 出水市
川内駅 242.8 221.5 865.1 775.2 1417.7 1290.6   九州旅客鉄道:鹿児島本線
肥薩おれんじ鉄道:肥薩おれんじ鉄道線
薩摩川内市
鹿児島中央駅 288.9 256.8 911.2 810.5 1463.8 1325.9 九州旅客鉄道:鹿児島本線・日豊本線指宿枕崎線
鹿児島市交通局第二期線唐湊線鹿児島中央駅前駅
鹿児島市
  • 停車駅…全:すべての列車が停車する駅(2011年3月改正時)
  • 長距離乗車券の特定都区市内
    • :福岡市内
  • 博多駅(新幹線)はJR西日本の管理委託駅

各駅の構造[編集]

博多駅を除く各駅のホームには可動式安全柵が設置されている。また、博多駅以外のホーム有効長は8両分(博多駅11番線は10両分)だが、新鳥栖駅 - 熊本駅・鹿児島中央駅は10両分まで延伸可能な構造となっている[5]

各駅の構内配線とホームの形式
配線分類 2面4線 2面3線 2面2線 3面6線 2面4線(終着駅)
構内図 Station Track layout-1.png Station Track layout-11.png Station Track layout-4.png Station Track layout-Shinkansen Hakata Station 2011.png Station Track layout-5.png
該当駅 新鳥栖駅熊本駅 筑後船小屋駅新水俣駅 久留米駅新大牟田駅新玉名駅
新八代駅出水駅川内駅
博多駅 鹿児島中央駅

全列車停車駅[編集]

2011年現在、九州新幹線内におけるすべての定期旅客列車が停車する駅の概要を記す。いずれも県庁所在地の駅となっている。

博多駅
九州随一の都市である福岡市の代表駅だが、駅名に都市名を冠せず地域の名称を用いている。1889年(明治22年)に九州鉄道の駅として開業し、1907年(明治40年)に国有化。1975年(昭和50年)に山陽新幹線の終点駅となり、鹿児島熊本長崎佐世保大分といった九州各都市を結ぶ在来線特急列車が発着し、これらの列車と新幹線との接続駅となった[注釈 2]2011年(平成23年)に九州新幹線と直結し、それに伴う構内の拡張が実施され、3面6線の配線となった。また、福岡市地下鉄空港線も接続していて、当駅東方にある福岡空港や九州随一の繁華街天神、さらには筑肥線を経由して唐津方面にアクセスできる。筑豊地方方面の福北ゆたか線も発着する。また、博多総合車両所までの回送線を利用した博多南線も接続しており、博多南駅までの区間列車も運行されている。
当線博多乗り入れ1週間前には駅ビル建て替え増床工事が完成し、日本最大規模の駅ビル「JR博多シティ」に生まれ変わった。
熊本駅
中九州の中心都市である熊本市の中心駅。複数の路線が乗り入れ、熊本市の拠点となるターミナル駅である。博多から来た列車の半数はここで折り返す。1891年(明治24年)に九州鉄道の駅として開業し、1907年(明治40年)に国有化。
下通など、熊本市の中心市街地からやや離れた場所に位置しており、中心市街地へは熊本市電幹線や路線バスが接続している。
また、熊本市電田崎線(田崎線と幹線はA系統として一体的に運行される)やJR鹿児島本線豊肥本線が乗り入れ、三角線のすべての列車や、人吉方面からの列車も鹿児島本線経由で当駅まで乗り入れ、「A列車で行こう」や「SL人吉」、「かわせみ やませみ」といった観光列車などが発着しているほか、土休日のみ肥薩おれんじ鉄道線の列車が鹿児島方面から当駅まで乗り入れる。また、在来線ホームの高架化が進行中で、高架化が完了後に駅ビルが建設される予定。
鹿児島中央駅
南九州の主要拠点都市のひとつである鹿児島市の代表駅。1913年(大正2年)に川内線武駅として開業し、1927年(昭和2年)に鹿児島本線に編入され西鹿児島駅に改称した[注釈 3]2004年(平成16年)の部分開業時から九州新幹線の終着駅となっており、開通と同時に現在の駅名に改称した。新幹線ホームと在来線ホームがほぼ直角に交わる構造となっている。
日豊本線との境界は隣の鹿児島駅だが、新幹線開通前から日豊本線全列車を含むほとんどの列車が当駅を発着駅としており、鹿児島市の中心駅として機能している。また、当駅から指宿枕崎線が分岐しており、肥薩おれんじ鉄道線が土休日の朝夕に限り乗り入れを行っている。当駅では、新大阪発「みずほ」最終便の終着時刻に合わせて、在来線各方面の最終列車発車時刻を全線同一時刻に設定している(23時52分)。なお、繁華街の天文館地区など市の中心部へは鹿児島市電2系統や路線バスによるアクセスとなっている。

車両[編集]

各形式概説[編集]

九州新幹線内専用車両(800系1000番台)
山陽新幹線との直通車両(量産先行車・N700系7000番台)

前述のように急勾配区間が多い路線のため、対応可能な車両として800系とN700系7000・8000番台が開発・製造された。

800系
「つばめ」「さくら」で使用されている車両。部分開業以来「つばめ」に使用されてきた車両で、内装やデザインがジャパネスク調であり全車両が動力車である。最高速度は260km/h。全編成6両編成で、U編成として9編成在籍。後に増備された1000番台・2000番台の3編成は内外装をマイナーチェンジした[6][7]。部分開業時の列車愛称は「つばめ」1種類のみで、当初は車体側面に「つばめ」の筆文字ロゴが描かれていたが、全線開業後は「さくら」でも使用されることとなったため、乗客の混乱防止のためこれを消去した上で、新たなロゴマークに変更された[8][広報 5]
山陽新幹線内への乗り入れも可能な改造が施されており、山陽新幹線内での試運転も行われている[9]。当初は新下関駅発着の「さくら」に使用する計画があったが見送られ[10]、九州新幹線内折り返し列車限定で運用されている。
N700系
「さくら」「みずほ」「つばめ」に使用されている車両。東海道・山陽新幹線用のN700系をベースとしたJR九州とJR西日本との共同開発による8両編成で、急勾配対応のため全電動車となっている。車両自体は最高速度300km/hでの営業運転が可能となっているが、九州新幹線内では路線の設計最高速度である260km/hで運行されている。開業までにJR西日本が7000番台(S編成)19編成、JR九州が8000番台(R編成)10編成の、合計29編成(232両)を製造し、2012年にR編成1本が追加製造された。6号車の半分がグリーン車となっている。普通車はひかりレールスター同様、指定席が2列+2列、自由席(3両)が2列+3列の座席配置。現在、山陽新幹線に乗り入れる列車は全てこの形式が使用されている。また、九州新幹線内折り返し列車の一部は運用の関係上JR西日本のS編成が充当されている。

車内・発車メロディ[編集]

九州新幹線の発車メロディ車内メロディ(JR九州所属車のみ)には、キーボーディスト向谷実が作曲した曲が採用されている[11]。曲名は「The Journey」。車内メロディは、標準メロディおよび博多・熊本・鹿児島中央それぞれの駅の発車・到着用特別メロディの計4曲がある(熊本駅は「おてもやん」、鹿児島中央駅では「おはら節」をアレンジしたもの[広報 6])。発車メロディは、熊本駅と鹿児島中央駅は前述のアレンジのメロディ、JR西日本管轄の博多駅ではゴダイゴの「銀河鉄道999」、他の駅は「The Journey」となっている。

九州新幹線の全線開業前は、発車メロディ・車内メロディ(このメロディは始発・終着用と途中駅用に分かれていた)として向谷実が作曲した「風は南から」が使用されていたが、全線開業を機に全て新しいメロディに切り替えられた。

The Journey風は南からの両方とも、一曲として仕上げたバージョンがあり、iTunes Storeなどで販売されている[広報 7]

なお、JR西日本所属車では博多・熊本・鹿児島用の各特別メロディは流されず、車内メロディは「いい日旅立ち・西へ」が九州新幹線内でもそのまま使用されており、途中駅用(サビ)と始発・終着駅用(歌い出し)の2つの区別しかない[注釈 4]

運行形態[編集]

九州新幹線が全線開業した2011年3月12日にダイヤ改正が実施され[広報 8]山陽新幹線との直通運転が開始された。また、博多駅始発・終着の列車についても博多駅での接続が考慮されたダイヤが組まれている。

列車名[編集]

「みずほ」[編集]

みずほ」は、新大阪駅 - 鹿児島中央駅間で運転されている山陽・九州新幹線直通列車で、この区間における最速達列車である。種別カラーはオレンジ色[12]

朝夕を中心に1日6往復運転されている。九州新幹線内での停車駅は博多駅・熊本駅・鹿児島中央駅のみで、所要時間は新大阪駅 - 鹿児島中央駅間が最速3時間42分、新大阪駅 - 熊本駅間が同2時間57分、博多駅 - 鹿児島中央駅間が同1時間17分、博多駅 - 熊本駅間が同32分。車両はN700系7000番台・8000番台が使用されている[13]

当初、山陽・九州新幹線直通列車は「さくら」のみと発表されていたが、競合する航空機路線の対抗策として同列車が新たに計画された[14][15]

「みずほ」は、季節運転の臨時列車などをのぞき、新大阪駅発着 - 鹿児島中央駅発着でのみ運行されており、それ以外の区間運転、および九州新幹線・山陽新幹線の各線内で完結する列車は運行されていない。

「さくら」[編集]

さくら」は、「みずほ」とともに新大阪駅 - 鹿児島中央駅間で運転されている山陽・九州新幹線直通の速達タイプ列車、または九州新幹線内で運行されている速達タイプ列車である[広報 9]。種別カラーはピンク色[12]

車両はN700系7000番台・8000番台と、800系(九州新幹線内完結列車のみ)が使用されている。

九州新幹線内の「さくら」は、博多駅 - 鹿児島中央駅間で1時間に2本運転されている。このうちの1 - 2本が山陽新幹線新大阪駅まで直通運転を行っており、広島駅発着の列車も1往復ある。

九州新幹線内では、博多駅新鳥栖駅久留米駅熊本駅川内駅鹿児島中央駅に全列車が停車し、「さくら」は1時間に2本のうち1本が熊本駅 - 鹿児島中央駅間の各駅に停車する。このほか、筑後船小屋駅新大牟田駅新玉名駅に新大阪駅発着の列車が1日に2往復停車し、このうち上下各1本は博多駅 - 熊本駅間の各駅に停車する[広報 10]

列車名は公募により決定し、2009年2月26日発表された[広報 11]。「さくら」の名称は応募総数168,951通のうち最多となる7,927通を獲得し、新車両のコンセプトである「日本の美しさ」に合致することからも選ばれた。

「つばめ」[編集]

つばめ」は、博多駅 - 鹿児島中央駅間で運転されている各駅停車タイプの列車で、運行する区間の全駅に停車する。種別カラーは水色。

部分開通時の新幹線列車名は、速達・各駅停車問わず「つばめ」で統一されていたが、全線開通後「つばめ」は全区間各駅停車として運行している[広報 12][広報 13]。2012年3月17日のダイヤ改正より上り2本が山陽新幹線に乗り入れ、1本は小倉行き、もう1本は新下関行きで運転されていたが、2013年3月16日のダイヤ改正では山陽新幹線への乗り入れがなくなり、再び九州新幹線内でのみの運行となった。

九州新幹線内の全区間で運転されるが、熊本駅 - 鹿児島中央駅間では、日中は「さくら」のみで運行されており、鹿児島中央駅発着の「つばめ」は朝・夜の運行に限定される。したがって、日中は熊本駅 - 鹿児島中央駅間の各駅に停車する「さくら」が「つばめ」の代替となり、新八代駅 - 鹿児島中央駅間へのアクセスは「さくら」が主体となっている[広報 13][広報 8]。「つばめ」は日中は博多駅 - 熊本駅間で運転されており、主にこの区間の地域間輸送としての役割を担っている。

運行車両は主に800系が使用されるが、朝夕の通勤時間帯などではN700系7000番台・8000番台も使用されている。

九州新幹線は、2016年4月14日夜に発生した熊本地震によって全線運休となり、同年4月20日に新水俣駅 - 鹿児島中央駅間、4月23日に博多駅 - 熊本駅間、4月27日に熊本駅 - 新水俣駅間の運行が再開されたが(後節参照)、4月28日に「さくら」「みずほ」の運行および山陽新幹線との直通運転が再開されるまでは、全列車「つばめ」として運行された。

ダイヤパターンと停車駅[編集]

山陽新幹線の影響で昼間時間帯は毎時の発車時刻・到着時刻がほぼ一定のダイヤが組まれているが、朝晩は「さくら」の停車パターンが若干変化したり、九州内で完結する速達タイプの「さくら」の一部が博多 - 熊本・鹿児島中央の「つばめ」として運行されたりと、やや変則的なダイヤとなっている。九州新幹線内完結の列車は、ほぼ全列車が博多駅で東海道・山陽新幹線「のぞみ」などと同一ホームで接続している。

以下は2014年3月15日ダイヤ改正時点の日中の1時間帯の平均的なダイヤパターンであり、時間によって着発時刻は若干異なる場合がある。

下り
種別 始発駅 博多駅
発車時刻
博多 新鳥栖 久留米 筑後船小屋 新大牟田 新玉名 熊本 新八代 新水俣 出水 川内 鹿児島中央 鹿児島中央駅
到着時刻
終着駅
さくら 新大阪(博多) 08分 41・45分 鹿児島中央
みずほ ※ 新大阪 27分 44分 鹿児島中央
さくら 新大阪 36分 00・05分 鹿児島中央
つばめ 博多 47分 (熊本35分) 熊本
上り
種別 始発駅 鹿児島中央駅
発車時刻
鹿児島中央 川内 出水 新水俣 新八代 熊本 新玉名 新大牟田 筑後船小屋 久留米 新鳥栖 博多 博多駅
到着時刻
終着駅
みずほ ※ 鹿児島中央 00分 17分 新大阪
さくら 鹿児島中央 03分 38分 (博多)新大阪
つばめ 熊本 (熊本09分) 57分 博多
さくら 鹿児島中央 40・42分 07分 新大阪
さくら ◆ 鹿児島中央 56分 32分 (博多)新大阪

●:停車、△:1日1本停車、→:通過、◆:臨時列車、※:朝夕に運行

号数の振り方[編集]

2017年3月4日ダイヤ改正時点における号数の割り当ては次の通り。

  • みずほ
    • 新大阪駅 - 鹿児島中央駅間:600 - 611号、臨時列車は613-620号
  • さくら
    • 新大阪駅 - 熊本駅・鹿児島中央駅間:定期列車は540 - 570号台、臨時列車は580 - 590号台(熊本駅始発、終着は540号、573号のみ)
    • 広島駅 - 鹿児島中央駅間:451号, 458号
    • 新下関駅・博多駅 - 鹿児島中央駅間:定期列車は400 - 410号台、臨時列車は380 - 390号台(新下関駅始発は407号のみ)
  • つばめ
    • 博多駅 - 筑後船小屋駅・熊本駅・鹿児島中央駅間、熊本駅・川内駅 - 鹿児島中央駅間:300 - 350号台

列車番号は、山陽新幹線直通列車(新下関駅・小倉駅発着列車をのぞく)は「号数+A」(臨時列車「6000+号数+A」は)、「つばめ」と新下関駅・博多駅発着の「さくら」は「5000+号数+A」が割り当てられている。後者の一部列車の号数は東京駅 - 新大阪駅間の臨時「のぞみ」と重複しているが、列車番号の重複はない。

東海道・山陽新幹線との接続[編集]

九州新幹線と山陽新幹線では1時間に1-2本程度の直通運転を行っているが、それ以外の列車は基本的に博多駅始発・終着の「さくら」・「つばめ」となる。

これに伴い、博多駅始発・終着の列車は、ほとんどの列車が「のぞみ」などの東海道・山陽新幹線方面の列車と同一ホームで接続しており、山陽新幹線との直通列車がほとんど停車しない駅からの乗り継ぎの便宜を図るほかに、九州新幹線から乗り入れを行っていない東海道新幹線区間(東京駅 - 新大阪駅間)への需要にも対応する[注釈 5]。また、新鳥栖駅 - 新玉名駅間の各駅では、駅の電光掲示板・構内放送などでも、「この列車は、博多駅で、のぞみ○○号東京行と接続しています」と案内されている。

また、2012年3月17日のダイヤ改正で九州新幹線内完結列車の多くが行き止まりの博多駅11番線で折り返すようになったため同一ホームでの乗り継ぎが不可能になる列車が増え、さらに熊本駅 - 鹿児島中央駅間各駅停車の「さくら」に接続していた「のぞみ」がこの改正で減便対象になった[注釈 6]ため乗り継ぎ自体が不可能となってしまう事例も発生した。

九州新幹線内での接続[編集]

九州新幹線では各駅停車専用の列車として「つばめ」が運行されているが、「つばめ」は博多駅 - 熊本駅間での区間運行が大半であり、熊本駅 - 鹿児島中央駅間では博多駅 - 熊本駅間速達の「さくら」が各駅停車として運行される。このため、筑後船小屋駅新大牟田駅新玉名駅に停車する列車は、それぞれ1日1往復停車する鹿児島中央駅 - 新大阪駅間の「さくら」と、博多駅 - 鹿児島中央駅間を運行する上り6本・下り4本の「つばめ」を除き、大半が熊本駅発着となっている。

そこで、熊本駅発着の「つばめ」と熊本駅 - 鹿児島中央駅間で各駅に停車する「さくら」は、一部を除き熊本駅の同一ホームで接続を取っており、新鳥栖駅 - 新玉名駅間の各駅の電光掲示板や構内放送でも、同一ホーム接続の列車については「この列車は、熊本駅で、さくら○○○号鹿児島中央行と接続しています」などと案内されている。

なお、「みずほ」が運転される時間のうちの「つばめ」に関しては、鹿児島中央駅発着の上下各1本が熊本駅で「みずほ」と接続、鹿児島中央行きの下り1本が博多駅で「みずほ」から接続している。

過去の運行形態[編集]

全線開業以前[編集]

九州新幹線は、2004年3月13日に部分開業され、新八代駅 - 鹿児島中央駅間で営業運転を開始した。当時はまだ博多駅 - 新八代駅間が未開業であったため、現在とは全く異なる形態で運行されていた。

以下に部分開業から全線開業までの約7年間実施された運行概況を記す。

「つばめ」[編集]

発車標では、「リレーつばめ」区間も含めて一本の列車であるかのように案内されていた

つばめ」は新八代駅 - 鹿児島中央駅間の部分開業と同時に運行を開始した。上下ともに毎時2本が運行され、通過駅のある速達タイプと各駅停車タイプがそれぞれ毎時1本運行されていた(朝夕は各駅停車タイプのみ毎時2本)。東北・上越・長野新幹線同様、速達タイプと各駅停車タイプで同一名称が用いられていた。また、列車番号の後ろに付く英字も「A」ではなく「F」が使用されていた。

博多駅 - 新八代駅間では在来線特急「リレーつばめ」が運転され、新八代駅で「リレーつばめ」と同一ホームでの対面乗り換え方式で接続し(接続時間3分)、「つばめ」と「リレーつばめ」は一体的に運行されていた。

速達タイプ(1号 - 23号)は基本的に川内駅のみ停車[注釈 7]。接続する「リレーつばめ」も鹿児島本線区間では停車駅の少ない速達タイプで運行されていた。各駅停車タイプ(31号 - )も「リレーつばめ」と接続が基本であった[注釈 8]

「つばめ」の名称は、一般公募で列車名を募った際の第5位の得票数であった[16][17][18]。最多得票を集めたのは「はやと」であったが、スピード感があり、また南から北上して春を告げる鳥というイメージと、戦前から長年使われてきた伝統ある列車名であることから採用された[16][17][18]

ダイヤパターンと停車駅[編集]

開業時から規則的なパターンダイヤを導入していたが、在来線と一体的な運用を行っていたことから他の新幹線と比べて毎時の発車時刻・到着時刻はあまり一定していなかった。

以下は当時の昼間時間帯の平均的なダイヤパターンである。

下り
博多駅
発車時刻
在来線特急 リレーつばめ 新幹線つばめ
博多 二日市 鳥栖 久留米 羽犬塚 瀬高 大牟田 荒尾 長洲 玉名 上熊本 熊本 新八代 新水俣 出水 川内 鹿児島中央
14分
30分
上り
新幹線つばめ 在来線特急 リレーつばめ 博多駅
到着時刻
鹿児島中央 川内 出水 新水俣 新八代 熊本 上熊本 玉名 長洲 荒尾 大牟田 瀬高 羽犬塚 久留米 鳥栖 二日市 博多
12分
50分

●:停車、→:通過

号数の振り方[編集]

2010年3月13日ダイヤ改正時点の号数の割り当ては次の通り[19]。( )は接続する在来線特急「リレーつばめ」の始発・終着駅。

  • つばめ(速達タイプ)
    • (博多駅) - 新八代駅 - 鹿児島中央駅間:1 - 20号台
  • つばめ(各駅停車タイプ)
    • (博多駅) - 新八代駅 - 鹿児島中央駅間:30 - 70号台
    • (熊本駅) - 新八代駅 - 鹿児島中央駅間:100 - 103号
    • 新水俣駅・川内駅 - 鹿児島中央駅間:200 - 204号

2011年3月12日ダイヤ改正[編集]

九州新幹線鹿児島ルートが全線開業し、山陽新幹線との直通運転を開始した。山陽新幹線との直通列車は「みずほ」4往復、「さくら」11往復の計15往復が設定された。

ダイヤパターンと停車駅[編集]

下り
種別 始発駅 博多駅
発車時刻
博多 新鳥栖 久留米 筑後船小屋 新大牟田 新玉名 熊本 新八代 新水俣 出水 川内 鹿児島中央 鹿児島中央駅
到着時刻
終着駅
さくら 博多 09分 48分 鹿児島中央
さくら 博多 18分 (熊本00分) 熊本
みずほ ★ 新大阪 27分 46分 鹿児島中央
さくら ★ 新大阪 41分 09・13分 鹿児島中央
つばめ 博多 48分 (熊本39分) 熊本
上り
種別 始発駅 鹿児島中央駅
発車時刻
鹿児島中央 川内 出水 新水俣 新八代 熊本 新玉名 新大牟田 筑後船小屋 久留米 新鳥栖 博多 博多駅
到着時刻
終着駅
さくら ★ 鹿児島中央 30・34分 02分 新大阪
さくら 熊本 (熊本42分) 23分 博多
さくら ◆ 鹿児島中央 50分 27分 博多・新大阪
さくら 鹿児島中央 53・57分 32・36分 博多
みずほ ★ 鹿児島中央 58分 17分 新大阪
つばめ 熊本 (熊本04分) 55分 博多

●:停車、▲:どちらかの駅に停車、△:最低1本は停車、→:通過、★:どちらか運行(「みずほ」は朝晩に4往復、「さくら」はそれ以外の時間帯に運行)、◆:臨時列車

号数の振り方[編集]

  • みずほ
    • 新大阪駅 - 鹿児島中央駅間:600 - 607号
  • さくら
    • 新大阪駅 - 熊本駅・鹿児島中央駅間:定期列車は540 - 580号台、臨時列車は590号台(新大阪駅 - 広島駅・博多駅間の「ひかり」と共用)。
    • 新下関駅・博多駅 - 鹿児島中央駅間:定期列車は400 - 430号台、臨時列車は390号台。
    • 博多駅 - 熊本駅間:300 - 310号台
  • つばめ
    • 博多駅 - 筑後船小屋駅・熊本駅・鹿児島中央駅間、熊本駅・川内駅 - 鹿児島中央駅間:320 - 380号台

2012年3月17日ダイヤ改正[編集]

ダイヤパターンと停車駅[編集]

下り
種別 始発駅 博多駅
発車時刻
博多 新鳥栖 久留米 筑後船小屋 新大牟田 新玉名 熊本 新八代 新水俣 出水 川内 鹿児島中央 鹿児島中央駅
到着時刻
終着駅
さくら 新大阪(博多) 09分 40・44分 鹿児島中央
さくら 博多 19分 (熊本58分) 熊本
みずほ ※ 新大阪 27分 44分 鹿児島中央
さくら 新大阪 41分 05・09分 鹿児島中央
つばめ 博多 48分 (熊本37分) 熊本
上り
種別 始発駅 鹿児島中央駅
発車時刻
鹿児島中央 川内 出水 新水俣 新八代 熊本 新玉名 新大牟田 筑後船小屋 久留米 新鳥栖 博多 博多駅
到着時刻
終着駅
みずほ ※ 鹿児島中央 00分 17分 新大阪
さくら 鹿児島中央 00・03分 36分 (博多)新大阪
つばめ 熊本 (熊本06分) 55分 博多
さくら 鹿児島中央 34・38分 02分 新大阪
さくら 熊本 (熊本44分) 23分 博多
さくら ◆ 鹿児島中央 53分 33分 (博多)新大阪

●:停車、▲:いずれか停車、△:1日1本停車、→:通過、◆:臨時列車、※:朝夕に運行

号数の振り方[編集]

2012年3月17日ダイヤ改正時点における号数の割り当ては次の通り。

  • みずほ
    • 新大阪駅 - 鹿児島中央駅間:600号台
  • さくら
    • 新大阪駅 - 熊本駅・鹿児島中央駅間:定期列車は540 - 570号台、臨時列車は580 - 590号台
    • 新下関駅・博多駅 - 鹿児島中央駅間:定期列車は400 - 420号台、臨時列車は390号台
    • 博多駅 - 熊本駅間:300 - 310号台
  • つばめ
    • 新下関駅・小倉駅・博多駅 - 筑後船小屋駅・熊本駅・鹿児島中央駅間、熊本駅・川内駅 - 鹿児島中央駅間:320 - 380号台

列車番号は、山陽新幹線直通列車(新下関駅・小倉駅発着列車をのぞく)は「号数+A」(臨時列車「6000+号数+A」は)、「つばめ」と新下関駅・博多駅発着の「さくら」は「5000+号数+A」が割り当てられている。後者の一部列車の号数は東京駅 - 新大阪駅間の臨時「のぞみ」と重複しているが、列車番号の重複はない。


利用状況および他交通機関との関係[編集]

年度別(4月-3月)九州新幹線利用者数
年度 利用者数 備考
2004 3,228,790人 2004年3月13日部分開業
2005 3,368,220人
2006 3,345,225人
2007 3,440,125人
2010 4,402,000人 2011年3月12日全線開業
2011 11,949,000人
2012 12,093,000人
2013 12,579,000人
2014 12,934,000人

部分開業後[編集]

開業1年目で開業前予測(約250万人)[20]を上回る約323万人を輸送した[21]。これは新幹線開業前の鹿児島本線(八代駅 - 西鹿児島駅間)の利用者約140万人の2.3倍である。開業ブーム後の2年目も1年目を上回る約336万人を輸送[21]、3年目こそは天候不順などで前年をわずかに下回ったものの、4年目は過去最高の利用率を記録し、なおも好調を維持している。特に鹿児島県内から博多までの利用者が多い。また、川内駅および出水駅から鹿児島中央駅までの短距離利用が目立つ。これは在来線との比較もさることながら、高速道路南九州西回り自動車道が無料区間を含め一部開通しているものの一部未事業化区間があり全線開通のめどが全く立っておらず、山地に囲まれた沿線の道路事情がよくないこともあり、新幹線利用による速達効果が大きいことが最大の要因と見られる。朝夕は通勤・通学客も多くあり、新幹線定期券の利用も順調な伸びを示している[22]

逆に、熊本県側の新水俣駅の利用者は部分開業時点では伸び悩んでいたが、これは同駅から熊本方面への新幹線の利用区間が隣の新八代駅までとなっており、県都の熊本市や九州の中心地である福岡市に出るには乗り換えを必要としたことや、肥薩おれんじ鉄道線に乗り換え可能とはいえ同駅の立地が水俣市の中心地から外れていることなど、新幹線の速達効果が出にくいことが大きな要因とされ、周辺住民にとっては全線開業で初めてその効果が出るものとされた。

全線開業後[編集]

各駅の平均乗降人員(2011年)[統計 1]
単位:人
駅名 4月 - 12月平均 JR九州目標
新鳥栖 1,750
1,700
久留米 2,650
2,700
筑後船小屋 700
950
新大牟田 750
1,150
新玉名 950
900
熊本 13,550
13,100
新八代 1,950
1,950
新水俣 1,000
1,000
出水 2,100
2,000
川内 2,900
2,550
鹿児島中央 14,150
11,650

JR九州が発表した2011年度(2011年4月 - 2012年3月)の決算資料によると、開業1年目にあたる2011年度の九州新幹線の輸送人員は1194万9千人[広報 14]、区間別では全線開業の日から1年間(2011年3月12 - 2012年3月11日)に博多駅 - 熊本駅間で896万人(1日平均24500人)、熊本駅 - 鹿児島中央駅間で514万人(1日平均14000人)を輸送したと発表した[広報 15]

開業当初は全線開業前日の2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響による自粛ムードもあり、利用客が伸び悩んでいたが徐々に自粛ムードも和らぎ、月を追うごとに利用客が増加していった。

既開業区間を含む熊本駅 - 鹿児島中央駅間では、開業1年間で前年同月間対比の165%とJR九州が当初目標としていた同140%を大幅に上回り、月毎の前年対比でも全ての月で目標の140%を上回るなど驚異的な伸びを見せた。博多駅 - 鹿児島中央駅間の所要時間が全線開業前と比較して最大51分と大幅に短縮され、北部九州と鹿児島市との流動が活発になったことや、山陽新幹線との直通運転を開始したことにより、中国地方や関西地区からの観光客が増加したことが主な要因とされている[23]。このほかに川内駅の利用客数が前年対比で約1割、出水駅で約2割増加し、熊本駅 - 新水俣駅間の定期乗車券での利用が前年と比較して3倍以上に増加するなど、鹿児島中央駅以外でも全線開業の効果が挙がっている。

一方、博多駅 - 熊本駅間では、京阪神・中国地方 - 熊本県の鉄道のシェア、全体のパイ向上などの効果があったものの、開業1年間で前年同月間対比の137%とJR九州が想定していた同140%には届かなかった。

京阪神 - 九州中・南部[編集]

近畿地方と九州中・南部を結ぶ交通機関としては、伊丹空港阿蘇くまもと空港鹿児島空港および関西国際空港神戸空港と鹿児島空港の間を結ぶ航空便がある。新幹線開業前は博多駅、新八代駅での乗り継ぎを強いられていたため、2008年時点では大阪府鹿児島県間を移動する旅客の交通機関別シェアは、JRが5.2%、飛行機が89.2%(2008年度の国土交通省の調査より)と航空機が圧倒しており[24]、京阪神 - 熊本間でもJRは3割程度のシェアにとどまっていた。新幹線開業後、JR西日本が2011年9月14日の定例社長会見で発表した資料によれば、京阪神 - 熊本間ではJRのシェアが6割まで増加して航空機を逆転、京阪神 - 鹿児島間も4割に大幅増となったとしている[25]。JR西日本では、単にJR(新幹線)が航空機の旅客を奪っただけではなく、熊本県・鹿児島県が近畿地方向けに九州新幹線全面開業前後から積極的に行ってきた観光PRやキャンペーンなどの効果により、京阪神と熊本間の流動が27%、京阪神と鹿児島間の流動が37%増加するなど需要の底上げが生じており、その増えた分をJRが吸収したと分析している[25]。これに対して航空会社側も「客が新幹線に流れるのは当然想定していた」と述べている[25]。JRや航空会社では主な施策として事前予約(e5489)の割引制度の導入(JR)や割引率の引き上げ(航空)などがある。一方で、格安航空会社 (LCC) のPeach Aviation関西国際空港と鹿児島空港などの間に2012年3月以降随時就航しているが、JR西日本の佐々木隆之社長は「運賃だけでは対抗できない」として、車内での携帯電話利用可能範囲の拡大などの利便性で対抗する考えでいるという[26]

このほか夜行高速バスとして大阪・神戸 - 熊本間に「サンライズ号」が、大阪・神戸 - 鹿児島間に「トロピカル号」が運行されている。このうち大阪 - 鹿児島間の高速バスについては、九州新幹線開業後の2011年のゴールデンウィーク期間中、前年比44.6%減(国土交通省九州運輸局調べ)と大きく影響を受けている[27]

九州内[編集]

博多駅 - 久留米駅・新大牟田駅ほか
博多駅と新鳥栖・久留米・筑後船小屋・新大牟田の4駅との間については、並行する在来線である鹿児島本線の快速の方が料金が安く、かつ運行本数も多い[28]。また、博多駅と久留米・新大牟田両駅との間では、並行私鉄である西鉄天神大牟田線特急も同様に料金と本数の面で新幹線と競合関係となっている。こういったこともあり、博多駅に近いこれら4駅の利用客数が2011年4月から6月の3ヶ月間はで想定を1割から4割下回っており[28]、JR九州ではてこ入れ策として、博多駅とこれら4駅の間で、2011年10月より試験的に「日帰り2枚きっぷ」が販売されている。
博多駅 - 熊本駅
当区間では博多BT天神BC - 熊本交通センター・熊本駅間を結ぶ高速バス「ひのくに号」との競合関係にある。所要時間は新幹線が有利だが、福岡・熊本両都市の中心部を直結していて利便性が高いことに加えて、価格を重視する若者層などが廉価な高速バスを支持しており[29]、当区間の新幹線利用者数は在来線特急時代よりも増加したものの、在来線特急利用者の一部が高速バスに流れた[27][30]との報道もある。「ひのくに号」は、「便によっては、満席のため後続便の利用をお願いするケースもある」との理由で九州新幹線全通後の2011年6月1日に午前の福岡行きと夕方以降の熊本行きを中心に本数を増便させるダイヤ改正を行っている[広報 16]
一方、新幹線は各駅停車の「つばめ」が平均乗車率が23%と低迷しており、JR九州では改善策として「つばめ」専用の割引きっぷ「ビックリつばめ2枚きっぷ」を発売するなどの打開策を講じている[27]
博多駅 - 鹿児島中央駅
当区間は福岡空港 - 鹿児島空港間を結ぶ航空便、博多BT・天神BC - 鹿児島中央駅・鹿児島本港間を結ぶ高速バス「桜島号」と競合関係にある。新幹線の時間短縮効果が高いことなどから、福岡県 - 鹿児島県間の鉄道のシェアが全線開業前の時点で約60%に達するなど競合する高速バス、航空機を大きく引き離している[24]
航空機に関しては、在来線特急時代は速達性から一定の利用者がいたが、九州新幹線の部分開業以後徐々に便数を減らしており、部分開業前には9往復あった福岡 - 鹿児島線も、九州新幹線が全線開業した現在では2往復まで減便された。また、高速バスも九州新幹線開業後の2011年のゴールデンウィーク期間中、前年比7.6%減(国土交通省九州運輸局調べ)と、全線開通の影響を受けていると報じられている[27]
博多駅 - 宮崎駅
JR九州が全線開業と同時に新八代駅 - 宮崎駅間の新幹線連絡の高速バス「B&Sみやざき号」を運行開始したことで、福岡空港 - 宮崎空港間の航空便や高速バス(福岡 - 宮崎線)との競合が発生している。「B&Sみやざき号」は九州新幹線の沿線ではない宮崎県に九州新幹線全線開業の波及効果を広げることを目論んだもので、九州新幹線と同リレーバスがセットになった「B&Sみやざき2枚きっぷ」を発売している。なお、福岡 - 宮崎線については新幹線開業後にJR九州バスが「フェニックス号」運行から離脱、「たいよう」の運行を開始する動きがあったが(2016年現在は再度運行を復帰している。)、これについては「B&Sみやざき号」の運行を巡るJR九州グループと西鉄グループ(「フェニックス号」の運行主体の一つ)の反目が原因ではないかとも報じられており[31]、料金の引き下げなど新幹線対高速バスだけではなく高速バス同士の競合関係も生まれている。

特急料金・運賃[編集]

九州新幹線特急料金表
(2014年4月1日現在。普通車通常期・大人料金)
営業キロ・区間 特急料金(円)
自由席 指定席
50km以下 隣接駅間
(新八代駅 - 川内駅間をのぞく)、
博多駅 - 久留米駅間
850 1,750
上記以外 1,230
51 - 100km 博多駅 - 筑後船小屋駅間
上記以外 1,730 2,250
101 - 150km 2,480 3,000
151 - 200km 博多駅 - 新八代駅間
上記以外 3,180 3,700
201 - 250km 3,800 4,320
251km以上 4,420 4,940

運賃は営業キロに基づいて算出され、営業キロは並行する鹿児島本線と同一となっている。ただし、並行在来線(鹿児島本線)が第三セクター化された新八代駅 - 川内駅間は実キロで算出されている。新鳥栖駅は鳥栖駅と、新大牟田駅は大牟田駅と、新玉名駅は玉名駅と同一位置とみなされて算出される。

上限特急料金は「三角表」により各駅間個別に定められている。201km以上の料金水準としては、ほかの新幹線に比べてやや高めに設定されている。また、座席指定の際は東海道・山陽新幹線と同様に閑散期・通常期・繁忙期の設定が行われており、閑散期は一律200円引き、繁忙期は一律200円増しとなる(全線開業以前の座席指定料金は通年同額であった)。

また、九州新幹線では以下の特定特急料金区間が設定されている。

  1. 隣接駅間の自由席特急料金(2駅間となる博多駅 - 久留米駅間を含む。新八代駅 - 川内駅間の各隣接駅相互間は適用外)
  2. 上記を除く50km以下の区間(新八代駅 - 川内駅間の各隣接駅相互間を含む)および博多駅 - 筑後船小屋駅間(営業キロ51.5km、50km以下と同額に調整)
  3. 博多駅 - 新八代駅間(営業キロ151.3km、150km以下と同額に調整)

グリーン車を利用する場合には、自由席特急料金と同額(ただし、上記の特定特急料金区間のうち1.に該当する区間は1,230円)の特急料金に利用区間に応じたグリーン料金を加算した金額となる。「グリーン料金」を参照。

一部直通運転を行う山陽新幹線とは特急料金・グリーン料金の算出にあたって営業キロを通算せず、博多駅までのそれぞれの個別料金を合算する。特定特急料金の対象となる区間(隣接駅間料金となる小倉駅 - 博多駅間・博多駅 - 新鳥栖駅間など)については、通常の計算ルールに基づく料金ではなく特定特急料金が合算の対象となる。

なお、九州新幹線と山陽新幹線を通しで乗車する場合(直通列車に乗車、または博多駅で途中下車をせずに乗り換えた場合)の指定席特急料金については「自由席特急料金の合算額+520円(通常期)」となるように低減措置が行われる。この場合の自由席特急料金は特定特急料金により算出された額のケースを含むため、指定席特急料金の単純合算より1000円以上安くなる区間もある[注釈 9]。この低減措置は山陽新幹線各駅と九州新幹線各駅の間を乗車する時に適用され、東海道新幹線(京都以東)から通しで乗車した場合は適用されない。

みずほ」の指定席については、山陽新幹線区間で「のぞみ」と同じ料金表を用いる(210 - 310円の加算料金が発生する)が、九州新幹線区間においては「さくら」「つばめ」と同じ料金表を用いる。

特別企画乗車券[編集]

※詳細や設定区間については、JR九州の公式サイトなどを参照。

2枚きっぷ[編集]

九州新幹線の普通車に乗車できる2枚綴り回数券(2枚きっぷ)は『九州新幹線2枚きっぷ』の名称で発売されており、同新幹線内「みずほ」「さくら」「つばめ」の普通車自由席に乗車できる。普通車指定席を利用する場合には、指定料金券が必要となる。グリーン車を利用する場合には、グリーン料金券が必要となる。

九州新幹線の駅相互間、熊本駅・鹿児島中央駅と九州新幹線を経由する在来線主要駅との間、福岡市内 - 宮崎駅間(鹿児島中央駅経由)などに設定されている。北九州市内発着も設定されるが、この切符では山陽新幹線小倉駅 - 博多駅間には乗車できない。北九州市内 - 博多駅間の移動については、在来線の鹿児島本線の普通列車、またはソニックきらめきなど、同線経由の特急列車の普通車自由席に乗車できる。

このほか、以下の「2枚きっぷ」が販売されている。

九州新幹線日帰り2枚きっぷ
新幹線普通車自由席に乗車できる2枚つづりの回数券。その名の通り日帰り利用を想定しており、有効期間は通常の2枚きっぷより短い1日のみ(ただし、2人での片道利用も可能)。通常の2枚きっぷよりも割引率が高くなっている。博多駅から程近い区間に設定されている。
B&Sみやざき2枚きっぷ
博多駅 - 新八代駅間の九州新幹線と新八代駅前 - 宮交シティ・宮崎駅間の高速バス「B&Sみやざき号」を乗り継いで利用できる2枚つづりの回数券。通常の2枚きっぷ同様、九州新幹線内では「みずほ」(新八代駅には停車しない)「さくら」「つばめ」の普通車自由席に乗車できる。普通車指定席を利用する場合は指定料金券が、グリーン車を利用する場合にはグリーン料金券が必要となる。「B&Sみやざき」は全車指定席のため、あらかじめ座席の指定を受ける必要がある。

早特往復きっぷ[編集]

出発日から起算して指定されている日数以前に往復分の列車を予約・購入することで、通常料金よりも割安な価格で購入できるタイプの企画乗車券である。当日まで購入可能な割引切符よりもさらに割安な価格で設定されていることが特徴である。

九州新幹線では以下の早特往復きっぷを販売している。

B&Sみやざき早特往復きっぷ
九州新幹線と高速バス「B&Sみやざき号」を乗り継いで利用できる早期購入割引切符。発売期間は帰りの乗車日の1か月前から出発日の3日前まで。
博多駅 - 新八代駅間は九州新幹線、新八代駅前 - 宮崎駅間は高速バス利用となる。
大阪/神戸早特往復きっぷ
2013年7月1日より販売開始された、九州・山陽新幹線直通列車用の早期購入割引切符。発売期間は帰りの乗車日の1か月前から出発日の7日前まで。設定区間を直通運転する「みずほ」または「さくら」の普通車指定席が往復とも確保できた場合に販売される。
購入時に指定した列車の指定席以外は乗車できない。
「のぞみ&九州新幹線」早特往復きっぷ
東海道・山陽新幹線「のぞみ」と九州新幹線「みずほ」「さくら」「つばめ」を乗り継ぐタイプの早期購入割引切符。JR九州・JR西日本(京都発のみ)・JR東海が販売し、従来販売されていた「九州往復割引きっぷ」を置き換えるものとなっている。
東京都区内・名古屋市内 - 熊本・鹿児島中央間[広報 17][広報 18]と、京都 - 久留米/新大牟田/熊本/新水俣/鹿児島中央間[広報 19][広報 18]に設定されており(東京往復は九州発のみ設定)、往復とも「のぞみ」普通車指定席と「みずほ」「さくら」「つばめ」普通車指定席を博多駅で乗り継ぐ場合に料金を割り引く。発売期間は出発日の21日前から7日前までで、往復すべての座席が確保できた条件で発行されるが、復路に限り後続列車の普通車自由席が利用できる。ただし、「のぞみ」と「みずほ」「さくら」「つばめ」の乗継駅は博多駅のみの指定となっており、復路の自由席利用時も含めて「みずほ」「さくら」の新大阪駅 - 博多駅間には乗車できない。

インターネット予約割引[編集]

九州新幹線では「JR九州インターネット列車予約」での予約・購入限定の割引きっぷが発売されている。2枚きっぷや往復割引切符とは異なり、片道1名分からでも割安な価格で購入できることが特徴である。

山陽新幹線と九州新幹線を跨ぐ割引きっぷはJR西日本のインターネット予約サービス「e5489」でも予約・購入することができる。

インターネット予約専用の割引サービスとして以下のものがある。

九州新幹線用[編集]

JR九州管内の新幹線・特急列車を「JR九州インターネット列車予約」(以下、インターネットという)を利用して予約した場合に、列車・設備・座席数を限定しての適用となる。下記のきっぷは、小倉駅 - 博多駅間も含め、山陽新幹線には乗車できず、利用区間に同区間が含まれる場合は主に並行する鹿児島本線の特急列車などが対象列車となっている。

九州ネット切符
インターネットで予約した場合に適用される切符で当日まで購入可能。普通車自由席用、普通車指定席用、グリーン車用を選択できる。通常の割引後の販売価格はおおむね「九州新幹線2枚きっぷ」の片道分と同等で、1枚から購入可能。
九州ネット早特3
インターネットを利用して、乗車日の3日以前に指定席を予約した場合に「九州ネットきっぷ」よりもさらに割安な料金で購入できるタイプの割引きっぷ。2011年3月5日より「九州ネット早特」として発売開始、後述の「九州ネット早特7」発売開始に伴い、現名称に変更。
グリーン車指定席と普通車指定席の設定がある。「九州ネットきっぷ」よりも設定区間は少なくなっている。発券前は何度でも列車や座席の変更ができる(発券後は1回のみ)。
九州ネット早特7
インターネットを利用して、乗車日の7日以前に指定席を予約した場合に「九州ネット早特3」よりもさらに割安な料金で購入できるタイプの割引きっぷ。普通車指定席のみ設定がある。
「九州ネット早特3」と異なり列車や座席の変更は不可で、予約した列車に乗り遅れて別の列車に乗車する場合などは乗車券部分のみが有効となる(この場合、改めて別途特急券の購入が必要)。
つばめ限定! 九州ネット早特7
対象列車を博多駅 - 熊本駅間の「つばめ」に限定した上で、割引率を通常の「九州ネット早特7」よりさらに高くしたもの。「みずほ」「さくら」及び在来線には乗車できない[広報 20]
列車限定! 九州ネット早特14
インターネットを利用して、乗車日の14日以前に指定席を予約した場合に「九州ネット早特7」よりもさらに割安な料金で購入できるタイプの割引きっぷ。対象列車が限定されており、対象列車の普通車指定席に空席があった場合のみ販売される。また、年末年始や夏休み期間などの繁忙期に発着する列車は利用できない。設定区間は博多駅 - 鹿児島中央駅間のみ。
B&Sみやざきネットきっぷ
インターネットで高速バス「B&Sみやざき号」を予約した場合に適用される切符で当日まで購入可能。九州新幹線の普通車指定席と「B&Sみやざき」を利用できる。九州新幹線のグリーン車を利用する場合には別途グリーン料金が必要となる。博多駅 - 新八代駅間は九州新幹線、新八代駅前 - 宮崎駅間は高速バス利用となる。
B&Sみやざきネット早得7
インターネットで高速バス「B&Sみやざき号」を乗車日の7日以前に予約した場合に「B&Sみやざきネットきっぷ」よりもさらに割安な料金で購入できるタイプの割引きっぷ。

九州新幹線・山陽新幹線直通用[編集]

九州新幹線と山陽新幹線を含むJR九州、JR西日本、およびJR四国の特急列車の相互利用で、JR九州の「JR九州インターネット列車予約」、JR西日本の「(新)e5489」(以下、インターネットという)で予約した場合に適用される。

eきっぷ
九州・山陽新幹線に跨る区間をインターネットで予約した場合に適用される切符で当日まで購入可能。普通車自由席用、普通車指定席用、グリーン車用を選択できる。JR九州のクレジットカード「JQ CARD」、JR西日本の「J-WESTカード」の会員に限り購入できる。
e早特
インターネットを利用して、乗車日の3日前までに予約した場合、列車・設備・座席数限定で適用される早期購入割引切符。通常のeきっぷよりも割引率は高いが、自由席・指定席・グリーン席の利用に関わらず乗車列車の指定が必要となり、ほかの列車には自由席も含めて乗車できない。JR九州の「JQ CARD」、JR西日本の「J-WESTカード」の会員に限り購入できる。
スーパー早特きっぷ
インターネットを利用して、乗車日の14日前までに予約した場合、「eきっぷ」、「e早特」よりもさらに高い割引率で購入することができる。列車・設備・座席数限定で発売される。
「eきっぷ」などとは異なり、「JQ CARD」「J-WESTカード」の会員以外でも購入することができる。

過去の割引きっぷ[編集]

ビックリつばめ2枚きっぷ
博多駅 - 熊本駅で「つばめ」の普通車指定席に乗車できる2枚つづりの回数券。アミュプラザ博多などで利用できるお買い物利用券がセットになっていた。お買い物利用券は2011年6月の発売開始時は1500円分だったが、2013年4月利用分から1000円分に変更されていた[広報 21]。 2015年3月31日をもって発売を終了。

以下は九州新幹線の全線開業以前に発売されていた割引きっぷである。

新幹線定期乗車券[編集]

新幹線エクセルパス[編集]

九州新幹線用定期乗車券を、新幹線エクセルパスとして発売している。新幹線エクセルパスは「みずほ」「さくら」「つばめ」の普通車自由席に乗車可能で通勤用・通学用があり、期間は1・3・6か月の3種類。

定期券専用新幹線特急料金回数券[編集]

定期券専用新幹線特急料金回数券は、普通定期乗車券に組み合わせて九州新幹線の普通車自由席に乗車できる4枚つづりの新幹線特急料金回数券である。

博多駅、熊本駅、鹿児島中央駅を中心とした一部の区間に設定されており、該当する区間を含む普通定期乗車券にのみ組み合わせて利用できる。在来線の駅が併設されていない新大牟田駅、新玉名駅については大牟田駅玉名駅を含む定期乗車券とそれぞれ組み合わせることができる(博多駅 - 新鳥栖駅間は博多駅 - 鳥栖駅間の普通定期乗車券と組み合わせることはできない)。

また、定期券以外の乗車券、SUGOCA定期乗車券と組み合わせることはできない。

建設の経緯[編集]

1969年に策定された新全国総合開発計画(新全総)をもとに策定された新幹線整備計画では1979年に開業する予定であった[32]。整備案や計画には紆余曲折が続いたが(後述の「沿革」の節を参照)、1989年8月に第三紫尾山トンネルの着工から、1991年9月に八代駅 - 西鹿児島駅間の本格着工を経て、2004年3月13日に新八代駅 - 鹿児島中央駅間がフル規格により部分開業した。

博多駅からの延長ではなく、新八代駅 - 鹿児島中央駅間が先にフル規格新幹線で建設・部分開業した理由として以下のことが挙げられる。

  • 時間短縮効果が大きい[33][34]鹿児島本線の八代駅 - 鹿児島駅間は大半が単線で、線路が海岸線に沿って敷かれており線形が劣悪で、高速運転化には抜本的な改良が必要であった。一方、博多駅 - 八代駅間は線形が良く、787系による最高130km/h運転の効果を十分に発揮出来るため、速度向上の緊急度が低かった。
  • 鹿児島本線で需要の高い博多駅 - 熊本駅間に先に新幹線を作れば、採算性に疑問のある熊本駅以南の建設が行われるかどうか分からないと判断された[35]。これに関して元JR九州社長の石井幸孝は「そして何よりも鹿児島地区の新幹線建設への情熱は絶大で、もし博多側から着工になれば八代で建設が足踏みしてしまうのではないかという危機感が大きく、南側からの建設に対する働きかけが強かったのである」[36]、同・田中浩二は「地元鹿児島の誘致活動が極めて熱心だった」[33]と述べている。

全線開業までの動向[編集]

博多駅 - 新八代駅間は2001年4月から建設着工されており、当初2013年春の全線開業を計画していたが、予算配分・用地取得・工事の進捗率が予定より早く進んでいるため[22]開業予定が前倒しされ、2011年3月12日となった[広報 2]詳細は後述)。

2007年9月7日には博多駅 - 新八代駅間開業時には博多駅 - 熊本駅間で毎時4本、熊本駅 - 鹿児島中央駅間で毎時2本のダイヤ設定との計画を発表[37]。博多駅において新幹線ホームの増設工事が進められ、構造は1面2線の島式ホームで、うち1線は九州新幹線内折り返し列車専用とし、もう1線側を利用する同駅始発・終着の山陽新幹線列車との対面接続が考慮されている[38]

博多駅 - 新八代駅間のレール敷設工事は2007年10月31日に、福岡県大牟田市岩本から熊本県玉名市下津留までの約18kmの区間を皮切りに開始された[39]。工事は博多 - 新八代間を8工区に分けて実施された。工事開始から2年半が経過した2010年3月22日には熊本駅構内でレールの締結式が行われ、鹿児島中央から博多までの257kmの線路がつながった。

2011年3月新規開業区間の試験運転は2010年8月31日からN700系によって開始され[40][41][42]、同年10月23日には800系が初めて博多駅に入線した[43]

山陽新幹線との相互乗り入れについてJR九州と東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)との間で交渉が行われ、具体的に以下の技術面やサービス面などで様々な課題が出ていた。

  • 山陽新幹線の既存車両では、急勾配の多い九州新幹線内を走ることができない。また九州新幹線の既存車両では、速度面や車両数が劣るため山陽新幹線内での運行が不利である。
  • 自動列車制御装置 (ATC) の信号方式が山陽新幹線はアナログ、九州新幹線はデジタルと異なる。
  • 運行上の体制の整備。

これらの解消に向けて協議が継続されていたが、2007年10月にJR西日本とJR九州の間で、2011年春の全線開業に合わせ、新大阪駅 - 鹿児島中央間で直通運転を実施することで合意し、新大阪駅 - 熊本駅間を約3時間20分、新大阪駅 - 鹿児島中央駅間を約4時間で結ぶと発表した[広報 22][44]

全線開業時の運行車両については、N700系をベースとし、上記課題に対応した1編成8両の相互乗り入れ可能な車両をJR西日本と共同で開発し[広報 23]、2008年9月末にJR西日本製作の量産先行車(N700系7000番台)1本8両が落成した。

なお、新大阪駅以東の東海道新幹線東京駅方面への直通運転については、所要時間の面で航空機に対抗することが困難であることや、東海道新幹線の輸送力逼迫のため、JR東海区間では16両貫通編成以外の列車で営業運転を認めていない(詳細は「東海道新幹線#編成両数と座席数の統一」を参照)のに対して、九州新幹線内に16両編成が入線すると輸送力が過剰になり収益の向上が見込めないことなどを理由に見送られ[45]、代わりに博多駅東京駅のぞみと同じホームで接続するダイヤが組まれていて、名古屋京都などと九州新幹線沿線の間を移動する需要に対応している(運行ダイヤによっては必ずしも同一ホームで乗り換えできるという訳ではない)。

新八代駅 - 鹿児島中央駅間の開業時には、並行在来線である鹿児島本線のうち、八代駅 - 川内駅間が肥薩おれんじ鉄道線として経営分離されたが、博多駅 - 新八代駅 - 八代駅間と川内駅 - 鹿児島中央駅間については都市圏輸送体系上、並行在来線の経営分離はされず、これまで通りJR九州が経営を担当している[46][47]

沿革[編集]

開業前 国鉄時代[編集]

  • 1964年昭和39年)
  • 1967年(昭和42年)7月:日本国有鉄道(国鉄)が全国新幹線網構想を発表。
  • 1969年(昭和44年)5月30日新全国総合開発計画決定。
  • 1970年(昭和45年)
    • 4月:九州新幹線建設促進期成会発足[48]
    • 5月18日全国新幹線鉄道整備法公布[広報 24]
    • 6月:建設を開始すべき新幹線として、北海道、東北(盛岡以北)、北陸、九州の4線を基本計画に組み入れると決定。運輸大臣が調査を指示[48]
  • 1972年(昭和47年)
  • 1973年(昭和48年)
    • 10月17日:第60回鉄道建設審議会において、運輸大臣から諮問された東北、北海道、北陸、九州および長崎新幹線の建設に関する整備計画を定めることの諮問について、適当と認める答申を行う。
    • 11月13日:九州新幹線鹿児島ルート 福岡市 - 鹿児島市間を含む整備新幹線5線の整備計画決定および建設指示[広報 24][広報 25][広報 26][広報 27][広報 28][広報 29][48]
  • 1975年(昭和50年)3月10日:山陽新幹線 岡山 - 博多間開業[48]
  • 1978年(昭和53年)
    • 10月3日:新幹線整備関係閣僚会議において、九州新幹線鹿児島ルート 福岡市 - 鹿児島市間を含む整備新幹線5線の具体的実施計画決定。
    • 12月:鹿児島県九州新幹線建設促進協力会発足[48]
  • 1979年(昭和54年)1月23日:新幹線整備関係閣僚会議において、九州新幹線鹿児島ルート 福岡市 - 鹿児島市間を含む整備新幹線5線に関する環境影響評価指針が了承される。
  • 1981年(昭和56年)6月12日:全国新幹線鉄道整備法改正。建設費の地元負担が可能とされる。
  • 1982年(昭和57年)9月24日:臨時行政調査会第三次答申にて、財政赤字の拡大、国鉄の経営悪化を理由に整備新幹線の建設計画凍結を閣議決定[広報 26][広報 28][48]
  • 1983年(昭和58年)8月:国鉄再建監理委員会が「整備新幹線計画は当面見合わせる」と提言[48]
  • 1984年(昭和59年)
    • 3月27日:九州新幹線鹿児島ルートの駅、ルート案を公表[広報 25][48]
    • 12月:1985年(昭和60年)度予算編成で、「鹿児島ルートについて、建設に向けてできる限り早期に着工準備作業所を設置し、着工のための準備を進める」ことを決定[48]
  • 1985年(昭和60年)0
    • 1月:鹿児島および熊本着工準備作業所を開設[48]
    • 12月:1986年(昭和61年)度予算編成で、鹿児島ルートについて「1986年(昭和61年)8月をメドに認可申請を行う」ことで政府・与党合意[48]
  • 1986年(昭和61年)
    • 8月29日:国鉄が鹿児島ルート 博多 - 西鹿児島間の認可申請提出[広報 25][48]
    • 10月13日:鹿児島ルート 博多 - 西鹿児島間の環境影響評価手続き[広報 25]
    • 12月:西鹿児島駅などの周辺環境整備事業について、財源問題等検討委から許可が降りる。西鹿児島駅、熊本駅で周辺環境整備事業の起工式。「着工凍結を決めた1982年(昭和57年)9月の閣議決定を変更し、逐次着工する」ことで政府・与党合意。東北(盛岡以北)、北陸、九州・鹿児島ルートに150億円の着工予算[48]
  • 1987年(昭和62年)1月30日:整備新幹線建設計画凍結の一部解除を閣議決定[広報 26][48]

開業前 JR九州発足後[編集]

  • 1987年(昭和62年)
  • 1988年(昭和63年)
    • 5月:着工優先順位専門検討委が財政難を理由に「部分着工」を打ち出す[48]
    • 6月:財源の負担割合を「国6割、地元1割、JR・民間3割」とする案(三塚私案)が出される。鹿児島ルートに「在来高速線」構想が浮上[48]
    • 8月11日運輸省が整備新幹線の暫定整備案を発表。政府・与党申し合わせにより、整備新幹線着工優先順位決定。九州新幹線鹿児島ルートのうち、八代 - 西鹿児島間がスーパー特急方式で先行整備されることが決定[広報 24][広報 28][48]
  • 1989年平成元年)
  • 1990年(平成2年)
    • 4月1日:西日本旅客鉄道(JR西日本)博多南線 博多 - 博多南間開業。
    • 12月24日:政府・与党申し合わせで、暫定整備計画による九州新幹線 八代 - 西鹿児島間の1991年(平成3年)度からの本格着工を決定。着工費を40億円とする。また、並行在来線をJRから経営分離することを明記[広報 28][48]
  • 1991年(平成3年)
  • 1992年(平成4年)
    • 6月19日運輸政策審議会が、「五大都市(東京、大阪、名古屋、札幌、および福岡)から地方主要都市までを概ね3時間程度で結ぶ」とする答申を発表。
    • 7月:西鹿児島駅建設開始[48]
    • 10月:西鹿児島駅部建設着手[広報 28]
  • 1994年(平成6年)
  • 1996年(平成8年)
    • 6月:西鹿児島駅部完成。新幹線鉄道駅緊急整備事業による駐車場、駐輪場、公共スペース、貸店舗などを整備[広報 28][48]
    • 12月25日:政府・与党合意により、整備新幹線の新財源スキーム、新規着工区間など決定。上下分離方式により、JRは受益の範囲を限度とした貸付料を支払うこととされる。船小屋信号場 - 新八代間がスーパー特急方式による着工の候補に挙がる[広報 30][広報 28]
  • 1997年(平成9年)
    • 5月:全国新幹線鉄道整備法改正(財源スキームの見直し)。
    • 10月1日:鉄道整備基金が船舶整備公団と統合し、運輸施設整備事業団設立。
  • 1998年(平成10年)
    • 1月21日:政府・与党が整備新幹線検討委員会の検討結果を公表。従来の整備計画として、九州新幹線鹿児島ルート 博多 - 西鹿児島間の維持を確認。船小屋信号場 - 新八代間をスーパー特急方式で優先的に認可・着工することを決定[広報 30][広報 28][48]
    • 2月3日:九州新幹線鹿児島ルート 船小屋信号場 - 八代間の暫定整備計画決定[広報 29]
    • 3月12日:九州新幹線鹿児島ルート 船小屋信号場 - 新八代間、スーパー特急方式で工事実施計画認可、着工[広報 24][広報 25][広報 26][広報 27][広報 28][広報 29][48]
    • 3月21日:九州新幹線鹿児島ルート 船小屋信号場 - 新八代間の建設工事起工式[広報 27]
    • 10月13日:九州新幹線鹿児島ルート 八代 - 西鹿児島間の工事実施計画変更認可。同区間の起点が新八代駅に変更される[広報 1]。船小屋信号場 - 新八代間の工事実施計画変更認可[広報 28][広報 29]
  • 1999年(平成11年)
    • 5月12日:九州新幹線鹿児島ルート 船小屋信号場 - 新八代間の工事実施計画変更認可[広報 29]
    • 9月:自自連立政権与党が建設見直し案。博多 - 船小屋信号場間のフル規格での早期着工、博多 - 西鹿児島間の今後おおむね10年間でフル規格での整備、新八代 - 西鹿児島間は2003年(平成15年)末にスーパー特急方式で暫定開業、西九州(長崎)ルートとの分岐駅として新鳥栖駅の設置、フリーゲージトレインの活用も検討することなどが盛り込まれる。
    • 11月:新八代 - 西鹿児島間で最長の第三紫尾山トンネル(全長10.01km)貫通。
    • 12月:自・自・公整備新幹線建設促進協議会を開催し、「整備新幹線の取り扱いについて」与党合意。新八代 - 西鹿児島間をフル規格に計画変更[広報 28][48]
  • 2000年(平成12年)12月18日:政府・与党申し合わせにより、博多 - 船小屋信号場間の着工、全線のフル規格化、九州新幹線鹿児島ルートおよび西九州(長崎)ルートの交通結節点として、新鳥栖駅の整備を行うことを決定。新八代 - 西鹿児島間は2003年(平成15年)末、博多 - 新八代間は今後概ね12年後の完成を目指すものとされ、今回着工しない区間は新八代 - 西鹿児島間および東北新幹線 盛岡 - 八戸間の完成後に見直しとなった[広報 30][広報 28]
  • 2001年(平成13年)
  • 2002年(平成14年)
    • 2月:出水駅の駅舎工事着手[広報 28][48]
    • 3月:鹿児島県内の全31トンネル貫通[48]
    • 6月:川内駅の駅舎工事着手[広報 28][48]
    • 8月:西鹿児島駅・新水俣駅の駅舎工事着手[広報 28]
    • 9月:西鹿児島駅から「鹿児島中央駅」への改称決定[48]
    • 10月:新八代駅の駅舎工事着手[広報 28]
    • 12月:九州新幹線の内装デザイン公表[48]
  • 2003年(平成15年)
    • 2月25日:新八代 - 西鹿児島間先行開業時に、西鹿児島駅を鹿児島中央駅に改称することが決定。
    • 3月2日:鹿児島ルート新八代 - 鹿児島中央間のレール敷設工事完了。出水駅構内にて締結式を開催[広報 28][48][49]
    • 3月20日:新八代 - 鹿児島中央間で運行される列車の愛称を「つばめ」と発表。同時に従来の特急「つばめ」は博多 - 新八代間に運転区間を短縮の上、愛称を「リレーつばめ」とすることも発表。
    • 8月30日:新八代 - 鹿児島中央間の使用車両である800系の第一編成が落成[48]
    • 8月:同区間の開業日が決定[48]
    • 9月22日:新八代 - 鹿児島中央間の試運転開始[48]
    • 10月1日:運輸施設整備事業団と日本鉄道建設公団が統合し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構設立。
    • 12月1日:九州新幹線鹿児島ルートの施設管理を、鉄道建設・運輸施設整備支援機構からJR九州に引き継ぎ。JR九州新幹線鉄道事業部発足。川内新幹線車両センター内総合事務所に本所を設置。JR九州における試験走行、訓練運転開始[広報 28]
    • 12月9日:JR九州が同年10月30日に申請した鹿児島ルートの新八代 - 鹿児島中央間の開業に伴う特別急行料金の上限設定を、国土交通省が認可[広報 28][広報 31]
    • 12月:JR九州がダイヤ・割引料金(2枚きっぷ)を発表[広報 28][48]
    • 12月17日:同日付の与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム取りまとめを踏まえ、整備新幹線の取扱いについて、政府・与党合意[広報 28][広報 32]
  • 2004年(平成16年)
    • 2月2日 - 10日:国土交通省による完成検査[広報 28]
    • 2月10日 - 14日:国土交通省による保安監査[広報 28]
    • 2月:国土交通省、JR九州に完成検査合格書の交付[広報 28]
    • 2月25日 - 3月8日:九州新幹線「つばめ」試乗会開催[広報 28]
    • 3月12日:鉄道建設・運輸施設整備支援機構から申請されていた鹿児島ルートの新八代 - 鹿児島中央間の貸付料について、国土交通省が同日付で年額20.4億円として認可[広報 33]

部分開業後[編集]

  • 2004年(平成16年)
    • 3月13日:九州新幹線鹿児島ルート 新八代 - 鹿児島中央間 (126.8km) がフル規格で開業[広報 25][広報 26][広報 27][広報 28][広報 29][48]新八代駅新水俣駅が新設され、西鹿児島駅は鹿児島中央駅に改称。並行在来線である鹿児島本線八代駅 - 川内駅間が、JR九州から肥薩おれんじ鉄道に移管。ダイヤ改正の概要は以下の通り。
      1. 800系の営業運転開始。
      2. 「つばめ」の運転を開始。
      3. 特急「つばめ」の運転区間を博多 - 新八代間に短縮し、列車名を「リレーつばめ」に改称。全列車が新八代駅で「つばめ」と同一ホームで接続。
    • 4月:九州新幹線、開業1カ月で30万3000人乗車[48]
    • 6月24日:九州新幹線鹿児島ルート 博多 - 新八代間の工事実施計画追加認可(博多駅ホームの1面2線増設、船小屋駅(仮称)の設置)[広報 26][広報 28][広報 29][広報 34]
    • 7月:九州新幹線「つばめ」乗客100万人突破[48]
    • 8月31日:整備新幹線の取扱いについての政府・与党中間申し合わせ[広報 35]
    • 12月16日:政府・与党検討委員会の検討結果(政府・与党申し合わせ)により、新たな財源スキーム(既設新幹線譲渡収入の前倒し活用など)および着工区間が決定。九州新幹線鹿児島ルート 博多 - 新八代間については「2010年(平成22年)度末の完成を目指す」とされた[広報 30][広報 26][広報 28]
  • 2005年(平成17年)
    • 3月:九州新幹線の利用客、1年で322万人[48]
    • 3月25日:全国新幹線鉄道整備法施行令の一部を改正する政令案を閣議決定[広報 36]
    • 9月:開業556日目にして、九州新幹線「つばめ」乗客500万人突破[48]
    • 12月26日:九州新幹線鹿児島ルート 博多 - 新八代間の工事実施計画(その2)を追加認可。工事完了予定時期を2010年(平成22年)度末に変更し、完成に向けて駅形態等を認可[広報 26][広報 28][広報 29][広報 37]
  • 2006年(平成18年)2月13日:博多 - 新八代間線路建設工事およびこれに伴うJR九州鹿児島本線仮線工事並びに県道、市道及び農業用用水路付替工事等について、国土交通大臣より土地収用法に基づく事業認定が公示される[告示 1]
  • 2007年(平成19年)
    • 3月:開業1,101日目、九州新幹線「つばめ」の乗客数が1,000万人を突破[48]
    • 5月1日:博多 - 新八代間線路建設工事及びこれに伴う附帯工事並びに市道、町道、水路、農業用道路及び農業用水路付替工事について国土交通大臣より土地収用法に基づく事業認定が公示される[告示 2]
    • 10月17日:JR西日本・JR九州が、鹿児島ルート全線開業と同時に、山陽新幹線と九州新幹線鹿児島ルートの相互直通運転を実施すると発表[広報 26][広報 28]
    • 12月1日筑紫トンネル貫通式[広報 26]
  • 2008年(平成20年)
    • 10月:山陽新幹線と九州新幹線鹿児島ルートの相互直通運転に使用する新型車両(N700系)の試運転を新山口 - 博多間で開始[広報 28]
    • 11月:九州新幹線鹿児島中央駅ビル(仮称)増築工事着工[広報 28]
  • 2009年(平成21年)
    • 2月26日:山陽新幹線と直通する列車の愛称を「さくら」と発表[広報 28][48]
    • 8月4日:九州新幹線(鹿児島ルート) 博多 - 新八代間の工事実施計画追加認可(工事予算が8,920億円に増額)[広報 26][広報 28][広報 29][広報 38]
    • 12月:整備新幹線問題検討会議等を設置。民間資金の活用、並行在来線維持のためのJRの協力・支援が必要とし、費用対効果、沿線自治体の取組等による着工の順位付けを検討するなどの「整備新幹線の整備に関する基本方針」および「当面の整備新幹線の整備方針」が決定。
  • 2010年(平成22年)
    • 1月26日:JR九州が開業目標(2011年(平成23年)3月)と博多 - 新八代間に新設する駅の名称を決定[広報 28][広報 39][50]
    • 2月19日:新幹線さが未来づくり協議会設立。
    • 3月:「つばめ」の利用者数が2,000万人突破。九州新幹線開業2,198日目。
    • 3月22日:九州新幹線鹿児島ルート 博多 - 新八代間のレール敷設工事が完了。熊本駅構内で締結式が開催され、東海道・山陽新幹線を含めた東京駅 - 鹿児島中央駅間がレールで結ばれる[広報 26][広報 28][51]
    • 4月1日JR九州新幹線部発足。
    • 8月25日:新大阪 - 鹿児島中央間の最速達列車の愛称を「みずほ」と発表。
    • 8月31日:博多 - 新八代間の試運転開始[広報 26][42]
    • 9月:JR西日本およびJR九州が全線開業日を発表[広報 28][48]
    • 10月:「さくら」用のN700系、鹿児島県で初公開。最速列車の名称「みずほ」、新大阪 - 鹿児島中央間の所要時間が3時間45分とJR九州が発表[48]
    • 11月22日熊本総合車両所開所。川内新幹線車両センターの機能を同所に全面移転。
    • 12月17日:JR九州が新幹線を含む2011年(平成23年)春のダイヤ改正を発表[広報 28][48]
    • 12月22日:JR九州が同年12月10日に申請した鹿児島ルートの博多 - 新八代間の開業に伴う特別急行料金の上限設定を、国土交通省が認可[広報 40]
  • 2011年(平成23年)
    • 2月4日:国土交通省が、鹿児島ルートの博多 - 新八代間の鉄道施設の完成検査合格書をJR九州に交付[広報 41]
    • 2月12日:新大阪駅 - 熊本駅間にて試乗列車による「山陽・九州新幹線直通試乗会」を実施[52]
    • 3月9日:鉄道建設・運輸施設整備支援機構から申請されていた、鹿児島ルートの博多 - 新八代間の貸付料について、国土交通省が同日付で年額81.6億円として認可[広報 42]

全線開業後[編集]

  • 2011年(平成23年)
  • 2012年(平成24年)
    • 3月13日:午後4時頃、久留米駅 - 筑後船小屋駅間において、架線へのビニールの付着を発端とする大規模輸送障害が発生。対応の不手際や停電などによりダイヤは全線で終日乱れ、上下計48本が運休、28本が最大およそ8時間遅れ、影響人員は9000人に上った(後述)。
    • 3月17日:ダイヤ改正により次のように変更[広報 10]
      1. N700系7000番台(JR西日本)の増備完了に伴い、新大阪 - 鹿児島中央間の直通列車を増発。「みずほ」1往復、「さくら」7往復、計8往復。
      2. 山陽新幹線直通列車の増発に伴い、博多 - 鹿児島中央間の「さくら」を6往復削減。
      3. 新八代駅付近の徐行区間を解除。所要時間を短縮、新大阪 - 鹿児島中央間が最速3時間42分、博多 - 鹿児島中央間が最速1時間17分。
      4. 「つばめ」のうち、上り1本が山陽新幹線新下関駅まで、上り1本が小倉駅まで乗り入れ開始。
    • 11月12日:午前9時頃、新玉名 - 熊本間において、沿線の在来線立体交差化事業の工事で使用していたクレーン車が転倒し、ブームが新幹線下り線の架線に接触する輸送障害が発生。この影響で新玉名 - 新八代間の下り線が停電状態となり、博多 - 新水俣間の上下線で運転を見合わせた。その後クレーンのブームの撤去作業を行い、午後3時頃に運転を再開した。この間、上下計54本が運休、16本が遅れ、12800人に影響が出た(後述)。
  • 2013年(平成25年)
    • 3月16日:ダイヤ改正により次のように変更。
      1. 「さくら」の新下関駅発鹿児島中央駅行き・鹿児島中央駅発博多駅行き各1本を広島駅発着に変更、定期列車としては初めて広島駅発着の「さくら」が設定される。
      2. 「つばめ」の山陽新幹線への乗り入れが廃止される。
  • 2016年(平成28年)
    • 4月14日熊本地震が発生。熊本駅から熊本総合車両所へ回送中の列車が全車両脱線したほか[54]、高架橋の亀裂などの被害が見つかり全線で運行見合わせ[広報 43]
    • 4月20日:新水俣駅 - 鹿児島中央駅間で運行本数を減らして運行再開[広報 44][55]
    • 4月23日:正午頃より博多駅 - 熊本駅間で運行本数を減らして運行再開[56][広報 45][57]
    • 4月27日:全線で運行再開。ただし、一部区間を徐行運転する影響などにより、当面は通常より本数を減らした臨時ダイヤで運行[58][広報 46]
    • 4月28日:山陽新幹線との直通運転を再開[59]
    • 7月4日:通常本数での運行に戻る。ただし、熊本駅 - 新八代駅間の一部区間では引き続き徐行運転を実施[広報 47]
  • 2017年(平成29年)3月4日:熊本地震の影響による徐行運転(熊本駅 - 新八代駅間の一部)を解除し、所定の速度での運転を再開[広報 48]

付記[編集]

広報関係[編集]

キャッチフレーズ[編集]

  • つばめ、翔ぶ 2004年3月 - 2005年2月
  • つばめで、それッ! 2005年3月 - 2006年2月
  • あした、つばめと。 2006年3月 - 2006年12月
  • 鹿児島スイッチ福岡スイッチ 2007年1月 - 2009年1月
  • つばめ。旅する新幹線。 2009年2月 - 2010年9月
  • 新九州起動 2010年10月 - 2011年2月
    • 2010年8 - 9月にかけ「起動」のフレーズと電源スイッチのイラストのみが記されたポスター、吊り広告が掲げられていた。
  • 祝! 九州〜九州が、ひとつになる。 2011年3月 - 2011年5月
  • 関西! 直結! 新幹線! 2011年3月 -
    • 山陽・九州新幹線直通運転開始に当たってのJR西日本との共同キャッチフレーズ。JR西日本側では「九州! 直結! 新幹線! 」としている。また鹿児島県の関西地区向けキャンペーンにも「本物。鹿児島県」のフレーズとともに使用。
  • 新しいところへ行こう 2011年6月 -
    • 「開業百日目」より使用のJR九州のキャッチフレーズ。
  • 新幹線で、九州へ。 2011年6月 -
    • JR西日本のキャッチフレーズ。「つなげよう、日本。」(東北新幹線復旧PRのJRグループ共同フレーズ)、「がんばろう日本!」(観光庁の国内旅行振興キャンペーンコピー)、「極情の旅」(2011年秋季熊本・宮崎・鹿児島デスティネーションキャンペーンコピー)などと共に提示。帰省シーズンには「新幹線で、帰ろう。」となる。
  • ありがとう!直通1周年〜山陽・九州新幹線〜そして、これからも。 2012年1月 - 2012年3月
    • 公式ロゴタイプの「〜」部分はN700系の先頭車にあしらわれている「西日本と九州が手を結ぶライン」となり、マスコットキャラクターの「みずほっち」「さくらっこ」がライン上で並んで座っている。
  • 夢をかなえに、今日行こう。「ドリカム新幹線」 2015年3月 - 2016年3月[広報 49]
  • KAGOSHIMA by ROLA 2016年3月 - [広報 50][60]

イメージタレント[編集]

JR九州採用のイメージタレントとしては、部分開業後当初は、黒木瞳(福岡県出身)が登用された[広報 51]。その後、小西真奈美(鹿児島県出身)が2007年に担当している。以降、全線開業前後を含めてタレントの登用はなかったが、2015年にDREAMS COME TRUEが起用され、キャンペーンソングの楽曲も提供している(後述)[広報 49]。2016年度は「JR九州公式フォトグラファー」の肩書きでローラが起用された[広報 50]

また、沿線各自治体のうち、熊本県では同県出身で以前より「熊本県宣伝部長」を務めているスザンヌ[61]が、久留米市では新たに「久留米ふるさと特別大使」に委嘱された同市出身の田中麗奈[広報 52]が、佐賀県では新鳥栖駅開業ミシヨネール「さがさくらジェンヌ」に委嘱された同県出身の夢乃聖夏朝夏まなと(当時、宝塚歌劇団所属。夢乃聖夏は退団。)[62]が、全線開業に並行して自治体のPRを行っている。

イメージソング[編集]

全線開業のイメージソングとして、「春の行人」が発表された。中孝介元ちとせの二人ユニット「お中元」名義で、エピックレコードジャパンより2011年3月9日発売[63][注釈 10]

全線開業後5年目を迎えた2015年には、DREAMS COME TRUEによる「ドリカム新幹線」キャンペーンソングとして、「九州をどこまでも」が発表され、配信限定シングルとして同年4月8日にリリースされた[64]

CM[編集]

九州新幹線全線開業の2011年3月にあわせて、JR九州・JR西日本で複数のバージョンのCMが製作された。

JR西日本では「九州! 直結! 新幹線!」キャンペーンの一環として、熊本・鹿児島への観光キャンペーンCMを製作している。CMソングにはゆずの「彼方」(アルバム『2-NI-』に収録)を採用。東北地方太平洋沖地震東日本大震災)の関係で一旦放送が取りやめになったが、3月下旬から放送が再開された。

JR九州のCMで特筆されるのが、JR九州による全線開業記念イベント「祝! 九州縦断ウェーブ」によるCMである。2011年2月の開業前に鹿児島中央駅から博多駅に向けて走らせた特別列車に向かって沿線から手を振るなどのパフォーマンスの様子を撮影したもので、テレビでは九州内で数回しか放映されなかったにもかかわらず、YouTubeなどで公開されたCMの動画が大きな反響を呼んだ。そして、カンヌ国際広告祭(カンヌライオンズ)2011に出展され、アウトドア部門にて金賞、メディア部門にて銀賞、フィルム部門にて銅賞を受賞した。

JR九州では他にも、JACKSON 5の「I Want You Back」をBGMとして、「どうして立ち止まってるの?」「未来は明るいに決まってる」というキャッチコピーと共に九州の歴史を振り返る30秒・45秒バージョンのCMが放送された。

映画[編集]

映画『奇跡』(是枝裕和監督)は、鹿児島ルート全線開業を記念してJR九州とジェイアール東日本企画JR東日本系の広告会社)が企画して製作された。主演はまえだまえだの2人で、2011年6月に全国公開された[65][66]

ドクタートレイン[編集]

九州新幹線の列車において実施される急患搬送協力体制のこと[67]。体調が悪くなった客が横になれるように、N700系と800系新幹線車両に設置されている多目的室を活用し、対象は新生児など周産期の緊急治療が必要な患者であるとされる[68]

元々日本の患者の救急搬送体制には救急車ドクターヘリ等があるが、それらは数が少なく緊急時には利用することができなくなり、更にはヘリでは急激な気圧変化が懸念され、陸上の救急車搬送では振動や長い所要時間で患者に負担をかけることになる[注釈 11]という問題があった。そこで高度医療を担う病院が多い拠点都市相互間を、短い所要時間で頻繁に結んでいる新幹線に注目し、医療界がJR側に協力を仰ぎ実現することになった。

JR九州は鹿児島ルート全線開業日より、ドクタートレイン輸送体制を提供すると発表した。N700系・800系の多目的室を利用する[69]

さらに、2010年12月30日付の読売新聞朝刊1面(西部本社版)によると、九州・山陽新幹線列車では九州各県から近畿地方の病院へ転院が必要な寝たきり患者を想定して、患者を運ぶ計画も出てきた。JR九州とJR西日本が協議した結果、「車内で手術はしない」との条件で合意した。

救急医療活動において九州新幹線を活用した例として、以下のような事例がある。

  • 2010年1月13日、出水市内の産婦人科医院から、鹿児島市立病院に新生児科医師派遣要請があった。同院からスタッフを防災ヘリでピックアップして飛ばすことになったが、当日は悪天候の影響で(他に救助事案が入った場合に出動しなければならないため)、出水での長時間待機は不可能と判断された。更には救急車の出動も不可能であった。そのため当日運行されていた九州新幹線を利用して医師・看護師・器材を運び、出産後に防災ヘリが出動し新生児を市立病院に運ぶこととなった。医師らは11時19分の電車で鹿児島中央を出発して12時頃に出水に到着した。1時間後に到着した防災ヘリで鹿児島市立病院に戻り、新生児はNICUに無事収容された[70]

不具合・輸送障害事例[編集]

騒音問題
新八代駅 - 鹿児島中央駅間の試験走行実施時期から、新幹線が地下を走る鹿児島市武岡地区などでは、予想外の振動騒音が発生して住民から苦情が続出した[71]。JR九州では該当区間で2004年10月1日から減速運転を行い、鉄道建設・運輸施設整備支援機構による騒音軽減に向けた技術開発試験の一環として薩摩田上トンネル内の路盤改良などの工事に着手した[72]。騒音軽減の効果が確認できた、2011年3月12日より、同トンネル内での減速運転が解除された[73]
トンネルコンクリート片落下事故
2010年7月23日に九州新幹線運行開始以来初のコンクリート剥落事例が川内駅 - 鹿児島中央駅間の第三梅木トンネルで確認された[74][75]。内容は上り線の線路脇外側でトンネル入り口にある緩衝工内側のコンクリート片(縦約40cm、横約26cm、厚さ約3cm、重さ約3kg)が剥がれて落下しており、同日午前1時40分頃に点検中のJR九州作業員が発見したが、列車運行への支障はなかった[74][リンク切れ]
2012年6月20日には、川内駅 - 鹿児島中央駅間の塩鶴トンネルで100グラムのコンクリート片が落下しているのが発見された。未明に保線作業点検中の作業員が発見したが、列車運行への支障はなかった。[76]
架線支障による輸送障害
2012年3月13日午後4時ごろ、久留米駅 - 筑後船小屋間で、架線に農業用ビニールシートが引っ掛かっているのを、同区間走行中のさくら557号の運転士が見つけ緊急停止。上下線で運転見合わせとなった。約2時間後にビニールシートは撤去されたが、さくら557号は送電停止のために押した保護接地スイッチ (EGS)が溶着。停電状態で解除に手間取っている間に、車両の蓄電池の電圧低下で自力走行不能となり、後続列車を連結してようやく運転再開となった。この影響で乗客数人が体調不良を訴え、上下計45本が運休、28本が最大7時間51分遅れ、約9000人に影響が出た。EGSの溶着は、例えば山陽新幹線では数年に1回程度起きておりJR西日本では対策を定めているが[77]、JR九州は対処法をマニュアル化していなかった[78]
沿線工事のクレーン車転倒による輸送障害
2012年11月12日午前9時8分頃、新玉名駅 - 熊本駅間の熊本市中央区横手付近において、沿線の鹿児島本線連続立体交差化事業の工事を施工していた大型のクレーン車が、走行中に乗り上げた地面の下にある暗渠(埋設水路)の陥没によって転倒し、クレーンのブームが新幹線下り線の架線に接触した。この影響で新玉名駅 - 新八代駅間の下り線が停電状態となり、下り線は博多駅 - 新水俣駅間で運転見合わせ、程なくして上り線もクレーンのブーム撤去作業のため、同区間で運転を見合わせた。その後クレーンのブームの撤去作業を行い、午後3時15分に運転を再開した。この影響で、上下計54本が運休、16本が遅れ、12800人に影響が出た。運転見合わせの間、博多駅 - 八代駅間の在来線では振替の臨時特急列車が運行され、新八代駅 - 新水俣駅間ではバスによる代行輸送が行われた。クレーン車が転倒した原因について、当該工事を管理していたJR九州は陥没した暗渠に対して適切な防護処置を施していなかったためとしている[広報 53]。また、影響人員が多大だったことから、国土交通省九州運輸局は11月12日付で、JR九州に対して警告文書を発出した。
平成28年熊本地震による被害
2016年4月14日午後9時26分頃発生した平成28年熊本地震により、熊本駅から熊本総合車両所に向かっていた回送列車(800系6両編成)の全48車輪が脱線した[広報 43]。新幹線の脱線事故は4件目であるが、すべての車輪が線路から外れたのはこれが初めてであった[79]。脱線事故のほかにも震源に程近い新玉名駅 - 新八代駅間を中心として、高架橋の亀裂や防音壁の落下などの被害が100ヵ所以上で確認され、地震発生以降は全線で運転を見合わせた。4月18日午後からJR九州と応援のために派遣されたJR東海、JR西日本の作業員らを含む約50人態勢で脱線車両の撤去作業を開始した[80]。4月20日の始発から比較的被害の少なかった新水俣駅 - 鹿児島中央駅間で運転を再開[広報 44]、4月23日の正午頃からは博多駅 - 熊本駅間で運転を再開した[広報 45]。そして24日には熊本駅 - 熊本総合車両所間における脱線車両の撤去が完了し[81]、被害が大きかった構造物の応急処置も完了したとして、4月27日に熊本駅 - 新水俣駅間でも運転を再開し、約2週間ぶりに全線で運転を再開した[58]。さらに、4月28日からは山陽新幹線との直通運転も再開されている[59]。ただし、一部区間では徐行運転を行い所要時間が通常より長くなる、運行本数が通常の約9割になる、通常は鹿児島中央駅発着の一部列車が熊本駅発着になるなど、変則的なダイヤで運転された[広報 54][82]。このときの指定席特急券などの取り扱いについては、山陽新幹線との直通列車は通常通り指定券を発売していたが、九州新幹線内のみを走行する列車については、普通車は全車自由席とし、グリーン車(N700系のみ)は車内でのみグリーン券を発売するといった対応を行っていた。7月4日からは通常ダイヤの本数、運転区間に戻り、九州新幹線内のみを運行する列車の指定席券の販売も再開された。熊本駅 - 新八代駅間では、この後も一部区間で引き続き徐行運転を行い、鹿児島中央駅発着の便は所要時間が通常より数分延びた状態で運行していた[広報 47]。2017年3月4日から、地震により被害を受けた設備の補修や脱線防止ガードの敷設など復旧・地震対策作業が完了することに伴い、熊本駅 - 新八代駅間の一部で行われていた徐行運転を解除し、所定の速度での運転を再開した[広報 48]

路線形態詳細[編集]


脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 1998年3月に船小屋 - 新八代間がスーパー特急方式により認可、これにより1991年8月に認可されていた八代 - 西鹿児島間の工事実施計画が1998年10月に変更され、起点が新八代となった。[広報 1]
  2. ^ なお、鹿児島・熊本方面の在来線特急は九州新幹線(鹿児島ルート)の全線開業後、後者に置き換えられた。小倉・大分方面の在来線特急は従来より博多発であり、九州新幹線(鹿児島ルート)の全線開業後も本数はあまり変わっていない。長崎方面の在来線特急は増発された。
  3. ^ この時に鹿児島本線八代駅 - 鹿児島駅間のルートは、現在の肥薩線ルートから東シナ海沿岸部を通るルートに変更された。
  4. ^ 東海道・山陽新幹線におけるJR東海所属の車両でも同様。東海道・山陽・九州新幹線で始発・終着駅と途中駅ではなく、駅ごとにメロディが異なるのはJR九州所属の車両のみである。「いい日旅立ち・西へ」は、2015年3月14日から9月30日まで北陸新幹線W7系でも使用されていた(同年10月1日からは「北陸ロマン」を使用)。
  5. ^ 時間帯によっては必ずしも同一ホームで接続しているわけではない。
  6. ^ 当該列車は広島駅 - 博多駅間もしくは全区間が臨時列車に変更された。全区間が臨時列車に変更された列車は広島駅 - 博多駅間については設定日が少なくなっている。
  7. ^ 新八代駅 - 鹿児島中央駅間ノンストップの1往復(1号・18号)を除く。
  8. ^ 早朝・深夜運転の100号台は接続する「リレーつばめ」が熊本発着、同じく早朝・深夜運転の200号台は「リレーつばめ」と接続をしない区間運転列車である。
  9. ^ 例えば、小倉駅 - 久留米駅間(営業キロ118.7km)の通常期指定席特急料金は、2250円(山陽新幹線指定席100km以下)+1750円(九州新幹線指定席50km以下)=4000円でも、1730円(山陽新幹線自由席100km以下)+1230円(九州新幹線自由席50km以下)+520円=3480円でもなく、970円(小倉 - 博多間特定特急料金)+850円(博多 - 久留米間特定特急料金)+520円=2340円となる。ちなみにこれは、山陽新幹線および九州新幹線単独区間相当の自由席特急料金(100 - 150km間、共に2480円)よりも安い。
  10. ^ 作曲は大橋卓弥常田真太郎スキマスイッチ)、作詞は岡本定義 (COIL)。
  11. ^ 九州新幹線先行開業区間は高速道路網が貧弱な地域を走行するため(この点は南九州西回り自動車道を参照のこと)、この点は特に深刻である。

出典[編集]

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統計資料[編集]

参考文献[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]