新岩国駅

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新岩国駅
駅舎
駅舎
しんいわくに
Shin-Iwakuni
広島 (41.4km)
(47.1km) 徳山
所在地 山口県岩国市御庄1055-1
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 山陽新幹線
キロ程 383.0 km(新大阪起点)
東京から935.6km
電報略号 シイ
駅構造 高架駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度-
961人/日(降車客含まず)
-2016年-
開業年月日 1975年昭和50年)3月10日
乗換 清流新岩国駅錦川鉄道錦川清流線
備考 直営駅
みどりの窓口
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新岩国駅(しんいわくにえき)は、山口県岩国市御庄に所在する、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽新幹線である。事務管コードは▲800665[1]

概要[編集]

長大なトンネルに挟まれた岩国市西部・御庄地区の盆地の中に所在する[2]

当駅の北方を錦川国道2号線がほぼ西から東に向かって通っており、S字蛇行をしながら、当駅の約1 km広島方寄りのところで新幹線高架とほぼ直角に交差している。当駅自体はこの「錦川・国道2号線」と、残り3方はほぼ山に囲まれる格好となっている《山が囲む“残り3方”のうち東側のみ山麓を御庄川が流れている》[2][3][注 1]

当駅から徳山方すぐのところで錦川鉄道線(旧・国鉄岩日線)と立体交差、その交差地点すぐの所に清流新岩国(旧・御庄)駅が所在している[2]

歴史[編集]

沿革[編集]

岩国地区は、広島 - 徳山間のほぼ中央に位置しており、沿岸部では工業地帯を有していることから、駅設置の必要性が考えられていた[4]。山陽新幹線の建設に関するルート選定の際には、岩国駅に新幹線駅を併設する案と現在の新岩国駅を設置する案の2つが主に議論されたが、岩徳線西岩国駅に併設する案も存在した[4]

西岩国駅に併設する案はルート選定での問題から除外され、岩国駅に併設する案は、線路延長が3.5 km長くなることや工事費用が増加する点、市街地を通過するために用地買収が困難になることが予想される点、曲線半径2,500 mのカーブを挿入する必要性からの速度向上への妨げとなる点などが考えられた[5]。当駅新設の場合、乗降客が少なくなるという点が問題となったが、田畑が広がる広大な土地であることから用地買収が容易に行え、運行上必要な保守基地の設置が可能である点を考慮し、当駅設置が決定された[6]。この決定は、既存市街地の在来線駅に併設したために170 km/hの速度制限を強いられる徳山駅と対照的である(戦前の弾丸列車計画では、市街地の北方に「新徳山駅」を設けて急カーブを挿入しない計画だった)。

年表[編集]

駅構造[編集]

16両編成対応(ホーム長410m)の単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ高架駅である[7][8]

2番のりばと3番のりばの間に上下通過線を挟み、1・2番のりばが上り島式ホーム、3番のりばが下り単式ホームであるが、下り副本線を増設すれば2面4線化も可能な構造[8]。レールの錆取りのため、この1番のりばから発車する当駅始発の列車が朝に1本設定されている。本線から回送線が分岐し、さらに留置線2本と保守基地線に分岐する。

山陽新幹線内では最も早く自動改札機が導入されたが、列車案内は反転フラップ式案内表示機が当駅開業時から2007年(平成19年)まで使用されていた。

改札口は1か所のみで、出入口も西側のみ。徳山地域鉄道部管理の直営駅である。

新岩国駅プラットホーム
のりば 路線 方向 行先 備考
1・2 ■山陽新幹線 上り 広島新大阪方面 1番のりばは当駅始発のみ
3 下り 新山口博多方面

広島・新大阪方面の列車は原則として2番のりばから発車する。1番のりばは当駅始発の列車のみ使用するが、ダイヤ乱れ時に使用される場合がある。

新幹線ダイヤの変遷[編集]

  • 1975年(昭和50年)当時、『ひかり』は山陽新幹線内で『こだま』の役割も担っており、当初は当駅も毎時1往復停車していた。また、アメリカ軍基地(岩国飛行場)関係者の利用も多く見込まれていた。その後、山陽新幹線内で完結する『こだま』が設定され、1988年(昭和63年)3月ダイヤ改正から当駅停車の『ひかり』は1日2往復に削減され、1997年(平成9年)11月29日ダイヤ改正で当駅に停車するすべての『ひかり』を廃止し、それ以降後述の2013年3月ダイヤ改正まで1時間あたり日中1本、朝夕2本の『こだま』のみの停車となった。
  • 2013年(平成25年)3月16日ダイヤ改正より朝の下り1本、上り2本の『ひかりレールスター』が増停車し、同駅への『ひかり』停車は定期列車としては16年ぶりとなった。これにより山陽新幹線内で『こだま』しか停車しない駅は厚狭駅のみとなった。
  • 『ひかりレールスター』を除けば、従来どおり毎時1 - 2本の『こだま』のみの停車であるが、2001年の芸予地震の影響により、臨時で『のぞみ』が停車した。また、『みずほ』『さくら』については山陽新幹線内での運転開始以来、いずれも臨時列車を含めて停車していない。

利用状況[編集]

近年の1日平均乗車人員は以下の通り。山陽新幹線の駅では最も少ない。

乗車人員推移
年度 1日平均人数
1999 1,004
2000 991
2001 990
2002 970
2003 973
2004 978
2005 989
2006 975
2007 967
2008 956
2009 894
2010 911
2011 947
2012 947
2013 929
2014 920
2015 954
2016 961

駅周辺[編集]

駅のホームから望む東側の様子

前記と一部重複するが、当駅の北方を国道2号線が、東方を山口県道1号線とそのさらに東を山を貫く形で山陽自動車道が、西方を旧街道の山陽道西国街道)がそれぞれ通っており、このうち山陽道は南方で前出山口県道1号線と合流している。また当駅の駅前広場は山口県道114号線の起点になっている。[2][9][10]

日本三名橋の一つに数えられる「錦帯橋」までは、当駅からバスで約15分の距離にある[11]

バス路線[編集]

「新岩国駅」バス停(駅前広場内)[10]
いわくにバス[12][13]
21系統(新岩国駅 - 錦帯橋 - 裁判所 - 室の木 - 岩国駅)
22系統〔北河内駅 - 南河内駅入口(- 廿木) - 新岩国駅 - 錦帯橋 - 裁判所 - 浄水場 - 今津 - 岩国駅〕《毎日2往復》
※ 上記北河内駅に至るバス路線では、他に当バス停を経由しない便も2往復存在する[注 2]
23系統(大藤 - 六呂師口 - 柱野駅 - 新岩国駅 - 錦帯橋 - 西岩国駅 - 浄水場 - 今津 - 岩国駅)《毎日3往復》
24系統(北河内駅 - 二鹿体育館 - 上田公会堂 - 新岩国駅 - 錦帯橋 - 裁判所 - 今津 - 岩国駅)《祝日除く火・金曜日に1往復》[注 3]
防長交通(岩国駅前 - 錦帯橋 - 新岩国駅 - 保木 - 廿木 - 高森 - 久保駅前 - 徳山駅前)《毎日5往復》[21]

在来線駅「御庄(現・清流新岩国)」との関係[編集]

新岩国駅前から望む清流新岩国駅への連絡通路

前記の通り、当駅の徳山方に清流新岩国駅が置かれている。この「清流新岩国」駅は、旧国鉄JR西日本を経て第3セクター「錦川鉄道」に転換されてから2013年(平成25年)3月15日までは「御庄」と称され、当駅開業の14年以上前〔1960年(昭和35年)11月1日〕に国鉄岩日線「川西河山」間が開通したことに伴って開業している[2][3]

当駅から清流新岩国(旧・御庄)駅までは徒歩にして約7分の距離であるが[3][注 4]、旧国鉄(JR)時代には互いに別個の駅とされ、乗換駅として認知されることは無かった。このためか、列車ダイヤ面に於いて相互の乗り換えは基本的に考慮されていない[22][23]

新幹線駅と在来線駅が互いに近接していながら別々の駅とされた事例は、2016年(平成28年)3月26日に北海道新幹線が開業して新幹線「奥津軽いまべつ」駅と在来線津軽二股」駅(津軽線)が互いに近接関係にあることが知られるようになるまで、「当駅⇔旧・御庄駅」のケースが全国唯一のものだった[22]

旧国鉄・JR時代に当駅と旧・御庄駅が別個の駅として扱われたことについて、鉄道紀行作家の宮脇俊三は自著の中で「ひょっとすると、新幹線と正式に結びつけてしまったら岩日線を廃線にしにくくなるからではないか。岩日線など雨で流されてしまえ、と思っているかもしれない」との見解を示しているほか、カメラマンの西森聡も自著の中で、1975年に山陽新幹線博多延伸に伴って当駅が開業した時点で岩日線が既に赤字ローカル線となっていたことを踏まえ「消えゆく路線上にあった御庄駅を、改築したり、新たな連絡通路を設けたりして、乗換駅にすることは叶わなかっただろう」と漏らしている[24][22]

隣の駅[編集]

西日本旅客鉄道
■山陽新幹線
広島駅 - 新岩国駅 - 徳山駅

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 尤も「錦川国道2号線」の背後もまた山となっているため、当駅はほぼ四方を山に囲まれている、ともいうことが出来る[2]
  2. ^ この2往復は全て「北河内駅~錦帯橋」間運行の便(41・42系統)となっており、当バス停を経由する2往復は全て「北河内駅~岩国駅」間運行便となっている。なお、当駅から北東に徒歩二十数分のところに位置する「岩国インターバスターミナル」・「御庄橋」両バス停では、当バス停を経由しない2往復も含め、北河内駅まで運行されるバス便全4往復が発着する[10][14][15][16][17][18][19]
  3. ^ 岩国市過疎地域乗合バス・二鹿線。当バス停を境に「乗車のみ」または「降車のみ」に利用方を限定するクローズドドアシステムが導入されているほか、当バス停から北河内駅までの区間ではバス停以外の場所でも乗り降り可能なフリー乗降制も併せて導入されている[13][20]
  4. ^ 両駅間の移動には、新幹線高架脇に設けられた長さ約300 mの連絡通路を利用する[3]

出典[編集]

  1. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  2. ^ a b c d e f Google, Inc. Google Maps – 新岩国駅(山陽新幹線)とその周辺 (地図). Google, Incによる作成.. https://www.google.co.jp/maps/place/%E6%96%B0%E5%B2%A9%E5%9B%BD%E9%A7%85/@34.1646366,132.1472473,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x35453157d04c43fd:0x1afffe9fc2b83f74!8m2!3d34.1646322!4d132.149436?hl=ja 2018年1月14日閲覧。 
  3. ^ a b c d 各駅紹介~清流新岩国”. 錦川鉄道. 2018年1月14日閲覧。
  4. ^ a b 国鉄新幹線建設局 1977, p. 144.
  5. ^ 国鉄新幹線建設局 1977, p. 144-145.
  6. ^ 国鉄新幹線建設局 1977, p. 145.
  7. ^ 国鉄新幹線建設局 1977, p. 405.
  8. ^ a b 国鉄新幹線建設局 1977, p. 407.
  9. ^ 新岩国駅(山陽新幹線)とその周辺”. goo地図. 2018年1月14日閲覧。
  10. ^ a b c 新岩国駅(山陽新幹線)とその周辺”. Mapion. 2018年1月14日閲覧。
  11. ^ アクセス情報(錦帯橋)”. 岩国 四季の旅. 岩国市観光協会. 2018年1月14日閲覧。
  12. ^ 【平日用】発車予定時刻表~新岩国駅 (PDF)”. いわくにバス (2017年10月1日). 2018年1月14日閲覧。 “→土日祝用時刻表 (PDF)
  13. ^ a b 北河内駅~伊房~新岩国駅~錦帯橋~岩国駅 時刻表 (PDF)”. いわくにバス (2017年3月4日). 2018年1月14日閲覧。
  14. ^ 新岩国駅から「岩国インターバスターミナル」停留所(新岩国駅・北河内駅方面)まで《ルート検索》”. goo地図. 2018年1月14日閲覧。
  15. ^ 新岩国駅から「岩国インターバスターミナル」停留所(錦帯橋・岩国駅方面)まで《ルート検索》”. goo地図. 2018年1月14日閲覧。
  16. ^ 新岩国駅から「御庄橋」停留所(北河内駅方面)まで《ルート検索》”. goo地図. 2018年1月14日閲覧。
  17. ^ 新岩国駅から「御庄橋」停留所(錦帯橋・岩国駅方面)まで《ルート検索》”. goo地図. 2018年1月14日閲覧。
  18. ^ 【平日用】発車予定時刻表~岩国インターBT (PDF)”. いわくにバス (2017年10月1日). 2018年1月14日閲覧。 “→土日祝用時刻表 (PDF)
  19. ^ 【平日用】発車予定時刻表~御庄橋 (PDF)”. いわくにバス (2017年10月1日). 2018年1月14日閲覧。 “→土日祝用時刻表 (PDF)
  20. ^ 岩国市過疎地域乗合バス”. いわくにバス. 2018年1月14日閲覧。
  21. ^ 時刻表「徳山駅前 - 高森・岩国駅前」”. 防長交通 (2017年10月1日). 2018年1月14日閲覧。 “『防長バス時刻表(周南地域版)』の22頁目に掲載”
  22. ^ a b c 西森聡 「7 実は”孤独”な乗換駅」『そうだったのか、乗りかえ駅』 交通新聞社〈交通新聞社新書〉、2016年2月24日全国書誌番号:22711272ISBN 978-4-330-63916-1。「『新幹線駅には単独駅が実は13駅もある〈新幹線と乗りかえ駅2〉』より」
  23. ^ 梅原淳 『いまこそ楽しみたい新幹線の旅 夢の超特急誕生から50年:歴代の全車種・全駅・車両基地の詳細データ掲載!』 PHP研究所2014年9月、83頁。全国書誌番号:22463499ISBN 978-4-569-82013-2
  24. ^ 宮脇俊三 『時刻表2万キロ』 角川文庫1984年11月25日、108頁。全国書誌番号:85018043ISBN 978-4041598016。「河出文庫版あり(1980年出版;ISBN 978-4-309-47001-6全国書誌番号:80026533)」

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]