賭博黙示録カイジ

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カイジ
ジャンル ギャンブル漫画青年漫画
漫画:賭博黙示録カイジ
作者 福本伸行
出版社 講談社
掲載誌 週刊ヤングマガジン
レーベル ヤンマガKC
発表号 1996年11号 - 1999年36号
巻数 全13巻
話数 全158話
漫画:賭博破戒録カイジ
作者 福本伸行
出版社 講談社
掲載誌 週刊ヤングマガジン
レーベル ヤンマガKC
発表号 2000年22号 - 2004年9号
巻数 全13巻
話数 全134話
漫画:賭博堕天録カイジ
作者 福本伸行
出版社 講談社
掲載誌 週刊ヤングマガジン
レーベル 同上
発表号 2004年28号 - 2008年8号
巻数 全13巻
話数 全131話
漫画:賭博堕天録カイジ 和也編
作者 福本伸行
出版社 講談社
掲載誌 週刊ヤングマガジン
レーベル 同上
発表号 2009年27号 -
巻数 既刊8巻 (2012年3月現在)
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プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

賭博黙示録カイジ』(とばくもくしろくカイジ)は、福本伸行による日本漫画作品。『週刊ヤングマガジン』(講談社)で連載された。

続編として『賭博破戒録カイジ(とばくはかいろくカイジ)』『賭博堕天録カイジ(とばくだてんろくカイジ)』が同誌に連載され、現在は『賭博堕天録カイジ 和也編』と題し、3勤1休のペースで連載していたが、現在は6月頃までの休載に入っている。なお同誌目次では全シリーズ一貫して『カイジ』となっている。

本項では直接ストーリーが繋がっている続編であり、「賭博黙示録」と合わせて『カイジ』という一つの作品を構成している計4編、そしてこれらを原典として製作された複数の別メディア作品(アニメ・ゲーム・パチスロ機・実写映画)についても解説する。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


概要

自堕落な日々を過ごしていた主人公の青年伊藤開司が、多額の負債を抱えたことをきっかけに様々なギャンブルに挑んでいく青年漫画。

命を賭けた極限の勝負の中での人間の思考・生き様が描かれており、作品独自のギャンブルや、「ざわ…ざわ…」の擬音やモブキャラの「黒服」などの福本作品独自の表現が特徴。

元々は前後編の読み切りの予定だったが、福本がヤングマガジン編集部に限定ジャンケンのプロットを話したところで連載が決まり[1]、その後福本の最大のヒット作品の一つとなった。第22回(1998年(平成10年)度)講談社漫画賞一般部門を受賞。発行部数は『賭博堕天録カイジ 和也編』既刊7巻時点では4シリーズ累計1900万部。

『逆境無頼カイジ』のタイトルで日本テレビ系列でテレビアニメ化され、2007年(平成19年)10月に第1シーズンが、2011年(平成23年)4月から第2シーズンが放送された。また、2009年(平成21年)10月、『カイジ 人生逆転ゲーム』のタイトルで実写映画化もされた。2011年(平成23年)11月にシリーズ2が公開された。(日本テレビ製作、東宝配給)。

ストーリー

第1章「希望の船」

収録:『賭博黙示録カイジ』

上京後、自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押し付けられ、法外な利息により385万円にまで膨らんでいることを知らされる。遠藤に誘われるままカイジは、負債者に借金一括返済のチャンスを与えるという、フランス語で「希望」の名を冠すギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。

そこで行われるのはカード12枚を使った「限定ジャンケン」。大手金融業者の「帝愛グループ」が裏で取り仕切るそのギャンブルは、うまく勝てば帝愛からの借金は帳消しだが、負ければ命の保障はないというものだった。カイジは幾度となく煮え湯を飲まされながらも、土壇場での閃きと思考を駆使して、生き残りを賭けた勝負に身を投じる。

第2章「絶望の城」

収録:『賭博黙示録カイジ』

エスポワールから辛くも生還したカイジだったが、借金返済はならず、その総額は600万円以上に膨れ上がっていた。4ヶ月後、アルバイト生活に戻っていたカイジの前に、再び遠藤が現れ、新たなギャンブルを持ちかける。今度こそ勝つと決意したカイジは会場である「スターサイドホテル」へと向かい、決死の勝負「鉄骨渡り」に挑む。

多くの人間が転落死していく中、2度の鉄骨渡りをカイジは唯一渡りきるが、主催者側に勝負中の言動を後から指摘され、賞金を得る権利を剥奪される。激昂するカイジの前に主催者である帝愛グループの会長・兵藤が現れ、もう一度チャンスをやろうとこれまでのギャンブルを仕切っていた大幹部・利根川と「Eカード」で対決する。

極限の死闘の末、利根川を打ち倒したカイジ。しかし、真に倒すべき存在は兵藤会長であることを痛感させられる。カイジは自身と鉄骨渡りで死んでいった仲間達の無念を晴らす為、自ら兵藤に「ティッシュ箱くじ引き」を挑み宣戦布告する。

第3章「欲望の沼」

収録:『賭博破戒録カイジ』

スターサイドホテルの勝負でさらに借金を約1000万円に増やすことになり、逃亡生活を送っていたカイジは遠藤に再びギャンブルを紹介するよう依頼する。しかし規定によりギャンブルは紹介されず、逆に拉致されたカイジは帝愛グループの地下施設で強制労働をさせられることになった。カイジは一日外出券を得るために金を貯めようとするが、所属するE班の班長・大槻の巧みな篭絡により金を使い果たす。大槻はさらにカイジに給料を前貸しし、自身の主催する「地下チンチロリン」に誘い込む。大槻に大敗を喫してさらなる借金生活に追い込まれるも、カイジは大槻のイカサマに気づき、自分と同じ境遇にある通称「45組」の5人と団結し、打倒大槻のために決起する。

カイジら6人は協力して3ヶ月の貧窮生活を耐え凌ぎ、地下チンチロで大勝負を仕掛け、カイジの奇策により大槻を倒し外出に必要な資金を得たが、45組の仲間達はそれをカイジに託し、6人全員の借金返済に必要な6千万円を得ることを依頼した。単独で80万円の現金を持ち、地下から20日間の一時外出をしたカイジは裏カジノを巡ってチャンスを探す。

やがてカイジは偶然出会った男・坂崎と、帝愛グループの裏カジノに置かれた1玉4,000円のパチンコ「」で一攫千金を目指すことになる。坂崎はカイジをサポート役にして、自身の計画と資金によって「沼」に挑むが、裏カジノの店長・一条が仕込んだ妨害により惨敗。八方塞がりの状況になるが、カイジは「沼」の攻略法を閃き、計画を練り上げ、利根川失脚のあおりを受けて負債を抱えた遠藤をも仲間に引き入れる。そしてカイジの最後の地上滞在日に、カイジ・坂崎・遠藤の3人は再び「沼」に挑む。

第4章「渇望の血」

収録:『賭博堕天録カイジ』・『賭博堕天録カイジ 和也編』

「沼」での勝利から半年後。借金を完済し地下施設から解放されたカイジは、「沼」で共闘した坂崎の家に居候し、働かず堕落しきった日々を送っていた。そんなカイジに愛想を尽かした坂崎は手切れ金として300万円を渡し、追い出そうとする。その時カイジは地下で仲間だった三好・前田と再会し、彼らが勤める裏カジノの社長・村岡からギャンブルで巻き上げられた給料を取り返すよう依頼される。カイジは必ず返すと約束して坂崎から300万円を受け取り、村岡が考案した変則麻雀17歩」で勝負する。

思いかけず再び孤立無援の死闘となった「17歩」で、カイジは4時間に及ぶ乱戦の末に村岡を下し4億8千万円の大金を得る。そして勝負の立会人となっていた兵藤会長の息子・和也に勝負を申し込まれ承諾する。カイジは帝愛グループ傘下のレストランへ案内され、小説家という和也の目標と、その「取材」のために度々危険なギャンブルを企画し、多くの人命を奪ったその所業を知る。土壇場で裏切るのが人間の真実と言う和也を、カイジは全否定。その言い合いを契機に、友情確認ゲーム「救出」による人間性の実験、カイジと和也の勝負が始まった。

登場人物

登場ギャンブル

限定ジャンケン

大型客船エスポワール内で開催された「第3回クリエイティブクルーズ」で行われたギャンブル。参加者それぞれに、星3つと星を貼り付けるマジックテープ、グー、チョキ、パーの3種4枚ずつ、計12枚のカードが配られる。カードを1回につき1枚使用して、他の参加者とジャンケン勝負をし、勝つと相手の星を1つ貰える(あいこは星の移動は無し)。勝負のやり方は、まず自力で対戦相手を探し、承諾を得たら船内にあるボックスを挟んで向かい合う。次に「チェック」で自分が出すカードを確かめ、「セット」で伏せて提出(この時点でもう変更は出来ない)。そして「オープン」で同時にカードを公開。使ったカードは結果に関係なくボックスに開いている穴に投入、即座に集計される。船内の電光掲示板には「残り時間」と、「グー、チョキ、パー、それぞれあと何枚ずつ残っているか」がリアルタイムで表示される。すべてのカードを使い切った時点で、初参加者は星を3つ、リピーターは4つ維持できれば勝ちとなる。

負けとなった場合、残るカードおよび星は没収。別室送りとされ、数字が書かれた焼印を付けられる。負けとなる条件は次の通り。

  1. 星がなくなった時
  2. 制限時間である4時間(映画では30分)終了時にカードを使いきれていなかった時
  3. 制限時間終了後の星の売買タイム(10分間)が終わっても星が規定未満の時
  4. その他禁止行為を行った時

勝てばその参加者の借金を主催者が全額肩代わりする(ただし、後述する「船内での借金」は別)。さらに、勝ち抜けた時点で星が余っていれば、主催者が1つにつき400万円で買い取る。

別室送りになった者はその後、エスポワールに乗ったままどこかへ連行される。船井が聞いた噂によれば、「新薬の実験台にされ、廃人にされる」「売春を強要される」といった過酷な運命が待ち受けているという。

カードを使い切った時点で星が規定に届いていなくても即座に負けとはならず、他の参加者からカードを手に入れて勝負を続行することが可能。また、最後に行う星の売買で別室にいる者に規定数の星を与えて救出することも認められている。

勝負での使用、失格による没収以外でカードを破棄することは認められていないが、参加者間での合意に基づく譲渡、売買は黙認されている。星も同様に譲渡、売買が黙認されている。さらに、通常は1回の勝負につき星1つがやりとりされるが、双方の合意があれば、それ以上の星をやりとりすることも黙認されている。

また、勝負前に全参加者へ最低100万円、最高1,000万円(30歳以上は最高500万円)が貸し付けられる。利率は1.5%だが10分複利なので、勝負が4時間いっぱいまでかかった場合、最大約4割増し(勝負途中で勝ち上がれば、勝負開始からその時点までの時間で計算される)という暴利である(日本の法律では支払う義務は無いが、公海上の他国船籍船内であれば日本の法律が適用されるとは限らない。なお、1000万円借りたカイジの借金は1429万5000円、200万借りた安藤の借金は258万9000円となっていたため、100円以下は切り捨てていた模様)。しかし、この船に乗っているのは、いずれも多額の債務を背負っている者ばかりであるため、借金一括返済というチャンスを考えれば「良心的金利」であると主催者は語っている。なお、この金の使い方は一切自由とされている。また、あまりに借金が多い場合は参加を断られる場合がある。実際、岡林は他の人物にもいくらか背負ってもらい、一人あたまの借金額を減らしてようやく参加できた。

作者は株価の高騰・暴落などの相場の変動を表現したかったと語っている[1]

実写映画版では、以下の変更がある。劇場限定商品として、このゲームに使われるカードと星のセットが販売された。

  • 制限時間が30分
  • 星を1個100万円(計300万円)で買ってエントリーする。現金そのものの貸付は無し。星の購入資金は借金として扱われ、利率1%の1分複利が付く。ゲーム終了後に星は1個100万円で買い戻すことを明言している
  • 原作での掛け声「チェック・セット・オープン」が「ジャン・ケン・ポン」に変更。また、「ケン」の部分で選択したカードを伏せる設定が無くなっている
  • 別室送りにされた者はそのまま地下帝国の強制労働施設(後述)へ送られる

鉄骨渡り

人間競馬

スターサイドホテルで行われたギャンブル。通称勇者達の道ブレイブ・メン・ロード)。挑戦者同士のギャンブル対決ではなく、パーティーに参加した富豪がレース結果に賭け、その寺銭とパーティー参加費から賞金が支払われる人間競馬である。

ホテル内に設置された数本の鉄の一本橋(作中では4本。四角い棒状で全長25メートル。渡り始めは足の幅より少し広い程度の太さだが、先へ進むほど少しずつ細くなる)を参加者に渡らせ、参加者は渡り終えると順位に応じ大金を手にすることが出来る引換券を貰える。ただし、参加者が地面や橋に手をつくか、橋から落ちた場合、失格となる。さらに引換券をもらうためには、他の橋の参加者を含めて決められた順位以内に入り渡り終えてしまわねばならない。作中では1回の参加者12人(3人に対し1本の計算で鉄骨が割り当てられていた)の内、1位に2,000万、2位に1,000万の券が渡された(エントリーしていたのは全部で60人、したがって5レース行われた)。落下した場合、橋の下には薄いマットが敷いてあるだけの上、8mないし10mの高さがあるため、打ち所によっては負傷や死の可能性もある。

橋は4本しかないため必然的に複数人で同じ橋を渡ることになるが、横を通って追い抜くことは出来ないため、大金を手にするために前に出るには、後ろの者は前の人間を落とさなければならない(他の参加者を押して落下させる行為は、ルール上許されている。実際、観客から「押せっ」のシュプレヒコールがかかることも多く、このギャンブル最大の見所と言える)。一方先頭に立つものはそのようなことをする必要は無いが、先に進むにつれ橋が細くなるため、たやすく渡りきることは不可能であり、よほど差がない限りいつか追い付かれるという危険性を秘めている。

作者は限定ジャンケンとは逆に直接体を張るギャンブルにしたかったと語っている[1]

電流鉄骨渡り

無事引換券を手にしたとしても、その後には券を換金する部屋へと行くための最後の橋が待っている。この橋は幅や長さは人間競馬とほぼ同じだが、地上74メートルに位置するため落下したら即死であり、また落ちることを恐れて橋にしがみつく行為を防ぐため、橋には電流が流され、手を触れると感電のショックで橋には留まることができず転落するという、失格=即死の戦いである。なお人間競馬で失格になった者も、失格者多数で余った券や権利放棄者の券を受け取るチャンスが存在する。実写映画版では、後述の「地下強制労働施設」から抜ける唯一の方法とされており、囚人が自ら志願して参加することも可能である。

最後の橋はさらに上のランクのパーティー参加者に向けた見世物であるが、ギャンブルの対象とはならない。またこれはあくまで引き替えに付随する作業であるため、引換券に切られた制限時間を過ぎない限り、渡り切るのに有した時間や挑戦者間の順位は賞金に何ら関係しない。

Eカード

2人対戦用カードゲーム。「皇帝」(1枚)「市民」(8枚)「奴隷」(1枚)の3種類(計10枚)のカードを使用する。これらのカードにはジャンケン同様三すくみの関係があり、「皇帝側(「皇帝」1枚,「市民」4枚)」と「奴隷側(「奴隷」1枚,「市民」4枚)」に分かれ、時間差で1枚ずつ出し合って勝敗を決める。三者の関係については、「皇帝」>「市民」そして「市民」>「奴隷」である。「皇帝」は「市民」に勝ち(「皇帝」は「市民」を支配する権限を持っているため)、「市民」は「奴隷」に勝つ(「市民」は「奴隷」より地位や生活が担保されているため)という意味である。ここで、「奴隷」と「皇帝」の関係については「奴隷はどうしようもないクズであり、その執念で皇帝を撃つ」という考え方から、「奴隷」は「皇帝」に勝つ(「奴隷」>「皇帝」)とされている。兵藤曰く、「Eカードは社会の縮図だが、現実そのままでは味気なさ過ぎるので、若干だが夢を持たせた」とある。

5枚あるカードを1枚ずつ出して行くため理論上は5回戦まであるが、勝ち負けが発生するのは「皇帝」や「奴隷」のカードが出された回のみである関係上、最大で4戦で勝敗が確定しゲームが終了となる。

  • 4戦目までに「皇帝」vs「市民」が発生した場合・・・皇帝側が1勝を得るが、それ以降は市民vs市民のあいこと市民vs奴隷の皇帝側の2勝目しか存在しないため、皇帝側の勝利が確定。
  • 4戦目までに「市民」vs「奴隷」が発生した場合・・・皇帝側が1勝を得るが、それ以降は市民vs市民のあいこと皇帝vs市民の皇帝側の2勝目しか存在しないため、皇帝側の勝利が確定。
  • 4戦目までに「皇帝」vs「奴隷」が発生した場合・・・奴隷側が1勝を得るが、それ以降は市民vs市民のあいこしか存在しないため、奴隷側の勝利が確定。
  • 4戦目まで「市民」vs「市民」が連続した場合・・・残る1枚の手札で皇帝vs奴隷が発生することが確実であるため、奴隷側の勝利が確定。

EカードのEは皇帝(Emperor)から来ている。このカードはニンテンドーDS用ソフト『逆境無頼カイジ Death or Survival』の予約特典として存在し、実際にプレイすることが出来る。過去に一般販売され、ペリカも付属していた。

通常のジャンケンと異なる最大の特徴は、両者が所持するカードの構成が平等ではないことである。前述した通り、「皇帝側」は「皇帝」カードを1枚と「市民」カードを4枚、「奴隷側」は「奴隷」カードを1枚、「市民」カードを4枚持つ。最も多い「市民」同士であればあいこになるだけなので、事実上「皇帝」もしくは「奴隷」による1勝で決まる。3戦ごとに「皇帝側」と「奴隷側」を入れ替えて再スタートし、計12戦を行う。(映画では3本勝負)

「奴隷側」は、「皇帝側」のたった1枚の「皇帝」に合わせて1枚の「奴隷」を出さなければならないが、「皇帝側」は4/5を占める「市民」のどれかに合わせて「皇帝」を1枚だけ出せれば勝てる上、「市民」を出しているうちに「奴隷側」が読みを誤り、「奴隷」を出して自滅するという勝ちパターンもあるため、「皇帝側」がルール上有利になっている。この格差を埋め合わせるため、「奴隷側」で勝利した場合の報酬は通常の5倍(映画では10倍)とされている。ただし、カイジの場合は「皇帝側」で負けても針が5倍の距離進むことはないと設定された。

カードを提出する順番は、1、3回目の提出は「皇帝側」が先出し、2、4回目は「奴隷側」が先出しとなる。カードは1回につき5分以内に伏せた状態で出すが、後出し側は自分がカードを出す前に先出し側の顔色をうかがうことが可能である。また、両者ともカードを出す際は、無作為なカードの選出を行ってはならない。最低一度はカードの表を見てからカードを出さなければ反則となる。これはあくまでEカードは心理戦を主とするゲームであり、運で勝敗を決めるものではないからという理由で説明される。

本来は大金を賭けて勝負するが、無一文の場合は目もしくは耳を賭ける。リモコン操作で針が進むという装置を目や耳に取り付けて1ミリ単位で賭け、30ミリ分負けると針が眼球や鼓膜に到達する(このゲームは「聴力を賭けた勝負」とされるが、鼓膜は破れても自然と再生するので、聴力を失うのは一時的なものであって、致命的な影響はない)。この装置は一旦装着すると専用の工具を使わない限り外せず、無理に外そうとするとリモコンのアラームが鳴る。

勝った時にもらえる金額のレートは1ミリにつき「皇帝側」なら10万円で「奴隷側」なら50万円。30ミリ分負けて針が器官に到達すれば12回戦行っていなくてもその時点でゲームオーバーとなり終了するが、実はこの装置は別の箇所にも使用できるようになっており、針は最大45ミリまで伸びる。

実写映画版では、以下の変更がある。劇場限定商品として、このゲームに使われるカードのセットが販売された。

  • 勝負は12勝負ではなく、3回勝負。よってカードの交換はない。
  • 原作では聴力をかけていたが、映画では普通に現金をかけている。
  • 奴隷側で勝った場合もらえる額は賭けた金の10倍。
  • カードの提出は常に奴隷の先出しとなっている。

ティッシュ箱くじ引き

Eカードで勝利したカイジが兵藤との勝負をするために考え出したギャンブル。空にしたティッシュ箱にペーパータオルで作ったくじ(○を書いた当たりくじ1枚とはずれくじ数十枚)を入れ、交互にくじを引いて先に○を引いた方が勝ちという単純なもの。カイジは当たりくじをあらかじめティッシュ箱の側面に仕込んでおくという不正を考えていた。

兵藤はカイジとの勝負を受ける条件として、以下のことを要求した。

  • イカサマ防止のため、団子状に丸めた当たりクジは無効とする。引く時は腕まくりし、直前に指の股を開いて互いにチェックする。
  • 兵藤から先にクジを引く。
  • 兵藤が負ければカイジに1億円を支払い、カイジが負ければEカードで得た2,000万円を兵藤に払った上で、自らの片手の指4本(指1本につき2000万)を切断される。

地下チンチロリン

地下王国での事情を加味した特別ルールを付け足したチンチロリン。1人が親でそれ以外が子となり、出目の強弱を子1人1人が個別に親と比べ合い、勝った方が賭け金を役に決められた倍数で受け取ることが出来る(賭け金は子が決める)。なお役目は456(シゴロ)が2倍づけ、2~6ゾロが3倍づけ、1(ピン)ゾロが5倍づけ、123(ヒフミ)が2倍払いである[2]。また、地下オリジナルルールとして、

  • 親の目に関係なく子も振ることが出来る(親の総取り・総払い無し)。
  • 親をスルーすることも可能。
  • 親の連続はどんなに勝っても2回まで。ただし、1回目に親が1の目・目無し・123・ションベンを出したらそこで親は終了。それ以外は必ず2回目の親をする。
  • 賭け金の上限は2万ペリカである。ただし、親と子の間で合意があれば上限を撤廃、青天井とすることも可能。

これらの特殊ルールについては、大槻により「大きな勝ちも負けも無くして、金のない地下でゆるゆるだらだら勝負を楽しむため」という説明が成された。

パチンコ「沼」

一条が店長を務めるカジノに存在する等価交換一発台パチンコ。一玉4,000円に設定されているため通常の1,000倍のギャンブル性を持つパチンコである(このカジノには1玉400円や1玉40円のパチンコも存在し、これらはデジパチ)。挑戦するためには300万円(750発)・500万円(1,250発)・1,000万円(2,500発)のいずれかのパッキーカードを買って使うことになる。〈バラ買いが出来るかは不明。劇中でカイジが求めていたが切羽詰った一条に却下された)

役物上部に電動チューリップが配置されており、チューリップに拾われた玉のみが内部の3段クルーンの1段目に落ちる。1段目のクルーンには3つの穴、2段目には4つ、3段目には5つの穴が空いている。1段目・2段目の手前穴1つずつは下段に落ちる穴であり、回転しながら順に通過して3段目で奥の当り穴に玉が入ると、ジャックポットとなる。ジャックポットは、その時点でストックされている玉すべてを獲得できる。ジャックポット以外に当り穴はなくすべてアウト玉となる。この台のストックはアウト玉の蓄積であり、ストックが無い時には最低3億円(75,000発)分を店が保証する。

釘の設定は基本的に100発中1発がチューリップの手前に届くように設定してあり(この通常時は設定Cといって、他にも月1回30発中1発が届く設定Aの日や、月5日ほど60発中1発が届く設定Bの日もあるが、いずれにせよこの時点で大半の玉は無駄打ちに終わる)、チューリップの手前の開閉するバーは、通常はランダムで動くだけであるが、店側から遠隔操作でタイミングを計って閉じてしまうことが可能。(通称「ブロック」)ここを乗り越えたとしても、「クルーン自体」・「パチンコ台本体」・「台周辺のプレイスペース」と3段階に分散した手前への傾斜(リモコン操作で奥に傾けることも可能)に加え、3段目の奥にある当たりの穴の外側に透明なコブが存在し、通常考え得る形での入賞の可能性を潰している。さらに、通常は「あからさま過ぎる」として没になっているが、3段目の当たり穴の周囲から、店側の操作によって空気が噴出できる装置も存在する。これにより、極めて確実に、強引にパチンコ玉を当たり穴に入ることを妨害できる。 念のために台周辺は24時間モニターで監視され、客が台を打つ前には身体・荷物検査を行う。さらにゴト対策として、店員の立会いや磁石に反応しない真鍮製の玉を不定期に使用している。

上記の事から、理論上は1/30・1/60・1/100(それぞれ後述の設定A・B・Cの場合の釘ゾーン)×1/3(チューリップ上役物)×1/60(三段クルーン)=1/5,400(2160万円分の玉に一発)・1/10,800(同4320万円分)・1/18,000(同7200万円分)でジャックポットが出ることになるが、様々な場所に鉄壁の防御が施されており、通常のプレイでは攻略することはできない。

このように様々な妨害機能が搭載されているので、カイジたちの前にも多くの者が挑戦したが、実際にジャックポットを出した人物(「達成者」と呼ばれる)は、カジノ側の接待によって出した利根川と兵藤だけであった。なお、前述の通りこの台は等価交換で、原則としてジャックポットを出せなかった者のつぎ込んだ玉が丸々次の挑戦者への賞金として積み立てられていくため、(いずれジャックポットを出される前提である以上は)理論上、いつまでも店には儲けが出ない。そればかりか、こちらも前述の通りどんなにジャックポットが貯まってなくても3億円分は店が保障するので、そこまで貯まらないうちにジャックポットを出されようものなら3億円に満たない分店の損失になってしまう。しかし帝愛の人間に対し接待を行うことで、積み立てられた賞金を回収する意味合いを持つと同時に、表向きには「確率は限りなく低いが当たりはある」とアピールすることによって、挑戦者が後を絶たない状況、ひいては「沼」が店の象徴として君臨する状況を生み出している。

地雷ゲーム「17歩」

手作りの過程を省略した変則二人麻雀全自動麻雀卓で山を作り、先手と後手を決める(初回のみ決め方は自由で、以降は勝ったほうが次回の先手となる)。そして先手が左右の2山から好きな牌を1牌めくってドラを決めてスタート。互いに自分の目の前のツモ山1列分(34牌)を使って、3分の制限時間で13枚を選び出し聴牌状態の手牌を作る。手牌が出来たらゲームをスタートし、手牌として使わなかった残りの21枚の牌を先手の者から17巡終えて流局するまで順に切っていく。

性質上ツモがないので、和了る時は必然的に相手からのロンのみとなる。捨て牌が21なのに対し攻防は17巡のため、相手のロン牌を5つ以上捨て牌の中に抱えてしまうと、(先に相手が振り込むか、フリテン扱いにならない限り)必ず負けてしまうことになる。

振り込んで決着した場合は賭け金(両者の合意に基づく)を相手に渡さなければならないが、渡す金額は完成された役によって満貫を1単位とした倍率に基づき、跳満なら1.5倍、倍満なら2倍、三倍満なら3倍、役満なら4倍、ダブル役満なら8倍となる。両者とも振り込まないまま17巡を消化すると流局となり、賭け金を倍にして次戦に持ち越す。

その他通常の麻雀と異なる点は次の通り。

  • 満貫縛りであること。
    • 符を考慮する描写は無く、事実上の4翻縛りである[3]。ゲームスタート時で聴牌していることが前提でありリーチで1飜は確定なので、あと3飜以上を持つ役を作らなければならない。
    • ドラも4翻縛りに数えて良い。ただし裏ドラは和了後の余禄扱いのため、表ドラと役で4飜以上にならない場合は和了れない。
    • 一発や河底などの一部の偶然役も4翻縛りに含んでいい。
    • 片アガリで満貫到達を狙ってもいい。
  • フリテンに関するルールは基本的には通常の麻雀と同じ。
    • 複数の和了形を持つ手役において、満貫以上になる待ちとそうでない待ちがある場合、満貫にならない方のロン牌を先に切られた場合ロン出来ないが、その後に満貫以上になる待ちのロン牌を切られてもフリテン扱いとなるため和了ることはできない。
    • 自分で自分のロン牌を切ってしまった場合もフリテン扱いとなる。
  • ゲーム開始時に聴牌していなくても、リーチはしなければならないが、アガリ放棄として続行し流局になった場合でもノーテン立直は問われない[4]
  • 天和地和海底門前自摸和ダブルリーチ人和嶺上開花槍槓三槓子四槓子流し満貫は無い。
    • 天和・地和・海底・門前自摸和については、このゲームにツモ上がりが存在しないことによる。
    • 最初に牌を切る時に必ずリーチをするが、ダブルリーチではなく通常のリーチとして扱う(即ちダブルリーチは無い)。
    • 相手の捨て牌の第一打で和了った際は人和ではなく、一発の扱いになる(即ち人和はない)。
    • カンが無いので嶺上開花槍槓三槓子四槓子も無い。また「リーチ後の待ちの変わらない暗カン」も出来ない。
  • 河底撈魚は、最後の捨て牌を捨てるのは必ず後手番なので必然的に先手番のときしかできない。
  • 常に場風牌は東、面風牌は先手番・後手番に関係なく西で固定[5]。2人だけの麻雀でいちいち変化するのが面倒というのが理由。
  • 親と子の制度も無い。和了得点の格差により、レートアップをしていきにくいのが理由。
  • なお、四暗刻単騎待ち国士無双十三面待ち等はダブル役満扱いなのかどうか、先手が最初の捨て牌で(後手がリーチ宣言をする前に)振り込んだ場合、リーチを和了役に加えるのかどうかなどは劇中では触れられなかった。

愛よりも剣

兵藤和也が執筆した小説「愛よりも剣」内に登場するギャンブル。実はこの小説は、和也が実際に執行した制裁を基にしたものである(設定や役名は変更してあり、表向きにはフィクションということになっている)。

金を持ってヤクザの組長から逃げようとした男女2人に組長が課した刑。足部分に2箇所、胴部分に5箇所剣を刺す穴のある箱2つ、鉄板9枚、剣9本を使ったギャンブル。まず、2人がそれぞれの箱の中に入り、剣を刺す穴を2人交互に指定し、その穴に剣を刺していく。このとき、自分の方の穴を指定する必要はなく、相手の方の穴を指定してもよい。なお、計14箇所の穴のうち、9箇所は鉄板が入っており、そこに剣を刺しても鉄板で止まり体には刺さらないようになっているため、9本の剣全てを鉄板入りの穴を指定することができれば2人とも無傷で終わる。しかし、残りの5箇所には鉄板は入っておらず、そこに剣を刺すと体に刺さり、足の場合は大ケガ、胴の場合は即死するとは限らないが死亡が確定する。2人とも胴に剣が刺さるか、9本の剣を刺したら終了。ただし1人だけ胴に剣が刺さってももう1人がまだ胴に刺さっておらずなおかつ剣が残っていたら続行。この場合残りの剣を刺す穴は胴に剣が刺さった方の意識があるうちはそれまで通り2人交互に指定し、意識がなくなる、即ち死亡してからは残りは生き残った方が全て指定する。この場合でも死亡した相手の箱にまだ剣を刺していない穴が残っていればそこを指定することもできる。9本全て刺し終わった時点で生き残っていれば、その後はヤクザ達からの干渉から解放される。

「救出」

B型肝炎持ちの負債者とその仲間2人に兵藤和也が課した友情確認ゲーム

挑戦者は特殊な構造のヘルメットを装着して、くじ引きで決めた順に座り(前から順に「3・2・1」となっていて、後ろほど高い位置になる。席の構造上、1番席は2番・3番の様子が分かり、2番席は3番の様子のみ分かり、3番席は誰の様子も分からない)、ベルトで体を固定する。そしてルーレット(ヘルメットのランプが点滅)により、1人の「救出者」と2人の「人質」を決める。なお、実際には同じ人が連続して「救出者」に選ばれることはなく、「救出者」になった人は次のラウンドは必ず「人質」となる。(言い換えれば、「人質」になった者は次のラウンドは2分の1の確率で「救出者」になることになり、さらに言い換えれば「救出者」になった次のラウンドは必ず「人質」になるが、その次のラウンドもしくはそのまた次のラウンドのどちらかで「救出者」になれる確率は4分の3もあるとも言える。なお、この設定はラウンド13をクリアした後のインターバルで公表された)ヘルメットには大音量の音楽が流れているため、周りの声は一切聞こえない。もちろん自分のランプが点灯しているかどうかもわからない。無論、振り向いて他のランプを見ることも禁止。1ラウンド終了ごと、前方に設置された時計に「人質解放ボタン」を押した時点でのタイムが表示される(ゲーム中は表示されない)。

「救出者」に選ばれた者は、自力でそのことに気付き、スタートして30秒以上1分1秒未満の間(ゲーム中挑戦者にはタイマーが見えない)に席にある「ベルト解除ボタン」で自分のベルトを外し、前にある「人質解放ボタン」を押せばクリア。クリアするごとに賭け金が倍々ゲームで増えていき、1億円を突破すれば挑戦者の勝利、1億円をもらえる(今回の挑戦者は所持金が2,150円だったため、1億を突破するには16回連続でクリアしなければならない。なお、16ラウンドをクリアした場合、本来の賞金額は140,902,400円になるが、最終的な金額は1億円でストップされる)。クリアした後は、そのときボタンを押したのがスタートしてから何秒後(ただし秒未満は切り捨て)だったかが全員に知らされた上で、もう一度くじ引きで席をシャッフルして続行する。

ただし、スタートしてから30秒未満のうちに救出者が人質解放ボタンを押した場合は失格。全員命は助かるが、賭け金は没収されてこの後の挑戦権も失う。救出者が人質解放ボタンを押さないまま1分1秒経ったり、人質が人質解放ボタンを押した場合は救出失敗。「人質」2人のヘルメットの中敷がリモコン操作により膨張して、頭蓋骨や脳を1分と時間をかけて圧迫・粉砕し、人質2人は死亡する。また、ベルト解除ボタンは最初に押されたものだけが有効であるため、誤って「人質」がベルト解除ボタンを押してベルトを解除した場合、その後に救出者がいくらボタンを押しても救出者のベルトは解除されないため、その時点で救出失敗・人質の死亡が確定する。なお、救出失敗の場合生き残った救出者を勝者とみなし、クリアの場合と同様に賭け金を倍にした状態でゲームそのものは終了。その賭け金は救出者が独り占めとする(言い換えれば「人質2人を見殺しにすれば、賞金を独り占めできる」ともいえ、さらには「早く人質を見殺しにして賞金を独り占めしないと逆に見殺しにされる可能性がある」ともいえる)。このルールはラウンド9をクリアした後のインターバルで、ルール確認のために告げられる(「最初のルール説明の時に、詳しく聞かれなかったのでスルーした」と和也は語っている)。

前もってゲーム参加者3人が打ち合わせなど出来ないように、ルールや攻略法の説明は1人ずつ個別に行われる。何より時計も持たずプレイヤーの体内時計による感覚と言う曖昧なものと、プレイヤー間での意志の疎通が出来ない状況のため、「救出者」がより下の段の者であるほど、その難易度は格段に上がる。1ゲーム終わるごとに救出者がボタンを押した秒数を全員が確認することが出来る時計が設置されている。また合図等は原則として禁止ではあるが、これは予めゲーム前に相談などで決めることを禁止している側面からゲーム中に開発した「以心伝心システム」の手首の小さな上げ下げなどは黙認されている。しかし、ルールそのものが「人質を見殺しにすれば、賭け金は倍になった上で独り占めできるが、それをやらないでいると逆に見殺しにされる可能性が高い」という、裏切りを扇動する構造になっているため、実際には3人での完全制覇は困難を極める。また、実は操作で救出者を意図的に決定したり、ベルトの開閉を可能にしたり不能にしたりすることも可能な作りになっているため、1番席を救出者にしてベルトの開閉を制限時間ギリギリまで不能にすることによって、1番席の者および見ているカイジや和也から見れば明らかに不具合が発生していたのが分かるが、2番席と3番席の者からしたら救出者である1番席の者が自分たちを見殺しにして賞金を独り占めしようとしたように思わせることができる。このとき、操作によってベルトの開閉が不可能になっていたことなどは一切説明されない。なお、和也曰く、3人の運命は1本の鎖で繋がれた犬のようなものであり、誰かが賞金を独り占めするのはすなわち自分が死んでしまう時であるため、賭け金が誰かにとって救いになる金額に達していたら、それが自分にとって救いになる金額ではなくても死ぬよりはマシと思い、他の2人を見殺しにして賞金を独り占めしようと思ってもおかしくないらしい。

和也は「愛よりも剣」同様、(裏切りの発生を前提に)このゲームの一部始終を小説の題材にしようともくろんでいる。そのため、途中経過のプレイヤーの心境を彼の任意のタイミングでルールの説明時同様に個別にインタビューを受けるなどして、裏切りをするようプレイヤーを誘導している。  

姫と奴隷

映画版オリジナルギャンブルであるため、原作には登場しない。

一条が支配人を務める裏カジノで行われているギャンブルで、まず挑戦者は3つの檻がある逃げ場の無い空間に足を枷でつながれた状態で閉じ込められる。挑戦者には3つのボタンが用意されており、どれかを押すとそれに連動した檻が1つ開く。そのうち1つには姫が入っており、その檻をあければ勝利となり、賞金として3000万が手に入るが、他の2つにはライオンが入っており、開けた瞬間襲われ死ぬ。ただし、どのボタンが姫の入った檻をあけるかを姫は知っており挑戦者に教えても構わない。姫が本当のことを言った時に信じれば必ず勝利できるが、姫は挑戦者を殺せれば300万が手に入るため、姫が本当のことを言う保証は無い。姫の発言の真偽を正しく見抜けないと命の危険にさらされる。

その他の用語

帝愛グループ
消費者金融を主体とする日本最大規模のコンツェルン。『賭博破戒録』第一話の時点で創立40周年を迎えた。会長である兵藤和尊が絶対的な権力・財力を握っている。裏で負債者の人権・命を奪う拷問じみた凶悪なギャンブルを行なわせている。
焼き土下座
「金を貸し、期日までに返せない人間は、例え土下座で懇願してもそれは表面的なだけで根底から謝罪している訳ではなく、心からの誠意と謝罪があれば例え焼けた鉄板の上でも土下座が出来るはず」という兵藤の考えから考案された謝罪方法。
高温に焼けた鉄板の上で膝を付き、額と手を鉄板に付けた状態から10秒土下座をするものだが、土下座の時間がたとえ0.001秒でも10秒に満たなければ10秒やり遂げるまでたとえ焼死体になろうが何回もやり直しをさせられる。膝と額と手に受ける火傷は皮が溶け肉が焼け、高熱は骨まで届く程に想像を絶し、ためらう者は「土下座強制器具」なるもので拘束して強制的に土下座させるが、それでもためらう場合は耐熱手袋を着けた黒服たちが人力で強引に全身を押しつける。大人しく土下座をして耐えれば額と手の火傷だけで済むが、暴れるものならば体全体を焼かれながら悶絶、全身火だるまという地獄の苦痛を味わう事となる。過去に土下座強制器具なしでこれを成し遂げた者は利根川のみ。
地下王国
「地下」または「王国」と呼ばれている、王を自称する兵藤を始めとする帝愛幹部のための超豪勢な地下核シェルター。場所は極秘にされている。グループの中でも、大きな貢献をした人物にのみその場所が知らされ、居住権が与えられる。正式名称は不明で原作では1度「地下王国」と記述されていたが、映画では「地下帝国」とされている。アニメ『破戒録編』では「帝愛王国」とも表現された(原作の該当個所では単に「帝愛の王国」となっている)。
「地下強制労働施設」(いわゆるタコ部屋)が併設されており、多額の債務を背負った者たちを拉致して拡張工事が行われている。懲役年数の目安は1000万円の負債で15年。地下に送られた「囚人」達は利子の支払いを免除され、計算上は働くたびに確実に元本を減らせることになっている。しかし、強制労働における日当は3500円ではあるものの借金返済分及び食費・施設利用料の名目で9割天引きされ、手取りは350円=3500ペリカ(後述)で、1か月(週休1日で26日)で9100円=9万1千ペリカとなっており、事実上暴利が強制労働に形を変えただけである。
労働時間外の囚人には食事やシャワー、ベッドと睡眠時間など最低限の環境は与えられてはいるが、重労働と劣悪な環境(工事の関係で大量の粉塵が舞い上がる上に、高温の密閉空間で換気が悪い)から体を壊してしまい、治療を受けたり薬を手に入れるにも高額のペリカを支払う必要があるため、借金に相当する年数働く前に再起不能となる者も多い。ちなみに黒崎の秘書らしい男が言うには、カイジが送られた場所よりもさらに苛酷な地下労働施設も存在するらしい。
囚人達には厳しい規律があり、本来はペリカによる博打も禁じられている。しかし、班長が「金の貸し借りや人間関係のいざこざを含め全責任を負う」という条件で許可を得ることもできるが、それができる人材は多くはない。
カイジは地下テニス場となる場所の工事を受け持つE班に配置された。カイジによって「沼」を攻略されたため帝愛グループに約7億の損失を与えたとされた一条も送られ、借金がそのままだと1050年働かされることになった。また、B型肝炎を患う光山も地下送りで身体を壊すまで働かされそうになっていたが、和也によって身柄を買われ、地下送りを免れている。
ペリカ
地下王国の通貨でスペルは「Perica」。兵藤和尊の肖像が描かれた紙幣が使われ、100・1000・1万の3種類の額面がある。1が10ペリカに相当するが、地下では高額販売が横行している(缶ビール一本が5000ペリカ=500円など)ため、事実上それよりも低い価値しかない。この通貨で嗜好品つまみタバコ菓子など)や薬など、物資を購入できる。さらに勤労奨励オプションとして、多額のペリカを払えば「一日外出券(後述)」「一日個室券(15万)」「フルコースディナー(10万)」(和・洋・中の3種類がある)「サービスランチ(1・2・3万)」が得られる。
一日外出券
地下における勤労奨励オプションとしては最高レベルのもの。「一日」とあるが、24時間単位でカウントされる。購入者自身が指定した地域のどこかに(眠った状態で)移動され、目を覚ました時点でカウントダウンスタート。専用の腕時計に表示される滞在可能時間がゼロになった時点で帝愛の者に身柄を拘束されるというシステム。移動範囲は日本国内に限られ、(ただし、何度も外出をしたことのある大槻はハワイに行く構想をしていた。)その居場所は腕時計を通じて常に帝愛に監視される。価格は50万ペリカで、必要な日数分を購入することで連泊が可能。必要な場合は手持ちのペリカを日本円に換金できる。なお、このオプションについては帝愛の審査を経た上で承認が出ない限り購入は出来ず、また、収容されて1年未満の者は「時期尚早」とみなされ、通常の状況においては承認は出ない方針となっている。
45組(ヨンゴーぐみ)
地下王国の強制労働では上記の通り1か月あたり9万1千ペリカの報酬がある。地下チンチロの借金などで月給を前借した場合、その際手引きをした班長は、「手数料」として一定額を天引き(ピンハネ)できるようになっている。その結果、1か月先の前借りなら給料は3万を差し引かれて6万ペリカ、2か月先の前借りは半額を差し引かれた4万5千ペリカの報酬にしかならない。
本来なら給料日を迎えるたびにひと月分の前借りが帳消しになるはずであるが、多くの者は無報酬の労働に耐えきれず、給料日に班長から新たな前借りを受け取りつづける。その結果、2か月分の前借を重ねた者は2か月先の前借りすなわち4万5千ペリカが実質的な報酬として続くことから、そのような者たちを「45組」と称した。

既刊一覧

賭博黙示録カイジ
  1. ISBN 978-4-06-336608-2
  2. ISBN 978-4-06-336623-5
  3. ISBN 978-4-06-336640-2
  4. ISBN 978-4-06-336659-4
  5. ISBN 978-4-06-336674-7
  6. ISBN 978-4-06-336709-6
  7. ISBN 978-4-06-336726-3
  8. ISBN 978-4-06-336745-4
  9. ISBN 978-4-06-336762-1
  10. ISBN 978-4-06-336776-8
  11. ISBN 978-4-06-336804-8
  12. ISBN 978-4-06-336825-3
  13. ISBN 978-4-06-336832-1
  1. 弱肉強食編 ISBN 978-4-06-374049-3
  2. 権謀術数編 ISBN 978-4-06-374051-6
  3. 人間競馬編 ISBN 978-4-06-374053-0
  4. 高層綱渡り編 ISBN 978-4-06-374062-2
  5. 常勝皇帝編 ISBN 978-4-06-374076-9
  6. 逆襲奴隷編 ISBN 978-4-06-374084-4
賭博破戒録カイジ
  1. ISBN 4-06-336910-2
  2. ISBN 4-06-336936-6
  3. ISBN 4-06-336960-9
  4. ISBN 4-06-336994-3
  5. ISBN 4-06-361025-X
  6. ISBN 4-06-361047-0
  7. ISBN 4-06-361076-4
  8. ISBN 4-06-361097-7
  9. ISBN 4-06-361122-1
  10. ISBN 4-06-361160-4
  11. ISBN 4-06-361191-4
  12. ISBN 4-06-361213-9
  13. ISBN 4-06-361222-8
  • 講談社プラチナコミックス 全6巻
  1. 『地獄チンチロ』 (1) 地下強制労働編 ISBN 978-4-06-374096-7
  2. 『地獄チンチロ』 (2) 地下施設脱出編 ISBN 978-4-06-374104-9
  3. 『人食いパチンコ』 (1) 1000倍台“沼”編 ISBN 978-4-06-374126-1
  4. 『人食いパチンコ』 (2) 銀玉無間地獄編 ISBN 978-4-06-371644-3
  5. 『人食いパチンコ』 (3) 必勝“沼”攻略編 ISBN 978-4-06-371647-4
  6. 『人食いパチンコ』 (4) 逆襲大解放編 ISBN 978-4-06-371654-2
賭博堕天録カイジ
  1. ISBN 978-4-06-361280-6
  2. ISBN 978-4-06-361317-9
  3. ISBN 978-4-06-361346-9
  4. ISBN 978-4-06-361376-6
  5. ISBN 978-4-06-361415-2
  6. ISBN 978-4-06-361437-4
  7. ISBN 978-4-06-361457-2
  8. ISBN 978-4-06-361494-7
  9. ISBN 978-4-06-361524-1
  10. ISBN 978-4-06-361553-1
  11. ISBN 978-4-06-361587-6
  12. ISBN 978-4-06-361631-6
  13. ISBN 978-4-06-361648-4
  • 講談社プラチナコミックス
  1. 地雷ゲーム『17歩』 (1) 覚醒討伐編 ISBN 978-4-06-374593-1
  2. 地雷ゲーム『17歩』 (2) 猛攻鉄槌編 ISBN 978-4-06-374601-3
  3. 地雷ゲーム『17歩』 (3) 迷走四暗刻編 ISBN 978-4-06-374610-5
  4. 地雷ゲーム『17歩』 (4) 臥薪嘗胆編 ISBN 978-4-06-374618-1
  5. 地雷ゲーム『17歩』 (5) 弾劾闘牌編 ISBN 978-4-06-374627-3
  6. 地雷ゲーム『17歩』 (6) 逆転大和了編 ISBN 978-4-06-374636-5
賭博堕天録カイジ 和也編
  1. ISBN 978-4-06-361845-7
  2. ISBN 978-4-06-361870-9
  3. ISBN 978-4-06-361903-4
  4. ISBN 978-4-06-361947-8
  5. ISBN 978-4-06-361996-6
  6. ISBN 978-4-06-382037-9

テレビアニメ

アニメ:逆境無頼カイジ(第1期)
逆境無頼カイジ 破戒録篇(第2期)
原作 福本伸行
監督 佐藤雄三
シリーズ構成 高屋敷英夫
キャラクターデザイン 高田晴仁
アニメーション制作 マッドハウス
製作 逆境無頼カイジ製作委員会(第1期)
日本テレビ、バップ(第2期)
放送局 放送局参照
放送期間 第1期:2007年10月2日 - 2008年4月1日
第2期:2011年4月5日 - 9月27日
話数 第1期:全26話 第2期:全26話
その他 ハイビジョン制作
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

逆境無頼カイジ Ultimate Survivor(ぎゃっきょうぶらい-)』のタイトルで、2007年10月2日から2008年4月1日まで日本テレビ系列にて放送された。全26話。内容は原作第1シリーズ『賭博黙示録カイジ』に相当する。2005年から2006年に同局にて放送されたアニメ『闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜』の主要キャスト・スタッフが多数参加している。

原作における過激な言動・行為はテレビ局の自主規制などにより若干抑えられた描写になっているが、概ね原作を忠実になぞっている。また、福本作品の特徴的な演出である「ざわ…」は効果音やBGM・背景に多用されている。

番組の最後には作中から主なセリフを紹介する「カイジ箴言」というコーナーが設けられた。第2期では台詞を紹介する「カイジ箴言リターンズ」か関連商品を紹介する「カイジ宣伝」のいずれか。題字は福本が担当。

第1期最終回のカイジ箴言にて、2年後(つまり2010年4月ごろ)をめざして第2期を制作・放送することが公表され、実際の第2期は2011年4月から9月まで、『逆境無頼カイジ 破戒録篇(ぎゃっきょうぶらい- はかいろくへん)』のタイトルで放送された。全26話。また、破戒録篇のエンディングアニメによって『賭博堕天禄カイジ』冒頭のデートシーンも映像化されている。

キャスト

1・2期メインキャストのみ。

  • 伊藤開司(カイジ):萩原聖人
  • 兵藤和尊:津嘉山正種
  • 遠藤勇次:内田直哉
  • ナレーション:立木文彦(開始当初は落ち着いた口調であったが、物語の進行と共にじょじょに視聴者の不安・興奮を煽るものになっている)

○1期

○2期

スタッフ

  • 監督 - 佐藤雄三
  • シリーズ構成 - 高屋敷英夫
  • キャラクターデザイン - 高田晴仁
  • 美術監督 - 横松紀彦(第1期)、上野秀行(第2期)
  • 色彩設計 - 大野春恵
  • 撮影監督 - Oh Seong ha(第1期)、Lee Suk bum(第1期)、畑中宏信(第2期)
  • 編集 - 寺内聡
  • 音楽 - タニウチヒデキ
  • 音響監督 - 本田保則
  • プロデューサー - 中谷敏夫、田村学、岩佐直樹(第2期第17話 - )
  • アニメーションプロデューサー - 高橋亮平(第1期)、三田圭志(第2期)
  • アニメーション制作 - マッドハウス
  • 製作著作 -

主題歌

第1期
オープニングテーマ「未来は僕等の手の中」(第1話 - 第26話)
歌 - カイジwithレッどぼんチリーず
エンディングテーマ「負け犬たちのレクイエム」(第1話 - 第26話)
作詞・作曲・歌 - 白竜
第2期
オープニングテーマ「Chase the Light!」(第2話 - 第24話)
歌 - Fear, and loathing in Las Vegas
  • 第20話 - 第24話まではEDのスタッフロールがOPで出るようになった。
エンディングテーマ「CからはじまるABC」(第1話 - 第19話)
歌 - 忘れらんねえよ
エンディングテーマ「未来は僕等の手の中」(第26話)
歌 - カイジwithレッどぼんチリーず

各話リスト

第1期
話数 副題 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 総作画監督
bet.1 出航 高屋敷英夫 大久保富彦 佐々木奈々子 張喜圭 高田晴仁
bet.2 火蓋 佐藤雄三 中村亮介 濱田邦彦
bet.3 勝負 広田光毅 池田重隆 金東俊 高田晴仁
張喜圭
bet.4 破綻 ふでやすかずゆき 池田重隆 朴湊景 李炫姃
權赫正
濱田邦彦
bet.5 決死 岩城忠雄 細田雅弘 菅野智之
bet.6 興亡 高屋敷英夫 大久保富彦 金敏宣 李延吉 金東湜
bet.7 喝破 広田光毅 佐々木奈々子 日向正樹 高田晴仁
bet.8 鉄槌 ふでやすかずゆき 黒津安明 末田宜史 張吉容 濱田邦彦
bet.9 回生 高屋敷英夫 青山弘 川村賢一 李炫姃
權赫正
金東湜
bet.10 使者 広田光毅 新留俊哉 田中洋之 張吉容 濱田邦彦
bet.11 狂宴 ふでやすかずゆき 池田重隆 金東俊 金東湜
bet.12 転落 高屋敷英夫 大久保富彦 細田雅弘 青井清年 濱田邦彦
bet.13 怪物 広田光毅 中村亮介 細居美恵子
bet.14 亡霊 ふでやすかずゆき 荒木哲郎 末田宜史 張喜圭 高田晴仁
bet.15 天空 高屋敷英夫 佐々木奈々子 張吉容 金東湜
bet.16 怒髪 岩城忠雄 金敏宣 李炫姃
權赫正
濱田邦彦
bet.17 会話 広田光毅 新留俊哉 川村賢一
岩城忠雄
金東俊 高田晴仁
金東湜
bet.18 翻弄 ふでやすかずゆき 坂田純一 おゆなむ 梅原隆弘 -
bet.19 限界 吉野智美 細田雅弘 菅野智之 高田晴仁
金東湜
bet.20 鬼神 高屋敷英夫 末田宣史 細居美恵子 濱田邦彦
bet.21 心血 広田光毅 林秀夫 張吉容 金東湜
bet.22 執行 ふでやすかずゆき 田中洋之 張喜圭 高田晴仁
bet.23 邪道 吉野智美 佐々木奈々子 禹勝旭
金東俊
張吉容
濱田邦彦
bet.24 条件 広田光毅 後藤圭二 金敏宣 李炫姃 金東湜
bet.25 蒼白 ふでやすかずゆき 中村亮介 末田宜史 張吉容 濱田邦彦
bet.26 残光 高屋敷英夫 佐藤雄三 佐藤雄三
岩城忠雄
高田晴仁
金東湜
-
第2期
話数 副題 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 総作画監督
Bet.1 地の獄 高屋敷英夫 佐藤雄三 高田晴仁
梅原隆弘
-
Bet.2 勝負の鉄則 広田光毅 川尻善昭 Hong Hun-pyo Kim Dong-sik 梅原隆弘
Bet.3 強運の欠片 高屋敷英夫 Kim Min-sun Kim Dong-jun
Bet.4 逆襲の糸口 広田光毅 松村政輝 阿比留隆彦 高田晴仁
Bet.5 虐待と忍耐 高屋敷英夫 藤山智美 Woo Seung-wook Jang Kil-yong
Kang Ill-gu
梅原隆弘
Bet.6 熱風の到来 広田光毅 川村賢一 Lee Hyun Joung
Bet.7 魔法の賽 高屋敷英夫 神志那弘志 矢嶋哲生 森智子 高田晴仁
Bet.8 因果応報 広田光毅 浅香守生 Hong Hun-pyo Kim Dong-sik 梅原隆弘
Bet.9 喝采、そして… 高屋敷英夫 川尻善昭 Kim Min-sun Kim Dong-jun
Bet.10 最後の博奕 広田光毅 松村政輝 阿比留隆彦 高田晴仁
Bet.11 歓喜と嘆声 高屋敷英夫 川尻善昭 Woo Seung-wook Jang Kil-yong
Kang Ill-gu
-
Bet.12 破天・破漢 広田光毅 川村賢一 中川淳
村岡朋美
Lee Hyun Joung 梅原隆弘
Bet.13 攻略の糸口 高屋敷英夫 矢嶋哲生 森智子 高田晴仁
Bet.14 無頼の軌跡
(総集編)
佐藤雄三 -
Bet.15 虚仮の一心 広田光毅 川尻善昭 Hong Hun-pyo Kim Dong-sik -
Bet.16 決戦の幕開け 高屋敷英夫 Kim Min-sun Jang Hee-kyu 梅原隆弘
Bet.17 不毛な貫徹 広田光毅 松村政輝 阿比留隆彦 高田晴仁
Bet.18 鉄壁の門 高屋敷英夫 川尻善昭 Woo Seung-wook Jang Kil-yong -
Bet.19 奇跡の軌道 広田光毅 中川淳、村岡朋美 Lee Boo-hee 梅原隆弘
Bet.20 宿運の差 高屋敷英夫 矢嶋哲生 森智子 高田晴仁
Bet.21 確実な勝利 広田光毅 川村賢一 Hong Hun-pyo Kim Dong-sik -
Bet.22 諭吉の威光 高屋敷英夫 田中洋之 Kim Min-sun Jang Hee-kyu 梅原隆弘
Bet.23 風前の灯火 広田光毅 松村政輝 阿比留隆彦 高田晴仁
Bet.24 徘徊する銀玉 高屋敷英夫 佐藤雄三 Woo Seung-wook Jang Kil-yong
高田晴仁
-
Bet.25 怨嗟の涙 広田光毅 川村賢一 梅原隆弘
Jang Kil-yong
Bet.26 未来は僕らの… 高屋敷英夫 佐藤雄三 佐藤雄三
中川淳
村岡朋美
Kim Dong-sik
阿比留隆彦
高田晴仁
梅原隆弘

放送局

第1期
放送地域 放送局 放送期間 放送日時 備考
関東広域圏 日本テレビ 2007年10月2日 - 2008年4月1日 火曜 24時59分 - 25時29分 制作局
中京広域圏 中京テレビ 2007年10月17日 - 2008年4月16日 水曜 26時09分 - 26時39分
近畿広域圏 読売テレビ 2007年10月29日 - 2008年5月12日 月曜 26時29分 - 26時59分( - 2月11日)
月曜 25時59分 - 26時29分(2月18日 - )
MONDAY PARK
福岡県 福岡放送 2007年11月5日 - 2008年5月12日 月曜 25時29分 - 25時59分
日本全域 日テレプラス[10] 2008年1月10日 - 7月3日 木曜 22時30分 - 23時00分 他 CS放送
鹿児島県 鹿児島読売テレビ 2008年1月11日 - 7月4日 金曜 25時50分 - 26時20分
広島県 広島テレビ 2008年10月14日 - 2009年4月14日 火曜 24時59分 - 25時29分
日本全域 アニマックス 2009年8月4日 - 2010年2月2日 火曜 22時00分 - 22時30分 CS放送
LEVEL22枠
リピートあり
第2期
放送地域 放送局 放送期間 放送日時 備考
関東広域圏 日本テレビ 2011年4月5日 - 9月27日 火曜 24時59分 - 25時29分 制作局
近畿広域圏 読売テレビ 2011年4月11日 - 10月3日 月曜 26時19分 - 26時49分[11]( - 6月)
月曜 26時44分 - 27時14分(7月 - )
MONDAY PARK 枠
北海道 札幌テレビ 2011年4月22日 - 11月11日 金曜 25時58分 - 26時28分 1期は未放送
中京広域圏 中京テレビ 2011年4月22日 - 10月14日 金曜 26時27分 - 26時59分( - 6月)
金曜 26時12分 - 26時44分(7月 - )
福岡県 福岡放送 2011年4月24日 - 10月2日
2011年10月22日 - 10月29日[12]
日曜 25時20分 - 25時50分
土曜 25時51分 - 26時51分
日本全域 日テレプラス 2011年5月12日 - 11月10日 木曜 24時00分 - 24時30分 リピート放送あり
石川県 テレビ金沢 2011年7月9日 - 土曜 26時51分 - 27時20分[13] 1期は未放送
広島県 広島テレビ 2011年8月2日 - 火曜 25時04分 - 25時34分
  • なお、テレビ金沢ではDSG一社提供であり、DSGとのタイアップCMも放映されている。
日本テレビ 火曜24:59枠
前番組 番組名 次番組
逆境無頼カイジ
日本テレビ 火曜24:59枠
逆境無頼カイジ 破戒録篇

映画

カイジ 人生逆転ゲーム
監督 佐藤東弥
脚本 大森美香
製作総指揮 奥田誠治
出演者 藤原竜也
天海祐希
香川照之
音楽 菅野祐梧
主題歌 YUIIt's all too much
撮影 柳島克己
配給 東宝
公開 2009年10月10日
上映時間 129分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 未発表
興行収入 22.5億円[14]
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カイジ 人生逆転ゲーム』(カイジ じんせいぎゃくてんゲーム)のタイトルで、日本テレビ製作(講談社や東宝をふくむ十数社の共同による製作委員会方式だが、プロダクション業務をはじめ日本テレビグループや系列局が中心になっている)、東宝配給により2009年10月10日に公開された。佐原役の松山ケンイチは、友情出演(ただしゲスト的扱いではなく、出番は多い)という形で出演(藤原と松山はデスノートで共演)。作者の福本は黒服の一人として特別出演している。ストーリーは『賭博黙示録カイジ』と『賭博破戒録カイジ』の一部を基にしている。

キャッチコピーは、「ようこそ クズの皆様」「考えろ、裏をかけ。そして未来を手に入れろ。」。公開時には『人は勝たなきゃ屑だ』『俺は生きてるぞ!』と劇中の台詞が書かれた『ブレイブ・メン・ロード橋』や、カイジの名前が書かれた『カイジの給料袋』という封筒(ペリカを象ったメモ帳91枚入り)などといった限定グッズが発売された。

2010年10月15日に金曜ロードショー25周年企画として初放送された。

続編も製作された。詳細はこちらを参照。

キャスト(映画)

スタッフ(映画)

楽曲

原作との相違点

  • カイジの年齢が26歳に上がっている。
  • 遠藤の性別が女性に変更され、名も「遠藤凛子」となっている。帝愛での序列も、原作での利根川派閥一員から、冒頭の帝愛幹部一斉召集までは利根川とほぼ互角という設定に変更された。また、カイジに10分で3割複利の高利で金を貸したのが「沼」から「Eカード」に変更された。
  • 第1章「希望の船」→第2章「絶望の城」→第3章「欲望の沼」ではなく、第1章「希望の船」→第3章「欲望の沼」(地下施設強制労働まで)→第2章「絶望の城」という展開順序に変更された。ちなみに第3章「欲望の沼」での地下チンチロリンは一気に省略されて登場せず、カイジ自らがスターサイドホテル鉄骨渡りを志願(通常は地下工事素行不良者が制裁の為に強制参加させられていた)するという形で第2章「絶望の城」へと繋がる様にされた。
  • 原作では石田光司の家族にパチンコ屋に勤める妻と借金漬けの息子(後にカイジによって救済された)が居たが、映画ではパチンコ屋で働く一人娘のみになっている(この改変設定はアニメからの引用である)。カイジ2ではカイジと手を組む展開となっている。
  • カイジに付けられた焼印が、原作では数字だったのに対し、映画では帝愛の社章に変わりチップが埋め込まれている。
  • 原作では佐原の下の名前は不明だが、「誠」という下の名前を追加。また、原作でのカイジがエスポワールを降りた後にコンビニでアルバイトをする描写がカットされ、さらに佐原は地下帝国の作業員という設定になっており、彼がカイジに初対面する場所は地下帝国になっている。
  • 原作では大槻の下の名前は不明だが、「太郎」という下の名前を追加。
  • 原作では中山の下の名前は不明だが、「正彦」という下の名前を追加。
  • 原作では利根川が「Eカード」でカイジに敗れた後の消息は不明だが、映画版では地下帝国送りとなっている。カイジ2ではスラム街でカイジと再会し、その後手を組む展開になっている。また、原作の遠藤に代わり、沼の情報や助言をカイジに流す重要な役割になっている。
  • その他ストーリーの展開やギャンブルのルールに多少のアレンジや省略、統合がある。

ソフト化

2010年4月9日発売。発売・販売元はバップ。

  • カイジ 人生逆転ゲーム DVD通常版(1枚組)
  • カイジ 人生逆転ゲーム DVD豪華版(2枚組)
    • ディスク1:本編DVD
    • ディスク2:特典DVD
      • ドキュメント・オブ・カイジ 藤原竜也 一年に渡る挑戦
      • 特報・劇場予告編・TVスポット集
    • 封入特典
      • 皇帝!市民!奴隷!!勝たなきゃクズだ!!! 壮絶な心理戦を体感せよ。Eカードセット
      • 原作者:福本伸行からの"熱き"メッセージ付 スペシャルカード
      • 劇場用宣伝プレス・レプリカ仕様(16P)
    • デジパック仕様
  • カイジ 人生逆転ゲーム ブルーレイ版(本編BD+特典DVDの2枚組)
    • ディスク1:本編BD
    • ディスク2:特典DVD(DVD豪華版と同様)

備考

映画2作目

カイジ2 人生奪回ゲーム
監督 佐藤東弥
脚本 福本伸行
山崎淳也
大口幸子
出演者 藤原竜也
伊勢谷友介
吉高由里子
生瀬勝久
香川照之
音楽 菅野祐梧
配給 東宝
公開 2011年11月5日
上映時間 133分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 16.1億円[16]
前作 カイジ 人生逆転ゲーム
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カイジ2 人生奪回ゲーム』のタイトルで2011年11月5日公開。キャッチコピーは「おかえり、クズの皆様。」「ダマして、奪え。俺たちの未来を取り戻せ。」。

脚本には原作者である福本も参加し共同執筆。「チンチロ」「沼」編をベースにしつつも、ストーリーは原作を大幅にアレンジ。さらに福本の発案によるオリジナルギャンブル「姫と奴隷」が追加される。

全国316スクリーンで公開され、2011年11月5、6日の初日2日間で興収3億4,967万7,200円、動員26万429人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第2位となった[17]

キャスト(映画2)

ほか

スタッフ(映画2)

ほか

ソフト化

2012年4月25日発売。発売・販売元はバップ。全商品共通で本編ディスクには劇場公開版本編の他、未公開シーンを追加した長尺版本編を収録。トップメニュー画面から未公開シーンのみを選択して再生することも可能。

  • カイジ2 人生奪回ゲーム DVD通常版(1枚組)
  • カイジ2 人生奪回ゲーム DVD豪華版(2枚組)
    • ディスク1:本編DVD
    • ディスク2:特典DVD
      • イベント映像集 ドキュメント・オブ・カイジ2
      • 「カイジ2」公開記念! 超豪華!カイジ2の舞台裏見せちゃうぞSP 〜藤原竜也×伊勢谷友介×吉高由里子インタビュー〜
      • 特報・劇場予告編・TVスポット集
    • 封入特典
      • ブックレット(20P)
      • 給料袋付100ペリカ札レプリカ
      • 魅惑の"言葉責め"シール
    • 特製スリーブケース付きデジパック仕様
  • カイジ2 人生奪回ゲーム ブルーレイ版(本編BD+特典DVDの2枚組)
    • ディスク1:本編BD
    • ディスク2:特典DVD(DVD豪華版と同様)

サウンドコミック

2011年11月1日よりBeeTVでシリーズ第1作『賭博黙示録カイジ』がサウンドコミックとして配信されている。これは漫画の絵にパンなどの画面効果を加えた映像に声優が声をあてたラジオドラマで、第1部『希望の船』が配信中。『絶望の城』以降の配信は未定。

キャスト

主題歌

歌 - KOLOR

その他

漫画
  • 1997年に『ヤングマガジン赤BUTA』、2006年にe-mangaにて、パラレルワールドとして描かれる番外編「カイジ外伝」が掲載・配信された。ギャグ色が強められた展開で、エスポワール号に乗らなかったカイジがマカオのカジノで借金返済を目指し、大小に翻弄される姿が描かれている。2011年発売の『圧倒的オフィシャルガイド カイジ×カイジ×カイジ』に収録された。
ゲーム
  • エスポワールでの限定ジャンケンを再現したプレイステーション用ソフト『賭博黙示録カイジ』(講談社)が2000年5月25日に発売された。このゲームは原作の「人生にやり直しなどない」「勝負に後戻りはない」というテーマ性をそのままリアルに引き継いだために、「リセット」という操作を行うと強制労働(という名のミニゲーム)を受けさせられ、断った場合はセーブデータを抹消され、一からやり直しとなるというハードな設定となっている。
  • 2008年9月25日にはコンパイルハートからニンテンドーDS用ソフト「逆境無頼カイジ Death or Survival」が発売された(対象年齢(CERO):17歳以上(D))。
  • 2004年にはタイトー携帯電話アプリゲームをリリースしている[18]
  • 2011年7月19日、Mobageのソーシャルゲームとして『逆境無頼カイジ 電網遊戯篇』がリリースされる。
  • オンラインゲームの777town.netには、本作に登場したギャンブルをプレイできる「帝愛カジノ」が設置されている。
テレビ番組
パチンコ
パチスロ
雀球
  • 手打ち雀球黙示録カイジ(2012年、サミー

脚注

  1. ^ a b c 創ったヒト』2010年3月6日 - 3月13日放送分、福本伸行出演時
  2. ^ ヒフミに対してシゴロ、ゾロ目が出た場合の倍率は、本編では触れられていないが、777town.netの帝愛カジノでは両者が乗算され、シゴロが4倍づけ、2~6ゾロが6倍づけ、ピンゾロが10倍づけとなっている。
  3. ^ あるいは30符4翻の切り上げ満貫とも解釈できる。
  4. ^ モバイル版ゲームではノーテン罰符1000点がある。
  5. ^ 作中では特に場風牌・面風牌の区別は無いが、麻雀における西家の立場と説明されている。
  6. ^ 矢尾はアニメに先立って製作されたパチスロ機『回胴黙示録カイジ』においてカイジの声を担当していた。
  7. ^ アルバム『THE BLUE HEARTS』に収録されている。
  8. ^ Sponichi Annex (2007年9月20日). “萩原聖人「カイジ」で歌手デビュー”. 2007年12月16日閲覧。
  9. ^ 原作者及びカイジ役の萩原聖人はブルーハーツの大ファンであり、原作やアニメ第1話の冒頭でもカイジの自室に「未来は僕らの手の中」と曲のタイトルが書かれた紙が貼られているのが確認できる。また本作品で佐原を演じた甲本雅裕は、ボーカリスト甲本ヒロトの実弟である。
  10. ^ 放送開始に先駆け『日テレプラス限定版!「逆境無頼カイジ」放送直前まるわかりSP』を2007年12月27日22時00分 - 23時00分ほかに放送。
  11. ^ 初回の放送は、27時29分 - 27時59分。
  12. ^ 2011年10月22日は23・24話、10月29日は25・26話の2話一挙放送。
  13. ^ 初回の放送は、27時06分 - 27時33分。
  14. ^ 2009年度興収10億円以上番組(日本映画製作者連盟 2010年1月発表)
  15. ^ 鉄骨渡りのシーンに出演
  16. ^ 2011年度(平成23年)興収10億円以上番組(平成24年1月発表)一般社団法人 日本映画製作者連盟 2012年1月26日発表
  17. ^ 『ステキな金縛り』V2で早くも100万人突破!『カイジ』初登場2位!『モテキ』150万人突破!東宝作品強し!シネマトゥデイ 2011年11月9日
  18. ^ タイトー. “賭博黙示録カイジ”. 2007年12月16日閲覧。
  19. ^ 賭博破戒録カイジの劇中に登場したパチンコ「沼」が基になっている。

外部リンク