麻雀の得点計算

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

麻雀の得点計算(マージャンのとくてんけいさん)とは、麻雀において、和了により獲得される得点の計算である。麻雀に関しての文脈では、単に点数計算という。以下、点数計算の方法とメカニズム、および得点計算に関する周辺ルールについて概説する。

目次

[編集] 概要

麻雀というゲームは通常、1局1局の和了や振り込みによって勝敗を決するのではなく、半荘終了時の最終的な持ち点の多寡によって勝敗を決する。持ち点の変化は主に和了によって生じるが、和了の際の点数の決定は歴史的な経緯により複雑な計算を必要としている。ベテランならば瞬時に計算することもできるが、初心者には正しく計算することさえ難しい。この点数計算の複雑さは、麻雀を学ぶ際の足枷の1つになっている側面がある。コンピュータを利用した麻雀環境ではこれら点数計算はすべて自動化されているものの、終盤のゲーム運びや戦略を考える上で、点数計算はやはりマスターしておいたほうが有利である。

[編集] 基本的な手順

計算方法は、概ね次の手順による。

  1. 符の計算
  2. 翻数の計算
  3. 基本点の算出
  4. 各自の負担額の決定

翻数が決まれば点数は確定する。これをまとめたものが後掲の早見表である。

基本点とは符と翻数の掛け算によって算出される数値のことで、例えば子の満貫8000点の基本点は2000点である。ツモ和了の場合は基本点2000点を子2人がそれぞれ支払い、親が基本点の2倍4000点を支払うことで合計が8000点になる仕組みである。

以下、各段階における計算のメカニズムについて詳述する。

[編集] 符の計算

とは、手牌の構成や和了の状況により計算されるもので、(翻数)とともに得点計算の二大要素となる。

具体的には、以下の各項目をすべて加算し、その合計を10符単位に切り上げたものである。たとえば、合計が34符なら、切り上げて40符となる。

面子
順子 0符
中張
明刻子 2符 4符
暗刻子 4符 8符
明槓子 8符 16符
暗槓子 16符 32符
雀頭
客風 0符
自風 2符
場風
三元牌
連風牌 4符又は2符
待ち
両面待ち 0符
双碰待ち
嵌張待ち 2符
辺張待ち
単騎待ち
  • 副底(フーテイ。必ず与えられる20符。符底ともいう)
  • 門前加符(メンゼンカフ。門前でロン和了した場合に10符が与えられる)
  • 面子の構成による符(鳴くと半分)
  • 雀頭による符
  • 待ちによる符
  • 和了の方法による符(ツモ和了の場合、2符が加算される)
(例)中中一筒二筒發發發     ツモ三筒         八筒         九萬九萬九萬

この牌姿の場合、「中の対子=2符」+「辺張待ち=2符」+「發の暗刻=8符」+「ツモ=2符」+「八筒の明槓=8符」+「九萬の明刻=4符」に副底20符を足し、合計で46符となる。46符は切り上げて50符として計算する。

[編集] 七対子

七対子の場合は特例として、切り上げなしの25符2翻とするのが一般的である。25符2飜は50符1飜に等しく、子1600点→3200点→6400点、親2400点→4800点→9600点というふうに、符計算なしの得点に固定されている。ただし、七対子が役として採用されてゆく際の歴史的経緯により、25符2飜以外の扱いをしているルールもある。

  • 25符2飜とする(現在の一般的なルール)
  • 50符1翻とする
  • 30符2翻とする

七対子の得点計算と歴史経緯については、七対子#歴史も参照のこと。

[編集] 喰い平和形

門前ではないが、平和の形になっているような場合(いわゆる喰い平和)、ロン和了では副底のみの20符になる。この場合は30符とするのが一般である。 麻雀の最低点は1000点という認識によるものと考えられているが、以下のような扱いも存在する:

  • 特例を認めず、喰いピンの形はすべて20符で計算する
  • 20符1翻に限って30符とし、2飜以上の場合は20符で計算する

[編集] 翻数の計算

得点計算における翻数は、成立しているの翻数を合計したものである。たとえば、立直(1翻)・平和(1翻)・三色同順(2翻)の場合、4翻として扱う。

さらに、ドラが含まれる場合は、ドラ1枚につき1翻を加算する。

翻数1翻につき、基本的に点数は倍になる。たとえば、符が40符で翻数が2翻の場合、40×2×2=160点である。ただし、翻数が大きくなると点数が爆発的に大きくなってしまうため、得点の上限が定められている(満貫)。満貫については後述する。

[編集] 喰い下がり

一部の役には、門前時と副露時で1翻異なる翻数が設定されている。具体的には、三色同順一気通貫チャンタ純チャン混一色清一色は、副露した場合に1飜値段が安くなる。これを食い下がりと言い、食い下がりのある役を食い下がり役と言う。

[編集] 場ゾロ

現在の麻雀のルールでは、役(およびドラ)による翻数とは別に、さらに2翻が追加される。30符4翻の例でいうと、基本点は30×2×2×2×2=480点だが、さらに2翻追加されることで480×2×2=1920点となる。この2翻を場ゾロリャンゾロデンデンバンバン)という。 ただし、一般的に、翻数は場ゾロを除いて表す。

歴史的には、開局時のサイコロの目によって異なる翻数が与えられた。

[編集] 基本点の算出

点数計算は、基本点が基準になる。これは平たく言えば「子のツモ和了が発生した時に、他の子が支払う点数」のことである。この基本点を元に、あらゆるケースの得点を算出する。

[編集] 計算式

基本点=符×2(翻数+2) (ここで+2は場ゾロの分)

例えば40符2翻の場合の基本点は、40符×2(2翻+2)=640点となる。

[編集] 満貫以上の基本点

計算式で算出する場合の上限は2000点とする。2000点を超えるような計算になってしまう場合は計算式を用いず、飜数に応じて定められた値を基本点とする。

満貫(まんがん)
5翻以下の場合、基本点を2000点として扱う。
跳満(はねまん)
6~7翻の場合、基本点を3000点として扱う。
倍満(ばいまん)
8~10翻の場合、基本点を4000点として扱う。
三倍満(さんばいまん)
11~12翻の場合、基本点を6000点として扱う。
役満(やくまん)
通常、役の価値は翻数で表されるが、難度の高い一部の役は役満として特別扱いされる。役満の基本点は8000点である。

60符や70符など符が大きい場合は、3翻で計算上の上限2000点を越える。このような場合は3飜でも満貫として計算する。特に60符のケースは俗に「1飜アップ」と言われる。

[編集] 切り上げ満貫

30符4飜・60符3翻の場合、基本点は1920点となり、これは満貫2000点に極めて近い値であるため、切り上げて満貫にする場合がある。後述する支払い額で表せば、子の7700点を8000点、親の11600点を12000点にすることに相当する。

この取り決めは現在比較的広く浸透しており、フリー雀荘等では「子の7700点や親の11600点は満貫として扱います」などとルール説明される。

[編集] 各自の負担額の決定

和了の際に他のプレイヤーが負担する点数は次のように決定される。なお、100点未満の端数は支払いの直前で切り上げとなる。

子のツモ和了
基本点×2を親が支払い、他の2名がそれぞれ基本点を支払う。
子のロン和了
基本点×4を放銃者が支払う。
親のツモ和了
基本点×2を他の3名がそれぞれ支払う。
親のロン和了
基本点×6を放銃者が支払う。

例えば40符2翻の場合は以下のようになる。

子のツモ和了
親は1300点(640×2=1280を切り上げ)、他の2名(子)は700点(640を切り上げ)ずつ支払うことになる。
子のロン和了
放銃者が2600点(640×4=2560を切り上げ)を支払う。

[編集] 責任払い

詳細は「責任払い」を参照

いくつかの特定の役で和了られ、その役を確定させた副露があった場合、その副露をされたプレイヤーが点の全て(ツモの場合)または半分(ロンの場合、残り半分は放銃者)を支払うルール。和了った者が受け取る点数の合計は変化しない。

採用しないこと、採用するケースが一定しないこともある。

[編集] 点数の早見表

一般的には、上記のような基本点からの計算は非常に煩雑であるため、計算結果は下図のような早見表としてまとめられ、これが広く使われている。早見表を用いることの利点は、符と翻数さえ計算できれば自動的に点数が決まり、ゲームの進行がスムーズになることにある。点数計算のできるプレーヤーはこれをほぼ暗記しているため、素早く正確に計算することができる。

[編集] 親の点数早見表

括弧内はツモ和了の場合の子1人の支払い分。

切り上げ満貫は背景色を黄色にしてある。

20符 25符
(七対子)
30符 40符 50符 60符 70符 80符 90符 100符 110符
1翻 - - 1500
(500)
2000
(700)
2400
(800)
2900
(1000)
3400
(1200)
3900
(1300)
4400
(1500)
4800
(1600)
5300
(-)
2翻 -
(700)
2400
(-)
2900
(1000)
3900
(1300)
4800
(1600)
5800
(2000)
6800
(2300)
7700
(2600)
8700
(2900)
9600
(3200)
10600
(3600)
3翻 -
(1300)
4800
(1600)
5800
(2000)
7700
(2600)
9600
(3200)
11600
(3900)
満貫
12000
(4000)
4翻 -
(2600)
9600
(3200)
11600
(3900)
5翻
6翻
7翻
跳満
18000
(6000)
8翻
9翻
10翻
倍満
24000
(8000)
11翻
12翻
三倍満
36000
(12000)
13翻以上 数え役満
48000
(16000)

[編集] 子の点数早見表

括弧内はツモ和了の場合の払い分。上段が子の支払い、下段が親の支払い。

20符 25符
(七対子)
30符 40符 50符 60符 70符 80符 90符 100符 110符
1翻 - - 1000
(300,
500)
1300
(400,
700)
1600
(400,
800)
2000
(500,
1000)
2300
(600,
1200)
2600
(700,
1300)
2900
(800,
1500)
3200
(800,
1600)
3600
(-)
2翻 -
(400,
700)
1600
(-)
2000
(500,
1000)
2600
(700,
1300)
3200
(800,
1600)
3900
(1000,
2000)
4500
(1200,
2300)
5200
(1300,
2600)
5800
(1500,
2900)
6400
(1600,
3200)
7100
(1800,
3600)
3翻 -
(700,
1300)
3200
(800,
1600)
3900
(1000,
2000)
5200
(1300,
2600)
6400
(1600,
3200)
7700
(2000,
3900)
満貫
8000
(2000,
4000)
4翻 -
(1300,
2600)
6400
(1600,
3200)
7700
(2000,
3900)
5翻
6翻
7翻
跳満
12000
(3000,
6000)
8翻
9翻
10翻
倍満
16000
(4000,
8000)
11翻
12翻
三倍満
24000
(6000,
12000)
13翻以上 数え役満
32000
(8000,
16000)

[編集] 備考

  • 満貫以下は1翻増えるごとに点数が2倍となることから、「2m符n翻の点数=m符(n+1)翻の点数」とみなすことができる。例えば60符1翻は30符2翻と同じ点数であり(どちらも親2900/子2000)、25符2翻は50符1翻と同じ点数である(どちらも親2400/子1600)。このように捉えておくと、暗記するべき早見表の項目を減らすことができる。すなわち、60符の列は30符の倍、80符の列は40符の倍、100符の列は50符の倍ということを理解していれば、60符・80符・100符の列は暗記する必要がない。また、90符の列は、40符の列と50符の列を足し算することで求めることができる。例えば「子40符2翻2600点」+「子50符2翻3200点」=「子90符2翻5800点」である(表の該当枠3つを参照、ツモ和了の場合の支払いの額まで誤差なく合致している)。このことを知っていれば、90符の列も暗記の必要がない。結果として、暗記するべき列は、20符・30符・40符・50符の「よくある4列」と、70符・110符の「見慣れない2列」の計6列に絞られる。
    • 90符の列は30符の列の約3倍である。例えば「子90符1翻」は「子30符1翻1000点」の約3倍で2900点となっている。また、「子90符2翻」は「子30符2翻2000点」の約3倍で5800点となっている。このような誤差が生じるのは、符×翻の計算をした後に100点未満の端数を切り上げるためである。実際のところ「子30符1翻1000点」というのは960点を切り上げたものであり、960点の3倍は2880点、これを切り上げれば2900点という数値が出てくる。同じく「子30符2翻2000点」は厳密には1920点であり、1920点の3倍は5760点、これを切り上げれば5800点という数値が出てくる。
  • 20符の計算をするのは平和をツモ和了した場合だけである。必然的に、20符1翻は存在しない(平和と門前清自摸和が同時に成立するため、最低でも20符2翻になる)。
  • 七対子の形を25符として扱う場合は七対子の翻数を2翻とするため、25符1翻は存在しない。25符という中途半端な符が存在する理由は、七対子#歴史を参照のこと。
  • ダブ東やダブ南といった連風牌の対子を2符とするルールでは、110符以上の手には必ず三暗刻対々和三槓子のいずれかが成立するため、110符1翻の手は存在しない。ただし、連風牌の対子を4符とするルールならば、下図のような形の110符1翻があり得る。
    二索三索四索東東中中  ロン中    牌背一萬一萬牌背    牌背九筒九筒牌背
東場の東家の場合、上の牌姿は「副底=20符」+「門前ロン=10符」+「連風牌ダブ東の対子=4符」+「中の明刻=4符」+「一萬の暗槓=32符」+「九筒の暗槓=32符」=102符で、切り上げて110符。役はのみの1翻で、110符1翻は親5300点となる。
  • 五筒六筒七筒南南發發  ロン發    牌背一索一索牌背    牌背九萬九萬牌背
同様に、南場で南家の場合でも上記の形で110符1翻を構成でき、3600点となる。
  • 120符以上の形は必ず3翻以上の役が伴うので、最低でも満貫となる。

[編集] 得点計算に関するその他のルール

[編集] 積み符

連荘流局などによって積み棒(場棒)が存在する場合、積み棒1本につき和了時の得点が300点加算される(ツモ和了の場合は各自の支払いが100点ずつ増える)。これを積み符という。1本場につき300点とするのが一般的であるが、1本場1500点とすることもある(ツモ和了の場合は各自500点ずつ)。また、積み棒自体を採用しないルールもある。

積み棒がある時の得点(子の8000点の和了の場合)
0本場
(平場)
1本場 2本場 3本場
場300点 ツモ和了 2000-4000 2100-4100 2200-4200 2300-4300
ロン和了 8000 8300 8600 8900
場1500点 ツモ和了 2000-4000 2500-4500 3000-5000 3500-5500
ロン和了 8000 9500 11000 12500

通常のルールは1本場300点だが、300点程度の積み棒の重要度はさほど大きくない。しかし、1本場を1500点とするルールの場合、上の表のとおり積み棒が1本多くなるごとに1500点増し、3000点増し、4500点増しとなるため、積み棒の重要度は格段に高くなる。これは例えば、4本場であれば1000点が7000点になるということである。1000点が2200点になるのとでは比較にならない。

また、1本場300点のルールには特に名称はないが、1本場1500点のルールは俗に場千五(バセンゴ)と呼ばれる。これは「場に1500点」を略した俗称である。

[編集] 高点法

得点計算において、複数の解釈が成立する場合、最も点数が高くなるように計算しなければならない。この原則を高点法という。

例えば二萬二萬三萬四萬四萬五萬五萬二索三索四索二筒三筒四筒の手を三萬であがった場合、萬子部分は「2の対子」「345の順子」「45の両面塔子」にも取れるし、「5の対子」「234の順子」「24の嵌塔子」にも取れる。2を雀頭にする場合あがり役はタンヤオ+平和+一盃口となり、30符3飜の得点になる。しかしこの手の場合、萬子以外の2面子が234を構成しているため、萬子部分も345ではなく234と取り、三色同順に取ったほうが得点が高くなる。その場合あがり役はタンヤオ+三色+一盃口の40符4飜となる(ただし、萬子部分を234と取る場合、待ちの部分は24の嵌張に取らなければならないため、平和は消えてしまう)。このように、同じ形で2通りにとれる場合は常に得点の高くなるほうで点数計算をするのが高点法である。

このほかにも代表的な例として、七対子とも二盃口とも解釈できる場合がある。この場合、点数が高くなるように二盃口と解釈する。

(例)三萬三萬四萬四萬五萬五萬四筒四筒五筒五筒六筒六筒一索一索

高点法は符計算にも適用される。例えば3455の待ちで5で和了した場合、2と5の両面待ちではなく単騎待ちと解釈したほうが符が2符高くなる。ただし、平和が成立する場合には、両面待ちと解釈することになる。下図の例は、リャンメンにも取れるしカンチャンにも取れるケース。カンチャンに取ったほうが点数が高くなる。

(例)二索二索三筒四筒五筒一萬二萬三萬三萬四萬中中中  リーチツモ二萬

二萬五萬のリャンメン待ちで、二萬をツモあがったケースである。和了役はリーチ+ツモ+で計3翻。符計算は、123・34のリャンメン待ちに取った場合「副底=20符」+「中の暗刻=8符」+「ツモ符=2符」+「リャンメン待ち=0符」= 30符。ところが234・13のカンチャン待ちに取った場合「副底=20符」+「中の暗刻=8符」+「ツモ符=2符」+「カンチャン待ち=2符」= 32符、切り上げて40符となる。リャンメンに取るなら30符3翻で1000-2000、カンチャンに取るなら40符3翻で1300-2600。したがって得点がより高くなるカンチャン待ちのほうに取ることとなる。

[編集] 一事不再理

得点計算に誤りがあった場合、得点の支払いをすませて次局に進んでいれば、現状を有効として訂正しないのが一般的である。(4者の合意がある場合や、公式戦で記録がある場合は訂正されることがある。)

このルールを悪用し、故意に点数を過大申告する者もまれに存在し、それを防止するために過大申告を錯和とすることもある。

[編集] 得点計算の例

以下、平場(積み棒なし)の場合のみを扱う。

[編集] 基本的な計算例

東場の東家が、五萬五萬六萬七萬七萬二筒三筒四筒六筒六筒五索六索七索で立直し六萬を引いた場合を例に挙げる(ドラ表示牌は六筒、裏ドラ表示牌は八索)。

聴牌形は順子が3つと数牌の対子、そして嵌塔子1つであった。このため、符は副底の20符に嵌張待ちの2符とツモあがりによる2符が加えられ合計24符。これを10符単位に切り上げて30符となる。

役としては断ヤオ九(1翻)・一盃口(1翻)が発生し、立直してツモなので立直(1翻)と門前ツモ(1翻)の分も加算して4翻となる。

この結果、基本点は30×24+2=1920となり、あがったのが親であるため子はそれぞれ1920×2=3840を100点単位に切り上げた3900点を支払い、親は3900×3=11700点を受け取る事になる。ただし、このような4飜30符は、端数を切り上げて満貫として扱う場合も多い(切り上げ満貫)。

[編集] 平和の計算例

東場の南家が、一筒二筒三筒七筒八筒九筒三索四索六索七索八索九索九索で立直し、次の一発目のツモ番で二索を引いてあがった場合を例に挙げる(ドラ表示牌に發、裏ドラ表示牌が三筒)。

まず、ツモあがりであるため門前加符10符は発生せず、得点計算の基本は20符となる。次に、3つの面子がすべて順子であるため、牌の組み合わせによる符は加算されない。また、雀頭となる対子が役牌ではないため、雀頭にも符がつかない。そして、両面待ちであるため、待ちによる符もつかない。かつ、平和成立の要件を満たしているため、ツモあがりのツモ符2符も加算されない。これにより、20符で計算される。

立直している事により1翻、立直した次のツモ番であがったので一発がついて1翻、門前ツモとして1翻、平和による1翻、合計4翻となる。

これにより基本点が20×24+2=1280となるため、以下の点棒のやりとりが行われる。

  • 親(東家)は1280×2=2560、これを100点単位で切り上げた2600点を払う。
  • 子2名(西家、北家)はそれぞれ1280を100点単位に切り上げた1300点を払う。
  • あがった南家の得点は2600+1300×2=5200点となる。

[編集] ドラが絡む例

東場の東家が 四筒五筒六筒七筒八筒九筒三索四索五索七索八索南南で立直し、南家が六索を振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌は七索、裏ドラ表示牌は六筒)。

この事例は聴牌の形としては3つの順子+客風牌の対子+両面塔子であり、先の事例同様平和が成立している形である。この状態でのロンあがりは副底+加符の30符となる。

この形式も先の事例同様立直と平和のみというシンプルな形ではあるが、ドラと裏ドラが1枚ずつ含まれている。このためこの役は4翻となる。

基本点は30×24+2=1920となり、親のロンあがりなのでこれを6倍し1920×6=11520を100点単位に切り上げた11600点が南家から東家に移動する事になる。

[編集] 副露している例

東場の南家が 一筒二筒三筒西   三索一索二索   六索四索五索   九索七索八索 で聴牌した状態で、東家が西を振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が一索、裏ドラ表示牌が三萬)。

和了形は4順子(明順と暗順の別は得点計算に影響しない)と客風牌の単騎待ちとなり、符は副底の20符に単騎待ちの2符が加算されるため22符となり、これを10点単位に切り上げて30符とする。

成立している役は一気通貫のみである。これは本来2翻の役であるが、副露している場合は1翻として扱う(食い下がり)。また、ドラである二索が1枚あるため、その1翻が加えられ2翻となる。

ここから、基本点は30×22+2=480点となり、子のロンあがりなので振り込んだ東家が480×4=1920点を100点単位に切り上げた2000点を南家に支払う事になる。

[編集] 七対子の例

南場の東家が二索二索三索三索四索四索七筒七筒五萬東東中中で立直せずに聴牌した状態で、五萬を引いた場合を例に挙げる(ドラ表示牌は九索、裏ドラ表示牌は東)。

この形式は七対子なので、符は25符で固定されている(標準的なルール)。単騎待ちや役牌の対子は符には考慮しない。

成立している役は七対子(2翻)に門前ツモ(1翻)を加え合計3翻である(構成牌は順子ではなく対子であるから、順子2組で構成される一盃口は成立しない)。

ここから、基本点は25×23+2=800点となり、親のツモあがりなので、子三人がそれぞれ800×2=1600点を東家に支払うことになり、親の得点は1600×3=4800点となる。

[編集] 満貫以上の例

南場の東家が三萬三萬三萬七筒七筒七筒八筒八筒一索一索一索中中で立直し、北家が中を振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が六筒、裏ドラ表示牌が三萬)。

役を先に数えると、立直(1翻)・役牌(中の刻子による1翻)・対々和(2翻)・三暗刻(2翻)と、ドラとして七筒が3枚あるため、1+1+2+2+3=9翻となる。このためこの和了は倍満となり、振り込んだ北家は和了した東家に24000点を支払うことになる。

符を計算すると、門前ロンで中張牌の暗刻2つ、ヤオ九牌暗刻1つ、ヤオ九牌明刻1つがあるため、20+10+4×2+8+4=50符となる。しかし、満貫以上の点数は翻数のみによって定まるため、符の計算は得点計算に関係しない。

[編集] 役満の例

東場の南家が一筒二筒九筒九筒發發發中中中   白白白で聴牌した状態で、西家が三筒を振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が白、裏ドラ表示牌が九萬)。

この例では大三元が成立している。大三元は役満なので、振り込んだ西家は和了した南家に32000点を支払うことになる。

符を計算すれば副底にヤオ九牌の暗刻2つ、明刻1つと辺張待ちを加えた42符を切り上げた50符で、役は他にも混一色(喰い下がり2翻)、全帯ヤオ(喰い下がり1翻)とドラ3枚がある。しかし、大三元という役満が成立しているので、符計算はもとより他の役も得点計算には関係しない。

[編集] 数え役満の例

数え役満を採用する場合、以下のような形が13翻以上となる

一索一索一索九索九索白白白發發發中中  ロン九索
混一色(3翻)・混老頭(2翻)・対々和(2翻)・三暗刻(2翻)・白(1翻)・発(1翻)・小三元(2翻)で13翻。なおこの形が数え役満になるのは九索でロンの場合のみである(中のロンで大三元、中のツモなら大三元四暗刻のダブル役満、九索ツモなら四暗刻となる)。
一索一索二索二索三索三索七索七索八索八索九索九索九索  ツモ九索
平和(1翻)・門前清自摸和(1翻)・純全帯ヤオ(3翻)・二盃口(3翻)・清一色(6翻)で14翻。

[編集] 役満の複合例

發  和了發     牌背東東牌背   牌背南南牌背   牌背西西牌背   牌背北北牌背
字一色+四槓子+四暗刻+大四喜が複合した形となる。四暗刻単騎をダブル役満とし、なおかつ大四喜もダブル役満とするルールなら、この手は6倍役満ということになる。これらを認めない場合でも4倍役満である。

[編集] 付加的なルール

伝統的でない取り決めおよび種々のローカルルールを列挙する。

[編集] 満貫以上の得点の扱い

古いルールおよび一部のルールにおいて、満貫以上の得点の扱いが現在一般的なルールとは異なっていることがある。上述の切り上げ満貫も今でこそ一般的なルールになっているが、もともとは以下の挙げるようなルールの一つだった。

倍満の扱い
満貫以上を2翻刻みで統一する方がよいとの根拠から、倍満を8~9翻とすることがある。この場合、三倍満や数え役満の翻数も同様に繰り下がる。
三倍満の扱い
古いルールでは、倍満の次のランクは三倍満ではなく役満であった。三倍満の考案はおおよそ昭和40年代から50年代にかけてであり、比較的新しいルールである。少なくとも戦後すぐの段階では三倍満はまだ登場しておらず、そのため古い文献では「トリプル」は三倍満のことではなくトリプル役満を意味している。
数え役満の扱い
13翻以上の手は一般に数え役満と言われるが、正規の各種役満は得点計算における特別扱いであるという見地から、通常役の加算による得点が役満と同じ額の得点になることを避けるべく、数え役満を認めないルールになっていることがある。その場合、通常の役の加算によって得られる得点の上限は三倍満となる。三倍満が一般に広まる前の時代では、上限はさらに低く倍満までであった。
役満の扱い
古いルールおよび一部のルールにおいて、役満の点数を満貫の3倍もしくは5倍などにしていることがある。また、大四喜九蓮宝燈など難易度の高い役満を、役満の1.5倍の額で取り扱うことがある。1.5倍額の役満は大役満もしくは古い用語では大満貫と呼ばれる。
ダブル役満等の扱い
四暗刻単騎国士無双十三面待ち九蓮宝燈九面待ち大四喜など難度の高い役満を、2倍の得点となるダブル役満として扱うことがある。これは上記4つに比べれば比較的広く採用されているルールである。

[編集] 割れ目

点数授受をさらに引き上げるルールに割れ目(われめ、ワレメ)がある。

割れ目は、局の開始時に牌を取り始めた山(開門)の位置のプレーヤーはその局の点数授受が倍になるというルールである。倍になるという点で親と似ているが、割れ目ルールでは積み符計算まで済んだあとで機械的に点数を倍にする。割れ目が親なら容易に高得点が実現される、リスキーなルールである。

例えばサイコロの出目が10だった場合、南家のその局の収入・支出が2倍となる。その状態で南家が満貫の手を和了すると収入は16,000点となり、親が満貫の手を自摸あがりした場合は通常なら子3人で4,000点ずつの支払いとなるところ南家は8,000点の支払いとなる。

割れ目の対象を開門位置ではなくツモ和了牌の位置とすることもあり、これを「導火線」と呼ぶ。またサイコロの目がぞろ目だった場合ワレメの収支を2倍ではなく4倍とするルールもあり、これを「大割れ目」と呼ぶ。

フジテレビで不定期に放送される麻雀番組「THEわれめDEポン」でこのルールが採用された事から、近年では知名度が高まっている。

[編集] 導火線

導火線ルールは、割れ目の対象を開門場所とするのではなく、和了が発生した時のツモ山の位置とするルールである。一般的な割れ目ルールでは割れ目は固定されているが、導火線ルールでは序盤・中盤・終盤で割れ目が上家方向に移ってゆく。

[編集] 青天井

特殊ルールとして、青天井と呼ばれる以下のような点数計算法が採用される場合がある。

前掲の早見表にあるように、通常の点数計算では翻数に応じてそれぞれ満貫・跳満・倍満・三倍満・数え役満の点数が固定的に定められる。しかし青天井ルールでは、そのような通常の満貫以上の打ち切りをせず、符×2(翻数+2)の計算式に符および翻数を厳密にあてはめて計算する。すなわち、1翻上がるごとに得点は倍になっていく。

子の40符8翻で16万3900点に、同10翻で65万5400点になるなど、青天井計算をした場合の点数は文字通り指数的に増大する。そのため現実の麻雀で採用されることはまれである。

役満相当の役は扱いが分かれるが、主に

  • 13翻とする
  • 固定点とする(たとえば百万点あるいは1千万点など)
    • 役満は通常の得点とする(つまり子32000点/親48000点)

などのルールがある。

[編集] 異なるルール体系

一般的な日本の麻雀ルール(立直麻雀)以外のルールでは、得点計算の方法も大きく異なることが多い。以下の記事の「得点計算」等の節を参照。

[編集] 得点計算の自動化

政治家になる以前の菅直人が、麻雀の点数計算の複雑さに目を付けて麻雀の点数を自動的に計算する機械を発明して特許を取ったが、実用化はされなかった。

現在は点数計算を自動でおこなう全自動卓も存在し、点棒を使わず打つこともできる。

[編集] 関連項目

他の言語