ワシズ -閻魔の闘牌-

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
ワシズ -閻魔の闘牌-
ジャンル ピカレスク経済戦争
麻雀漫画
漫画
原作・原案など 福本伸行
作画 原恵一郎
出版社 竹書房
掲載誌 近代麻雀オリジナル
近代麻雀
→近代麻雀オリジナル
レーベル 近代麻雀コミックス
巻数 6巻(以下続刊)
テンプレート使用方法 ノート

ワシズ 閻魔の闘牌』(ワシズ えんまのとうはい)は、原恵一郎による日本麻雀漫画作品。2008年から『近代麻雀オリジナル』(竹書房)にて連載中。

目次

[編集] 概要

福本伸行作の『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』(以下『原作』とする)の鷲巣巌を主人公としたスピンオフ作品。そのため『天 天和通りの快男児』から辿るとスピンオフ作品のスピンオフという位置づけになる。戦後の昭和23年(敗戦から3年)の日本を舞台に彼が財政界のフィクサーとなる過程とその活躍を描く。

福本伸行が「協力」としてクレジットされているが、内容は原恵一郎の作風が色濃い。特に大ゴマを使ったインパクト溢れる鷲巣の表情(所謂顔芸)は、本作単行本の広告で過去のものが列挙されるなど、一種の売りになっている。

開始当初は『近代麻雀オリジナル』で連載されていたが、2009年春の『近代麻雀オリジナル』のリニューアルにより2009年9月15日号から『近代麻雀』に月一連載として移籍。“海賊潮流編”終了後は、再度『近代麻雀オリジナル』に移籍した。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


[編集] 登場人物

鷲巣巌(わしず いわお)
主人公。1890年生まれ、年齢は推定58歳。コンサルタント会社「共生」の社長。元・特別高等警察所属。
目的は敗戦し焦土と化した日本の再建。IQ200以上とも噂される頭脳、物事に動じない胆力など多くの超人的能力を有し、イカサマをねじ伏せる程の常識外れの豪運と軍人をも一撃で倒す戦闘能力で無敗を誇る怪物。「いざという時に頼れるのは己の肉体」と隼には説いており、共生でも筋肉トレーニングを行っている。音楽を上流階級のたしなみとしており絶対音感まで備えている。
性格は基本的に狂気的なほど冷酷で不遜で、『自分を見下すものは神と言えど気に食わない』との旨を述べている。一方で出会った多くの者を魅了するカリスマ性の持ち主。自分に罵声を浴びせた報復というだけで野球チームを無理矢理結成するなどかなりの負けず嫌いでもある。
原作では「老境に入り狂い出す」とされているが、本編では当時から拷問趣味があったかのような描写が存在する。また自らが危険のうちに乗り込んでゆくことで利益をあげる展開が多い。
隼(ハヤブサ)
先見の明を持つ株屋の青年。
元・特攻隊所属。通り名の由来は彼が当時パイロットを務めていた一式戦闘機・隼から。
リーゼントが特徴。日本の敗戦、手塚治虫の大成などを見抜き、特隊時代は発炎筒を使って整備不良に見せかけ、見事に生き残った。有望な建設会社の株を賭け鷲巣と麻雀を打つ。後に鷲巣のカリスマに心酔し、彼の元に降った。
麻雀は鳴きによる速攻が得意。基本的に頭脳明晰であるものの鷲巣には及ばず、敵の挑発に乗って不利な行動を取るなど精神的に未熟な部分がある。
原作における鷲巣と赤木しげるとの勝負で、鷲巣をサポートする鈴木その人である。
秘書
氏名不詳。鷲巣の右腕と呼ばれる青年で、「本部長」とも呼ばれる。
現時点では詳細な個人情報は明かされていないが、借金により身柄を拘束した少年を平然と痛めつけるなど、鷲巣の右腕に相応しく冷酷さをたまに見せることがある。
文学(ぶんがく)
氏名不詳。京都大学卒。一度読んだ本はページ数から文章の内容まで暗記できる驚異的な暗記力を持っている。
北海道にある龍神の炭鉱で炭鉱夫をしていたが、ワシズ軍団にスカウトされ炭鉱を出ることが出来た。その後共生に入社し、鷲巣の部下になり、経理などを担当していた。
しかし海賊潮流編では、暗記力が仇となりスリーピングブックの真の意味、そして事件の真の黒幕が鷲巣であることに気付いてしまい、共生を離れた。だが彼にとって本当に恐ろしかったのは、鷲巣の底なしのカリスマ性とそれに引き込まれている自分であった。2009年では老齢のホームレスになっており、未だに鷲巣の幻影から逃れていない。
田神龍蔵
通称“龍神”。日本の石炭の70%を牛耳ると言われる石炭王。北海道の炭坑にて龍神麻雀を開催する。透視能力があるとの噂があり、その力で石炭を掘り起こしたとも言われている。部下に屈強な海外の軍人達を携えている。
透視能力は自らが流したデマであり、石炭を次々と掘り出したのは綿密なボーリング調査によるものである。自分の財産を目当てに近寄る人間に失望しており、自分を倒してくれる人間を待っていた。
総理大臣
北海道を「アメリカ49州計画」[1]を実現する為に鷲巣を龍神へ送り込むが、失敗する。
外見は吉田茂に似ている。
目羅要
元陸軍731部隊軍医で少尉。非常に有能な軍医であったが、老化薬の実験の副産物として若返りの薬を偶然発見する。若返りの薬の臨界点を探すために戦後も人体実験をしている。
鷲巣戦の際に鷲巣に老化薬入りの茶を飲ませ彼を老化させるも彼の打ち筋にはかなわず、その後鷲巣から誘いをかけられるが雀荘の従業員を装ったGHQの諜報員に老化薬を注入されてしまう。だが自分の際に臨界点が来たため老衰は起きず赤子になってしまった。
八神保
京大卒の数学者。玄人となり借金を賭けて麻雀をするが、不可解な見逃しで負ける。文学の先輩にあたる。
実はその見逃しは牌が全て素数で揃っていたためであり、フェルマーの最終定理について現実より50年近く前に解いていた。
中尉
海賊の副首領的存在。彼を含めた海賊は、全員元日本海軍の出身である。非情な性格であり、略奪した船の人員は全て皆殺しにするか、ハンキング9で一縷の望みを賭けるか選択させている。
後述の艦長の実の弟であり、戦時中に自分を庇って行方不明になった彼に負い目を感じている。最期は兄や仲間と共にアメリカ海軍に特攻した。
艦長
海賊達の首領。中尉の実の兄であり、元日本海軍。行方不明になっていたが、奇跡的に生存していた。しかし記憶を失っており、弟のこともわからなかった。その後は自分の代わりに圧政を行っていたゲスをモンスターハンキングで制裁、スリーピングブックの謎を吐くように強要するも、発狂してしまった後であった。
遭難時の洞窟の中で偶然にも絶対音感を習得、それを利用したイカサマでモンスターハンキングで無敗を誇っていた。
実は記憶は既に戻っており、最期は弟を救い出し、仲間達と共にアメリカ海軍に特攻して散っていった。
ゲス(副艦長)
モンスターハンギングで艦長のオヒキとして入った男。過去に行われたモンスターハンキングの生き残りでもあるが、その際の死の恐怖からか発狂し、言葉すらまともに話せなくなっている。艦長の傀儡で、艦長の隠れた信号を天の声と思い込み、差込を行っていた。
元は艦長がいないときの艦長代理であったが、暴力に任せた圧政で嫌われており、艦長が戻った時、後述のスリーピングブックを賭け、艦長とモンスターハンキングで争った。航海中にスリーピングブックという航海日誌を残しており、海賊潮流編のカギとなった。
小柴
隼の紹介で共生に入社した青年。一見人の良さそうな好青年ではある。が、その本心は革命による鷲巣の転落、共生乗っ取りが目的であり、そのために鷲巣の密会の写真を撮影、ジャコ萬などのごろつき新聞記者を雇い罠にはめようとする、秘書を行方不明に見せかけて殺害するなど、手段を選ばない残忍な男である。なお、普段の髪型は長髪だがこれはカツラであり、実際は坊主頭に蛙の刺青が掘られたものとなっている。
元は少年時代から見世物小屋で「蛙少年」として曲芸を披露していたが、鷲巣が一座を買い取ったため解散。その際に「自分達下層市民による革命」を誓い、2年半の間潜伏していた。少年時代から身体能力は驚異的なものがあり、現在もジャコ萬の目の前で何メートルもの跳躍を見せ、「化け物」と言わせている。

[編集] 特殊麻雀

[編集] 龍神麻雀

北海道の炭坑で、田神龍蔵が老い先短い自分の暇潰しとして始めたとされるゲーム。主な特徴として以下の要素が挙げられる。

  • 二人打ち(厳密には、1チーム7人編制の2チーム打ち)。面前ツモが存在しない代わりに、ロン和了の場合は点数が倍になる。先に20ポイント(1飜=1ポイント)取った方が勝ちとなる。
  • 巨大かつ重量のある石板を牌として使う。配牌は一気にトロッコから落とされ、両チーム一斉に奪い合う。ツモに関しては各チーム1人ずつ取りに行くことになる。なお配牌・ツモの時に、有効牌を確保するために相手を殴ったりすることも許されている。
  • 挑戦者はロンされる度に、ペナルティーとして鉄球を首につけられる。

なお、勝った場合は龍蔵の所有する全財産・炭坑が手に入るが、負けた場合は全財産を没収され、口と目を縫われてしまう。

[編集] ハンキング9(ナイン)

第一共生丸を襲撃した海賊達が行っている麻雀。基本的な麻雀のルールは変わらないが、主な特徴として以下の要素が挙げられる。

  • 人質(作中では第一共生丸の乗組員)が、9段に積み上げられ番号のついたタイヤの上に、首に縄をかけられた状態で乗る。
  • 持ち点は40000点。5000点を失うごとに、指定した番号のタイヤを一つずつダルマ落としの要領で弾かれる。

うち1つは、人質の首に繋がれた縄への重りに繋がっている。味方同士の点数の移動は、計算されない。

  • ハズレを引くと重りが下がり、人質が縛り首となる。ハズレ9つのうち1つだけ。
  • ゲーム終了時、「人質が生きていれば」勝ち。

[編集] ハンキング0(バース)

ハンギング9を乗り越えた鷲巣と、中尉が行った麻雀。

  • 25000点持ちでスタート、ただし点数は増えず、削られるのみ。
  • ハンギング9と違い、味方同志の点数のやりとりもカウントする。
  • 代表(作中では鷲巣、中尉)の持ち点が0になると、その者の首が吊り上げられる。

[編集] モンスターハンキング

モンハン」と略される、第一共生丸を襲った海賊達の艦長が考案した特殊な麻雀。大きな亀の上に固定された机と椅子で行うもので、プレイヤーは首と両足首を鍵を用いて椅子に固定される(計3ヶ所)。

  • 最初に方角を示す四聖獣(青龍・朱雀・白虎・玄武)を描いたコインを引き、場所決めをする。
  • スタート時椅子への固定に用いた3つの鍵を他家が所持する。鍵は和了によって8000点以上のやりとりが行われた場合に相手から得られる(自分以外の鍵でも可)。なお、自分の鍵は入手した時点で使用してよい。
  • 点数のやり取りが8000点未満は無効であり、ただの流局扱い。
  • 点棒が無い為、リーチには先述の「コイン」を使用する。ただし、他家が和了した場合、コインは没収される。
  • 亀が水中に潜るまでゲームは続行される(ただし、艦長は口笛で亀を潜らせることが出来るため、実質艦長が勝ち抜けする前に全ての鍵を得ることが勝利条件となる)。
  • 卓下にはノコギリが設置してあり、亀が潜る際、脱出することは許される。ただし、ノコギリでは椅子・拘束具・机・亀などは切れない強度なので実際に切断できるのは人体のみ(劇中で艦長はノコギリで脱出する事を「試練」と称している)。

[編集] 満貫逆縛り

小柴が鷲巣の剛運を逆手に取った麻雀。満貫以上で上がると点数を逆に支払わなければならない。

[編集] 用語

共生
鷲巣が興した経営コンサルタント会社。表向きは経営手法やアドバイスなどの情報や手段などを売る企業だが、実際は内務省時代に掴んだコネやスキャンダルを駆使して巨財を築き上げる。しかし、そのやり方に反発するものや、鷲巣の成功を妬むものも多い。
ワシズコプター
龍神麻雀の際に、鷲巣がとっさに放った技。既に鉄球を2つ首にぶら下げ、足もとが隼曰く「生まれたての小鹿のような」状態で、まともに戦えない鷲巣が、鉄球を振り回して生じた遠心力を利用して相手に回転しながら体当たりを仕掛けたものを名付けた。
スリーピングブック
ゲスが残した航海日誌であり、Mという人物に対する鉄屑の横流しなどを事細かに書いている。船長はM資金(マッカート資金)の在り処を記すものと思い、ゲスに詳細を吐かせようとするが既に発狂してまともに話すこともできなくなっていた。そのため詳細を知っているであろう鷲巣から日誌の意味を吐かせるために第一共生丸を襲い、モンスターハンキングを行った。
実際はM資金の在り処を記すものではなく、ゲスが自分達に命令を下すMから身を守るために、脅迫の材料として記していた日誌。鷲巣からそれを聞かされた船長たちは、直後の米軍襲来からM=マッカーサーと確信するが、文学はその内容の一部を見ており、その結果真のM=鷲巣という推理に行き着いた。スリーピングというのは「宝が眠る」という意味の他、「横たわる」という意味を持ち、Mを横にする=W(鷲巣のイニシャル)になる、というのが真相。

[編集] 単行本

[編集] 脚注

  1. ^ 作中でも述べられているが1959年ハワイアラスカが加わるまで当時アメリカは48州だった。
個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス