伊丹市

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いたみし
伊丹市
Osaka Airport01.jpg
Flag of Itami, Hyogo.svg
伊丹市旗
Itami Hyogo chapter.JPG
伊丹市章
 市旗:1980年11月10日制定
市章:1943年1月4日制定
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 兵庫県
団体コード 28207-3
面積 24.97km²
総人口 197,673
推計人口、2014年11月1日)
人口密度 7,920人/km²
隣接自治体 川西市宝塚市西宮市尼崎市
大阪府池田市豊中市
市の木 クスノキ
市の花 ツツジ
市の鳥 カモ
伊丹市役所
所在地 664-8503
兵庫県伊丹市千僧一丁目1番地
北緯34度47分3.5秒東経135度24分3.2秒
伊丹市役所伊丹市役所
外部リンク 伊丹市ウェブサイト

伊丹市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町

特記事項 世帯数・74,496世帯(2005年8月1日)
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昆陽池の水鳥
伊丹市中心部周辺の空中写真。猪名川を挟んだ市街地の東方に大阪国際空港がある。1985年撮影の10枚を合成作成。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。

伊丹市(いたみし)は、兵庫県南東部(阪神地区)に位置する

概要[編集]

大阪国際空港敷地の大半を擁する20万人都市で、大阪神戸衛星都市ベッドタウンの一つとされる。

古くは摂津国の西摂とよばれた土地で、伊丹城(有岡城)の城下町として、また、一説に「清酒発祥の地」として知られる。気候は温暖で、冬には昆陽池などにカモなど多数の渡り鳥が飛来する。

伊丹市は大阪国際空港の地元自治体の連合である大阪国際空港周辺都市対策協議会 (10市協)に加盟しており、伊丹市長がその会長を務めている。かつては大阪国際空港を発着する航空機の騒音等に悩まされ、大阪国際空港撤去都市宣言[1]を掲げていたが、大阪国際空港が地域環境との調和していくにつれ、同空港を市の重要都市資源と位置づけるようになり、大阪国際空港と共生する都市宣言[2]を宣言するに至っている。

地理[編集]

兵庫県の南東に位置し、東に猪名川、西に武庫川が流れている。市域は全体に平坦で起伏のなだらかな地形であり、「伊丹台地」と呼ばれる。JR西日本福知山線(JR宝塚線)阪急伊丹線が南北に縦断している。大阪市からは約10kmと近い。

市の中央部を天神川天王寺川が北から南へ流れている。兵庫県では南隣の尼崎市に続き、人口密度が2番目に高い。

隣接している自治体[編集]

北は川西市、北・西は宝塚市西宮市、南・西は尼崎市、東は大阪府池田市豊中市に接する。


歴史[編集]

サヌカイト(讃岐石)製のナイフ形石器が西摂地方[3]で発見されている。

伊丹市緑ヶ丘1丁目付近で石鏃が4個[4]、桜ヶ丘3丁目で1個[5]見つかっている。この両地域で竪穴式住居が数軒発見されている。川辺郡神津村の2カ所(大阪空港A[6]・B遺跡[7])から縄文式土器が出土している。「縄文のない縄文式土器」が現れた時期である。

伊丹市松原で1960年代に弥生土器が地下10メートルほどから出土し、その腹部にノギ[8]のついた籾の圧痕が残っていた。この土器は畿内の弥生土器第Ⅴ様式で後期に属し、今から凡そ1600年前のものである。

伊丹に関連の深い「猪名部」「猪名県」などは『日本書紀』に表れる。古くは「摂津国」の「西摂」と呼ばれた地域。

市の名前は、摂関家領橘御園を鎌倉時代から管理していた伊丹氏の名に由来すると考えられる。

市制施行以前
市制施行後

行政[編集]

歴代市長[編集]

市章・市旗[編集]

市章は近衛家の家紋であったものを市が許諾を得て、1943年1月4日に正式に制定され、市旗は「伊」と「鳥」を合わせたものを1980年11月10日に制定した。[9][10][11][12]

男女共同参画[編集]

伊丹市男女共同参画施策市民オンブードという組織を設置している。

副首都構想[編集]

副首都構想とは、首都東京に大地震やテロなどが起こったことを備え、伊丹市と大阪府豊中市池田市にまたがる大阪国際空港を廃止し、空港跡地に副首都をつくり、危機管理専門の省庁をおく構想である。この構想について2005年4月6日には危機管理都市推進議員連盟が結成され、これには、民主党石井一比例近畿ブロック選出)を筆頭に、自由民主党青木幹雄元官房長官(島根県選挙区選出)や民主党菅直人元代表(比例東京ブロック選出)らが名を連ねている。ただ、これらの動きを含む大阪国際空港の廃止は、現存する空港施設の撤去にかかる莫大な費用・時間、アクセスの不便な関西国際空港では代替空港として心もとないこと(もちろん、関西国際空港のアクセス改善に要する費用・時間も問題である)、万一大阪国際空港を閉鎖した場合の北大阪経済に与える打撃、新幹線(将来的には中央新幹線)に対抗できる航空交通手段確保の必要性、そして、航空利用者の利便性の確保などの観点から、現実的ではないとの意見もある[15]

立法[編集]

市議会[編集]

  • 定数:28名
  • 任期:2011年(平成23年)5月1日~2015年(平成27年)4月30日
  • 議長:山内寛(公明党、4期)
  • 副議長:川上八郎(フォーラム伊丹、4期)
会派名 議席数 議員名(◎は代表)
フォーラム伊丹 7 ◎相崎佐和子、山薗有理、保田憲司、西村政明、櫻井周、齊藤真治、川上八郎
新政会 6 ◎吉井健二、佐藤良憲、戸田龍起、市川薫、加藤光博、大路康宏
公明党 6 ◎北原速男、竹村和人、篠原光宏、山本恭子、坪井謙治、山内寛
日本共産党伊丹市議会議員団 3 ◎上原秀樹、久村真知子、加柴優美
蒼翠会 2 ◎杉一、中田慎也
無所属 4 林実、小西彦治、泊照彦、新内竜一郎

※ 2014年(平成26年)3月11日現在。

兵庫県議会(伊丹市選挙区)[編集]

  • 定数:3名
  • 任期:2011年(平成23年)6月11日~2015年(平成27年)6月10日
氏名 会派名 当選回数
川井田清信 自由民主党 1
合田博一 公明党・県民会議 4
山本千恵 民主党・県民連合 1

※2014年(平成26年)3月11日現在。

警察・消防[編集]

警察は、兵庫県警伊丹警察署が置かれ市内全域を管轄する。消防は、伊丹市消防局が市内全域を管轄する。

自衛隊[編集]

市内には陸上自衛隊中部方面総監部および第3師団司令部があり、阪神・淡路大震災JR福知山線脱線事故における災害復興や救助活動が特筆される。

産業[編集]

大阪国際空港と共生する都市宣言にあるように、大阪国際空港は同市の交通拠点であるばかりでなく、重要な地域資源である。大阪国際空港を利用した産業振興が推進されている[16]

園芸業については、隣接する宝塚市の山本地区と合わせて、全国三大植木産地のひとつである。接木の一つ「芽接ぎ」が盛んで、坂上善太夫が豊臣秀吉から「木接太夫(きつぎだゆう)」と言う称号を与えられる。アメリカ合衆国ポトマック川の川沿いに植樹されているサクラは伊丹のサクラを台木にして成長させたものである。現在、東野地区では南京桃の生産に力を入れている。

江戸時代から酒造が盛んであり、近代でも全国に先駆けて産業としての清酒醸造法を確立している。現在も、小西酒造(白雪本社)がある。

1919年、日本初の国産リノリウム(床材)を製造販売する「東洋リノリューム株式会社(現在の東リ)」が創業。臨空都市としての利点を生かしたハイテク産業(住友電工、三菱電機など)がある。

2002年10月10日、市東部にオープンしたダイヤモンドシティ・テラス(現・イオンモール伊丹)は、その規模の大きさ、店舗の多様さ、営業時間の長さで、近隣の大規模店舗に様々な影響を与えている。

主な企業[編集]

本社がある企業
事業所・工場がある企業

主な商業施設[編集]

イオンモール伊丹
イオンモール伊丹昆陽

姉妹都市・提携都市[編集]

地域[編集]

人口[編集]

2010年(平成22年)国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、2.03%増の196,160人であり、増減率は県下41市町中6位、49行政区域中10位である。

Demography28207.svg
伊丹市と全国の年齢別人口分布(2005年) 伊丹市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 伊丹市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
伊丹市(に相当する地域)の人口の推移
1970年 153,763人
1975年 171,978人
1980年 178,228人
1985年 182,731人
1990年 186,134人
1995年 188,431人
2000年 192,159人
2005年 192,250人
2010年 196,160人
総務省統計局 国勢調査より

教育[編集]

市内には私立の小学校・中学校は無く、全て公立(伊丹市立)である。このほか、各種学校(非一条校)として日本の幼稚園小学校に相当する民族教育を行う伊丹朝鮮初級学校がある。

高等学校についても私立学校は存在せず、全て公立学校(伊丹市立または兵庫県立)である。高校入試は複数志願選抜のシステムをとっている。

小学校[編集]

中学校[編集]

高等学校[編集]

通信制課程[編集]

高等専修学校[編集]

特別支援学校[編集]

大学・短期大学[編集]

交通[編集]

市内は市バスで結ばれる。市域は伊丹台地を擁するものの、特に大きなはなく、起伏がなだらかで市内を端から端まで自転車で走ることも容易であるため、自転車の利用が大変に多い[18]。市域東側に広がる大阪平野には大阪国際空港もある。鉄道にも囲まれており、近距離・遠距離の移動ともに交通の便は大変良い。

空港[編集]

大阪国際空港は、滑走路及び旅客ターミナルビルの北側(日本航空が使用している側)の一部が伊丹市内に位置するため、一般に伊丹空港と呼ばれている(IATA空港コード:ITM ICAOコード:RJOO)。従って、空港内の出張所には大阪府警兵庫県警とが詰めている。また、警備のための機動隊員の派遣も交代で行なわれている。

関西国際空港の供用開始に伴い、国際線および比較的遠距離の国内線が同空港に移るなどして、大阪国際空港の相対的な地位は一時的に下がったが、数年後に国内線の多くが伊丹空港に戻るなどして、かつての賑わいを取り戻したほか、近年は大阪市の主要部から10 km圏内であるという地の利の良さが見直されつつある。伊丹空港のほか関西・神戸とあわせてマルチエアポート関西三空港として、一体的な空域として扱われている。橋下徹(当初は大阪府知事、現大阪市長)をはじめとする日本維新の会などは、航空路線の関西国際空港への統合を掲げて、大阪国際空港の廃港論をたびたび打ち上げるなど、議論の的となっている。(2013年には市長選挙の争点の一つにもなった。)

鉄道[編集]

市の代表駅として中心的な立場にあるのは、長らく阪急伊丹駅であったが、JR東西線開業に伴う福知山線(JR宝塚線)内の大幅増発と大型ショッピングセンターの進出に伴い、現在はJR伊丹駅がこれに代わっている。

駅はないが、山陽新幹線が市南部を通過している。また、大阪モノレール本線大阪空港駅は伊丹市と豊中市の市域が入り組んでおり、駅舎は伊丹市域にもかかっているが、公式の住所は豊中市となっている。

空港連絡鉄道構想[編集]

現在、大阪国際空港には大阪モノレールが乗り入れているが、JRの路線は乗り入れていない。そこで大阪国際空港に近いJR伊丹駅から大阪国際空港までの空港アクセス路線を建設する「JR福知山線分岐線構想」がある。1990年代に入ってから計画され、実現に向けて取り組まれているが、膨大な費用がかかるため実現の可能性は低くなっているのが現状である。

また、2007年に大阪国際空港とJR伊丹駅や阪急伊丹駅、伊丹市街地にアクセスできる大阪国際空港広域レールアクセス構想の検討が始められ、上記「JR福知山線分岐構想」の半分以下の費用で実現できるとされることなどから、現在では最も実現可能性が高い構想となっている。

路線バス[編集]

大阪国際空港で発車を待つ伊丹市営バス(復刻塗装車)
市内全域。
伊丹営業所
川西、尼崎、池田、豊中など周辺都市への連絡路線。
尼崎宝塚線が伊丹市西部を経由する。
野間地区や近畿中央病院付近で乗り入れている区間がある。過去には稲野や御願塚などにも乗り入れていた。

道路[編集]

  • 高速道路
市内にインターチェンジ (IC) はない。なお、最寄のインターチェンジは宝塚IC中国池田IC(岡山方面)または中国豊中IC(吹田方面)である。
市内は通過していない。なお、最寄りの IC は尼崎IC豊中ICである。
市内にランプ(出入口)はない。なお、最寄りのランプは大阪空港出入口豊中北出入口豊中南出入口である。

名所・旧跡・観光スポット・催事[編集]

昆陽池と伊丹市昆虫館
エアフロントオアシス下河原
荒牧バラ公園
みやのまえ文化の郷
スワンホール
伊丹市立博物館
伊丹市立図書館 ことば蔵

歌枕(いなの)[編集]

しながとり ゐなのをくれば ありま山 ゆふぎりたちぬ やどりはなくて

  • 志長鳥、猪名野を来れば有間山 夕霧立ちぬ宿はなくして
    読み人知らず 万葉集巻七
    「猪名野笹原」は伊丹市にある昆陽池(コヤいけ)あたり。西の方に有馬山(六甲山)が広がる。

当市に関連する主な人物[編集]

※印は伊丹大使に任命されている。

出身者[編集]

ゆかりの人物[編集]

参考文献[編集]

  • 佐原真「考古学からみた伊丹地方」(金関恕・春成秀爾編集『佐原真の仕事6 考古学と現代』岩波書店 2005年)

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 『図典 日本の市町村章』 小学館辞典編集部、小学館2007年1月10日、初版第1刷。ISBN 4095263113

脚注[編集]

  1. ^ 大阪国際空港撤去都市宣言 (PDF)”. 伊丹市. 2013年9月29日閲覧。
  2. ^ 大阪国際空港と共生する都市宣言全文 (PDF)”. 伊丹市. 2013年9月29日閲覧。
  3. ^ 川西市加茂遺跡、長さ4.5センチメートル、幅1.8センチメートル安山系(灰黒色)のサヌカイト、石器時代の遺物で中国・四国の瀬戸内海沿岸地方から近畿へかけて分布する同種の石と共通した特徴を持つ。この周辺の人々が瀬戸内地方の人々と交渉をもっていたと推定されている。佐原(2005)183-184ページ
  4. ^ ほぼ完全な形の黒曜石製1、讃岐石製3個、二等辺三角形の底辺をくぼませた形
  5. ^ 讃岐石製、底辺にくぼみ、緑ヶ丘のものと比較すると短く幅広い、鍬形鏃とも呼ばれる。
  6. ^ 1個、中期、土器に装飾的な把手がつく勝坂式土器、近畿地方ではなく中部・関東地方で製作された。佐原(2005)188-190ページ
  7. ^ 川の堆積土から弥生式土器が、川岸をなす僧から後期の縄文式土器(元住吉山式と呼ばれる土器)が出土した。佐原(2005)190-191ページ
  8. ^ ノゲともいって籾の先に長く生えた毛のこと。ノギを保つ品種は種々の特性から初期農耕に相応しいとされている。(佐原真「考古学からみた伊丹地方 三、弥生時代」/金関恕・春成秀爾編集『佐原真の仕事6 考古学と現代』岩波書店 2005年 192-194ページ)
  9. ^ a b 図典 日本の市町村章 p158
  10. ^ a b 伊丹市徽章”. 伊丹市例規集. 2012年6月27日閲覧。
  11. ^ a b 市の市章”. 伊丹市. 2012年6月27日閲覧。
  12. ^ a b c 伊丹市旗
  13. ^ [1]
  14. ^ [2]
  15. ^ 上村敏之平井白百合 『空港の大問題がよくわかる』 光文社2010年、260頁。ISBN 978-4334035549
  16. ^ 伊丹市産業振興ビジョン (PDF)”. 伊丹市. 2013年9月29日閲覧。
  17. ^ 全日本なぎなた連盟
  18. ^ 自転車事故多い伊丹市、解決探る社会実験)”. 朝日新聞 online. 2014年10月6日閲覧。
  19. ^ 大阪国際空港#関西国際空港開港後~現在参照
  20. ^ 駐日外国公館リスト 大洋州 - 外務省(2012年6月23日閲覧)
  21. ^ 「果汁たっぷり、伊丹レモン」朝日新聞2012年2月6日付朝刊、神戸版31ページ

外部リンク[編集]