トヨタ・ist
トヨタ・ist | |
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2代目 | |
概要 | |
別名 |
サイオン・xA(初代) サイオン・xD(2代目) トヨタ・アーバンクルーザー(2代目) スズキ・ビターラブレッツァ(2代目) |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 2002年 - 2016年 |
ボディ | |
ボディタイプ | 5ドア ハッチバック |
駆動方式 | 前輪駆動/四輪駆動 |
イスト(ist)は、トヨタ自動車が製造・販売していた乗用車である。
概要
ヴィッツをベースに、大径のタイヤとクロスオーバーSUV風の5ドアハッチバックボディを被せたクロスオーバーコンパクトカー。当初は日本国内専用車であったが、のちに北米でも若者向けのクールブランド「サイオン」で、初代がxAとして、2代目がxDとして、また欧州でも2代目が「アーバンクルーザー」の車名で販売されるようになった。なお、車格は北米ではサブコンパクトカーに、欧州ではBセグメントMPVにそれぞれ分類される。
初代(5ナンバー車)は日本では(2002年)当時人気No.1であったホンダ・フィット(GD型、106.5万円 - 144万円)に対抗するため、予定より下げた戦略的価格帯(118万円 - 165万円)を打ち出した。また流行のSUV風のボディも人気を集め、受注台数は発表後1ヵ月で約4万2000台を記録[1]し、販売台数の方も、同時期にデビューした日産・マーチ(K12型系、95.3万円 - 132万円)を上回り、コンパクト部門2位となった。2代目は車格はコンパクトではあるものの価格帯が上がり3ナンバー車になって、初代の人気とは対照的に販売台数は伸び悩み、2016年をもって廃止された。
デザイン上、ホイールハウスとタイヤのクリアランスが小さく、純正タイヤを装着していても物理的な関係から金属製タイヤチェーンの装着が事実上不可とされている珍しい車種の一つでもある。
初代は、TRDから、コンプリートカー・イストTRDターボが発売されていた。
また研修を終了した各販売店のメカニックがターボキットを取り付けるチューニングプランも存在した。
初代 NCP60型(2002年 - 2007年)
トヨタ・ist(初代) NCP6#型 | |
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後期型エアロ仕様 | |
概要 | |
別名 | サイオン・xA |
製造国 | 日本(愛知県豊田市) |
販売期間 | 2002年5月 – 2007年7月 |
設計統括 |
奥平総一郎(前期型) 安井慎一(前期型) 森坂学(後期型) |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドア ハッチバック |
駆動方式 |
前輪駆動 四輪駆動(日本のみ) |
プラットフォーム | トヨタ・NBCプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
2NZ-FE型 1,298 cc 直列4気筒DOHC(日本のみ) 1NZ-FE型 1,496 cc 直列4気筒DOHC |
変速機 |
4速AT 5速MT(北米のみ) |
前 |
前:ストラット式 後(前輪駆動):トーションビーム式 後(四輪駆動):トレーリングリンク車軸式 |
後 |
前:ストラット式 後(前輪駆動):トーションビーム式 後(四輪駆動):トレーリングリンク車軸式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,370 mm |
全長 | 3,855 mm |
全幅 | 1,695 mm |
全高 | 1,530 mm - 1,535 mm |
車両重量 | 1,000 - 1,100 kg |
2001年(平成13年)の東京モーターショーで出展され、そのコンセプトカー然としたスタイルそのままに、翌2002年(平成14年)に市販された[2]。
ヴィッツに比して若干ボディサイズを大きくすることで、居住性の向上に貢献するだけでなく、シャープなボディラインにクロスオーバーSUV風のオーバーフェンダーによって、クールでスタイリッシュなデザインを施すことでヴィッツとの差別化を実施。また、ヴィッツと同様にセンターメーターを採用していた。
開発にあたっては初代bBに続き、試作車を製作しない「フルデジタル設計」として製作されていた。すなわち、実車での走行実験を省略することで、コストダウンと開発スピードの速さにつながっていた。
エンジンは2NZ-FE型1,300 cc (87 PS)(日本のみ)と1NZ-FE型1,500 cc (109 PS) の2種類。トランスミッションは日本では4速ATのみで、北米では5速MTも用意している。2NZ-FE型1,300 ccは平成17年排出ガス基準75 %低減レベルを、1NZ-FE型1,500 ccは平成17年排出ガス基準50 %低減レベルを達成。
年表
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 6月4日 - 特別仕様車「F"Lエディション・HIDセレクション"」を日本で発売。
- 「F」をベースに、「Lエディション」の装備とディスチャージヘッドランプ・UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア・リアクオーター・バックドア)を装備しつつ、価格を抑えた。また、これにGPSボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーション IIを追加装備した「F"Lエディション・HIDセレクション・NAVIスペシャル"」も発売した。
- 6月4日 - 特別仕様車「F"Lエディション・HIDセレクション"」を日本で発売。
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)
- 5月30日 - 日本仕様をマイナーチェンジ。
- トヨペット店(大阪地区は大阪トヨタ)での販売を終了し、ネッツ店専売車種となる。スポーティさを強調した新グレード「A」と「A-S」を追加。専用フロントグリル・専用バンパーを採用するとともに「A-S」のFF車には専用のチューニングを施した。また、既存の「F」と「S」はフロントバンパー、リアバンパー、サイドマットガードをボディ同色としたほか、フロントグリル、ヘッドランプ、リアコンビネーションランプ、センターメーター、シート表皮のデザインを変更した。"Lエディション"ではスマートドアロックリモートコントロールを標準装備し、リアドア・リアクォーター・バックドアにはUVカット機能付プライバシーガラスを全車で標準装備された。ボディカラーには新たに「ライトオリーブメタリック」と「ライトブルーマイカメタリック」を追加。ネッツ店専売化に伴い、フロントグリルのエンブレムは「Netz」の頭文字である"N"をモチーフとしたネッツ店専売車種専用のものに変更した。また、1.3 L車(「F」・「F"Lエディション"」・「A」の2WD車)は排出ガスのクリーン化により、「平成17年基準排出ガス75 %低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得した。
- 10月4日 - 特別仕様車「F"Lエディション・HIDセレクションIII"」を日本で発売。
- 基本仕様は「HIDセレクションII」の時と同じであるが、前述の通り、ベース車がマイナーチェンジによりスマートドアロックリモートコントロールが標準装備されたため、キーの種類が変更(スマートドアロックリモートコントロール用)となった。
- 5月30日 - 日本仕様をマイナーチェンジ。
- 2007年 (平成19年)
日本でのCM
初期のCMは「大切にしたくなる。」がキャッチフレーズ。その後松田龍平[6]、安藤政信、村上淳、柏原崇、浅野忠信を5人で起用。独身男性をターゲットにしたCMで「ist」に合わせた単語を個々に持ち、ショートフィルムも公開された。楽曲はbondの「Viva!」。
ピカチュウカー
2005年(平成17年)に名古屋トヨペットが本モデルをベースに、ゲーム『ポケットモンスター』に登場するピカチュウに見立て、耳や口などの部品を取り付けた「ピカチュウカー」を製作した。この車は、愛知県内のトヨペット店でプロモーション用として使用されたほか、愛・地球博開催期間中はデ・ラ・ファンタジア内のポケパークでも展示され、人気を博した。
istベースの「ピカチュウカー」は、その後、2009年(平成21年)より名古屋トヨペットから沖縄トヨペットが譲り受け、沖縄県内のイベントや、県内販売店の店頭の看板車両として展示していたが、2012年(平成24年)、株式会社ポケモンから権利終了につき、「ピカチュウカー」の形状およびカラーリングの変更もしくは廃棄処分を求められ、株式会社ポケモンの担当者が沖縄トヨペットに変更の確認のために来るまでの数日間に社内で耳や尻尾を取り外し、パンダの色に塗り替えられた。2012年(平成24年)7月15日をもって、この車両は沖縄グッドトイ委員会に譲渡された。
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後期型(2005年5月 - 2007年7月)
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後期型リア
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サイオン・xA(後期型)
2代目 XP110型(2007年 - 2016年)
トヨタ・ist(2代目) NCP11#/ZSP110型 | |
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フロント | |
リア | |
概要 | |
別名 |
北米 : サイオン・xD 欧州 : トヨタ・アーバンクルーザー(初代) |
製造国 | 日本(愛知県豊田市、岩手県胆沢郡金ケ崎町) |
販売期間 | 2007年7月 – 2016年5月 |
設計統括 | 三浦清克 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドア ハッチバック |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
プラットフォーム | トヨタ・Bプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
1NZ-FE型 1,496 cc 直列4気筒DOHC(日本国内のみ) 2ZR-FE型 1,797 cc 直列4気筒DOHC 1NR-FE型 1,329 cc 直列4気筒DOHC(欧州のみ) 1ND-TV型 1,362 cc 直列4気筒SOHCディーゼルターボ(欧州のみ) |
変速機 |
4速AT CVT(日本のみ) 5速MT(北米のみ) 6速MT(欧州のみ) |
前 |
前:ストラット式 後:トーションビーム式 |
後 |
前:ストラット式 後:トーションビーム式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,460 mm |
全長 | 3,930 mm |
全幅 | 1,725 mm |
全高 | 1,525 - 1,540 mm |
車両重量 | 1,150 - 1,210 kg |
その他 | |
2014年末までの新車登録台数の累計 | 3万7048台[7] |
系譜 | |
後継 |
トヨタ・ヤリスクロス ただし発売開始まで4年7ヵ月の空白期間あり |
2代目ヴィッツから採用されたBプラットフォームを拡幅したものを採用し、全幅は1,725 mmとなり、日本では3ナンバーとなった(事実上、Bプラットフォームを用いた車種としては初の3ナンバーボディとなる[8])。ホイールベースは2代目ヴィッツと共通の2,460 mm。デザインは2BOXとSUVを融合した「クロスオーバースタイル」。また、センターメーターが廃止になり、スピードメーターとタコメーターが同心円状に配置されたデザインのコンセントリックメーターが運転者の目の前に来るように変更された。
エンジンは初代に設定されていた2NZ-FE型1,300 cc (87 PS) を廃止し、代わりに2ZR-FE型1,800 cc (132 PS) を追加。日本では継続設定される1NZ-FE型1,500 cc (109 PS) と合わせ、全体的に排気量がアップした。欧州仕様では1NR-FE型1,300 cc(欧州では1.33 Lと変則的な表記)と1ND-TV型1,400 ccディーゼルターボの2つを設定。
トランスミッションは、日本仕様にのみ設定される1.5 L車がCVT (Super CVT-i) に変更。1.8 L車は4速AT (Super ECT) となっているほか、北米仕様には先代同様、5速MTを設定した。欧州仕様は6速MTのみの設定。また、4WD車(北米仕様には設定されない)は路面状況を問わず安定した走りを寄与するアクティブトルクコントロールを採用した。
ホイールボルトは4本から5本に変更された(PCDについては100 mmで変更なし)。
日本仕様
グレード体系は「150X」・「150G」・「180G」の3グレードに整理され、「150X」と「150G」は引き続き4WD車も設定されていた。
安全性能も強化され、全グレードで6エアバッグ(運転席・助手席SRSエアバッグ、前席SRSサイドエアバッグ、両側SRSカーテンシールドエアバッグ)を標準装備とした。
年表
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 1月30日 - 特別仕様車「150X"Special Edition"」を日本で発売。
- 3月 - ジュネーブモーターショーにて「アーバンクルーザー」の車名で欧州初公開された。
- 2009年(平成21年)
- 1月14日 - 先代でも好評だったディスチャージヘッドランプ(オートレベリング機能付)装備の特別仕様車「HIDセレクション」を日本で発売。
- 今回は充実グレードの「150G」をベースに、フロントとリアのバンパー下端をボディ同色としたフルカラードバンパーを採用。内装ではファブリックシート表皮・ドアトリムを専用のものにしたほか、センタークラスター・パワーウィンドゥスイッチベースにシルバー加飾を施し、質感も高めた。ボディカラーは専用外板色の「スーパーレッドV」を含む3色を設定した(2009年6月までの期間限定生産)。
- 10月1日 - 日本仕様を一部改良。1.5L・2WD車 (150X・150G) において、エンジン・トランスミッション・オルタネーターの制御を改良し、燃費を向上。これにより、「平成22年度燃費基準+15%」を達成した。
- 1月14日 - 先代でも好評だったディスチャージヘッドランプ(オートレベリング機能付)装備の特別仕様車「HIDセレクション」を日本で発売。
- 2010年(平成22年)
- 8月3日 - 日本仕様を一部改良。
- 前後バンパーがフルカラードとなり、リヤスポイラーを大型化。同時に「150X」と「150G」にはディスチャージヘッドランプ(オートレベリング機構付)を標準装備とした。インテリアはシート色にライトグレーとダークグレーのツートーンカラーを採用するとともにセンタークラスターパネルにはダークグレー加飾を施し、ボディカラーにはグリーンマイカメタリックを追加した。また、従来設定されていた1.8 L車を廃止する替わりに、「150X」をベースにヘッドランプをディスチャージ(オートレベリング機構付)からハロゲンランプ(マニュアルレベリング機構付)に、エアコンをオートからマニュアルに変更し、パッケージトレイトリムとシートバックポケット(運転席・助手席)を省いたことで価格を抑えた「150X"Cパッケージ"」を新設定した。
- 8月3日 - 日本仕様を一部改良。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 2014年(平成26年) - 欧州仕様「アーバンクルーザー」の生産を終了。
- 2016年(平成28年)
日本でのCM
2代目からは、オダギリジョーを起用。8色のバリエーションに合わせた動物、奇抜な衣装や、気味の悪い笑みを浮かべたり、奇妙な動きをキング・クリムゾンの「easy money」に合わせて行い、セリフは一切ないMVのようなCMだった。2008年にはTBS限定放映で映画「ROOKIES~卒業〜」とのコラボCMが放映された。
エンジン
- 1NZ-FE(1,500 cc、初代・2代目〈日本のみ〉)
- 2NZ-FE(1,300 cc、初代〈日本のみ〉)
- 2ZR-FE(1,800 cc、2代目)
- 1NR-FE(1,330 cc、2代目〈欧州のみ〉)
- 1ND-TV(1,400 cc、2代目〈欧州のみ〉)
日本での取扱販売店
車名の由来
- 英語で「-主義者」を意味する接尾辞"ist"から。
脚注
- ^ これは3代目プリウスがデビューするまでは、トヨタ車としては歴代トップであった(3代目プリウスの受注台数は、1ヵ月で18万台)。
- ^ 研究用などの純然たるコンセプトカーではなく、(既発売モデルの流用ではなく)そのモデル専用でありながら、一部に部品番号の表記がある、あるいは部品番号の入るスペースが見られる部品が組付けられた、量産試作車や先行量産車がモーターショーに展示されることは、ままある。
- ^ ただし、大阪地区に限り、大阪トヨタで販売されていた。
- ^ “ist(トヨタ)2002年5月~2007年6月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月10日). 2020年1月10日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第36号19ページより。
- ^ 実弟の松田翔太もトヨタのCM(翔太はスペイドに橋本愛と出演)に起用されていた。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第85号15ページより。
- ^ このほか、2代目ist以外の車種ではアクアの「Crossover」もこれに該当。
- ^ Vehicle Stability Control
- ^ Traction Control
- ^ “ist(トヨタ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月10日). 2020年1月10日閲覧。
- ^ “イスト(2007年7月~2016年5月)”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月10日). 2020年1月10日閲覧。