ザ・ビートルズ: Get Back

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ザ・ビートルズ: Get Back
The Beatles: Get Back
監督 ピーター・ジャクソン
製作
製作総指揮
出演者
音楽
撮影 アンソニー・B・リッチモンド(1969年)
編集 ジャベス・オルセン
制作会社
配給 ディズニー・プラットフォーム・ディストリビューション
公開
  • 2021年11月25日(第1部)
  • 2021年11月26日(第2部)
  • 2021年11月27日(第3部)
上映時間 =
  • 157分(第1部)
  • 173分(第2部)
  • 138分(第3部)
  • 468分(全編)[1]
製作国
言語 英語
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ザ・ビートルズ: Get Back』(: The Beatles: Get Back'')は、イギリスロックバンドビートルズ1969年1月に行った、いわゆる「ゲット・バック・セッション」の模様を記録した60時間に及ぶフィルムと150時間もの音声テープから、ピーター・ジャクソンによって新たに制作された全3部構成、合計約8時間の長編ドキュメンタリー映画である。

2021年11月25日から3日連続でDisney+で配信公開された[2][3]。2022年7月12日、3枚組のブルーレイ版、DVD版が発売された[4](日本は7月13日発売)。

制作に至る経緯[編集]

2016年、映画『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』の製作を終えたアップル・コアは、VR(仮想現実)AR(拡張現実)を取り入れたビートルズの新たな展示イベントの可能性を検討していた。そのためCEOのジェフ・ジョーンズと制作ディレクターのジョナサン・クライドは、ドキュメンタリー映画の制作に必要な映像を入手するためにロンドンに滞在していたジャクソンから知恵を借りようと面談した。その席上、熱心なビートルズファンであったジャクソンから映画『レット・イット・ビー』に使用されなかった映像の所在を尋ねられ、『レット・イット・ビー』公開50周年に向けて、新たなドキュメンタリー映画制作の企画[注釈 1]が進行中であることを明かした。それを聞いたジャクソンは、自ら監督をしたいと名乗りを上げた。その場ではいったん断ったものの、結局フィルムの閲覧を許した[5]。ジャクソンは約1週間、アップルのオフィスに通って全ての映像を見ると、これまで『レット・イット・ビー』に抱いていたネガティブなイメージとは全く違うものがそこにあることを知り、全く新しいドキュメンタリーを制作することを目指すことにした[6]。制作を進めるためにはビートルズのメンバー自身が抱いているネガティブなイメージを払拭することが必要だった。2017年12月、ニュージーランドで行われたミーティングで ポール・マッカートニーに未公開映像を見せながら説明し、その後ロサンゼルスでリンゴ・スターにも説明することで新たな映画の制作を納得させることができた[7]

修復作業[編集]

16mmフィルムに残された50年以上経過した映像は当然のごとく退色していた。しかしジャクソンは自身が2018年に監督した第一次世界大戦のドキュメンタリー映画『彼らは生きていた』制作時に、約100年前の映像を修復するために開発したソフトウェアなどを活用し、まるで昨日撮影したかのような鮮やかな映像に復元した[8][9]

一方、モノラル録音された音声は会話と楽器の音が重なり合い、聞き取りづらい部分が多かった。そこで、AIを用いた機械学習プログラム「MAL(Machine Audio Learning)」[注釈 2]を新たに開発した。これはギターの音、ドラムの音、メンバーそれぞれの声などをAIに学習させ、特定の人の声や特定の楽器の音だけを取り出すシステムである[7]。これにより会話と楽器の音を分離することに成功した[5]

公開までの紆余曲折[編集]

いわゆる「ルーフトップ・コンサート」から50年にあたる2019年1月30日に「ゲット・バック・セッション」の未公開映像と音声を素材とした新作映画の製作が発表された[10][11]。この時点ではタイトルも公開日も未定であった。合わせて映画『レット・イット・ビー』のレストア版も公開予定であることが明かされた[12]

2020年3月11日には配給権をウォルト・ディズニー・スタジオが獲得したこと、タイトルが『ザ・ビートルズ: Get Back』であること、9月4日にアメリカとカナダで先行上映されることが発表された[13][14]

しかし新型コロナによるパンデミックが全世界に及んだ影響でディズニーは年内の公開は難しいと判断、6月12日に1年延期することを発表した。この時点で劇場公開日は2021年8月27日に設定された[15]。12月21日には約5分間にわたる先行特別映像が公開された[16]

ところが2021年6月17日になって突如、公開形態と公開日の変更が発表された。これまで告知されていた劇場での公開から定額制動画配信サービスDisney+による全3部・合計6時間に及ぶ動画配信へ変更と、11月25日からの配信が告知された[2][3]

公開[編集]

配信開始に先立ち、11月16日にロンドンのシネ・ワールド・エンパイア・シアターで、18日にはロサンゼルス・ハリウッドのエル・キャピタン・シアターで、ジャクソンによって約100分にまとめられた特別版がプレミア上映された[注釈 3][17]

11月25日に予定通り第1部の配信が始まった。翌26日には第2部が、27日には第3部の配信が始まったが、実際は合計7時間50分におよぶものになった。これはジャクソンが将来のソフト化に備えてボーナス映像として用意していたことにディズニー側が難色を示したため、急遽本編に追加したからであった[18]

受賞[編集]

2022年9月3日、第74回プライムタイム・クリエイティブ・アーツ・エミー賞の授賞式が行われ、ジャクソンは、マッカートニー、スター、オノ、ハリスン、プロデューサーのオルセン、クライドと共に「連続ドキュメンタリー / ノンフィクション番組部門」を受賞した。ジャクソンは「ドキュメンタリー / ノンフィクション番組の優秀監督賞」も受賞し、さらに『ザ・ビートルズ:Get Back』は「映像編集賞 ノンフィクション部門」「音響編集賞 ノンフィクション部門(シングルまたはマルチカメラ)」「音響賞 ノンフィクション / リアリティ番組部門(シングルまたはマルチカメラ)」も受賞した[19][20]

ザ・ビートルズ: Get Back (Rooftop Performance)[編集]

2022年1月5日になって『ザ・ビートルズ: Get Back』内で公開されていた「ルーフトップ・コンサート」の全編を含む約65分にまとめられ映像『ザ・ビートルズ: Get Back (Rooftop Performance)』を劇場公開することが発表された[18]

2022年1月30日にロンドンと全米のIMAXシアターで1日限定上映されると、その後世界各国でも期間限定で公開された[注釈 4]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ この時点では未公開映像を用いたNG集のようなものが考えられていた[5]
  2. ^ マル・エヴァンズに因んで名付けられている[7]
  3. ^ 日本では配信初日の25日にTOHOシネマズ日比谷でプレミア上映された。
  4. ^ 日本では2月9日から13日までの5日間限定で、全国39のIMAXが導入されているシアターで上映された[21]。また2月25日から3月3日の7日間限定でアンコール上映され[22]、さらに10日まで延長された[23]が、さらに全国3館で17日まで再延長された[24]

出典[編集]

  1. ^ King, Jack (2021年11月19日). “'The Beatles: Get Back' Runtime Revealed for Peter Jackson Documentary”. https://collider.com/the-beatles-get-back-runtime-peter-jackson-documentary/ 2021年11月21日閲覧。 
  2. ^ a b 'The Beatles: Get Back,' a Disney+ Original Documentary Series Directed by Peter Jackson, to Debut Exclusively on Disney+”. TheBeatles.com (2021年6月17日). 2021年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月17日閲覧。
  3. ^ a b Hagan, Joe (2021年6月17日). “The Beatles: Get Back – An Exclusive Deep Dive Into Peter Jackson's Revelatory New Movie”. Vanity Fair. 2021年6月17日閲覧。
  4. ^ 'The Beatles: Get Back' Doc Set for Release on Blu-Ray and DVD This Summer — This Time It's for Real”. Variety (2022年5月17日). 2022年8月4日閲覧。
  5. ^ a b c PETER JACKSON TALKS THE BEATLES: GET BACK”. D23 (2021年11月23日). 2022年3月21日閲覧。
  6. ^ MUSIC LIFE 2022, p. 22,23.
  7. ^ a b c MUSIC LIFE 2022, p. 23.
  8. ^ MUSIC LIFE 2022, p. 25.
  9. ^ Trumbore, Dave (2019年1月30日). “Peter Jackson Follows Up on 'They Shall Not Grow Old' with 'The Beatles' Documentary”. Collider. 2022年3月31日閲覧。
  10. ^ Smith, Sophie (2020年4月17日). “The Beatles' 'Get Back' Documentary: Everything You Need to Know”. uDiscover Music. 2020年5月15日閲覧。
  11. ^ Aridi, Sara (2019年1月30日). “Peter Jackson to Direct Beatles Film”. 2020年3月14日閲覧。
  12. ^ MUSIC LIFE 2022, p. 18.
  13. ^ Guzmán, Rafer (2020年3月11日). “Disney to release Peter Jackson's Beatles documentary”. Newsday. 2020年5月14日閲覧。
  14. ^ White, Peter (2020年3月11日). “Disney Sets Release Date For Peter Jackson's Beatles Documentary” (英語). Deadline Hollywood. 2020年3月11日閲覧。
  15. ^ D'Alessandro, Anthony (2020年6月12日). “'The One And Only Ivan' Heads To Disney+; 'Beatles: Get Back' Moves To 2021 & More: Disney Release Date Changes” (英語). Deadline Hollywood. 2021年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
  16. ^ MUSIC LIFE 2022, p. 19.
  17. ^ MUSIC LIFE 2022, p. 20.
  18. ^ a b MUSIC LIFE 2022, p. 21.
  19. ^ “『ザ・ビートルズ:Get Back』、エミー賞5部門を受賞”. (2022年9月5日). https://www.barks.jp/news/?id=1000224172 2022年9月10日閲覧。 
  20. ^ “ドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』エミー賞で5部門受賞”. (2022年9月5日). https://amass.jp/160575/ 2022年9月10日閲覧。 
  21. ^ 『ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート』2/9〜5日間限定、IMAX上映が決定!”. MUSIC LIFE CLUB (2022年1月31日). 2022年3月21日閲覧。
  22. ^ 満席スクリーン続出!! ビートルズ・ファンの熱い要望に応え、2月25日(金)よりIMAX『ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート』アンコール追加上映が決定!!”. MUSIC LIFE CLUB (2022年2月18日). 2022年3月21日閲覧。
  23. ^ 再追加上映が決定! 『ザ・ビートルズ Get Back : ルーフトップ・コンサート』延長上映、明日3/4(金)より全国35のIMAXシアターにて!”. MUSIC LIFE CLUB (2022年3月3日). 2022年3月21日閲覧。
  24. ^ 一部劇場で再延長上映決定! 『ザ・ビートルズ Get Back : ルーフトップ・コンサート』、3/17まで延長予定”. MUSIC LIFE CLUB (2022年3月11日). 2022年3月21日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『ザ・ビートルズ:Get Back』シンコーミュージック、2021年10月12日。ISBN 978-4401650361 (公式書籍)
  • MUSIC LIFE (2022). ザ・ビートルズ ゲット・バック・プロジェクトの全貌. シンコーミュージック・エンタテインメント. ISBN 978-4-401-65166-5. 

外部リンク[編集]