オデオンレコード

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オデオン・レコードのロゴ

オデオンレコード(Odeon Records)は、1903年ドイツで設立されたレコード会社である。社名は、フランスパリにあるオデオン座に由来する。

概要[編集]

もともとはパーロフォンと同じくドイツカール・リンドストレーム社のレーベルだった。後にEMIに買収される。

イギリスと北米地域をのぞく各国でビートルズのレーベルとして多く使用され、日本でもビートルズの現役時代、リアルタイム(1964年~1968年)で東芝音楽工業株式会社からリリースされたレコード(解散後、アップル・レコード閉鎖後にも再び(1979年~1998年)使用された)には、本来のパーロフォンのロゴの代わりにオデオン・レーベルのロゴが使われたことで知られている。

2013年に商標権がワーナー・ミュージックグループに買収されている。

由来[編集]

フランスパリ劇場の名前から取ったものである。

沿革[編集]

世界におけるオデオン・レーベル[編集]

ドイツから始まったオデオン・レコードは、そのロゴとともに世界中へ拡散していった。
第二次世界大戦の影響や、断続的に続いた音楽業界の再編などに伴い、オデオンのロゴを冠したレコードは徐々に消えていったが、フランス日本ブラジルトルコアフリカ諸国などでは、EMI傘下の主要ブランドの一つとして戦後も使われ続けたり、戦後から新たなレーベルとして再出発するケースが見られた。

日本[編集]

1930年[1]3月、オデオン・レコードの日本発売元として「日本オデオン株式會社[2]」が設立された。

本社は銀座6丁目交詢ビル内にあったが、1932年にはレコードの製造販売を停止[3]。その後、戦争により廃業している。

1963年1月EMI(オデオンの親会社)の日本発売元だった東芝音楽工業(後のEMIミュージック・ジャパン[4])が、EMI傘下のイギリスのコロムビア・レコードの日本配給権が日本コロムビアから東芝に移行したのを受け、それまでクラシック・ポピュラー問わずヨーロッパのEMI系列の洋楽の音源全般を統括していた「エンジェル・レコード」を、クラシック系を「エンジェル」、ポピュラー系を「オデオン」と分割し、ヨーロッパ圏の洋楽ポピュラーの販売を開始した[5]

東芝音楽工業のディレクターで、日本でのビートルズ人気を仕掛けた高嶋弘之が、洋楽担当としてビートルズを売り出すにあたり、当時の東芝音楽工業にあった「エンジェル・レコード」などの既存の洋楽レーベルではグループのイメージに合わないと考え、世界中のEMIが擁したレーベルから探したところ、この時点で日本では設立されたばかりで、特定のアーティストの色も付いておらず、響きも良かった「オデオン・レコード」を、ビートルズのレコードに使用するようになった。

高嶋は「日本のオデオンレコード」は、日本で「独自に作った」「適当につけた」もので、海外での「オデオンレーベル」と、日本とでは「ロゴの形も扱う音楽も全然違う」、「日本のオデオン(レーベル)はあっち(海外)とは無関係に独自で発展したもの」と後年になって証言しているが、前出の通り、日本のオデオン・レコードはビートルズの日本でのデビュー前に既に設立されており、実際には諸外国のオデオン・レコードの扱いに準拠したものと考えられる。

ブラジル[編集]

ブラジルのオデオン・レコード(ポルトガル語: Indústrias Elétricas E Musicais Fábrica Odeon S.A.)は、1912年に設立された[6]

途中からEMIの傘下に入ったため、1974年からは社名を「EMI-オデオン(ポルトガル語: EMI-Odeon Fonográfica, Industrial e Eletrônica[7])」として新譜の発売を続けた。現在はユニバーサル・ミュージック・グループの傘下にある。

アルゼンチン[編集]

1919年11月、「The Argentine Talking Machine Works」が誕生。オデオン・レーベルのレコードがアルゼンチン国内で生産されるようになる。

1920年に、オデオンのサブレーベルとして「ディスコ・ナシオナル(スペイン語: Disco Nacional)」が誕生[8]1923年には「ディスコ・ナシオナル・オデオン(スペイン語:Disco Nacional Odeon)」へ社名を変更する。

しかし、1934年1月にアルゼンチンの法律で「ナシオナル(=スペイン語国家の、国民の、国有の~を意味する)」の単語を非政府機関が使用することが禁止された[8]ため、社名を「ディスコ・クリオーリョ・オデオン(スペイン語:Disco Criollo Odeon)」へ変更する。

1936年からは「Industrias Eléctricas Y Musicales Odeón[9]」がオデオンのロゴを使いレコードを発売した。

1970年代に社名が「EMI-Odeon S.A.I.C.」に変更された[10]。EMI-Odeon S.A.I.C.は、2012年に親会社のEMIがユニバーサル・ミュージック・グループに売却されるまでの間、オデオンの名を社名に冠し、経営を続けた。

脚注[編集]