ゲット・バック

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ゲット・バック
ビートルズシングル
B面 ドント・レット・ミー・ダウン
リリース
録音 アップル・スタジオ(1969年1月27日28日
ジャンル ロック
時間
レーベル アップル・レコード
プロデュース ジョージ・マーティン (single version)
フィル・スペクター ("Let It Be" version)
ビートルズ&ジョージ・マーティン ("Let It Be...Naked" version)
チャート最高順位
ビートルズシングル盤 U.K.U.S. 年表
ヘイ・ジュード
b/w
レヴォリューション
(1968年)
ゲット・バック
b/w
ドント・レット・ミー・ダウン
(1969年)
ジョンとヨーコのバラード
b/w
オールド・ブラウン・シュー
(1969年)
ビートルズシングル盤 日本 年表
オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ
b/w
ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
(1969年)
ゲット・バック
b/w
ドント・レット・ミー・ダウン
(1969年)
ジョンとヨーコのバラード
b/w
オールド・ブラウン・シュー
(1969年)
ビートルズシングル盤 日本 年表
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ
b/w
ア・デイ・イン・ザ・ライフ
(1978年)
レット・イット・ビー
b/w
ゲット・バック
(1981年)
ザ・ビートルズ・ムーヴィー・メドレー
b/w
すてきなダンス
(1982年)
レット・イット・ビー 収録曲
A面
  1. トゥ・オブ・アス
  2. ディグ・ア・ポニー
  3. アクロス・ザ・ユニヴァース
  4. アイ・ミー・マイン
  5. ディグ・イット
  6. レット・イット・ビー
  7. マギー・メイ
B面
  1. アイヴ・ガッタ・フィーリング
  2. ワン・アフター・909
  3. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
  4. フォー・ユー・ブルー
  5. ゲット・バック
パスト・マスターズ Vol.2 収録曲
  1. デイ・トリッパー
  2. 恋を抱きしめよう
  3. ペイパーバック・ライター
  4. レイン
  5. レディ・マドンナ
  6. ジ・インナー・ライト
  7. ヘイ・ジュード
  8. レヴォリューション
  9. ゲット・バック
  10. ドント・レット・ミー・ダウン
  11. ジョンとヨーコのバラード
  12. オールド・ブラウン・シュー
  13. アクロス・ザ・ユニヴァース
  14. レット・イット・ビー
  15. ユー・ノウ・マイ・ネーム
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ゲット・バック」(Get Back)は、1969年4月にビートルズが発表した19枚目のオリジナル・シングル曲である。

解説[編集]

レノン=マッカートニー作。実質的にはポール・マッカートニーの作品である。リード・ヴォーカルはポール、リード・ギターとコーラスはジョン。ビリー・プレストンエレクトリックピアノで参加しており、曲のクレジットも「ザ・ビートルズ・ウィズ・ビリー・プレストン」となっている(プレストンは、ビートルズのレコーディングに参加した多くの演奏者の中で唯一公式にクレジットされたプレイヤーである)。

アルバム『ザ・ビートルズ』の制作中に露見したメンバー間の音楽性の違い、様々な軋轢(ポールの独裁者ぶり)、録音技術・機材の発達に伴い個別作業が増えたことによるすれ違い等、この時期のビートルズは重大な危機を迎えていた。そんな状況を危惧したポールが、「もう一度原点に戻ってやり直そう」と他のメンバーに呼びかけてスタートしたゲット・バック・セッションの中で作られた曲である。

元のタイトルは "(Don't Dig) No Pakistanis"(「パキスタン人は要らない」)。当時イギリスでは、前年頃から流入する大量のパキスタン難民が自国民の職域を侵すと大問題になり、排撃すべしという空気が漂っていた[注釈 1]。人種排撃を嫌うポールは、この状況を歌にして自国の現状を逆説的に訴えようとしてこのタイトルを考案したが、逆に人種排撃に繋がるとして却下され、仕方なく他愛ない歌詞に改められタイトルも「ゲット・バック」に落ち着いた。

歌詞に登場する「ジョ・ジョ」とはジョン・レノンのことであるといわれる。ビートルズのメンバーとしての活動意欲を徐々に失い、ヨーコとの関係に重きを置くようになったジョンに対して、ポールが「戻って来い」と呼びかけているものと考えられている(ジョン・レノンは、「ポールがこの曲の Get back to where you once belonged (元いた場所に帰れよ)の部分を歌う時にヨーコの方を見ていた」と非難したことがあり、この歌はヨーコに向けられたものという解釈も存在する)。

「ゲット・バック」は1969年1月30日アップル本社の屋上で行われたビートルズ最後のライヴ「ルーフトップ・コンサート」でも演奏された。

「ルーフトップ~」では3回演奏され、ラスト・ナンバーともなった3回目では、通報を聞いて駆けつけた警官にジョンとジョージのギター・アンプの電源を切られ、ベース、ドラム、キー・ボードのみしか聞こえない箇所がある(ザ・ビートルズ・アンソロジー3収録)。

ステレオ・ヴァージョン[編集]

「ゲット・バック」のリアル・ステレオヴァージョン1970年5月にリリースされたアルバム『レット・イット・ビー』に収録された。しかし後述の通りプロデューサーのフィル・スペクターによって編集された別ミックスである。シングル・ヴァージョンのステレオ・ヴァージョンはビートルズの活動中に公式なフォームではリリースされなかった。ただし、アメリカ、日本では同シングル盤は当初からステレオでリリースされていた。イギリスでは1973年4月リリースの『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』が最初となる。CDでは1988年3月にリリースされたアルバム『パスト・マスターズ Vol.2』に収録された。

ミキシング[編集]

「ゲット・バック」は、アルバム『ゲット・バック』制作プロジェクトの一環としてレコーディング、リリースされた。しかしアルバムの方は結局リリースされず、1970年にフィル・スペクターによって再プロデュース、リメイクされ、アルバム『レット・イット・ビー』として発売された。リメイクの際に「ゲット・バック」にもミキシングの変更がなされ、ブレイクからエンディングのフェード・アウトまで続くリフレインがカットされたほか、イントロ前およびエンディング後に喋りが加えられ、あたかもルーフトップ・コンサートのライヴ演奏のように仕立てなおされている。

  • 冒頭にはジョンの"Sweet Loretta Fart, she thought she was a cleaner, but she was a frying pan.…"(いとしのロレッタ・ファート(=屁)。彼女は自分を掃除機(または潔癖症)だと思っていたけど、実はフライパンだったのさ)という声が入っている。これはこの曲の2番の歌詞の冒頭部分"Sweet Loretta Martin thought she was a woman, but she was another man.…"(かわいいロレッタ・マーティンは自分を女だと思っていたけど、実は男だったのさ)のパロディである。
  • 終了した後、ポールが"Thanks, Mo.…"(ありがとう、モー(=モーリーン:リンゴ・スターの先妻))と言い、続いてジョンの"I'd like to say thank you on behalf of the group and ourselves, I hope we passed the audition.…"(バンドを代表して皆様にお礼申し上げます。オーディションに受かるといいな)という声が入って終わっている[注釈 2]

シングル盤[編集]

アメリカで200万枚以上、イギリスでは60万枚のセールスを記録している。全世界では1,000万枚を売り上げ、『ビルボード』誌では、1969年5月24日に週間ランキング第1位を獲得。同1969年年間ランキングは第8位。『キャッシュボックス』誌でも5週連続第1位を記録し、年間ランキング14位を記録している。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、6週連続最高位第1位を獲得している。B面は「ドント・レット・ミー・ダウン」(『ビルボード』最高位35位。『キャッシュボックス』最高位57位)。本作がビートルズ最後のモノラル・シングル盤となった

1976年、ロッド・スチュワートカヴァーし、全英最高位11位を記録。1978年には、オリジナル・レコーディングにも参加したビリー・プレストンのカヴァー・ヴァージョンもリリースされ、ビルボード誌最高位86位を記録した。

収録盤[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ 1971年パキスタンベンガル地方、いわゆる東パキスタンがバングラデシュとして独立しているが(第三次印パ戦争)、それにいたるまでの混乱で東パキスタンの住民の一部が難民としてイギリスに流入していた。
  2. ^ ザ・ビートルズ・アンソロジー3』には屋上ライヴでの最後の演奏から、ポールの声がかかるまでの録音が収録されている。

出典[編集]

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先代:
フィフス・ディメンション
「輝く星座」
Billboard Hot 100 ナンバーワンシングル
1969年5月24日 - 6月21日
次代:
ヘンリー・マンシーニ
「ロミオとジュリエット」