ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン

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ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
ビートルズシングル
初出アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー
A面 愛こそはすべて
リリース
規格 7インチシングル
録音 1967年5月11日
オリンピック・スタジオ
ジャンル サイケデリック・ロック[1]
サイケデリック・ポップ[2]
時間
レーベル パーロフォン(イギリス)
キャピトル・レコード(アメリカ)
オデオン(日本)
作詞・作曲 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
ビートルズシングル盤 U.K.U.S. 年表
ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
両A面
ペニー・レイン
(1967年)
愛こそはすべて
b/w
ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
(1967年)
ハロー・グッドバイ
b/w
アイ・アム・ザ・ウォルラス
(1967年)
ビートルズシングル盤 日本 年表
ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
b/w
ペニー・レイン
(1967年)
愛こそはすべて
b/w
ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
(1967年)
ハロー・グッドバイ
b/w
アイ・アム・ザ・ウォルラス
(1968年)
マジカル・ミステリー・ツアー 収録曲
A面
  1. マジカル・ミステリー・ツアー
  2. フール・オン・ザ・ヒル
  3. フライング
  4. ブルー・ジェイ・ウェイ
  5. ユア・マザー・シュッド・ノウ
  6. アイ・アム・ザ・ウォルラス
B面
  1. ハロー・グッドバイ
  2. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
  3. ペニー・レイン
  4. ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
  5. 愛こそはすべて
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ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」(Baby, You're a Rich Man)は、1967年7月にビートルズが発表した15枚目のオリジナル・シングル愛こそはすべて」のB面曲である。

解説[編集]

レノン=マッカートニーの作品。Aメロをジョンが、サビをポールが作った楽曲である。ヴォーカルはジョン・レノンで、ポール・マッカートニーコーラスを入れている。「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」や「アイヴ・ガッタ・フィーリング」と同様の成り立ちで、ジョンが作っていた「ワン・オブ・ザ・ビューティフル・ピープルOne of the Beautiful People)」[3]とポールが作っていた「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マンBaby, You're a Rich Man)」の2つの未完成の楽曲を合体させて完成した曲である[4]。曲名もポールの制作していた後者が採用された。

ビートルズによるアニメ映画『イエロー・サブマリン』のために作られ、同映画でも使用された[5][6][注釈 1]。英国ではオリジナル・アルバム未収録だったが、キャピトル編集盤『マジカル・ミステリー・ツアー』には収録された。1999年に『イエロー・サブマリン』のDVD化に合わせて発売されたアルバム『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』にも、映画中で挿入歌として使用された経緯から、リミックス・ヴァージョンが収録されている。

また、同楽曲は映画『ソーシャル・ネットワーク』のエンディングテーマとしても使用されている。

レコーディング[編集]

レコーディングは1967年5月11日ロンドンのオリンピック・スタジオで行われ、テイク1からテイク12までが録音された[7][8]。同日にミキシングも行われている[注釈 2]

ジョンはヴォーカルのほか、ピアノクラヴィオライン(初期のアナログシンセサイザーの一種)、コーラス、ポールは同じくヴォーカルのほか、ベースピアノ、コーラスで、ジョージ・ハリスンギター、コーラス、手拍子で、リンゴ・スタードラムスタンバリン、手拍子を担当している。他にオリンピック・スタジオのエンジニアであるエディ・クレイマーヴァイブで、ローリング・ストーンズミック・ジャガーがコーラスで参加しているとの記録がある[注釈 3][9]

オーボエのような音はジョンがクラヴィオラインで演奏したものである[10]。この音についてブライアン・ジョーンズがオーボエで参加しているとする記述もしばしば見受けられるが、当時のジョーンズは恋人をキース・リチャーズに取られた影響などで精神が不安定になっていた事が知られている他、レコーディング前日の5月10日に薬物所持で逮捕されている事などからも参加出来る状態ではなかったと考えられている。

セッション中、ジョンはコーラス部分を「Baby, you're a rich fag jew(お前は金持ちのユダヤホモ野郎)」と変えて歌っていた[11]。ジャーナリストのボブ・スピッツ英語版は、ブライアン・エプスタインに対するジョーク、または初期のバンドのトレードマークとなっていたモップ・トップを茶化すものと推測している[12]

ステレオ・ヴァージョン[編集]

「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」のリアル・ステレオ・ヴァージョンはビートルズの活動中にはリリースされなかった[注釈 4]。ステレオ・ミキシングされたのは解散後の1971年10月22日[13]のことであった。ただし、このミキシングではレコーディング時に導入されていたスピンエコー法が再現出来ていなかった[14]。この1971年ミキシングのステレオ・ヴァージョンは西ドイツ(当時)のアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』ステレオ盤で初リリースされた。

英国では1980年11月にリリースされた『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』に収録された。CDでは1987年8月にリリースされたアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』に収録された。

演奏[編集]

クレジットはマーク・ルイソーン英語版[5]イアン・マクドナルド英語版[15]によるもの。

ビートルズ

外部ミュージシャン

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ 映画のサウンドトラック・アルバム『イエロー・サブマリン』には収録されなかった。
  2. ^ プロデューサージョージ・マーティンエンジニアはキース・グラント。
  3. ^ レコーディング・セッションを収めたテープボックスの1本には「+ミック・ジャガー?」との表記がなされている。
  4. ^ 1967年に米国でLP『マジカル・ミステリー・ツアー』が発売された際は、擬似ステレオ・ヴァージョンが収録された。
  5. ^ ダブルトラック処理が施されている。

出典[編集]

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  1. ^ Borack, John M. (2007). Shake Some Action: The Ultimate Power Pop Guide. Fort Collins, CO: Not Lame Recordings. p. 3. ISBN 0-9797714-0-4. 
  2. ^ DeRogatis, Jim (2003). Turn on Your Mind: Four Decades of Great Psychedelic Rock. Milwaukee, WI: Hal Leonard. p. 48. ISBN 978-0-634-05548-5. 
  3. ^ Turner, Steve (1999). A Hard Day's Write: The Stories Behind Every Beatles Song (2nd edn). New York, NY: Carlton/HarperCollins. p. 138. ISBN 0-06-273698-1. 
  4. ^ Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. Santa Barbara, CA: ABC-CLIO. p. 57. ISBN 978-0-313-39171-2. 
  5. ^ a b Lewisohn, Mark (2005) [1988]. The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962–1970. London: Bounty Books. p. 111. ISBN 978-0-7537-2545-0. 
  6. ^ Schaffner, Nicholas (1978). The Beatles Forever. New York, NY: McGraw-Hill. p. 86. ISBN 0-07-055087-5. 
  7. ^ Miles, Barry (2001). The Beatles Diary Volume 1: The Beatles Years. London: Omnibus Press. p. 264. ISBN 0-7119-8308-9. 
  8. ^ Unterberger, Richie (2006). The Unreleased Beatles: Music & Film. San Francisco, CA: Backbeat Books. p. 187. ISBN 978-0-87930-892-6. 
  9. ^ 『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版』マーク・ルーイスン著、内田久美子翻訳、2009年・シンコーミュージック発行、171-172頁
  10. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd rev. edn). Chicago, IL: Chicago Review Press. p. 259. ISBN 978-1-55652-733-3. 
  11. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd rev. edn). Chicago, IL: Chicago Review Press. p. 258. ISBN 978-1-55652-733-3. 
  12. ^ Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. Santa Barbara, CA: ABC-CLIO. p. 58-59. ISBN 978-0-313-39171-2. 
  13. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd rev. edn). Chicago, IL: Chicago Review Press. p. 131. ISBN 978-1-55652-733-3. 
  14. ^ Russell, Jeff (1982). The Beatles Album File and Complete Discography. London: Blandford Press. p. 246. ISBN 0-7137-2065-4. 
  15. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd rev. edn). Chicago, IL: Chicago Review Press. p. 257. ISBN 978-1-55652-733-3. 
  16. ^ Fontenot, Robert (2017年3月3日). “The Beatles Songs: 'Baby, You're a Rich Man' – The history of this classic Beatles song”. ThoughtCo./about.com. 2017年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月1日閲覧。
  17. ^ Guesdon, Jean-Michel; Margotin, Philippe (2013). All the Songs: The Story Behind Every Beatles Release. New York, NY: Black Dog & Leventhal. p. 416. ISBN 978-1-57912-952-1.