イエロー・サブマリン (曲)
「イエロー・サブマリン」 (Yellow Submarine)は、1966年8月にビートルズが発表した13枚目のオリジナル・シングル曲である。両A面シングル曲で片面は「エリナー・リグビー」である。
解説[編集]

レノン=マッカートニーの作品。実質的にはポール・マッカートニーの作品であるが、ミュージシャンのドノヴァンが歌詞を手伝っている[4]。ドノヴァンは"Sky of blue and sea of green"というフレーズを加えた[5]。
リード・ボーカルはリンゴ・スターで、ビートルズのイギリスでのシングル曲としては唯一のリンゴがリード・ボーカルを採った曲である。1966年に同年に発売されたビートルズの7枚目のアルバム『リボルバー』と同日発売シングルとして発表された。この曲はポールが「子供の歌」として作ったものである。リンゴのほのぼのとした歌いまわしと、楽曲の内容とがマッチして大いにヒットし、リンゴの代表曲のひとつとなった。リンゴのコンサートでは現在でも必ず演奏される曲の一つである。
「子供の歌」として発表されたこの曲だが2年後ビートルズ自身が主人公となるアニメ映画『イエロー・サブマリン』のテーマ曲としてリエントリーされ、翌1969年のサウンド・トラック・アルバム『イエロー・サブマリン』にも収録された。解散後は『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』『ザ・ビートルズ1』の編集版アルバムに収録されている。また、本来アルバムバージョンとして製作されていたイントロにリンゴの語りが入ったものがシングル「リアル・ラヴ」に収録されている。
ステレオ・ヴァージョン[編集]
「イエロー・サブマリン」のリアル・ステレオ・ヴァージョンは1966年8月(本曲のシングル盤と同時)にリリースされたアルバム『リボルバー』ステレオ盤に収録された。アメリカでは1966年8月にリリースされたアルバム"Revolver"(Capitol)ステレオ盤に収録された。
CDでは1987年4月にリリースされたアルバム『リボルバー』に収録された。
ミキシング[編集]
モノラル・ミックスはイントロのギターが "in a town" の "in" から入っているがステレオ・ミックスは "town" から入る。また3番でリンゴのヴォーカルに対するジョンの合いの手が、モノラル・ミックスでは1節目 "life of ease" から入るがステレオ・ミックスでは2節目 "Everyone of us" から入る[注 1]。なお、アルバム『イエロー・サブマリン』のモノラル盤収録分はステレオ・ミックスをモノラル化したものであるため、前述の差はステレオ・ミックスに準じる。『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』収録のデジタル・リミックス・ヴァージョンは、イントロのギターの入りはステレオ・ミックスと同じく"town"から、ジョンの合いの手はモノラル・ミックスと同じく1節目"life of ease"から入る。
シングル盤[編集]
英国の『メロディ・メーカー』、『ニュー・ミュージカル・エキスプレス』と米国の『キャッシュボックス』のチャートでは1位にランクされた。『ビルボード』(Billboard)誌では、1966年9月17日に、最高位の第2位を獲得。ビルボード誌1966年年間ランキングは第77位。『キャッシュボックス』誌では最高位第1位を獲得している。だが、年間ランキングでは83位と低かった。もう片面は「エリナー・リグビー」。英国では両A面で発表されたが日米では「エリナー・リグビー」をB面として発表された。アメリカでは100万枚以上のセールスを記録し、イギリスでは50万枚以上のセールスを記録している。
2018年7月6日にアニメ映画『イエロー・サブマリン』上映50周年を記念し、7インチ・アナログ盤で限定復刻された[注 2][6]。
演奏[編集]
クレジットはイアン・マクドナルドによるもの[7]。
- リンゴ・スター - ドラムス、リード・ボーカル
- ジョン・レノン - アコースティック・ギター、バッキング・ボーカル、効果音(泡)
- ポール・マッカートニー - ベース、バッキング・ボーカル
- ジョージ・ハリスン - アコースティック・ギター、タンブリン、バッキング・ボーカル
- マル・エヴァンズ - バスドラム、バッキング・ボーカル
- ジョージ・マーティン - バッキング・ボーカル、音楽プロデューサー
- ジェフ・エメリック - バッキング・ボーカル、テープ・ループ、レコーディング・エンジニア
- ニール・アスピノール - バッキング・ボーカル
- アルフ・ビックネル - 効果音(鎖)
- パティ・ボイド - バッキング・ボーカル
- マリアンヌ・フェイスフル - バッキング・ボーカル
- ブライアン・ジョーンズ - バッキング・ボーカル、効果音(グラス)
- ブライアン・エプスタイン - バッキング・ボーカル
収録アルバム/シングル[編集]
- 「イエロー・サブマリン」 (シングルA面)…日本版のジャケットには、同年6月・7月の日本武道館での来日公演のステージでの演奏写真が使われた。
- 『リボルバー』
- 『イエロー・サブマリン』 (同名映画のサウンドトラック盤)
- 『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』
- 『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』 (デジタル・リミックス・バージョンを収録)
- 『ザ・ビートルズ1』 (リマスター・バージョンを収録)
- 『リアル・ラヴ』 (リンゴの没台詞が入ったバージョンを収録)
エピソード[編集]
- 日本では1982年にこの曲を基にした「イエロー・サブマリン音頭」が発売された。プロデューサーの大滝詠一が音頭へアレンジし、歌詞はマッカートニーによる英語の詞を松本隆が日本語に訳しつつ一部で原曲を利用し、女性民謡歌手の金沢明子が歌った。
- また、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のチームの中には、同曲のメロディが替え歌チャントとして使われる例が、北海道コンサドーレ札幌、ザスパクサツ群馬、名古屋グランパス、京都サンガFC、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸など多く存在する。また、サッカー日本代表選手の中山雅史(ジュビロ磐田-札幌ーアスルクラロ沼津)の応援歌としても、クラブと代表の双方で使用されている。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ “The Beatles Album Review”. Condé Nast (2009年9月9日). 2018年10月23日閲覧。
- ^ Cohen, Norm (2005). Folk Music: A Regional Exploration. Greenwood Press. p. 335. ISBN 0-313-32872-2 .
- ^ “The Beatles Revolver Review”. BBC (2007年). 2018年10月23日閲覧。
- ^ Barry Miles著 Many Years From Now P383
- ^ Fontenot, Robert (1999年8月20日). “Yellow Submarine”. About.com. 2018年10月23日閲覧。
- ^ “ザ・ビートルズ(The Beatles)、「イエロー・サブマリン」7インチ・アナログ盤限定復刻”. TOWER RECORDS ONLINE (2018年5月30日). 2018年8月12日閲覧。
- ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3.
外部リンク[編集]
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