プリーズ・プリーズ・ミー (アルバム)

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プリーズ・プリーズ・ミー
ビートルズスタジオ・アルバム
リリース
録音 1962年9月1日 (1962-09-01)、11月26日、1963年2月11日 (1963-02-11)[1]
ジャンル
時間
レーベル パーロフォン
プロデュース ジョージ・マーティン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(UKチャート[5]、メロディー・メーカー)
  • 3位(オリコン、1987年盤)
  • ビートルズ U.K. 年表
    -
    • プリーズ・プリーズ・ミー
    • (1963年 (1963))
    ビートルズ 日本 年表
    • プリーズ・プリーズ・ミー
    • (1976年 (1976))
    『プリーズ・プリーズ・ミー』収録のシングル
    1. ラヴ・ミー・ドゥ
      リリース: イギリスの旗 1962年10月5日 (1962-10-05)
    2. プリーズ・プリーズ・ミー
      リリース: イギリスの旗 1963年1月11日 (1963-01-11)
    テンプレートを表示

    プリーズ・プリーズ・ミー』(英語: Please Please Me[注釈 1])は、ビートルズ初のイギリス盤公式オリジナル・アルバム。1963年3月22日にモノラル盤が発売され、ステレオ盤が1963年4月26日に発売された。

    1963年2月11日にシングルとして発売された4曲を除く全10曲をレコーディングするという短期間で制作されたアルバムで、発売から6週目の全英アルバムチャートで最高位1位を獲得。その後次作『ウィズ・ザ・ビートルズ』で第1位を獲得するまでの30週連続で1位を獲得した[6]

    録音[編集]

    本アルバムは、セカンド・シングル『プリーズ・プリーズ・ミー』(1963年1月11日発売)のヒットを受けて急遽制作されることとなった。当初はキャヴァーン・クラブで観客を前にしたライヴ録音が計画されたが、キャヴァーン・クラブが音を録音する環境としては良くなかったので、EMI・レコーディング・スタジオ(現:アビー・ロード・スタジオ)にてスタジオ・ライヴ形式でのレコーディングが行なわれた[7]。セッションは、午前と午後の2回で予定され、後から夕方からのセッションが追加された[8]

    1963年2月11日の午前10時にビートルズとプロデューサーのジョージ・マーティンはスタジオに入り、約3時間のセッションを3回繰り返し、10時間弱でシングルで既に発表されていた4曲を除く10曲を録音、1日でアルバムを完成させた。時間と予算が限られていたことから、ほとんどの曲は原則一発録り[注釈 2]で制作された。また、収録曲14曲中6曲は、この頃のビートルズがライヴで好んで演奏していたアメリカのR&Bロックンロールなどのカヴァーで占められている。「ホールド・ミー・タイト」もこのセッションで録音されたが、次のアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』に回された[9]。録音当日、ジョン・レノンは風邪をひいており、その影響でヴォーカルがやや鼻声になっている。ジョージ・マーティンはジョンの喉への負担を考慮し、「ツイスト・アンド・シャウト」の録音はセッションの最後に行い2テイク録音し第1テイクを採用した。解散後にジョンは『ビートルズの(当時の)ライヴ感の生々しさを出しているという点では、このアルバムが一番近い』と発言している。なお、2月20日にマーティンによって「ベイビー・イッツ・ユー」にセレスタ、「ミズリー」にピアノがオーバー・ダビングされているが、このセッションにはビートルズは関与していない[10]

    アルバム・タイトルが決定するまで、マーティンは「Off the Beatle Track」とすることを考えていた。このタイトルは、1964年にマーティンが発売したオーケストラのアルバムに使用された[11]

    アートワーク[編集]

    ジョージ・マーティンは、自身がロンドン動物学会名誉フェローだったことから、ロンドン動物園の昆虫コーナーの外でビートルズのメンバーにポーズをとらせたものをカバーにすることを考案。しかし、この提案は却下され、写真家のアンガス・マクビーン英語版マンチェスター・スクエアにあるEMI本社の吹き抜けからメンバーが見下ろしている写真を撮影するように依頼された[11]。発売から7年後の1969年に同じ場所、同じ構図で撮影された写真が未発表アルバム『Get Back』[注釈 3]に使用される予定となっていた。1963年のフォト・セッションのアウトテイクと1969年に撮影された写真は、それぞれ1963年に発売されたEP『ビートルズ No.1』、1973年に発売された『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』に使用された。

    発売[編集]

    1963年当時の慣習でモノラル盤は3月22日、ステレオ盤は4月26日に発売された。モノラル盤とステレオ盤の発売日が異なっているのはビートルズのアルバムでは唯一のケースである。レコーディングは実質1日、既発曲の4曲を含めても計3日間という、極端な短期間で制作されたが同アルバムは発売と当時に大ヒットを記録。イギリスのメロディ・メーカー誌で第1位を30週連続記録した[12]。アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』を第1位から引きずり下ろしたのはセカンド・アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』だった。

    CDは1987年2月26日にモノラル盤のみで発売され、ステレオ盤CDは2009年9月9日に発売された。ステレオ・バージョンが存在しない「ラヴ・ミー・ドゥ」と「P.S.アイ・ラヴ・ユー」の2曲は、当初は疑似ステレオ・バージョンでLP盤に収録されていたが、CDにはモノラル・バージョンのままで収録されている。

    日本では「来日記念盤」という形で、曲順とジャケット・デザインを変えて、写真集を付けた形で『ステレオ! これがビートルズ Vol.1』のタイトルで1966年に発売。イギリス盤と同じ曲順とデザインで発売されたのは10年後の1976年6月だった。アメリカではCDが発売される1987年まで発売されず、一部の楽曲をカットした編集盤が1964年にヴィージェイ・レコードから『Introducing... The Beatles』 のタイトルで、1965年にキャピトル・レコードから『ジ・アーリー・ビートルズ』のタイトルで発売された。

    評価[編集]

    現在も名盤と評価され『ローリング・ストーン』・「オールタイム・ベスト・アルバム500」において39位[13]、「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」において第17位を記録。

    収録曲[編集]

    アナログA面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア(I Saw Her Standing There) ポール・マッカートニー
    2.ミズリー(Misery) 
    3.アンナ(Anna (Go To Him))アーサー・アレキサンダージョン・レノン
    4.チェインズ(Chains)ジョージ・ハリスン
    5.ボーイズ(Boys)リンゴ・スター
    6.アスク・ミー・ホワイ(Ask Me Why) ジョン・レノン
    7.プリーズ・プリーズ・ミー(Please Please Me) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    合計時間:
    アナログB面
    #タイトル作詞・作曲リード・ボーカル時間
    1.ラヴ・ミー・ドゥ(Love Me Do) 
    • ポール・マッカートニー
    • ジョン・レノン
    2.P.S.アイ・ラヴ・ユー(P.S. I Love You) ポール・マッカートニー
    3.ベイビー・イッツ・ユー(Baby It's You)ジョン・レノン
    4.ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット(Do You Want To Know A Secret) ジョージ・ハリスン
    5.蜜の味(A Taste Of Honey)ポール・マッカートニー
    6.ゼアズ・ア・プレイス(There's A Place) 
    • ジョン・レノン
    • ポール・マッカートニー
    7.ツイスト・アンド・シャウト(Twist And Shout)ジョン・レノン
    合計時間:

    パーソネル[編集]

    ※出典[15]

    ビートルズ

    外部ミュージシャン・スタッフ

    脚注[編集]

    [脚注の使い方]

    注釈[編集]

    1. ^ パッケージには「Please Please Me with Love Me Do and 12 Other Songs」と記載されている。
    2. ^ 当時は2トラック録音なので、歌と演奏を同時録音し、それぞれが1つずつのトラックに録音された
    3. ^ のちに編集が加えられて『レット・イット・ビー』となった。

    出典[編集]

    1. ^ Please Please Me. beatlesbible.com Retrieved 22 January 2015.
    2. ^ Pop/Rock " British Invasion " Merseybeat”. AllMusic. 2018年11月3日閲覧。
    3. ^ Carlin, Peter Ames (2009-11-03). Paul McCartney: A Life. Simon & Schuster. p. 82. ISBN 1-4165-6209-5. https://books.google.com/books?id=W8R4LS2LYxYC&pg=PA82#v=onepage&q&f=false 
    4. ^ Please Please Me is "one of the greatest first albums in rock", in Rolling Stone's The 100 Best Debut Albums of All Time
    5. ^ please please me|full Official Chart History”. Official Charts Company. 2019年2月17日閲覧。
    6. ^ please please me | full Official Chart History”. Official Charts Company. 2020年7月9日閲覧。
    7. ^ Martin, George; Pearson, William (1994). With a Little Help from My Friends: The Making of Sgt. Pepper. Boston: Little, Brown. p. 77. ISBN 0-316-54783-2 
    8. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 24-26. ISBN 0-517-57066-1 
    9. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 36. ISBN 0-517-57066-1 
    10. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 28. ISBN 0-517-57066-1 
    11. ^ a b Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 32. ISBN 0-517-57066-1 
    12. ^ Please Please Me – The Beatles”. Apple Corps. 2018年11月17日閲覧。
    13. ^ Pond, Steve. “The Beatles: Please Please Me”. Rolling Stone. 2018年11月3日閲覧。
    14. ^ プリーズ・プリーズ・ミー [CD EXTRA][CD] - ザ・ビートルズ”. ユニバーサルミュージック. 2020年6月12日閲覧。
    15. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1 

    関連文献[編集]

    外部リンク[編集]