世界名作劇場

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世界名作劇場(せかいめいさくげきじょう)は、主に日本アニメーション(以下、日アニ)が制作して『カルピスこども名作劇場』や『ハウス食品・世界名作劇場』といった名称で放送されているテレビアニメシリーズである。

世界名作アニメ世界名作アニメ劇場とも呼ばれる。

作数は解釈によって異なり、最広義には1969年の『ムーミン』を、日本アニメーションの公式では同社制作の1975年の『フランダースの犬』を第1作と数える。

概要[編集]

これまで約26作(数え方によって異なる)が製作・放送され、日本を代表するテレビアニメシリーズの一つとされている。中でも『アルプスの少女ハイジ』『フランダースの犬』『あらいぐまラスカル』の3作は、放送終了後もCMキャラクターとしての使用や公認のスピンオフ・パロディ作品が製作されるなど、シリーズの中でも圧倒的な知名度を誇っている。音楽面でも渡辺岳夫などの著名な作曲家が多数参加しており、主題歌群も家族向けのアニメソングコンサートなどでしばしば歌われている。

すべての作品はフジテレビ系列で毎週日曜日の夜19時30分より本放送されていたため、かつてはフジテレビを代表するアニメ番組と認識されていた時期もある。また、フジテレビ系列局のない県を中心に、他系列局やクロスネット局で時差ネットされていた県も多い。

どの作品以後を『世界名作劇場』シリーズに含めるのかは、諸説ある[1]

  • シリーズ定着後に原作を持たずに作られた『七つの海のティコ』を例外とし「原作が日本国外の文学作品」という基準で、1969年の『ムーミン』以後の作品を指す[注釈 1]
  • 厳密には例外もあるが「日常を舞台にした作品」という基準で、1974年の『アルプスの少女ハイジ』以後の作品を指す。
  • 「日本アニメーションの制作」という基準で、1975年の『フランダースの犬』以後の作品を指す。

『世界名作劇場』という名前がついたのは1979年放送の『赤毛のアン』からであり、それまでは『カルピスこども劇場』や『カルピスファミリー劇場』という名前がついていた。『赤毛のアン』以降は提供がカルピスの一社だけで無くなったためシリーズ名を何度か変更している。その後ハウス食品工業(現・ハウス食品グループ本社)が単独スポンサーとなって「ハウス食品世界名作劇場」と称した時期もあった。後にBSフジで新作を放送される際、冒頭にも「ハウス食品世界名作劇場」と冠された映像が付いている。なお本項では、日アニが公式にシリーズの総称としており一般的にも認知されている『世界名作劇場』を項目名とした。

オリジナル作品である『七つの海のティコ』を除けば、本放送時に原作者が既に故人であることが多く、放送期間中に原作者が存命だった作品では『南の虹のルーシー』、『アルプス物語 わたしのアンネット』、『大草原の小さな天使 ブッシュベイビー』、『こんにちは アン 〜Before Green Gables』の4作のみである。

作風[編集]

基本的には世界中で古くから親しまれてきた小説・童話などを選び、ファミリー向けアニメとするための脚色を加えてアニメ化している。主な視聴者である子供たちからの共感が得やすいという理由から、原則として主人公が子供の原作が選ばれている。主人公の年齢が原作から改変されることもある。少女が主人公の作品が多いのも特徴で、原作と異って少女が主人公になるように改変されたり、原作に登場しない少女が主人公になっていたりするケースもある。題名には主人公の名前が使われることが多く、原題+主人公の名前という題名も多い。

ほとんどの作品で、小動物が主人公のペット・マスコットキャラクターとして登場している。このことに関してはマーチャンダイジングの項を参照のこと。

初期[編集]

放送時期の初期である1970年代から人気番組で、日曜日宵の幼い子供のいる家庭の定番番組だった。

1997年3月に『家なき子レミ』の放送終了をもって『フランダースの犬』から続いた世界名作劇場の地上波シリーズは全23作、22年3か月の歴史に幕を閉じた。

2007年から2009年までの復活作[編集]

BSフジでの放送[編集]

2002年、日アニは『少女コゼット(邦題)』の制作を発表した[注釈 2]。この報道後、世界名作劇場として10年ぶりの新作となる第24作『レ・ミゼラブル 少女コゼット[注釈 3]、第25作『ポルフィの長い旅』、第26作『こんにちは アン 〜Before Green Gables』の計3作が、2007年から2009年までにBSフジで放送された。

地上波での放送[編集]

地上波では現時点で『こんにちは アン』のみ、各地方局でも放送開始された(詳しくは同アニメの放送局を参照)。新作が『家なき子レミ』以来、約12年ぶりに地上波での放送となった。

時代設定[編集]

作品の時代設定としては、19世紀から現代まで幅広く、特に19世紀後半が比較的多い。

1819年の件から始まる『レ・ミゼラブル 少女コゼット』が最も古く、19世紀前半を舞台とした作品では他に『トム・ソーヤーの冒険』、『南の虹のルーシー』がある。

19世紀後半を舞台とするのは、『フランダースの犬』、『ペリーヌ物語』、『家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ』、『小公女セーラ』、『愛の若草物語』など。

20世紀前半は『あらいぐまラスカル』、『私のあしながおじさん』、『愛少女ポリアンナ物語』、『牧場の少女カトリ』など。

第二次世界大戦以降を舞台とする作品は『ポルフィの長い旅』、『大草原の小さな天使 ブッシュベイビー』、『七つの海のティコ』の3作品のみである。

1810年から1860年[編集]

1860年から1890年[編集]

1890年から1910年 [編集]

1910年から1945年[編集]

1945年から現代[編集]

再放送[編集]

初期から中断前まで[編集]

まずは本放送を行うフジテレビとその系列局が始めた。名作劇場の人気が全盛だった時期には、系列局において初期 - 中期の作品の再放送が一社提供で行われた例も多い。

本放送中断時期以後[編集]

約10年間新作が作られなくなった時期からフジテレビ以外の民放系列局・NHKBS2ほか様々なメディアで再放送されるようになった。

  • 放送を最も多く実施しているのはNHK BSプレミアムでアナログ放送の BS2の実質的な後継でアナログ本放送開始より放送されBS名作アニメ劇場、「衛星アニメ劇場」の看板作品となっていた時期もある。
  • CS放送局のファミリー劇場キッズステーションフジテレビTWOで頻繁に放送され、「GLC24時間英会話チャンネル」では英語吹き替え版が放送されている。
  • 地上波局では独立局テレ玉とちぎテレビチバテレビtvkTOKYO MXにおいて頻繁に放送されている。その他の局ではテレビ北海道おはようまんが枠)とサガテレビで頻繁に放送されている。
  • 日アニ作品(『フランダースの犬』から『家なき子レミ』)が地上波などで放送の時は、OP・EDにクレジットされる「制作 フジテレビ 日本アニメーション」の部分が、フジテレビ系列以外の局での放送時を中心に「制作 日本アニメーション」に差し替えられることが多い。その差し替え方は、『フランダースの犬』から『七つの海のティコ』までは、画像はそのままにCG加工で差し替える方式だが、『ロミオの青い空』から『家なき子レミ』までは、提供用の描き下ろし映像の部分に制作名のテロップを合成する方式だった。なお、移行期にあたる『ティコ』は2種類有るが、前者の物に統一している。
    • 差し替え済のデジタル素材が用意される以前は、フィルムネットによる再放送実施局側で、音声のみそのまま流したうえで制作クレジットのみブルーバックや静止画フリップなどの映像で日本アニメーション単独名義に差し替えた例もある[注釈 4]
  • タイトル冒頭の『世界名作劇場』等の部分にスポンサー名が作画に含まれている一社提供時代の作品は[注釈 5] 再放送や本放送でも番組販売扱いで提供なしあるいはスポンサーが異なった他系列局[注釈 6][注釈 7] では冒頭をカットして番組タイトルから放送する例が大半だが音楽をそのまま流し映像のみ差し替えた例も若干ある[注釈 8]。また、『若草物語 ナンとジョー先生』の様に冒頭のスポンサー名部分から主題歌のイントロが始まっていたために再放送用素材では再加工を要した例もある。

DVDビデオソフト[編集]

本シリーズの初DVDビデオ化作品は松竹映画版の「THE DOG OF FLANDERS(劇場版 フランダースの犬)」であり、1998年に東芝デジタルフロンティアコンテンツ事業部から発売、2007年以降バンダイビジュアルが再発売している。

テレビアニメの『フランダースの犬』から『家なき子レミ』については全作品全話をバンダイビジュアルが順送りでセルDVD(DVDビデオ)化し、1999年から2002年11月にかけてほぼ毎月のペースで発売された(各巻4-6話収録で3980円)。2001年頃発売タイトルからレーベルがBANDAIからEMOTIONへ変更された。2009年4月に初期作品を1890円の廉価版として再発売したり、一部作品で描き下ろしジャケットイラストによる廉価版DVD-BOXを新たに発売している。

『少女コゼット』以降の再開後3作品は、初回放送月から約6-8ヶ月遅れで同じくEMOTIONからリリースされたが、『こんにちは アン』のみ当初から1890円の価格で発売された。

インターネット配信[編集]

日本アニメーション関係会社のJanime.comの配給により、2004年からインターネットテレビGYAO!(旧:Yahoo!動画)で世界名作劇場全作品の全話が有料動画配信されている。その後、U-NEXTdアニメストアなど月額制の各動画見放題サービスでも全26作品が公開された。また、一部サービスでは『山ねずみロッキーチャック』、『アルプスの少女ハイジ』などカルピスまんが劇場の作品も配信されている。2021年8月をもって『南の虹のルーシー』、『わたしのアンネット』、『牧場の少女カトリ』、『トラップ一家物語』、『ブッシュベイビー』、『名犬ラッシー』、『少女コゼット』、『ポルフィの長い旅』、『こんにちはアン』の9作品は各月額制サービスでの配信を終了し、2023年8月現在は上記9作品を除く17作品が配信されている。このため、現在上記9作品を見るにはDVDの購入またはオンラインレンタルが必要である。

YouTubeでは、公式チャンネル「日本アニメーションチャンネル」上で、各有料動画サービスの宣伝も兼ねて2009年12月より『こんにちはアン』を除く各作品の第1話が公開された。(上記9作品の有料サイトでの配信終了に伴い2023年12月現在は残る17作品のみ公開)。また、周年記念やミュージカル上映などに伴い期間限定で全話無料公開されることがある。このほか、2020年8月に開設され株式会社アナライズログが運営しているチャンネル「アニメログ」において、『赤毛のアン』、『小公女セーラ』、『愛の若草物語』、『名犬ラッシー』、『こんにちはアン』(第38話のみ公開)を除く21作品が全話無料公開された。それぞれ半年から2年程度の期間限定での配信となっており、2023年12月までに世界名作劇場の全ての作品の公開を終了した。

完結版[編集]

1975年から1997年までの地上波シリーズ

BSフジ開局記念の一環で2000年12月から2001年8月にかけ、23作品について45分の前後編2部構成の総集編とした「世界名作劇場 完結版」が、番組としてBSフジと日本アニメーションの制作により放送された。新たに収録したナレーション解説が追加されており、冒頭部の概要説明は藤田淑子、本編中は登場キャラクターを演じた声優もしくはその母をたずねて三千里での高乃麗など声質に近い声優が担当している。

本放送の後、順次バンダイビジュアルから描き下ろしのカラーイラストをジャケットに使用し「ばっちしV」としてVHSやDVDソフト化されている他、CS放送局のキッズステーション(番組名は改題)、アニマックスカートゥーン ネットワーク(ポップコーンスペシャル内)でも再放送された。2006年末には『レ・ミゼラブル 少女コゼット』放送決定記念企画として、BIGLOBEで23作品が期間限定で動画配信された。

また、完全版の構成を基に、2001年から2003年にかけて23作品がぎょうせいの「絵本アニメ 世界名作劇場」というアニメ絵本で出版されており、DVDのジャケットイラストを表紙として使用している。

2007年から2009年までのBSフジによる、BSデジタル放送でのテレビシリーズ

2011年にOVAとして先の23作と同じスタイルで日本アニメーション単独で制作され、同年7月22日に単巻のDVDソフトと、先の23作を合わせた「―完結編」DVD-BOXがバンダイビジュアルから発売されている。

テレビ放送については「ポルフィ」の完結版を除く2作品が、それぞれ2011年8月にCS放送局のアニマックスでテレビ初放送され、後に2013年ではカートゥーン ネットワークでも何度か再放送された(放送月については、各作品を参照)。

マーチャンダイジング[編集]

作品中には動物が登場することが多く、原作に存在しなくてもアニメオリジナルで登場させることも多い。これはぬいぐるみなどの商品化が目的の一つである。嚆矢は『母をたずねて三千里』のアメデオである。日本アニメーション松土隆二は「うちもやっぱりマーチャン必要で、制作費の補填をしたい」と述べている[3]

松土によると『トム・ソーヤの冒険』ではミシシッピ川にいるワニを出そうとしたが没になったそうである。『私のあしながおじさん』と『トラップ一家物語』では会社から小動物を出すよう指示を受けたが、既に会社を辞めるつもりだった松土は拒否したそうである[3]

番組と連動して指定の電話番号に電話をかけると自動音声が流れ作品のキャラクターたちが織り成すテレビ未放送のチェインエピソードを聞くことができた。

輸出[編集]

世界名作劇場が始まった頃は虫プロの倒産、東映動画の累積赤字などアニメ業界の景気が悪かった。このため各社は制作費回収のため、作品を海外に輸出することを前提として制作していた。

名作劇場も同様に海外市場を睨んで制作され[3]、一度も日本国外への輸出がされていない『名犬ラッシー』を除き、韓国台湾中国フィリピンなどの東南アジアヨーロッパ諸国・中東など世界各地で放送された。特にフィリピンとイタリアではほぼ全作品が放送されており、韓国では『家なき子レミ』『ポルフィの長い旅』を除く全作品が放送されている。また、台湾香港では『レ・ミゼラブル 少女コゼット』まで放送(ただし、台湾では『大草原の小さな天使 ブッシュベイビー』を除く)、ドイツについても『小公子セディ』を除いて『ロミオの青い空』まで放送されている。

一方、アメリカ合衆国では『トム・ソーヤーの冒険』『ふしぎな島のフローネ』と『若草物語』の数話分しか紹介されておらず、イギリスでは『ピーターパンの冒険』しか放送されていない。

『ペリーヌ物語』はフランスの建物、街並み他の風景が明らかに現実とかけ離れていたため、フランスでは放送されなかった。また、『フランダースの犬』は舞台であるベルギーでは放送されなかった。

ゲーム作品[編集]

1995年に「世界名作劇場」のタイトルでキッズコンピュータ・ピコ絵本ソフトがセガ・エンタープライゼス(現・セガトイズ)より発売。4作品を題材としており、1ページ目は『母をたずねて三千里』、2ページ目は『トム・ソーヤーの冒険』、3ページ目は『フランダースの犬』、4ページ目は『七つの海のティコ』、5ページ目は名作劇場を自分で作っていくという内容である。いずれも劇中にはそれぞれの主題歌がインストゥルメンタルで流れている。

パチンコ化[編集]

2008年、銀座からパチンコ「CRフランダースの犬と世界名作劇場」が発売された。表題にもある「フランダースの犬」の他、「母をたずねて三千里」・「ふしぎな島のフローネ」が演出のベースとなっている。

ただし、子供向けの作品である本作群が、ギャンブルのイメージが強いパチンコとしてデビューしたことや、ネロが天に召されると大当たりという演出に対し、かなりの批判も見られた。

レストラン[編集]

2016年11月には、日アニ本社(多摩市)近くのアリオ橋本に『世界名作劇場 Fan Fun Kitchen』がオープンした。赤毛のアン、母を訪ねて三千里、フランダースの犬、あらいぐまラスカルのキャラクターをあしらったスイーツや軽食を提供。2019年1月20日をもって閉店[4]

コミカライズ[編集]

2017年12月18日よりNHN comico運営のコミック・ラノベアプリであるcomico・comico PLUSにて世界名作劇場学院のタイトルでコミカライズが配信開始[5]、2018年7月2日に最終回の24話が配信された。作者は早乙女智美/sunbird。

シリーズ一覧[編集]

作数 タイトル 放送期間 話数 舞台 原作 脚注
カルピス
まんが劇場
どろろと百鬼丸(13話までは「どろろ」) 1969年4月6日 - 9月28日 全26話 日本 手塚治虫 [注釈 9]
ムーミン 1969年10月5日 - 1970年12月27日 全65話 フィンランド トーベ・ヤンソン [注釈 10]
アンデルセン物語 1971年1月3日 - 12月26日 全52話 なし ハンス・クリスチャン・アンデルセン
ムーミン(新) 1972年1月9日 - 12月31日 全52話 フィンランド トーベ・ヤンソン
山ねずみロッキーチャック 1973年1月7日 - 12月30日 全52話 アメリカ ソーントン・バージェス英語版 [注釈 11]
アルプスの少女ハイジ 1974年1月6日 - 12月29日 全52話 スイス
ドイツ
ヨハンナ・シュピリ
第1作 フランダースの犬 1975年1月5日 - 12月28日 全52話 ベルギー ウィーダ [注釈 12]
カルピス
こども劇場
第2作 母をたずねて三千里 1976年1月4日 - 12月26日 全52話 イタリア
アルゼンチン
エドモンド・デ・アミーチス
第3作 あらいぐまラスカル 1977年1月2日 - 12月25日 全52話 アメリカ スターリング・ノース [注釈 13]
カルピス
ファミリー劇場
第4作 ペリーヌ物語 1978年1月1日 - 12月31日 全53話 ボスニア
クロアチア
イタリア
スイス
フランス
エクトール・アンリ・マロ
世界名作劇場 第5作 赤毛のアン 1979年1月7日 - 12月30日 全50話 カナダ L・M・モンゴメリ [注釈 14]
第6作 トム・ソーヤーの冒険 1980年1月6日 - 12月28日 全49話 アメリカ マーク・トウェイン [注釈 15]
第7作 家族ロビンソン漂流記
ふしぎな島のフローネ
1981年1月4日 - 12月27日 全50話 スイス
無人島[注釈 16]
オーストラリア
ヨハン・ダビット・ウィース
第8作 南の虹のルーシー 1982年1月10日 - 12月26日 全50話 オーストラリア フィリス・ピディングトン
第9作 アルプス物語
わたしのアンネット
1983年1月9日 - 12月25日 全48話 スイス パトリシア・メアリー・セントジョン
第10作 牧場の少女カトリ 1984年1月8日 - 12月23日 全49話 フィンランド アウニ・ヌオリワーラ フィンランド語版
ハウス食品
世界名作劇場
第11作 小公女セーラ 1985年1月6日 - 12月29日 全46話 イギリス フランシス・ホジソン・バーネット [注釈 17]
第12作 愛少女ポリアンナ物語 1986年1月5日 - 12月28日 全51話 アメリカ エレナ・ホグマン・ポーター
第13作 愛の若草物語 1987年1月11日 - 12月27日 全48話 ルイーザ・メイ・オルコット
第14作 小公子セディ 1988年1月10日 - 12月25日 全43話 アメリカ
イギリス
フランシス・ホジソン・バーネット
第15作 ピーターパンの冒険 1989年1月15日 - 12月24日 全41話 イギリス ジェームス・マシュー・バリー
第16作 私のあしながおじさん 1990年1月14日 - 12月23日 全40話 アメリカ ジーン・ウェブスター
第17作 トラップ一家物語 1991年1月13日 - 12月22日 全40話 オーストリア マリア・フォン・トラップ
第18作 大草原の小さな天使
ブッシュベイビー
1992年1月12日 - 12月20日 全40話 ケニア ウィリアム・H・スティーブンソン
第19作 若草物語
ナンとジョー先生
1993年1月17日 - 12月19日 全40話 アメリカ ルイーザ・メイ・オルコット [注釈 18]
第20作 七つの海のティコ 1994年1月16日 - 12月18日 全39話 七つの海 なし [注釈 19]
世界名作劇場 [注釈 20]
第21作 ロミオの青い空 1995年1月15日 - 12月17日 全33話 スイス
イタリア
リザ・テツナー
第22作 名犬ラッシー 1996年1月14日 - 8月18日 全26話 イギリス エリック・ナイト [注釈 21]
第23作 家なき子レミ 1996年9月1日 - 1997年3月23日 全26話 フランス エクトール・アンリ・マロ [注釈 22]
1997年4月 - 2006年12月の間シリーズ中断。
ハウス食品
世界名作劇場
(BSフジ)
第24作 レ・ミゼラブル
少女コゼット
2007年1月7日 - 12月30日 全52話 フランス ヴィクトル・ユゴー [注釈 23]
[注釈 24]
第25作 ポルフィの長い旅 2008年1月6日 - 12月28日 全52話 ギリシャ
イタリア
フランス
ポール・ジャック・ボンゾン [注釈 25]
2009年1月 - 同年3月の間シリーズ中断。
世界名作劇場
(BSフジ)
第26作 こんにちは アン
〜Before Green Gables
2009年4月5日 - 12月27日 全39話 カナダ バッジ・ウィルソン

視聴率[編集]

以下は地上波フジテレビで、1975年1月から1997年3月まで放送された23作品を記述する。裏番組クイズ面白ゼミナールNHK)や、象印クイズ ヒントでピントテレビ朝日)などがあったものの、視聴率は健闘していた。

# 作品名 平均視聴率
1 フランダースの犬 22.5%
2 あらいぐまラスカル 21.6%
3 母をたずねて三千里 21.3%
4 家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ 18.8%
5 愛少女ポリアンナ物語 17.5%
6 ペリーヌ物語 16.9%
7 小公女セーラ 16.3%
8 赤毛のアン 16.2%
9 私のあしながおじさん 16.2%
10 トム・ソーヤの冒険 15.5%
11 若草物語 ナンとジョー先生 15.0%
12 愛の若草物語 14.9%
13 トラップ一家物語 14.8%
14 南の虹のルーシー 14.7%
15 ピーターパンの冒険 13.9%
16 大草原の小さな天使 ブッシュベイビー 13.5%
17 アルプス物語 わたしのアンネット 13.1%
18 七つの海のティコ 13.0%
19 小公子セディ 12.3%
20 牧場の少女カトリ 11.9%
21 ロミオの青い空 10.4%
22 名犬ラッシー 08.9%
23 家なき子レミ 08.5%

備考・補足[編集]

  • 原則として作品は1月に始まり同年12月に終わる。ただし、『名犬ラッシー』は1月から同年8月、『家なき子レミ』は9月から翌年3月、『こんにちはアン』は4月から同年12月という放送期間である。
  • 放送枠・放送局が異なる『愛の学校クオレ物語』と『ワンワン三銃士[注釈 26](以上毎日放送(MBS)製作・TBS系列にて放送[注釈 27])は名作劇場ではないが、カルピス劇場に分類されている[6][要出典]。当時TBS系列・フジテレビ系列のクロスネット局だった福島テレビでは両方とも放送されている。
  • 世界名作劇場シリーズの主人公の中でも、ファミリーネームが設定されていないのは、『ロミオの青い空』のロミオと『レ・ミゼラブル 少女コゼット』のコゼットのみである。
  • 2010年、食品メーカー・クラフトフーヅ粉チーズ商品「クラフト パルメザンチーズ」の宣伝用に、世界名作劇場シリーズとのコラボレーション企画『幸せパスタストーリー』を展開。オリジナルキャラクター・“ パルメザンチーズの妖精・パルメ ”が名作劇場の代表的な七作品(フランダースの犬・あらいぐまラスカル・母をたずねて三千里・赤毛のアン・トムソーヤーの冒険・小公女セーラ・七つの海のティコ)の世界を廻るという新作ミニアニメがGYAO!限定で配信。声優はパルメ、ナナミが日高里菜、トム・ソーヤが山田栄子に変更されている。
  • 主演の声優に新人を抜擢するケースもあり、『あらいぐまラスカル』では内海敏彦がスターリング役で、『赤毛のアン』では山田栄子がアン役でアニメ初出演となり、『ペリーヌ物語』では鶴ひろみがペリーヌ役で、『小公子セディ』では折笠愛がセディ役で、『若草物語 ナンとジョー先生』では松倉羽鶴がナン役で、主演での声優デビューを果たしている。
  • 12月に放送される回は次回予告がタイトルコールだけとなり、引き続いて次回作の予告の映像が流される形がとられている。この形は『七つの海のティコ』まで続いた。

放送局[編集]

『フランダースの犬』から『家なき子レミ』まで。系列は当シリーズ終了時(1997年3月)のもの。

対象対象地域 放送局 当時の系列 備考
関東広域圏 フジテレビ フジテレビ系列 制作局
北海道 北海道文化放送
青森県 青森放送 日本テレビ系列 『愛の若草物語』までは遅れネットで定期放送。ネット休止を挟んで、『私のあしながおじさん』は本放送終了後に放送[注釈 28]、以後ネット打ち切り。
青森テレビ TBS系列 『小公子セディ』のみ遅れネット
岩手県 岩手放送 現:IBC岩手放送。『ピーターパンの冒険』まで放送
岩手めんこいテレビ フジテレビ系列 1991年4月開局から放送
宮城県 仙台放送
秋田県 秋田テレビ 1987年3月までテレビ朝日系列とのクロスネット
山形県 山形テレビ テレビ朝日系列 1981年3月まで同時ネット。それ以降は時差ネット。『大草原の小さな天使 ブッシュベイビー』まで放送。1993年3月までフジテレビ系列
さくらんぼテレビ フジテレビ系列 『若草物語 ナンとジョー先生』以降を1997年4月開局後に放送
福島県 福島テレビ 1983年3月までTBS系列とのクロスネット。1983年10月から同時ネット
山梨県 山梨放送 日本テレビ系列
新潟県 新潟総合テレビ フジテレビ系列 現:NST新潟総合テレビ。1981年3月まで日本テレビ系列・テレビ朝日系列とのトリプルクロスネット。1983年9月までテレビ朝日系列とのクロスネット。1981年4月から同時ネット
長野県 長野放送
静岡県 テレビ静岡
富山県 富山テレビ
石川県 石川テレビ
福井県 福井テレビ
中京広域圏 東海テレビ
近畿広域圏 関西テレビ
島根県
鳥取県
山陰中央テレビ
岡山県
香川県
岡山放送 1979年3月までの放送免許は岡山県のみ。1979年3月までテレビ朝日系列とのクロスネット
広島県 広島テレビ 日本テレビ系列 テレビ新広島開局後も1975年10月4日まで放送。土曜18:00 - 18:30に遅れネット
テレビ新広島 フジテレビ系列 1975年10月5日から放送
山口県 山口放送 日本テレビ系列 『わたしのアンネット』まで放送
徳島県 四国放送 『小公子セディ』まで放送
香川県 西日本放送 1979年3月まで放送
愛媛県 テレビ愛媛 フジテレビ系列
高知県 高知放送 日本テレビ系列 『ロミオの青い空』まで放送[注釈 29]
福岡県 テレビ西日本 フジテレビ系列
佐賀県 サガテレビ
長崎県 長崎放送 TBS系列 『フランダースの犬』を1975年3月まで番販放送
テレビ長崎 フジテレビ系列 1990年9月まで日本テレビ系列とのクロスネット。1990年10月から同時ネット
熊本県 テレビ熊本 1982年3月まで日本テレビ系列・テレビ朝日系列とのトリプルネット。1989年9月までテレビ朝日系列とのクロスネット
大分県 大分放送 TBS系列 『フランダースの犬』を1975年3月まで番販放送
テレビ大分 日本テレビ系列
フジテレビ系列
1993年9月までテレビ朝日系列とのクロスネット
宮崎県 テレビ宮崎 フジテレビ系列
日本テレビ系列
テレビ朝日系列
鹿児島県 鹿児島テレビ フジテレビ系列 1982年9月まで日本テレビ系列・テレビ朝日系列とのトリプルネット。1994年3月まで日本テレビ系列とのクロスネット。1994年4月から同時ネット
沖縄県 沖縄テレビ
  • 主に九州地区のフジテレビ系列局ではクロスネット等編成上の関係により、時差ネットしていた局もある。
  • 1987年9月までは一応のフジテレビ系列局だったテレビ山口は、TBS系列優先のクロスネット局であり、スポンサーセールスや放送枠等の都合からスポンサードネットの対象から外れ、番組購入も実施できず(JNN協定が遠因となりFNSを脱退・TBS系列への一本化を余儀なくされた)、一部作品が、競合局の山口放送日本テレビ系列局。一時期テレビ朝日系列とのクロスネット局だった時期あり)で番組販売扱いで放送されていた時期がある。
  • 山形県では当初、山形テレビが同時ネットで放送していた。しかし、1980年4月に山形放送が日本テレビ系とテレビ朝日系とのクロスネット局に変更され、翌1981年4月から当該枠はテレビ朝日系同時ネット枠に変更されたために、山形テレビが日本テレビ系の番組を同時ネットすることにより遅れネットとなった。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1988年12月10日付の読売新聞の記事では、『世界名作劇場』シリーズの開始を1969年の『ムーミン』としている[2]
  2. ^ 中国中国中央電視台とテレビ向け番組の共同制作として提携、日本経済新聞 2002年11月23日 「中国では2003年秋の放送は決定しており、日本でも主要なテレビ局に売り込む」と発表された。
  3. ^ 報道ではフジテレビと中国中央電視台の共同製作とされているが、日本での放送ではそのことについて特に言及されていない。当初予定されていた2003年の中国での放送は実現せず、2007年にようやく放送された作品では制作に中国中央電視台がクレジットされていなかった。
  4. ^ 1980年代から90年代中頃に広島ホームテレビ(テレビ朝日系列)が本シリーズ作品を含むテレビ東京系以外の系列外アニメ・ドラマを再放送した際にこうした措置が取られていた。
  5. ^ 『小公女セーラ』などハウス食品提供時代初期では、アバンタイトルのアニメ「世界名作劇場」の文字の上に「ハウス食品」のロゴをテロップで別乗せしていたため、番組販売時の流用ができた。
  6. ^ 一社提供スポンサーとローカルスポンサーの共同提供となった場合を含む。
  7. ^ この場合提供ベースがキャラクターによる提供読みの企業名入りアニメーションの場合はブルーバックによるローカルスポンサー名かスポットCMに差し替えていた。
  8. ^ 『アンデルセン物語』を日本テレビ関東ローカルで再放送した際には、冒頭の音楽(作曲:宇野誠一郎)をそのまま流し、映像のみ番組枠名『おーい!まんがだヨー』の手書きタイトルカードに差し替えた。
  9. ^ 『世界名作劇場』の該当作品ではないが、『カルピスまんが劇場』の冠が付いていた。また唯一漫画作品が原作で、モノクロで制作された作品でもある。
  10. ^ 左記の3作品は瑞鷹エンタープライズ及び虫プロダクション及び東京ムービーの作品である。
  11. ^ 左記の2作品はズイヨー映像時代の作品である。
  12. ^ これ以降の作品が、日本アニメーションの公式で『世界名作劇場』と呼ばれている。第1話から第26話までは「カルピスまんが劇場」として放送されていた。
  13. ^ 「フランダースの犬」以降で主人公の声を男性声優が演じた唯一の作品。
  14. ^ 以後、従来の一社提供から複数各社提供が中心となる(味の素花王)。
  15. ^ 作内の時間経過が3ヶ月近くと、シリーズ中では最短。
  16. ^ ニューギニア島ソロモン諸島の間にあり、どの国に属するかは不明。
  17. ^ ここからしばらくはハウス食品の一社提供。なお、この作品の放送期間中の1985年8月12日に発生した日本航空123便墜落事故で当時の同社の浦上郁夫社長が犠牲となったことで直後から一時期ノンスポンサー状態で社団法人公共広告機構(現・公益社団法人ACジャパン)のCMに差し替えられたことがあった。
  18. ^ 1987年に放送された、『愛の若草物語』の続編。
  19. ^ 第1話から第9話までは、「ハウス食品世界名作劇場」として放送されていた。
  20. ^ 第10話から冠が変わり、ハウス食品とNTTなどの複数社提供になる。第31話は初回放送では未放映。
  21. ^ 第26話は遅れ放送となったさくらんぼテレビを除き本放送時未放映。
  22. ^ 第16話、第19話、第20話は遅れ放送となったさくらんぼテレビを除き本放送時未放映。
  23. ^ 放送局はフジテレビ系列・BSデジタル放送局のBSフジに移った。チャンネルは異なるが、放送時間は過去のシリーズ同様日曜19時30分、放送期間も過去と同じ1月から12月までの放送スタイルである。ハイビジョン制作。
  24. ^ 作内の時間経過が15年近くと、シリーズ中では最長。
  25. ^ 1年1作品最後の作品。
  26. ^ 冠に『カルピス名作劇場』がついていた。
  27. ^ 既に腸捻転解消後の1981年から1982年にかけて放映。
  28. ^ 『ピーターパンの冒険』は他局も含めて県内未放送。
  29. ^ 高知県では高知さんさんテレビが試験放送期間中の1997年3月23日に『家なき子レミ』の最終話を同時ネットした。

出典[編集]

  1. ^ WEBアニメスタイル 特別企画 第1回「世界名作劇場って何本あるの?」WEBアニメスタイル、2005年11月14日。
  2. ^ 「アニメ『世界名作劇場』20年 年間通して一作品 じっくりペース守る」『読売新聞』1988年12月10日付夕刊、6頁。
  3. ^ a b c 世界名作劇場大全
  4. ^ 公式サイト ff-kitchen.jp お知らせ より)
  5. ^ ラスカルからコゼットまで、「世界名作劇場」のキャラが織りなす学園コメディ マイナビ
  6. ^ 平山亮三(編)「キャラクター情報◎"カルピス劇場"が4月より復活「クオレ・愛の学校」」『マーチャンダイジングライツレポート』1981年2月号、商品化権資料センター、1981年2月1日、3頁。 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

  • なつぞら - 2019年放送のNHK連続テレビ小説。劇中のアニメ『大草原の少女ソラ』の冠タイトルが「ミルコスまんが広場」であり、「カルピスまんが劇場」に対するオマージュである。
  • 愛の学校クオレ物語 - 日本アニメーション毎日放送(MBS)共同製作、TBS系列で放送されていたテレビアニメ。放送枠・放送局は異なるが、カルピスを枠名に冠していた頃の『世界名作劇場』と同様、日本アニメーション製作・カルピス一社提供で放送されていた。
  • ワンワン三銃士 - 『愛の学校クオレ物語』に引き続き、カルピス一社提供、日本アニメーション・毎日放送(MBS)共同製作、TBS系列で放送されていたテレビアニメ。『カルピス名作劇場』という冠がついている。
  • 一休さん - NETテレビ → テレビ朝日東映動画(現:東映アニメーション)制作、ANN系列で放送されたテレビアニメ。「ハウス食品世界名作劇場」と称された時期と同じく、ハウス食品一社提供で放送されていた。
  • The♥かぼちゃワイン - 一休さんと同じくテレビ朝日・東映動画(現:東映アニメーション)制作、ANN系列で放送されたテレビアニメ。こちらも「ハウス食品世界名作劇場」と称された時期と同じく、ハウス食品一社提供で放送されていた。

外部リンク[編集]

フジテレビ系列 日曜19時台後半枠
前番組 番組名 次番組
日曜映画劇場(第2期)
※19:30 - 20:56
カルピスまんが劇場 - 世界名作劇場
(どろろと百鬼丸 - 家なき子レミ)
【ここからアニメ枠】
BSフジ 日曜19時台後半枠
アニメ世界名作劇場完結版
※19:00 - 19:55
ハウス食品世界名作劇場
(レ・ミゼラブル 少女コゼット、ポルフィの長い旅)
BSフジ 日曜19時台後半枠
Be KIDS サンデー
世界名作劇場
(こんにちは アン 〜Before Green Gables)
チング 〜愛と友情の絆〜
【これより韓国ドラマ枠】
※19:00 - 19:55