インターネットテレビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

インターネットテレビ

  1. テレビ受像機インターネット接続機能が付加された物の通称。日本のインターネット#テレビを利用したインターネットの利用薄型テレビ#ネットワーク接続を参照。
  2. インターネットを通じて、主として映像で番組を配信する、インターネットのコンテンツの一形態。本項目ではこのうち、主にパソコンで受信するものについて詳述する(テレビ受像機で受信する形態についてはIP放送#IPテレビを参照)。

インターネットテレビは、インターネット接続を介して、インターネット上で提供されているサービスにより映像番組を視聴するもの。ネットテレビの表現もある。パソコンなどによる放送通信サービスの名称としての「WebTV」は1999年に米マイクロソフト社が[1]、「ウェブテレビ」(WEBTELEVI)は2002年岡山市の個人が[2]それぞれ商標登録している。

提供される映像番組には、既存のテレビ放送と同じ内容も、また独自の番組もある。番組の提供形態は、大別すると次のようになる。

  • リアルタイムでオンエアするもの。基本的には、放送時間にサービスに接続している必要がある。(ストリーミング
  • クリップで番組をいつでも視聴できるようにしたもの。(ビデオ・オン・デマンド

ADSLCATVFTTHなどブロードバンドの普及により実用化されている。

日本の実情[編集]

日本におけるインターネットテレビ(動画配信サービスライブストリーミング)は各種制作会社のほか、インターネットサービスプロバイダポータルサイトなど既存のテレビ局以外の企業に牽引されていると言える。ここで配信される番組は通常のテレビ放送ではあまり見られないような、特定視聴者層向けに作られた番組を中心に編成されていることが多い。またこれらのインターネット配信される番組は、コンテンツを有料にするのではなくGyaO!のように番組途中でテレビCMを放映(一部を除き現在は最初のみCMが流れる)、番組中でも画面外にバナー広告を掲載することで収益としていることが多い。

2000年代末以降は、既存のテレビ局も本格的にインターネットテレビに参入しだした。無料でクリップ・ニュースを配信したり、過去に既存のテレビ網で放送されたドラマなどの番組を有料ビデオ・オン・デマンドにより配信したりし始めた。ただし、局によって対応は様々で、第2日本テレビでは入会無料であるのに対し、他の局ではプロバイダの接続会員かコンテンツ会員になる必要があり、それぞれ入会金がかかる。その際の入会金はそれほど費用がかからないものもあれば、1000円単位まで費用にかかるものもあるなどまちまちである。また基本的にはテレビ網とのサイマル放送は行われていないが、地方テレビ局の広告収入が減収となる恐れがある、番組の視聴率低下につながる(視聴率の集計方法によるもの)ためとされている。

このように普及の兆しを見せているインターネットテレビだが、現状ではまだ多くのサービスで動画視聴に必要な環境に偏りがあり、推奨ブラウザにおける対応ウェブブラウザの拡大など、より多様な視聴環境に対するアクセシビリティ面での対応が必要である。またスマートフォンタブレット端末など新たに普及し始めたスマートデバイスへの対応も急務である。

標準化に向けた取り組み[編集]

日本国内におけるインターネットテレビ技術の標準化に向けた取り組みとしては、平成20年5月にNTTKDDIソフトバンクの通信3キャリアが中心となり、NHKや民法5局、ソニーパナソニックシャープ東芝日立製作所などが参加して、IPTV技術規格の標準化団体「中間社団法人 IPTVフォーラム」(後に中間法人法廃止に伴い一般社団法人化)が設立され、平成21年11月現在で社員会員54社、協賛会員20社が参加して、技術規格の標準化を推進している。理事長は慶應義塾大学教授の村井純

同団体の技術仕様体系としては、配信サービス仕様として「VOD仕様」・「ダウンロード仕様」・「IP放送仕様」、サービスアプローチ仕様として「放送連携サービスアプローチ仕様」・「インターネットスコープサービスアプローチ仕様」・「CDNサービスアプローチ仕様」、その他「地上デジタルテレビジョン放送IP再送信運用規定」・「BSデジタル放送IP再送信運用規定」の8つの技術規格に分類されている。

日本における今後[編集]

民放キー局においては上記にある知的財産に関する権利に縛られる他、地上波至上の思想や視聴率調査に関して極めて保守的であるため、ビジネス開始以前同様にインターネットに対する否定的かつ敵対的な考えが強く、ネガティブイメージとしてニュースなど採り上げるまたは検索サイトにおける結果を利用することで視聴率の増加を狙う動きが今後も継続される可能性がある。

逆に、家庭用VTRDVDレコーダーの予約録画によって視聴率の低下並びに広告収入の減少が起きる対策としてオンデマンドの推進ならびにレコーダーの販売中止を行うことも画策されている。

一方で、2008年7月にGyaOが登録会員数2000万人を超える[3]など、制作会社やプロバイダー、ポータルサイトによる配信がビジネスとして拡大しており、広告ビジネスが、コンテンツへのアクセスによって視聴数を特定可能なネット番組に主体が変わる可能性が出てきている。

それにより、テレビ局主体に比べてコンテンツの権利関係がスマートでオープンな番組コンテンツでも大幅なライセンス(著作権、肖像権)収入やギャランティーを期待出来るようになれば、番組コンテンツの主体がテレビ局から制作会社へとシフトし、放送並びに芸能界における権利関係に大幅な構造改革が起こりうる。

また吉本興業が手がけるcasTYのように、テレビ局に依存せずとも自前で映像ビジネスを完結させる芸能プロダクションが出てくる可能性もある。

ただ上2つのサイトは共に経営に行き詰まり、GyaOはYahoo!動画とサイト統合しGyaO!に変わり、casTYはひかり荘を終了させ、現在はYahoo!バラエティの中でよしもとオンラインを含む5番組を立ち上げシチサンLIVE以外生放送をしている。

主な放送局(サイト)[編集]

音声のみや既存のソフトを貼り付けただけのもの(YouTubeスティッカム等)のものを除く。

日本国政府・各省庁が運営[編集]

地方自治体が運営[編集]

  • 宮城県インターネット放送局(宮城県
  • 群馬県インターネット放送局(群馬県
  • 千葉県インターネット放送局(千葉県
  • かながわインターネット放送局(神奈川県
  • いしかわインターネット放送局(石川県
  • 福井県インターネット放送局(福井県
  • やまなしwebTV(山梨県
  • 三重県インターネット放送局(三重県
  • 京都府インターネット放送局(京都府

テレビ局・ラジオ局が運営[編集]

プロバイダー・ポータルサイト・通信会社が運営[編集]

番組制作会社、映像コンテンツ会社が運営[編集]

音声のみや既存のソフトを貼り付けただけのもの(YouTubeスティッカム等)のものを除く。

地域情報の配信を目的とする団体・企業が運営[編集]

音声のみや既存のソフトを貼り付けただけのもの(YouTubeスティッカム等)のものを除く。

韓国の実情[編集]

韓国では、KBSMBCSBSの主要放送局や一部ケーブルテレビの番組がストリーミング放送されており、地上波と同期されている為リアルタイムで見ることができる(ただし、スポーツ中継や映画、アニメ番組等は放映権の関係上、ネット放送されない)他、過去に放送された番組もクリップで見ることができる。これらのサービスはほとんどの場合無料で提供されており、会員加入の必要すらないケースもある。韓国のインターネットも参照のこと。

中国の実情[編集]

中国では広播電視電影総局の検閲をパスし、かつインターネット放送に問題がない番組などに限り、CCTV(中国中央テレビ)が総合放送、娯楽放送、スポーツ放送、英語放送などのチャンネルを無料でリアルタイム配信しており、他にGDTV(広東テレビ)の広東語放送などもある。番組のオンデマンド配信もある。

オーストラリアの実情[編集]

オーストラリアでは公共放送であるABC (豪州放送協会 Australian Broadcasting Corporation) がニュース番組だけでなく、ビジネス、スポーツ、料理、子供向けなど各種番組のオンデマンド無料配信を行っている。

フランスの実情[編集]

フランスの主要全国ネット放送局はインターネットで番組を提供していないが、地方放送局のボルドー・テレビは番組のオンデマンド配信やストリーミング放送を行っている。なお、ボルドー・テレビは全国ネットのリレー放送をしておらず、独自取材番組のみである。なお大手プロバイダ業者の一部は、ADSL回線を通じてMPEG4形式で多数のテレビ放送局(一部民放や有料放送局を除く)を配信するサービスも行っている。

脚注[編集]

  1. ^ 商願平9-118047、商標登録番号 第4319168号
  2. ^ 商願2000-6750、商標登録番号 第4614288号
  3. ^ japan.internet.com 2008年7月16日news http://japan.internet.com/wmnews/20080716/5.html

関連項目[編集]

外部リンク[編集]