サウンド・オブ・ミュージック

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サウンド・オブ・ミュージック
作曲 リチャード・ロジャース
作詞 オスカー・ハマースタイン2世
脚本 ハワード・リンゼイ
ラッセル・クラウス
原作 1956年のドイツ映画『菩提樹』ならびにマリア・フォン・トラップの自伝『トラップ・ファミリー合唱団物語
上演 1959 ブロードウェイ
1961 ウエスト・エンド
1961 メルボルン
1965 映画
1981 ウエスト・エンド リバイバル
1998 ブロードウェイ リバイバル
2006 ウエスト・エンド リバイバル
2009–11 イギリスツアー
2009 パリ
2013 米国テレビスペシャル
受賞 トニー賞 ミュージカル作品賞

サウンド・オブ・ミュージック』(英語The Sound of Music )は、リチャード・ロジャース作曲、オスカー・ハマースタイン2世作詞、ハワード・リンゼイラッセル・クラウス脚本による1959年のミュージカル作品である。

オーストリア出身のマリア・フォン・トラップによる自叙伝『トラップ・ファミリー合唱団物語』(The Story of the Trapp Family Singers)を基にしている。「エーデルワイス」や「私のお気に入り」、「すべての山に登れ」、「ドレミの歌」、表題曲「サウンド・オブ・ミュージック」といったミュージカルの多くの曲がスタンダードとなっている。

メアリー・マーティンセオドア・ビケル主演のオリジナルブロードウェイ公演[1]は1959年11月16日に開幕した。以後、数多くの上演やリバイバル公演が行われている。1965年にジュリー・アンドリュースクリストファー・プラマーでミュージカル映画化され、アカデミー賞5部門を受賞した。『サウンド・オブ・ミュージック』はロジャース&ハマースタインによって書かれた最後のミュージカルであった。ハマースタインはブロードウェイプレミアの9カ月後にがんのため死去した。

ミュージカル[編集]

ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』は、『トラップ・ファミリー合唱団物語』の前編に基づく。1959年11月16日ブロードウェイで初演、日本でも何度か上演されている。トラップ男爵の人物像など基本的なストーリー以外の部分が大きく変更され、実在のトラップ一家は大きなショックを受けていたという。

初演当時は「古臭いオペレッタ」などと酷評する批評家も多かったが、観客には歓迎されてヒット作となり、さらには後に制作された映画の世界的なヒットで評価は決定的なものとなった。

実話ではあるものの、「ドイツによるオーストリア併合(アンシュルス)に抵抗するオーストリア人」という主題は、ヒトラー自身がオーストリア人であることをはじめ、当時大部分のオーストリア人がアンシュルスに積極的に加担していた史実に対する国民感情を逆撫ですることもあり、ドイツとオーストリアでの人気が高い上演『マイ・フェア・レディ』とは違って、ザルツブルグの観光客向け劇場以外では同地での上演は稀であったが、2005年ウィーン・フォルクスオーパーでドイツ語版が初めて上演され、その後も何度か再演されている。

公演中の1960年、作詞家のオスカー・ハマースタイン2世が病で逝去し、ブロードウェイに一時代を築いた作詞・作曲家コンビ、ロジャース&ハマースタインの最後の作品となった。

ミュージカルナンバー[編集]

第1幕
  • 前奏曲 "Preludium" – Nuns
  • サウンド・オブ・ミュージック "The Sound of Music" – Maria
  • マリア "Maria" – Sister Berthe, Sister Sophia, Sister Margaretta, and the Mother Abbess
  • 私のお気に入り "My Favorite Things" – Maria and the Mother Abbess
  • 私のお気に入り(リプリーズ1) – Maria
  • ドレミの歌 "Do-Re-Mi" – Maria and the children
  • もうすぐ17才 "Sixteen Going on Seventeen" – Rolf and Liesl
  • ひとりぼっちの羊飼い "The Lonely Goatherd" – Maria and the children
  • ひとりぼっちの羊飼い(リプリーズ) – Gretl
  • 恋の行方は "How Can Love Survive" – Max and Elsa
  • サウンド・オブ・ミュージック(リプリーズ) – Maria, the Captain and the children
  • レントラー "Ländler" (instrumental)
  • さようなら、ごきげんよう "So Long, Farewell" – The children
  • 朝の賛美歌 "Morning Hymn" – Nuns
  • すべての山に登れ "Climb Ev'ry Mountain" – Mother Abbess
第2幕
  • 私のお気に入り(リプリーズ2) – Maria and the children
  • 誰も止められない "No Way to Stop It" – Elsa, Max and the Captain.
  • 普通の夫婦 "An Ordinary Couple" – Maria and the Captain †
  • 主に向かいて喜ばん "Gaudeamus Domino" – Nuns
  • マリア(リプリーズ) – Nuns
  • 恵み深き主に感謝せよ "Confitemini Domino" – Nuns
  • もうすぐ17才(リプリーズ) – Maria and Liesl
  • ドレミの歌(リプリーズ) – Maria, the Captain, and the children ‡
  • エーデルワイス "Edelweiss" – The Captain
  • さようなら、ごきげんよう(リプリーズ) – Maria, the Captain, and the children
  • フィナーレ "Finale Ultimo" – Nuns
  • 特に断りのない限り記載されたミュージカルナンバーはオリジナル公演で使われた。
  • † 映画版のために書かれた「何かいいこと」"Something Good" に置き換えられることがある。
  • ‡ 1998年リバイバルでは「ひとりぼっちの羊飼い」に置き換えられた。
  • 一部の公演では、激しい雷雨の場面において「もうすぐ17才」に続いて「私のお気に入り」が歌われ、「ひとりぼっちの羊飼い」はコンサートの場面に移されている。
  • 多くの劇場リバイバル作品では、映画版のために書かれたソール・チャップリン作曲の「自信を持って」"I have confidence" とリチャード・ロジャース作曲の「何かいいこと」が使用されている。
  • 多くの人が「エーデルワイス」を伝統的なオーストリアの歌であると信じているが、実際はミュージカルのために書かれた曲であり、オーストリアで知られるようになったのは映画の成功後のことであった[2]
  • パーティーの際にマリアと大佐によって披露されるレントラー舞踊は同名のオーストリアの伝統舞踊に大まかに基づいているのみである[3]

主要登場人物[4][5][編集]

  • マリア・ライナー - ノンベルク修道院の聖職志願者
  • ゲオルク・フォン・トラップ大佐
  • マックス・デトワイラー - フォン・トラップ大佐の友人で音楽エージェント・プロデューサー
  • 修道院長 - ノンベルク修道院の長
  • エルザ・シュレーダー[6] - フォン・トラップ大佐の自称婚約者
  • ロルフ・グルーバー - リーズルと恋仲の17歳のナチスの電報配達員
  • シスター・ベルタ - 修練者の指導係
  • シスター・マルガレータ - 聖職志願者の指導係
  • シスター・ソフィア - 修道院のシスター
  • フランツ - フォン・トラップ大佐の執事
  • フラウ・シュミット - フォン・トラップ大佐の家政婦
  • 子供達:
    • リーズル・フォン・トラップ、16歳
    • フリードリッヒフォン・トラップ、15歳
    • ルイーザフォン・トラップ、13歳
    • クルトフォン・トラップ、10/11歳
    • ブリギッタフォン・トラップ、9歳
    • マルタフォン・トラップ、6/7歳
    • グレーテルフォン・トラップ、5歳、最年少

主要曲[編集]

ザ・サウンド・オブ・ミュージック (The Sound of Music)
マリアが自然のすばらしさを歌に託して歌う。
マリア (Maria)
マリアの性格を修道女達がからかう。結婚式の場面でも歌われる。
もうすぐ17歳 (Sixteen Going on Seventeen)[7]
恋を語る二重唱。はじめはリーズルとロルフ、2回目はリーズルとマリア。どちらも歌詞が少々違う。
私のお気に入り (My Favorite Things)[8]
映画では雷を怖がる子供たちを「楽しいことを考えて」とマリアが励ます場面で使われる。ミュージカルでは修道院長とマリアが歌っている。サックス奏者ジョン・コルトレーンジャズ風のアレンジを施して演奏したことで、ジャズのスタンダード・ナンバーとしても知られるようになった。
ドレミのうた (Do-Re-Mi)
映画ではマリアが子供たちに歌を教えるときの歌。ミュージカルではマリアが子供達に紹介されたときに歌われる。日本ではペギー葉山による日本語詞が有名であり、劇団スイセイ・ミュージカルの公演と劇団四季公演ではペギーの詩が使用されている。
ひとりぼっちの山羊飼い (Lonely Goatherd)[9]
映画では子供たちが人形劇をするときの歌。ミュージカルでは雷を怖がる子供達を励ます場面で歌われる。
さようなら、ごきげんよう (So Long, Farewell)
パーティーで子供たちが大人に就寝の挨拶をする。コンクールの場面でも歌われる。
すべての山に登れ (Climb Ev'ry Mountain)[10]
マリアを修道院長が励ます。
エーデルワイス (Edelweiss)
劇中ではオーストリアの愛国歌または国民歌のように扱われているが、ロジャースとハマースタイン2世の創作曲であり、病床のハマースタイン2世が最後に書き加えた遺作であるとも言われる。エーデルワイスの小さな白い花が持つ永遠の命を讃え、祖国を見守るようにと願う歌。コンクールで歌われる。

ミュージカル 日本版[編集]

劇団四季公演[編集]

2010年キャスト[編集]

2011年キャスト[編集]

2012年キャスト[編集]

2013年キャスト[編集]

マリア・フォン・トラップの自叙伝(日本語訳)[編集]

1954年に出た小田部胤明訳は原題"The Story of the Trapp Family Singers"の訳に近い『国超えて歌う一家―トラップ家族合唱団の物語』であったが、ドイツ映画『菩提樹』が上映されると中込純次訳が『菩提樹』の題で出版され、アメリカ映画『サウンド・オブ・ミュージック』がヒットすると1967年に中込訳も『サウンド・オブ・ミュージック』と改題された。谷口由美子訳でも『サウンド・オブ・ミュージック』の題名が用いられており、前編を「オーストリア編」、後編を「アメリカ編」として1997年と1998年に刊行されている。

映像化[編集]

  • サウンド・オブ・ミュージック (映画) - アカデミー賞を受賞した1965年の映画
  • 菩提樹 - 『トラップ・ファミリー合唱団物語』の前編に基づく1956年の映画
  • 続・菩提樹 - 『トラップ・ファミリー合唱団物語』の後編に基づく1958年の映画
  • トラップ一家物語 - 『トラップ・ファミリー合唱団物語』の前編とハンス・ウィルヘルムの『トラップ一家物語』に基づき、1991年にフジテレビのアニメ番組『世界名作劇場』でアニメ化された。

脚注[編集]

  1. ^ Sound of Music: The Forgotten Maria”. LIFE.com. ...
  2. ^ Information from the BBC website”. Bbc.co.uk (1959年11月16日). 2012年8月29日閲覧。
  3. ^ Information from Earthlydelights.com[リンク切れ]
  4. ^ The Sound of Music Cast Requirements”. Rodgers & Hammerstein. 2012年7月27日閲覧。
  5. ^ The Sound of Music”. Guidetomusicaltheatre.com. 2012年7月27日閲覧。
  6. ^ Rodgers, Richard; Hammerstein, Oscar (1960). The Sound of Music. Hal Leonard Corporation. p. 2. ISBN 978-0-88188-050-2. http://books.google.com/books?id=4CgMcRb8fJ0C&pg=PA2 2012年7月9日閲覧。. 
  7. ^ サントリーのコーヒー飲料「ラテラテ」のコマーシャルで使用。
  8. ^ また、JR東海そうだ 京都、行こう。」のコマーシャルに使われた。
  9. ^ この作品の大ファンであるグウェン・ステファニーが自身の楽曲でマッシュアップで使用した。
  10. ^ マイケル・ジャクソンが幼稚園時代にこの歌を披露したという。