ドラえもん のび太の大魔境

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ドラえもん のび太の大魔境』(ドラえもん のびたのだいまきょう)は藤子・F・不二雄によって執筆され、月刊コロコロコミック1981年9月号から1982年2月号に掲載された「大長編ドラえもんシリーズ」の作品。および、この作品を元に1982年3月13日に公開された映画作品。

監督は西牧秀夫配給収入12億1000万円、観客動員数250万人。

同時上映は『怪物くん デーモンの剣』『忍者ハットリくん・ニンニン忍法絵日記の巻』。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] 概要

  • 本作は他の大長編と比べると、特に前半にコメディー要素が多く見られる作品である。また、初めて舞台が現在の時代、かつ地球上の地上世界となっている。
  • 原作が連載されていた時期はアメリカ合衆国ソビエト連邦冷戦の最中であり、出木杉が「アメリカとソ連が人工衛星を打ち上げまくってる」と話をする描写がある。
  • 大長編および映画としては出木杉が初登場した作品となる。出木杉は冒険に参加することはないものの、本作の冒頭部分でヘビー・スモーカーズ・フォレストについてドラえもんとのび太に解説する。以降の登場作品でも、出木杉は冒頭部分でのび太達や読者・視聴者に知識を解説する役割を果たしている。
  • 本作ではペコたち犬の異人類が登場する。大長編ドラえもんの題材として、地球において人間のいる地上とは隔絶された地域で異進化を遂げた人類とその世界での冒険が何度か取り上げられるが、その観点では本作が最初となる。作中でも犬の進化について進化論を基にした科学的な説明がなされており、サイエンス・フィクションとしての性質も持っている。

[編集] あらすじ

胸躍るような大冒険を求め、のび太たちは野良犬のペコを引き連れ、謎の巨神像があるというアフリカの秘境へやって来た。

ひみつ道具があまり使えない中で数々の危機を潜り抜けた末に彼らが見たものは、人間に全く知られていない犬の国・バウワンコ王国。そしてペコはその国の王子だった。

しかし王国は悪大臣ダブランダーの手に落ち、外界への侵攻作戦が始まろうとしていた。王家に伝わる古い言い伝えでは、王国が危機に陥った時、10人の外国人が巨神像の力をもって国を救うという。

言い伝えにある「10人の外国人」のうち5人はのび太たちを指していると考えられるが、残りの5人の外国人とは何者か? そして巨神像の力とは?

[編集] 舞台

ヘビー・スモーカーズ・フォレスト
アフリカにあるザイールコンゴ盆地に存在する秘境。英語で「タバコ好きの森」を意味する名前の通り、上空が常に霧で覆われており、衛星写真でも全く撮影のできない現代の秘境である。ドラえもんのひみつ道具である小型人工衛星の透視機能によって、その内部に謎の巨神像が存在することが初めて確認された。
バウワンコ王国
ヘビー・スモーカーズ・フォレストの奥にある王国。周囲全体を深い谷に囲まれ、絶えず濃い霧に包まれている特殊な地形によって外界から隔離されており、その中では猿でなく犬が人間のように進化し、王国を築き上げた。その歴史は5千年にも及び、人間界の古代ローマに似た文化を持つ(ただし、使役用の家畜として馬ではなくツチブタが飼われているなど、若干の違いはある)。王国が成立した5千年前にはすでに「火を吐く車」「空飛ぶ船」(現在の戦車爆撃機に相当すると見られる兵器)といった強力な兵器が開発されていたらしいが、平和主義者であった初代国王バウワンコ1世の政策によって軍事研究が一切禁止され、その代わりに王国の守り神として巨神像が造られたという。それから5千年後の現在、悪大臣のダブランダーによるクーデターで軍事政権が誕生し、再軍備と外界(人間世界)の征服を目論んでいる。

[編集] ゲストキャラクター

ペコ(クンタック王子)(清水マリ
のび太がいつもの空き地で拾った野良犬。見た目は普通の白い小型犬だが、その正体はバウワンコ王国の王子で前国王バウワンコ108世の息子。文武に長け、優しさと勇敢さを兼ね備えていて責任感も強く、民衆からの人望も厚い。悪大臣ダブランダーのクーデターにより命を奪われそうになったところを運良く逃れ、人間界の船に乗って日本にたどり着いた。のび太のママが落とした大事なバッグを発見したことで、動物嫌いのママから唯一受け入れられた。人間界ではなるべく怪しまれないよう普通の犬として振る舞いながら、ドラえもんやのび太たちの助けを借りて帰国。正体を明かした後は、のび太やドラえもんだけでなくジャイアンとも厚い友情で結ばれ、彼らの助けを借りてダブランダーの野望を阻止するべく活動を始める。正体を明かしてからは基本的に真面目で凛々しい王子であり、剣の名手でもあるが、時折さりげなくお調子者や番号を聞かれて『5』と思わず答えてしまうなど天然ボケの側面も見せたりする。「ペコ」という名前は、事情を知らないのび太が「ずっとハラペコだったから」と付けたもの。事件解決後は、民衆からの歓迎と祝福の下、新国王「バウワンコ109世」として正式に即位した。
チッポ(声:杉山佳寿子
バウワンコ王国の幼い犬。両親をはじめ村人全員が兵器の製造に駆り出されたためひとりぼっちになり、空腹に耐え切れずダブランダーの部下である兵士の弁当を盗み食いし、追われているところをのび太たちに助けられた。その後はのび太たち一行を荷車の中に隠して彼らを巨神像へ案内するなど、兵士たちの目を盗んで手助けをした。
ブルスス(声:村瀬正彦
バウワンコ108世の親衛隊長だった戦士。王国一の怪力を誇ると言われ、バウワンコ108世とペコ(クンタック王子)に絶対の忠誠を誓っている信頼厚い重臣であった。そのためダブランダーから危険視され投獄されていたが、ドラえもん達の手によって救出される。巨神像へ向かうペコとドラえもん達をダブランダーの追っ手から逃がすため、身を挺して追っ手の兵士たちと戦った。事件解決後は、バウワンコ109世となったペコの親衛隊長として復帰した模様。
スピアナ姫(声:栗葉子
バウワンコ王国の王女で、ペコの婚約者。ダブランダーの手で王宮の奥に軟禁され、ダブランダーの妻になるよう執拗に迫られながらも、消息を絶ったペコ(クンタック王子)の生存を信じ、彼の帰還を待ち続けている。事件解決後は、バウワンコ109世となったペコの王妃になった模様。
ダブランダー大臣 (声:滝口順平
バウワンコ王国の大臣で、王国支配の野心に燃える策謀家。王国代々の掟に背いて外の世界(人間界)への侵略を企んでおり、そのために邪魔な存在であった前国王のバウワンコ108世を暗殺した上、自らが新たな国王を名乗って民衆を強制労働に駆り出し、5千年にわたって開発を禁止されていた古代兵器「火を吐く車」「空飛ぶ船」の大量生産に乗り出している。しかし、独裁者同然の武力による弾圧的な政策を強行しているため、民衆からの人望はなく、ペコやドラえもん達を捕らえるよう賞金までかけても誰ひとり協力しなかったほどで、兵士の一人も独り言で「今の王様は人気がないからな」とつぶやいていた。原作では巨神像の襲撃によって崩れ落ちた石材の下敷きになり気絶するという結末を迎えたが、映画では巨神像に追い回された末にペコ(クンタック王子)の怒りを込めた剣によって王冠を頭の毛もろとも切られ敗北した。
コス博士(声:永井一郎
ダブランダーに仕える闇の科学者。外の世界(人間界)への侵略を企んでいるダブランダーの命令により、5千年前の古代兵器「火を吐く車」「空飛ぶ船」(どちらも機体は木造。「空飛ぶ船」はプロペラで飛行する)の再現を成功させた。王国に伝わる伝説や歴史にも詳しく、ドラえもんたちが目指す最終目的地を見抜いて待ち伏せし、彼らを巧妙に追い詰めるなど、ダブランダーの参謀的役割も果たしている。空飛ぶ船の船団を率いてドラえもん達を襲うが、巨神像の攻撃により船を破壊され、あえなく敗北した。
サベール隊長(声:柴田秀勝
ダブランダーの親衛隊長を務める隻眼の戦士。ダブランダーの命令により、兵士たちを総動員して、ペコやドラえもん達を捕らえるために執拗な追跡を行っていた。その剣の腕は凄まじく、原作では、持った者を剣の達人にするひみつ道具「秘剣電光丸」を持ったのび太とも互角の戦いをした末に階段から転落したが、映画ではのび太ではなくペコ(クンタック王子)と巨神像の歯車の上で戦い、剣の対決には勝利するも歯車が動き始めたことにより歯車から転落した。
侍女(声:麻生美代子
スピアナ姫の世話係をしている女性。民衆の噂でペコ(クンタック王子)の帰還を知り、そのことをスピアナ姫に伝えた。
村長(声:田中康郎
兵士(声:二又一成島田敏郷里大輔佐藤正治松岡文雄

[編集] 登場したひみつ道具

※植物改造エキスは「I」と「II」があり、「I」は「植物改造エキス」、「II」は「植物改造注射」と呼ばれている。

[編集] スタッフ

[編集] 主題歌

オープニングテーマ・挿入歌『ドラえもんのうた
作詞/楠部工、補作詞/ばばすすむ、作曲・編曲/菊池俊輔、うた/大杉久美子、セリフ:大山のぶ代ドラえもんコロムビアレコード
エンディングテーマ『だからみんなで』
作詞/武田鉄矢、作曲・編曲/菊池俊輔、うた/岩渕まこと(コロムビアレコード)
※『ドラえもん のび太の魔界大冒険』のビデオ・DVD版の主題歌は、この曲に差し替えられている。

[編集] 原作と映画の相違点

  • 原作ではペコはのび太たちが秘境を探し始めてから追いかけるが、映画ではOPでジャイアンたちとの会話を聞いて1度追いかけようとしている。
  • アフリカだけで写真何枚になるかの質問に、原作ではアフリカ全土で930万枚と言っているが、映画ではコンゴ川だけで計算したため235万枚になっている。ちなみにアフリカ大陸の総面積が2795万平方キロでコンゴ川が705万平方キロ、写真1枚に約3平方キロ写る計算になる。
  • 映画ではママの足取りを追うシーンがカットされている。
  • 原作ではのび太一人でペコを洗うが、映画ではドラえもんも洗う。
  • のび太の夢のあと謎の声が聞こえてこない。
  • 原作では出木杉が魔境などないと言ってペコが吠えかかるシーンがある。
  • 原作ではのび太、スネ夫、しずか、ジャイアンが0点の答案を隠す、母ちゃんにあいに帰るなどの理由で一度家に帰るが、映画ではスネ夫は帰らない。
  • ジャイアンの注文のラーメンが大盛りになっている、また餃子が追加されている。
  • どこでもドアの時差調節機能は映画ではつけられてない(ただし、ちゃんと夕方になっている)。
  • どこでもドアが使えなくなる理由が原作と映画では異なる。原作では空き地に置いたままだったため神成さんにゴミと勘違いされて焼かれてしまうが、映画ではワニの大群に食べられてしまった。
  • 原作ではドラえもんが翻訳コンニャクを食べて原住民の言葉を通訳しているが、映画では酋長に食べさせている。
  • 原作では原住民たちが怒り出した理由を「こうだぞといってる」まで通訳してるが、映画では槍を投げられる直前まで。また、逃げ出すドラえもんたちを追いかけるシーンが追加されている。
  • 映画ではクンタック王子が服を着ている。
  • 原作では見張りの兵士はブルススの声でペコたちの存在に気付くが、映画では物音で気づく。
  • ドラえもんが指名手配書にタヌキと書かれたのに対し、原作では壁紙ハウスの外で怒鳴っているが、映画では中で怒鳴っている。またその時ドラえもんを止めるのがのび太からしずかになっている。
  • 未来のドラえもんは映画ではマントを付けている(ひらりマントかどうかは不明)。
  • 原作と映画ではのび太としずかが使う道具が逆になっている、またジャイアンが空気砲を両手に付けているのが右手だけになっている。
  • 原作では巨神像は石だけでできているが映画では内部に歯車などがある。また原作ではドラえもん達は像の目から外を見ているが、映画では額にある窓から見ており、目の内側の部屋で王子が巨神像を操る。
  • 原作ではのび太がサベールと戦うが、映画ではクンタック王子が戦う(のび太はサベールが引き連れた兵士と戦っている)。
  • 原作では電光丸の呼称は「秘剣」だが、映画では「名刀」になっている。
  • 原作ではコス博士の飛行船は真っ二つにされるが、映画では放り投げられて大爆発する。そのため原作では生存が確認されているが、映画では生死不明となっている。
  • スピアナ姫をさらって逃げようとしたダブランダーは、原作では巨神像の崩した瓦礫で頭を打って倒れるが、映画では王子との剣の勝負で敗れる。
  • 原作のラストではしずかの入浴シーンがあるが、映画には登場しない。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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