ドラミ
ドラミは藤子・F・不二雄作の漫画作品『ドラえもん』に登場する架空のロボット。ドラえもんの妹。ドラミちゃんという愛称で呼ばれることが多い。
ドラえもんに代わって主役あるいは準主役級の活躍をすることもあり、映画ドラえもんの同時上映作として、映画も何作か作られている。『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』などで使用された「ハロー! ドラミちゃん」を始めとして、テーマソングも数曲存在する。
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[編集] 設定
- 子守りロボットの補助役として作られた妹ロボット
- 2114年12月2日生まれ[1]
- 女性ネコ(B) 型[2]
- 好きな食べ物はメロンパン[3](特にクッキー生地でできた皮の部分)
- 嫌いなものはゴキブリ[4]
- 特技は歌と料理[5]
ドラえもんと同じ缶のオイル(ロボット専用オイル)から作られたため兄妹の関係にあるが、使用されたオイルが分離しており、下半分に沈殿していた良質なオイルを使用して作られたドラミの方がドラえもんより優秀である[5]。なお、道具自体もドラミの方が圧倒的に高性能(以上は方倉陽二によるオリジナル設定。アニメ第2作2期「のび太くん、さようなら! ドラえもん、未来に帰る…」で正式設定とされた)。唯一兄より劣る点として、体が錆びやすく、海中では長時間の活動ができないと公言していたが[6][7]、実は兄を引き立たせるための方便であり、錆びやすいということはない[7]。
性格は真面目でしっかり者。ただし生真面目すぎて融通がきかないところがある。ひみつ道具に頼らず、まずはのび太に実力で物事を解決させようとする傾向がドラえもんよりも強い(それが災いし、大きな事件になった事もある)。道具の性能が優れているだけではなく道具の使いこなし方も兄より上手で、上記のようにのび太の世話をするときには単に力を貸すだけではなく、のび太が自発的に物事を解決する方向へ誘導しようとする[8]。掃除や洗濯などの家事も好きで、野比家ではのび太のみならずママの手伝いもすすんで行なう。しかし優秀である反面、非常事態の収拾を不得手としているため、結果的には兄のドラえもんを頼ることになることも少なくない。
普段はセワシのもとに住んでいて、彼の世話をしている[8]。一日の大半を「宇宙大学」で過ごす。天才ロボットグループのリーダーシップを取り、大学院にて文学、哲学、科学などを研究している[4][1][9]。
定期検査などのドラえもんの休養中に、一時的な代理として現代にやって来て、のび太の世話をする[6]ほか、「タイムテレビ」などで兄のピンチを知ると駆けつける。その優秀さからセワシはのび太の世話役を正式にドラミに交替させようとしたこともあるが、のび太はドラえもんに対する友情から断っている[8]。
女性ネコ型ロボットだけあって、ドラミの道具には花柄をあしらったりデザインや色遣いなど女性的なものが多い。「もしもボックス」や「ドリームガン」も花柄模様であり、『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』で登場する「ジェットフラワー」「みまわりテレビ」もヒマワリを模している。また、彼女専用のタイムマシンである「時空間チューリップ号」もチューリップを模している。
ザ・ドラえもんズのドラ・ザ・キッドとは友達以上恋人未満のような微妙な関係である。『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』の一件でキッドがドラミを守り抜いたことから惹かれ合い、互いに「ガサツくん」「へちゃむくれ」と呼んでからかい合っている。また、優秀さは「ロボット学校一の秀才」と呼ばれた王ドラをも上回り、現在その称号は彼女のものである。
好物のメロンパンは、初めて野比家へやってきたときに初めて食べ、以来大好物になった[10]。
テレビアニメ第1作には登場しない。テレビアニメ第2作1期では1980年4月8日から登場し、よこざわけい子が声優をつとめた。テレビアニメ第2作2期では2006年9月より登場し、『ドラえもん』ファンの千秋がドラミ役を引き継いだ。
[編集] 身体
- 身長:100cm[5]
- 体重:91kg
- パワー:一万馬力
ドラえもんに似た体形だが、体は誕生初期のドラえもん同様黄色。ポケットはタータンチェック柄、しっぽは花柄模様になっている。また「どこでもドア」に模様があるなど細かい違いもある。ドラミが使うタケコプターは、テレビアニメではピンク色にカラーリングされる傾向がある[11]。
後頭部には、耳のように見える形でリボンがつけられている。このリボンは「リボン型集音装置」と呼ばれて耳の役割を果たす[12]。これに使われている高感度集音装置は「日本とフランスの合作品」という設定[1][13]。ドラミが造られたのは、耳を失ったドラえもんの悲しみを癒すためだったが、「耳のあるヤツに僕の悲しさが分かるか!」とドラえもんがスネないようリボン型の耳に交換されたのだという[5]。またドラえもんの顔にはレーダーひげがあるが、ドラミにはひげはなく[14]、代りにリボンがレーダー機能を兼ねている。
目からは魅力光線が放出されている[1]。この目でウィンクをすると、男性を骨抜きにする愛の「必殺ウインク光線」を発射することができる[9]。頭脳はLSIおよびウルトラスーパーデラックスコンピューターを使用する[1]。頭の良さはドラえもんの3倍であるとされる[4]。首輪に付けている鈴は「子守り歌鈴」と呼ばれる。この鈴を鳴らすと、人を眠らせることのできる音波が放出される。左胸の内部には、人の愛を感じてエネルギーに変換する「ハート」と呼ばれる部品がある[1]。
[編集] 体重の変遷
当初は『ドラえもん百科』においても体重は設定されておらず、1980年4月放送のアニメ[15]にて、初めて35キログラムと設定された。
その後、『スーパー・メカノ=サイエンス ドラえもん道具カタログ 2112年版』(1986年1月発行)[16]にて91キログラムとされる。ドラえもんが身長129.3センチメートルで体重129.3キログラムであることから、35キログラムより91キログラムとした方が適切だと判断された可能性がある。一方『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』(1989年3月公開)の設定を記したムック(1989年4月発行)[12]では「91kg(?)」と書かれ設定が大きく変わったことに動揺する態度、また、ロボットだからちょっと重いなどとってつけたかのように書かれるなど、あるいは女性への質問でタブーとされる体重について言及している事への配慮が見られる。
そして、『ドラミちゃん アララ♥少年山賊団!』(1991年3月公開)の設定を記したムック(1991年4月発行)[17]では100キログラムとされた。身長が100センチメートルであり、ドラえもんの身長と体重の比が1対1であることから、体重を100キログラムとする方がより適切だと判断された可能性がある。
しかし『ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ!!』(1993年3月公開)の設定を記したムック(1993年4月発行)[18]では再び91キログラムに戻っている。ムックは基本的に増刷されないため、(当時としては)比較的入手容易な書籍『スーパー・メカノ=サイエンス ドラえもん道具カタログ 2112年版』が参考にされたのか、これ以降はどの出版物においても91キログラムと記されている。
[編集] 誕生の経緯・初期設定
本キャラクターのそもそものアイディアは、原作者の藤子・F・不二雄が考えたものではなく読者投稿に基づいている。
小学館の学習雑誌『小学四年生』の読者だった奈良県在住の少女(当時小学4年生)がドラミのアイディアを小学館に送り、それが採用されたもの。1973年2月発売の『小学4年生』誌上で、「小学五年生4月号にドラ美ちゃんが登場します」と予告される。このときはまだ妹であるとは設定されていなかったようで、告知のカットではドラえもんが「ドラ美」に照れている素振りを見せており、当初はガールフレンドという設定だったことが伺える。デザインも曖昧にしか決定しておらず、顔が今とは若干違ってヒゲも生えていた。リボンはついていたが、体の色はドラえもんと同じで縦線の上にスクリーントーンが張られていた(この予告カットはモノクロイラストである)。同年3月発売の『小学五年生』4月号掲載「ハイキングに出かけよう」(藤子不二雄ランド2巻収録)で、ドラミは正式にデビューする。この時のデザインは現在とほぼ同じものになっている。
最初期のドラミは頭脳の回転が少々鈍く機械音痴な反面、「1万馬力の腕力で暴れ回る」というややじゃじゃ馬的なキャラクターであり、かつてのガチャ子ほどではないが同系統のキャラクターであった。以降もたびたびおてんばぶりをみせるものの、後期はしっかり者のお世話ロボットしてのキャラクターが定着する。
また、初期は家庭科専門ロボットという設定もあり、ポケットから出す道具も料理や掃除といった家事に関する物ばかりだったが[19]、後にはドラえもん同様の様々な道具を出すようになっている。
[編集] 外伝作品『ドラミちゃん』
デビュー間もなく『ドラえもん』とは別の外伝作品『ドラミちゃん』として独立連載が始まる。のび太の遠い親戚であるのび太郎の家に居候し彼の面倒を見るという物語だった。第1話『じゅん番入れかわりき』は、ドラミがドラえもんの手伝いに現代の野比家へやって来たものの、偶然にも町中でのび太郎に出会い、彼の世話をすることになるという物語で、作中ではのび太とのび太郎が共演している。また、これ以降は1万馬力の設定は影を潜め、2006年のアニメでようやく再現された。
ちなみにいそほゆうすけにより、雑誌『ぴょんぴょん』にて上記とは別の『ドラミちゃん』が一時期連載されていた。のび太の未来が変わったために(変わらなくても多額の借金などで不幸になるが[20])、将来不幸になってしまうジャイ子をドラミが助けに来たという設定だった。
[編集] 『ドラえもん』への統合
『ドラミちゃん』のエピソードは、第1話「じゅん番入れかわりき」を除いた全話が『ドラえもん』の単行本に収録されているが、その際『ドラえもん』本編のストーリーとして改訂された。すなわちのび太郎はのび太に、のび太郎の母親であるのぶ子はのび太の母親である玉子に、ガールフレンドであるみよちゃんはしずかに、いじめっ子のカバ田(ゴリブリ)はジャイアンに、という具合に人物が描き換えられた。ただし、ズル木だけはスネ夫と体型が違いすぎるためか、修正されずそのまま残されている[21]。
また、そういった経緯から現在の版においても、本来なら小売店であるはずのジャイアンの家が、一般的な住宅になっていたり、のび太の部屋にベッドがあったり、野比家の門構えが豪華だったりといった差異が残っている[22]。他にも、台詞をそのまま残した結果、ややニュアンスが変わってしまった場面もあり、例えば9巻「ウラシマキャンデー」ではジャイアンとのび太が「これからみよちゃんの家へよってあそんでかえるんだ」、「みよちゃんの家なら、よろこんで!」と言い合う場面がある。連載時における「みよちゃん」はしずかに描き換えられたため、結果としてこの場面は、作中には登場しない「みよちゃん」という友達の家に行く、という設定になっている。初期の版では修正忘れも多く、しずかの髪に斜線の入ったポニーテールの部分があったり[23](これはみよちゃんの髪型であり、他はすべて削除され2つの結び目が描き換えられている)、のび太がジャイアンの家の前で「まちがえた。これはカバ田の家だっけ」と言っている[24](いずれも現在の版では修正されている)。
改訂後は前述のように、ドラえもん休息時の一時的な代理としてドラミがのび太の世話をする、ということになっている。ドラミはのび太のことを「のびちゃん」と呼びかけていたが、単行本収録後はのび太に対して他人行儀に「のび太さん」と呼ぶように変更された。
以降は、てんとう虫コミックス以外の単行本にも総じて改訂後の版が収録されており、ドラミが登場するエピソードを抜粋して収録した、コロコロ文庫版『ドラえもん ドラミ編』や、ぴっかぴかコミックス版『ドラミちゃん』も同様だった。故に、改訂前の版(オリジナル連載版)は長らく日の目を見ることがなかったが、藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』20巻ではオリジナル連載版も収録する予定となっている[25]。
[編集] ドラミが登場する映画
第1期シリーズ、よこざわけい子担当分
- 『ドラえもん のび太の魔界大冒険』 1984年
- 『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』 1988年
- 『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』 1989年
- 『ドラミちゃん アララ♥少年山賊団!』 1991年
- 『トキメキソーラーくるまによん』 1992年 ※声の出演なし
- 『ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ!!』 1993年
- 『ドラミちゃん 青いストローハット』 1994年
- 『2112年 ドラえもん誕生』 1995年
- 『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』 1996年
- 『帰ってきたドラえもん』 1998年
- 『ドラミ&ドラえもんズ 宇宙ランド危機イッパツ!』 2001年
第2期シリーズ、千秋担当分
- 『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』 2007年
- 『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』 2008年
- 『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』 2009年
- 『ドラえもん のび太の人魚大海戦』 2010年
- 『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』2011年
[編集] 脚注・出典
- ^ a b c d e f 『ドラえもん百科』第2巻収録「ドラミちゃん秘密ブック」
- ^ 『ドラえもん百科』第2巻収録「ドラドラミ兄弟百科」
- ^ 『ドラえもん百科』第2巻収録「美女対決! ドラミちゃんVSしずかちゃん」
- ^ a b c 『ドラえもん百科』第1巻収録「ドラミちゃん秘密百科」
- ^ a b c d 『ドラえもん百科』第1巻収録「ドラえもん秘密百科」
- ^ a b てんとう虫コミックス『ドラえもん』第4巻収録「海底ハイキング」
- ^ a b テレビアニメ第2作1期「おまたせ ドラミちゃん初登場! のび太の海底ハイキング」
- ^ a b c てんとう虫コミックス『ドラえもん』第24巻収録「ションボリ、ドラえもん」
- ^ a b 『ドラえもん百科』第2巻収録「ドラミちゃんの一週間」
- ^ アニメ第2作1期「ドラミちゃん初登場! のび太の海底大冒険」
- ^ テレビアニメ第2作1期「ドラミとハイキング」「ジュラ紀でドラミが大ピンチ」、テレビアニメ第2作2期「のび太くん、さようなら! ドラえもん、未来に帰る…」
- ^ a b 『映画アニメドラえもん・ドラミちゃん 《のび太の日本誕生/ ミニドラSOS!!!》』小学館〈コロコロコミックデラックス 17〉、1980年。
- ^ 1989年に放送されたアニメの映画特番の中で、同年の札幌雪祭りで雪像の製作を担当した自衛隊員が「ツノだと思って作ったら子供から抗議を受けた」と発言していたこともあった
- ^ 『ドラえもん百科』第2巻収録「ドラミちゃん質問箱」
- ^ テレビアニメ第2作1期「びっくり全百科(オールひゃっか)―ドラえもんとドラミちゃん― / PART.2 ドラえもんの故郷(ふるさと)へ!」(1980年4月8日放送『春だ! 一番 ドラえもん祭り!!』。ビデオ『ドラえもんテレビ版スペシャル特大号』冬の巻4、およびDVD『ドラえもん コレクション・スペシャル』冬の4に収録)
- ^ 書籍『スーパー・メカノ=サイエンス ドラえもん道具カタログ 2112年版』中央公論社〈F.F.ランド・スペシャル〉、1986年1月22日発行。ISBN 4-12-410307-7。
- ^ 『映画アニメドラえもん のび太のドラビアンナイト・ドラミちゃん アララ・少年山賊団!』小学館〈コロコロコミックデラックス 19〉、1991年4月20日発行。ISBN 4-09-101019-9。
- ^ 『映画アニメドラえもん のび太とブリキの迷宮・ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ!!』小学館〈コロコロコミックデラックス 21〉、1993年4月20日発行。ISBN 4-09-101021-0。
- ^ 藤子不二雄ランド第2巻収録「ハイキングに出かけよう」
- ^ てんとう虫コミックス『ドラえもん』第1巻収録「未来の国からはるばると」で借金取りによる取立ての日々が続く。
- ^ スネ夫も全く登場しないわけではなく、9巻「ウラシマキャンデー」では、端役の少年の顔が単行本収録時にスネ夫に描き換えられている
- ^ てんとう虫コミックス『ドラえもん』第5巻収録「地底の国探検」ほか
- ^ てんとう虫コミックス『ドラえもん』第6巻収録「ネッシーがくる」131ページ4コマ目
- ^ てんとう虫コミックス『ドラえもん』第6巻収録「ネッシーがくる」137ページ2コマ目
- ^ 藤子・F・不二雄大全集 第3期 収録作品のみどころ
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