先生 (ドラえもん)

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先生(せんせい)は藤子・F・不二雄の漫画作品『ドラえもん』に登場する架空の人物。副主人公である野比のび太が所属する学級の担任教師。

設定[編集]

小学校の教諭。のび太たちの学級の担任教師。学校名と学級は原作では不明だが、各アニメシリーズでは独自に設定されている。

姓名は原作では不明だが、テレビ朝日系アニメ・大山のぶ代ら声優陣シリーズでは、それぞれ姓を「先生[4][5]、名を「えいいちろう」[2]と設定された回があった。また日本テレビ系アニメでは姓を「我成(がなり)」としていた。

人物像[編集]

いつも恐ろしい量の宿題を出したり、宿題忘れや遅刻をすると廊下に立たせるという、古風なタイプの教師である。ちなみに生徒を廊下に立たせるのは体罰に当たるとされ、戦後禁止されている。

初期の原作では、のび太がいたずらしていると勘違いして取り上げた道具で遊んだり[6]、常に丁寧語で話すなど少しおかしなところが目立った。性格も厳格な現在の作風とは異なりやや気弱でのび太達からも若干バカにされるなどうだつの上がらない一面が強調されていた。髪型も若干異なっていて、口も「3」の形をしていて、初期のドタバタギャグの作風に合わせて意識的にコミカルに描かれたと推測される。現在の作風に変化してからは厳しいながらも生徒のことを気にかけている常識人として描かれている。ただし後期も骨川スネ夫を贔屓するという不用意な面も見せている[7]

のび太が怠けた時には「宿題をやって来ないとぶん殴る」[8]、「テストが50点以下だったら、もう2度と学校へ来るな!!」[9]など厳しい言葉もかける。ただし、どちらものび太の弁なので多少脚色されている可能性もある。逆に、宿題をやり遂げたときには「野比は間違いだらけでも、ちゃんと自分の力でやってきた」[10]と評価したり、100点をとったときには「目を疑った」という不用意な発言をしながらも笑顔で褒めたり[11]、など、努力をしたときには優しい面も見せる。0点をとって落ち込んでいるのび太を励まし、深く感動させたこともある[12]。その一方で、のび太の夢の中にも登場した時には、宿題を完璧に仕上げたのび太に対し「頭がおかしくなったんじゃないか」などと言っている[13]

生活指導を担当しているのか、放課後はよく町内をうろつき、生徒に出会うと道端で説教をしたり褒めたりする。そのわりに、ジャイアンやスネ夫のいじめが先生の目に止まることはあまり無く[14]、すぐ近くでジャイアンがのび太を追い回していても気がつかなかったことさえある[15]。ただしのび太のママとは異なり、一度目に付けばお説教となる。「そんなことをする(ところにいる)暇があったら勉強を・・・」などというお決まりの台詞がある。

初期はアパートの一室に住んでいた[6]が、現在は一戸建ての家に住んでいる[16]

アニメでの先生[編集]

テレビ朝日系アニメ・大山のぶ代ら声優陣シリーズの初期作品[17]では、髪型や顔、服の色などが異なっているが、別人か同一人物かは不明。原作ではメガネを描かれていないコマが1つある程度であり、やはり判別は難しい。

アニメでの担当声優は、日本テレビ系アニメ第1作(1973年)の頃からキャスティングが一定しておらず、テレビ朝日系アニメ第2作第1期(1979年~)がスタートした当初でも2年ほどは声優が3、4人ほど交代していたなど、なかなか定着していなかった。しかし、放送時間が日曜から金曜に枠移動した頃の1981年10月より田中亮一が担当、2005年3月まで足かけ24年間も先生役を務め、完全に定着した。先生の有名なセリフである「廊下に立っとれーっ!」(「廊下に立ってなさい!」)もこのころから定着し始めた。

映画『のび太の結婚前夜』で披露宴を明日に控えたのび太に対して愛おしさ溢れた感慨深い心情を述べるシーンは、厳然とした教師態度でのび太を辟易とさせてきた平素があったからこその描写である。リニューアル前のアニメ版では、かつての「勉強しろ、宿題しろ」な面は影を潜め、人情派のベテラン教師に性格設定が修正されていた時期もある。

1998年7月31日に放送された『ホンネミラー』では、田舎の年老いた母を案じて、実家近くの小学校への転任を真剣に考えたことがあったが、ドラえもん、のび太らの尽力によって何とか阻止できた。そして、「君たちを卒業させるまでは担任を続けます。」とのび太たちに言っている。

大山のぶ代ら声優陣シリーズ最終回「ドラえもんに休日を?!」では、のび太に「先生とも長い付き合いですねぇ」と言われ、「思えばもう何年になるかなぁ」と語っている。このやり取りは「自分の担当するクラスの生徒であるのび太とはかなり長い間同じ学級にいる」と解釈することもできるが、しかしこれはむしろ声優側から見た付き合いの長さを語っているようにも見える。

余談[編集]

ザ・ドラえもんズ』などの作品では、彼をモデルにしたとも思えるロボットが、ロボット学校の先生をしている。その名も『しごきロボット』。声優も同じく田中が担当。

脚注[編集]

特記のない「×巻」は、てんとう虫コミックス「ドラえもん」の単行本の巻数を表す。

  1. ^ 登下校時で異なることは、アニメ「オバケタイマー」(1987年9月4放送。てんとう虫コミックス第36巻収録「オバケタイマー」のアニメ化作品。ビデオソフト未収録)にてはっきり確認できる。以降の作品でもおおむねこの設定になっている。
  2. ^ a b アニメ「ホンネミラー」(1998年7月31日放送。ビデオソフト未収録)
  3. ^ 小学館『ドラえもんひみつ大百科―21世紀版』
  4. ^ 「先生」という姓は日本に実在し、「せんじょう」と読む。
  5. ^ アニメ「そんざいかん」(1985年3月15日放送。てんとう虫コミックス第36巻収録「「そんざいかん」がのぞいてる」のアニメ化作品。ビデオ『21世紀テレビ文庫 テレビ版ドラえもん』第29巻収録)
  6. ^ a b 第3巻収録「ああ、好き、好き、好き!」
  7. ^ 第18巻収録「ひい木」ほか
  8. ^ 小学館コロコロ文庫『ドラえもん ロボット編』収録「すなおなロボットがほし~い!」
  9. ^ 第42巻収録「やりすぎ! のぞみ実現機」
  10. ^ 第22巻「出木杉グッスリ作戦」
  11. ^ 第25巻収録「な、なんと!! のび太が百点とった!!」
  12. ^ 第9巻収録「ジ~ンと感動する話」
  13. ^ 第5巻収録「うつつまくら」
  14. ^ 第1巻収録「○○が××と△△する」では、「君たちはいつも先生をバカにしている」と喫茶店の前で2人を叱責している。
  15. ^ てんコミ5巻「ヒラリマント」
  16. ^ 第16巻収録「サハラ砂漠で勉強はできない」ほか
  17. ^ 「テストにアンキパン」(1979年4月4日放送)、「一生に一度は百点を」(1979年4月18日放送)など