ドラえもんの最終回
ドラえもんの最終回(ドラえもんのさいしゅうかい)は、藤子・F・不二雄による未完の漫画作品『ドラえもん』に存在する、三種類の最終回のこと。
また、都市伝説として広まった藤子Fによらない創作の最終回も多数存在し、インターネットを通じて様々なバリエーションのものが公開されている。本項ではこれらについても言及する。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
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[編集] 学年誌における最終回の実在
結論としては、「ドラえもんの最終回」は実在する。市中に流布している都市伝説とは関係の無い、藤子・F・不二雄本人の手で描かれた、真正エピソードである。
未完のはずの『ドラえもん』に最終回が存在する大きな理由は、かつて『ドラえもん』が連載されていた雑誌が、学年誌(小学館の小学○年生)であることにある。
当該雑誌は基本的に1年間しか読まれない(小学○年生3月号の読者は翌月は進級し、一学年上の学年誌を読み始める)ことに加え、当時『ドラえもん』は『小学五年生』と『小学六年生』には掲載されていなかった。つまり小学館は、『ドラえもん』を読むのは最後となる『小学四年生3月号』の読者への配慮として『最終回』を掲載する必要があった。実際に当時の他の学年誌連載作品でも、毎年4月号には新たに購読を始める新学年生のために『第1話的』な内容を書き、年度末の3月号には『最終回的』な内容の物語を掲載することが慣例的に行われていた。無論、『最終回』が掲載された翌月の『小学四年生4月号』(新四年生が読み始める)には、通常通り『ドラえもん』が掲載されるため、本来的な意味での最終回とは異なる。
当初はこのような事情もあって藤子は最終回を執筆した。しかし、後に『小学五年生』・『小学六年生』にも連載が拡大されたことや、単行本が発売されたこともあり、『ドラえもん』についてはこの趣旨に則って書かれた最終回は2本だけで、以後は3、4月号ともに通常のエピソードを掲載するようになった。またこの結果、二本目の最終回を読んだ読者は、『小学五年生』購読の1年を空けて、『小学六年生』からまた読めることになった。そのため『小学五年生』3月号には、ドラえもんがのび太の元へ帰ってくるという1ページ漫画が掲載された。
[編集] 藤子・F・不二雄による最終回として描かれた作品
以下で詳述する「ドラえもん未来へ帰る」、「ドラえもんがいなくなっちゃう!?」の2本が、先述した2本の最終回である。いずれもてんとう虫コミックスや藤子不二雄ランドには未収録のため、永らくマニアの間で幻の最終回として扱われていたが、2009年になって刊行された藤子・F・不二雄大全集の『ドラえもん』第1巻に収録され、手軽に読めるようになった。
ここでは、本来最終回となるはずだったエピソード「さようならドラえもん」、及びその関連エピソード「帰ってきたドラえもん」についても記述する。
[編集] 「ドラえもん未来へ帰る」
- 『小学四年生』1971年3月号掲載
- あらすじ
- ある晩、部屋で寝ていたのび太はザワザワとした物音に眠りを妨げられる。雑踏のような物音に顔を起こしてみると、大勢の人間が壁をすり抜けて部屋に現れ、また壁をすり抜けては姿を消していった。
- 次の朝、未来の世界に一時戻っていたドラえもんが帰ってくるが、ひどく元気が無くなぜかぼんやりとしていた。のび太は昨晩の奇妙な出来事を説明しようとしたが、その矢先にママがのび太を呼びつけ、壁に書かれた落書きを指してのび太をなじり始める。まったく身に覚えのないことにのび太は知らないと弁解するが、そこへパパが大事なライターが無くなったと騒ぎ出し、「そういえばこのところいろんな物がよく無くなるなあ」と3人は顔を見合わせる。不思議そうに首をかしげる彼らを見ながら、ドラえもんは「とうとう、このへんにもあらわれたか」と力なく呟く。
- のび太は勉強部屋でドラえもんと向き合っておやつを食べるが、ドラえもんは大好きなどら焼きを前にしても手をつけようともしない。声をかけても気のない返事しかしないドラえもんをいぶかしんでいると、そこへ突然、昨晩のように壁をすり抜けて奇妙な人間たちがドヤドヤと部屋に闖入してきた。先頭に立つ男は名刺を差し出し、自分は未来世界の観光会社ガイドで未来世界の時間観光ツアー客を案内していると名乗る。ドラえもんは時間旅行のマナーを持ち出し、「旅先の時代の住人に気づかれないように行動するのが時間旅行のルールだろう」と怒るが、ガイドはそれでは客が満足しなくなったのだと笑って言うことを聞かない。やがて母子連れはのび太のノートやパパの入浴を覗いたり、新婚カップルは家に記念の落書きをしたりその場でイチャイチャしたり、金持ちはママが洗っていたシャツを「珍しい繊維だ」と言って買い取ろうとするなど、ツアー客達はその傍若無人ぶりをエスカレートさせる。野比家の面々はすっかり憤慨するが、彼らは4次元移動で壁をすり抜けて移動して家の中を駆け回り、なかなか捕まえることができない。
- そんな中、ピストルを持った奇妙な男が現れ、「ここが気にいった、下宿するぜ」と野比家への下宿を要求する。男は、「殺し屋ジャック」という未来世界から逃亡してきた凶悪犯だった。ジャックはピストルを突きつけて野比家の面々とツアー客を脅迫し騒然とさせるが、駆けつけてきたタイムパトロールに撃たれて拘束される。
- ツアー客が去って、野比家にようやく静寂が戻ってきた。のび太が「時間観光旅行なんて迷惑だ!」とぼやいていると、そこへセワシが現れる。セワシは未来からの渡航者たちのマナーが非常に悪く、過去の人間に迷惑をかけないために「時間旅行規制法」が制定され、過去への渡航が一切禁止となったと説明する。ドラえもんが元気がなかったのは、「規制法」が近々制定されるのを知らされていたからだった。当然ドラえもんも帰らねばならなくなりのび太は引き止めるが、ドラえもんは「男だろ!これからはひとりでやってくんだ。きみならできる!!」とのび太に叱咤を飛ばす。やがて帰還のサイレンが鳴り、別れの時が来る。のび太に叱咤を飛ばしたドラえもんも、別れの瞬間を前にして「のび太くんとわかれるのいやだあ」と泣きわめくが、セワシに引っ張られ、結局否応なしに未来へと帰っていった。
- ドラえもんはセワシとともに未来の世界へ戻り、タイムマシンの出入り口も机の引き出しから消えた。勉強机に向かうのび太は、その引き出しを眺めながらドラえもんの影を思い出して静かに呟くのだった。
- 「つくえの引き出しは、ただの引き出しにもどりました。でも……、ぼくは開けるたびにドラえもんを思い出すのです。」
[編集] 「ドラえもんがいなくなっちゃう!?」
- 『小学四年生』1972年3月号掲載
- あらすじ
- 友達とサイクリングに行く約束をしたものの、のび太は自転車に乗れない。自転車に乗れるようになる道具を出してと安直にドラえもんに頼ろうとするが、ドラえもんはそれを冷たく突き放し、びっくりしたのび太は、慌てて部屋を出た。実はドラえもんは、彼に頼りっきりなのび太の自立心を養うために未来へ帰ろうと考えていたが、なかなかそれを言い出せずに悩んでいたのだった。困ったドラえもんはセワシと相談し、「ドラえもんが故障した」というウソをついて帰ることにする。そのウソを聞いたのび太は素直にそれを信じ、ドラえもんがいなくなったら困るけれどもドラえもんのために我慢するから自分にかまわず帰ってほしいと言う。優しい言葉に感激したドラえもんは正直にのび太に理由を告白するが、のび太は勇気を持ってそれを受け入れ未来へと帰るドラえもんを気持ちよく送り出す。
- その後、のび太は一人で自転車に乗る練習を始める。何度転んでも起き上がり、ひたむきに頑張るのび太。その姿を、ドラえもんはセワシと一緒にタイムテレビで未来の世界から暖かく見守るのだった。
前述の通り、この最終回には後日談がある。1973年4月号より『小学六年生』にも連載が拡大されたため、その前の月に当たる『小学五年生』1973年3月号に、再びドラえもんがのび太の元に帰って来るという形式の2ページの予告漫画が掲載された。この予告漫画も藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』第1巻に収録されている。日本テレビ版アニメの最終回でもあり、ドラえもんの嘘に協力するのはセワシではなくガチャ子である。
[編集] 「さようならドラえもん」
- 『小学三年生』1974年3月号掲載(本誌掲載時タイトル:「未来の世界に帰る」)
- てんとう虫コミックス6巻収録
- あらすじ
- いつもの通り、ジャイアンにいじめられて帰ってきたのび太。ケンカに勝てる道具を貸して欲しいとドラえもんに甘えるが、ドラえもんはいつになく冷たい調子でつっぱねる。様子がおかしいと思ったのび太がドラえもんを問い詰めると、ドラえもんは未来の世界に帰らなければならなくなったと告白する(理由は不明)。のび太はドラえもんにすがりつき泣きわめいて引き止めるが、ママとパパに「ドラちゃんにも都合があるのよ。わがままいわないで」、「人に頼ってばかりいてはいつまでも一人前になれない」と説得され、結局ドラえもんとの別れを受け入れる。
- 最後の夜、眠ることのできない二人は一緒に夜の散歩に出かけることにする。涙を見せまいとしたドラえもんと途中で別れたのび太は、夜中に寝ぼけて徘徊するジャイアンに出会い喧嘩になる。何度も何度も殴り倒されるが、のび太は自分がしっかりしないとドラえもんが安心して未来へ帰ることができないと必死でつかみかかり、ボロボロになりながらもついに最後にはジャイアンに「おれの負けだ」と言わせる。駆けつけたドラえもんに抱き起こされたのび太は、自分一人の力でケンカに勝ったことを誇る。ドラえもんに担がれながら家に帰る道々、のび太はドラえもんに安心して未来へ帰って欲しいとうわごとのように繰り返す。肩を借すドラえもんは、大泣きしながらのび太のその言葉を聞いた。
- 勉強部屋へ帰ったのび太は、寝床につき、静かに眠り始める。寝床の横に座り、ドラえもんはのび太の寝顔を涙を流して見守っていてくれたが、部屋に朝の陽光が差した時、彼の姿はもうそこにはなかった……。
1997年に朝日放送制作・テレビ朝日系で放送されていた歴史バラエティ番組「驚きももの木20世紀」内で、当時の小学館の担当者が経緯を説明している。それによると、掲載の前年にアニメ第1作が終了したことや、作者が『みきおとミキオ』など新しい連載を抱えていた事情などがあり、当初はこの話が本当の最終回となるはずだった。実際、最後のコマに描かれているゴミ箱の文字は、単行本では『LOVE』となっているが、雑誌掲載時では『OWARI』である。しかし、作者は次の作品のことを考えていてもドラえもんのことが頭から離れず、思い直して後述の『帰ってきたドラえもん』を執筆。翌月号である『小学四年生』4月号に掲載されてドラえもんは続けられた。
[編集] 「帰ってきたドラえもん」
- 『小学四年生』1974年4月号掲載
- てんとう虫コミックス7巻収録
- あらすじ
- 「二度と帰ってこられない」と言ってドラえもんが帰った後、心にぽっかり穴が開いたように毎日を過ごしていたのび太。何をするでもなくぼんやり日々を過ごしていたが、ママに「元気出しなさい」とたしなめられて気をとりなす決意をする。だが、意気揚々と外へと繰り出すも、スネ夫にウソをつかれて野良犬に追い回される羽目にあわされる。ようやく逃げ切ったところへ今度は血相を変えたジャイアンが現れ、のび太に帰ったはずのドラえもんを見かけたと告げる。ジャイアンの言葉を信じたのび太はドラえもんが帰ってきたのだと大はしゃぎするが、しかしその日は4月1日。ドラえもんを見かけたというのは四月バカのウソだと言われ、ジャイアンとスネ夫に大笑いされる。
- 残酷なウソにだまされて泣いているうちに、のび太はドラえもんが「ぼくが行った後、どうしても我慢できないことがあったらこれを開け」と言って残していった箱のことを思い出す。ドラえもんの形をしたこの箱は、開ければそのときにのび太にとって必要なものがひとつだけ出てくるというのだ(アニメ版では“使えるのは一度だけ、開封の瞬間が最初で最後だから熟考せよ”と説明されている)。出てきたのは、これを飲んでなにかをしゃべると逆の事柄が起こってしゃべったことがすべてウソになる飲み薬「ウソ800(うそえいとおーおー)」だった。「ウソ800」を飲んだのび太は道具の力を駆使し(「今日はいい天気だ」とのび太が二人に言うと大雨が降り、「激しい雨が降ってきた」と言うと日本晴れになったり)、ジャイアンとスネ夫にウソをつかれた仕返しをする。仕返しをやり遂げたのび太は声を上げて笑うが、次第にドラえもんがいないという寂しさが心に広がってきて、「ドラえもんは帰ってこないんだから。」、「もう、二度と会えないんだから。」と寂しさ紛れに独り言を言う。
- 部屋に戻ると、奇跡が起こった。そこには二度と帰ってこないはずのドラえもんがいた。「ウソ800」の力で先ほどの「ドラえもんは帰ってこない」・「もう、二度と会えない」という寂しさまぎれに言った独り言がウソとなり、「ドラえもんが帰ってくる」・「再び会える」ということになったのだ。ドラえもんと抱き合ったのび太は大泣きし、「うれしくない。これからまた、ずうっとドラえもんといっしょに暮らさない。」と逆さ言葉で再会を喜ぶのだった。
アニメ版は1981年1月3日に放送。その後1994年と1997年のスペシャル放送で“帰ってきたドラえもん”は再放送され、1998年には「さようならドラえもん」のエピソードと合わせて映画化された。
なお、日本以外では“帰ってきたドラえもん”だけ放送しない方針を藤子プロが取り、未放送となっている。これを踏まえて、同局のバラエティ番組『決定!これが日本のベスト』で複数の外国人にこの回を見せ、反応をうかがってみるといった企画も行われた。しばしば幻の最終回として紹介されることがあるが、日本では“ドラえもんコレクションスペシャル 春の4”というDVDに収録されており、これを入手してリージョンフリーまたは日本のリージョンコードに対応しているDVDプレイヤーで再生すれば日本以外に住む者も視聴が可能である。また、1998年公開の劇場版に関してはこの限りではなく、2005年にスペインでテレビ放送されている[1]。
[編集] アニメ第1作における最終回
ドラえもんのアニメは、現在放映されている1979年に放送開始されたテレビ朝日版(現在は2期)以外に、1973年に放送された日本テレビ版があり、このシリーズは2クール(26週)52話で完結したため、「最終回」が描かれている。
内容は、自転車が漕げなかったのび太が泣きながら自転車を漕ぐ練習をするところを、未来の世界から見守るところで物語が終わるというもので、先述の「ドラえもんがいなくなっちゃう!?」をベースにアニメ化したものである。おおむねストーリーは同じだが、原作には未登場だったジャイアン・スネ夫・静香・パパ・ママが登場し、ドラえもんとの別れを惜しんでいた。ちなみにこの回が最後の放送だったにもかかわらず、エンドカードでは前週までの「次週をお楽しみに」を踏襲した「次回をお楽しみに」と表記された。これは手抜きやミスではなく、日本テレビ動画の再建と続編の製作、「再びいつかドラえもんのアニメを」という希望を込めたものである。
これに対し、アニメ第2作1期では第1話に“ドラえもんが未来からやって来る”という原作第1話のエピソード「未来の国からはるばると」を避け、「ゆめの町ノビタランド」とした。ドラえもんがやってくるエピソードは後に特番で番外編的に描かれた。
[編集] ドラえもんの最終回についての都市伝説
1990年代の終わりごろから「ドラえもんの最終回」と称するチェーンメールが出回り始めた。その中でも最も有名なのが「のび太植物人間説」と「ドラえもんの開発者はのび太説」の2つである。
[編集] のび太植物人間説
もとは1986年秋頃に子供たちの間で流行した噂であり、「ドラえもんは、交通事故にあって植物状態となったのび太が見ていた夢」という内容である。「この噂は本当か」と、『ドラえもん』連載学年誌の出版元である小学館に問い合わせが相次いだため、作者の藤本弘(当時は藤子不二雄コンビ解消前)が正式に「ドラえもんはそのような突然で不幸な終わり方にはしない」とするコメントを発表する事態となった[2]。藤本がこの年の夏病気で入院したため、このような噂が生まれたと考えられる。その後出回ったチェーンメールでは内容が追加されており、「ある日、事故にあって植物人間状態になったのび太を、ドラえもんがどこでもドアを使いのび太をおぶって天国へと連れて行く」というものや、「実はのび太は心身障害者で、ドラえもんは彼による作り話(妄想・羨望といった派生型あり)」といったものもある。
また、同じ植物状態説でも「動かないのび太にドラえもんが自分の全エネルギーを与え、自身の命と引き換えに助けた。その後、のび太が停止したドラえもんを抱きしめ、泣きながら『ドラえもーん』と叫ぶと、垂れた涙がドラえもんに当たった瞬間にドラえもんが復活し、エンディングテーマが流れスタッフロールが出てきてフィナーレ」というハッピーエンドになるものもある。このエピソードは1991年にアニメ化された『丸出だめ夫』の最終回ほぼそのままの話である。 ちなみにこのエピソードに関して作者の娘が作者に訪ねたところ、藤子は「ドラえもんはそんな終わり方をしない、もっと楽しい終わり方にする。」と、コメントした。
[編集] ドラえもんの開発者はのび太説
これは、1人のドラえもんファンが「自作の最終回」と明記した上で作成したオリジナルストーリーが、チェーンメールなどにより一人歩きしたものである。「電池切れ説」とも呼ばれる。
- あらすじ
- ある日突然ドラえもんが動かなくなってしまった。未来の世界からドラミを呼んで原因を調べたところ、バッテリー切れが原因だと分かった。のび太はバッテリーを換えてもらおうとするが、このままバッテリーを換えるとドラえもんの記憶が消えてしまうとドラミから聞かされる。ドラえもんなどの旧式のネコ型ロボットのバックアップ用記憶メモリーは耳に内蔵されているが、ドラえもんは既に耳を失っていたので、バッテリーを交換してしまえばのび太と過ごした日々を完全に消去してしまうことになる。バックアップを取ろうにも方法が分からず、開発者を呼ぼうとするも設計開発者の情報はわけあって絶対に開示されない超重要機密事項となっていた。
- のび太は迷った末、とりあえずドラえもんを押入れにしまい込み、皆には「ドラえもんは未来へ帰った」と説明。しかし、ドラえもんのいない生活に耐えられず、猛勉強をしてトップクラスのロボット工学者に成長する。工学者になってからしずかと結婚したのび太は、ある日妻となったしずかの目の前で、努力の末に記憶メモリーを維持したままで修理完了したドラえもんのスイッチを入れる。
- ドラえもんがいつものように「のび太君、宿題終わったのかい?」と言い復活する。ドラえもんの製作者が明かされていなかったのは、開発者がのび太自身だからだった。
以上があらすじであるが、「のび太は15歳で海外に留学した(飛び級で大学に入ったとすることもある)」、「修理には妻となったしずかが立ち会った」などと脚色されている場合もある。
[編集] 元々のオリジナルストーリー
「ドラえもんの開発者はのび太説」の元になったオリジナルストーリーは、1990年代に学生だった、あるドラえもんファンが作成したものである。彼は自分のWebサイトに、「僕が勝手に考えた ドラえもんの最終回(仮)」と言明し、公開していた。「ドラえもんには、藤子F不二雄先生作の最終回がちゃんとあります」とも明記していた。
当時この学生は太陽電池の研究をしており、そこから思いついたストーリーである[3]。
本人が現在、このオリジナルストーリーの作者であることを積極的に公言しているかどうかは不明である。なお、2007年1月の東京新聞・中日新聞のコラム内で、彼の氏名や現在の職業は明記されている。その他インターネット検索でも知ることはできる。
また、手塚治虫の漫画『鉄腕アトム』の番外編である『アトム今昔物語』の中で幼少時代アトムと一緒に過ごしていた貧乏な少年が、大人になって会社を創設しエネルギーが切れてしまったアトムのために私費をなげうってエネルギーチューブを購入し復活させるというエピソードがあり、この話とも関連性が見受けられる。
[編集] チェーンメール化・都市伝説化
上記オリジナルストーリーの内容は、その後チェーンメールとして広まった。
オリジナルストーリー作者は、この話がドラえもん最終話として一人歩きすることは全く望んでいなかったらしく、チェーンメール化されていることを知った彼は、自身のページに「このページの文を勝手に引用しないで下さい」「私の知らないところで話が一人歩きしていることに恐怖を覚えています」などのコメントを添えていた。さらにその後「チェーンメールはまことしやかに流布され、原作に対する権利の侵害、熱心なファンに対する冒涜であり、このような騒ぎになったのは私の責任」だとし、サイトを閉鎖した。
ただしその後もチェーンメールは真実の確認がなされぬまま流され続けた。
鈴木蘭々などのドラえもんファンのタレントが、深夜番組などで「最終回は――(のび太発明者説)なんだって」などと語ったこともあり、広範囲に流布した。一部ではこれを真の最終回だと誤解した人もいたという。
オリジナルストーリー作者は、チェーンメール化により非難を受けるなど、非常にナーバスになっていたこともあったとのことである[3]。
[編集] 矛盾点
このオリジナルストーリーには、原作の設定や後に付加された設定との矛盾点も存在する。
- ドラえもんの誕生日は2112年9月3日、しかしのび太は20世紀の人である。ただし、あくまでもドラえもんに使われている全部の技術ではなく電池を開発したに過ぎない。
- ドラえもんのエネルギーは食べたものを使う原子力エネルギーなのでバッテリー切れを起こすのはありえない(原子炉のトラブルを修理するために22世紀に飛んで帰る話『未来の町にただ一人』がある)。また、ドラえもんは1年に1回は22世紀へ行ってバッテリー交換をしているとも説明されている。
- 「2112年ドラえもん誕生」では医者が「もともと耳なんてただの飾りだからね」と公言している。
[編集] 波及
いくつかの波及が指摘される。
- 後年の美少女ゲーム『To Heart』(1997年発売)のエンディングの一つ、およびそれを原作としたアニメ『To Heart 〜Remember my Memories〜』の最終回と重なる部分が多い。
- ドラえもんのパロディーであるPCゲーム『ぱちもそ』で、EDの一つとしてこの最終回を元にしたものがある。
- ファンの手によってフラッシュムービー化されておりWebで公開されていた時期があった。これは、後述の田嶋安恵による同人誌以前に作られた。これは後に小学館よりクレームがつき公開は終了した。ただしYouTubeなど、一部のサイトで見ることができる場合もある。
- 実写映画「ジュブナイル」
- この話をヒントにして、実写映画『ジュブナイル』が製作された。これについては、監督の山崎貴のインタビューのウェブページが残されている[4]。
- 山崎は、オリジナルストーリー作者に了解を取り、「Director's Thanks」として彼の名前をクレジットした。同時に「ドラえもんあってのオリジナルストーリー」との考えから、藤子プロにも了承を得て「For Mr. Fujiko・F・Fujio」のクレジットも含めた。
- 田嶋安恵による同人誌
- 2005年末、漫画家の田嶋安恵がこの話を漫画化した物を同人誌として発行した。
- この同人誌は半年の間に同人誌では異例の1万3千部が売れるヒットとなった。『ドラえもん』の出版権を持つ小学館サイドも事態の拡大について放置出来なくなり、藤子の著作権を管理する藤子・F・不二雄プロとともに、著作権侵害にあたるとして、2006年6月に文書で警告して販売中止と回収、ネット公表の中止を要請。話し合いにより、田嶋が数百万円の売上金の一部を藤子プロに支払うとともに、在庫の破棄、二度とやらないことを誓約して謝罪することでこの問題は決着した。
詳細は「ドラえもん最終話同人誌問題」を参照
[編集] ドラえもんの最終連載作品
映画原作を除き、実際に最後に描かれた作品については以下のとおりである。なお本作は複数誌に跨って連載された作品であるため、各誌とも最終連載時期が異なる。
このうち最終期に連載された作品は、1991年5月号の作品であり、これがドラえもん通常連載の最後の作品となる。なお、通常連載終了後も各誌(基本的に映画原作以外は再録が主体だった『コロコロコミック』も含み)において再録連載は当分の間、継続した。
- 「ガラパ星から来た男」
- 通常連載終了後、連載開始25周年を記念して 『小学三年生』『小学四年生』『小学五年生』の3誌同時に1994年7月号〜9月号に集中連載された中編。また、コロコロコミックの1994年9月号では完全版としてドラえもん44.5巻という別冊付録で掲載された。完全版と称するもののコミックス45巻(最終巻。1996年5月25日初版発行)では単行本化を記念してさらに加筆されている。
- 映画原作を除き、通常連載分と本作を区別しないならば、本作が事実上最後の連載作品となる。物語はタイムマシンを効果的に利用したSF色の強い規模の大きな物語であり、映画原作にも匹敵する完成度である。むしろ劇場原作という枷がないためか、ギャグのシュールさと毒では劇場版を超えている。1999年に大晦日の特番で「未来を守れ! のび太VSアリ軍団」のタイトルでアニメ化されたが、物語が大幅にアレンジされているため、ほぼ別物となっている。
[編集] 脚注・出典
- ^ El retorno de Doraemon
- ^ ドラえもん仰天 「終わり」のうわさ一人歩き 口コミ、小・中生に 読売新聞1986年11月13日夕刊15面
- ^ a b 映画『ジュブナイル』の山崎貴監督による。
- ^ Neo Utopia 山崎貴インタビュー
[編集] 関連項目
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