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2020年1月4日 (土) 02:56時点における版
この項目には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。 |
半沢直樹 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 |
池井戸潤 2013年版 『オレたちバブル入行組』 『オレたち花のバブル組』 2020年版 『ロスジェネの逆襲』 『銀翼のイカロス』 |
脚本 |
2013年版 八津弘幸 半沢直樹II・エピソードゼロ 槌谷健 李正美 丑尾健太郎 2020年版 丑尾健太郎 |
演出 |
2013年版 福澤克雄 棚澤孝義 田中健太 半沢直樹II・エピソードゼロ 松木彩 2020年版 福澤克雄 |
出演者 |
堺雅人 上戸彩 及川光博 片岡愛之助 滝藤賢一 中島裕翔 宮川一朗太 モロ師岡 緋田康人 加藤虎ノ介 宇梶剛士 壇蜜 赤井英和 石丸幹二 吉田鋼太郎 森田順平 川原和久 手塚とおる 前川泰之 利重剛 駿河太郎 倍賞美津子 笑福亭鶴瓶 北大路欣也 香川照之 |
ナレーター | 山根基世 |
オープニング | 服部隆之「テーマ・オブ・半沢直樹 〜Main Title〜」[注 1] |
エンディング | 同上 |
時代設定 |
2013年版 1991 - 1992年(第1話冒頭) 2013年(第一部・大阪西支店編) 2014年(第二部・東京本店編) 2020年版 |
製作 | |
プロデューサー |
2013年版 伊與田英徳 飯田和孝 半沢直樹II・エピソードゼロ 宮崎陽平 2020年版 伊與田英徳 |
制作 | TBSテレビ |
放送 | |
映像形式 | HDTV 文字多重放送 番組連動データ放送 |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
公式ウェブサイト | |
2013年版 | |
放送期間 | 2013年7月7日 - 9月22日 |
放送時間 | 日曜 21:00 - 21:54 |
放送枠 | 日曜劇場 |
放送分 | 54分 |
回数 | 10話 |
公式ウェブサイト | |
半沢直樹II・エピソードゼロ ~狙われた半沢直樹のパスワード~ | |
出演者 | 吉沢亮 今田美桜 吉沢悠 井上芳雄 北村匠海 尾上松也 緒形直人 |
放送期間 | 2020年1月3日 |
放送時間 | 金曜 23:15 - 24:45 |
放送分 | 90分 |
回数 | 1話 |
公式ウェブサイト | |
2020年版 | |
放送期間 | 2020年4月 -〈予定〉 |
放送時間 | 日曜 21:00 - 21:54 |
放送枠 | 日曜劇場 |
放送分 | 54分 |
特記事項: 2013年版 初回は54分拡大(21:00 - 22:48)。 第3話は15分拡大(21:00 - 22:09)。 第6話・最終話は25分拡大(21:00 - 22:19)。 第8話は前番組のバレーボール中継延長のため、5分繰り下げ(21:05 - 21:59)。 第9話は10分拡大(21:00 - 22:04)。 2020年版 |
『半沢直樹』(はんざわなおき)は、TBSテレビ系「日曜劇場」枠で放送された、池井戸潤の小説「半沢直樹シリーズ」を原作としたテレビドラマである。主演は堺雅人。
2013年7月7日から9月22日まで、『オレたちバブル入行組』をベースとする第一部・大阪西支店編と、『オレたち花のバブル組』をベースとする第二部・東京本店編の前後編二部構成[1]・全10話が放送された。
2020年4月からは同じく「日曜劇場」で、『ロスジェネの逆襲』と『銀翼のイカロス』を原作にした続編が放送予定[2]。それに先駆けて、1月3日には吉沢亮主演のスペシャルドラマ『半沢直樹II・エピソードゼロ~狙われた半沢直樹のパスワード~』が放送された[3][4]。
キャッチコピーは「やられたらやり返す、倍返しだ!!」「クソ上司め、覚えていやがれ!」。
概要
原作では、共通の主人公が登場する連続した作品で各巻ごとに異なる書名を用いているが、テレビドラマの放送途中でタイトルが変わるのは好ましくないという判断から、統一タイトルに変更された[5]。また、主人公の生き様に焦点を当てるという意図から、主人公の名前を表題としている[5]。
本作は、銀行内部での不正を扱ったフィクション作品であり、一般的には視聴率を取りにくい「経済ドラマ」というジャンルである。銀行という男性の世界を舞台にしており、「わかりやすく視聴率を取れるキャラクターが少ない」「女性の登場人物も少ない」「目立った恋愛シーンも無し」「主題歌や挿入歌といったテーマソングも無し」というないない尽くしの作品で、本作以前のテレビドラマ業界の常識に逆行するものであった[6]。制作サイドとしては、主な視聴層を30代以上の男性と想定し、12 - 13%から徐々に視聴率を上げて最終話で20%、平均視聴率15%くらいが取れれば、それで良いと考えていたという[6]。
しかし、実力派俳優陣による骨太の演技、わかりやすい主人公と敵、チャンバラを思わせるアクションシーン、リアルかつ時代劇調の脚本・演出、現代社会のサラリーマンのテーマでもある「本当は上司に言いたい!」といった心理を如実に映し出した内容が支持され、第1話から19.4%という高視聴率を獲得。その後も着実に視聴率は右肩上がりを続け、実際には女性から未成年層まで幅広い視聴層からの支持を得て、2013年夏クールのドラマで最も大きな反響を得た[6]。
最終話の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム、以下同じ)は42.2%を記録し、同枠の『ビューティフルライフ』(41.3%)を抜いて歴代第2位[注 2]となり、平成の民放テレビドラマ史上第1位となった。また視聴率調査が現在のミノル・メーター方式となった1977年9月26日以降でも、『積木くずし』の45.3%、『水戸黄門 第9部』の43.7%に次ぐ民放テレビドラマ史上第3位の視聴率となった。瞬間最高視聴率は午後10時17分に記録された46.7%である[7]。2013年の年間視聴率ランキングでは、同年大晦日に第64回NHK紅白歌合戦の後半戦が平均視聴率44.5%を記録するまで同年の全テレビ番組の平均視聴率首位だった[8]。
監督もプロデューサーも、ここまでの人気を得られるとは考えていなかったという[6]。テレビの常識がいかに適当だったか、マーケティングというものがいかにアテにならないかということを痛感したとしている[6]。またTBSテレビの福澤克雄は「(番組の)実力以上に周りが大騒ぎになった」「子どもたちにまで見ていただいた」とも語っている[9]。
テレビドラマ版において主人公の決め台詞として多用された「倍返しだ!」[注 3]というフレーズは視聴者の間で話題となり、メディアでも盛んに引用されるなど流行語にもなっている[6][5]。2013年版の結末はクリフハンガーという海外ドラマ定番の手法であり、主に続編が内定している作品で取られるものである[10]。
ストーリー
2013年版
第一部・大阪西支店編
半沢直樹は、「上を目指す」と公言する有能な銀行マン。半沢がバンカーとして頭取を目指すことには、ある理由があった。かつて彼の両親が経営していた工場が傾いたことで産業中央銀行に融資を引き揚げられ、追い詰められた父親が自殺したという過去があり、亡き父親のためにも銀行を変えようという信念を持っていたからだ。
半沢が入行した産業中央銀行は2002年に東京第一銀行との合併を経て、世界第三位のメガバンク・東京中央銀行となる。しかし上層部では、旧産業中央派と旧東京第一派での醜い派閥争いが繰り広げられていた。
ある日、半沢が融資課課長として勤める東京中央銀行大阪西支店で、名誉ある最優良店舗賞の受賞を目指す支店長の浅野から、これまで取引のなかった「西大阪スチール」への融資話が持ち上がる。半沢は十分な審査をしようとするが時間を与えられず、浅野の鶴の一声で「無担保で5億円の融資」が決定し実行され、彼の目的通り大阪西支店は目標額を達成し最優良店舗の称号を獲得することとなった。しかしその後、優良企業と思われていた西大阪スチールは粉飾決算が発覚し倒産。社長・東田は雲隠れし、融資された5億が焦げ付く事態に陥る。
更に半沢は同期入行で東京本部勤務の渡真利からの情報で、浅野支店長が上層部に根回しを行い、5億の融資事故の責任を融資課長である自分に全てなすりつけて事態を収拾しようと画策していることを知る。一週間後の聞き取り調査までに雲隠れした社長の東田を見つけなければ、半沢は関連会社に島流し、すなわち出向させられ銀行員にとっての終わりを迎えてしまう。
そんな中、大阪西支店に国税局の黒崎による支店査察が入る。これに疑念を抱いた半沢は、コピー機に仕掛けたハードディスクの保持データを調べ、その結果国税局も脱税で西大阪スチールを調べていることを知り、まだ回収できる「隠し資産」が10億円以上あると確信する。さらに元経理課長から裏帳簿を入手し、東田の居場所を突き止め彼に詰め寄るが、東田の愛人・未樹の不意打ちを受けて取り逃がしてしまう。
そして東京本部での聞き取り調査の日。浅野支店長の息のかかった人事部次長らに厳しく責任を追及される半沢は、葛藤の末に浅野支店長との徹底抗戦を決断。次長らに喧嘩腰で応対した挙げ句、啖呵を切って言い放つ。
「私は必ず5億を回収する!二度と邪魔しないで頂きたい!」
第二部・東京本店編
西大阪スチールの案件における活躍で、半沢が東京中央銀行本部・営業第二部次長に栄転し、1年が経過しようとしていた。半沢は営業第二部のエースとして、数十人の部下達を現場で取り仕切り、自ら最前線で活躍していた。
そして金融庁検査を二週間後に控えた最中の東京中央銀行で、大口取引先であり最近200億円の融資がなされた伊勢島ホテルが、実は株の運用失敗により新たに120億円もの損失を出していたことが判明。経営再建のため中野渡頭取は伊勢島ホテル社長・湯浅からの依頼で、半沢をホテルの担当に任命する。もし伊勢島ホテルの経営再建案が金融庁に認められなければ1000億円以上という莫大な引当金の確保が求められることになり、東京中央銀行の経営に大きく影響する事態となる。
しかし、今の段階で融資した200億を引き上げると伊勢島ホテルの経営破綻が懸念されたため、取締役会において200億の引き上げはせず、なんとしても伊勢島ホテルの経営を再建をすることに決定した。しかし、株の運用失敗による巨額の損失を出した張本人である伊勢島ホテルの女性専務・羽根夏子は、なぜか東京中央銀行へ非協力的であった。
実はその裏で、120億の損失を銀行に告発した経理課長の戸越を解雇しており、さらに大和田常務と組んで社長をも失脚させ、自分がトップの座を奪おうと暗躍していたのだ。一方、湯浅社長は経営再建に奔走しており、伊勢島ホテルの件を任された半沢との面会では経営改善の決意を表明する。
そんな中、メインバンクである東京中央銀行への戸越の告発を揉み消したのが、京橋支店支店長・貝瀬であることが判明する。京橋支店の歴代の支店長には、大和田とその部下である岸川といった旧産業中央派が歴任している。不正の疑いの濃い大和田に対して、半沢はバンカーの誇りを持って言い放つ。
「私は担当として、どんなことをしてでも伊勢島ホテルを守ります!」
2020年版
金融機関
- 産業中央銀行
- 主人公の半沢が就職した銀行であり、同期の渡真利と近藤、大和田常務、岸川部長、浅野支店長、貝瀬支店長らもこの銀行の出身者である。バブル崩壊後、多額の不良債権(2兆900億円)を抱え、生き残るために2002年に東京第一銀行との合併を実行する。
- 産業中央銀行時代の支店は現在も産業中央銀行出身者が占めている。
- 東京第一銀行
- 東京中央銀行の中野渡頭取、専務取締役の高木らが在籍していた銀行であり、2002年に巨額の不良債権を抱えた産業中央銀行との合併を実行する。
- 東京中央銀行
- 東京に本部を置くメガバンク第三位の大手銀行。日本三大銀行の一つ。2002年に東京第一銀行と産業中央銀行が合併して誕生した。
- 旧東京第一銀行と旧産業中央銀行の派閥争いが絶えず、部署ごとに銀行派閥の名残りがある。
- 頭取は旧東京第一銀行出身[注 4]の中野渡。
- 白水銀行
- 東京に本部を置くメガバンク。日本三大銀行の一つ。東京中央銀行よりも情報力は少ないものの、優良銀行である。
- 半沢と渡真利の大学時代の同級生の油山が本部融資部次長を務めている。
- 大同銀行
- 東京に本部を置くメガバンク。日本三大銀行の一つ。金融庁検査局検査官だった黒崎に破綻まで追い込まれる。
- ニューヨーク・ハーバー・信託銀行
- アメリカ・ニューヨークに本部を置く世界最大の銀行。東京に支店がある。他の銀行と合併する度にロゴマークが変わる。第一部で登場。西大阪スチール社長・東田満の口座があり、自分の口座をスマホで確認できる。渡真利曰く、プライベートの金融資産が10億円以上でないと口座開設ができない。
- モデルはバンク・オブ・ニューヨーク・メロン。
- 関西シティ銀行
- 第一部で登場。関西圏における第二地方銀行である。マキノ精機への融資を止めていた。東田名義の個人口座と東田の愛人である藤沢未樹名義の個人口座、東京中央銀行大阪西支店支店長の浅野匡名義の個人口座があり、彼らはこの銀行で不正な金のやり取りを行っていた。
- モデルは関西アーバン銀行。
- 内海信用金庫
- 石川県金沢市に本店を構える信用金庫。半沢が中学時代の頃、父の慎之助が営む半沢ネジの融資を打ち切った産業中央銀行に代わり、半沢ネジの技術を買い融資を行った。
キャスト
名前の読みや人物描写は原作及び公式サイト相関図および放送に基づく。
主人公と親友
- 半沢直樹(はんざわ なおき)
- 演 - 堺雅人(少年期:中島凱斗)
- 金沢市立線西小学校
- → 金沢市立線山中学校
- → 石川県立金沢星条高校
- → 慶應義塾大学経済学部
- → 産業中央銀行本部営業第四部調査役
- → 東京中央銀行大阪西支店融資課長(2013年版第1話 - 第5話)
- → 同行本部営業第二部次長(2013年版第6話 - 最終話)
- → 東京セントラル証券出向 営業企画部長
- 旧産業中央銀行出身。1970年12月8日生まれ[注 5]。石川県金沢市出身。慶應義塾大学体育会剣道部。
- 本作の主人公。1992年[15]、産業中央銀行に入行する。「やられたらやり返す。倍返しだ!」[注 3]をモットーとし、曲がったことを誰よりも嫌う。それ故に上司の反感を買ってしまうことが多いが、部下からの信頼は厚い。常に亡き父親・慎之助が作ったネジを形見のように携帯している。
- 東京第一銀行との合併を経て、物語が始まる2年前に大阪西支店の融資課長に着任。部下たちと仕事に邁進していたが、西大阪スチールの一件から浅野の策略を知り、徹底抗戦の末、彼の不正を見逃す引き換えとして東京本部営業第二部への栄転を果たした。 栄転後は、父親を自殺に追いやった大和田常務と伊勢島ホテルの経営再建問題を発端に衝突し、取締役会で大和田への100倍返しに成功。その目覚ましい功績から昇進間違いなしと思われていたが、中野渡頭取から東京セントラル証券への出向を命じられてしまう。
- 愛車は銀色のトヨタ・ヴァンガード。
- 渡真利忍(とまり しのぶ)
- 演 - 及川光博
- 慶應義塾大学経済学部
- → 産業中央銀行
- → 東京中央銀行本部融資部融資課調査役(2013年版)
- 旧産業中央銀行出身。
- 1992年[15]、産業中央銀行に入行する。「人事が全て」と公言するほどの情報通[注 6]。入行当時はプロジェクト・ファイナンス志望だった。非常にクールで整然とした物言いをしていたが、半沢が東京本店に栄転してからは直接会う機会が多くなり、伊勢島ホテルの一件もあって、かつての熱い情熱が再燃してきている[注 7]。自らの豊富な人脈と情報網で、大和田派に関する貴重な情報や、行内の動向を収集しており、同期の友人である半沢と近藤を常にサポートしている。
- 近藤直弼(こんどう なおすけ)
- 演 - 滝藤賢一
- 慶應義塾大学商学部
- → 産業中央銀行融資部調査役
- → 東京中央銀行秋葉原東口支店融資課長代理
- → 休職
- → 同行大阪本店システム課長補佐(2013年版第1話)
- → 同行人事部付
- → タミヤ電機出向 経理部長(2013年版第6話 - 第9話)
- → 東京中央銀行本部広報部調査役(2013年版最終話)
- 旧産業中央銀行出身。慶應義塾大学体育会剣道部。
- 1992年[15]、産業中央銀行に入行する。半沢とは大学以来の同じ剣道仲間。半沢、渡真利よりもトップクラスで出世したが秋葉原東口支店時代の上司・小木曽支店長から融資ノルマ達成の極度のストレスを与え続けられた結果、統合失調症を患い、半年間休職する。
- その後、出向先でも当初は銀行の融資を得るための道具として扱われ、再び精神を病みそうになったが、直樹との剣道の手合わせなどを通じ本来の自分を取り戻し、職場での自分の地位の確立に成功。しかし今度は業務の過程で会社の粉飾に気付いてしまい、会社の浄化のため社長や部下の経理課長と対立する事になる。このため、一時は会社中から疎まれた挙げ句、別の会社へ出向させられる危機を迎えたが、粘り強く社長と経理課長を説得させた末、大和田常務指導による迂回融資を突き止めて会社の浄化に成功し、半沢に大和田への強力な攻撃材料を与える事になった。しかし、それを阻止しようとする大和田の「本部復帰を条件に迂回融資に関するタミヤ電機社長の証言などの資料を渡す」という取引を家族などの事を考えた末に受け入れてしまった。翌日、近藤は半沢に詫び、半沢達も彼の家族達の事を考えた行動に理解を示し不問とした。その後は大和田の失脚を狙う半沢達と共に大和田を追い込む資料集めに奔走する。
半沢家
- 半沢花(はんざわ はな)
- 演 - 上戸彩
- ヒロイン。直樹の妻で専業主婦。非常に夫思いでその言葉が直樹の心の救いや、仕事上の問題解決のヒントにもなっている。結婚前はフラワーアレンジメントの仕事をしていた。銀行での夫の立場が悪くならないよう、気の進まない社宅での奥様会にも気を使いながら参加している。
- 半沢隆博(はんざわ たかひろ)
- 演 - 二宮慶多
- 直樹と花の息子。幼稚園児。第一部において家族で住んでいた大阪では、銀行での融資事故により父親の直樹の立場が悪くなったことが原因で、同級生から父を馬鹿にされ喧嘩を起こしていた。
- 半沢慎之助(はんざわ しんのすけ)
- 演 - 笑福亭鶴瓶
- 直樹の父親。夫婦で金沢にて「半沢ネジ」というネジ工場を経営していたが、直樹が中学生の時、取引の半分を占めていた駒田工業が倒産し、見切りを付けた産業中央銀行から融資を打ち切られたことで絶望。後に内海信用金庫から融資の話が来る前に首吊り自殺する。「人と人とのつながりを大切にし、ロボットみたいな仕事だけはしてはいけない」という言葉を直樹に遺す。
- 半沢美千子(はんざわ みちこ)
- 演 - りりィ
- 直樹の母親。内海信用金庫から融資を受けて半沢ネジの倒産を回避し、夫が遺した樹脂製ネジの事業を軌道に乗せる。会社を継がなかった息子に代わって、工場を切り盛りしている。第二章では息子を連れて実家を訪れた花に、自身の夫で直樹の父親である慎之助を自殺に追い込んだ張本人が大和田であることを話す。
東京中央銀行
本社を置くのは、2002年に東京第一銀行と産業中央銀行を合併した際の産業中央銀行東京本部庁舎である。
取締役会・執行役員会
- 中野渡謙(なかのわたり けん)
- 演 - 北大路欣也(特別出演)
- 東京第一銀行
- → 東京中央銀行頭取
- 旧東京第一銀行出身[注 8]。「人」を大切にすることに重きを置いている[注 9]。
- 第二部では、伊勢島ホテルの一件で湯浅社長からの要望もあり、先の大阪西支店での融資事故を解決した半沢を伊勢島ホテルの担当に指名した。
- 半沢の追及によって反中野渡派の代表格であった大和田常務の不正が明らかになるが、あえて大和田を軽い処分で済ませ、敵であった大和田とその派閥を逆に自らの勢力に取り込むことに成功する。
- 大和田暁(おおわだ あきら)
- 演 - 香川照之
- 港区立赤坂旭丘小学校
- → 都立金城中学校
- → 私立帝都麻布台高校
- → 東京大学法学部
- → 産業中央銀行金沢支店融資課行員
- → 東京中央銀行京橋支店長
- → 同行常務取締役(2013年版)
- → 同行取締役(2013年版最終話)
- 旧産業中央銀行出身[注 10]。1957年8月12日生まれ。東京都港区出身。現在は東京都大田区久が原在住。
- 最年少で常務取締役に抜擢された出世頭。派閥意識が強く、駆け引きに長けているが常に冷静で、これまで目にかけてきた部下であっても切り捨てる時は容赦がない。かつて半沢ネジへの融資の打ち切りを宣告し、慎之助が自殺するきっかけを作った張本人であり、更にそれは半沢ネジの取引先だった駒田工業倒産の損失を避けるため、わざと彼に情報を伝えず自宅を担保にさせるよう仕向けるための策略であった。大和田派の浅野が支店長を務める大阪西支店で起こった5億の融資事故の報告を受けてその過程で半沢の存在を知り、「旧産業中央銀行出身の優秀な男」として彼に興味を持ち、5億の回収に奔走する半沢を庇う働きを見せた[注 11]。そして半沢が最終的に5億の回収に成功したため、彼の脅しを受けた支店長の浅野からの依頼で半沢を東京本部第二営業部の次長として栄転させ[注 12]、後に半沢を自分の派閥に取り込むべく彼に誘いまで掛けていた。
- その一方で、旧東京第一銀行出身の現頭取である中野渡を追い落として次期頭取となる目論みの為、伊勢島ホテルの羽根専務と結託してホテルに不正融資を実行させ、金融庁検査を間近に控えた東京中央銀行に200億もの損失が出るよう仕組んだ。しかし同時に、頭取からの指名で伊勢島ホテルの担当となり、その不正の事実を嗅ぎ付けた半沢から宣戦布告されたことで遂に彼と敵対。金融庁検査を乗り切ることを名目に羽根専務をホテルの社長にして、それに反対する担当の半沢を更迭・出向することで彼を担当に任命した中野渡頭取も引責失脚させる策略を巡らすが、半沢の尽力により伊勢島ホテルの経営再建が成功したことで失敗。更には近藤の働き掛けにより、自身が彼の出向先であるタミヤ電機を利用して妻の貴子が経営する会社へ迂回融資していた件の証言を取られ一時は窮地に陥るが、それを伏せるため事前に近藤と接触し、タミヤ電機社長の迂回融資に関する証言の報告書を自分に渡すことを条件[注 13]に、東京中央銀行の希望するポストに戻すという提案で懐柔した[注 14]。しかし、取締役会での半沢の追及と岸川の土壇場での裏切りによって、難題となっていた伊勢島ホテルへの融資問題の黒幕だったことが露見したばかりか、タミヤ電機を通じて迂回融資していた事実まで明らかになってしまう。更には、第6話で交わしていた約束を理由に半沢から土下座するよう迫られ、取締役たちの前で部下である彼に土下座をした。
- 不正が露見したことで、重く厳しい処分が待っているものと思われたが[注 15]、中野渡から言い渡された処分は、平取締役への降格という異例の軽さであった。行内融和を目指す中野渡が、旧産業中央銀行系の有力派閥のトップである大和田に恩を着せて、大和田派を自らの勢力に取り込むために手心を加えたのだろうと見られ、これによって二度と中野渡頭取に逆らえなくなった。
- 愛車は紺色のトヨタ・クラウンマジェスタ(210系)。
- 高木役員(たかぎ)
- 演 - 志垣太郎[16]
- 東京中央銀行執行役員。中野渡派。
- 岸川慎吾(きしかわ しんご)
- 演 - 森田順平
- 産業中央銀行
- → 東京中央銀行京橋支店支店長
- → 同行取締役業務統括部長
- → 出向
- 旧産業中央銀行出身[注 16]。大和田派の筆頭。これまでに大和田に付き従い彼の不正にも加担しており、第二部においても大和田と共に半沢を陥れようとしていた。しかし、岸川の娘の婚約相手が金融庁の黒崎であり、そのことを嗅ぎ付けた半沢から、不正行為を行内及びマスコミにもリークすると脅され、それが嫌ならば「銀行員の良心」に従って大和田の不正を明日の取締役会で証言するよう要請される。
- 取締役会では大和田に圧力をかけられ傾きかけるが、半沢に前述の件で威圧され、結局は大和田の不正を追及した半沢の報告書に間違いがないことを証言。更にはそれにより自分を切り捨てようとした大和田に反抗し、今までの胸の内を吐露し泣き崩れてしまう。その後、詰め腹を切らされる形で出向させられる。
- 高木専務(たかぎ)
- 演 - 三浦浩一
- 東京第一銀行
- → 東京中央銀行専務取締役
- 旧東京第一銀行出身。中野渡派を自認している。
- 取締役会では大和田、岸川、旧産業中央銀行出身者を下に見ている節がある。
人事部
- 東京中央銀行の中のエリートコースで大阪西支店長の浅野が部長代理を務めた部署である。
- 小木曽忠生(おぎそ ただお)
- 演 - 緋田康人
- 産業中央銀行
- → 東京中央銀行秋葉原東口支店長
- → 同行人事部次長(2013年版第1話 - 第3話)
- → 出向
- 旧産業中央銀行出身。
- 陰湿かつ粘着質な性格で、激しく机を叩きながら相手を叱責するパワハラの常習犯。秋葉原東口支店長時代に当時融資課長代理だった近藤を融資ノルマ達成の圧力による心労からの休職に追い込んだ張本人でもある。元上司の浅野に肩入れし、第一部において反抗的な態度を取る半沢を転落させるために様々な嫌がらせを仕掛ける。
- 浅野と共に大阪西支店の裁量臨店を計画し、初日に半沢らが用意した資料を次々と不正に抜き取り、書類に不備があるように仕組んで糾弾した。しかし臨店の最終日、半沢の対抗策と渡真利の機転のきいた芝居で、抜き取った資料を自分の鞄の中に隠し持っていたことを突き止められる。それでも自らの不正を認めず言い逃れようとするが、中西の告白と証拠の録音で不正が明白となり敗北。その後左遷扱いで出向させられた。
法務部
銀行の法務・司法担当部署。
- 大田(おおた)
- 演 - 長谷川公彦[17]
- 法務部長。半沢の意を受けた渡真利の要請によりハワイのオアフ島にある東田の別荘の差し押さえを行ったが、黒崎から自分の息子が経営する飲食店に関する弱みを突かれ、大阪国税局査察部に別荘を譲ってしまう。
東京本部営業第二部
- 内藤寛(ないとう ひろし)
- 演 - 吉田鋼太郎
- 東京中央銀行営業第二部長
- 第二部での半沢の上司であり、部下である半沢の能力を認め信頼している一方[注 17]、上層部からの不条理な指令も必要と判断した時には受け入れ、渋る半沢を説得するなど、バランス感覚にも秀でる[注 18]。本作品で唯一まともな上司として描かれている。
- 小野寺順治(おのでら じゅんじ)
- 演 - 牧田哲也
- 半沢を尊敬している。半沢からの信頼も厚く、共に伊勢島ホテルを担当する。
- 坂本新之助(さかもと しんのすけ)
- 演 - 岡山天音
- 素直な性格で、半沢からも目を掛けられている。
融資本部・融資部
- 東京中央銀行の融資中枢部署である。支店が企業に融資をするために審議などをする部署である。また、同期の渡真利も調査役として勤務している。
- 定岡崇之(さだおか たかゆき)
- 演 - 小須田康人
- 産業中央銀行
- → 東京中央銀行融資部審査役
- 旧産業中央銀行出身。浅野の元部下。第一部で小木曽と共に半沢を5億の融資事故の件で責め立てるも、ことごとく論破され悔しがった。
- 倉島健太
- 演 - 吉永秀平
- 東京第一銀行
- → 東京中央銀行融資部融資課調査役
- → 地方企業出向
- 旧東京第一銀行出身。中野渡派の中堅行員。
- 問題を起こし、大和田派に与みしていないこともあり関連企業への出向が決まるが、大和田に土下座をして処分取り消しを嘆願する。
- 川原敏夫
- 演 - 井上肇
- 融資部融資課調査役。
- 西大阪スチールに5億円の融資審査を半沢から依頼される。
- 灰田雅樹
- 演 - 加藤虎ノ介
- 融資部融資課臨店係 調査役
- 大和田派で、小木曽の腰巾着。半沢を潰すために浅野・小木曽が仕掛けた裁量臨店の検査役を務め、小木曽と共に半沢ら大阪西支店融資課のメンバーを徹底的に罵倒した。しかし、異常に気がついた半沢らが持ち物検査をおこなった際に、いかがわしい雑誌が発見され、大阪出張を利用して風俗店で遊興していた可能性を暴露される羽目になった。更には小木曽の不正が発覚したことで立場を失い、半沢にこれまでの非礼を謝罪するよう迫られ、渋々謝罪した。
- 寺内健太郎
- 演 - 松永博史
- 融資部融資課臨店係 調査役
- 中立派で、灰田や加納ほど露骨ではないが、小木曽の意に沿う立場。急に決定した大阪西支店の裁量臨店の検査を担当した。
- 加納正明
- 演 - 西沢仁太
- 融資部融資課臨店係 調査役
- 中立派だが、小木曽の言いなり同然の立場。急に決定した大阪西支店の裁量臨店の検査を担当した。
- 福山啓次郎(ふくやま けいじろう)
- 演 - 山田純大
- 融資部次長
- 第二部で登場。データが全てと公言する合理主義者で、以前「MOF担」だったことがあり、金融庁にパイプを持っている。他人の顔を一切見ずに横柄な口調を飛ばす性格で、常にタブレットPCを持ち歩き、情報処理に長けている。大和田派のホープとまで呼ばれており、半沢に代わる伊勢島ホテルの担当に大和田と岸川から指名されるが、内藤が半沢の更迭に反対したため、大和田の発案により行われた模擬金融庁検査で自身と半沢どちらが担当として適正かを見極められることとなる。
- その模擬検査では検査官役を務め、伊勢島ホテルの経営状況から湯浅社長の能力を疑問視し、「経営は人で決まる」という持論とデータで大和田の目論みである湯浅社長の辞任と羽根専務の社長昇格を主張。一時は半沢を追い詰めたかに見えたが、逆に半沢から羽根どころか湯浅にも会っていないことを見破られ、その弁解で岸川の意見を聞いて判断したと主張したことが仇となり、己の持論と行動の矛盾を突かれ敗北。その無様な負け姿をさらしたため大和田からも見限られてしまった。その後、岸川の命令で偽の疎開資料を作り東京中央銀行を危機に陥れようとするも、それを知った半沢に脅されて事実を吐かされた。
法人部
- 法人部は、旧東京第一銀行出身者が占める旧東京第一銀行の巣窟。
- 時枝孝弘(ときえだ たかひろ)
- 演 - 髙橋洋
- 東京第一銀行
- → 東京中央銀行法人部調査役
- → 名古屋の企業へ出向
- 旧東京第一銀行出身。半沢とは同期入行。
- 半沢が担当する約3か月前に伊勢島ホテルを受け持ったが、前任の古里から意図的に不十分な情報しか与えられず、その後明らかになった伊勢島ホテルの資金運用失敗に伴う莫大な損失の責任を一身に負わされる形で出向させられてしまう。
大阪西支店
大阪西支店は旧産業中央銀行系の支店で、融資高は全国でもトップクラスを誇る。関西圏に50店舗ある銀行の一つであり、関西地区四大店舗 (大阪本店・難波支店・千日前支店・大阪西支店) の一つでもある。支店の所在地は関西のターミナル梅田にある阪急梅田ビル内にある。
- 浅野匡(あさの ただす)
- 演 - 石丸幹二
- 港区立白銀北小学校
- → 大阪市立梅田第一中学校
- → 大阪府立光曜高校
- → 東京大学経済学部
- → 産業中央銀行
- → 東京中央銀行人事部長代理
- → 同行大阪西支店長(2013年版第1話 - 第5話)
- → レイエス工機マニラ中央工場へ出向
- 旧産業中央銀行出身。東京都港区出身。西大阪スチールの東田社長は中学時代の同級生。
- 大阪西支店において、部下である半沢に対しては殊の他高圧的で傲慢な態度を取り[注 19]、派閥の長である大和田には低姿勢で接する。中学時代の同級生である東田と結託して西大阪スチールに5億の融資を騙し取られるよう仕組み、更にはその見返りとして融資した5億の内の5千万もの金を東田から受け取るという不正を働いた[注 20]。そして後に融資事故の件が知れ渡った際、最初は支店のために融資事故の責任を融資課長として全て背負うよう半沢に説得口調で頼んだが、彼がそれに反発したため敵対。それ以降は行内で根回しするなどして半沢に様々な圧力をかけるようになり彼を出向に追い込もうとするが、藤沢未樹を味方につけた半沢が東田の隠し資産を探し当て見事に5億を回収、同時に不正の証拠を握られたことで形勢が逆転。刑事告発も辞さない構えの半沢により、家庭や仕事上の立場まで崩壊寸前に追い込まれるが、その場へ来て事態を察した妻の利恵が半沢に懇願したことで、彼から不正の件を見逃してもらう代わりに自分と部下を希望の部署へ異動させるという条件を提示されてそれを受け入れた。そして第1話で交わしていた約束通り、半沢に土下座をして詫びた。その後、取引に従い半沢ら融資課メンバー全員を希望の部署へ異動させたが、最終的には大和田にも切り捨てられる形で、出向取り消しとなった半沢の代わりとしてマニラの零細企業へ出向させられた。
- この一連の裏には株取引の失敗で重ねた5千万もの借金を返済する目的があり、これが東田との結託と全ての不始末を自分に従わない半沢に被せるという陰謀の根本だった。
- 本部では長年人事畑出身で部長代理時代には小木曽や定岡が部下であり、5億の融資事故に裁量臨店を仕掛けたりするなど人事権を持つ力は支店長になっても衰えていない様子。
- 家族に妻・利恵や2人の娘、息子がいる。大阪西支店長時代は妻子を東京に残しての単身赴任だった。出向が決まった後、妻にはまた一緒に暮らせてホッとしていると打ち明けられた。
- 江島浩(えじま ひろし)
- 演 - 宮川一朗太
- 産業中央銀行
- → 東京中央銀行大阪西支店副支店長(2013年版)
- 旧産業中央銀行出身。浅野支店長の腰巾着にして「虎の威を借る狐」を地で行く男で浅野の顔色を伺いつつ部下たちには横暴な態度を取り威張り散らしている。上司である自分達に常に反抗的な半沢を快く思っておらず、西大阪スチールの融資事故の件で5億の回収に奔走する半沢を、浅野の意を汲んで妨害していた。浅野が出向になったのに伴い、次の支店長に自分が就くと思い込んでいたが、結局は他から来た新支店長の就任が決定したことであえなく撃沈した。
- 中西英治(なかにし えいじ)
- 演 - 中島裕翔(Hey! Say! JUMP)
- 東京中央銀行大阪西支店融資課(2013年版第1話 - 第5話)
- → 同行難波支店融資課主任待遇
- 入行2年目の若手行員。まだまだ新人であるが正義を貫く半沢を尊敬し慕っており、浅野と小木曽が仕組んだ裁量臨店の場では、半沢を陥れるための小木曽の不正を目撃したことを、小木曽の脅しに屈さず証言した。
- 浅野の失脚後、半沢が彼に突き付けていた条件により、希望していた関西地区最大規模の難波支店へ主任待遇で異動となった。
- 垣内(かきうち)
- 演 - 須田邦裕
- 東京中央銀行大阪西支店融資課(2013年版第1話 - 第5話)
- → 同行ニューヨーク支店融資課
- 当初は浅野からの指示で半沢の行動を監視していたが、結局は尊敬する半沢を裏切ることは出来ず、途中で浅野の命令を辞退した。
- 浅野の失脚後、半沢が彼に突き付けていた条件により、かねてからの希望だったニューヨーク支店へ異動した。
- 角田(かくた)
- 演 - モロ師岡
- 産業中央銀行
- → 東京中央銀行大阪西支店融資課(2013年版第1話 - 第5話)
- → 同行大阪西支店融資課長
- 旧産業中央銀行出身。課内の良きまとめ役であり、半沢にとっては唯一の年上の部下[注 21]。出世よりも地元に一生根付いていこうと決めている。
- 浅野の失脚後、半沢が彼に突き付けていた条件により、自身だけは大阪西支店に残って半沢の後任として融資課長の座に就いた。
- 山村(やまむら)
- 演 - 小林徹[18]
- 大阪西支店業務課為替担当
- 東田の個人口座から東亜細亜リゾートへの5千万円の振込依頼書を発見し、中西に知らせた。国税が二回目の調査に来た際、半沢が保管庫に先回りし振込依頼書の原本を抜き取ったため、とばっちりを食う形で江島から管理の杜撰さを叱責された。
- 松下(まつした)
- 演 - 森山米次
- 大阪西支店庶務
- 店の警備員。元技術者。国税が査察に入った際、半沢の指示でコピー機の内部に外付けハードディスクを取り付け、秘密裏に本体データとの同期を図る。結果、データの確保に成功し、国税が西大阪スチールを調査していることを突きとめることになった。
京橋支店
- 旧産業中央銀行出身が歴代支店長に名を連ねる支店であり、戸越曰く「東京中央銀行の闇の中枢」である。貝瀬支店長の前任者は岸川取締役。岸川取締役の前任者は大和田常務である。
- 貝瀬郁夫(かいせ いくお)
- 演 - 川原和久
- 産業中央銀行
- → 東京中央銀行京橋支店長
- 旧産業中央銀行出身。大和田派に属する。かなりの見栄っ張りでプライドが高い性格。
- 戸越の内部告発を受けた古里から伊勢島ホテルの120億円損失の件を知らされるが、大和田の指示によりそれを黙殺してホテルへの不正融資を実行させるよう仕向けた。後にその証拠である古里からの報告書を掴んだ半沢らから事実を追及されるも、自身の証言が簡単に否定されることと金融庁検査の最中であることを理由に証言しようとはせず、後にそれを知った大和田からも見放され責任を負わされることとなった。
- 古里則夫(こざと のりお)
- 演 - 手塚とおる
- 産業中央銀行
- → 東京中央銀行京橋支店第一融資部融資課 課長代理
- 旧産業中央銀行出身。
- 上司の顔色ばかり伺い、常に相手に対して高慢な態度でものを言うが、自身の立場が悪くなると一転して低頭になる小心者。わざと不十分な引き継ぎをして時枝を罠にはめて出向に追い込んだ上、近藤のタミヤ電機への融資依頼に難癖をつけて拒絶し、小木曽同様に彼をいびって精神崩壊寸前にまで追い詰めていた。しかし半沢の策略で、戸越により伝えられた伊勢島ホテルの120億円損失の件を支店長の貝瀬が無視し、自身もそれを黙認した証拠を戸越の協力を得た半沢と近藤に握られあっさり屈服。そして半沢らが損失に関する内部告発の報告書を手に入れる過程で強引に協力させられる羽目になる。更にその直後タミヤ電機の融資の件でも、即刻稟議を通すようにという彼の命令に従わざるを得なくなった。
- その後、半沢と渡真利が貝瀬を問い詰めに京橋支店に乗り込んできたため、半沢に協力したことが貝瀬に知られてしまい、半沢達が支店を去っていくシーンの後ろで呼び出しを喰らっていた。
- 羽出(はで)
- 演 - 骨川道夫[19]
- 産業中央銀行
- → 東京中央銀行京橋支店第一融資部融資課長
- 旧産業中央銀行出身。京橋支店の金庫室の暗証番号を週交代で管理する担当課長の一人で、貝瀬と共に金庫室の疎開資料を運び出した。暗証番号のメモを自分のデスクの裏側に貼り付けている[注 22]。
奥様会(第一部)
- 江島沙苗(えじま さなえ)
- 演 - 田中美奈子
- 江島副支店長夫人。夫同様に傲慢で、副支店長夫人であることを鼻にかけている。社宅のリーダー的存在で、ことあるごとに夫人会を開催している。半沢の妻・花を見下し、あからさまに嫌っている。タロット占いを好み、社員の転勤を言い当てると評判だが、実は内部情報で社員の出向を知った上で、あたかも占いの結果かのように言っていただけであった。だが、花に対して「近いうちに引っ越しする」と嫌味を掛けたつもりが、半沢の栄転で良い意味になってしまい、花から「占い本当によく当たりますね〜!」と逆に嫌味を言われさらに隆博には「オバちゃん」と呼ばれ悔しそうな顔をしていた。
- 角田美津代(かくた みつよ)
- 演 - 中田優子
- 角田の妻。社宅歴も長く、夫人会の連絡係を任されている。
- 垣内芳江(かきうち よしえ)
- 演 - 宇田川さや香[20]
- 垣内の妻。おとなしく気弱な性格で、リーダー格の沙苗の言うことに逆らえないでいる。
奥様会(第二部)
- 岸川夫人(きしかわふじん)
- 演 - 松居直美
- 岸川の妻。仕事をしている大和田夫人に代わって、東京中央銀行本部の奥様会を仕切っている。出世が見込まれる部下の妻に対しては好意的な態度をとる一方、更迭や出向が確実な銀行員の妻には冷たく接する[注 23]。
- 自分の娘が銀行の敵である金融庁検査官と結婚することを不安に思うようになり、花にそのことを打ち明けてしまう。
- 貝瀬夫人
- 演 - 小柳真由美
- 貝瀬の妻。
- 福山夫人
- 演 - 大森裕子
- 福山の妻。
東京セントラル証券
大阪国税局査察部 → 金融庁検査局
- 黒崎駿一(くろさき しゅんいち)
- 演 - 片岡愛之助
- 旧大蔵省銀行局検査官
- → 金融庁検査官
- → 大阪国税局査察部情報部門統括官(2013年版第1話 - 第5話)
- → 金融庁検査局主任検査官(2013年版第6話 - )
- かつての金融庁検査で、当時の大手銀行だった大同銀行を破綻に追い込んだことで「やり過ぎ」という批判が起きたため、ほとぼりが冷めるまで国税局に異動させられていた旧大蔵省銀行局出身の切れ者のエリート。傲慢かつヒステリックな性格で、オネエ言葉が特徴的。激高すると部下の急所を鷲掴みにする。暗算が得意であり、第二部において金融庁検査の初日に東京中央銀行への引当金の額を宣告する際、目を閉じたまま右手でそろばんを打つ仕草をしてから即座にその合計額を弾き出している。
- 第一部では、西大阪スチールの脱税調査を指揮し、半沢ら東京中央銀行の前に立ちはだかる。半沢が先に差し押さえていた東田の5千万円の別荘を横取りするなどして翻弄し、更には半沢同様に藤沢未樹に目を付け彼女に接触。未樹の脱税を一部見逃すという条件を付けて東田の隠し資産を掴もうとするも、半沢と組むことを選んだ未樹の計略によって出し抜かれ、最終的に半沢に先を越され隠し資産を全て回収されてしまい、彼に対し更なる怒りを燃やす。
- 第二部では再び金融庁に返り咲き、伊勢島ホテルの120億円損失の件を踏まえた金融庁検査を指揮する形で再び半沢と対峙。そして何者かのリークで貝瀬と古里の伊勢島ホテルの一件を扱った文書を半沢が疎開資料として手元に置いていたことを知り、部下を自宅に待機させて不意打ちの如く家宅捜査を行い、偶発的に花が自分の実家に送ったことも知って追跡をかけるなど執念深い追跡をするがどちらもことごとく失敗に終わり、最終的に半沢がホテルの経営再建に成功し疎開資料も隠し通したことでまたしても敗れ去った。
- 実はこの一連の対決の裏では、岸川に「(東京中央銀行の)上層部が皆吹き飛べば、次期頭取も夢ではない」と吹き込み、大和田を裏切るよう仕向けていた。もっとも、半沢から自身の野心のために岸川の娘に近づいたのかと水を向けられた際にはそれを否定し、「本当に好きになっちゃったものはしょうがない」と純粋な恋愛感情であったことを述べている。
大阪国税局査察部
- 相模(さがみ)
- 演 - 石黒英雄
- 査察官。黒崎の指示の下、西大阪スチールの脱税調査をしているが、痺れを切らした黒崎に股間を握られる目にもあっている。
- 大塚(おおつか)
- 演 - 永岡佑
- 査察官。
- 脇屋(わきや)
- 演 - 岡あゆみ
- 査察官。東田の愛人、藤沢美樹に接触する。
金融庁検査局
- 疎開資料の隠し場所を探るために半沢を尾行するが、撒かれてしまう。
- 島田亮太(しまだ りょうた)
- 演 - 竹財輝之助
- 木下愛(きのした あい)
- 演 - 近野成美
- 黒崎の部下で金融庁検査官。島田は長方形の顔をしており、半沢からはモアイと呼ばれる。
西大阪スチール融資事故関係者
- 東田満(ひがしだ みつる)
- 演 - 宇梶剛士
- 大阪市立梅田第一中学校
- → 私立なにわ高等学校
- → 私立浪速大学経営学部
- → 西大阪スチール社長
- 浅野支店長とは中学時代の同級生。
- 粗暴な性格で、ガラの悪い喫煙者の大柄な男。自分の経営していた西大阪スチールに3年間の粉飾決算を続けさせ、計画倒産によって東京中央銀行から融資されていた5億を騙し取った。浅野とはかつて同じ中学の同級生で、東田は浅野を「ターちゃん」と呼んでいる。脱税によって得たものも含めて、12億もの不正資産を海外の銀行口座にプールしていた。表向きは自己破産したにもかかわらず、隠し財産で贅沢な暮らしをしており、愛人の未樹が勤務するクラブ「アルテミス」に入り浸り豪遊していた。また、衰退していく日本に見切りをつけて、急速な経済成長が進むベトナム・ASEANでの新事業立ち上げを目論んでいた。第一部のストーリーはそんな彼と隠し財産を差し押さえようとする半沢達との対決が軸となっている。最後は半沢と未樹の結託により全財産を銀行に差し押さえられ一文無しとなってしまい、逆上して襲い掛かるが元剣道部の半沢にあっさり返り討ちにされる。そして彼から「金さえあれば何でもできると思ったら大間違いだ」と一喝され、自身の崩壊を知り泣き崩れた。その際、「お前は社長の器ではない」と宣告されている。その様子は彼を憎悪していた竹下でさえも哀れに思う始末だった。
- 愛車は白色のレクサス・LS。
- 藤沢未樹(ふじさわ みき)
- 演 - 壇蜜
- 東田社長の愛人で大阪ミナミのクラブ「アルテミス」に勤めるホステス。西大阪スチールの融資事故の件で東田が半沢に追い詰められたとき、半沢に暴行し彼の逃亡を助けた。自分の経営するネイルサロンを開業する夢を叶えるため、東田に取り入っていた。しかしネイルサロンを出店するための事業計画・経営者としての資質を半沢から賞賛され、自分を通して銀行に融資を申し込んで欲しいことと東田の隠し資産の在り処・浅野の不正を裏付ける証拠の通帳を渡して欲しいという銀行員としての申し出に心打たれる。その後、一方で自分の違法行為を見逃すという取引を持ち掛けてきた黒崎のいる国税局へと赴くが、実はそれは半沢と示し合わせた計略であり、その目的は国税局によるガサ入れを利用して東田が自分にも隠していた隠し資産の在り処を突き止めるためだった。そして計略通り、東田から渡された通帳の中から隠し資産のある海外口座の通帳だけをバイク便で半沢の元に送り、残った通帳は全て黒崎に渡して出し抜くことに成功した。
- 竹下清彦(たけした きよひこ)
- 演 - 赤井英和
- 竹下金属社長。首吊り自殺を図ろうとしているところを半沢に助けられる。西大阪スチールが不渡りを出した煽りで連鎖倒産した際に救いの手を差し伸べなかった銀行を信用していないが、古い付き合いである牧野社長の会社・マキノ精機を救った半沢だけは信用し、東田捜索に協力する。デジタル一眼レフを使用して東田の行動を隠し撮りし、半沢に有用な情報を与える。東田を崩壊させた後は、回収した資金で竹下金属を復活させると誓い、東京へ異動となる半沢を見送った。愛車はダイハツ・ハイゼット。
- 波野吉弘(なみの よしひろ)
- 演 - ラサール石井
- 西大阪スチール経理課長
- → 鳥谷造船社員
- 西大阪スチールの裏帳簿を隠し持っていた。心臓病を患っており、半沢の目の前で心臓発作を起こしていた。
- 板橋平吾(いたばし へいご)
- 演 - 岡田浩暉
- 淡路鋼材社長。会社は竹下金属と同じく、西大阪スチールが倒産した煽りで連鎖倒産する。しかしその裏では東田と繋がっており、半沢と竹下の行動を妨害するが見破られてしまう。その後、藤沢未樹と極秘に面会しているところを竹下に撮影される。
- 小村武彦(こむら たけひこ)
- 演 - 逢坂じゅん
- 小村建設元会長。東田の遠縁に当たり、多数の不動産を所有。信頼していたメインバンクに裏切られ、不正献金を検察に密告されたことで、一代で築いた小村建設から追われた。その後世間からは犯罪者のレッテルを貼られたことで娘からは嫌われ、また自らも父親失格と考え親子関係を断絶。さらにその後には死期が迫り入院を余儀なくされた。孫や娘と会いたがっていることを知った半沢が探し出した娘・優子(演:吉沢梨絵)と再会を果たす。その結果親子は和解し、まだ幼い孫・武志(演:上野蒼真)を含めた3人で今際の際まで充実した時を過ごすことが出来、そのお礼として半沢に東田の居場所を記した手紙を書き残した。
伊勢島ホテル
- 湯浅威(ゆあさ たけし)
- 演 - 駿河太郎
- 大東京ホテル企画部長
- → 伊勢島ホテル代表取締役社長
- 金融庁検査の件を踏まえたホテルの経営再建において、ワンマンだった父親とは異なった経営方針で伊勢島ホテルを立て直そうと奮闘する。大東京ホテルでホテルマンの修行を積んでいた時に当時営業第四部の半沢を知り、銀行員でありながらホテル再建に情熱を傾けた半沢を信頼する。中野渡に半沢を伊勢島ホテル再建の担当者にするよう依頼し、自らも再建計画のため海外の企業に渡りを付けるなど、かなりの行動派である[注 24]。
- 大和田と羽根の策略に半沢共々翻弄されるが、伊勢島ホテルを再建する最終手段「フォスターとの業務提携」という半沢の提案を承諾。フォスターと業務提携を交わしホテルの経営再建を果たし、それと同時に敵対していた羽根も更迭して一連の争いに終止符を打った。
- 羽根夏子 [注 25](はね なつこ)
- 演 - 倍賞美津子
- 伊勢島ホテル専務取締役
- → 解任
- 伊勢島ホテルでは最古参の社員。先代のワンマン社長の尻拭いをさせられてきた自分こそが伊勢島ホテルの社長にふさわしいと考え、大和田の誘いにのり結託してホテルの乗っ取りを企む狡猾な野心家。半沢に「資金をどうにかするのがあなたたちの仕事でしょ」と言い放つなど態度も傲慢。株の運用失敗により120億円の損失を出した張本人であるが、一度会った人の顔と名前は忘れないなど、ホテルマンとしても一流である。
- 金融庁検査を乗り切る件を踏まえたホテルの経営再建を利用し、大和田の協力を得て現社長の湯浅を追い落として社長の座に上り詰めようとするが、半沢がホテルの経営再建の最後の切り札として極秘に進めていたフォスターとの業務提携を湯浅が承諾したことで失敗に終わり、更には120億円損失の件を理由に更迭されることとなる。ホテルを去る際に大和田の不正を取締役会に報告するため証言を手に入れるために訪れた半沢と対面し、証言はしなかったものの大和田と対決する覚悟を決めた半沢に大和田にはせいぜい気をつけろと忠告した。
- 戸越茂則(とごし しげのり)
- 演 - 小林隆
- 伊勢島ホテル経理課長
- → 廃品回収業者社員
- → 伊勢島ホテルへ復職
- 伊勢島ホテルの120億円損失の件を東京中央銀行に内部告発するが、貝瀬と古里にその件を黙殺された上、逆に内部告発の件をホテル側にリークされたことでホテルを追い出されてしまう。そのため東京中央銀行を憎んでおり、自身を訪ねて来た半沢のことも最初は拒絶していた。しかし最終的には半沢や近藤と協力して古里を追い込み、半沢が湯浅社長に通告してくれたことで復職を果たす。その後、半沢に感謝しながらも「歴代京橋支店長こそが東京中央銀行と伊勢島ホテルの闇で、貝瀬支店長はその末端に過ぎず更にその上にいる人物が闇の中心」と彼に伝え、その証拠を探し出すよう助言した。
タミヤ電機
- 田宮基紀(たみや もとき)
- 演 - 前川泰之
- タミヤ電機社長
- 極めて無責任な性格で、出向してきた近藤を最初は軽視し、銀行から融資を受けるためには中期の事業計画書が必要だという彼の要請をも一蹴していた。しかし、半沢の協力と励ましにより前向きとなりかつての覇気を取り戻した近藤が会社内で部長として積極的に尽力し、彼に裏帳簿を発見され粉飾決済の事実を追及されるなど、会社の為なら一歩も引かない彼の気迫に徐々に動かされていった。
- 実は5年前、大和田と当時の京橋支店長だった岸川の依頼で、東京中央銀行から融資された3千万もの資金を大和田に転貸して彼の不正に加担しており、近藤がそれを嗅ぎ付けた時も、彼をまた別の地へ出向させるよう大和田への根回しも行っている。後にその事実が近藤や半沢らによって露見し始めた際、大和田に転貸した3千万の返済を求めるも、例によってあっさり見限られてしまう。だが近藤の説得により考えを改めて彼に大和田との転貸資金の件を証言、大和田にも手を切る旨の留守電を残す。しかし結局、この証言が載せられた報告書は大和田に懐柔された近藤自身により大和田の手に渡ることになってしまうが、DVD版最終話では「私は君を責められるような立場にない」と近藤を笑って許し、銀行に戻る近藤に融資事件の処理を託す一方、大和田に気を付けるよう忠告している。
- 野田英幸(のだ ひでゆき)
- 演 - 利重剛
- タミヤ電機経理部経理課長
- 近藤を疎ましく思っており、部下の前で彼のことを「元銀行さん」と呼ぶなど、近藤を見下すような言動を公然と繰り返していた。しかし、半沢の励ましにより覇気を取り戻した近藤に経理部長として一喝され、渋々彼を経理部長として受け入れた。その後はタミヤ電機のため尽力する近藤に田宮社長同様徐々に押されていくようになる。DVD版最終話では、近藤が銀行に戻ることになりホッとするが少し寂しいと漏らし、近藤からは会社を立て直すよう激励を受けた。
- 小川(おがわ)
- 演 - 望月章男
- タミヤ電機経理課の若手社員。野田同様、近藤に敬意を払わず馬鹿にした態度で接していた。
スパイラル
- 高坂圭
- 演 - 吉沢亮[23]
- 若手プログラマー。
- 若本健人
- 演 - 吉沢悠[24]。
- 圭の先輩同僚で開発部のリーダー的存在。
- 加納一成
- 演 - 井上芳雄[24]
- 専務および戦略担当役員。社長の瀬名に不信感を抱いている。
- 瀬名洋介
- 演 - 尾上松也[24]
- 代表取締役社長。
その他
- 夏目三久
- 演 - 夏目三久(本人役)
- 東京中央銀行のイメージキャラクター。劇中に登場するポスターや広告写真に使用されている。
- 近藤由紀子(こんどう ゆきこ)
- 演 - 山崎直子
- 近藤の妻。夫思いで、花とも仲が良い。花は新居を訪れ、家族生活を重視する近藤家をうらやましく思っていた。
- 近藤洋弼(こんどう ようすけ)
- 演 - 大西利空
- 近藤の息子。
- 来生卓治(きすぎ たくじ)
- 演 - ダンカン
- フリーライター。西大阪スチールの5億円融資事故を調べている。小村武彦の家族捜索の見返りに西大阪スチールに対する5億円の融資失敗の情報を半沢から聞き出し、その記事がスクープとして『週刊ファスト』に掲載される。
- 浅野利恵(あさの りえ)
- 演 - 中島ひろ子
- 浅野匡の妻。穏やかな性格で常識的な考えを持っている。半沢の妻である花とも対等に接するが、お互いの夫である支店長の匡と部下の半沢が対立していることを最初は知らなかった。
- 半沢が匡への10倍返しを行っている最中にその場を訪ね、二人の雰囲気から事態を察し、「こんな主人ですが、どうか宜しくお願いします」と半沢の手を取って頼み込んだ。この行動が半沢に温情措置を取らせるきっかけとなり、結果として夫は刑事告発を免れることとなった[注 26]。
- その後、半沢の代わりとして夫の出向が決まり家族で東南アジアのマニラへ移住する際、夫に「いつか半沢さんに、きちんと謝りましょうね」と諭している。
- 浅野佐緒里(あさの さおり)
- 演 - 川島鈴遥
- 浅野怜央(あさの れお)
- 演 - 若林瑠海
- 浅野の子供たち。
- 牧野(まきの)
- 演 - 志賀廣太郎
- 第一部において、半沢が融資の審査で訪れたマキノ精機の社長。金属加工の試作品を手作業で作ることにポリシーを持っている[注 27]。大口取引先の倒産に伴う融資引き上げに見舞われ不渡りを出す危機に陥っていたが、半沢の尽力[注 28]により3千万円の融資を実行してもらい救われる。
- この一件が、のちに竹下からの信頼を得る決定打になる。
- 飯田(いいだ)
- 演 - 柴崎真人
- 第一部に登場。内海信用金庫融資課。
- 花の先輩
- 演 - 吉田羊
- 第一部第4話に登場。花に期間限定でフラワーアレンジメントの仕事を手伝ってもらう。花に仕事に戻ってこいと勧める[25]。
- 課長
- 演 - 奥田達士
- 第二部に登場。産業中央銀行金沢支店融資課長。大和田の金沢支店勤務時代の元上司。
- 油山哲也(あぶらやま てつや)
- 演 - 木下隆行(TKO)
- 慶應義塾大学経済学部
- → 白水銀行融資本部次長
- 伊勢島ホテルのサブバンクである白水銀行融資本部次長。あだ名は「アブ」[26]。半沢と渡真利の慶應義塾大学経済学部時代の同期で、大学時代はラグビー部所属。伊勢島ホテルの戸越からホテルの120億円損失に関する内部告発を受け、一足早くホテルへの融資を止めていた。その結果白水銀行への損失が無事に避けられたため、戸越に感謝している。
- 棚橋貴子(たなはし たかこ) / 大和田貴子(おおわだ たかこ)
- 演 - 相築あきこ
- アパレル会社・ラフィット社長。タミヤ電機が転貸資金を行っていた相手であり、その正体は大和田常務の妻である。半沢からは「果たして経営者としてふさわしい才覚の持ち主か」、花からは「無口で無愛想な人物」と評されている。
- 5年前、ラフィットが経営困窮に陥った際、大赤字にも関わらず一等地の南青山から店舗を移転することを考えさえせず、改善の無いまま資金を調達するために借金を重ねた挙句、街金に頼るまで経営は困窮し、夫である大和田が気付いた頃には借金は1億円を超えるほど膨れ上がっていた。その返済のために大和田も経済的に困窮しており、タミヤ電機を利用しての不正融資に手を染めるまでに追い込まれていた。
- 彼女自身は罪悪感が希薄どころか皆無で、取締役会の前夜には「ミラノに新作の買い付けに行くため」として大和田へ当然のように100万円を要求しており、「また用立てて」と悪びれもせず言ってのけるなど、大和田への無心は頻繁である模様。
- 黒木亮介
- 演 - 北村匠海
- 「エピソードゼロ」に登場。高坂圭の大学時代のプログラミング仲間[24]。
用語
- 倍返し
- 半沢直樹の決め台詞。正確には、「やられたらやり返す。倍返しだ!」[27]。上司の支店長・浅野には「10倍返しだ!!」、宿敵の常務・大和田には「100倍返しだ!!!」と言っている。原作小説では特に印象的な台詞ではあるものの少ない場面でのみ使われた台詞であったが[5]、テレビドラマ版では単発作品と異なり毎回の見せ場を作る必要があるため[5]、各話のクライマックスにおける決め台詞として多用されている。テレビドラマ版の放送中には視聴者の間で流行語にもなり[28]、2013年の「新語・流行語大賞」の年間大賞と2013年度ネット流行語大賞銅賞(3位)を受賞した(詳細は後述)。
- 土下座
- 土の上に直に坐り、平伏して礼を行うこと。本作では、敵対する相手に土下座を強いる演出がなされており、特に大和田常務のした壮絶な土下座シーンは話題となった。
- バンカー(Banker)
- 銀行経営者、または銀行員を指す言葉で、単なる事務職でなく専門職の意味合いが強い。劇中では「銀行員」の意味で呼ばれている。
- 出向(しゅっこう)
- 元の勤務先企業に籍を残すか、あるいは残さず、別の企業の従業員として勤務することをいう。残さない場合は転籍(プロスポーツ界でも使われる「移籍」)である。籍を残す場合は元の勤務先については休職扱いとなり、勤続年数、昇給についても凍結される。つまり同期に対してキャリアに差がつくことになる。作中では東京中央銀行から関連企業への派遣のことと説明され、元の東京中央銀行の所属(籍)は「3年」を限界に消滅し、以降は出向先企業の所属となり、本行への復帰は不可能となると説明されている。
- 定年間近の出向では、銀行の定年退職後も関連企業に採用されるなど利益をもたらす場合もあるが、作中では半沢達「バブル最後の入行組」や浅野など出世の為に謀略を重ねてきた主要人物にとっての「事実上の追放」の側面が特に強調されている。本編では、行員が自らの不手際などの責任をとる形で「出向」させられるが、第一部での半沢や第二部での時枝のように人事上の策略として行われる場合もある。
- 稟議(りんぎ)
- 元来の意味は、上司に審議してもらうために案件を提案すること。または、提案を発議する(案件を審議する会議の開催を働きかける)こと。ここでは、融資をする際に、融資先の財務状況などから融資の判断をする、銀行内での会議の意味で使われている。責任問題になるため、稟議にかける前の段階では、バンカーは融資先に対して「融資できます」などの返答・約束は、基本的に一切出来ない決まりとなっている。
- 裁量臨店(さいりょうりんてん)
- 支店による融資の与信判断が正しく行われているか調査することを目的とした、本部が執り行う銀行内部の監査のこと。「臨店」と略して呼ぶ場合もある。劇中では半沢を失脚させようと目論む浅野と小木曽により、半沢には臨店が行われる直前まで知らされないまま、更には検査対象の会社に業績不振で問題のある会社ばかりが選定された状態で仕組まれる。小木曽が裏で融資先のヒアリング調査書などを事前に抜取るなど不正を行って半沢を陥れようとするも、事態の異変に気付いた半沢らの反撃で失敗し、逆にその不正を暴かれたことで小木曽が失脚する羽目になった。
- 金融庁検査(きんゆうちょうけんさ)
- 銀行による融資が適正に行われているかを判断するための行政検査。劇中、伊勢島ホテルに対する東京中央銀行の融資と、その後の経営悪化を受け、この検査が行なわれている。
- 引当金(ひきあてきん)
- 将来の損失に備え、会計上、負債として計上される金額。劇中では貸倒引当金を単に「引当金」と呼んでいる。特定の融資先について回収できない可能性が高いと判断された場合に、帳簿上、回収不能見込額を引当金として負債計上し、同額を当期の費用として計上する(実際に金銭を支払うわけではないが、予算凍結に等しいため経営に重大な支障をきたす)。劇中では、金融庁検査で伊勢島ホテルに対する融資の回収可能性に問題があると判断された場合、1000億円以上の引当金計上が必要となることが予想されるとされ、会計上の利益が大きく目減りすることになるため、株価の大幅下落に繋がり、銀行の経営基盤に大きな悪影響が出ること、最悪の場合には破綻する恐れすらあるとも予想されていた。
- 与信判断(よしんはんだん)
- 相手先の財務状況などに基づき、融資の可否を判断すること。期限などの条件や、上限枠の設定なども含む。また、直接お金を貸す融資だけでなく、先日付の売買や売掛金回収など、債務者の信用リスクを負う行為全てにかかる判断も行う。
- 疎開資料(そかいしりょう)
- クレジットファイルという各取引先ごとに融資の経緯を記録した資料集の中でも特に外には漏らせない資料であり、同時にこれが無くては不祥事等が起きた際の経緯がわからなくなる重要書類のこと。
- 劇中、戸越が伊勢島ホテルの120億円の損失を東京中央銀行京橋支店融資課に内部告発した際の報告書が、大和田の指示を受けた貝瀬支店長により揉み消され「疎開資料」扱いとなった。
- 東京本部第二営業部
- 東京中央銀行の本店にある、トップクラスのバンカーだけが入れる部署。半沢曰く「(東京中央銀行の)エリートが集う精鋭集団」。第一部の最後で、半沢が浅野を刑事告発しないことを条件に、次長待遇での異動を叶えた。「(本店)営業第二部」または「営業二部」とも呼ばれる。
- 転貸資金(てんたいしきん)
- 銀行などの金融機関から貸出された資金が、直接の借入先に使用されずに、第三者へと「又貸し」されること。劇中(第8話)では、田宮社長が東京中央銀行から受けた3000万円の資金が、そのままアパレル系会社・ラフィットに「転貸資金」されたのではないかという描写がなされている。
- 迂回融資(うかいゆうし)
- 銀行が融資できないような相手に、顧客を通じて金を「又貸し」する詐欺行為のこと。
- 実破 (じっぱ)
- 実質破綻先のこと。
- MAN-ZOKU(まんぞく)
- 西大阪支店に対する裁量臨店の際に灰田調査役が持参していた風俗情報誌。抜き取られた資料を探す手荷物検査の際に図らずもその存在が露見し、監査に臨む人間に凡そ相応しくない緩みきった感覚は、今回の臨店が半沢を陥れるために仕組まれたものであることを如実に表すこととなった。
スタッフ
2013年版
- 原作 - 池井戸潤『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』(文春文庫刊)
- 脚本 - 八津弘幸
- 音楽 - 服部隆之
- 演出 - 福澤克雄、棚澤孝義、田中健太
- ナレーション - 山根基世
- 脚本協力 - 坪田文
- 演出補 - 棚澤孝義、田中健太
- 監督補 - 川嶋龍太郎
- 撮影監督 - 淺野太郎
- CG - 酒井基宏
- タイトル - 井田久美子
- 音楽コーディネーター - 溝口大悟
- 選曲 - 御園雅也
- アクションコーディネーター - 辻井啓伺
- 税理士監修 - 坂本剛
- 剣道指導 - 永島宗行
- スチール - 品川裕之
- インターネット - 佐藤英子、山田香織
- 番組宣伝 - 川鍋昌彦
- 広告企画 - 秋山真人
- 記録 - 福寿香里、舘野弘子
- 編成 - 岸田大輔
- 制作進行 - 露崎裕之
- プロデューサー - 伊與田英徳、飯田和孝
- プロデューサー補 - 萩原孝昭
- 製作著作 - TBS
半沢直樹II・エピソードゼロ
- 企画協力 - 池井戸潤
- 脚本 - 槌谷健、李正美、丑尾健太郎
- 音楽 - 服部隆之
- 画面制作 - 本田貴雄、QUICK
- 監修 - 福澤克雄
- インターネット監修 - 藤原洋(ブロードバンドタワー)
- 証券システム監修 - HiJoJo Partners
- 記録 - 本図木綿子
- 編成 - 青木伸介、上田淳也
- スチール - 佐藤亮
- 制作進行 - 楢村湖々
- チーフプロデューサー - 伊與田英徳
- プロデューサー - 宮崎陽平
- プロデューサー補 - 北川学、黎景怡、吉藤芽衣
- 演出 - 松木彩
- 演出補 - 加藤亜季子、武田梓、福島宏介、柴田クマールアージュン、佐井大紀、柳沼美里、三宅孝史
- 製作著作 - TBS
放送日程
2013年版
部 | 放送回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率[29] | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1部 | 第1話 | 7月 | 7日やられたら倍返し! 悪い上司に立ち向かうニューヒーロー誕生!! 5億を取り戻せるか? 社宅での妻たちの戦い 出世か? 友情か? |
福澤克雄 | 19.4% | 54分拡大 |
第2話 | 7月14日 | 上司の濡れ衣を振り払え! 悪者に倍返し | 21.8% | - | ||
第3話 | 7月28日 | クソ上司に倍返し! 部下のピンチを救えるか!? 裏切り者も出現 | 22.9% | 15分拡大 | ||
第4話 | 8月 | 4日10倍返しなるか! 上司と部下の裏切り | 27.6% | - | ||
第5話 | 8月11日 | 半沢が出向に…!? 生き残りをかけた戦 | 棚澤孝義 | 29.0% | - | |
第2部 | 第6話 | 8月25日 | 5億から120億! 東京で、倍返しなるか 本店に異動した半沢は巨大な敵と戦う!! |
福澤克雄 | 29.0% | 25分拡大 |
第7話 | 9月 | 1日半沢が土下座する! 絶体絶命の大ピンチ | 棚澤孝義 | 30.0% | - | |
第8話 | 9月 | 8日強敵ライバル登場! 負ければ出向の危機 | 田中健太 | 32.9% | 5分遅れ | |
第9話 | 9月15日 | 最終決戦! 出向をかけた金融庁検査!! | 福澤克雄 | 35.9% | 10分拡大 | |
最終話 | 9月22日 | 100倍返しなるか 最後に土下座するのは誰だ! 衝撃の結末!! 友情か? 裏切りか? |
42.2% | 25分拡大 | ||
平均視聴率 28.7%[30](視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム) |
- 7月21日はJNN選挙特別番組『夏の決戦!参院選2013 ニッポンどこへ行く!? 〜あなたが選んだ未来〜』放送のため休止。
- 8月18日は『世界陸上モスクワ』放送のため休止。
半沢直樹II ・エピソードゼロ
放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|
2020年1月3日 | 狙われた半沢直樹のパスワード | 松木彩 |
2020年版
話数 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|
第1話 | 4月 | |||
(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地方・世帯・リアルタイム) |
原作との相違点
基本的な設定
- 原作では直樹には弟・和樹(現時点で名前のみ登場)がいるが、ドラマでは登場せず、一人っ子の設定である。
- 原作では直樹の父・慎之助、母・美千子の名前は不詳。また、銀行に融資を打ち切られて、慎之助が首吊り自殺を図るという設定もドラマオリジナルであり、原作では、直樹が銀行に内定した段階で父は健在である。
- 半沢の入行年は、原作では1989年のところ、ドラマでは1992年。
- 来生卓治、半沢美千子は『オレたちバブル入行組』、大和田暁、中野渡謙、黒崎駿一は『オレたち花のバブル組』のみで登場するキャラクターであるが、ドラマでは『入行組』が原作の第一部、『バブル組』が原作の第二部、両方に登場している。
- 中野渡と大和田の出身銀行が異なる(原作では中野渡が旧産業中央銀行[注 29]、大和田が旧東京第一銀行であるが、ドラマでは逆になっている)。
- 妻である花と直樹の接し方が大きく異なり、花は原作では悪妻として描かれているが、ドラマでは直樹の良き理解者であり、明るい性格となっている。
- 原作では描かれていた半沢の同期である苅田などがドラマでは登場しないなど、同期のエピソードがカットされている。苅田が登場しない代わりに、第二部・東京本店編では大学時代の同期でありドラマオリジナルキャラクターでもある、白水銀行の油山が登場する。
- なお、油山が登場する代わりに、原作で油山の役割を担当し、また池井戸の小説『株価暴落』の主人公でもあった白水銀行本店審査部調査役の板東洋史が登場していない。
- 半沢や近藤が剣道を嗜んでいる設定がドラマにて追加されている。半沢が剣術を披露する立ち回りはすべてドラマオリジナルである。
- 行員の妻の集まりである奥様会はドラマオリジナルである。
2013年版第一部・大阪西支店編
- 直樹の父・慎之助の工場の融資を打ち切った担当の銀行員が大和田に[注 30]、近藤を休職に追い込んだ支店長が小木曽に変更される。原作では両方とも木村という浅野とつながりがあった業務統括部所属の部長代理でドラマ未登場。
- 竹下が自殺を図ったり、板橋が資料を強奪しようとするエピソードはドラマオリジナル。
- 小木曽の不正行為を暴く場面では、ドラマでは半沢の部下である中西の自発的な行動や渡真利の機転が強く影響しているが、原作においては半沢が資料抜き取りの現場を事務員に見張らせるなど終始半沢の行動、指示で解決している。
- 小村のエピソードはほぼドラマのオリジナルで、原作における小村は老人ホームにいることが説明されているが、半沢とは接触しない。
- 来生はドラマではフリーライターだが、原作では民間調査機関に属しており、半沢と依頼で調査を行い、東田の持つマンションなどの調査とその報告を行っている。
- 東田はドラマ版ではベトナムで事業を起こそうと画策していたが原作では中国。
- ドラマで東田の資産の証拠を持ち出させるのに、東田の愛人・未樹に半沢らが話を持ちかけているが、原作において半沢らは未樹と会話するシーンはなく、未樹と付き合いがあった板橋を利用している。未樹のネイルサロンの件や、半沢が開店の融資話を持ちかけるのはドラマオリジナル。
- 原作では出向の内示が出る前に半沢は債権を回収している。浅野は支店長を降ろされるが、出向を示唆する程度でドラマのように具体的な出向先は明示されない。
- 原作では黒崎駿一は大阪国税局統括官ではない。
2013年版第二部・東京本店編
- 原作では伊勢島ホテルの羽根専務は男性だが、ドラマでは女性に変更されている[5]。名前も、原作の「夏彦」がドラマでは「夏子」に変更された。
- 古里が不正を行った証拠が入った疎開資料の置き場が原作では貝瀬の自宅であったがドラマで銀行の金庫内に変更される。原作では古里が単身で貝瀬の自宅に取りに行っている。
- ドラマ上、京橋支店は「旧産業中央銀行」の主力支店とされていたが、原作では「旧東京第一銀行」の主力支店の相違点がある。
- 花が息子と直樹の実家に行くエピソードは完全にドラマオリジナルである。
- 半沢が自宅に疎開資料を置いたままにし、花が勝手に資料を実家に送付して難を逃れるのはドラマオリジナル。原作では半沢が先を読み、自宅には保管しなかった。また、ボイラー室の疎開資料を偽物の箱を見せて実はその場に本物の疎開資料があった、というのもドラマオリジナルであり、原作では偽の箱はあるが本物は直前に花の実家に送付している。
- タミヤ電機が3000万円を流した会社である『ラフィット』が原作では『ラファイエット』と名前が異なる。また、近藤がラファイエット社長と会話するシーンなど原作のエピソードがドラマではカットされている。
- 田宮社長が迂回融資を報告することを大和田に伝える場面は、原作では直接会って大和田に伝えた。ドラマでは留守番電話に録音して伝えた。
- また、原作では大和田は「土下座」をして取り下げるように懇願した。ドラマでは、「土下座」を「『無能な奴ら』が行う『情に訴えるだけのくだらないパフォーマンス』」としている。
- 岸川の娘が黒崎と結婚する件が原作では半沢らが新聞社の記者から情報を受け取り、そこから露呈していたがドラマでは奥様会にて岸川の妻が花に話してしまったことから露呈するようになっている。
- 半沢が取締役会の重役らの眼前で大和田に土下座を要求するシーンはドラマオリジナルである。
- 原作では大和田は降格の後に最終的に出向(行き先は不明)させられるが、ドラマでは降格だけで終わるように変更されている。
受賞
- ギャラクシー賞 テレビ部門 2013年9月度月間賞(2013年)
- 受賞理由として「銀行という世界の細かいリアリティが随所に登場し、ドラマの面白さというものを十分に味あわせてくれた久しぶりの快作」という作品自体の評価に加え、「堺雅人の好演に加えて小木曽役の緋田康人、近藤役の滝藤賢一など脇役の熱演ぶりも光った」として俳優陣の演技も評価された[32]。
- 第78回ザテレビジョンドラマアカデミー賞(2013年)
- 以下の各部門で受賞した[33]。
- 作品賞2位
- 主演男優賞 - 堺雅人
- 助演男優賞 - 香川照之(2位に片岡愛之助)
- 監督賞 - 福澤克雄
- GyaO Entertainment Awards 2013 GYAO!ストアTVドラマ部門賞(2013年)
- 有料映像サービス「GYAO!ストア」(当時の表記はGyaO!ストア)にてユーザーに最も支持されたコンテンツとして受賞した[34]。
- 第26回 2013 小学館DIMEトレンド大賞 特別賞(2013年)
- 「今年社会現象を起こした大ヒットドラマ『半沢直樹』を制作し日本中のビジネスマンを大いに元気づけてくれた」ことを表彰理由に受賞。藤沢未樹役を演じた壇蜜も同じく特別賞を受賞した[35]。
- 2013ユーキャン新語・流行語大賞 トップテン・年間大賞(2013年)
- 劇中に登場する台詞「倍返し」が受賞。受賞者は主演の堺雅人およびTBS『半沢直樹』チーム。「今でしょ!」(林修)、「お・も・て・な・し」(滝川クリステル)、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の劇中に登場する台詞「じぇじぇじぇ」(宮藤官九郎・能年玲奈)との同大賞創設以来史上最多の4語同時受賞となった。「やられたら、やり返す!」という胸のすくような筋書きが「巷の人気を独り占めした」として選出された[36]。
- 2013年度ネット流行語大賞銅賞(2013年)
- 同じく劇中の台詞「倍返しだ!」が受賞[37]。
- 2014年(平成26年)日本民間放送連盟賞(2014年)
-
- 番組部門 テレビドラマの部 優秀賞
- 2014年 東京ドラマアウォード
-
- 作品賞・グランプリ(連続ドラマ部門)
- 主演男優賞 - 堺雅人
- 演出賞 - 福澤克雄
- 第17回日刊スポーツ・ドラマグランプリ[38]
-
- 作品賞
- 主演男優賞 - 堺雅人
- 助演男優賞 - 片岡愛之助
- 第19回アジア・テレビジョン賞2014(2014年)
-
- 最優秀作品賞 ドラマ部門 [39]
反響
- ロケ地観光
- 東京中央銀行大阪西支店の建物の外観には、大阪駅前の梅田阪急ビルに看板をCG合成したショットが使用された[12][11]。また、関西地区では第5話の瞬間最高視聴率が32.6%を記録するなど特に人気を得ていることから、ヒルトンプラザ大阪、阪急百貨店うめだ本店、梅田スカイビル、芦有ドライブウェイなど、一連のロケ地が観光名所化している[12]。その後も人気は衰えず、ロケ地の1つである道頓堀では飲食店に「倍返しだ」にちなんだ新商品が登場したり、ロケ地目当ての観光客も増え始めている[40]。
- 半沢直樹 倍返し饅頭
- オフィシャル商品として2013年8月中旬からTBSストアで発売された『半沢直樹 倍返し饅頭』は、それを買い求めるサラリーマンなどで長蛇の列になり、同月9日から先行発売されたネット通販でも1か月待ちになるほどの人気を博している[41]。
- 台湾での反響
- 台湾の有力紙自由時報は、2013年9月12日付の政争を伝える記事に主人公の決め台詞「やられたら倍返しだ!」をそのまま引用している[42]。また、日本専門チャンネル「緯来日本台(VIDEOLAND JAPAN)」にて同年10月7日から同年10月18日まで放送され、平均視聴率が1.49%[43]、最高視聴率が1.60%を記録した。この数字は、1996年の同チャンネル開局以来、ドラマ部門では最高視聴率であった[43]。
関連項目
- 半沢直樹シリーズ
- ママカースト(奥様会における位置)
- みずほ銀行(「半沢直樹」最終回終了後、暴力団融資問題が発覚したことが明らかになっている)
- 吉本新喜劇 - 辻本茂雄が演じるキャラクター『花沢直樹』。
- リーガル・ハイ - 堺主演のフジテレビ系ドラマシリーズ。2013年版終了直後の2013年10月より第2シリーズが開始(第1話では本作の台詞のパロディがあった)。また当ドラマの主人公古美門研介が持っていた銀行口座は、本ドラマの半沢直樹が勤めていた東京中央銀行のもの。
- 花咲舞が黙ってない - 杏主演の日本テレビ系ドラマシリーズ。同じく池井戸潤の小説『不祥事』と『銀行総務特命』、『銀行狐』などが原作、舞台も本作と同じ銀行である。行名は本作の東京中央銀行の合併前の行名と同じ「東京第一銀行」となっている。また、主人公と半沢直樹の性質に共通する点もあり、一部では女性版半沢直樹と報道されている[44][45]。
脚注
注釈
- ^ 日曜劇場 半沢直樹 オリジナル・サウンドトラック より。
- ^ 日曜劇場の最高記録は『女たちの忠臣蔵』(1979年、42.6%)である。
- ^ a b 浅野支店長には10倍返し、大和田常務には100倍返しとも言っている。
- ^ 原作の中野渡は旧産業中央銀行出身とされている。
- ^ 第8話に登場した人事調書より。
- ^ 初登場から半沢に東京本部内部の情報を与えるなど、影から半沢をサポートをしている。
- ^ クールで整然とした物言いは第一部の描写、熱い情熱が再燃は第二部からの描写より。
- ^ 原作では旧産業中央銀行出身とされている。
- ^ 中野渡は「銀行員は莫大なカネを動かす力を与えられているが、その気になれば人ひとりの人生を生かすことも殺すことも出来てしまう。だからこそ銀行員が見るべきものはカネではなく人である」という旨を語っている。
- ^ 原作では旧東京第一銀行出身とされている。
- ^ 本部での聞き取り調査の後、小木曽らが半沢を出向させようとするのを押さえている。
- ^ 逆に半沢の代わりとして支店長の浅野を出向させた。
- ^ 一方で、渡さなければ北海道根室市へのさらなる出向という条件もつきつけた。
- ^ その後、大和田は近藤との約束通りに、彼を東京本部の広報部に調査役として配属している。
- ^ 劇中で大和田は、自らの行いに対して「懲戒解雇になっても文句の言えない男ですよ」と語り、ありそうな出向先として北海道や九州の中小企業(非金融業)を自嘲的に挙げていた。
- ^ 原作では旧東京第一銀行出身とされており、大和田と同じである。
- ^ 金融庁検査の最中に半沢を更迭しようとする上層部に反抗。大和田には「不当人事だ」と、断固半沢を守る姿勢を示した(第8話より)。
- ^ 半沢とのやりとり(大和田からの接待の受諾を上司であるにも関わらず頭を下げ懇願する)などから(第6話より)。
- ^ 西大阪スチールの一件が起きるまでは通常の上司と部下の関係であった。
- ^ 藤沢未樹の口座を経由して浅野の銀行口座に振り込まれた。
- ^ 半沢も角田と会話するときは敬語を使用している。
- ^ 半沢曰く、「産業中央バブル入行組の悪しき伝統」とのこと。
- ^ 奥様会での福山次長の妻と花に対する対応から(第8話より)。
- ^ 第6話から第7話にかけての湯浅の描写から。
- ^ 原作小説から性別が変更された登場人物であり、原作の羽根夏彦に相当する役回りの人物。テレビドラマ版のプロデューサーによれば、ドラマ版では羽根を「ホテルを愛して、仕事がすべてでのし上がってきた人が陥ってしまった悪」という解釈の元、独身女性という設定に変更したのだという。
- ^ これの前日、家族で水族館に出かけている最中に、半沢から「花」名義で送られてきた不正の件に関する脅しのメールを見て狼狽する夫を見ていたため、この行動に及んだ。
- ^ 「もし作業の自動化が、融資の条件だとしたら?」という半沢からの厳しい問いに「そうなったら他の銀行を探すまで。これは私のポリシーだ。これだけは譲れません」と毅然と答え、半沢を感服させた。
- ^ この時に、半沢は他にもマキノ精機の持つ特許に対して「甘すぎる」(材質や用途などを限定しすぎており、他社が簡単に模倣できてしまうから)として作り直すことも助言している。
- ^ 原作における中野渡の出身行について、実際は本ドラマの原作である『オレたち花のバブル組』ではまったく言及されていないが、続編の『銀翼のイカロス』で旧産業中央銀行出身と明記されている。
- ^ 「ここは強大な悪人を出して欲しい」という堺雅人の提案による[31]。
出典
- ^ “日曜劇場『半沢直樹』”. TBSテレビ. 2016年4月1日閲覧。
- ^ “「倍返し」半沢直樹が復活!来年4月期TBSで続編”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2019年5月23日) 2019年5月23日閲覧。
- ^ “吉沢亮『半沢直樹』SPドラマでTBS初主演「完全に倍返しですよ」”. ORICON NEWS. オリコン (2019年11月8日). 2019年11月8日閲覧。
- ^ “半沢直樹スピンオフに緒形直人ら実力派俳優が出演”. 日刊スポーツ. (2019年12月10日) 2019年12月10日閲覧。
- ^ a b c d e f 伊與田英徳 (14 September 2013). "半沢直樹 : プロデューサーに聞く「倍返し」秘話、タイトルへ込めた思い" (Interview). Interviewed by 毎日新聞デジタル. 2013年9月18日閲覧。
{{cite interview}}
: 不明な引数|program=
は無視されます。 (説明) - ^ a b c d e f “監督も想定外!「半沢直樹」メガヒットの裏側”. 東洋経済オンライン (2013年5月15日). 2013年8月12日閲覧。
- ^ 「半沢直樹」平成1位の42.2%! デイリースポーツ 2013年9月24日
- ^ “紅白視聴率44・5% 優子「卒業」効果”. nikkansports.com. (2014年1月3日) 2014年1月23日閲覧。
- ^ 「下町ロケット」半沢と似て非なる熱狂の裏側 TBS常勝チームのキーマンがすべてを明かす(その6) 東洋経済オンライン 2015年11月22日、同24日閲覧。
- ^ “なぜ『半沢直樹』は『ミタ』を超えたのか? -連ドラ評論家・木村隆志がヒットの要因を徹底分析”. マイナビニュース. (2013年9月24日) 2013年9月24日閲覧。
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- ^ a b 「加倍奉還!」中国や台湾でも人気、海賊版も
- ^ テレビ試写室 : 「花咲舞が黙ってない」 “女版半沢”? 杏が等身大の“働く女子”好演(毎日新聞デジタル・まんたんウェブ)2014年4月28日閲覧
- ^ “女版・半沢”「花咲舞」今期1位発進(デイリースポーツ)2014年4月28日閲覧
外部リンク
- 日曜劇場『半沢直樹』(2013年版)| TBSテレビ
- 半沢直樹II・エピソードゼロ | TBSテレビ
- 半沢直樹 (@Hanzawa_Naoki) - X(旧Twitter)
- 半沢直樹 (hanzawa.naoki) - Facebook
- 半沢直樹 (@hanzawa_naoki_tbs) - Instagram
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
空飛ぶ広報室
(2013年4月14日 - 6月23日) |
半沢直樹(2013年版)
(2013年7月7日 - 9月22日) |
安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜
(2013年10月13日 - 12月15日) |
テセウスの船
(2020年1月19日 -【予定】) |
半沢直樹(2020年版)
(2020年4月 -【予定】) |
ドラゴン桜
(2020年7月 -【予定】) |