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もともと「スープラ」は北米専用の車名であり、日本国内向けは2代目まで[[トヨタ・セリカXX|セリカXX]]という名前で[[トヨタカローラ店]]から販売されていた<ref name="shashin">『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p86</ref>。[[1986年]]から[[2002年]]までの累計生産台数は28万5,280台。 |
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初代から通して[[直列6気筒]]エンジンが搭載されているが、[[2019年]]に復活した5代目ではそれに加えて[[直列4気筒]]エンジンも搭載されるようになった。 |
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当時のアメリカでは「Xの列記」が映画の成人指定度合いを示すため、北米を含めた全ての輸出車は「Xの列記」を避け'''スープラ'''と命名し発売された。 |
当時のアメリカでは「Xの列記」が映画の成人指定度合いを示すため、北米を含めた全ての輸出車は「Xの列記」を避け'''スープラ'''と命名し発売された。 |
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== 2代目 A60型(1981年-1986年) == |
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== 3代目 A70型(1986年-1993年) == |
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| 車種=普通自動車 |
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「'''THE SPORTS OF TOYOTA'''」をキャッチコピーに、A80系スープラは[[1993年]]にデトロイトモーターショーにて公開され、同年5月に販売開始された。 |
「'''THE SPORTS OF TOYOTA'''」をキャッチコピーに、A80系スープラは[[1993年]]にデトロイトモーターショーにて公開され、同年5月に販売開始された。日本では2代目にあたる。 |
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シャシーはスポーツラグジュアリークーペのソアラ(Z30系)に採用された、前後サスペンションが[[ダブルウィッシュボーン]]方式(フロントアッパーアームがアルミ鍛造のローマウント式)で、A70系より改良が行なわれている。Z30系ソアラとのシャシーの大きな違いは燃料タンクの位置で、ソアラがリアシート背後なのに対し、より全長の短いスープラでは重量配分や前後[[オーバーハング]]の長さを適正化すべくトランク下に移設されている。 |
シャシーはスポーツラグジュアリークーペのソアラ(Z30系)に採用された、前後サスペンションが[[ダブルウィッシュボーン]]方式(フロントアッパーアームがアルミ鍛造のローマウント式)で、A70系より改良が行なわれている。Z30系ソアラとのシャシーの大きな違いは燃料タンクの位置で、ソアラがリアシート背後なのに対し、より全長の短いスープラでは重量配分や前後[[オーバーハング]]の長さを適正化すべくトランク下に移設されている。 |
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2011年、トヨタはドイツの[[BMW]]と環境技術に関する技術提携を結び、5代目スープラの開発は前述のそれを一層深めることを目的に両社で自動車を共同開発するというプロジェクトから誕生したものである。 |
2011年、トヨタはドイツの[[BMW]]と環境技術に関する技術提携を結び、5代目スープラの開発は前述のそれを一層深めることを目的に両社で自動車を共同開発するというプロジェクトから誕生したものである。 |
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2012年、正式にプロジェクトがスタート。本車両の開発に際しては、車両の基礎となるプラットフォーム(シャシーやパワートレーン等)をBMWのスポーツカー「Z4」の新型モデルと共用することでコストダウンを図ることが前提となった。しかし |
2012年、正式にプロジェクトがスタート。本車両の開発に際しては、車両の基礎となるプラットフォーム(シャシーやパワートレーン等)をBMWのスポーツカー「Z4」の新型モデルと共用することでコストダウンを図ることが前提となった。しかし車両全体の企画と内外装デザインに関してはトヨタ側で担当している。また、車両の製造に関してはBMWのZ4と同じくオーストリアの自動車製造会社である[[マグナ・シュタイア]]が担当することになった<ref>[https://s.response.jp/article/2019/01/17/318166.html トヨタ スープラ 新型は欧州製、BMW Z4 と同じ工場で生産へ…マグナが生産を受託] Response.jp 2019年1月17日</ref>。 |
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2014年、北米国際オートショー(デトロイトモーターショー)でクーペデザインコンセプト「TOYOTA FT-1」を発表。デザインを担当したのは、当時設立40周年を迎えたトヨタのアメリカにおけるデザイン拠点「Calty Design Research,Inc」(通称:CALTY)で、1967年に発売されたトヨタ・2000GTからの流れを汲む歴代トヨタ・スポーツへのヘリテージであると発表した。なお、FT-1の車名は「FT」が“Future Toyota”を、「1」は“頂点”を示したものである。 |
2014年、北米国際オートショー(デトロイトモーターショー)でクーペデザインコンセプト「TOYOTA FT-1」を発表。デザインを担当したのは、当時設立40周年を迎えたトヨタのアメリカにおけるデザイン拠点「Calty Design Research,Inc」(通称:CALTY)で、1967年に発売されたトヨタ・2000GTからの流れを汲む歴代トヨタ・スポーツへのヘリテージであると発表した。なお、FT-1の車名は「FT」が“Future Toyota”を、「1」は“頂点”を示したものである。 |
2019年1月30日 (水) 12:15時点における版
スープラ(SUPRA )は、トヨタ自動車のスポーツカーである。
概要
もともと「スープラ」は北米専用の車名であり、日本国内向けは2代目までセリカXXという名前でトヨタカローラ店から販売されていた[1]。1986年から2002年までの累計生産台数は28万5,280台。
初代から通して直列6気筒エンジンが搭載されているが、2019年に復活した5代目ではそれに加えて直列4気筒エンジンも搭載されるようになった。
初代 A40型/50型(1978年-1981年)
セリカXX/北米スープラの初代モデル。
当時のアメリカでは「Xの列記」が映画の成人指定度合いを示すため、北米を含めた全ての輸出車は「Xの列記」を避けスープラと命名し発売された。
2代目 A60型(1981年-1986年)
セリカXX/北米スープラの2代目モデル。
3代目 A70型(1986年-1993年)
トヨタ・スープラ(日本国内初代) GA70/GA70H/JZA70/MA70型 | |
---|---|
前期型(日本仕様) | |
後期型(北米仕様) | |
後期型(欧州仕様) | |
概要 | |
販売期間 | 1986年6月 - 1993年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 3ドアファストバッククーペ |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
2.0L 直6 1G-EU型 2.0L 直6 1G-FE型 2.0L 直6 1G-GEU型 2.0L 直6 1G-GTEU型 2.5L 直6 1JZ-GTE型 3.0L 直6 7M-GTEU型 |
最高出力 |
105PS(1G-EU型) 135PS(1G-FE型) 140PS(1G-GEU型:1986年) 150PS(1G-GEU型:1988年) 185PS(1G-GTEU型:1986年) 210PS(1G-GTEU型:1989年) 240PS(7M-GTEU型) 270PS(7M-GTEU型:ターボA) 280PS(1JZ-GTE型) |
変速機 | 4速AT/5速MT |
前 | 4輪ダブルウィッシュボーン |
後 | 4輪ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,595mm |
全長 | 4,620mm |
全幅 | 1,745mm |
全高 | 1,300mm |
車両重量 | 1,500kg |
その他 | |
ブレーキ | 4輪ベンチレーテッドディスク |
データモデル | 2.0GT ツインターボ 5速MT(後期型) |
系譜 | |
先代 | トヨタ・セリカXX(日本国内) |
A70型よりセリカから独立、日本国内でも北米仕様と同じ「SUPRA」という車名を採用。発売当時のキャッチコピーは「TOYOTA 3000GT」であり、1960年代の名車トヨタ・2000GTをイメージしていた[1]。ソアラと共通のプラットフォーム(ただし補強は少ない)を使用し、当初の主なエンジンは、2Lは1G-EU、1G-GEU、そのツインターボ版1G-GTEU、3Lターボの7M-GTEUであった。
1986年6月にはエアロトップが発売され、1987年1月にはソアラと同時に7M-GTEUにも5速MTが設定され、それまでは輸出仕様のみに採用されていたブリスターフェンダーの3ナンバー仕様ボディーの「3.0GTリミテッド」が追加された。
1988年8月にはマイナーチェンジが行われ、フロントマスク及びテールライトのデザインが変更された。1G-GTEU、7M-GTEUはハイオク仕様へ改良されパワーアップした。また3Lグレードは全て輸出仕様車と同様のワイドボディーとなった。
1989年8月に一部変更が行われ、ツインターボ版1G-GTE仕様にワイドボディが追加され、さらにE仕様もワイドボディ化。また3.0Lターボ仕様にTEMS、パワーシート、デジタルメーターを省略して価格を抑えた廉価仕様の「3.0GTターボS」が追加された。
モデル末期の1990年8月、最後のマイナーチェンジ。エンジンの変更やサスペンションの設定見直し等が主体となる。これまでの最上級グレード「3.0GT」系のエンジンを新たにX80系マークIIのスポーツグレードに採用された2.5Lツインターボ 1JZ-GTEに換装し、またサスペンションにドイツのビルシュタイン社と共同開発した専用ダンパーを採用[注 1]。タイヤもインチアップされ、スポーツカーとしての性能を大幅に引き上げた。そのためグレード名は「2.5GTツインターボ」に改称され、3Lターボ仕様の7M-GTE搭載車は廃止された。また、外観では、フロントノーズのエンブレムが縦長のスープラ独自のものから1989年に発表された初代セルシオより採用されている新トヨタCIマークに変更されている。ちなみにこの「2.5GTツインターボ」は、当時のトヨタ車として初の280PSの5速MT設定車であり(AT仕様もあり)、当時の国産市販車の280PSクラスのレシプロエンジン車では2.5Lと最小排気量であった。
また、全日本ツーリングカー選手権(グループA)のホモロゲーション取得用モデルとして7M-GTEに専用開発のターボAタービン(CT26型ベース)を搭載した3.0Lターボ車「ターボA」が、1988年8月のマイナーチェンジと同時に500台限定で販売され、価格は405万1千円であった。特徴はフロントバンパーセンター部の3連ダクトで、このダクトの形は「ターボAダクト」と呼ばれた。その他の特徴として、ボディカラー、ホイールも黒、内装は本革シートを採用し5速マニュアルのみの設定でメーター類はアナログのみとなる。吸入空気量測定方式を従来のLジェトロからDジェトロとした。インタークーラーも大型の物が装着され、最高出力は量産型の240PSから270PSにまでパワーアップされた。サスペンションはバネ定数やダンパーの減衰力を高め、前後スタビ径を拡大した専用のものに変更されている。
グループAでのスープラは、デビュー戦で優勝を飾ったものの、その後はフォード・シエラや日産・スカイラインの前に苦戦し、R32スカイラインGT-Rが席巻した1990年をもって撤退した。
搭載エンジンについて詳細は以下。
形式 | 項目\年代 | 1986年2月~ | 1987年1月~ | 1988年8月~ | 1990年8月~ |
---|---|---|---|---|---|
1G-EU | 排気量 形式 最高出力 最大トルク |
1,988cc OHC-自然吸気 105PS/5,200rpm 16.0kgf·m/4,000rpm |
← ← ← ← |
||
1G-FE | 排気量 形式 最高出力 最大トルク |
1,988cc DOHC-自然吸気 135PS/5,600rpm 18.0kgf·m/4,400rpm |
|||
1G-GEU | 排気量 形式 最高出力 最大トルク |
1,988cc DOHC-自然吸気 140PS/6,400rpm 16.5kgf·m/4,600rpm |
← ← ← 17.6kgf·m/4,000rpm |
← ← 150PS/6,400rpm 18.6kgf·m/5,600rpm |
← ← ← ← |
1G-GTEU | 排気量 形式 最高出力 最大トルク |
1,988cc DOHC-ツインターボ 185PS/6,200rpm 24.5kgf·m/3,200rpm |
← ← ← ← |
← ← 210PS/6,200rpm 28.0kgf·m/3,800rpm |
← ← ← ← |
7M-GTEU | 排気量 形式 最高出力 最大トルク |
2,954cc DOHC-ターボ 230PS/5,600rpm 33.0kgf·m/4,000rpm |
← ← ← ← |
← ← 240PS/5,600rpm 35.0kgf·m/3,200rpm (※1) |
|
1JZ-GTE | 排気量 形式 最高出力 最大トルク |
2,491cc DOHC-ツインターボ 280PS/6,200rpm 37.0kgf·m/4,800rpm |
(※1)最高出力270PS/5,600rpm/最大トルク36.5kgf·m/4,400rpmのターボA仕様有り
4代目 A80型(1993年-2002年)
トヨタ・スープラ(日本国内2代目) JZA80型 | |
---|---|
概要 | |
販売期間 | 1993年5月 - 2002年8月 |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ | 3ドアクーペ |
駆動方式 | 後輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
2JZ-GE型: 2,997cc 直列6気筒DOHC 2JZ-GTE型: 2,997cc 直列6気筒DOHCツインターボ |
最高出力 |
2JZ-GE型: 165kW (225PS)/6,000rpm 2JZ-GTE型: 206kW (280PS)/5,600rpm |
最大トルク |
2JZ-GE型: 284N・m (29.0kgf・m)/ 4,800rpm 2JZ-GTE型: 431N・m (44.0kgf・m)/ 3,600rpm (1993年5月-1997年8月) 451N・m (46.0kgf・m)/ 3,600rpm (1997年8月-2002年8月) |
変速機 |
5速MT 6速MT 4速AT |
前 |
前:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング 後:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング |
後 |
前:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング 後:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,550mm |
全長 | 4,520mm |
全幅 | 1,810mm |
全高 | 1,275mm |
車両重量 |
1,410-1,570kg (1993年5月-1995年5月) 1,410-1,540kg (1995年5月-1996年4月) 1,430-1,510kg (1996年4月-2002年8月) |
その他 | |
ブレーキ |
前:ベンチレーテッドディスク 後:ベンチレーテッドディスク |
「THE SPORTS OF TOYOTA」をキャッチコピーに、A80系スープラは1993年にデトロイトモーターショーにて公開され、同年5月に販売開始された。日本では2代目にあたる。
シャシーはスポーツラグジュアリークーペのソアラ(Z30系)に採用された、前後サスペンションがダブルウィッシュボーン方式(フロントアッパーアームがアルミ鍛造のローマウント式)で、A70系より改良が行なわれている。Z30系ソアラとのシャシーの大きな違いは燃料タンクの位置で、ソアラがリアシート背後なのに対し、より全長の短いスープラでは重量配分や前後オーバーハングの長さを適正化すべくトランク下に移設されている。
エンジンは直6 3L 2JZ系に変更され、新開発の電子制御サブスロットルシステム「ETCS」が初搭載された(このETCSは後に改良型の1JZ-GTEへ技術転用されている)。
NA仕様(クラウンなどと同一型式のエンジン)で225PS、ターボ仕様はアリスト(JZS147系)に搭載されていたシーケンシャル方式ツインターボ(トヨタは「2ウェイツインターボ」と呼称)で、最高出力が280PS、最大トルクは44kgf·m(1993年~1996年)を発生した。
また、当時の日本産国内向け乗用車としては初となる6速MT(ドイツ・ゲトラグ社とトヨタとの共同開発)を搭載した。なお上級モデルには17インチタイヤ・ホイールとそれに対応した大型ブレーキキャリパー(前・対向4ポット 後・対向2ポット)と大径ローターを装備するものの、発売当初はアメリカ専売モデルのみの採用で、日本国内モデルへは当時の運輸省の認可が下りなかったために翌年まで持ち越された。
1994年8月にマイナーチェンジ。先述の17インチタイヤ・ホイール&大径ブレーキ(ABSも専用のスポーツABSとなる)装着車の追加(発売当初、ホイールの色がターボ車がガンメタリック、NAはシルバーだったが、後に全てシルバーに統一)、グレード体系の一部見直し(RZ-SとSZ-Rの追加)が行われた。RZは6速MTのみの設定と17インチが標準、RZ-SはATと6速MTの設定で17インチはオプション、SZ-RはATの設定は無く、前期がアイシン製5速MTのみで後期よりSZ-R専用ギア比のゲトラグ製6速MTが標準となった。ちなみにGZとSZは変更なし。
1996年4月に再びマイナーチェンジ。内外装の小変更が行われ、最上級グレードのGZはカタログから消滅。それに伴いターボのエアロトップ仕様もラインナップより消えている。NAエンジンのSZ-RにもRZと同じゲトラグ社製6速MTが改良され搭載された。また全車にABS、デュアルエアバッグが標準装備された。
1997年8月に最後のマイナーチェンジ。同一型式のエンジンを積むアリストが2代目(JZS16#系)へとフルモデルチェンジし、それに伴いA80系スープラもエンジンをVVT-i化された(NAの2JZ-GEは変更なし)。これにより最高出力はそのままながら、最大トルクは46kg-mへ増加、燃費や扱いやすさも向上している。同時に電子制御スロットルも「ETCS-i」へと変更されている。また、サスペンションに「REAS(Relative Absorber System, リアス、相互連携アブソーバーシステム)」を採用。これは左右のダンパーをオイルラインで結び、走行状況に応じてオイルを左右に循環させ、左右の減衰力差を発生させるもので、ヤマハ発動機とトヨタが共同開発したものである。このREASは、後に進化版が同じトヨタのハイラックスサーフやクラウンアスリートVX(特別限定車)に「X-REAS」として搭載されている。これ以外にもボディ補強などの小変更が行われた。
1999年8月、SZの後輪に245タイヤを採用(フロントは225のままで前後異サイズとなった)。
2002年8月、「平成12年度自動車排出ガス規制」に対応できなかったため(同一型式のエンジンを搭載するアリストはターボ・NAともに対応)、ライバル車種の日産・スカイラインGT-Rやマツダ・RX-7などと共に生産を終了した。
高剛性のボディや頑丈で強力なエンジンに加え、トヨタ車におけるスポーツフラッグシップ車であったことから、TRD等のメーカー直系だけでなく、他社からも多くのアフターパーツが発売された。チューニングの度合いによっては1000馬力を超えるほどのパワーを出すことすら可能であるため、2017年現在でもチューニングベースとして使用されることが多い。
5代目(2019年-)
トヨタ・GRスープラ(日本国内3代目)[2] | |
---|---|
概要 | |
製造国 | オーストリア |
販売期間 | 2019年春 - |
ボディ | |
乗車定員 | 2名 |
ボディタイプ | 3ドアクーペ |
駆動方式 | 後輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
SZ、SZ-R: 1,998cc 直列4気筒 直噴DOHCターボ RZ: 2,998cc 直列6気筒 直噴DOHCターボ |
最高出力 |
SZ: 145kW (197PS)/4,500-6,500rpm SZ-R: 190kW (258PS)/5,000-6,500rpm RZ: 250kW (340PS)/5,000-6,500rpm |
最大トルク |
SZ: 320N・m (32.6kgf・m)/ 1,450-4,200rpm SZ-R: 400N・m (40.8kgf・m)/ 1,550-4,400rpm RZ: 500N・m (51.0kgf・m)/ 1,600-4,500rpm |
変速機 | 8速AT |
前 |
前:ダブルジョイントスプリングストラット式 後:マルチリンク式 |
後 |
前:ダブルジョイントスプリングストラット式 後:マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,470mm |
全長 | 4,380mm |
全幅 | 1,865mm |
全高 |
1,290mm(SZ、SZ-R) 1,295mm(RZ) |
車両重量 | 1,410-1,520kg |
2011年、トヨタはドイツのBMWと環境技術に関する技術提携を結び、5代目スープラの開発は前述のそれを一層深めることを目的に両社で自動車を共同開発するというプロジェクトから誕生したものである。
2012年、正式にプロジェクトがスタート。本車両の開発に際しては、車両の基礎となるプラットフォーム(シャシーやパワートレーン等)をBMWのスポーツカー「Z4」の新型モデルと共用することでコストダウンを図ることが前提となった。しかし車両全体の企画と内外装デザインに関してはトヨタ側で担当している。また、車両の製造に関してはBMWのZ4と同じくオーストリアの自動車製造会社であるマグナ・シュタイアが担当することになった[3]。
2014年、北米国際オートショー(デトロイトモーターショー)でクーペデザインコンセプト「TOYOTA FT-1」を発表。デザインを担当したのは、当時設立40周年を迎えたトヨタのアメリカにおけるデザイン拠点「Calty Design Research,Inc」(通称:CALTY)で、1967年に発売されたトヨタ・2000GTからの流れを汲む歴代トヨタ・スポーツへのヘリテージであると発表した。なお、FT-1の車名は「FT」が“Future Toyota”を、「1」は“頂点”を示したものである。
2018年3月、第88回ジュネーブ国際モーターショーにて「GR Supra Racing Concept」を世界初公開。2019年に発表される市販仕様車をベースとし、FIAーGT3規格のレーシングカーに仕立て上げられたコンセプトモデルであった。これは、将来におけるスープラの発展性を示唆したものであり、その開発にあたってはレーシングカーのTS050ハイブリッド(FIA WEC)や、コンパクトカー「ヤリス」のレーシングカー(FIA WRC)など開発した、ドイツに本拠地を構える「トヨタ・モータースポーツ有限会社(Toyota Motorsport GmbH)」が担当した。なお、この「GR Supra Racing Concept」は実際に走行が可能であると公式にアナウンスされていた。
なお、この場にて正式に「スープラ」という車名が4代目(A80系)の製造終了後16年を経て復活することになった。
同年7月、イギリスで開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて開発中の試作車で走行を披露した[4]。
同年11月、静岡県の富士スピードウェイにて開催された「TOYOTA GazooRacing FESTIVAL 2018」にて前述の市販最終試作車両が展示された。こちらにおいても走行イベントに出走している。なお、日本での(メーカー公式における)初披露はこれが初となった。
2019年1月11日、千葉県で開催された「東京オートサロン2019」にて「GR SUPRA SUPER GT Concept」を発表した。この場に於いて、トヨタが2020年より「SUPER GT」のGT500クラスに5代目スープラが参戦するとアナウンスされた。スープラ、そしてトヨタブランドとしてのGT500クラス復帰は2006年にレクサスブランドとレクサス・SCへの移譲以来14年ぶりとなる。
同年1月14日、アメリカのデトロイトにて開催された「デトロイトモーターショー」にて市販仕様車の世界初披露を行った。当日行われた記者発表の壇上で、トヨタ自動車の代表取締役社長である豊田章男が赤、F1の元世界王者で2018年にはTOYOTA GAZOO Racingドライバーとしてル・マン24時間レースを制覇したフェルナンド・アロンソがグレーのスープラで登場した[5]。そして、日本での発売は2019年の春頃を予定していると公式に発表された。加えて、この一週間後にアメリカで開催された同国最大の自動車オークション「バレットジャクソン・カーオークション」のチャリティオークションで5代目スープラの生産第一号車が出品されたが、その落札価格は210万ドル(2.3億円=当時のレート)にも達した[6]。
なお、5代目スープラはトヨタのスポーツモデル専用ブランド「GR」初の専売車種となり、車名にも「GR」が冠された。従って、5代目スープラの正式名称は「TOYOTA GR SUPRA」となる。
年表
- 2011年12月1日
- BMWグループとトヨタ自動車は、次世代環境車・環境技術における中長期的な協力関係の構築に向けた覚書に調印したと発表[7]。
- 2012年6月29日
- BMWグループとトヨタ自動車は、2012年12月に締結した両社の戦略的な協力関係を強化することを発表[8]。
- 「FCシステムの共同開発」「スポーツカーの共同開発」「電動化に関する協業」「軽量化技術の共同研究開発」という4つのテーマで、長期的な戦略的協業関係構築を目指していく覚書に調印した。
- 2013年1月24日
- BMWグループとトヨタ自動車が協業に関する正式契約を締結[9]。
- 契約内容のうち「スポーツカーの共同開発」においては、ミッドサイズのスポーツカーに搭載する共通のプラットフォームのコンセプトを決定するための検討を開始することで合意。
- 2014年1月13日
- 2014年北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)にクーペデザインコンセプト「TOYOTA FT-1」を出展[10]。
- 2018年3月6日
- 第88回ジュネーブ国際モーターショーにおいて、「GR Supra Racing Concept」を世界初公開[11]。
- 2018年7月6日
- 市販モデルを2019年前半に発売すると発表[12]。
- 2019年1月14日
- 2019年北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)において、新型スープラを世界初披露[13]。
- 日本での発売は2019年春頃を予定、と発表。
モータースポーツ活動
A70系は1987年より全日本ツーリングカー選手権(JTC)に参戦。デビュー戦で優勝を飾ったが、その後はレギュレーション変更によって重量増加がなされたため、フォード・シエラや日産・スカイラインに追従できず、1990年限りで撤退した。
A80系は1995・1996年にスープラLM-GTでル・マン24時間レースに参戦したほか、全日本GT選手権、SUPER GTのGT500クラスに参戦。日産・スカイラインGT-Rやホンダ・NSXと戦いを繰り広げ、2002年の生産終了後も2006年にレクサス・SCに交代するまで第一線で活躍。1997年トムス、2001年セルモ、2002年チームルマン、2005年セルモの4度チャンピオンに輝いている。
なおエンジンは1994年のデビュー2戦のみ2JZ-GTEであったが、翌年 直4ターボの3S-GTE、2003年からはV8 NAエンジンの3UZ-FE(排気量は参戦年度により異なる)に変更された。またサスペンションなどは参戦当初においてトヨタ・TS010のパーツを流用したものに変更された。
2007年のスーパー耐久第3戦・十勝24時間レースには、2005年のSUPER GTで使用された車両をベースにレース用ハイブリッドシステムを搭載したスープラHV-Rで参戦、総合優勝を果たした。これはトヨタ史上初のハイブリッドレーシングカーの優勝でもあった。
D1グランプリには、織戸学のRS・Rスープラが2005年に参戦している。2008年のD1ストリートリーガルの第1戦からはセリカのフロント部を移植した車両が、松井有紀夫ドライブで参戦している。2010年に前年度より再参戦していた織戸学が再びスープラで参戦した。ただし以前使用した車両とは別物である。またアメリカのフォーミュラ・ドリフトでも、2017年現在も用いられている。
海外では、世界ラリー選手権(WRC)のグループA規定 初年度の1987年から1988年にセリカGT-FOURが登場するまでの間にもスープラが参戦し、サファリ・ラリーで3位表彰台を獲得している。またIMSAではトヨタのセミワークスであるオール・アメリカン・レーサーズが採用し、GTUクラスで10勝を挙げている[14]。1991年にはオーストラリアで初開催されたバサースト12時間耐久レースに登場し、ライバルのフォード・レーザー、三菱・ギャランなどを破って初代優勝車となった。2000年にはタイヤメーカーのファルケンとともにニュルブルクリンク24時間に参戦、一時総合3位を走行したが、クラッシュによりリタイアした。
5代目GRスープラは、市販車の発表よりも早くモータースポーツに絡めたプロモーションが行われており、2018年ジュネーヴ・モーターショーでTMGがデザインした、LM-GTE仕様のレーシングコンセプトを公開している[15]。同年10月のVLN(ニュル耐久シリーズ)には市販車のプロトタイプと思われる「スープラA90」がエントリーし、モリゾウ(豊田章男社長)含む3人のテストドライバーがドライブ。クラス2位で完走した[16]。また同年NASCARエクスフィニティ・シリーズに、2019年の市販車発表直前にはSUPER GT GT500クラスにも参戦することが発表されている。
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BTCCのチーム・トヨタGBのスープラ(1985年)
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JGTCのカストロールTOM'S・スープラ(1997年)
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ニュルブルクリンク24時間レースのファルケン・スープラ(2000年)
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FoSにて、V8エンジン・900馬力のスープラ(2010年)
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GRスープラ・レーシングコンセプト(2018年)
車名の由来
脚注
注釈
出典
- ^ a b 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p86
- ^ "TOYOTA、デトロイトモーターショーで新型スープラを世界初披露" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 14 January 2019.
- ^ トヨタ スープラ 新型は欧州製、BMW Z4 と同じ工場で生産へ…マグナが生産を受託 Response.jp 2019年1月17日
- ^ "TOYOTA、「スープラ」試作車の走行を英国で初披露-「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で直列6気筒のサウンドが響く-" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 25 July 2018.
- ^ "TOYOTA、デトロイトモーターショーで新型スープラを世界初披露" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 14 January 2019.
- ^ トヨタ、スープラ1号車をオークションに 収益2億円寄付 日本経済新聞 2019年1月20日
- ^ "BMWグループとトヨタ、環境技術における中長期的な協力関係の構築に合意" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 1 December 2011.
- ^ "BMWグループとトヨタ、協力関係強化で合意― FCシステム、スポーツカー分野での協業に向けた覚書に調印 ―" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 29 June 2012.
- ^ "BMWグループとトヨタ、協業に関する正式契約を締結― FCシステム、スポーツカー、軽量化分野での協業に着手、リチウム空気電池技術の共同研究も開始 ―" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 24 January 2013.
- ^ "トヨタ自動車、2014年北米国際自動車ショーにクーペデザインコンセプト「TOYOTA FT-1」を出展" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 13 January 2014.
- ^ "TOYOTA、ジュネーブモーターショーで「GR Supra Racing Concept」を世界初公開-「スープラ」が16年ぶりにレーシングカーコンセプトとして復活-" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 6 March 2018.
- ^ "TOYOTA、「スープラ」で2019年のNASCARエクスフィニティ・シリーズに参戦-市販モデルは2019年前半に販売を開始-" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 6 March 2018.
- ^ "TOYOTA、デトロイトモーターショーで新型スープラを世界初披露-「GR」シリーズ初のグローバルモデル-" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 14 January 2019.
- ^ "The Angriest Celicas by Matthew Hayashibara, Sports Compact Car, September 1999".
- ^ スープラ、来年復活へ トヨタ、欧州のディーゼルは撤退
- ^ トヨタ新型スープラ、レースデビュー Response 2018年10月23日