影同心

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
影同心
ジャンル 時代劇
放送国 日本の旗 日本
制作局 毎日放送東映
監督 松尾正武
工藤栄一
深作欣二
倉田準二 ほか
脚本 佐々木守
池上金男
佐藤純彌
石森史郎 ほか
プロデューサー 青木民男(毎日放送)
小野耕人・杉本直幸・斎藤頼照(IIのみ)(東映)
出演者 山口崇
渡瀬恒彦
金子信雄 ほか
(以上『影同心』)
浜木綿子
水谷豊
山城新伍
黒沢年男 ほか
(以上『影同心II』)
影同心
放送時間 土曜22:00 - 22:55(55分)
放送期間 1975年4月5日 - 10月11日(28回)
オープニング 作曲:渡辺岳夫
エンディング 朝月愛「風の女」
影同心II
放送時間 土曜22:00 - 22:55(55分)
放送期間 1975年10月18日 - 1976年3月27日(24回)
オープニング 作曲:渡辺岳夫
エンディング 黒沢年男「いつかおまえに」
テンプレートを表示

影同心』(かげどうしん)、『影同心II』はテレビ時代劇

概要[編集]

本作が放映される直前に、朝日放送(以下ABC)と毎日放送(以下MBS)のネットチェンジ(腸捻転の解消)が行われた。当時、ABCはTBS系列として「必殺シリーズ」を放映しており、関西で視聴率30%前後を誇る人気作であった。そのため、ネットチェンジによって人気番組が失われることを憂慮したTBSが、新たに準キー局となるMBSに対し、必殺シリーズと同系統の時代劇の制作を依頼、MBSは東映[1]に企画を発注して本作が制作された。

『影同心』は放映開始直後から視聴率20%を超え、順調なスタートを切った。MBSは『影同心』の放映終了後、このヒットを受けて設定を一新した続編『影同心II』を続けて放映した。しかし視聴率は低迷、24話で打ち切りとなり、シリーズは2作で終了となった。

(視聴率は関西地区のもの)

影同心(初作)[編集]

放映期間:1975年4月5日 - 10月11日 全28回

あらすじ[編集]

天保年間。南町奉行鳥居甲斐守配下の三人の同心、小石川養生所見回り役の更科右近、高積見回り役の高木勘平、例繰方の柳田茂左衛門は、いずれも日頃、奉行所内で「役立たずの厄介者」と烙印を押されるほどの鼻つまみ役人。しかしその正体は、奉行が法で裁けぬと判断した悪人どもを成敗する“影の刺客”だった…[2]

登場人物・キャスト[編集]

更科右近(山口崇
小石川養生所見回り役。影同心。女物の櫛で獲物の首筋を切り裂くが、第1話は歯が長く、柄の部分が着脱式の鉄櫛で首筋の急所を刺していた。大刀や脇差を使用したり(8・13・25話以降)、お袖の遺髪での絞殺(第14話)、菊の残した簪(第15話)、手拭い(第19話)を武器として使っていた。
高木勘平(渡瀬恒彦
高積見回り役。影同心。無精髭を生やしているが、第27話でその髭面を小田頼母に咎められ、お佐知のもとで無精髭を剃る事になる[3]。役目柄、六尺棒を持ち歩く。日常から帯びている、鎖付きの独特の大刀(刃が着脱可能で鎖は第9話から使用)を振るう他、包丁(5・19話)や鳶口(第11話)、敵の銃(25話)を使う回もある。
柳田茂左衛門(金子信雄
定年間近の例繰方。影同心のリーダー格である。日頃の昼行灯ぶりは人一倍で、役人然としていない。蛤の貝殻で相手の睾丸を握り潰し、ショック死させる。素手で潰す回(第2話)もあった他、女性に対しては空振る回(第24話)もあった。
お佐知(范文雀
髪結い。柳田茂左衛門の愛人。三人の同心をサポートする。
おとら(菅井きん
長屋に住む、ドケチな金貸し。三人に情報を提供する事もある。
小田頼母(勝部演之
南町奉行所の与力で、右近達の上司。三人を疎んじている。無論三人が影同心であることは知る由もない。
源太(林大興
勘平の弟分で、街の情報屋。二丁ヌンチャクが武器。三人をサポートする。
柳田周江(丹阿弥谷津子
茂左衛門の妻。「あなたの元に嫁(か)して三十年。後悔ばかりの毎日でございました」と、茂左衛門へ愚痴をこぼすのが、定番シーンだった。
丹阿弥と金子は、実生活でも夫婦。
鳥居甲斐守(田村高廣
南町奉行。茂左衛門、右近、勘平に、「影同心」設立を命じた張本人で、自らが元締となる。
ナレーター(芥川隆行

主題歌[編集]

放映リスト(サブタイトルリスト)[編集]

サブタイトルのフォーマットは「殺し節」。

話数 サブタイトル 放映年月日
(1975年)
脚本 監督 ゲスト
1 夜霧の殺し節 4月5日 飛鳥ひろし 松尾正武 成田三樹夫内田朝雄紅景子岩田直二
2 罠かけ殺し節 4月12日 佐々木守 倉田準二 佐藤慶武原英子工藤堅太郎谷口香小野川公三郎
3 鐘に怨みの殺し節 4月19日 宮川一郎 河野寿一 菅貫太郎剣持伴紀北村英三八木孝子
4 欲にからんで殺し節 4月26日 池上金男 工藤栄一 岸田森織本順吉北見治一
5 惚れた弱みの殺し節 5月3日 飛鳥ひろし 倉田準二 河原崎次郎今井健二牧冬吉
6 廓に咲く花殺し節 5月10日 松尾正武 池玲子原田清人有崎由見子江見俊太郎小田部通麿志賀勝
7 首狩り殺し節 5月17日 倉田準二 滝田裕介葉山葉子山崎猛岩尾正隆
8 女のかたき殺し節 5月24日 中島貞夫 井上昭 宇津宮雅代高橋長英川辺久造有川正治林浩久
9 あぶな絵殺し節 5月31日 高橋稔 工藤栄一 森次晃嗣睦五郎渡辺やよい天本英世
高木均城所英夫田島義文
10 油地獄の殺し節 6月7日 飛鳥ひろし 井沢雅彦 山本亘服部妙子二本柳敏恵中山昭二戸部夕子
11 情けに賭けて殺し節 6月14日 岩元南 松尾正武 紀比呂子柴田侊彦永井智雄峰蘭太郎
12 花も恥じらう殺し節 6月21日 飛鳥ひろし 市毛良枝深江章喜中原早苗稲葉義男中村孝雄
13 乙女が哭いた殺し節 6月28日 河野寿一 田中明夫小鹿番小野恵子水上竜子
14 大奥(秘)(まるひ)殺し節 7月5日 高久進
佐藤肇
佐藤肇 室田日出男水原麻記八木孝子宗方奈美
15 三三九度の殺し節 7月12日 高橋稔
岩元南
工藤栄一 野際陽子島田順司犬塚弘上田忠好
16 もてた男の殺し節 7月19日 宮川一郎
山崎大助
山崎大助 長谷川明男有吉ひとみ嵯峨善兵小島三児高城淳一汐路章
17 二つ枕の殺し節 7月26日 池上金男 松尾正武 緑魔子伊沢一郎遠藤太津朗内田勝正青山良彦
18 濡れた女の殺し節 8月2日 鈴木兵吾
神波史男
深作欣二 松本留美、室田日出男、川谷拓三絵沢萌子有川正治成瀬正孝荒木雅子
19 色の地獄は殺し節 8月9日 池田一朗 井上昭 瑳峨三智子、服部妙子、橋爪功伊達三郎根岸一正
20 新妻ひとり寝殺し節 8月16日 結束信二 竹下景子石山律雄浜田寅彦住吉正博河村祐三子浜村純
21 牢屋は極楽殺し節 8月23日 池上金男 倉田準二 志垣太郎樋浦勉紅景子田口計梅津栄村松克己、岩尾正隆
22 無理が通って殺し節 8月30日 飛鳥ひろし 原田隆司 上村香子穂積隆信灰地順
23 花嫁買って殺し節 9月6日 館野彰
佐藤肇
佐藤肇 石橋蓮司望月真理子賀川雪絵桑山正一山城新伍、成瀬正孝、立原博北原将光若山富三郎※ノンクレジット
24 男の操は殺し節 9月13日 佐藤純彌
小野竜之助
松尾正武 新田昌玄森秋子堀越陽子中田博久中井啓輔
25 相合傘の殺し節 9月20日 宮川一郎 河野寿一 山本圭亀井光代天津敏福田豊土、北村英三
26 金がかたきの殺し節 9月27日 結束信二 松尾正武 左右田一平入江若葉谷村昌彦八名信夫片桐竜次
27 赤いしごきの殺し節 10月4日 小野竜之助 倉田準二 茅島成美川合伸旺柳沢真一
汐路章宗方奈美長島隆一福本清三
28 わたしが愛した殺し節 10月11日 岩元南
土橋徹
井上昭 岡田裕介、水原麻記、戸浦六宏
高城淳一平泉征、田島義文、朝月愛

影同心II[編集]

放映期間:1975年10月18日 - 1976年3月27日 全24回

登場人物・キャスト[編集]

香月尼(浜木綿子
谷中にある尼寺・香泉院[4]の尼僧。通称「庵主さま」。先が鋭く尖った花の茎や枝で相手の首筋を刺すが、柳の枝など刺しにくい物には針を仕込ませている。女郎だったが先代の庵主様に救われて僧籍に入った過去がある。「一殺多生。浮かばれぬ哀れなひとたちを成仏させるためなら、あたしは喜んで地獄に落ちます」が出陣前の決め台詞である。最終回で悪事の限りを尽くした町奉行・酒井駿河守(岸田森)を成敗した後、源八郎や留吉とともに姿を消した。
堀田源八郎(黒沢年男
寺社奉行所同心。管轄違いから市井の事件では腕が振るえず、鬱屈した生活を送っていた。殺しの場で持ち前の剣の腕を振るう。最終回で山崎屋藤兵衛(多々良純)らを成敗した後、香月尼や留吉とともに何処ともなく姿を消した。
留吉(水谷豊
香泉寺の寺男。博打狂いの遊び人であったが、源八郎の計らいで香月尼のもとで寺男として雇われた。楊枝を相手の額(場合によっては首筋やこめかみにも)に吹き刺し、槌で叩いて駄目を押す。最終回では、平七殺しの下手人である南町奉行所同心・松永伊十郎(嵐圭史)を亡き平七の得物であるふんどしで絞殺した後、香月尼や源八郎とともに何処へ去っていった。
平七(山城新伍
牢番。元錠前破り。初期は女の黒髪を束ねた紐で首を絞め殺していたが、後にふんどしを使うようになる。また、相手によっては短刀を使って殺しを行う事もある。最終回で同心の松永と山崎屋らによって留吉同様捕らえられ、拷問を受けるが、その留吉を助けるために、松永に惨殺され死亡。平七の墓標には、木の枝に彼の愛用の煙管と煙草入れが刺さっているのみであった。
おいね(片桐夕子
源八郎の情婦。
お勝(森みつる
平七の妻。野菜の行商をしている。
石井多門(早川保
南町奉行所の定町廻り同心で源八郎の友人。源八郎に乗せられて町奉行所の情報を流してしまう。
稲葉新左衛門(岡田英次
寺社奉行所の大検使で源八郎の上司。第8話で佐代(市毛良枝)と言う奥方がいる事が明らかになるが、悪徳住職・雲海(寺田農)の毒牙に掛かり、後に死亡。
ナレーション(芥川隆行

主題歌[編集]

  • 「いつかおまえに」
    • 作詞:中山大三郎 作曲:鈴木淳 編曲:竜崎孝路 唄:黒沢年男(現・年雄)
    • 発売:日本コロムビア

放映リスト(サブタイトルリスト)[編集]

話数 サブタイトル 放映年月日 脚本 監督 ゲスト
1 影の裁きは菊一輪 1975年
10月18日
池上金男
岩元南
工藤栄一 吉行和子藤岡重慶、上田忠好、市村昌治
2 つぼみで落ちた白い菊 10月25日 神波史男
松田寛夫
睦五郎、川口厚津田京子江幡高志、汐路章
3 遅れて咲いた彼岸花 11月1日 高橋稔 倉田準二 木内みどり入川保則佐々木勝彦小泉洋子、志賀勝
4 風にりんどう小紫 11月8日 岩元南 黒田義之 佐々木剛島田順司小野恵子
5 女の争い紅葉花 11月15日 石森史郎 柴田侊彦蜷川幸雄三浦真弓中原早苗
6 正体見たり枯尾花 11月22日 岩元南 井上昭 長門勇上原ゆかり、酒井修、勝部演之、根岸一正、五味龍太郎
7 百合の香りに夜の蝶 11月29日 高橋稔 杉本美樹、織本順吉、田口計
白石奈緒美小鹿番、穂積隆信
8 妻の秘め事乱れ菊 12月6日 山田隆之 松尾正武 市毛良枝寺田農岩田直二
9 山茶花一輪武士の首 12月13日 笠上和雄 久富惟晴北上弥太郎、天津敏、内田勝正
山下雄大、小林勝彦幸田宗丸片桐竜次
10 尼寺(秘)女郎花 12月20日 岩元南 工藤栄一 水上竜子梶三和子荒砂ゆき芦屋小雁
11 (秘)能舞台鬼の花道 12月27日 山田隆之 河野寿一 御木本伸介、北村英三、八木孝子
西山嘉孝石田茂樹田畑猛雄沖田駿一
12 尼寺(秘)女形狂乱 1976年
1月3日
松山威
茶木克彰
佐藤肇
佐藤肇 中村雪之丞弓恵子森幹太中村竜三郎
13 進学塾(秘)甘い罠 1月10日 木村雅夫 河野寿一 安部徹服部妙子北原義郎、中田博久
14 (秘)女色地獄 1月17日 大原清秀 佐藤肇 若林豪中丸忠雄三条泰子清水紘治、深江章喜
15 尼と男の冬の宿 1月24日 山田隆之 村山新治 今井健二、毛利菊枝小野恵子坂口徹
中村孝雄、牧冬吉五味龍太郎
16 尼寺女の溜め息 1月31日 川口桂 志垣太郎、茅島成美、江見俊太郎、山村弘三
松木聖、北原将光、山本昌平
17 一殺多生の大相撲 2月7日 岩元南 黒田義之 金子吉延龍虎[5]南道郎三浦リカ
黒部進羽田勉団巌、志賀勝
18 身代りの報酬 2月14日 津田幸於
佐藤肇
横光勝彦、、柳沢真一、二條朱美真山知子
木村元、唐沢民賢、水上保広西田良
19 御用地図強奪 2月21日 曽田博久 佐伯孚治 柴田侊彦、滝田裕介志摩みづえ、藤岡重慶
中井啓輔、片岡五郎石浜裕次郎
不破潤日高久志摩靖彦
20 罠に泣く女の黒髪 2月28日 三好和也 梅田智美三木豊村上冬樹高城淳一
佐々木孝丸伊藤高原口剛金井進二
21 木枯しの中の二人 3月6日 松山威
茶木克彰
林伸憲 高橋長英、山岡徹也町田祥子
山田雅秀広瀬登美子
22 一殺多生の影の肌 3月13日 小野竜之助
大原清秀
上村香子、住吉正博、岩田直二、金井大
小林勝彦、唐沢民賢島米八
23 一殺多生政商を斬る!! 3月20日 池上金男
茶木克彰
黒田義之 倉岡伸太朗高田瞳石山雄大原健策、水原麻記、
松村康世富田仲次郎、成瀬正、川辺久造、木谷邦臣
24 そして影は去った!! 3月27日 高橋稔 岸田森多々良純嵐圭史
和田幾子鶴賀二郎寺下貞信中島正二

スタッフ[編集]

  • プロデューサー:青木民男(毎日放送)・小野耕人、杉本直幸、斎藤頼照(IIのみ)(東映)
  • 音楽:渡辺岳夫
  • 脚本:放映リスト参照。
  • 監督:放映リスト参照。
  • 制作:毎日放送、東映

備考[編集]

  • 初作の第23話で北町奉行・遠山左衛門尉景元を演じた山城新伍は、次作『影同心II』で南町奉行所の牢番・平七を演じている。
  • 初作の主題歌『風の女』を歌っていた朝月愛が、初作の最終回に於いて右近たちの行きつけの居酒屋の看板娘役でワンシーンながら出演している。また、渡瀬演じる勘平との会話も僅かではあるが存在する。
  • また、初作の最終回のラストでは、次作『影同心II』の主要キャラである、香月尼・堀田源八郎・留吉・平七の四人[6]がワンカットずつ出演しており、[7]まさに出演者交代を印象づけるものとなった。

脚注[編集]

  1. ^ なお、必殺シリーズは松竹である。
  2. ^ 影同心”. 時代劇専門チャンネル. 2014年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月10日閲覧。
  3. ^ 高木勘平を演じている渡瀬恒彦が、次の映画出演の関係上、やむを得ない措置と考えられる。
  4. ^ 第24話(最終回)では香泉寺
  5. ^ 当時の芸名は「放駒清一」。
  6. ^ 但し、エンディングにはノンクレジットである。
  7. ^ 香月尼と源八郎のみツーショット。
毎日放送 土曜22時台
前番組 番組名 次番組
土曜映画劇場
※21:00 - 22:25
【この番組までNET製作、
ABCへ番組移行】
仁鶴・たか子の夫婦往来
※22:30 - 23:10
影同心

影同心II
TBS系列 土曜22時台
前番組 番組名 次番組
必殺必中仕事屋稼業
【この番組までABC製作、
NET系列金曜22時台へ移行】
影同心

影同心II
【この番組からMBS製作】