傷だらけの天使

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
傷だらけの天使
放送時間 土曜 22:00 - 22:55(55分)
放送期間 1974年10月5日 - 1975年3月29日(26回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 日本テレビ
東宝株式会社
渡辺企画
プロデューサー 清水欣也(日本テレビ)
工藤英博(渡辺企画)
磯野理(東宝企画)
出演者 萩原健一
水谷豊
岸田今日子
岸田森
ホーン・ユキ
ナレーター 中江真司
音声 モノラル放送
オープニング 井上堯之バンド
テンプレートを表示

傷だらけの天使』(きずだらけのてんし)は、1974年10月5日から1975年3月29日まで、毎週土曜日22:00 - 22:55に日本テレビ系で放送されたテレビドラマ。全26話。

1997年には阪本順治監督により映画化もされた。

本項では、テレビドラマ版と続編の小説版『魔都に天使のハンマーを』についても述べる。

内容[編集]

白い牙』に続く“土曜夜10時の日テレアウトロー路線”[1]第2弾で、2人の若者の怒りと挫折を描いた探偵ドラマ(犯罪ドラマ)。暴力団の抗争から捨て子の親探しまでストーリーはバラエティに富んでおり、後に脚本を担当した市川森一は「13人の脚本家と監督による壮大な実験劇」と表している。

影響[編集]

  • 恩地日出夫深作欣二神代辰巳工藤栄一らの監督陣が参加し、メインライターは当時新進気鋭の市川森一が担当した。
    • 第1クールの視聴率は1桁台と苦戦を強いられた。そこで第2クールは「暴力や裸のシーンを抑え、人情味溢れる展開にする」という軌道修正が図られ、2桁台の視聴率をキープすることに成功(最終回の視聴率は19.9%)。
    • 作品中に過激なシーンが多く登場することから、放送当時は「有害番組」のレッテルを貼られた。「あまりにふざけている」「下品である」「ストーリーがわからない」「テーマがない」などの批判を受けた。
  • 井上堯之バンドによる軽快なタッチのオープニングテーマ曲は、いまだにテレビCMなどで流用される。ただし、CMなどでの演奏は大野克夫バンドによる。
  • 衣装協力としてBIGIがクレジットされており、菊池武夫が担当した。萩原健一演じる木暮修の服やスタイルは、当時の若者に多大な影響を与えた。後に衣装はBIGIで売れ残った品を買い取って使用されたと話している(当時DCブランドは、値下げするとブランド価値が下がるとされ、在庫は夢の島へ処分していたのを勿体無いと思い買い取ったとのこと)[2]

登場人物[編集]

「エンジェルビル」こと代々木会館(東京・代々木、2012年撮影)
木暮修(こぐれ おさむ) - 萩原健一
探偵事務所「綾部情報社」の調査員。年齢は25歳。最終学歴は中卒。エンジェルビルの屋上にあるペントハウスに住んでいる[3]。粗暴な性格だが、仁義に厚く、非情に徹しきれない。危ない仕事ばかり回してくる綾部には不信を抱いており、金銭的に困窮していてもなかなか仕事を受けたがらない。事務所からの指示に背いて独自の行動を取ることも多い。
趣味は浪曲のレコード鑑賞。
死別した妻との間に一人息子の健太がいるが、妻方の実家に預けている。このため子供には優しい。なお、息子の名前は高倉健菅原文太から1字ずつを取って名づけた(これは深作欣二監督が実子をその理由で深作健太と名づけた実話が元)。この名前のエピソードは他の監督の回でもよく語られる。
乾亨(いぬい あきら) - 水谷豊
修と同じく綾部情報社の調査員。年齢は22歳(劇中、修のセリフで「俺より3つ年下」とある)。修を兄のように慕い、修に張り付いて身の回りの面倒を見ている。修よりも純情かつ手堅い気質で、将来はお金を貯めて、修と健太の3人で暮らすことを夢見ている。最終学歴は自称小卒(中学校中退)だが、自動車修理工として働いているときもある。リーゼントで頭にはポマードをべったりつけ、皮ジャンスカジャンをいつも着ている。当時の設定としては時代遅れのスタイルとしてこの格好をしていたが、放送終了後に真似をする若者が急増し、第2次ブームを迎えた。
劇中、頻繁に修を「兄貴ぃー!」と呼んで登場し、ある時は連呼する(市川森一によると、精神的なホモであるとのこと)。
最終回では高飛びする修に捨てられた上、風邪をこじらせて肺炎にかかり、多くのエロ本のヌードグラビアを部屋中にばら撒き、見守られながら孤独死する。
童貞。市川が亨の女性観を聞かれると「一生童貞なんじゃないですか? いくら女好きを誇張しても、いざ据え膳となると、ぶるぶる震えて直前になって逃げ出すタイプです」と言っている。実際、修と女性の性行為を見ても、横で震えている[4]
綾部貴子(あやべ たかこ) - 岸田今日子
綾部情報社の社長。表向き、事務所の評判はよいが、裏では悪事にも手を貸し、非合法な取引なども行う悪徳探偵事務所でもある。非情な性格であり、プライドも高い。修と亨にたびたび危険な仕事を与えて酷使する一方、修には「あなたは本当のワルになれる」と目をかけている。彼女が事務所で登場する際に、背後には決まってポーラ・ネグリが歌う映画『Mazurka』(マヅルカ 1935年、独映画)の主題歌が、古びた蓄音機から怪し気に流れている。
番組中期では、「海外視察」として国内を辰巳に任せ、名前があがるだけで登場していない。
最終回、本州 - 四国の海底トンネル工事の利権に絡み、公文書偽造背任横領の逮捕状が出たため、船でヨーロッパへ高飛びを図る。
辰巳五郎(たつみ ごろう) - 岸田森
綾部の片腕として働いている綾部情報社のナンバー2。クールな性格を装うも、実はスケベ(浅川の胸を直接触るなどの当時確立されていなかったセクハラを堂々と行う)で見栄っ張り。修と亨には常に威張っており、修たちへのギャラ(たいてい1回20万円)の一部をピンハネする。表立って口には出さないが、内心は綾部に想いを寄せている。胃下垂。頭髪はカツラであり、実際は剃髪している(岸田がカツラを外して土下座するシーンが第5話にある)。
最終回では綾部に捨てられたにもかかわらず、海津が彼女を逮捕しようとしたところを阻止して手錠をかけられる。
浅川京子 - ホーン・ユキ
綾部情報社の経理担当兼電話受付。綾部を尊敬している。下請け調査員である修たちのことを見下していたが、次第に理解を示すようになる。
最終回で探偵事務所が解散し、綾部から解雇され田舎へ帰ったはずだったが小説版で悲惨な最期を遂げていた。
海津警部 - 西村晃
綾部の悪事の証拠を掴もうとしている刑事だが、反面で綾部とは内通しており、金品と引き換えに捜査情報を漏らすこともある。第1話、7話、26話に登場。
松下刑事 - 船戸順
海津の部下の刑事。京子に色目を使う。辰巳からは「ネズミ野郎」と陰口を叩かれている。第1話、6話、13話に登場。

放送リスト[編集]

サブタイトル 脚本 監督 ゲスト
1 宝石泥棒に子守唄を 柴英三郎 深作欣二 金子信雄真屋順子坂上忍加藤和夫富田仲次郎八名信夫桐生かほるオスマン・ユセフ
2 悪女にトラック一杯の幸せを 永原秀一
峯尾基三
恩地日出夫 緑魔子江原達怡上野山功一北村総一郎相原巨典和久井節緒
3 ヌードダンサーに愛の炎を 市川森一 深作欣二 中山麻理室田日出男都家かつ江白石奈緒美伊達三郎大木正司
4 港町に男涙のブルースを 大野靖子 神代辰巳 池部良荒砂ゆき田島義文二見忠男
5 殺人者に怒りの雷光を 市川森一 工藤栄一 加藤嘉松山省二木村豊幸谷岡行二檜よしえ
6 草原に黒い十字架を 山本邦彦 神代辰巳 高木均大村千吉苅谷俊介
7 自動車泥棒にラブソングを 市川森一 恩地日出夫 川口晶高橋昌也蟹江敬三奥村公延如月寛多
8 偽札造りに愛のメロディーを 柴英三郎 工藤栄一 有島一郎田辺節子近藤宏沢りつ男
9 ピエロに結婚行進曲を 市川森一 児玉進 滝田裕介志摩みずえ水上竜子
10 金庫破りに赤いバラを 渡辺由自 鈴木英夫 小松政夫加納典明浜田寅彦川崎あかね松下達夫
11 シンデレラの死に母の歌を 土屋統吾郎 平田昭彦服部妙子浦辺粂子夏木順平川村真樹小宮和枝
12 非情の街に狼の歌を 鎌田敏夫 児玉進 土屋嘉男水原麻記清川新吾佐藤京一鈴木和夫畠山麦
13 可愛いい女に愛の別れを 高畠久
山本邦彦
土屋統吾郎 吉田日出子加茂さくら田口計加賀邦男加藤茂雄邦創典
14 母のない子に浜千鳥を 市川森一 恩地日出夫 桃井かおり石山雄大
15 つよがり女に涙酒を 篠崎好 松尾和子渡辺文雄稲葉義男
16 愛の情熱に別れの接吻を 鎌田敏夫 鈴木英夫 高橋洋子山下洵一郎
17 回転木馬に熱いさよならを 高畠久
渡辺由自
江夏夕子中原早苗橋本功福田豊土磯部勉伊東辰夫
18 リングサイドに花一輪を 柏原寛司 児玉進 中谷一郎今井健二梅津栄ファイティング原田、苅谷俊介、朝倉隆
19 街の灯に桜貝の夢を 市川森一 恩地日出夫 関根恵子森幹太阿藤海大口ひろし大山豊鹿島信哉、加藤茂雄
20 兄妹に十日町小唄を 篠崎好 児玉進 渡辺篤史伊藤めぐみ犬塚弘島田多江
21 欲ぼけおやじにネムの木を 宮内婦貴子 工藤栄一 内田朝雄笠井うらら亀渕友香根岸一正武藤章生
22 くちなしの花に別れのバラードを 篠崎好 児玉進 篠ヒロコ久保明家弓家正川口節子
23 母の胸に悲しみの眠りを 田上雄 工藤栄一 根上淳下條アトム西尾三枝子本山可久子
24 渡辺綱に小指の思い出を 市川森一 児玉進 坂口良子前田吟天本英世吉田義夫真山知子長谷川弘、富田仲次郎
25 虫けらどもに寂しい春を 宮内婦貴子
大野武雄
工藤栄一 小松方正根岸明美、水上竜子
26 祭りのあとにさすらいの日々を 市川森一 下川辰平森本レオ石田太郎柴田美保子、畠山麦

スタッフ[編集]

その他[編集]

日本テレビ系列での土曜夜10時枠のドラマはこの作品で一旦途切れ、1992年4月の『悪女(わる)』(こちらは読売テレビ制作の番組)まで待つことになる。

配役[編集]

萩原健一が『スポーツニッポン』に、2009年11月1日 - 11月30日まで連載した『我が道』の初回によれば、「自分の相棒役にキャスティングが予定されていたのは火野正平であったが、火野が『斬り抜ける』などのレギュラー番組が決まりスケジュールが取れなくなったために水谷豊に変更になった」という旨のことを明かしている[5][6]

また、当時、東宝側のプロデューサーの一人だった磯野理は、自身の回想本『東宝見聞録』にてHのスケジュールの関係で所属事務所の社長と揉めて、降板させたと記している[7]

エンジェルビル[編集]

修と亨が暮らしていたビル。綾部探偵事務所からビルの屋上にあるペントハウスを借りていた。

実際にロケが行われたのは、代々木駅隣(西口)にある代々木会館ビルで、かねてより老朽化しているため取り壊しの話が出るものの、いまだに当時のまま残っている。たびたび熱狂的ファンが進入を試み、住居侵入罪で逮捕される。

オープニング映像[編集]

演出は恩地日出夫、 撮影は木村大作。カメラに三脚をつける時間がないほどタイトなスケジュールでの撮影だったという。皮ジャンを着て、ヘッドフォンを付け、水中眼鏡を付けた修が眠りから目を覚まし、冷蔵庫の扉を開き、新聞紙をナプキン代わりに首から下げ、トマトコンビーフリッツ魚肉ソーセージに次々とかぶりつき、口で栓を開けた牛乳で喉に流し込む。当初は最後に牛乳を画面にぶっ掛ける趣向であったが、牛乳噴射のシーンをカットし、その直前の画面をストップモーションにすることで対処された[8]

演出[編集]

深作欣二は「仁義なき戦いシリーズ」五部作の最終作・『仁義なき戦い 完結篇』と「新仁義なき戦いシリーズ」一作目の『新仁義なき戦い』の間に演出を担当[9]。深作は本企画には参加する暇がなく「ショーケンでこういうのやりたいんだけど」と言われ参加した。前述のタイトルバック(オープニング映像)と二話分を恩地日出夫が撮影していたが、放映では前後して深作が演出した二話分が第一話と四話になった[9]。萩原健一は深作に会うなり「何で僕は『仁義なき戦い』の出られなかったのか」「僕があそこに出てなかったのは自分でも信じられない」と話していたと言い、本作品の撮影はスムーズに進んだという[9]。深作はこの「傷だらけの天使」で初めて木村大作カメラマンと組んだが、木村も『仁義なき戦い』を観ていたから、手持ちキャメラでも負けないと、オートバイに乗ってキャメラを担いだという[9]。この第一話で萩原扮する木暮修が古美術屋に強盗用のモデルガンを借りに来るシーンがあるが、その店の店主が金子信雄広島弁を喋る『仁義なき戦い』の山守親分のようなキャラクターで登場する。萩原がもごもごと「このオジさんむかし広島でヤクザの親分だったから」などと言うシーンがある。「仁義なき戦いシリーズ」撮影中が縁でのカメオ出演と思われる。

関連楽曲[編集]

  • 綾部貴子の出演シーンでかかる印象深い音楽の曲名は「マヅルカ」。作詞・ハンス・モラー、作曲・ペーター・クロイダー。1935年ドイツヴィリ・フォルスト監督による同名映画の中の1曲で、歌っているのは主演女優のポーラ・ネグリ。この曲は、以前に岸田今日子が寺山修司作のNHKドラマに出演した際にBGMとして使用され、気に入ったものだった。本作の市川森一のシナリオにはマレーネ・ディートリヒとの指定があったが、岸田はこの曲の使用を熱望した。しかし既にレコードは廃盤、制作サイドの音蔵にもこの曲が無かったため、岸田が知人のテレビ局員からレコードを借りてきて撮影に臨んだという。2009年現在、日本ではCD化されていない。なお、ドイツで発売されたCD『Erfolge, Sammlerstücke & Raritäten: Historische Aufnahmen aus den Jahren 1935-1940 - Peter Kreuder』[10]に、原題の「Ich spür in mir」で収録されている(他のアルバムでは、ポーラ以外のヴォーカルや、アレンジの異なるインストゥルメンタルバージョンが確認されている)。戦禍を逃れた貴重なSP音源のため、ノイズのクリア化が課題である。
  • たまらん節 … 萩原健一が撮影の辛さから自作したとされる曲。市川森一はこの曲に着想を得て「道化師にたまらん節を」というタイトルでシナリオを書いたが、オンエア時には「ピエロに結婚行進曲を」(第9話)に変えられていたという。
    ※この辛さというのは全放送回の脚本が遅筆で撮影当日までに仕上がらず、出演者には途中までの書きかけ台本が渡され、萩原は「覚えるのは二度手間」と台本を覚えずにやってきたり、不手際が多く出演者のアドリブに丸投げという演出もあった。水谷豊は萩原に撮影後よく「芸能界を引退したい」と人生相談をした。というもの。クランクアップ後、萩原は日テレに「今度はちゃんとした現場でしたい」と注文を付け、その結果来たのが『前略おふくろ様』だった。また、この劣悪な撮影現場でも、当日までに台詞を覚えしっかりと演技をこなす水谷の真面目さに萩原は感心し、この時の経験は『課長サンの厄年』の撮影で非常に役立ったという。[11]
  • 最終回のラストシーンでの使用が印象深い挿入歌は「一人」。歌うはゴールデン・カップスの元リーダー、デイヴ平尾。作詞・岸部一徳、作曲・井上堯之。のちに萩原健一の主演ドラマ「祭ばやしが聞こえる」でも挿入歌として使用、歌は柳ジョージが担当した。
  • ほかに印象深い楽曲としては、第4話での「浪曲子守唄」、第6話での「おかあさん」、第21話での「ラバウル小唄」、そして最終回で亨が噴水に入る直前に口ずさむ「船頭小唄」などがあげられる。
  • 本放映終了後の1975年9月15日に発売された萩原のシングル「お前に惚れた」のB面(カップリング)に、水谷が参加し、このドラマの世界を再現したかのような楽曲「兄貴のブギ」が収録された(『萩原健一の世界』『俺たちのメロディー 5』などのCDに収録。iTunes Storeなどでダウンロード購入可)。水谷が一節歌う部分があり、2人のセリフの掛け合いも楽しめる。
  • 2010年春ごろ「傷だらけの天使 完全版サウンドトラック+4」のCD発売情報が出た。LPレコード『太陽にほえろ!/傷だらけの天使 オリジナル・サウンド・トラック主題曲集』をベースに、同名のミュージックテープ版にだけ入っていた「傷だらけの天使M3」の初CD化など収録曲を大幅に追加、さらに「マヅルカ」「一人」「兄貴のブギ」の収録と、これ以上は無い究極の完全盤との触れ込みだった。しかし諸般の事情から企画変更、同年5月に『音楽家・大野克夫の世界~「傷だらけの天使」「太陽にほえろ!」「名探偵コナン」~』が発売された。この商品で「傷だらけの天使M3」が初CD化となったものの、制作上の都合で短いドラムソロ部分はカットされた。

放送状況[編集]

傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを[編集]

矢作俊彦が萩原、市川両者に許可を得て著作された小説版。最終回から30年後、ホームレスとなった修を描き、ドラマや俳優陣の経歴を知っていなければよくわからない小ネタ描写が散りばめられている。

文自体はドラマの雰囲気そのままにイメージを壊さなかったものの、『実態あるものにしか価値は無い』と仮想空間バーチャルリアリティを絶対悪とする内容は時代遅れだと賛否が大きく別れている。

あらすじ[編集]

最終回後修は、東東京市(ひがしとうきょうし。埼玉県を東京都知事が市町村合併で吸収合併し東京都となっている)でホームレス仲間と賭けゲートボールでその日の銭をもうけていた。ある日、仲間の1人が軽口で修を名乗ったことで謎の集団からリンチされ事の真相を突き止めようと亨との別れ以降足を踏み入れなかった新宿へ出向く。

登場人物[編集]

小暮修
夢の島を去った後、アジア大陸を放浪、日本に戻りある下町豆腐屋の婿養子として隠遁生活の末、ブルーシート生活。健太が子供の頃に描いた自分の絵が唯一の宝物で亨を死に追いやったことで、罪の意識に苛まれている。漢字が読めずそれが元で1つの事実に遠回りになっている。性格が30年前と変わっておらず、辰巳いわく「無知、無学を誇りと思っている時代遅れ」。
滝伸次
通称、シャークショ。ホームレスの更生を担当する「市民の幸福生きがい課」の公務員。修に復帰を呼びかける内に惚れこみ事件の捜査に付き合う。頭は働くが緑のミッフィーの財布を持ち歩きアニメヲタクと馬鹿にされる。ミスで自身のブログに顔を隠さず修を載せてしまったことが事件の遠因になる。
辰巳五郎
秘書。なんの因果か再び綾部の元で働いている。かつての面影が全く残らないほど顔を全面整形し、声とカツラ以外では見分けがつかない。修が心底嫌っており、彼が生かそうと言うと「殺せ!」と叫んでしまう。
綾部貴子
かつての修の上司。上述の事件のほとぼりが冷めると日本に戻りM&Aで次々と企業を買収し、六本木ヒルズにオフィスを構えるまでになった。齢80近くになったにもかかわらず時間に追われるスケジュールをこなす、取引先に対して気を使い腰が低くなる、高級品自慢をするようになり昔は辰巳いわく「暇つぶしで仕事をしている」というミステリアスで過剰なまでに高いプライドを持った女性から、ただのカリスマ経営者となってしまい修を失望させた。
乾亨
修の回想や仮想世界の中でたびたび登場する。
綾部澪(れい)
DVを振るう父親が嫌いで家出中の綾部の娘。ブラックカードを持ち歩き彼女が「オサムちゃん」と呼ぶと貴子そっくりでトラウシになると言う。ある人の子供を妊娠している。
笠井典子(かさいのりこ)
修から「テンコ」と呼ばれている。エンジェルビル大家の孫娘。アニメーターを目指し専門学校に通っていたが中退しプログラマーとして働き、「ノエ」という名前でバーチャルネットアイドル活動もしている。子供の頃は親の真似で「オサム、アキラ! 家賃払え!」と言っていた。
石さん、長さん、山さん
賭けゲートボールチーム『ブルーインパルス』の仲間。絶対に勝てると踏んだチームに賭け試合を挑み未だ無敗。
ドーゾ
『ブルーインパルス』メンバーで今回の事件の被害者。社会人時代は「デーブ中尾」という名前でバンドのボーカルを務めたが楽器が弾けず自分が歌わなかった歌がヒットした一発屋だったため捨てられた。
藤堂
通称、成城の老人(成城さん)。ブルーインパルスの一員で練習熱心だが実力は下手の横好きで老人会からハブられていた所を修達に出会いゲートボールのルールを教える。彼らが社会的信用や貸し用具調達のために参加させているパトロン的存在。
温水
巡査。肌が紅く「赤ピーマン」、「赤ラッキョウ」と心の中で呼ばれており女言葉で話す。修らからパチンコの回転表をもらい稼いだことがある。
グリーンベレー
賭けゲートボールの相手。頭巾ベレー帽か解らない帽子を被っているが実力は凄腕。
轍正夫
新宿歌舞伎町で金貸をやっているヤクザ。通称:ヒョットコの轍。放送大学を卒業し、人間は変われると痛感した。
藤山田
嘗ての海部の部下で警部補。亨の殺人死体遺棄容疑で修を逮捕し、今までの綾部の犯罪を吐かせようとしているが成果ばかり追いかける警察自体にも少々嫌気が刺している。なお、海津は辰巳の取調べ中に捜査線上に名前があがってしまい警察が事件を隠蔽し定年退職させた。
加部
藤山田から「返事だけは早くて何も考えていない」と見下されている若手刑事。
伊東
警視の管理官。三十代半ばだが、昔の政治事情に疎い。
美咲
女性警視正。配属当初は藤山田と同じ警部補だったが、生理的に受け付けず別け隔てなく接していたら「(私にとっては)セクハラだ」という理由で裁判を起こし(却下)、その後も「セクハラオヤジ」と陰口を叩く。
ハイネス
情報屋。
陽ちゃん
かつて修がひいきにしていたオカマバーのオカマホステス。
バルガス
ドーゾを手にかけた外国人。顔にムカデのような傷がある。
石山信次郎
東京都知事。本州 - 四国海底トンネル工事事件当時の建設大臣で綾部の取引相手。外国人が嫌いで排除の切っ掛けを作りたがっている。
ケント・クラーク
通称:マンスーパー。綾部と同じヒルズ族のIT長者で「フォースワールド」というオンラインゲームで大成功を収めた。後に彼がドラマ本編を語る上で欠かせない人物である事と、ある人との関係が変化した事が明らかになる。

参考文献[編集]

  • 『傷だらけの天使』 傷だらけの天使脚本グループ、日本テレビ放送網、1974年
  • 『傷だらけの天使』 市川森一、大和書房、1983年
  • 深作欣二山根貞男 『映画監督深作欣二』 ワイズ出版、2003年7月。ISBN 4-89830-155-X

脚註[編集]

  1. ^ 当初この枠の第3弾として、松田優作・中村雅俊主演『俺たちの勲章』が予定されていた。
  2. ^ 週刊現代』(講談社)2012年4月21日号での萩原の発言より。
  3. ^ 後述の小説版では綾部の命令で不法に住んでいる占有屋行為だったとしている。
  4. ^ 小堺一機のサタデーウィズ」にて。
  5. ^ 『我が道』 萩原健一 スポーツニッポン 2009年11月1日付より
  6. ^ 「消えた主役」名作ドラマ・映画の知られざる“交代劇”(4)「孤独のグルメ」は松重豊以外に候補が…
  7. ^ 『東宝見聞録』1960年代の映画撮影現場(P330~331) 磯野理 アスペクト 2011年11月2日発行 
  8. ^ 『ショーケン』萩原健一 講談社 2008年
  9. ^ a b c d 深作山根、p231-232
  10. ^ Diverse Interpreten: Erfolge, Sammlerstücke & Raritäten - Peter Kreuder” (ドイツ語). Monopol-Verlag GmbH. 2010年9月8日閲覧。
  11. ^ 2013年12月1日TBSラジオ爆笑問題の日曜サンデーでの萩原の弁
  12. ^ 本来NET系列の同枠で放送の『テレビスター劇場華麗なる一族』(毎日放送制作)は、中国放送TBS系列)が同一時間帯にて2週遅れで放送していた。

外部リンク[編集]

日本テレビ 土曜22時台
前番組 番組名 次番組
傷だらけの天使