ボヘミアン・ラプソディ (映画)

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ボヘミアン・ラプソディ
Bohemian Rhapsody
Bohemian Rhapsody cast on MTV Movies.jpg
テレビ番組で映画の宣伝を行うジョゼフ・マゼロ、ラミ・マレック、グウィリム・リー
監督
脚本 アンソニー・マクカーテン英語版
原案
製作
製作総指揮
出演者
音楽 ジョン・オットマン
撮影 ニュートン・トーマス・サイジェル
編集 ジョン・オットマン
製作会社
配給 20世紀フォックス
公開 イギリスの旗 2018年10月24日
アメリカ合衆国の旗 2018年11月2日
日本の旗 2018年11月9日
上映時間 134分[3]
製作国
言語 英語
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ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)は、2018年イギリスアメリカ合衆国伝記映画

ストーリー[編集]

1970年代初頭のロンドン、インド系移民出身の青年ファルーク・バルサラは音楽に傾倒し、厳格な父とは折り合いが悪く、自分のルーツを嫌って「フレディ」と名乗っていた。ある日フレディはファンだったバンド「スマイル」のメンバーでギタリストのブライアン・メイ、ドラマーのロジャー・テイラーに声をかけ、ヴォーカリストが脱退したばかりの同バンドに見事な歌声を披露して新しいヴォーカル兼ソングライターとなり、同じく新メンバーのベーシスト・ジョン・ディーコンとともに新生バンドをスタートさせる。同じ時期、フレディは洋服店の店員メアリー・オースティンと知り合い恋に落ちる。「クイーン」と改名したバンドはアルバムを自主制作し、その様子を目に留めたEMIのジョン・リードは彼らをスカウト、ポール・プレンターが担当マネージャーとなる。フレディはさらに名字を「マーキュリー」に改名、デビュー・世界各国でのツアーとクイーンが躍進する中、フレディはメアリーにプロポーズする。

やがてクイーンはEMIの重役レイ・フォスターからヒット曲「キラー・クイーン」の路線を踏襲する曲を制作するよう命じられるが、同じことの繰り返しを嫌う彼らは反発する。フレディはオペラをテーマとしたロック・アルバムを作ると提案し、郊外での曲制作とレコーディングが始まる。メンバーの喧嘩を交えつつも、熱意を注いで完成されたアルバム『オペラ座の夜』の出来に彼らはおおいに満足する。しかし6分という長さと斬新な構成の曲「ボヘミアン・ラプソディ」のシングルカットを、フォスターは「ラジオでかけてもらえない」と認めずクイーンと徹底的に対立。しかしフレディ自らラジオに出演し、「本来ならラジオで聴けない曲」と同曲を独占放送、マスコミには酷評されるが大ヒットする。

キャスト[編集]

製作[編集]

概要[編集]

イギリスロックバンドクイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーに焦点を当て、バンドの結成から1985年に行われた「ライヴエイド」でのパフォーマンスまでを描いた伝記映画である。脚本はアンソニー・マクカーテン英語版による執筆で、ラミ・マレックがフレディ役を務めるほか、ルーシー・ボイントングウィリム・リーベン・ハーディジョゼフ・マゼロエイダン・ギレントム・ホランダーアレン・リーチマイク・マイヤーズらが出演する。音楽プロデューサーはクイーンの現役メンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーの2名による。

製作まで[編集]

企画の初出は、2010年9月17日に英国放送協会 (BBC) のブライアンへのインタビュー内で発された「バンドの歴史に関する今後の映画プロジェクト」である。インタビューによると「サシャ・バロン・コーエンがフレディを演じ、モハメド・アリの伝記映画『ALI アリ』でも製作総指揮を務めたグレアム・キングがプロデューサーの1人を務める予定」とし、脚本は『クィーン』『フロスト×ニクソン』のピーター・モーガンの起用が予定されていた[12]

2011年4月にもブライアンによってコーエンがキャスティングされることへの称賛や、「フレディの遺産を台無しにしないよう慎重に進める」などの発言があったが[13]、2013年7月に「大人向けの映画を構想していたコーエンに対し、ファミリー層にアプローチしたいクイーン側との相違があった」としてコーエンが降板を発表[14]。降板について、クイーン側(ブライアン、ロジャー)は「コーエンがコメディアンとしても著名なことから映画の方向性がぶれてしまう」[15]、コーエン側は「映画の主題(特に1991年のフレディ死去後も描くべきか)についてクイーン側との方向性の違いがあった」、「モーガン、デヴィッド・フィンチャートム・フーパーらの製作チームもクイーン側と食い違いがあった」[16]とそれぞれコメントしている。

コーエンの降板後、2013年12月にはベン・ウィショーのフレディ役が浮上。同時点ではフレッチャーが監督候補として挙がっていたものの[17]、翌年にはキングとの方向性の違いからプロジェクトを離脱[18]。ウィショーも脚本などにおいて製作上の問題が発生していることを明かしたのち[19]、降板を発表している[20]。2015年にはコーエン[20]やウィショーの再登板の噂も出た[21]が、いずれも実現していない。

2015年11月、脚本家のアンソニー・マクカーテン英語版がプロジェクトに加わり、クイーンの同名の楽曲に因んだ『Bohemian Rhapsody』というワーキングタイトルで動いていることが明かされたほか[21]。2016年には監督にブライアン・シンガーを据えるための交渉に入り、フレディ役にラミ・マレックがキャスティングされ、20世紀フォックスニュー・リージェンシーが取り仕切ることを発表[22]。同年内にジョニー・フリンがロジャー役、ジェマ・アータートンがフレディの長年のガールフレンドのメアリー・オースティンを演じる予定であることも伝えられた[23]が、この二人については後にキャスティングが変更されている。

2017年5月、マレックがアビー・ロード・スタジオで録音を行い、ロジャーのアパートでロジャー、ブライアンと直接相談したことが報じられた[24]。同月、『エンターテインメント・ウィークリー』はロジャーとブライアンが本作の音楽プロデューサーとして働いていることを報じた[24]

キャスティング[編集]

2016年11月4日にはラミ・マレックがフレディ役に決定し[25]。2017年8月21日にはロジャー役のベン・ハーディ、ブライアン役のグウィリム・リー、ベーシストのジョン・ディーコン役のジョゼフ・マゼロなどの正式キャストも追加発表された[7]。2017年8月30日、ポール・プレンター役にアレン・リーチがキャスティングされたことが報じられた[9]

2017年9月6日、ルーシー・ボイントンがメアリー・オースティン役で加わった[6]。2017年9月11日、マイク・マイヤーズがキャストに加わった[10]。2017年9月22日、アーロン・マカスカー英語版がフレディのボーイフレンドのジム・ハットン役で加わった[11]

撮影[編集]

プリプロダクションが2017年7月から、主要撮影が9月からそれぞれロンドンで開始され[26]、9月7日からはクライマックスである旧ウェンブリー・スタジアムでの「ライヴエイド」のシーン撮影を、ボービンドン空軍基地へステージセットのレプリカを建造した上で行われた[27]。クイーンのアーキビストであるグレッグ・ブルックスは場面をより本物に近づけるために数か月にわたってフォックスと協力し、様々な質問に答えて小道具作りに貢献した[28][29]

マレックはフレディ役のオファーを受けた際、クイーンについての知識はそれほど持っていなかったが。演じるために喋り方の習得・特徴的な出っ歯を表現するための義歯の使用・ムーブメントコーチと協力した激しいセッションなどを行い、役を構築していった[30][31]。劇中の歌唱シーンは、原則的にフレディが実際に歌った音源を流用しているが、一部はマレック自身が担当したほか、クイーンの公式コピーバンドである「クイーン・エクストラヴァガンザ」のボーカルオーディションで優勝し、同バンドでもボーカルを務めるマーク・マーテル英語版が歌唱したものも使われた[30][31]

2017年12月1日、『ハリウッド・リポーター』が「シンガーが感謝祭休暇後にも現場へ復帰せず、撮影監督のニュートン・トーマス・サイジェルが代行を続けていたため、20世紀フォックスが撮影を中断。監督交代を検討し始めている」ことを報じる[32]。シンガーの不在理由は「本人及び家族の健康問題」とリリースされたが[33]、一方でマレックやスタッフたちとシンガーの間にある悶着も明かされた[34]。2017年12月4日には撮影終了2週間前ながらシンガーが解雇され[35]、20世紀フォックスはシンガーのバッド・ハット・ハリー・プロダクションズ英語版とも契約を解消。12月6日にはシンガーの代理としてフレッチャーの再起用を発表し[36]、12月15日以降はフレッチャーの元で撮影が再開されている[37]

監督クレジット[編集]

全米監督協会(DGA)の規定によると、映画にクレジットされる監督は1人だけであり、DGAが決定権を持っている[38][39]。2018年6月に、シンガーが監督としてクレジットされる旨、プロデューサーのキングにより発表された[1][40]

音楽[編集]

映画音楽はシンガー作品の常連であるジョン・オットマンが作曲した。公式サウンドトラックは従来のヒット曲に加えて11トラックの未公開音源(1985年7月のライヴエイドからの5トラックを含む)が収録され、ハリウッド・レコードよりCD、カセット、デジタル版が2018年10月19日、LP版が2019年3月に発売される[41][42][43]

公開[編集]

アメリカ合衆国では2018年11月2日、イギリスでは2018年10月24日に20世紀フォックス配給で封切られる[44]

マーケティング[編集]

ティーザー予告は2018年5月18日に公開。24時間で再生回数が500万回に到達し、YouTubeのトレンド・ビデオで1位となった[45]。脚本家のブライアン・フラーは予告編でフレディの男性関係ではなく女性関係が映され、さらに宣伝でAIDSではなく「命にかかわる病気」とだけ表記されていることを指摘した[46]

興行収入[編集]

公開1週目の週末に北米で5000万ドル(約57億円)の興行成績で週末興収第一位となり[47]、ミュージシャンを描いた映画としては2015年公開の『ストレイト・アウタ・コンプトン』に次いで過去2番目となるスタートを切った[48]

日本[編集]

公開週末から4週目週末まで興行収入が続伸し、2010年代に日本で大ヒットした『アナと雪の女王』や『君の名は。』でも例がなかったと指摘されている [49]。特に観賞料金が割安となる「映画の日」に土曜日が重なった12月1日は、単日で2.6億円の興行収入を記録した[49]

『ボヘミアン・ラプソディ』動員数・興行収入の推移
動員数
(万人)
興行収入
(億円)
備考
週末 累計 週末 累計
1週目の週末 (2018年11月10日・11日)[50] 1位 24.5 33.8 3.5 4.9
2週目の週末 (11月17日・18日)[51] 26.3 92.9 3.9 13.2
3週目の週末 (11月24日・25日)[52] 2位 27.9 166.1 4.0 23.4
4週目の週末 (12月1日・2日)[53] 40.4 243.5 5.0 33.2
5週目の週末 (12月8日・9日)[54] 34.8 320.2 5.1 44.0

評価[編集]

批評家からの評価は割れており、映画批評集計サイトのRotten Tomatoesでは、304件のレビューに基づいて62%の支持率、平均評点6.1/10を記録[55]Metacriticには45件のレビューの加重平均値が49/100となり、特に「既往の音楽映画をなぞったような凡庸なストーリー」「単純化されたフレディの描写」についての批判が多い。一方でマレックの演技や精巧な考証に基づいたライブシーンは称賛されており、英『Empire』誌のOlly Richardsは「フレディとしてのマレックの演技には目を見張る[56]」、「(『ライヴエイド」』シーンは)喜びに満ちている」とした。米『ローリング・ストーン』誌の著名映画評論家ピーター・トラヴァースは3点/5点の評価とし、「脚本の欠点は音楽が埋めてくれる」「映画の欠陥なんてクソ食らえである。マレックの演技を見逃す訳にはいかない[57]」と述べている。

反面観客からの評価は非常に高く、前述のRotten Tomatoesにおいてはオーディエンス・スコアが93%と高い数値を記録している。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 当初は監督を務めていたが撮影終了間際に解雇され、代行としてデクスター・フレッチャーを起用。全米監督協会の規則に従って、クレジット上はシンガーが監督、フレッチャーが製作総指揮として記載されている。[1]

出典[編集]

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  5. ^ Mr Robot star Rami Malek to play Freddie Mercury in Queen biopic”. theguardian. 2016年11月4日閲覧。
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  19. ^ Ben Whishaw says Freddie Mercury film is on hold”. www.telegraph.co.uk. The Daily Telegraph (2014年8月6日). 2018年5月26日閲覧。
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外部リンク[編集]