トライガン
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『トライガン』は、内藤泰弘による日本の漫画。またそれを原作にした日本のテレビアニメ作品。
当初の掲載誌の『月刊少年キャプテン』(徳間書店)が休刊となったことにより、『キャプテン』に掲載されていた『トライガン』と、その後『ヤングキングアワーズ』(少年画報社)にて連載再開した『トライガン・マキシマム』の2作品としている。
目次 |
[編集] 概要・世界設定
地球から遠く離れ、ホーム(地球)より遥かに巨大な大きさを持つ5つの月と人類が住むさらに大きな砂漠の惑星[1]。二重恒星・高重力の過酷な自然の中でどうにか人々が暮している砂漠の星を舞台に、600億$$(ダブドル)の賞金首、「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」ことヴァッシュ・ザ・スタンピードが繰り広げるガン・アクション。
アメコミに強い影響を受けている一方、欧米でも愛好者が多い作品で、コミック巻末のオマケ漫画において、内藤当人の尊敬する海外の著名人であるジェフ・ダロウから「貴方の本を持っている」と言われたシーンが描かれている。筆者によれば、このオマケまでも吹き出し外まで訳される徹底振りだという。
[編集] 漫画版『トライガン』(1995年 - 1997年)
『月刊少年キャプテン』(徳間書店)で連載。まず1995年2月に読みきりとしてパイロット版が掲載された。すでに背景設定は確立していたが、主人公の描写などの細かい点には若干の差違が見られる。そして同年4月より同誌で連載を開始。しかし、1997年1月の『月刊少年キャプテン』の休刊で連載は途中で休止した。
内藤は後述の「トライガン・マキシマム」で連載を再開した際は、中断した部分のエピソードに一旦けりをつけた上でストーリーをはじめ、中断していた部分については、アニメ版の特集も兼ねた1998年発行のアニメージュ9月号増刊「トライガン最終完成型」で残りが描かれて完結している。
単行本は徳間書店で全3巻(最終話は「トライガン最終完成型」にさらに描き下ろしが加わった)。後に少年画報社より、2冊に再構成され復刊されている。本編内容は同じだが、表紙および巻末のオマケ漫画が差し替えられている。
2010年に完全版が刊行、こちらも全2巻。
[編集] 漫画版『トライガン・マキシマム』(1997年 - 2007年)
内藤は1997年10月より少年画報社の『ヤングキングアワーズ』にて「トライガン・マキシマム」(以下「マキシマム」と表記)として連載を再開した。先述のように『トライガン』(以下「無印」と表記)の中断部分から再開せず、一旦ストーリーを区切って新たに始められている。トライガンと連載時期が同じとなるヘルシングとは連載当時はヤングキングアワーズの2大看板作品となっていた(また原作者同士、親交もあった)。
10年近い長期連載となり、2007年5月号で完結した。単行本は全14巻。
2009年度星雲賞コミック部門を受賞。
2010年に完全版が刊行、こちらは全7巻。
[編集] 漫画版『トライガン 番外編』(2010年)
「ドドンゴ兄弟ハニーカムドビレッジの決闘」『ヤングキングアワーズ』2010年5月号・6月号にて掲載された。
劇場アニメ作品『TRIGUN Badlands Rumble』のBlu-ray Disc版、およびDVD初回版に特典として全1巻で付属。デザインは完全版と同一のもとのなっている。
[編集] 『雷神-RISING-』(2010年)
GUNG-HO-GUNSの1人、雷泥・ザ・ブレードを主人公にしたスピンオフ作品。作画は竹山祐右。『ヤングキングアワーズ』2010年4月号に掲載された。
[編集] Boichi版『TRIGUN』(2010年)
内藤泰弘の大ファンであるBoichiによるオリジナルストーリー。『ヤングキング』2010年10号に掲載された。後に、サンケンロック12巻(2011年5月発売)に収録。
[編集] あらすじ
砂だらけの荒涼たる大地。ここはホーム(地球)より遥かに巨大な大きさを持つ5つの月と砂漠の星。二重恒星と高重力の劣悪な世界。人々はこの荒れた大地にしがみつき、血と汗で大地を湿らせながら細々と生きている。そのささやかな暮らしも、荒くれどもが銃をぶっ放して台無しにすることもある……ここはそんな世界。
その過酷な世界に1人、赤いコートにトンガった金髪の、トラブルメーカーがいた。名をヴァッシュ・ザ・スタンピードという。彼は荒涼としたこの世界を放浪しながら、何かを探している。分かっているのは彼が凄腕のガンマンで、とてつもなくタフで、そして、筋金入りの平和主義者だということ。気のいい青年だがあまりの傍迷惑ぶりに、付いた渾名が「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」。とうとう局地災害指定を受ける羽目になった彼には、保険会社からお目付け役が派遣される始末。
しかし、彼には幾つもの秘密と、胸に秘めた決意があった。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。 →[記述をスキップ]
[編集] 登場人物
[編集] 主要登場人物
- ヴァッシュ・ザ・スタンピード
- 声 - 小野坂昌也[2]
- 「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」と恐れられる元・600億$$の賞金首にして、人類初の局地災害指定を受けた伝説のガンマン。真紅のコートに箒のように逆立てた金髪という派手な出で立ちの男。その生い立ちに隠された秘密によって、数千万人規模の大都市ジュライを消滅させた「ロスト・ジュライ」、五つ目の月[3]に大穴を穿った「フィフス・ムーン」両事件を引き起こしている。
- 大口径のリボルバー拳銃と義肢である左腕に仕込んだ隠し銃を持ち、その「ラブ&ピース」を謳う酔狂な性格とは裏腹に、プラントとしての力と百五十年間積み重ねてきた研鑽からなるガンマンとしての実力は他者の追随を許さず、抜撃ちの速度はナイブズの眼前で繰り出しとしても知覚不能な程。決して人の命を奪うことをせず、相手が悪人であっても命を救おうと奔走し、お人好しな性格と強い信念からなる頑固さが災いして、結果として騒ぎを大きくしてしまう天性のトラブルメーカー。
- 正体はプラントの突然変異種にあたる「自立種」で、大墜落以前の宇宙移民時代に生まれた。プラントとの交信・制御を可能としている。百五十年以上もの年月を変わらぬ姿で生き続け、双子の兄ナイブズの手から、そして人間同士の諍いから、大墜落を生き延びた人類とその子孫を守るためにさすらっている。不老ではあるが決して不死ではなく、不殺の枷[4]を自らに架しての無茶な生き方の代償として、決して浅くない傷が体の至る所に刻まれている。ロスト・ジュライを引き起こした自分が不殺の信念を抱くことが孕む矛盾と無謀を自覚しながらも、自らに課した使命を全うすべく戦い続けている。
- 通り名の「スタンピード (stampede)」には「すたこら逃げる」と「(カウボーイから見た)飼い牛の暴走」の2つの意味がある。
- アニメ版での相違点
- 設定の大きな違いとしては顔写真無しで手配されていることと「フィフス・ムーン」まで賞金首であること。更に年齢が百三十歳前後と原作に比べて二十年前後若いこと、「A・ARM」は本人ではなく銃に仕込まれたマイクロプラントと融合することで発動するようになっていることが挙げられる。性格面では女好きな面が強調されているほか、原作よりもナイーブな男として描かれている。
- メリル・ストライフ
- 声 - 鶴ひろみ
- ベルナルデリ保険協会の災害調査員として、ヴァッシュが引き起こす「災害」を査定するために派遣された外交員。職務のためにヴァッシュに同行するうちに、彼を取り巻く運命に巻き込まれていくこととなる。
- 黒髪を短く揃えた小柄な女性で、丁寧で上品な口調が特徴的。強かで正義感が強い。破天荒なヴァッシュに対してどこまでも常識的な一般人として、彼の引き起こすトラブルに常々頭を悩ませている。荒事の際はマントの下に大量に仕込んだデリンジャーを巧みに操って対処し、その事から「デリンジャー・メリル」の通り名で呼ばれる。彼女にとってのデリンジャーは「男女の力の差をなくす」ためのものだが発砲には非積極的であり、初めて他者を撃った時には精神的ショックから嘔吐している。
- ヴァッシュの真実に触れていくうちに一時期は恐れを抱いていたが、最後まで彼のことを信頼し続けた理解者でもある。気丈な性格だが物語が佳境にさしかかるにつれ涙を浮かべるシーンが増え、ヴァッシュには「泣き虫になっちゃった」と評された。
- 「マキシマム」開始時23歳。エピソードによっては髪を肩まで伸ばしている。
- アニメ版での相違点
- 基本的にほぼ原作と相違ない。終盤において、ヴァッシュが自らを庇い、人間の在り方を解くメリルにレムの姿を重ねるシーンが存在する。
- ミリィ・トンプソン
- 声 - 雪乃五月
- メリルを「先輩」と呼び慕うベルナルデリ保険協会の外交員。彼女の傍に付き従って業務をサポートする。
- 金髪のロングヘアと非常に大柄な体格が特徴的。顔立ちや内面はおっとりとしていて、子供好きで他人思いの心優しい女性。純粋だが少々天然で時に周囲を呆れさせてしまう。大家族の末っ子で、月一で甥っ子姪っ子に大量の手紙を送っていることから「月刊ミリィちゃん」と評されている。非殺傷性の十字型金属棍棒を射出する大口径スタンガンと、それを軽々と持ち上げる怪力が持ち味の「スタンガン・ミリィ」と呼ばれている。
- 「マキシマム」以降は髪型をストレートから外ハネにイメージチェンジしている。
- アニメ版での相違点
- メリルとは対照的に容姿・設定ともに大きな違いが見られる。髪の色が栗色になり、コートの配色も原作よりもカラフルなものとなっている。また一番大きな相違としてウルフウッドと恋仲になる設定[5]が存在する。
- ニコラス・D・ウルフウッド(ニコラス・ザ・パニッシャー)
- 声 - 速水奨
- ヴァッシュ達が砂漠で出会う巡回牧師。関西弁のような言葉を喋り、その背に巨大な十字架を背負っている。聖職者を名乗るものの銃の扱いに長けており、「フィフス・ムーン」後には行方不明のヴァッシュをいち早く見つけ出しナイブズの元への案内をかって出るなど、その素性には謎が多い。
- 飄々とした陽気な男で通ってはいるが、その実は命のやり取りに対して非常にシビアな価値観を秘めており「全ての命を尊ぶ」ヴァッシュに対して疑問を投げかける。敵の命を奪うことに躊躇がなく、たとえ相手が戦意を失っていても容赦なく引き鉄を引く。卓越した戦闘センスと、「ミカエルの眼」による改造手術によって得た人外の身体能力によって十字架型重兵器「パニッシャー」を手足のように扱い、リヴィオ・ラズロとも亘り合えるGUNG-HO-GUNSでもトップクラスの実力の持ち主。また切り札として代謝を促進させる薬品を直接摂取する事により、体に過剰な負担をかけながらも一時的に身体能力を向上させることができる。
- もともとは孤児院で育った孤児。「ミカエルの眼」に見出されて暗殺者としての改造・訓練を受けた後、自分の二の舞を出さないために射殺したと思い込んでいた師・チャペルの名を騙ってナイブズに接触し、殺害しようとしたが、その威圧感に圧され生への執着を覚えたことから、なし崩し的にGUNG-HO-GUNSに名を連ねることとなる。ヴァッシュに接触したのはナイブズの指示によるものだが、後に翻意しヴァッシュの隣で戦うことを選ぶ。「家族」である孤児院の仲間たち、そしてリヴィオを救うために、ヴァッシュと共に孤児院でミカエルの眼の三人との激闘を演じ、その果てにオーバードーズによって死亡。ヴァッシュの隣で、「家族」に暖かく迎えられ涙しながらその生涯を終えた。代謝機能が向上しているために、外見に反して実年齢は非常に若い。
- ミドルネームのDには作者による冗談めいた訳がつけられている[6]。
- アニメ版での相違点
- 「ミカエルの眼」が存在しないため、身体強化施術されていない普通の人間である。GUNG-HO-GUNSのチャペル・ザ・エバーグリーンの弟子にして補欠要員であり、彼直々に育て上げられた殺し屋という設定。師・チャペルを接戦の末に下すものの、レガートの奸計によって致命傷を負い、仲間たちと共に平和な楽園に生きること夢見ながら息を引き取った。ミリィと恋仲になる。
- ミリオンズ・ナイブズ
- 声 - 古澤徹
- ヴァッシュの双子の兄にあたる、プラントの「自立種」。同胞を搾取する人間たちを強く憎み、この星から排除しようとしている。プラントの「持ってくる」力により次元孔を平面化・刃状にする事でどのようなものでも斬り裂く能力を主に扱う。それを備えた腕手を用いての攻撃は地表から一瞬で大気圏外に人工衛星に破壊する事や、都市を一瞬で寸断して瓦礫の山に変えるさえ可能。回想のシーンでは「持っていく」力で対象を次元ごと追放する事も行っている。身体能力もケタ外れで、レガートを指先で軽く「縦に押し潰し」ており、数キロ上空の箱船から身一つで飛び、都市へ着地、「雪崩をストローに流しこむ」と喩えられる困難な作業さえ行う反射速度と集中力[7]を持つ。終盤にはプラント達と融合して、惑星[3]そのものを破壊しかねない力を手にするに至った。
- 同胞への強い仲間意識を持ち、とりわけヴァッシュには「たったひとりの兄弟」として説得を試みる事さえあるが、人間に対しては憎しみと侮蔑を露わにする。宇宙移民時代の幼少期は人間が自分達を生み出してくれた者として、受け入れてくれ、プラントとの共存を信じていた。しかし自身より先に生まれていた同胞である自立種のテスラに人間が行なった仕打ちを知って失望。人間を害悪と見なし「大墜落(ビッグフォール)」を引き起こす。また、ロストジュライとフィフス・ムーン双方とも、ナイヴズがヴァッシュと接触したことによって起きた事件であり、これらの事件の真犯人とも言える存在。
- 全人類とプラント、地球からの船団を交えた最終決戦の果て、ヴァッシュを始めとする人類の意思と呼応したプラントとの融合を切断され、敗北した。その後、瀕死であったヴァッシュ連れて流れ着いた先で、人間の医師の親子に人類に必要な男だとしてヴァッシュを救うよう懇願し、その後、プラントの力を使って荒野に一本の林檎の木を残して姿を消した。それからの消息は不明。
- アニメ版での相違点
- アニメでは黒髪化に関する設定が存在せず、行動原理も人間に対する憎しみではなくプラントである自らを「優良種」と称する傲慢さによるもの。またA・ARM設定の違いから能力はヴァッシュと相似しており、直接戦闘ではヴァッシュの銃の兄弟機にあたる黒いリボルバー拳銃を使用する。回想シーンを除けばヴァッシュと直接対面するのは最終決戦時のみで、自然の中に突き立ったパラソルの下で彼を出迎えた。
- ヴァッシュと一進一退の激しい銃撃戦を繰り広げるなか、運を手繰り寄せてヴァッシュに手傷を負わせ彼の銃を奪い、両腕でA・ARMを発動させて追い詰めるものの、ヴァッシュの足元に埋まっていたパニッシャーの攻撃を受けて隙を見せて敗北した。ラストシーンにおいてヴァッシュに手当てをされ人里まで運ばれた描写が存在することから生存していると思われる。
- レガート・ブルーサマーズ
- 声 - 関俊彦
- ナイブズ直属にして腹心の部下であり、GUNG-HO-GUNS(ガンホーガンズ)のナンバーズとは一線を画す存在。
- 他者に単分子鎖ナノ鋼糸を相手の筋繊維に刺し、微電流を流して肉体の限界を超えて直接操る特殊能力を持つ。対象の生死を問わず、人外のプラントや蟲さえも操る事ができる。効果範囲は大都市全体にも及び、その住民全てを操れる[8]。またナイブズによってほぼ半身不随に陥った後は、自身を糸で操り戦線復帰する。また身体的な拘束以外にも、「力」の発動中に体外に放出される力場やエネルギーの衝撃波なども押さえ込むことができ、箱舟にヴァッシュを8ヶ月程に渡り幽閉し続けた[9]。
- ガンホーガンズ最強のエレンディラをして「自分より上」と言わせる身体能力を持ち、自身の数倍の全長と数十トンの重量の「超高速鉄球型奴隷(ゲルニカ)」を軽々と操り、銃弾[10]とは文字通りケタ違いの速度を持つ尖翼の攻撃を避ける反応[11]、尖翼の更に上を行く移動速度によってヴァッシュの背後を取り拘束してみせるなど、普段のヴァッシュと完全に拮抗できる戦闘能力を誇る。
- 普段は冷静沈着で、不気味な雰囲気を漂わせている。ナイブズに心酔しており、いついかなる時にもナイブズへの忠誠心は揺るがない。己自身には思想もなければ自らに価値を見出してもいないために人類への憎しみも持たず、命じられた以上の殺害はほとんど自衛のためのもの。元は名無しの奴隷で、今の名前はナイブズに授けられたもの。脱走を目論んだことに対しての制裁を受けている際にナイブズによる大虐殺が起き、能力を利用してただ一人生き延びた。改めてナイブズ手ずから処分されようとした時に死を受け入れようとする様をナイブズに見初められ同行を許された。以後、絶対の忠誠を誓っている。その忠誠心の大きさを知ってもらう為に、ナイブズをして不可能と言われたヴァッシュ撃破をもって証明しようとしている。
- GUNG-HO-GUNS全滅の暁に自分の能力を封じる装置を与えたのもヴァッシュと競い合うための行動である。最終決戦において自分の能力を解禁したうえでヴァッシュと対決するも、不殺の枷を外したヴァッシュに敗北。締めくくりとして彼に殺されることを望んだが不殺を貫こうとするヴァッシュに憤り、リヴィオの命を人質にとって「選択」を迫った末に射殺される。原作中において、唯一ヴァッシュが直接手を下した存在となった。
- アニメ版での相違点
- アニメ版において生い立ちは語られていないが、ベースとなる人物像はほぼそのまま。原作後半に見せる感情を露わにする描写は存在せず、能力もヴァッシュの左腕を移植されたことによるプラント能力の一端になっている。末路においても経緯は違えど、ヴァッシュの手で己を殺害させるという点で共通している。
- レム・セイブレム
- 声 - 久川綾
- 地球からの移民船団を運行していたクルーの1人であった女性。船内にて異質な存在として生まれたヴァッシュとナイブズを保護して育てた、ヴァッシュ達の母親のような存在。人はどこへでも行けるという強い信念を持っており、命を賭けて誰かを守ろうとするその献身の姿が、後のヴァッシュの行動原理となっている。移民船団に参加する前に、恋人もしくは婚約者を亡くしている。
- 「大墜落」にて、ヴァッシュとナイブズを避難させた後、最後まで移民船団を救うために母船に残り続け、制御不能の船と運命を共にした。最期まで、自分の子供のように思っているヴァッシュとナイブズを気遣っておりヴァッシュに残した最後の言葉が彼の行動原理の一つにもなっている。錯乱したヴァッシュがナイフで自殺しようとした時には身体を張って止めるなど、母性だけでなく父性も併せ持つ気丈で力強い存在として描かれている。
- 「決意」の花言葉を持つ紅いゼラニウムを好んでいたことが、ヴァッシュの真紅のコートの由来になった。
- アニメ版での相違点
- 放送当時は短い回想シーンでのみ登場していたことから、清楚な雰囲気の持ち主である聖母のように描かれている。
- テスラ
- ヴァッシュ達が生まれる前に誕生した女性型自立プラント。誕生と同時に「新たなる種との遭遇」「世紀の大発見」と狂喜したプロジェクトSEEDSのメンバーによって観察がなされた。初めはただの観察の域を出ないものだったのだろうが、次第にその行為はエスカレートし、倫理的・人道的に外れる手段を用いてまで彼女を調べつくした。この中でテスラは急速に衰弱、最後には無理な治療まで施されたが死亡、その遺体は解剖され標本にされた。死した彼女や当時の記録との出会いが、その後のヴァッシュとナイブズの関係を大きく狂わせ、道を分かつ結果となった。なお、この事件はSEEDSクルーらにとってもトラウマだったらしく、かつてのそのブロックは厳重に封鎖されていた。
- クロニカ
- 砂漠の惑星へと人類救済に現れた地球船団「ピーセズ・オブ・アース」のクルーであり、冷静沈着な切れ者の女性型自立プラント。生まれは人類とは異なりながらも人間として扱われ、人権を持っていることが作中の他のクルーとの様子から読み取れる。
- 相棒であり、ナイブズによって融合体と化した自立種のドミナには強い仲間意識を持っており、報復のためにプラントとの分離後のナイブズへヴァッシュもろとも攻撃を仕掛けたがこれはリヴィオによって阻止される。
[編集] GUNG-HO-GUNS(ガン・ホー・ガンズ)
- ナイブズによって選出された総勢十二人名の異常戦闘集団。それぞれが魔人と呼ばれるだけの人外的戦闘能力と異常性を誇る。メンバーには1から12までの数字が与えられている。
- 各々はレガートによって半分に分かたれたコインを持たされており、ヴァッシュに渡ったコインケースにその片割れが収められている。
- 十二のうち三枠は「ミカエルの眼」のために用意された特別枠。また、十三番(ロストナンバー)を与えられたエレンディラの存在がある。
- アニメ版での相違点
- 原作と多少顔ぶれが異なり、ケイン、チャペルの両名を含めた十一人で構成されている。またコインの設定が存在しない。
- 1. モネヴ・ザ・ゲイル
- 声 - 天田益男
- 最初の刺客。筋骨隆々とした屈強な大男で、顔の上半分を鉄仮面のようなマスクで覆い隠している。
- 一飛びで屋敷を超える事が可能な身体能力、超巨大な重火器を用いる。ヴァッシュを倒すためだけに二十年間トレーニングを重ねた殺人マシーン。遮蔽物や障害物をまるで問題にしないその威力から「疾風(ゲイル)」の異名を取る。
- その圧倒的な巨大ガトリング砲の火力でヴァッシュを追い詰めたが、ヴァッシュの人外の反応速度と精密射撃を立て続けに喰らい戦意を喪失。その後ヴァッシュに解放されるが、第2の刺客として放たれたマイン・ザ・EGマインによって処刑されてしまう。
- デザインの元ネタはマーベル・コミックに登場するヴェノム。
- 2.マイン・ザ・EGマイン
- 声 - 堀川亮
- 第2の刺客。ハリネズミのような球体装甲を身に纏い、敵に金属製の針を放射して串刺しにする事が得意だと自称している。
- 手負いのモネヴを処刑してヴァッシュを威嚇するもの、クイックドローによって武装を解除された後、バッグで殴り倒されてあっさり敗北した。
- アニメ版での相違点
- ドミニクと登場順が入れ替わっており、彼女をモネヴと同時に処刑した後、ヴァッシュとの戦闘を望む雷泥の手によって一突きで殺される。名前も原作の初登場時と同様にE・G・マインになっている。
- 3. ドミニク・ザ・サイクロプス
- 声 - 沢海陽子
- 片目を眼帯で隠した美貌のガンマン。GUNG-HO-GUNSの紅一点。
- 眼帯に隠された巨大な眼は爬虫類のように縦長の瞳孔を持っている。そこに秘められた特殊能力で相手を短時間催眠状態に陥らせ、知覚と意識に空白を作り、その隙に銃撃を行う。また相手の正面から出なくても能力を発動させる事が出来、ヴァッシュさえ認識する事が出来ず現れている。
- 火力こそないが敵からすれば瞬間移動をしているに等しく、ヴァッシュが指先の痛みで催眠術を覆すまでは彼を翻弄するほど強力。能力を破られた後、レガート(若しくはナイブズ)の不利益になることを厭い身を投げた。
- 悪役の中では紅一点であるものの早期に退場するため、原作者の内藤は女性悪役が不在となる事態を悔やんだというエピソードが語られている[12]。
- アニメ版での相違点
- マインと登場順が入れ替わっていて、眼帯側の眼は単なるオッドアイになっている。ヴァッシュの説得に心を動かされたような描写があるものの、逃亡を試みるなかマインに処刑されてしまう。
- 4. レオノフ・ザ・パペットマスター
- 声 - 肝付兼太
- 数百体、計数トンの重量に及ぶ精巧な操り人形を、糸と金属球のからくりでもって全て同時に操る老人。障害か訛りかは不明だが言語の発音に不自由がある[13]。
- 普段は傍に従えている人形ウーニカを介して会話する。その人形は骨格や肉付き、声帯までもを極限に再現したもので、人間そのままの生活さえ演じさせることができる魔技の持ち主。それらはモデルとなった人物を生きながらに腑分けして創り出す非常の所業を重ねた結果であり、それを眉ひとつ動かさず行う人格破綻者でもある。
- 直接的な戦闘力は低いがそれでも、不意打ちで放たれた機関砲弾を人形で手で掴む程度の反応は可能。
- かつての名はエミリオ。本人はその名を呼ばれるまで気づかなかったが、幼少期にヴァッシュと出会っている。愛していた女性・イザベラをモデルとした人形を自身の命より大事にしており、交戦の舞台となったシップ下層の崩落にイザベラが巻き込まれた際に後を追って落下してからの消息不明。所持していたコインは人形の手によってヴァッシュに託された。
- アニメ版との相違点
- アニメ版ではただ単にヴァッシュの命を狙った刺客として登場。人形制作における非道さなども描写されず、遠隔操作したジェシカ人形によりブラドを殺害したことで、怒れるウルフウッドによって爆殺された。独特の口調は、たどたどしい喋り方という形で再現されている。
- 5. ニコラス・ザ・パニッシャー
- 主要登場人物の項を参照。
- 6. ホッパード・ザ・ガントレット
- 声 - 難波圭一
- 六つの穴が空いたホッケーマスクのような仮面と、自分の体と同等のサイズの巨大な盾「グーデリア」で武装した異形の男。
- 生まれつきの障害のためか、極限まで鍛えあげられた上半身に反して下半身は赤子並みに貧弱。そのためスパイク付きのブーツの形をした銃で体を支えるシーンも存在する。スラスターを内蔵したグーデリアでの突進は、弾丸以上の速度と砲弾の破壊力を誇り、ミッドバレイとの絶妙のコンビネーションでヴァッシュ達を追い詰めた。
- かつて保護していた盲人の女性を「ロスト・ジュライ」の際に喪ったことで、ヴァッシュを殺すことだけに人生を捧げてきた復讐鬼であり、GUNG-HO-GUNSの中で唯一ヴァッシュに直接の恨みを持つ。だが仲間内の諍いの仲介や、ミッドバレイの心情を察して脱走の手引きをしようとするなど、平素は人間の心を失っていない情深き男である。そのためヴァッシュの記憶と精神を共有した時に彼への憎悪を喪失してしまった。最後は負傷により、「殺してなどやらん、生きて苦しめ」と吐き捨てて、ヴァッシュに看取られながら大往生を遂げる。
- アニメ版での相違点
- 原作より先行して登場したため、単なる快楽殺人者という設定である。グーデリアの頭頂部に機関銃が内蔵されていた。
- 7. ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク
- 声 - 西村朋紘
- バリトンサックスを構え、スーツを着崩したジャズミュージシャン然とした男。「音界の覇者」とも呼ばれる。
- 異常なまでに鋭敏な聴覚の持ち主で、可聴音域、範囲ともに常人の数千倍以上。サクソフォン自体も特別製で、凄まじい音量、音域、衝撃を持つ上、機関銃を内蔵している。音楽を奏でることによって、ビルの外壁やコンクリートなど物体を破壊するほどの衝撃波に加えて「固有振動と共鳴を利用した殺人音楽」によって、ウルフウッドに視覚障害を引き起こし一時的に戦闘不能に追い込んだ。更には「反響、共鳴が混じったノイズだらけの音をドップラー効果の修正含め、逆位相の音をリアルタイムの演奏を行い周囲一帯を完全無音状態にする」という神業すら可能としている。殆どの攻撃手段が妨害を弱点とする「演奏」であるために、暗殺ではない直接戦闘においては誰かのバックアップに回ることで真価を発揮する。
- ニヒリストであり、リアリスト。過去、ともに暗殺稼業を営んでいた仲間を一瞬でナイブズに殺されて以来、ナイブズの人知を超えた力を心底恐怖し、そこから逃れようとしていた。対ヴァッシュ戦を自ら名乗り出たのもどさくさまぎれに逃亡する為だった。最終的にはそれが原因となってレガートに惨殺されてしまう。
- 8. グレイ・ザ・ナインライヴズ
- 圧倒的な巨躯と怪力を誇る巨人。グレイを彷彿とさせる顔をしている。
- 異名の通りに不死身の怪物で、パニッシャーでの掃射を受けて原型を留めないほど破壊されてもなお活動を可能とする。その正体は非常に小柄な九人の人間が詰まった巨大人形で、奇怪な発声やとりとめのない発言もそれによるもの。
- 「裏切り者」であるウルフウッドを襲撃し、シップ内での激戦の末に七人が欠け、ミリィとメリルによって残り二人も撃破・投獄されるものの、私刑を加えようとしたシップの住人を返り討ちにし脱獄。レオノフとの戦いでの負傷を治療中だったヴァッシュに襲いかかるも敗北した。
- アニメ版での相違点
- アニメ版でもウルフウッドと戦闘するロケーションは違いがないが、正体は九つの電子頭脳を搭載したロボットであり、原作とは別の不死身性が描かれている。
- 9. 雷泥・ザ・ブレード(らいでい・ザ・ブレード)
- 声 - 大塚明夫
- サムライ。銃を持たず、刀一本で銃社会を潜ってきた剣客。我流剣術「次元斬一刀流」を称する魔人。
- さらには球体車輪ローラースケートの機動力を活かした「円」の動きで直線的な「銃」の射線を回避し、かつ一瞬で視覚外にまで回り込むことで銃が剣に対して持ちうる「射程距離の優位性」を相殺する。「円」の動きを以って対象との間合いを即座に詰めて斬りかかる奥義「二重星雲(ふたえネビュラ)」、それに加えて愛刀ムラマサに内蔵されたスペツナズ・ナイフの機構を用いた闇奥義「彗星突」を習得している。『雷神-RISING-』においては「二重星雲」の前身と思われる「星雲(ネビュラ)」を使用した。
- 「ただの人間は斬り飽きた」という理由でヴァッシュに死合いを申し込む。だがヴァッシュに「円」を利用した機転によって敗北。見逃されるものの、さらなる死合いを渇望してその背を襲撃しようとした際にウルフウッドによって止めを刺された。
- スピンオフ作品『雷神-RISING-』では主人公を演じる。
- アニメ版での相違点
- 原作と違いローラースケートは使わないものの、様々なギミックを利用してヴァッシュと交戦する。性格設定においても一騎打ちを求める戦士であるだけで異常者ではない。
- 10. リヴィオ・ザ・ダブルファング
- 「ミカエルの眼」最強の殺し屋の片割れである、顔の左半分に鬼の面を被った青年。物語後半にてGUNG-HO-GUNSに加わる。前後に銃口を持ち、上下左右前後に同時射撃が可能な二連式機関銃「二重牙(ダブルファング)」を両腕に装着し、最高ランクのサイボーグを無造作に放った蹴りで粉々にする事や物理限界を超えた移動速度[14][15]が可能な身体能力により死角のない殺戮戦闘術を持つと称される。その壮絶な戦闘力は、決して弱くはない無頼の輩をしても「喰人鬼(オウガ)」の如く畏怖させるほど。本人は有能であれ天才ではなく、過酷な鍛錬を耐えぬいたことによる強靭なメンタルを所有しており、恐怖に強く泥臭い戦法も厭わない。
- ウルフウッドとは同じ孤児院で育った後輩で、彼を強く尊敬し敬愛していた。他者を守ろうとする極めて優しい心の持ち主だが、幼少期に虐待を受けたことで防衛のために「ラズロ」という人格を産み出しており、そのラズロがリヴィオが眠っている間に行った凶行によって周囲と折り合いが悪くなり、己の居場所を求めて行方を眩ませた。その後に「ミカエルの眼」の教育を受けて人間性を麻痺させていたものの、ウルフウッドの決死の説得によって己を取り戻した。
- 最終決戦の際にはヴァッシュからエレンディラの抑えを期待されて対戦するも、子供たちを庇い一度は大敗を喫する。が、その後に核兵器を封じるための憲兵全軍をただの一人も殺さず無力化する大立ち回りを演じた後、兵器地下庫内部で再戦。ラズロとの共闘と、持ち前の再生能力を活かした戦法で辛勝した。
- 11. ラズロ・ザ・トライパニッシャー・オブ・デス
- 両親から虐待されたリヴィオが自分を守るために生み出したもう一つの人格。
- 背中に装着した機械じかけの義肢と両腕でもって、漆黒にカラーリングされた「最強の個人兵装」であるパニッシャーを三挺同時に扱う「トライ・パニッシャー」を装備した怪物。更にはリヴィオを超える身体能力を持ち拘束具を開放したエレンディラと互角。そしてトライ・パニッシャーを総動員させた攻撃はヴァッシュをして「どう考えても今までの最大火力」と言わしめるほどの圧倒的破壊力を誇る。
- リヴィオとは対照的に性格は凶暴で好戦的で、自分が天才であることを自覚している自信家でもある。片割れであるリヴィオを「チンカス」と呼ぶなど常に傲岸不遜な態度で振る舞うが、自分の居場所を与えてくれたチャペルを父親のように慕っていたり、口は悪くともリヴィオのことを信頼しているなど、子供のように起伏の激しい精神を持っている。
- リヴィオ以上にダブルファングを使いこなしながらエレンディラを追い詰めるも、「苦境に陥る」という経験が全く無いため、「殺意」により一時は戦闘不能に追い込まれるが土壇場で覚醒したリヴィオに命を救われる。そこから自身はエレンディラの動作を視るために視覚を担当し、リヴェオはそれに応えて身体を動かすという形で意識共有を行い、辛くもエレンディラに勝利した。
- 登場前は「“TRI”-“P”unisher OF DEATH」の綴りをもじった「トリップ・オブ・デス」の名で呼ばわられていたが、その姿を人格とともにさらけ出した時に真の異名を名乗り上げた。リヴィオとともに原作にのみ登場する。
- 12. ザジ・ザ・ビースト
- 声 - 神谷浩史
- 監視・情報伝達担当で、直接戦闘を行うことは少ない。
- 無数の虫を操り、その視覚を共有することで惑星中ほぼすべての出来事を知り得ることができるほか、多種多様な毒を操る。また、複数の人間を端末として利用することが可能で、肉体が死亡しても別の肉体に乗り換えることにより問題なく行動することができる。作中で披露した端末は少年、若い女性、派手な格好をした男の三体。いずれも褐色肌であり、その端末によって振る舞いは変わるが、その選別基準や、人格が演技であるのかなどは描写されていない。
- 性格は共通して軽薄で、ナイブズに対しても敬意を払うことなく、人間を見下したような言動をする。その正体は、大墜落前から星に生息していた「砂蟲(ワムズ)」の統一意識である。ナイブズを利用し、そのプラントの力を我がものにせんと暗躍する。レガート・エレンディラ・ナイブズを出し抜き彼らに神経毒を投与して行動を封じた後、無数のプラントと融合したナイブズの精神を乗っ取ろうとするものの、レガートの自分に能力を使っての行動で動きを封じられ、意識を取り戻したナイブズによって砂蟲が全滅させられ、事実上死亡した。死後、余力を振り絞って最後のコインをヴァッシュのもとへ届けた。
- アニメ版での相違点
- 髪飾りに偽造した発信機で砂蟲を操る少年。孤児たちのリーダーに扮してヴァッシュに近づくも、愛に飢えていた本性を見ぬかれて心変わりの兆しを見せたものの、慎重を期したウルフウッドによって殺害されてしまう。原作と違い、殺し屋として教育された普通の人間として描写されている。
- 13. エレンディラ・ザ・クリムゾンネイル
- 本来存在しない「13(ロストナンバー)」を与えられた、GUNG-HO-GUNS最強の魔人。オカマ。
- 手にしたスーツケースから展開するネイルカノンが武器で、巨大な釘を撃ち出す。遥か遠く飛行するロストテクロノジーの戦闘機に一瞬で届き、撃ち抜いた後もさらに遥か後方まで飛んでゆくケタ外れの速度と破壊力を持つ[16]。奥の手としてパイルバンカーの後部カバーをパージして弦を極限まで引いて放つ攻撃手段も隠し持っている。また射出した釘よりも速く動くことができるため、数十本の釘をあらゆる角度から放ったとしても発射音が一発分にしか聞こえないという出鱈目な身体能力を持っている上に、普段は拘束具で能力を制限している。拘束具をつけたままリヴィオを降し、再戦時には互角の戦いにもっていかれるが、拘束具は開放し一蹴、「殺意」を飛ばすだけでそれまで優勢だったラズロを瞬時に無力化するなど、洞察力に心理戦、駆け引きの巧妙さにおいても他のナンバーズの遥か上を行く存在。
- 美しい顔立ちと、女性よりも完成されたスタイルの持ち主である。そのためナルシストの気があり、男として扱われると反応を示さない事もある。幼少期からナイブズに付き従っており心酔している。彼のもたらす「世界の滅び」を心待ちにしている。戦闘に際しては冷酷非情だが、非常に人間味溢れる人物であり、自分より後から仕えたにも関わらず腹心として扱われるレガートへ嫉妬のような感情を見せたり、ヴァッシュやウルフウッド、人類を哀れむような感情を見せることもある。原作にのみ登場する。
- ケイン・ザ・ロングショット
- アニメのみに登場するキャラクター。十メートル長の巨大なライフルと、周囲の景色に同化する機能を持つマントを駆使するスナイパー。
- 発射音からのタイムラグと着弾角度により現時点を割り出されヴァッシュに降伏を求められるものの、不殺を貫こうとする彼の前でためらいなく自害した。
- チャペル・ザ・エバーグリーン
- 声 - 鈴置洋孝
- アニメのみに登場するキャラクター。ウルフウッドの師であり、組み合わせることで巨大な十字架となる二丁の機関砲を武器とする。
- 牧師のような格好をしている男。弟子に対しては温情があるらしく、降伏を勧めた。ウルフウッドとの決闘に敗れるものの、レガートの能力によって意図せぬまま彼の背を撃って殺害。復讐するためにレガートを襲撃するが、彼の能力によって拘束された後にナイブズによって消滅させられてしまう。時間にルーズな男らしい。
- マスター・チャペル
- ミカエルの眼の幹部であり、GUNG-HO-GUNS本来のナンバー5。ウルフウッドとリヴィオ・ラズロの師にあたる老人。
- ウルフウッドに負わされた瀕死の重傷から回復するために大量の投薬を行ったため、極度に老化してしまい、車椅子での移動を余儀なくされている。セミオートカノンと、先端部分が刺突武器となっている銃身を射出する機構を備えた、パニッシャーと類似した武器を所持している。爆風で空中に舞った際の姿勢制御や、片手で突起物を掴んで空中で静止するなど身体能力そのものはミカエルの眼に恥じないものを持つ魔人。
- 冷酷な完璧主義者であり、素養のないものに教示を授けることはないが、逆に自分の育てる弟子に対しては異常なまでの執着を見せる偏執狂。ウルフウッドには復讐対象と愛弟子という愛憎入り交じった感情を抱いており、彼が死に瀕したときは涙を流したり消沈するなどの様子を見せる。ウルフウッドがナイブズに反旗を翻した際、孤児院を占拠して彼を誘い出して復讐を果たそうとするが、投薬により自己を強化したニコラスの頭突きにより頭蓋骨と首を損傷して戦闘不能に陥った。その後、執念によって交戦しているラズロごとウルフウッドを殺害しようとしたが、そのことで錯乱したラズロのパニッシャーの掃射を受けて死亡した。
[編集] その他の登場人物
- ブリリアント・ダイナマイツ・ネオン
- 声 - 石塚運昇
- 盗賊団バド・ラド団のヘッド。大量の電飾をあしらったド派手な服に身を包み、それを光らせるためだけに肩に巨大な発電機(ダイナモ)を担ぐドレッドヘアーの偉丈夫。
- タバコ感覚で花火をくわえるという破天荒な性格。とにかく光りモノが大好きで、宝石目当てでヴァッシュの乗り合わせたフロウリッシュ号を襲撃した。人殺しをなんとも思わず、子供に暴力を振るうことすら厭わない悪党だが、一度決めたことは曲げない美学を持つ。物語終結後も盗賊を続けている。
- カイト
- 声 - 松本梨香
- バド・ラド団に協力している不良少年。砂蒸気技師の父親を過労で亡くしており、父が設計したフロウリッシュ号の強盗作戦を行う際にヴァッシュと出会う。
- 強盗から砂蒸気ごと破壊する作戦に切り替えたバド・ラド団から離反し、ヴァッシュと共に奪還作戦を行う。最後はヴァッシュとネオンとともに決死の作戦で谷底に墜落しかけたフロウリッシュ号を守った。最終話では後に乗組員になった彼がワンカットだけ登場する。
- リィナ
- 声 - 石村知子
- フィフス・ムーン後、放浪していたエリクス(ヴァッシュ)を匿っていた12歳の少女。祖母と二人で暮らしている。
- 非常に勝気で活発な性格で、蹴りの筋がいい。
- ウィリアム(ビル)・コンラッド
- ドクターと呼ばれる、ナイブズに加担するプラント技師。元はレムの同僚の「SEEDS」のクルー。
- 百数十年越しにコールドスリープから目覚めた後、レブナント・ヴァスケスと名を改め、プラント知識で得た裕福な暮らしをしていた。ナイブズにその頭脳を必要とされた後は失踪し、プラント学者としての好奇心とナイブズの企てを手助けする負い目との鬩ぎ合いの末に彼とヴァッシュに黒髪化を施術した。ナイブズに黒髪化が起こった際に、ヴァッシュにも同様の現象が起こっていると聞かされ激昂した彼によって刺殺される。
- ブランドン・マーロン
- 先祖代々からの銃職人(ガンスミス)。 ヴァッシュのことを「ライトニング」と呼び慕い、彼の銃の整備や弾薬の手配を度々請け負っている。半壊したパニッシャーでさえ修繕してしまうほどの腕利きだが、生半可な覚悟で引き鉄を引くものに対しては頑として腕を振るわない職人気質の男。飄々とした、酒を「命の雫」と奉じている飲んだくれ。
- アニメオリジナルキャラクターのフランク・マーロンの子孫という設定であり、先行したアニメ版から設定が逆輸入されたと思われる。
- フランク・マーロン
- 声 - 田中正彦
- アニメ版に登場する銃職人。ヴァッシュが銃の整備を頼みに彼を探しまわるほどの腕利き。
- かつては住んでいた街の住人に自ら製作した銃を渡していたものの、銀行強盗に身を落とした手ずから銃を渡した男によって妻子を殺害されたことを切っ掛けに自分を見失い、町人に煙たがれる飲んだくれになっていた。だが街が強盗団に襲撃された際に、自らが渡した銃を手に応戦する住民を見て己の存在意義を思い出し、禁酒するとともに銃職人に復帰した。
- 原作においては数世代前の人物という設定で、子孫であるブランドンの口からその存在が語られる。
- 「先生」
- 声 - 糸博
- メルカバルドル大砂洋に浮かぶシップの指導者。黒いコートに帽子を被った小柄な老人。
- 数十年前、放浪していたヴァッシュを救い出した人物のひとりで、古くから親交がある人物。ロストテクノロジーに通じており、ヴァッシュのコートと義手を仕立てている人物でもある。レオノフにより人形へと変えられる際に死亡した。
- アニメ版での相違点
- ブラドの代わりに、最後まで生存している。
- ブラド
- 声 - 石井康嗣
- シップの住人。長身のヴァッシュよりもさらに頭ひとつ分以上背が高く、リーゼントヘアの強面の男。
- 幼い頃からヴァッシュとの親交があり、不老である彼に憧憬と畏怖を抱いていた。片思いの相手であるジェシカのことも含めて登場初期はヴァッシュに対して何かと突っかかる物言いをしていたが、シップ襲撃事件後はヴァッシュ・ウルフウッドを様々な面でサポートするようになる。エンジニアやパイロットとしても優れた技能を持ち、非常に男気あふれる人物だが、GUNG-HO-GUNSやヴァッシュらとは違って普通の人間の価値観で生きている。
- アニメ版での相違点
- ジェシカに扮していたレオノフの人形によって銃撃され、ヴァッシュの腕の中で息を引き取った。
- ルイーダ
- 先生の妻。亡き夫に代わってシップをまとめる才媛。方舟始動後は地球からの船団との交渉役として表舞台に上がる。
- 常に冷静沈着で物事を合理的に進める行動力とカリスマ性を持ち合わせているが、非常に徹し切れない心優しい女性である。ヴァッシュの人間性を肯定し、その心情が後にウルフウッドがリヴィオを救い出すことを決意した遠因にもなった。
[編集] 劇場版『Badlands Rumble』の登場人物
- ガスバック・ガロン・ゲッタウェイ
- 声 - 磯部勉
- 劇場版に登場する「史上最悪の大強盗」。その首には3億$$の懸賞金がかかっている。
- チマチマとした思想・行動を嫌い、「より派手で大規模な強盗(タタキ)の敢行」に人生を賭ける髭面の巨漢。無益な殺生はしないが、強盗をする際に必要ならば容赦なく人を殺め、自分の強盗を穢されることを何よりも嫌う。二十年前、部下に裏切られ窮地に陥った際、ヴァッシュのお節介に命を救われた過去を持つ。自分を裏切ったケインの全てを奪い尽くすためにマッカシティに現れる。
- 右腕にロストテクノロジーを駆使した兵器を搭載している。サイコロ型パッケージに入ったキャラメルが好物。
- アメリア・アン・マクフライ
- 声 - 坂本真綾
- 劇場版に登場する美しき女賞金稼ぎ。19歳。
- 母(声:井上喜久子)の仇であるガスバックを狙い、ヴァッシュと同じマッカシティに向かう砂蒸気に乗り合わせた。仇討ちに執心するあまり周りが見えなくなるほど一途な性格。男性と接触すると蕁麻疹ができるほどの男嫌い。非常に酒癖が悪い。
- ケブラー(ケイン・フラッカーノ)
- 声 - 島田敏
- マッカシティの市長。二十年前に大金をもってシティのプラント事業を立て直し、大富豪としての地位を確たるものとした。
- かつてはガスバックの元で強盗をしていた小悪党。行動を共にしていたドリーノ(声:飛田展男)とメチーオ(声:立木文彦)とともに強盗中に彼を裏切り大金を手にした。非常に小心者でせこく、自分の姿をした悪趣味な銅像や兵器を作っている。ガスバックにしこたまデコピンで殴られたために仮面をつけている。
- シェイン・B・グッドマン
- 声 - 楠大典
- マッカシティ保安官。飄々としている陽気な男。真面目に仕事はしないが、市民からはその人柄を親しまれている。
[編集] 用語・メカニック
- プラント
- エネルギー源および各種物質などの、ありとあらゆる物を物理法則を無視して「生産」を行う生体ユニット。作中では通常の管理運営技術以外は失われたテクノロジーとなっているため、プラント自体の追加生産を行うことはできない。砂漠の惑星が舞台の本作で人類が絶滅しない理由がこのプラントの恩恵である。外形は巨大な電球に酷似しており、フィラメントに相当する場所に生物的な部位が存在している。これに二酸化炭素や熱・光が供給されることで、あらゆる生産活動を行う。
- 元々は宇宙移民船の動力源であり、作中世界では惑星への不時着時に崩壊した宇宙船から切り離され、各所に散ったものの中から活動可能なものを利用している。そのため、都市や街の中心地には必ず移民船の残骸がある。肥沃化プラントの影響を受けた土地はジオ・プラントと呼ばれ、この砂漠にあっても植物が育つほどに豊かになる。
- 活動が暴走するとプラント自身がショック状態を引き起こしたり、生産された熱や重力エネルギーにより大災害が発生したりすることもある。また、それ以外に疲弊が進むと「死ぬ」こともある。これを利用して、疲弊して生産の望めなくなったプラントに対して強制的に暴走状態を引き起こして大生産するラスト・ランとよばれる技術も存在する。
- コンラッドやザジが「門」と呼んでいたように、通常使われる生産活動としての「持ってくる力」以外にあらゆる物を消滅させる「持っていく力」を有している。
- トライガン世界での銃器・火器、兵器は独特なデザインから現実に存在する銃を則ったデザインの物があるが、材質・装薬何から何までプラントのプログラミングで生み出され、現実の物と比べられない初速や威力等を持っている[17]。ウルフウッドの持つハンドガンの9mm弾頭サイズで現実の20mm対物ライフル弾顔負けの威力や貫通を見せている事からもその威力が分かる
- 惑星の住人には知られていないが、突然変異によって生まれた“自立種”と呼ばれる、人間と変わらない行動や意思疎通ができる個体がいる。作中の段階で地球では自立種が人権を有し活動しており、物語終盤では地球から訪れた救援の艦隊の艦橋にもこの自立種がクルーとして乗り込んでいた。
- プラント(自立種)
- 本来はフラスコの中でしか生存できず意思は無いとされていたプラント内に存在する天使体のうち、フラスコ外での生存が可能で自らの意思を持つ存在。作中ではテスラとヴァッシュとナイブズが存在し、終盤では地球からの救援部隊の中にも存在する。ヴァッシュとナイブズを見る限り極めて短い時間で成長し、150年経ってなお青年の姿でいるところを見ると成人してからは極めて長い寿命を持つ模様。さらに60年後の公式外伝でも何も問題なく健在であり、「力」を使わなければ寿命に影響はない模様。プラントの持つ別宇宙から(に)「持ってくる力」と「持って行く力」の両方を有しており、ナイブズはコンラッドから処置を受けること(コンラッドと接触以前でも「力」を使用しているが、さらに完璧になった)で、ヴァッシュはナイブズの力を目の当たりにして自力で扱えるようになった。また他のプラントを吸収して「力」をより強大な物にできるが、吸収したプラント達の意思に自我を揺さぶられ自壊や暴走のリスクを負う危険性もある。
- A・ARM(エインジェルアーム)
- ヴァッシュとナイブズがプラントとしての力を腕から出した際にその腕が変化することについて名づけられた呼称。プラントの自然の摂理を超越したエネルギーが集まる「ゲート」(別宇宙から持っていく・持ってくる)を利用している。ナイブズはこれを左手を刃先が平面化した次元の「刃」として自在に操り、ヴァッシュがナイブズによって強制的に共鳴させられたときには右手が「銃」となって発動した。
- ナイブズの場合はこの刃によって都市1つを一瞬で切り刻んだほかに根城にしていたシップの残骸を輪切り、刃を宇宙空間まで一瞬で届かせての衛星の破壊、更には対象の別宇宙への追放消滅などの使い方を行う。ヴァッシュの場合は砲撃という形で、遥か上空で暴発しただけで数千万人規模の都市を消し去るほどの威力を出し、地球よりも遥かに大きな月に着弾した際には肉眼ではっきりと確認できるほどの巨大なクレーターを作り出した。またヴァッシュは出力を極限まで抑えてのA・ARMの瞬間発動を行える。最終決戦時には能力の応用で力を弾頭に込めて、銃撃と組み合わせた使用法を見せた。
- アニメ版での相違点
- ナイブズが製作した小型プラント内蔵拳銃を利用しての能力という設定になっている。そのため能力の形は両者とも共通で、ナイブズはヴァッシュのものの色違いである漆黒の拳銃を所持している。
- 黒髪化
- 生産活動やヴァッシュやナイブズのA・ARMなどによる、プラントの疲弊によって起こる現象。人間の髪が白髪化とは逆に、頭髪が部分的にが黒く染まっていく。力を使えば使うほど進行は早まり、完全に漆黒に染まった時には死に至る。プラント技師たちはこれをプラントの寿命の指標としており、ある程度黒髪化が進んだプラントにラスト・ランを行わせるなどしている。ヴァッシュは最終決戦時にほぼ真っ黒に染まったが、その六十年後にも健在であることから寿命には影響しないようである。
- Project SEEDS(プロジェクト・シーズ)
- 地球規模で進んだ環境汚染により、種の維持を危ぶんだ人類が行った新天地を目指す計画。
- 大規模移民船団を組織し、生存に適した惑星へと移民する計画。自分たち以外に生体実験として殺された自立種が生まれていたことを知ったナイブズの破壊工作により失敗、かろうじて大気は呼吸可能だが生存に適さない惑星へと墜落・大地に衝突するコースに乗せられたところを、レムによる軌道修正・逆噴射により船団の何割かが不時着に成功した。この事件は「大墜落(ビッグフォール)」と呼ばれている。
- 砂蒸気(サンドスチーム)
- 砂漠を横断するための巨大な乗物。動力には蒸気エンジンが利用されている。ほかにも独立したプラントを複数内蔵しているため、艦内で物資の生産を行うこともできる。
- また、武装強盗団を撃退するために強力な火器を装備している物も多く、サンドスチーム自体を用心棒として、街と街を移動するキャラバンを引き連れていることもある。作中にに登場した最大級のハンプバック級のほか、原作では幾つかの級があることが伺える。比較的道路が整備されている地域では街の間を結ぶ長距離バスも運行されているが、サンドスチームはそれより高速且つ長距離の移動を任されているようである。
- サイボーグ
- 作中世界は地球と比べ物にならない自然環境、高重力に対応するため己の体をサイボーグ化することも普遍的に行われている。また極めて無秩序な銃社会(西部劇の世界に近い)の様相を呈しているため、負傷者・死者も多く、これを移植手術で治したり、またはサイボーグ化するなどの処置もある。特にコミック版ではこれらの描写も多いが、首だけになるような瀕死の重傷でも助けることも可能な様子。ただ、社会的な格差は地域的に大きく、そのような医療が受けられるのは、かなり規模の大きな都市に限られるようでもある。
- ロスト・ジュライ(失われた都市)事件
- ヴァッシュが作中世界で史実上、最初に起こした事件。当時の惑星第2位の規模を誇る都市ジュライが一瞬の内に壊滅した。ナイブズによるヴァッシュのA・ARM強制発動が原因であり、そのショックによってヴァッシュ自身には事件当時の記憶がない。
- 原作では住人全員が都市ごと消失、その日に都市を離れていた人間以外は全滅しており、地図の上からジュライの文字が消えた。確認された生存者はヴァッシュだけである。
- アニメ版では、この破壊による直接の死傷者は報告されていないものの、その後に起こった飢餓や暴動により多数の死傷者を出したとされ、同都市は放棄されている。
- フィフス・ムーン事件
- 作中では衛星が5つ存在[3]し、その五番目にあたる巨大な月に大穴を穿ったことに由来する。
- 巨岩に支えられた3つのプラントを持つジュネオラ・ロック・シティで発生したためジュネオラ・ロック・クライシスとも呼ばれる。ヴァッシュとナイブズが接触した際、ナイブズによってヴァッシュのエンジェル・アームが暴走、ヴァッシュの抵抗により大惨事は逃れたものの、A・ARMの発射の衝撃のみで巨岩の3分の1が消失、上空にあった第5衛星に超大規模なクレーターが空ける結果となった。
- アニメ版においては、雷泥との戦闘中にレガートが干渉を行ったことで勃発した。
- シップ
- メルカバルドル大砂洋の中心に浮かぶ船。大墜落によって落下したうちの一隻で、砂洋のクッションと内蔵された重力制御プラントによってほぼ完全な形で現存している。
- 重力制御プラントによって発生する砂霧に覆われ、百数十年もの間外界とは隔絶された独自の環境を築いてきた。内部は冷凍睡眠している乗組員の内、目覚めた者達の子孫の生活の場となっている。アウターでは失われている地球の技術をそのまま運用しているため、生活水準や治安は外の世界とは比べ物にならないほど高い。シップの中の住人はシップから見た外界のことを「アウター」と呼んでいる。住人はアウターの人間に対しても大らかで、恩人であるウルフウッドやメリル、ミリィを手厚くもてなした。外の世界には存在を知られておらず、砂洋のほとりと繋がるロープウェイでのみ外界と繋がっている。ロープウェイ近くにはミリィいわく五つ星のトマ小屋が敷設されている。
- かつて砂洋のほとりで行き倒れていたヴァッシュを拾い手厚く看護したことが縁となり、数世代に亘って彼の積極的なサポートを行っている彼の「ホーム」。ヴァッシュのコートや義手などは全て、このシップで発掘された技術を集めて作り上げられたもの。GUNG-HO-GUNSの襲撃により住民の半数近くを失うものの、その後もロストテクノロジーの未来兵器を駆使して方舟と戦ったり、ヴァッシュやウルフウッドを救助したりと対ナイブズの戦線において重要な役割を果たしている。
- また、数世代に渡って生活に最低限必要なもの以外の全てのプラントを惑星間通信に回し、地球との接触を図ってきた。物語中盤にて悲願の地球からの通信を受け取るものの、その衛星はナイブズの手によって破壊されてしまう。物語終盤では混乱を極めたアウターの人々の保護を行うなど表舞台にも姿を見せる。
- アニメ版での相違点
- 「隠れ里」として他の街と同様に舞台の1つとして登場する。より閉鎖的な描写が強められ、余所者であるウルフウッドを避けたり、GUNG-HO-GUNS襲撃の要因であるヴァッシュを責めるといったシーンも見られる。
- パニッシャー
- ウルフウッドとラズロが愛用する、巨大な十字架の形をした「最強にして最高の個人兵装」。作中世界でも群を抜いての超重量級個人兵装。普段は「黒いベルトとカバーに包まれた十字架」に偽装されている。
- 縦棒の長い方に大口径の機関砲さえ比較にならない威力の物を[18]、反対側の短い方に何百メートル以上の炎と爆発を撒き散らす高威力のミサイルランチャーが搭載されている。中央部には髑髏を連想させる透かし窓があいており、これが銃握と引き鉄になっている。装甲も堅牢で、パニッシャー三挺による一斉掃射にも問題なく耐えられる。
- 大きさは2メートルほど、重量は数百キロ。ウルフウッドはラズロ戦においてその重量生かした鈍器としても使用し、ラズロの反応を超える速さで打撃を繰り出している(ラズロはそれに近い速さで対抗した)。「ミカエルの眼」創立133年間の内でも製造された数は十挺と少なく、これを持つことを許されることは最高の栄誉とされる。ウルフウッドが背負っているパニッシャーは十挺目、ラズロのトライパニッシャーはその後に製造された十一・十二・十三挺目に当たる。
- デザインの元ネタは映画デスペラードのギターケース、名前の由来はマーベル・コミックのキャラクターパニッシャーより。
- アニメ版での相違点
- ミカエルの眼が存在しないため、「最強にして最高の個人兵装」という設定はない。透かし窓のデザインをはじめ、細かいディテールは原作と異なる。
- 「フィフス・ムーン」以前は37丁の拳銃を収納するガンラックであり、ウルフウッドは十字架を盾にしながら拳銃を使い捨てていくという形で運用した。後半は原作と同じ機構にモデルチェンジされている。
- ミカエルの眼
- ウルフウッドが所属する、彼いわく「殺し屋の寄り合い」。
- 作中に登場するキリスト教に類似した宗教のうち、プラント崇拝を行なっている一派のさらに一部が抱える暗殺部隊の、その中でもエリートの殺戮部隊。組織ぐるみでナイブズを崇拝し、その企てに加担している。GUNG-HO-GUNSの中に選りすぐりの暗殺者三名の為の三人分の枠を設けられている。そのため時と場合によって「首の挿げ替え」が起こる。
- 外科的手術や薬物投与による人外の身体能力、感覚の鋭敏化、新陳代謝の活性化による異常な再生能力を持つ殺人者を数多く養成している。リヴィオの台詞によれば、食らった技や相手の呼吸を覚えるのだという。ダブルファングやパニッシャーを始めとする様々な銃器の製造・保有も行なっている。また、支給される試験管型アンプルに入った薬物を摂取することで一時的に再生能力を爆発的に高められる。再生が追いつかないほど深刻なダメージを受けた時などに使用される。
- 教会を中心とした組織形態のために、支給される武装には十字架を象ったものが多い。ほかにも運営している各地の教会を人材スカウトの第一線として利用しており、ウルフウッドのように徴用した孤児に改造手術を施して構成員を作り上げている。
- 真紅のコート
- ヴァッシュのトレードマーク。紅い色はかつてレムから教えられた花言葉に由来する。作中の時間経過と共に何度か新調(デザインやボタンの形および配置などが微妙に変化)するが、基本は顎が隠れるくらい高い襟、袖は義手の左腕の方が二の腕までと短く、足首近くまである裾は腰の辺りまで入った切れ目で数本の帯状に分割されている(新しいものほど本数が多い)。『マキシマム』開始当初に着ていたコートは、ロストテクノロジーの粋を集めた隠れ里製で、高い防弾機能や弾薬補充用のパイプラインといったギミックを備えていた。終盤では一時的、プラントの力の影響で真紅から黒へと変質していた。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] アニメ版『TRIGUN』
1998年4月1日から9月30日までテレビ東京にて毎週水曜日に深夜アニメとして放送された。全26話。深夜アニメの先駆として成功した[19]。
脚本家の黒田洋介が無印判の愛読者であった縁から初めは全3話のOVAとして企画され、それがマッドハウス社長の提案でテレビアニメとなった。基本的には漫画版の『無印』および『マキシマム』の両作を基にしているが原作とキャラクター造形、設定がかなり違い、他にも「当初、保険屋コンビがヴァッシュの顔を知らなかった」(そのため前半も3話まではアニメオリジナルで、第4話は先述した原作のパイロット版を用い、原作の第1話がアニメ版第5話に来る)など、設定についてはかなり異なっている。また、この時点ではまだ『マキシマム』の連載開始から日が経っていなかったため、後半に関しては内藤が当時考えていたストーリー案を基に、黒田がオリジナル脚本を書き上げている。
なお、マッドハウスでのテレビアニメ化に狂喜乱舞したことを語る作者は、アニメオリジナルキャラクターやその関係者を後に自身の漫画に登場させたりもしている。
2003年10月からテレビ東京系で深夜に放送されたアニメ版『ガングレイヴ』は原作を内藤泰弘が担当した他アニメ版トライガンのスタッフが最集結した作品で、トライガンに登場するトマも登場する。
[編集] スタッフ
- 原作 - 内藤泰弘
- 監督 - 西村聡
- シリーズ構成 - 黒田洋介
- キャラクターデザイン - 吉松孝博
- メカニカルデザイン - 神宮司訓之
- 美術監督 - 金子英俊、片平真司(第4・6・7・12・16・18・21・23・25話)
- 色彩設計 - 磯崎昭彦
- 撮影監督 - 白井久男
- 音響監督 - 本田保則
- 音楽 - 今堀恒雄
- プロデューサー - 北山茂
- アニメーションプロデューサー - 諸澤昌男
- アニメーション制作 - マッドハウス
- 製作 - 日本ビクター
[編集] 音楽
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ「H.T」
- 作曲・演奏 - 今堀恒雄
- インストゥルメンタル曲。
- エンディングテーマ「風は未来に吹く」
- 編曲・歌 - AKIMA & NEOS
[編集] サウンドトラック
- trigun the first donuts
- trigun the 2nd donuts HAPPY PACK
[編集] 各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 600億$$の男 | 黒田洋介 | 西村聡 | 吉松孝博 | |
| 2 | TRUTH OF MISTAKE | 水野和則 | 粟井重紀 | 岩井優器 | |
| 3 | PEACE MAKER | 高柳滋仁 | 鈴木藤雄 | ||
| 4 | LOVE & PEACE | 冨永恒雄 | 所俊克 | 加野晃 | |
| 5 | HARD PUNCHER | 大橋誉志光 | 久高司郎 | ||
| 6 | LOST JULY | 島崎奈々子 | 岡田正和 | ||
| 7 | B.D.N. | 木崎文智 | 山口美浩 | 植田洋一 中田雅夫 紺野直幸 |
|
| 8 | そして荒野と空の間を | 東海林真一 | 松尾衡 | 蒔田史海 | |
| 9 | MURDER MACHINE | 粟井重紀 | 岩井優器 | ||
| 10 | QUICK DRAW | 薮下昌二 | 福田紀之 | ||
| 11 | ESCAPE FROM PAIN | 小寺勝之 | 栗山美秀 | 久高司郎 | |
| 12 | DIABLO | 林秀夫 | 古賀誠 | ||
| 13 | ヴァッシュ・ザ・スタンピード | 高柳滋仁 | 吉松孝博 | ||
| 14 | LITTLE ARCADIA | 黒田恭弘 | 粟井重紀 | 岩井優器 | |
| 15 | DEMONS EYE | 阿部記之 | 山内富夫 | 木下ゆうき | |
| 16 | FIFTH MOON | 栗山美秀 | 蒔田史海 牛島勇二 |
||
| 17 | レム・セイブレム | 大橋誉志光 | 田崎聡 | ||
| 18 | 今は、さよなら | 松尾衡 | 粟井重紀 | 岩井優器 | |
| 19 | HANG FIRE | 小沢一浩 | 山内富夫 | 木下ゆうき | |
| 20 | FLYING SHIP | もりやまゆうじ | |||
| 21 | OUT OF TIME | 栗山美秀 | 加野晃 | ||
| 22 | ALTERNATIVE | 粟井重紀 | 岩井優器 | ||
| 23 | 楽園 | 蒔田史海 | ながはまのりひこ | 蒔田史海 | |
| 24 | 罪 | おざわかずひろ | 香月邦夫 | ||
| 25 | LIVE THROUGH | 佐藤たくや | 粟井重紀 | 岩井優器 | |
| 26 | こんなにも青い空の下で | 西村聡 | 吉松孝博 | ||
[編集] 劇場版アニメ
『TRIGUN Badlands Rumble』(トライガン バッドランド ランブル)のタイトルで、2010年4月24日より公開。
- TVシリーズから12年を経て制作された新作の劇場用長編アニメ映画。
- アニメ版を基準に、原作のデザインやオリジナルの要素を混ぜた設定で描かれているパラレルワールドを舞台としている。ストーリー原案は原作者の内藤泰弘。
映画化の記念に著名なクリエイター達から応援メッセージが送られた[20]。
2010年5月8日までアラリオが運営するオンラインFPSクロスファイアにてゲーム内でアイテムや広告が表示される企画が行われた。『Master of Epic』ではタイアップキャンペーンとして新クエストも実施された。
2010年4月24日初日公開のぴあ初日満足度ランキングでは第3位となっている[21]。
[編集] スタッフ(劇場版)
- 原作 - 内藤泰弘(少年画報社「YKコミックス」刊)
- ストーリー原案 - 内藤泰弘、西村聡
- 監督 - 西村聡
- 脚本 - 小林靖子
- 絵コンテ - 西村聡、増井壮一、井上英紀
- 演出チーフ - 井上英紀
- 演出 - 川村賢一、竹内浩志、migmi、西村聡
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 吉松孝博
- メカニックデザイン - 神宮司訓之
- メイン作画監督 - 竹内浩志、島村秀一、稲留和美、西澤千恵
- シーン作画監督 - 熊谷哲矢、吉田大輔、宮本佐和子、Cindy H.Yamauchi
- エフェクト作画監督 - 有田周平
- レイアウト監修 - 木村雅広
- 銃器監修 - 山内則康、西村聡
- 美術監督 - 秋葉みのる
- 色彩設計 - 飯島孝枝
- CG監督 - 井野元英二
- 撮影監督 - 五十嵐慎一
- 編集 - 寺内聡
- 音響監督 - 本田保則
- 音楽 - 今堀恒雄
- プロデューサー - 北山茂、小池由紀子、筆谷芳行、武智恒雄
- アニメーション制作 - マッドハウス
- 配給 - クロックワークス
- 製作 - トライガン製作委員会(フライングドッグ、マッドハウス、少年画報社、クロックワークス)
[編集] サウンドトラック(劇場版)
- TRIGUN -Badlands Rumble- O.S.T(サウンドトラック/今堀恒雄)
- 風が止んだ時
- Badlands rendez-vous
- don't take the Last Donut
- blank
- 大悪党
- sandsteam
- she is not sweet
- the Stampede
- トマクン
- we are in a jam
- an unsafe stamp maniac
- a gentle Death
- empty smile
- time to say goodbye
- a grain of sand in sandwich
- DICE for life
- good men or bad?
- meet me in Macca city
- in the early morning light
- snatch!snatch!snatch!
- you've blown it over the sands
- リトルアメリア
- 悪運
- an old public house
- ラッキー★セブン
- get even
- parttime SP
- the grandstand player
- termination
- that was then
- white lies
- lovely calamities
- H.T. in “Badlands Rumble”
[編集] 脚注
- ^ 月刊少年キャプテン 1996年11月特集での設定等
- ^ アニメ版の次回予告のナレーションも担当。但し、第十三話『ヴァッシュ・ザ・スタンピード』の予告のみメリル役の鶴ひろみが担当した。
- ^ a b c 地球よりも遥かに大きい5つの月と舞台となる砂の惑星
- ^ 戦闘においてわざと相手を殺さないように無力化する事を指す。これを外していた場合、A・ARM弾の抜撃ちにより融合体ナイブズの首を初撃ではねることができ、レガートとの決戦においてもこの枷を外すことによって彼の反応を上回る攻撃を繰り出し、拮抗状態から決着へと持ち込むほど。
- ^ 原作にも好意を抱いていたとも取れる描写は存在する。
- ^ 「ドコノクミノモンジャワレスマキニシテシズメタルカコラ」の略称とされる。作者本人のHPのBBS上にてファンに「どうせミドルネームなんて考えてないだろ」と指摘された作者自身が冗談で作った設定。
- ^ 重宇宙戦闘戦艦の宇宙から地表まで一瞬で届く速度を持つ、トールハンマーの戦艦7隻同時射撃さえも超近距離から発射後に「ゲート」展開それを介してそれぞれの戦艦内部に同時に撃ち返す程
- ^ 未熟であった幼少期においては操れる数は千数百程度
- ^ 本人が「対人戦においては圧倒的すぎる」と自負する通り、自身が万全ならば巨大な月に大穴を開けることさえ可能とするヴァッシュやナイブズさえも例外ではなくこの拘束から抜け出すことは不可能。ただし、ヴァッシュとの最終決戦においては様々な要因によって拘束し続ける事が出来なかった。
- ^ トライガン世界の銃弾の弾速等は専門用語の「プラント」の項を参照。
- ^ 単発に限り反応可能、連続攻撃に対応することは不可能。
- ^ 物語中盤からは、それを受けてか女性体のザジが登場する
- ^ 「月」と書いて「ルナ」と、「戮」(りく)を天地逆にして「くり」と読ませるなど。
- ^ 1m程度の距離から機関銃掃射を刀で防ぐ雷泥を上回るガンホー上位陣の一人のニコラスさえ反応が困難な速さ。トライガン世界の銃弾の弾速等は専門用語の「プラント」の項を参照。
- ^ 原作者HPでのBBS等での返答。上位はエレンディラ、ラズロ、リヴィオ、ニコラス。ニコラスはリヴィオにどうにか迫れ、リヴィオは拘束具をつけたエレンディラ並みの身体能力、技能。他のメンバーはそれより随分と下回る。その他にまんがの森等での特集でも。
- ^ ほぼ半身不随の状態でも数センチの距離から弾丸を発射後に避けるレガートでも反応できない程の弾速
- ^ アニメ化の際のアニメージュでの特集、作者本人のHPでのBBS等で語られていた。
- ^ 一発一発が厚さ1m以上あるコンクリの壁に人間大の風穴を空け、秒間数百発に及ぶ発射速度を誇る
- ^ 岡田有花 (2005年5月23日). “萌えアニメ、増えても暮らし楽にならず、じっと手を見る”. ITmedia News (ITmedia) 2011年8月9日閲覧。
- ^ トライガン応援団メッセージ
- ^ 【ぴあ満足度】「こんなに笑ったアニメは初めて」女性にも大人気の"銀魂"がトップに! ぴあ映画生活 2010年4月
[編集] 外部リンク
| テレビ東京 水曜25:15枠 | ||
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| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
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TRIGUN
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