スペツナズ・ナイフ

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弾道ナイフ

スペツナズ・ナイフは、ソビエト連邦特殊任務部隊スペツナズ)に属する者が主に使用していたといわれる刀身の射出が可能なナイフである。

概要[編集]

ロシア語では、弾道ナイフБаллисти́ческий нож)、または「発射ナイフ」と呼ばれる。

2000年代になり、SP-4(7.62x41.5mm)消音カートリッジ使用の「NRS ナイフ型消音拳銃」が公開されたことから、軍用の装備品としては旧式化したと考えられているが、そもそもの実在性についての疑問も多い(後述)。

構造[編集]

鞘目に収められた状態の見た目は円筒形をしており、鞘は金属製で、装着したままでも警棒のように使用できる。グリップ内部に強力なスプリングを備えており、の位置に配置されたレバーを押すことで刀身を前方に射出することができる。有効射程は5m程度、射出された刀身の飛翔速度は時速60kmほどで、周囲に気付かれぬよう離れた標的を倒したり、近接戦闘時の奇襲手段として有効な武器と考えられている。ただし、刀身を射出した後は武器としてはほとんど役に立たなくなり、強力なスプリングを縮める都合上、刀身の再装填は迅速にはできず、困難を極める。

1980年代西側諸国にこの特殊なナイフの存在が知れ渡った。日本では"スペツナズ・ナイフ"の呼称で有名となったが、米国では主にバリスティック・ナイフ(Ballistic knife:"弾道(を描く)ナイフ"の意)と呼ばれ、スプリングを取り除くなどによって規制を免れ、様々な名称で販売されていた[1]

実在性について[編集]

この「弾道ナイフ」は、ソビエト特殊部隊スペツナズ)において使用されるために開発された、とされているが、実際に軍の制式装備品として開発・配備されていたかについては確たる証拠がなく、疑問点も多い。

現在では地下組織もしくは犯罪組織が独自に製作した「暗器」であるとの見解が一般的だが、日本を始め「スペツナズの特殊武器」としては有名である。

法律による規制[編集]

「弾道ナイフ」は、アメリカ合衆国の現行法では違法である。また、英国でも法律による規制の対象である。

日本国内では銃刀法に抵触する可能性が高いとして規制の対象であったが、2003年頃まではスプリングと本体を別にし、「ナイフの部品」として規制を免れ Yahoo!オークションや雑誌などで販売されていた。2009年以降では改正銃刀法により規制されている「刃渡り5.5cm以上の剣(ダガーナイフなど両側に刃がついた刃物)」に明確に抵触するため、所持・販売は違法となる。

登場作品[編集]

JESUS
ヤクザの火野が使用。
LOST
ベンジャミン・ライナスが使用していた物と見られる。
コール オブ デューティシリーズ
コール オブ デューティ ブラックオプス
マルチプレイヤー・モードで使用可。
コール オブ デューティ ブラックオプス2
マルチプレイヤー・モードで使用可。作中では「B-ナイフ」という名称で登場。
コマンドー
ザ・スペツナズ
ソ連軍特殊部隊。収録された2作品でボリス・スヴェトロフが使用する。実物と内部構造が異なる。
樹海戦線
カナダの森林地帯に侵入した「ヴイソートニキ・チーム」(スペツナズ)が装備。
フルメタル・パニック!
長編「せまるニック・オブ・タイム」にて、レナード・テスタロッサが使用。
街 〜運命の交差点〜
高峰隆士シナリオおよび青井則生シナリオにて黒川が隆士に対して使用。
メタルギアシリーズ
メタルギアソリッド ポータブル OPS
メタルギアソリッド ポータブル OPS+

脚注[編集]

  1. ^ 国際出版発行、月刊「GUN」1987年5月号の L・A 支局「ワールド・レポート」にて、通信販売されている状況が紹介されている

参考文献[編集]

関連項目[編集]