JIN-仁-
JIN-仁- | |||
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ジャンル | 青年漫画、医療漫画、時代劇漫画 | ||
漫画 | |||
作者 | 村上もとか | ||
出版社 | 集英社 | ||
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掲載誌 | スーパージャンプ | ||
レーベル | ジャンプ・コミックス デラックス | ||
発表号 | 2000年第9号 - 2010年第24号 | ||
巻数 | 全20巻 全13巻(文庫版) | ||
その他 | 監修:酒井シヅ、冨田泰彦、大庭邦彦 | ||
ドラマ:日曜劇場・JIN-仁-(第1期) 日曜劇場・JIN-仁- 完結編 | |||
原作 | 村上もとか | ||
監督 | 平川雄一朗、山室大輔 川嶋龍太郎(第1期のみ) 那須田淳(完結編から) | ||
制作 | 石丸彰彦 津留正明(第1期のみ) 山室大輔(完結編から) | ||
放送局 | TBS | ||
放送期間 | 2009年10月11日 - 12月20日(第1期) 2011年4月17日 - 6月26日(完結編) | ||
話数 | 全11話(第1期) 全11話(完結編) | ||
テンプレート - ノート | |||
ポータル | 漫画、テレビ |
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『JIN-仁-』(じん)は、村上もとかによる日本の漫画。また、これを原作とするテレビドラマのシリーズ。
概要
『スーパージャンプ』(集英社)2000年9号より連載開始。当初は半年1回の頻度で2〜3話連続掲載されるシリーズ連載形式だったが、2006年13号より毎号連載を開始し、2010年11月24日発売の2010年24号をもって最終回を迎えた。単行本はジャンプ・コミックス デラックス全20巻、集英社文庫コミック版全13巻。
2011年5月に第15回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。
「現代の医師が、もし幕末にタイムスリップしたらどうなるか?」を描いた、SF要素の強い医療漫画。西暦2000年の現代から幕末の日本にタイムスリップした脳外科医・南方仁が、過去の人間の運命を変えていることを自覚しつつも、人々を救う為、現代から持ち込んだ知識と幕末の人々の協力により、近代医療を実現していく。その過程で南方仁は、日本の歴史自体にも、大きな関わりを持つようになっていく。
作者の村上が遊郭について調べたこと[注 1]が、この作品を描くきっかけになっている。遊郭の遊女は、口減らしとして売られた貧困家庭出身の娘や女衒によって売られた身寄りの無い娘が多く、その娘が仕事柄梅毒に冒され、さらには有効な治療法も無かったため、次々と命を落としていった。この事実を知った村上は憤りを感じ、せめて漫画の中だけでも彼女たちを救えないかと考えたという[1]。
ストーリー
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
東都大学附属病院の脳外科医・南方仁は、ある夜急患で運ばれた男性の脳から奇形腫を摘出する。その奇形腫は、胎児のようだ。その後、仁は頭痛と空耳に悩まされる。その患者は、なぜか病院から脱走しようとしていた。仁が、その患者を止めようとしたとき、患者が持っていた胎児のはいった容器が階段から落ち、仁は、それを取ろうとバランスを崩し、階段から落ちて、そのまま気絶してしまう。意識を取り戻した仁が、ふと辺りを見渡すと、夜で、侍達が斬り合いをしていた。仁は文久2年(1862年)、幕末の江戸時代にタイムスリップをしていたのだった。仁は、まず、そこで切られた侍の脳の手術をすることになる。 その後、侍に切られた外国人の手術をしたり、コレラへの対応をしたり。
そこで仁は、過去の人間の運命や歴史を変えていることを自覚しつつも、人々を救う為、現代から持ち込んだ知識と幕末の人々の協力により、近代医療を実現していく。
登場人物
名前にリンクがある人物は、実在の人物。
主な登場人物
- 南方仁(みなかた じん)
- 本作の主人公。東都大学附属病院脳外科医局長。34歳(2000年当時)ドラマでは38歳(2009年当時)。頭蓋骨内に奇形腫瘍を持っていた謎の男性患者との接触により文久2年(1862年)の江戸にタイムスリップ。歴史を変えることになると自覚しつつも、医者としての使命感から江戸の人々を近代医療で救う。西洋医学所とコレラの対策を行ったり、原始的な方法によるペニシリンの抽出・精製を行ったりと、幕末の医療技術を飛躍的に進歩させたことで、蘭方医だけでなく漢方医や外国人医師達、幕閣や雄藩の武士層からも一目置かれる存在となっている。緒方洪庵死後、医学所と距離を置き仁友堂を開業した。数多くの難病の治療を成功させ続けたが、その一方で彼の存在と功績を妬み、恐れる者もおり、何度も妨害に遭ったり命を狙われている。やがて、歴史を変えてしまうことに躊躇しつつも、親友である坂本龍馬の命を救う為に奔走する。
- 原作ではタイムパラドックスも絡んだ結果、最終的に明治時代に残る者と現代に戻る者の2人に分かれた。前者は咲との結婚により「橘仁」と姓を改め、仁友堂を医療機関兼教育機関として発展させ、後に東京大学医学部の設立の際に出仕する。後者は「仁友堂病院」となった所属元に復帰するも、後に江戸時代での経験を元に総合診療の分野に転身し、10年後には同病院総合救急医療部部長・准教授となっている。
- 野風(のかぜ)
- 吉原の鈴屋彦三郎抱えの呼び出し花魁。鈴屋の命を救った仁に心酔する。さる大名の隠居に落籍される予定だったが、乳癌の手術により破談となる。術後は吉原を出て仁友堂の雑用をこなしていたが、仁が投獄された際にツル(牢屋で慣例化されていた賄賂)を工面するため、フランス人貿易商ジャン・ルロンに身受けされ、仁友堂を去る。その後は横浜で元遊女達の為のホスピスを開くなどの慈善活動を展開。ルロンとの新婚旅行のため日本を発つが、転移した癌で余命が長くないことを自覚している。後に男児(ドラマでは女児)を出産。
- 橘咲(たちばな さき)
- 旗本橘家の娘。兄・恭太郎の命を救った仁に興味を持つ。やがて麻疹にかかり仁に命を救われたのを機に看護婦[注 2]となり、虎狼痢(コロリ)にかかった仁を救う。仁が未来から来たことは本人から直接告げられている。旗本との縁談(後妻)が進んでいたが、結納の当日土壇場でこれを破棄し野風の手術に駆けつけたため栄から勘当され、仁友堂に身を寄せる。その後、楠本いね(楠本伊篤)との出会いから女医を志すようになる。
- 橘恭太郎(たちばな きょうたろう)
- 咲の兄。徳川旗本の剣客の武士。美青年ながら性格的に堅物。幕府講武所では伊庭八郎と双璧をなし、勝海舟から洋学を学ぶなど向上心が高い。そのため攘夷派浪人達に襲われ前頭部に重傷を負うが、タイムスリップしてきた仁の近代医療により命を救われる。
- その剣の腕前で、幾度も仁の危機を救い、戦乱の幕末に仁らの用心棒役を務める。
- 橘栄(たちばな えい)
- 恭太郎と咲の母。恭太郎の命を救った仁を屋敷に住まわせる。咲の結納の破談後、体調を崩し「脚気」の為、生命の危機に瀕する。親不孝をした咲や、その原因を作った仁に怒りつつも、幸せになってほしいと願っている。
- 坂本龍馬(さかもと りょうま)
- 実在の人物。史実通りに、倒幕・海外貿易に仁を巻き込みつつ活躍する。
- 勝を通じて仁と知り合う。当初は仁の正体を訝るが、すぐに打ち解け親友となる。仁と吉原の遊郭に行った際に、野風に一目惚れする。物語の後半は、龍馬の暗殺阻止がメインに話が展開する。
市井の人々
- 喜市(きいち)
- 枝豆とゆで卵を売っている少年。仁が外出先から帰る途中、母・妙(タエ)に出会った。喜市の母が馬に頭を蹴られ割られたのを仁が治療したが、手術の終了後に今度は喜市が麻疹で倒れる。母子を送り届けた長屋にも複数人の麻疹患者がいたため、仁の指導に基づく看護を基本とした集中治療を行う。喜市の母はその後、辻斬りに遭い亡くなった為、一時田舎の親戚の家に引き取られるが、翌年から江戸に戻り、小豆問屋の丁稚小僧として働く。後に仁友堂で働くようになり、ドイツに留学。帰国後、橘家の養子となる。
- 鈴屋彦三郎(すずや ひこさぶろう)
- 吉原の遊廓・鈴屋の楼主。開国思想を持つ文人でもあり、攘夷派の浪人に襲われたところを坂本龍馬に助けられたことがある。頭をぶつけたことから慢性硬膜下血腫に陥るが、仁の脳外科手術で救われる。廓内において梅毒に罹った遊女を集めて治療を行う設備を作るための運動を行う。
- 茜(あかね)
- 浅草の茶屋の看板娘。餡を作っている際、熱い餡が顔にかかり大火傷を負う。一旦は人生そのものに絶望するも、仁に植皮を施され、再び茶屋で働くようになる。のちに仁考案の脚気予防の菓子・安道名津(あんドーナツ)の製造に協力、自身の勤める茶屋で大々的に売り出す。
- 実家を菓子屋に商売替えして仁から教わった安道名津を始めとした病気予防・健康増進の菓子を広めようと考えるようになり、そんな中、生真面目な性格の恭太郎に惹かれる。
- 浜口儀兵衛(はまぐち ぎへえ)/ 梧陵(ごりょう)
- 江戸で醤油工場(現ヤマサ醤油)を経営する実業家。緒方洪庵の遺志を継ぎ、醤油倉を使って醤油職人にペニシリン精製をさせるなど、仁に協力する。
- 澤村田之助(さわむら たのすけ)
- 江戸で人気の歌舞伎役者(女形)。なじみの花魁・初音が堕胎に伴う敗血症に倒れた際、仁による治療のための資金提供を当初は渋るが、最終的には提供し、田之助の名を上げる結果となる。その後は次第に親しくなり、仁とは持ちつ持たれつの間柄になっている。上等な白粉ほど鉛含有量が高いことを知らずに愛用した結果、鉛中毒になり仁の執刀による足の切断手術を受けた(史実では左脚を切断しているが、作中では右足を切断。原因も史実の負傷による脱疽から、鉛中毒に変更されている)。
- 忠吉(ちゅうきち)
- 田之助の幼馴染で歌舞伎芝居の大道具を扱うからくり師。仁の依頼を受けて様々な医療器具(アンビュバッグや聴診器、脳外科対応型の手術台など)を製作した。
- 新門辰五郎(しんもん たつごろう)
- 江戸火消し「を組」を束ねる人物。千吉を仁に救ってもらったことが縁で、仁友堂の建設など協力するようになる。徳川慶喜と親交があり、仁と慶喜の縁を取り持った。
- 千吉(せんきち)
- 「を組」の町火消し。消火活動中に煙を吸い気道熱傷に倒れるが、仁に命を救われる。慶喜に付いて京に上った辰五郎の留守を預かり、仁友堂にも様々な形で力を貸す。
- 女房を病で亡くしたバツイチ男で幼なじみのお駒を憎からず思っていたが振られてしまい、自棄になって食べたフグにあたってしまうが、仁の治療とお駒の寝ずの看病で命を救われる。後に彼女と祝言を挙げた。なお千吉のフグ毒中毒治療の経験は、後に坂本龍馬を治療する際に役立てられた(フグ毒を筋弛緩剤の代用として用いる)。
- 桜川雲泉(さくらがわ うんせん)
- 美人画を描かせたら当代一の浮世絵師だったが、手根管症候群を患ったことで酒に溺れ身を崩していた。手術の麻酔の際、現代の東京を幻視する。
- お志津(おしづ)
- 雲泉の娘。病を患って酒に逃げる父を放っておけず近所の足袋屋から来た縁談を断るほどの親思いな娘だが、仁の執刀で父が立ち直ったため、無事嫁いだ。その後懐妊するが、逆子であったため帝王切開で出産。
- お駒(おこま)
- 浅草田町の町娘。衣屋(仕立て屋)だが巾着切り(スリ)でもあった。銭湯での喧嘩で後頭部を負傷した際に治療を受ける。同時に右手人差指の腱が切れていたことが後に判明するが、仁の治療を受けることで完治した。後にスリを再開するが、咲の優しさに触れて改心する。
- 幼馴染である千吉から求婚され一度は断るが、フグ中毒を救ったのを機に千吉の思いを受け入れ、祝言を挙げた。手術衣や用具の縫製で仁に貢献する。
- 鎌田(かまた)
- 浅草田町の自身番小屋に出入りする岡っ引き。痘痕だらけの面構えがカエルを連想するのか「ガマの親分」と呼ばれている。かつてお駒の父がスリで捕まった際に口利きを条件に手篭めにした卑劣漢。
- 成長したお駒に再び言いよるが袖にされ、お駒を守ろうとする千吉や頼りにしている仁に反感を持っている。
- お初(おはつ)
- 川越街道大井宿の旅籠の娘。手が触れ合った際、仁は奇妙な感覚に襲われた。仁は彼女の生死が自分の存在自体に関わるものだったと推測している。
医師
- 緒方洪庵(おがた こうあん)
- 西洋医学所頭取。仁の医療技術が江戸に広まるよう協力する。仁の正体(未来から来たこと)を半ば見抜いていたが、その秘密を他人に漏らさぬままこの世を去った。
- 伊東玄朴(いとう げんぼく)
- 西洋医学所取締役。緒方同様、仁の医療技術を認めていたが、伊東失脚後の医学所内部抗争が仁を医学所から遠ざけることになる。
- 山田純庵(やまだ じゅんあん)
- 西洋医学所勤めの蘭方医。初対面時には当時の医学的常識を越える理論を提する仁に対して懐疑を表明し挑戦的な態度を崩さなかったものの、虎狼痢(ころり=コレラ)から命を救われてからは仁に心服。主にペニシリン精製の陣頭指揮を行う。
- 松本良順(まつもと りょうじゅん)
- 西洋医学所頭取助→医学所頭取→陸軍軍医総監。
- 緒方洪庵の遺志を継ぎ、仁に協力。奥医師になることをすすめる。慶応4年(1868年)閏4月、旧幕府軍と合流する為江戸を離れる。
- 福田玄孝(ふくだ げんこう)
- 奥医師(漢方医)。胃潰瘍で倒れるが、仁の手術で一命を取り留める。のち、奥医師を辞して仁友堂の漢方内科医(当時は「本道」と呼ばれた)となる。多紀元琰(えん)に内情を伝えるスパイでもあるが仁の能力と人格を高く評価しており、後に多紀から仁を医学館側に取り込もうとする策を知らされて喜び、全面的な協力を誓う。
- 元々奥医師であったこともあってプライドが高く、持ち上げられると調子に乗ってしまう面もある。
- 多紀元琰(たき げんえん)
- 奥医師(漢方医)。医学館督事。仁の手術を目の当たりにしたことで、彼の持つ近代医療に驚愕し危険視するも、仁の存在が漢方医だけでなく当時の蘭方医の脅威になると感じ(実際にほぼ同時期に仁に対する妨害が始まっていた)、福田をスパイとして仁友堂に送った。
- 福田から得た情報により、仁の医学がはるか未来の発達したものであることを感じ取った多紀は、医学館が次の時代に適応・延命できるよう、仁とのさらなる接近を模索。そんな折、和宮毒殺未遂騒動の容疑者となった仁の無実を証明し、貸しを作った。大の相撲好きとして知られ、仁を相撲見物に誘っている。
- 鳥羽・伏見の合戦後、多くの傷病兵が出た際には外科治療技術も進んで習得しようとする器の大きさを示した。
- 佐分利祐輔(さぶり ゆうすけ)
- 大坂の合水堂で医学を学んだ華岡流の若き医師。紀州の出身。経験を積むために行っていた総嫁の検診が悪評を呼んでしまい、軍艦の船医に転ずる。ほどなく、事故による気胸を仁に救われたのが縁で仁友堂に移籍。過去の経験を活かして仁に代わって野風を診察し彼女が乳癌であることを見抜いた。全身麻酔の技術で仁に貢献する。
- 三隅俊斉(みすみ しゅんさい)
- さる御家門の藩医(蘭方医)。適塾出身で、医学所の序列も高い(松本良順に留守を頼まれるほど)。野風の癌を見抜けず、仁によって面目を潰されたことを恨んでいる。仁に対して表面上協力的な態度を取っているが、裏では野風の手術妨害に始まって仁の暗殺を企てたり、和宮毒殺未遂騒動などの妨害活動を繰り返している。外見は柔和だが、共犯者を砒素で自殺に追い込んだり毒殺するなどの卑劣さを持つ。やがて仁の正体を知った彼は、その知識の独占と派閥の利権の恒久化を謀り仁の殺害を本格化する。
- 楠本いね(くすもと いね)
- シーボルトの娘。またの名を伊篤(いとく)。日本初の西洋女医で、専門は産科。ペニシリンの講義を聴講に来た際にお志津の出産に遭遇、産科経験の無い仁の助手を務めた。女性が医療を学ぶことに不安を感じていた咲に優しくエールを送った。
武士その他
- 勝麟太郎(かつ りんたろう)/ 勝海舟(かつ かいしゅう)
- 市井の噂や恭太郎との繋がりから仁と知りあう。その後、神戸海軍操練所の設立で江戸を離れるが、要所で重要人物と仁との縁を取り持つ。本妻・民子は仁によるクモ膜下出血の手術を受けた。仁から「未来から来た」との告白を受け、最初は笑っていたものの「冗談には聞こえない」と半ば信じるかのような態度も見せる。
- 史実に違わず気さくな人物ではあるが、政治家としての一面も持ち、上野で全滅した彰義隊に対しては余計なことをしてくれたと吐き捨てる一幕もあった。
- 佐久間象山(さくま しょうざん)
- 作中では少年時代にタイムスリップで現代に行ったことがあり、それ以来、熱心に勉学に励むようになった。
- 京で攘夷志士らに斬られたがしばらくは絶命せず、召喚された仁の治療を受ける。すでに手遅れだったが、死の間際に自身のタイムスリップ経験を語り仁を驚かせ、かつて行った未来にこの時代が近づけることを仁に託して息絶えた。
- 東修介(ひがし しゅうすけ)
- 長州藩の若き武士。禁門の変で負傷し、仁の治療を受ける。回復後は神戸海軍操練所に入るが、閉鎖後は龍馬の誘いを断り、長州へと帰った。多くの仲間を殺されたことから沖田総司を恨んでおり、近江屋事件では薩長の討幕派に協力して龍馬の避難先を襲い、彼と共にいた沖田を襲撃するが、沖田を庇って威嚇した龍馬を咄嗟に斬ってしまう。この一撃で龍馬は瀕死の重傷を負う。
- 半ば事故だったとはいえ龍馬を斬ってしまったことに苦悩するが、証拠隠滅の為に同志であった長州からも狙われることとなり、京から脱出する。逃亡する過程で暗殺稼業に手を染める。だが、請け負った仕事が仁の殺害だったことから仁に味方し、自分以外の暗殺者と依頼人であった三隅俊斉を斬り捨てた。その際に現代にタイムスリップして戻ってきた仁を橘家に連れ帰ったが、以後の消息は不明。
- 三浦啓之助(みうら けいのすけ)
- 象山の息子で、禁門の変当時は新選組に所属。
- 沖田総司(おきた そうじ)
- 新選組の隊士。禁門の変で敗走した長州兵を追って来た際に仁と面識を持つようになる。向かってきた敵を躊躇無く斬れるが、負傷した猫のために車椅子を考案するなど若者らしい一面も見せている。
- 肺病の食餌療法(獣肉食)を仁に勧められて実践し[注 3]、一時は回復傾向にあったが、自身を庇って斬られた龍馬を守る為に治療の現場に付き合って体力を削って体調を崩し、結局は史実通りに死去。
- 近藤勇(こんどう いさみ)
- 新選組の局長。沖田からの報告により仁を呼び出すが、医者として患者の元へ戻りたいという仁の意志に感服する。松本良順と親交がある。
- 大島吉之助(おおしま きちのすけ)→西郷吉之助(さいごう きちのすけ)/ 西郷隆盛(さいごう たかもり)
- 本名は西郷隆盛。薩摩藩士。新選組より戻された仁を奇妙な腹痛を治療してもらうために呼び出す。原因は虫垂炎と判明するが、開腹手術を武士の恥と思い躊躇するが、患者を治したいという仁の熱意に打たれ、手術を受ける。
- 一橋慶喜(ひとつばし よしのぶ)/ 徳川慶喜(とくがわ よしのぶ)
- 一橋徳川家当主で将軍後見職。京都で新門辰五郎らを介して仁と知りあう。その後、徳川家茂の死去により征夷大将軍に就く。大政奉還後は将軍職を辞するも、内大臣として政権の首長職を継続し、仁にペニシリンを届けるなど協力する。
- 和宮(かずのみや)
- 仁孝天皇の娘で、時の天皇・孝明天皇の妹。十四代将軍徳川家茂の妻(正室)。大奥女中の噂話から澤村田之助に興味を持っていたため、松本良順や仁の仲介でお忍びの芝居見物を行った。併せて、仁が脚気対策の食餌療法を試みるが、毒殺未遂騒動が起きてしまう。後日、仁と咲に三つ葉葵と菊の紋が入った褒美を下賜した。
- 陣幕久五郎(じんまく きゅうごろう)
- 薩摩藩お抱えの力士。左ひじの故障に悩んでおり、贔屓筋の多紀元琰から仁を紹介されるが、執刀を一旦は拒否する。その後、西郷の助言もあって仁による手術を受け回復、大関に昇進した。
- 恵姫(けいひめ)
- 川越藩主松平直克正室。首筋に大きな瘤を患い、幕府筋から仁に手術が依頼されたものの、当人はそれまでの治療が功を奏さなかったことから医者不信に陥っていた。咲の説得によって頑なになっていた心を動かされ、仁の手術を受けることを決意。手術は無事成功した。
- 田中久重(たなか ひさしげ)
- 「からくり儀右衛門」の異名を持つ久留米藩出身の老技術者(後の「東芝」創設者)。彼が発明した無尽灯は術野を照らす照明として役立った。長崎で仁と出会い、未来から持ち込まれた豆電球を託される。
- 南方熊楠(みなかた くまぐす)
- 佐分利の故郷・紀州で仁と出会った赤ん坊。仁と同姓だが、血縁の有無については不明。手が触れ合った際、お初の時と同様の奇妙な感覚に襲われた。
外国人
- ウィリアム・ウイリス
- イギリス公使館付の医師。生麦事件では負傷した英人の治療に当たった。仁によるイギリス兵の手術に立ち会う。
- ジェームス・カーティス・ヘボン
- アメリカ領事館付の医師。宣教医として日本人市民の治療を行っている。ウイリスと共に仁によるイギリス兵の手術に立ち会い、横浜の居留地では、田之助の大腿切断手術に立ち会っている。
- ジャン・ルロン
- フランス出身の貿易商人。仁を救うツルを作ろうとした野風を身受けした。後に彼女の希望に沿って横浜で元遊女たちのためのホスピスを開くのを援助する。慶応2年(1866年)10月に正式に結婚し、新婚旅行も兼ねて野風とフランスへ帰国。野風との間に男児(ドラマでは女児)を授かる。
- アントニウス・ボードウィン
- オランダ人医師。長崎で幕府の医学校・精得館の教授を務める。専門は眼科。当初は仁に対し懐疑的だったが、仁の医術を見て態度を転換、仁の情報を世界に向けて発信した。
- トーマス・ブレーク・グラバー
- イギリス商人。長崎で貿易を営んでいるが、武器の販売も行っていたため、攘夷を掲げる浪人に斬られ負傷する。
- ポンペ・ファン・メールデルフォールト
- オランダ人医師。医学伝習所(後の精得館)教授で、松本や山田の師匠。会話中にはたびたび登場するが、直接は登場していない。
- マリー・ルロン
- パリ大学医学部の総合診療科(GM)ドクター。野風の4代後の子孫。先祖が日本人という事で日本に興味を持ち、日本語も習得している。アフリカでのGM活動にのめり込み過ぎてバツイチとのこと。年齢は不明(本人曰く結構いってる)だが、野風の4代後の子孫なので仁より年上の可能性もある。
テレビドラマ版のみ登場
- 友永未来(ともなが みき)
- テレビドラマ版における仁の婚約者。見た目は野風と瓜二つ。優秀な小児科医だったが、仁がタイムスリップの2年前に執刀した脳腫瘍摘出手術で植物状態になってしまい、この出来事が仁のトラウマとなっている。仁にとっては江戸にタイムスリップしてからも非常に重要な存在であり、歴史を変える時には彼女への影響を常に気にしている。
- 原作でも現代に仁の恋人は存在するが、仁のタイムスリップ前にプロポーズを断っているため、物語にはほとんど関係していない。テレビドラマ内では医学生時代に天然ペニシリンを研究し、仁に研究成果を話している。なお原作では、コレラ治療の時に友永という医学所の医師が登場した。また、ペニシリン製造の回想で友光という医学生時代の友人男性が登場し、天然ペニシリンの製法の研究成果を仁に話している。
既刊
- SJ JUMP COMICS DELUXE
-
- 2001年ISBN 4-08-859174-7 (神の章、仁の章) 4月 9日
- 2002年ISBN 4-08-859296-4 (人の章、信の章) 4月 9日
- 2003年ISBN 4-08-859356-1 (信の章、深の章、真の章) 5月 6日
- 2004年11月ISBN 4-08-859447-9 (進の章、浸の章、辰の章) 9日
- 2005年12月ISBN 4-08-859547-5 (辰の章、身の章、尋の章) 7日
- 2006年12月ISBN 4-08-859610-2 (新の章、陣の章) 9日
- 2007年ISBN 978-4-08-859627-3 (陣の章、親の章) 2月 7日
- 2007年ISBN 978-4-08-859640-2 (親の章、呻の章) 5月 7日
- 2007年ISBN 978-4-08-859668-6 (呻の章、賑の章) 9月 9日
- 2008年ISBN 978-4-08-859684-6 (賑の章) 1月 9日
- 2008年ISBN 978-4-08-859701-0 (蜃の章) 5月 7日
- 2008年ISBN 978-4-08-859720-1 (蜃の章、紳の章) 8月 9日
- 2008年11月ISBN 978-4-08-859740-9 (紳の章、燼の章) 9日
- 2009年ISBN 978-4-08-859766-9 (燼の章) 4月 8日
- 2009年ISBN 978-4-08-859785-0 (燼の章、讖の章) 7月 3日
- 2009年10月ISBN 978-4-08-859802-4 (讖の章) 2日
- 2010年ISBN 978-4-08-859817-8 (讖の章) 1月 4日
- 2010年ISBN 978-4-08-859839-0 (讖の章) 4月30日
- 2010年10月ISBN 978-4-08-859859-8 (診の章) 9日
- 2011年ISBN 978-4-08-859871-0 (診の章、審の章) 2月 4日
- 各章のタイトルは「じん」または「しん」と読む漢字一文字となっている。
- 集英社文庫 コミックス
-
- 2010年ISBN 978-4-08-619154-8 7月16日
- 2010年ISBN 978-4-08-619155-5 8月18日
- 2010年ISBN 978-4-08-619156-2 9月17日
- 2010年10月15日 ISBN 978-4-08-619157-9
- 2010年11月18日 ISBN 978-4-08-619158-6
- 2010年12月15日 ISBN 978-4-08-619159-3
- 2011年ISBN 978-4-08-619160-9 1月18日
- 2011年ISBN 978-4-08-619161-6 2月18日
- 2011年ISBN 978-4-08-619162-3 3月18日
- 2011年ISBN 978-4-08-619163-0 4月15日
- 2011年ISBN 978-4-08-619164-7 5月18日
- 2011年ISBN 978-4-08-619165-4 6月17日
- 2011年ISBN 978-4-08-619166-1 7月15日
小説
集英社ジャンプ ジェイ ブックスより発売。日下部匡俊による小説版。村上が挿絵を描き下ろした。
- 小説 JIN-仁- (2009年10月9日発売、ISBN 4-08-703210-8)
- 小説 JIN-仁- 龍馬、最期の日(2011年4月4日発売、ISBN 4-08-703244-2)
テレビドラマ
JIN-仁- | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 村上もとか |
脚本 | 森下佳子 |
演出 | 平川雄一朗 |
出演者 |
大沢たかお 中谷美紀 綾瀬はるか 内野聖陽 (#キャストも参照) |
時代設定 | 江戸時代幕末期 |
製作 | |
制作 | TBS |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
公式ウェブサイト | |
第一期 | |
プロデューサー | 石丸彰彦 津留正明 |
オープニング | JIN-仁- Main title(作曲:高見優) |
エンディング | MISIA「逢いたくていま」 |
放送期間 | 2009年10月11日 - 12月20日 |
放送時間 | 日曜日21:00 - 21:54 |
放送枠 | 日曜劇場 |
放送分 | 54分 |
回数 | 11 |
公式サイト | |
レジェンド | |
プロデューサー | 石丸彰彦 中井芳彦 |
オープニング | JIN-仁- Main title(作曲:高見優) |
放送期間 | 2010年12月27日、12月28日 |
放送時間 | 19:00 - 23:24 |
放送分 | 264分 |
回数 | 2 |
第二期(完結編) | |
プロデューサー | 石丸彰彦 中井芳彦 |
オープニング | JIN-仁- Main title(作曲:高見優) |
エンディング | 平井堅「いとしき日々よ」 |
放送期間 | 2011年4月17日 - 6月26日 |
放送時間 | 日曜日21:00 - 21:54 |
放送枠 | 日曜劇場 |
放送分 | 54分 |
回数 | 11 |
公式サイト | |
特記事項: 時代設定:江戸時代幕末期 |
ドラマ |
TBS系列の「日曜劇場」枠(毎週日曜日21:00 - 21:54)で第一期が2009年10月11日より12月20日まで放送され、第二期は2011年4月17日より6月26日まで放送。主演は大沢たかお。
原作との大きな相違として、現代に野風と瓜二つの仁の恋人・友永未来というドラマオリジナルの人物を登場させ、咲を加えた3人による恋愛要素を盛り込んでいる。また、自らの手術の失敗で恋人を植物状態にしてしまったことで、仁が心にトラウマを抱えているという設定になっている。他にも、歴史の変化を示すものとして仁と未来の写真が使われている。主人公である南方仁は作中で、未来のよく言っていた言葉として、「神は乗り越えられる試練しか与えない」と度々発言している。
第一期
初回は54分拡大の21:00 - 22:48、第十話は5分拡大の21:00 - 21:59[注 4]、最終話は25分拡大の21:00 - 22:19まで放送[注 5]。全11話。
主演の大沢たかおは『昔の男』以来8年ぶりの連続ドラマ出演。ヒロインの一人[注 6]である中谷美紀は『おとうさん』以来7年ぶりの連続ドラマ出演となる。ドラマの提供ナレーションは遠藤憲一が担当(前クレのみ)。
第五話で10月期ドラマ初となる視聴率20%超えを達成。その後も高視聴率をキープし、最終話では瞬間最高視聴率29.8%を記録。この記録は、2009年に放送された全民放局の連続ドラマ視聴率の中で最高となった。また、作品への評価も高く、国内外で33の賞を受賞した[2]。
続編の予定が無かった放送終了当時はタイムスリップの謎を残したままの最終回に対して続編や劇場版についての問い合わせや[3]、否定的な声が寄せられた[4][5]。2010年1月29日付の『日刊スポーツ』にて来年夏に劇場版が公開されると報じられたが、石丸彰彦プロデューサーは公式サイトにて否定した[6]。
2010年12月27日・28日に『JIN-仁-レジェンド』と題し、第一期全話がディレクターズカット版にて再放送された。
第二期(完結編)
2010年6月8日に完結編となる第二期の放送決定がアナウンスされた[7]。映画化などはせず、これで完結と明言している[8]。初回2時間5分スペシャルで放送(21:00 - 23:03)。第四話と第六話は5分拡大(21:00 - 21:59)。第十話は10分拡大(21:00 - 22:04)。最終話は54分拡大(21:00 - 22:48)。提供ナレーションは今井雅之が担当[9](前クレのみ)。
TBS開局60周年記念番組として放送[注 7]、放送前ながら既に南米以外のほぼ全世界にあたる世界80か国での放送が決定しており、日本での放送6日後に台湾、5月に香港、7月以降には韓国、ヨーロッパ、北米にて順次放送予定[10]。
物語は第一期の最終話の2年後からスタートしている。そのため、第一話までの2年間に起きたエピソードについては大幅に省略されている。
最終話では瞬間最高視聴率31.7%を記録。関東では全編平均視聴率が20%を超え、関西では全話20%を上回った[11]。
キャスト
太字は第一期、第二期「完結編」両方に出演。
主要人物
- 南方仁 - 大沢たかお
- 友永未来・橘未来 / 野風 - 中谷美紀(3役、「完結編」では特別出演)
- 橘咲 - 綾瀬はるか
- 橘栄 - 麻生祐未
- 橘恭太郎 - 小出恵介
- 佐分利祐輔 - 桐谷健太
- 山田純庵 - 田口浩正
- タエ - 戸田菜穂
- 夕霧 - 高岡早紀
- 鈴屋彦三郎 - 六平直政
- 勝海舟 - 小日向文世
- 坂本龍馬 - 内野聖陽
- 緒方洪庵 - 武田鉄矢(特別出演)
その他の人物
- 喜市 - 伊澤柾樹
- 茜 - 橋本真実
- 鈴屋女将 - 水沢アキ
- 初音 - 水沢エレナ
- 伊東玄朴 - 小林勝也
- 千葉重太郎 - 平山浩行
- 松本良順 - 奥田達士
- 浜口儀兵衛 - 石丸謙二郎
- 多紀元琰(えん) - 相島一之
- 福田玄孝 - 佐藤二朗
- 八木梅太郎 - 斉木テツ
- 横松貞吉 - 中江大樹
- 澤村田之助 - 吉沢悠
- 新門辰五郎 - 中村敦夫
- 三隅俊斉 - 深水三章
JIN-仁-「完結編」からの新キャスト
ゲスト
第一期
- 第一話 「時空を超えた愛と命の感動物語〜現代の脳外科医が激動の幕末へ…歴史の針が今、動き出す!!」
- 第二話 「命を救う事の悲劇」
- 第四話 「運命と悲劇の再会」
- 第五話 「神に背く薬の誕生」
- 第八話 「歴史の針が変わる」
- 第九話 「残酷な神の裁定」
- 第十話 「坂本龍馬、暗殺…」
- 最終話 「タイムスリップの果て…時空を超えた物語が今!!」
-
- 武士 - 甲本雅裕
第二期(完結編)
- 第一話 「時空を超えた愛と命の物語〜完結編始動!! 歴史の針が今、再び動き出す…人は人でしか救えない」
- 第二話 「未来との選択」
- 第三話 「さらば愛しき人」
- 第四話 「江戸から消える」
- 第五話 「消えた体の謎」
- 第六話 「坂本龍馬の闇」
- 第七話 「永遠の愛と別れ」
- 第八話 「歴史に逆う命の誕生…」
- 第九話 「坂本龍馬、暗殺」
- 第十話 「最終章前編〜タイムスリップの結末…」
- 最終話 「完結〜時空の果て…150年の愛と命の物語が起こす奇跡のタイムスリップの結末」
-
- 官軍兵士 - 菊池均也
- 徳川武士 - 中野英樹
スタッフ
- プロデュース - 石丸彰彦、津留正明(第一期のみ)、中井芳彦(レジェンド、第二期)
- 脚本 - 森下佳子
- 音楽 - 高見優、長岡成貢
- 演出 - 平川雄一朗、山室大輔、川嶋龍太郎(第一期のみ)、那須田淳(レジェンド、第二期)
- 主題歌
- 音楽プロデュース - 志田博英
- 音響効果 - 谷口広紀
- 医史監修 - 酒井シヅ(順天堂大学医学部医史学 名誉教授)
- 歴史監修 - 大庭邦彦(聖徳大学人文学部 日本文化学科教授)
- 医療指導・監修 - 冨田泰彦(杏林大学医学教育学教室講師)、前田達浩(前田病院副院長 脳神経外科部長 杏林大学脳神経外科講師)、池添祐大(宇都宮健康クリニック 副院長)
- ペニシリン・輸血・監修 - 花木秀明 (北里大学抗感染症薬研究センター センター長)
- 時代考証 - 山田順子
- 土佐弁監修 - 橋尾直和(高知女子大学文化学部教授)
- 方言指導 - 澤田誠志、今橋かつよ
- 所作指導 - 藤間蘭黄(藤間流日本舞踊家)
- 殺陣 - 佐々木修平(殺陣師・オフィース佐々木FCプラン代表)
- 特別協力 - 三井物産
- 制作著作 - TBS
放送日程
第一期(2009年)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|
第一話 | 2009年10月11日 | 時空を超えた愛と命の感動物語〜 現代の脳外科医が激動の幕末へ… 歴史の針が今、動き出す!! |
平川雄一朗 | 16.5% |
第二話 | 2009年10月18日 | 命を救う事の悲劇 | 16.4% | |
第三話 | 2009年10月25日 | 未来との決別… | 山室大輔 | 17.2% |
第四話 | 2009年11月 | 1日運命と悲劇の再会 | 川嶋龍太郎 | 17.2% |
第五話 | 2009年11月 | 8日神に背く薬の誕生 | 平川雄一朗 | 20.3% |
第六話 | 2009年11月15日 | 生きてこそ… | 山室大輔 | 20.2% |
第七話 | 2009年11月22日 | 生きる遺言… | 平川雄一朗 | 16.8% |
第八話 | 2009年11月29日 | 歴史の針が変わる | 川嶋龍太郎 | 22.3% |
第九話 | 2009年12月 | 6日残酷な神の裁定 | 山室大輔 | 16.1% |
第十話 | 2009年12月13日 | 坂本龍馬、暗殺… | 平川雄一朗 | 20.4% |
最終話 | 2009年12月20日 | タイムスリップの果て…時空を超えた物語が今!! | 25.3% | |
平均視聴率 19.0%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
レジェンド(第一期・再編集版)(2010年)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|
全話ディレクターズカット版 | 2010年12月27日 | 仁の章(第一 - 六話) | 那須田淳 | 11.0% |
2010年12月28日 | 人の章(第七 - 最終話) | 11.5% |
第二期(完結編)(2011年)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|
第一話 | 2011年4月17日 | 時空を超えた愛と命の物語〜完結編始動!! 歴史の針が今、再び動き出す…人は人でしか救えない |
平川雄一朗 | 23.7% |
第二話 | 2011年4月24日 | 未来との選択 | 18.4% | |
第三話 | 2011年5月 | 1日さらば愛しき人 | 20.4% | |
第四話 | 2011年5月 | 8日江戸から消える | 那須田淳 | 20.7% |
第五話 | 2011年5月15日 | 消えた体の謎 | 20.8% | |
第六話 | 2011年5月22日 | 坂本龍馬の闇 | 山室大輔 | 18.8% |
第七話 | 2011年5月29日 | 永遠の愛と別れ | 平川雄一朗 | 18.8% |
第八話 | 2011年6月 | 5日歴史に逆う命の誕生… | 18.7% | |
第九話 | 2011年6月12日 | 坂本龍馬、暗殺 | 山室大輔 | 19.2% |
第十話 | 2011年6月19日 | 最終章前編〜タイムスリップの結末… | 21.1% | |
最終話 | 2011年6月26日 | 完結〜時空の果て… 150年の愛と命の物語が起こす奇跡のタイムスリップの結末 |
平川雄一朗 | 26.1% |
平均視聴率 21.3%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)[12] |
原作との相違点
- 仁が現代に未練を残している、医学を発展させたい目的が異なる。
- 仁が歴史や語学にあまり詳しくない。(「社会科は地理専攻だった」との台詞がある)
- 仁のいくつか過去のエピソード(ペニシリン生成、ドーナツの思い出など)が異なる。
- 最初期のエピソードから龍馬が登場し、仁との交友が原作よりも深い。
- 佐分利が医学所所属の医師になっており、第一話から登場する。
- 佐分利が華岡流を学んだことを当初隠しており、総嫁の検診を江戸で行っている。
- 妙の治療を麻酔無しで行っており、このときのエピソード自体が大きく膨らまされている。
- 喜市が麻疹ではなくコレラに罹患する。(麻疹の治療がコレラ治療のエピソードとして再構成されている)
- 恭太郎が初音に想いを寄せている。
- 仁が龍馬に暗殺のことを告げようとすると激しい頭痛によって妨害される。
- 久坂玄瑞の死に龍馬が居合わせる。
- 東修介と龍馬の関係が異なる。
- 東修介が龍馬を護衛する。
- 沖田総司が登場しない。(新選組は近藤勇のみ登場)
- 原作では坂東吉十郎が最後の舞台に出演しているが、こちらでは出演していない。
- 咲が仁のプロポーズを断る。
- 野風が仁友堂で出産する。(お志津の出産エピソードを野風のものとして再構成されている)
- 恭太郎が龍馬暗殺の任を受ける。
- 東修介が龍馬に致命傷を負わせた理由が異なる。
- 東修介が自害する。
- 偽薬騒動のエピソードが龍馬治療と同時並行になっており、仁の代わりに純庵が投獄される。(京都には咲と佐分利だけが同行している)
- 三隅の悪行が良順・元琰たちによって暴かれる。これにより終盤の刺客エピソードが無くなり、恭太郎の結末が異なる。
- 最終回での幕末と現代の仁の存在が異なる。
備考
- 当初、新門辰五郎役は藤田まことが予定されていたが、病気療養(2010年2月17日に死去)のため降板し[13]、中村敦夫に交代した。
- 現代の医療器具に近い物がこの時代の技術で製作できるかどうかスタッフが時代考証の山田順子に相談した結果、「注射針は腕のいい職人であれば製作可能、チューブなどは太いものであれば作れないことはない」とのアドバイスを受け劇中に登場させた。
- この作品(第一期)で、東芝が7年ぶり、「日曜劇場」に改名後初の提供復帰した。
- 第二期完結編とのコラボレーションフェアとしてセブン-イレブンで劇中に登場した食べ物をモチーフとした食品が発売され、700円購入者へのプレゼント企画などのキャンペーンが展開された[14]。中でもその商品の一つである安道名津は2011年5月24日の発売から3日間で60万個を売り上げた[15]。
- 第二期において、裏番組にあたる「マルモのおきて」が当初の予想を裏切って視聴率が高まったため、本番組との視聴率レースも注目を集めた。最終的には本作が逃げ切った。
- 2014年3月15日から6月15日まで国立科学博物館で特別展「医は仁術」(国立科学博物館・TBS・朝日新聞主催)が開催され、南方仁役の大沢たかおがスペシャルナビゲーターと音声ガイドを務めることとなった。
受賞
第一期
- 日本民間放送連盟賞 テレビドラマ部門最優秀賞[16]
- 東京ドラマアウォード2010 作品賞グランプリ、アジア賞、主演男優賞、プロデュース賞[17]
- ギャラクシー賞 2009年12月度月間賞[18]
- 第47回ギャラクシー賞 優秀賞[19]
- 第47回ギャラクシー賞 マイベストTV賞グランプリ[20]
- 第18回橋田賞(JIN-仁-、大沢たかお)
- 第18回橋田賞新人賞(綾瀬はるか)
- 放送人グランプリ2010 特別賞[21]
- 第36回放送文化基金賞 テレビ番組賞[22]
- ザテレビジョン 第63回ドラマアカデミー賞 最優秀作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞、ドラマソング賞[23][24]
- TVnavi ドラマ・オブ・ザ・イヤー2009 大賞、最優秀作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞[25]
- 第13回日刊スポーツ・ドラマグランプリ 助演男優賞
- 日経エンタテインメント! 「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー2010」(石丸彰彦)
- Yahoo! JAPAN「5000万人が選ぶネット番付2010決選投票」テレビドラマ部門大賞
- ソウルドラマ賞 ミニシリーズ部門最優秀作品賞
- 2010年アジア・テレビジョン祭 ドラマ部門奨励賞
- カンヌMIPCOM バイヤーズ・アワード
- ハリウッド・レポーター「アジアの次世代 (NEXT GENERATION ASIA)」(石丸彰彦)
第二期
- 第69回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 最優秀作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞
- 第15回日刊スポーツ・ドラマグランプリ 作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞
DVD・Blu-ray
製作著作・発売元:TBS、販売元:角川書店
- 第一期
- 「JIN-仁-」DVD BOX/23,940円(税込) 2010年3月17日発売
- 「JIN-仁-」Blu-ray BOX/30,240円(税込) 2011年2月18日発売
- 第二期
- 「JIN-仁-完結編」DVD BOX/23,940円(税込) 2011年9月16日発売
- 「JIN-仁-完結編」Blu-ray BOX/31,395円(税込) 2011年10月7日発売
TBS 日曜劇場 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
官僚たちの夏
(2009.7.5 - 2009.9.20) |
JIN-仁-
(2009.10.11 - 2009.12.20) |
特上カバチ!!
(2010.1.17 - 2010.3.21) |
冬のサクラ
(2011.1.16 - 2011.3.20) |
JIN-仁- 完結編
(2011.4.17 - 2011.6.26) |
華和家の四姉妹
(2011.7.10 - 2011.9.18) |
舞台
2012年に宝塚歌劇団で初の舞台化。脚本・演出は齋藤吉正が担当。以降の再演も担当している。
役名 | 2012年雪組 | 2013年月組 |
---|---|---|
南方仁 | 音月桂 | 龍真咲 |
橘咲/結命[注 8] | 舞羽美海 | 愛希れいか |
坂本龍馬 | 早霧せいな | 沙央くらま |
勝麟太郎〔海舟〕 | 北翔海莉 | 光月るう |
橘恭太郎 | 未涼亜希 | 美弥るりか |
佐分利祐輔 | 沙央くらま | 宇月颯 |
野風 | 愛加あゆ | 花陽みら |
橘栄 | 梨花ますみ | 憧花ゆりの |
緒方洪庵 | 飛鳥裕[# 1] | |
山田純庵 | 彩凪翔 | 千海華蘭 |
新門辰五郎 | 夏美よう[# 2] | |
千吉 | 夢乃聖夏 | 珠城りょう |
ジャン・ルロン | 鳳翔大 | 瑞羽奏都 |
中岡慎太郎 | 蓮城まこと | 美翔かずき |
高岡玄斉 | 彩風咲奈 | 鳳月杏 |
近藤勇 | 香綾しずる | 有瀬そう |
夕霧 | 花帆杏奈 | 都月みあ |
お駒 | 大湖せしる | 萌花ゆりあ |
茜 | 透水さらさ | 晴音アキ |
喜市 | 星乃あんり | 香咲蘭 |
関連項目
- 蠢太郎 - 村上もとかの次作。明治期の歌舞伎界を扱っており、澤村田之助やその執刀医(明治期の仁友堂も登場)など、本作の人物も登場する。
- 火の鳥 (漫画) - 手塚治虫の漫画。作中で仁が過去に読んでおり、ペニシリンの精製のヒントとなった(明記はされていない)。
- 順天堂大学医学部附属順天堂医院 - 東都大学附属病院のモデルおよびロケ地[26]。なお、学校法人順天堂の学是は「仁」としている。
- 大江戸神仙伝 - 石川英輔のSF小説。江戸時代にタイムスリップした製薬会社の社員が、現代の医学知識や道具を駆使して脚気など江戸時代の病を治療する。1985年にテレビドラマ化された際はストーリーが変更された。
- Dr. JIN - 2012年に韓国MBCで放送されたテレビドラマ。本作を原作としているが、実際には村上の意に反する改変がなされているため、日本では放送差し止めや内容修正を経ての放送となった。
脚注
注釈
- ^ 村上の前作(重複期間あり)である『龍-RON-』では、ヒロインが映画の役作りのために昭和初期の遊廓を潜入取材している。
- ^ 仁のタイムスリップ元である西暦2000年当時の呼称。
- ^ 史実でも松本良順に勧められ、新撰組は屯所で豚を飼うことになるが、作中では触れられていない。
- ^ 再放送では通常時間に再編集されたものが放送されることがある(BS-TBSのTBSプレミアムドラマ枠など)。
- ^ 第八話はWBC世界フライ級タイトルマッチ「内藤大助VS亀田興毅」中継のため25分繰り下げて21:25 - 22:19の放送だった。
- ^ 2009年9月12日の『王様のブランチ』において、綾瀬の役とダブルヒロインと紹介されたほか、ドラマのエンドロールも綾瀬と並列。
- ^ ただし、ここでいう60周年とはTBSテレビではなくTBSラジオ&コミュニケーションズ(開局当時の名称はラジオ東京)の開局から60周年を指す。
- ^ 舞台版では南方仁の現代での恋人は橘咲と瓜二つの設定である。
出典
- ^ 2010年2月21日放送の『マンガノゲンバ』より。
- ^ 萩原万貴枝 (2011年4月12日). “民放各局 春の改編 原点回帰「愛されるテレビ」”. 産経新聞
- ^ 『日刊スポーツ』2009年12月22日付
- ^ “大ブーイング!ぐだぐだ最終回「JIN」映画化?TBS意外な反応”. ZAKZAK. (2009年12月22日) 2009年12月22日閲覧。
- ^ 『週刊ザテレビジョン』2010年8号 23項
- ^ “番組プロデューサーからコメントが届きました”. TBS 日曜劇場「JIN -仁-」|お知らせ. (2010年1月29日)
- ^ “『JIN-仁-』続編決定!!2011年4月期に連ドラで完結!”. TBS 日曜劇場「JIN -仁-」|お知らせ. (2010年6月8日)
- ^ サンケイスポーツ (2010年6月8日). “「JIN」続編決定! 大沢、綾瀬と再共演”. 2010年6月8日閲覧。
- ^ 京都で撮影中!!今井雅之オフィシャルブログ『今井雅之の押忍!』
- ^ “『JIN-仁-』最新作、世界80ヶ国で放送決定〜放送前の契約成立は開局史上初”. ORICON STYLE. (2011年4月13日) 2011年4月13日閲覧。
- ^ “ドラマ『JIN』最終回はシリーズ最高視聴率26.1%で幕~瞬間最高は31.7%”. オリコン. (2011年6月27日) 2011年6月27日閲覧。
- ^ 日曜劇場『JIN-仁-』最終回平均視聴率26.1%を記録、瞬間最高視聴率は31.7%!
- ^ “藤田まこと、慢性閉塞性肺疾患のためドラマ『JIN -仁-』を降板”. ORICON STYLE. (2009年11月15日) 2009年11月15日閲覧。
- ^ “『JIN -仁-』とセブン-イレブンのコラボフェア開催決定!!”. お知らせ|TBSテレビ:日曜劇場「JIN -仁-」TBS開局60周年記念. (2011年5月11日)
- ^ 『スポーツニッポン』2011年5月27日付
- ^ “日本民間放送連盟賞/2010年(平成22年)入選・事績”. 日本民間放送連盟賞
- ^ “国際ドラマフェスティバル:Award”. 国際ドラマフェスティバル in TOKYO 2010
- ^ “2009年12月度月間賞”. 放送批評懇談会
- ^ “第47回ギャラクシー賞受賞作品”. 放送批評懇談会
- ^ “第4回マイベストTV賞グランプリ”. 放送批評懇談会
- ^ “放送人グランプリ2010(第9回)”. 放送人の会
- ^ “第36回 放送文化基金賞 受賞一覧”. 財団法人 放送文化基金. (2010年5月28日)
- ^ “第63回ドラマアカデミー賞「最優秀賞」を受賞!”. TBS 日曜劇場「JIN -仁-」|お知らせ. (2010年2月18日)
- ^ “第63回ドラマアカデミー賞 結果&授賞エピソードをアップしました!”. ザテレビジョン ドラマアカデミー賞. (2010年3月3日)
- ^ “第6回 TVnavi読者が選んだドラマ・オブ・ザ・イヤー2009結果発表!”. TVnavi web
- ^ 順天堂医院 (2009年10月). “順天堂医院の医師が主人公 ドラマ「JIN-仁」”. 2009年11月23日閲覧。
外部リンク
- TBS
- JIN-仁- 第一期 - 2009年ドラマ版公式サイト
- JIN-仁- 第二期(完結編) - 2011年ドラマ版公式サイト
- BS-TBS
- TBSオンデマンド
- TBSチャンネル
- 『JIN-仁-』/『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』 - 舞台版公式サイト