太陽の季節
『太陽の季節』(たいようのきせつ)は、石原慎太郎の短編小説。1955年発表。同年第1回文学界新人賞、翌年第34回芥川賞を受賞。
目次 |
[編集] 概要
裕福な家庭に育った若者の無軌道な生活を通して、感情を物質化する新世代を描く。ストーリーが倫理性に欠けることで、発表されるや文壇のみならず一般社会にも賞賛と非難を巻き起こした作品である。受賞作にはなったものの選考委員の評価は必ずしも高いとは言えず、反倫理的な内容についても評価が分かれた。川端康成や舟橋聖一、中村光夫には全体にみなぎる若々しい情熱が評価され激賞されたものの、同時に文体の稚拙さや誤字があるなど多くの欠点も指摘されている。一部の選考委員には、奇を衒った浅薄な内容であると評価され「一種の下らぬ通俗小説である」(宇野浩二)といった批判もあった。
ストーリーは慎太郎の弟・石原裕次郎が、ある仲間の噂話として慎太郎に聞かせた話が題材になっているという。また、文芸誌に発表した処女作『灰色の教室』にも、本作の題材になった話が1エピソードとして収録されている(ただし、登場人物の名前は異なる)。
単行本・文庫本を合わせた現在までの発行部数は100万部を越える。1956年に映画化され人気を博すが、その内容が問題になり、制作者の内部機関だった「映画倫理規程管理委員会」が外部の第三者も参加する映画倫理委員会と改められるきっかけとなる。2002年にテレビドラマ化されたが、ストーリーは全く異なる。
石原が幼少期を過ごした神奈川県逗子市の逗子海岸には、「太陽の季節 ここに始まる」という彼の自筆が入ったモニュメントが建立されている。
[編集] 太陽族
本作の芥川賞受賞を受けて「週刊東京」誌で行なわれた石原慎太郎と大宅壮一の対談で、大宅が「太陽族」との言葉を用いたことから、海辺で無秩序な行動をとる享楽的な若者のことを指す言葉として流行語化した。
本作の映画化に続き制作された、同じく石原慎太郎原作の『処刑の部屋』(1956年6月公開)、『狂った果実』(1956年7月公開)を「太陽族映画」と称して、未成年者の観覧を禁止するなどの自主規制が各地で実施され[1]、社会現象ともなった。この「太陽族映画」規制の問題は、映画業界以外の第三者を加えた現在の映倫管理委員会(映倫)が作られるきっかけとなった。問題の背景として「太陽族映画」を観て影響を受けたとして、青少年が強姦や暴行、不純異性行為など様々な事件を起こし社会問題化した。[2]
[編集] あらすじ
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
高校生・津川竜哉はボクシングに熱中しながら仲間と酒・バクチ・女・喧嘩の自堕落な生活をしている。ある夜盛り場で知り合った少女英子と肉体関係を結び、英子は次第に竜哉に惹かれていくが、竜哉は英子に付き纏われるのに嫌気がさし、英子に関心を示した兄道久に彼女を5千円で売りつける。それを知った英子は怒って道久に金を送り付け、3人の間で金の遣り取り(契約)が繰り返される。ところが英子が竜哉の子を身籠ったことがわかり、英子は妊娠中絶手術を受ける。手術は失敗し英子は腹膜炎を併発し死に、葬式で竜哉は英子の自分に対する命懸けの復讐を感じ、遺影に香炉を投げつけ、初めて涙を見せた。
[編集] 映画
| 太陽の季節 | |
|---|---|
| 監督 | 古川卓己 |
| 脚本 | 古川卓己(脚色) 石原慎太郎(原作) |
| 製作 | 水の江滝子 |
| 出演者 | 南田洋子 長門裕之 |
| 音楽 | 佐藤勝 |
| 撮影 | 伊佐山三郎 |
| 編集 | 辻井正則 |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 89分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| IMDb | |
1956年の日活作品。ストーリーは原作にほぼ忠実。原作者の弟である石原裕次郎のデビュー作でもある(もともとは原作に登場する文化風俗などを兄に代わって説明するような立場で関わっていたが、役者の数が足りなくなったため急遽出演することになったという)。
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
ほか
[編集] アニメ
1986年に日本テレビ『青春アニメ全集』の中のひとつとして制作されている。
[編集] キャスト
[編集] テレビドラマ
| 東芝日曜劇場「太陽の季節」 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 放送時間 | 日曜日21:00~21:54(54分) |
| 放送期間 | 2002年7月7日~9月15日(11回) |
| 放送国 | |
| 制作局 | TBS |
| 演出 | 土井裕泰、吉田健 |
| 脚本 | 渡邉睦月、岡本貴也 |
| 出演者 | 滝沢秀明 池脇千鶴 岡田義徳 松本莉緒 高岡蒼甫 松坂慶子ほか |
| 音声 | ステレオ放送 |
| エンディング | 滝沢秀明「キ・セ・キ」 |
| 時代設定 | 現代 |
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特記事項: 「東芝日曜劇場」の最終作品。 |
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| ドラマ |
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関連項目
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2002年7月7日から2002年9月15日までTBS系で日曜日21:00~21:54に放送。全11回。平均視聴率13.6%。
石原の小説から題名だけを頂いた物で、内容は全くのオリジナル。主人公竜哉の、佐原の父親の銀行に融資を打ち切られて自殺に追い込まれた父の仇をとるため佐原からすべてを奪おうとする復讐劇と、交差点で偶然出会った足に障害を持つ少女・英子との切ない恋愛を描く。
このドラマを最後に東芝がスポンサーを降り(2009年10月クールの「JIN-仁-」より、複数スポンサーの一社として復帰)、東芝日曜劇場は「日曜劇場」と名称を変更した。
[編集] キャスト
- 津川竜哉(20):滝沢秀明(小学生時:薮宏太)
- 和泉英子(20):池脇千鶴
- 川野耕平(20):岡田義徳(小学生時:堀沢憲己)
- 小宮山由紀(20):松本莉緒
- 佐原慎二(20):高岡蒼佑(現:高岡蒼甫)
- 本城直人(20):忍成修吾
- 小田切吉彦(20):新井浩文
- 白川笙子(20):石橋けい
- 橘医師(35):深江卓次
- 村山奈美:岩下貴子
- 柴田聖美(20):石田理恵
- 安藤はるか(20):松本まりか
- 大森隆夫(19):森本亮治
- 浅野哲也(19):平田竜也
- 内田太一(19):小野健太郎
- 桜井あゆな(12):柳英里紗
- 小宮山亮三(60):浜田晃
- 沢木マネージャー(30):乃木涼介
- 上島利久(27):大倉孝二
- 折原要(41):遠藤憲一
- 藤枝:森下哲夫
- 樋口透:池田努
- 津川路子(48):宮崎美子
- 津川伊織:吹越満
- 佐原恒夫:浅沼晋平
- 佐原良江:木村翠
- 美佐子:大島蓉子
- 平野民代(38):高橋ひとみ
- 和泉響子(46):松坂慶子
[編集] スタッフ
[編集] 主題歌
- 滝沢秀明「キ・セ・キ」
[編集] サブタイトル・視聴率
| 各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 第1話 | 2002年7月7日 | - | 16.0% | ||
| 第2話 | 2002年7月14日 | - | 14.8% | ||
| 第3話 | 2002年7月21日 | 裏切り | 17.2% | ||
| 第4話 | 2002年7月28日 | 母の陰謀 | 11.8% | ||
| 第5話 | 2002年8月4日 | 監禁 | 13.3% | ||
| 第6話 | 2002年8月11日 | 暴露 | 11.2% | ||
| 第7話 | 2002年8月18日 | 誘惑 | 12.8% | ||
| 第8話 | 2002年8月25日 | 衝撃の瞬間 | 12.6% | ||
| 第9話 | 2002年9月1日 | 決別 | 12.7% | ||
| 第10話 | 2002年9月8日 | 転落 | 13.2% | ||
| 最終話 | 2002年9月15日 | その愛と死 | 14.0% | ||
| 平均視聴率 13.6%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) | |||||
[編集] 外部リンク
| TBS 日曜劇場 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
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太陽の季節
※ここまで東芝日曜劇場 |
おとうさん
※ここから複数社提供 |
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[編集] 脚注
- ^ 「太陽族映画に反発 各地で観覧を禁止」『朝日新聞』1956年8月3日付朝刊
- ^ 少年犯罪データベース 昭和31年(1956)の少年犯罪
[編集] 関連項目
- 表現の自主規制
- ステレオ太陽族 - サザンオールスターズのアルバム。『太陽族』をタイトルにしており、本作が元ネタである。
- 湘南
- 津川雅彦 - 石原慎太郎が当小説のメインキャラクター津川竜哉から芸名をつけた。また、映画でその津川竜哉役を演じた長門裕之の弟でもある。
- 幕末太陽傳
- 非実在少女のるてちゃん