水戸黄門 (東野英治郎)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

水戸黄門 第3部 から転送)
水戸黄門 (パナソニック ドラマシアター) > 水戸黄門 (東野英治郎)

本項では、TBSのナショナル劇場(現パナソニック ドラマシアター)において放送された時代劇水戸黄門』(みとこうもん)の内、1969年の放送開始から1982年放送の第13部までの東野英治郎が主演したシリーズについて記述する。

目次

[編集] 出演者

詳細は「水戸黄門 (パナソニック ドラマシアター)の登場人物一覧」を参照

[編集] 各部の概要

放送日はTBSおよび同時ネット局を基準とし、レギュラー・準レギュラーの経験があるゲストは太字で表記する。

[編集] 第1部

1969年8月4日-1970年3月9日放映(全32話)

ストーリー

光圀の実子・松平頼常細川俊夫)が藩主を務める讃岐高松藩のお家騒動を解決するため、旅に出る。

行程
  • 水戸光圀役を東野英治郎、助三郎役を杉良太郎、格之進役を横内正、風車の弥七役を中谷一郎、ナレーターを芥川隆行が務める。準レギュラーとして、水戸藩家老の娘・深雪(岩井友見)、光圀と対立する柳沢吉保山形勲)が登場する。
  • 柳沢の刺客として、古川兵庫(露口茂)、お蝶(弓恵子)が登場する。
  • 第14話で印籠が初めて披露される。頼常の一子を世継ぎに立てようとする若侍達の前で、格之進が光圀の名代の証として出している。
  • 悪者達の前で印籠が初めて披露されたのは第23話で、光圀自らが腰に付けている印籠を見せている。
  • 第19話にゲスト出演している月形龍之介は、東映劇場版で水戸光圀を演じている。
  • 第25話に子役時の真田広之がゲスト出演している。役は勘太。
  • 第29話では印籠は出ず、弥七が天井から「そこにおわすは畏れ多くも水戸の御老公なるぞ」と言って飛び降りている(第30話でも決め台詞を言っている)。
  • オープニングで登場するキャスト・スタッフ紹介のタイトルバックはこのシリーズでのみお蔵入りになったものがある(※一般に知られているものは4種類〔黒地に前面徳川三つ葉葵・赤地に下3分の1・青地に右下・紫地に右下4分の1〕だが、このシリーズでのみ存在していたのは青磁地に左下のタイトルバックで、当初は5種類用意されていた)。
  • 第1部と第2部のポスターに書かれている「水戸黄門」の書体はオープニングと同じ縦文字になっている。

[編集] 第2部

1970年9月28日-1971年5月10日放映(全33話、通算65回)

ストーリー

津軽南部両藩の争いを解決するため旅に出る。事件解決後、久留米藩の御家騒動を解決するため、久留米へ向かう。

行程
  • うっかり八兵衛高橋元太郎)がレギュラーに加わる。
  • 第4話に東野の息子である東野孝彦(東野英心)がゲスト出演している。
  • 第25話は再放送では欠番だが、DVD・VHSソフトには収録されている。
  • 第28話-第32話では杉のスケジュールの都合で助三郎と八兵衛が出演していない。
  • 第27話-第32話まで、久留米藩士の娘・弥生(大原麗子)が久留米藩の騒動を解決させるために一行に加わり旅をしている。
  • 助三郎役の杉良太郎の最終シリーズである。

[編集] 第3部

1971年11月29日-1972年6月5日放映(全28話、通算93回)

ストーリー

柳沢吉保が「御老公様が薩摩藩を取り潰そうとしている」という噂を流したため、その誤解を解くために薩摩へ向かう。

行程
  • 助三郎役が里見浩太朗になる。くノ一・霞のお新(宮園純子)がレギュラーに加わる。第1話で死亡した仁平(お新の父親)の卒塔婆に書かれた命日より本作品が元禄3年の話であることがわかる。
  • 第4話では代官が放送禁止用語を叫んでいるが、DVD・VHSソフトには収録されている。
  • 第1部から「三つ葉葵の印籠」の登場シーンについては試行錯誤の繰返しだったが、この第3部で『格さんが「この紋所が目に入らぬか!!」と喝破しながら出す』に定着し、以降恒例となる。
  • 第3部のポスターから「水戸黄門」の書体が縦文字から横文字に変更された。

[編集] 第4部

1973年1月22日-9月17日放映(全35話、通算128回)

ストーリー

第1部で解決したはずの越後高田藩お家騒動を解決するため旅に出る。問題解決後は「奥の細道」をたどって東北を旅し、北海道に渡る。

行程
  • 光圀は越後の縮緬問屋の隠居・光右衛門と名乗って旅をしているが、第5話で本物の越後の縮緬問屋の隠居・光右衛門(東野の二役)が登場する。本物の光右衛門は強欲でとかく評判が悪く、光圀は最初民衆から石を投げつけられたりとひどい目に合わされる。
  • 第16話・第17話「北海の反乱」(前・後編)は現在再放送されていない。これは前編の本放送終了時に、サケと米の交換の比率が違う事、儀式や風習が全く違う事について札幌在住のアイヌ有志から北海道放送にクレームがつき、翌週の後編の放送中止を申し入れたためである。これに対して北海道放送側は後編の放送中におわびのテロップを入れることで解決した。TBSチャンネルでの再放送ではこの配慮から「北海の反乱」(前・後編)は欠番である。なお、TBSチャンネルでは第4部を欠番を除く全話一挙放送を1度行ったことがある(現在第4部以降はビデオ・DVD化されていない)。
  • 東野黄門独特の「かっかっか」という笑いはこのシリーズで完成した。
  • 弥七とお新は結婚して田毎庵(たごとあん)という蕎麦屋を営んでおり、お新は弥七出立の留守を守るという設定になる。この設定は宮園純子が私生活で結婚したためで、お新はシリーズの最初と最後にしか登場しない。
  • 第4部のポスターから放送開始の告知の書体が太くなった。

[編集] 第5部

1974年4月1日-9月30日放映(全26話、通算154回)

ストーリー

水戸老公の行列に直訴した五島氏・安里姫(小林由枝)から、悪い城代家老により危機にさらされている肥前五島列島福江藩の実情を知らされ、藩を救う旅に出る。

行程
  • 水戸黄門史上初めての片道道中。
  • 安里姫が旅のお供をする。最強の刺客と言われている鉄羅漢玄竜(天津敏)が登場する。
  • 第1話と第2話では玄竜の目をひくために偽黄門一行を仕立てて旅をする。偽黄門一行は第2話で玄竜の手の者に襲われてお新を除いて全員死亡する。
  • 第11話で精神障害者に関するセリフが出てきたため、抗議を受けた。再放送ではそのセリフが出てくるシーンだけ取り除いて放送されるか、局によってはこの話は欠番である。
  • 第17話は当初1974年7月22日に放送する予定だったが、その年のプロ野球オールスターゲーム第1戦が雨天中止順延になったあおりで、当時TBS系列だった朝日放送が放映権を獲得していた第2戦がこの日にずれ込んだため急きょ放送休止となった(翌週の7月29日に放送された)。
  • 第24話に光圀の旧友・鍋島光茂役で森繁久彌が初の特別出演。ちなみに森繁は第1部で初代黄門を演じる予定だったが、東宝のスターであった森繁が東映の撮影所である京都太秦で黄門役を演じる事に東宝が難色を示し、結果的に東野が初代黄門に決まった。
  • 1974年9月30日に放送された第26話はABCにおいての「水戸黄門」最後の放送である(翌年に腸捻転解消によって、ABCがTBS系列からNET系列にネットチェンジしたため)。

[編集] 第6部

1975年3月31日-11月3日放映(全32話、通算186回)

ストーリー

第5部の続きで、福江藩から水戸への帰り旅。

行程
  • 第20話に東野の息子である東野孝彦がゲスト出演している。
  • 第1回放送日である1975年3月31日はMBS腸捻転解消によりNET系列からTBS系列にネットチェンジしたため、MBSとしては初回放送日である。
  • 深雪役の岩井友見の最終シリーズである。ただし、深雪が妻であるという設定自体は格之進役が大和田伸也に変わっても受け継がれたため、深雪の設定が消滅するのは伊吹吾郎が格之進役となった第14部になってからである。また、岩井は第8部に別の役で出演しており、その人物が深雪と似ていることが話の筋に盛り込まれている。

[編集] 第7部

1976年5月24日-1977年1月10日放映(全34話、通算220回)

ストーリー

腰を痛めて湯治にいった光圀は、行方不明の父を捜しに北海道へ行く途中で人買いに騙されたという姉妹と出会い、北海道への旅に出る。

行程

[編集] 第8部

1977年7月18日-1978年1月30日放映(全29話、通算249回)

ストーリー

将軍・綱吉(江原真二郎)の娘で薩摩藩の島津公夫人・竹姫鳥居恵子)が男の子を出産した。綱吉に代わってお祝いするため、薩摩に旅立つ。

行程
  • 第1話では敵の目をひくために助三郎と八兵衛が光圀に扮している。
  • 第2話では光圀と八兵衛が悪代官によって百叩きの刑に処せられている。
  • 第21話では印籠披露の場面はなかった。それどころか、光圀は高松藩関係者以外には正体を明かしていない。これは息子の松平頼常の愚行を戒めるのが話の筋であったため、庶民に身分を明かすことができなかったのである。劇中、光圀は農民に自分の悪口を言われる場面に遭遇するが、その農民は最後まで光圀の身分を知らされなかった。
  • 格之進役の横内正の最終シリーズである。
  • 当時は高度経済成長期だったためか、そのあおりでロケ場所の苦労が目立ち始めた。ロケ地に大きなセットを持ち込まなければならないケースが増え、那智の滝壺を再現する場合などは、東映太秦映画村の消防車を集めて毎秒何トンもの水を流したという。

[編集] 第9部

1978年8月7日-1979年2月5日放映(全27話、通算276回)

ストーリー

久保田藩お家騒動解決のため秋田に旅立つ。

行程
  • 格之進役が大和田伸也になる。深雪は登場しないが、第1話の台詞で深雪の名前と格之助が登場していることから、設定を継承していることがわかる。
  • 宮園が出産のため、第8部を最後にいったん降板する。再登場するのは第12部である。
  • 久保田藩家老・小野塚兵衛(水島道太郎)の娘・志乃(山口いづみ)がレギュラーに加わる。
  • 大和田が第27話にゲスト出演した五大路子に一目惚れして1980年に結婚した。ちなみに五大が演じたのは、助さんのお見合いの相手であり、三浦辰之助(伊吹吾郎)の恋人という役だった。
  • 1978年に山口を除くその他のキャストでテレビと同じキャスト、スタッフによる映画が作成された。

[編集] 第10部

1979年8月13日-1980年2月11日放映(全26話、通算302回)

ストーリー

朝廷の使者・六条三位(蜷川幸雄)が江戸高家と悪徳商人と共に悪事を働いた。朝廷幕府の関係悪化を恐れた将軍・綱吉(浜畑賢吉)は、その後始末で光圀を京に旅立たせた。

行程

[編集] 第11部

1980年8月18日-1981年2月9日放映(全26話、通算328回)

ストーリー

出羽庄内藩の農民たちの窮状をお美代(清水久美子)から聞いた光圀は共に鶴岡へ向かう。

行程
  • 「ミス水戸黄門」が公募され、清水久美子(青森代表)が全26話にわたって出演した。また、決戦に残った30人中24人が何らかの形で番組にゲスト出演している。
  • 第11部のポスターから「TBSテレビ6」の表示が「TBS6」となった(第20部まで続く)。

[編集] 第12部

1981年8月31日-1982年3月1日放映(全27話、通算355回)

ストーリー

光圀の息子・松平頼常山口崇)と将軍・綱吉の甥で次期将軍候補の綱豊との不仲説がささやかれ、その真相を解き明かすため高松へ旅立つ。事件解決後、旅先で知り合った千鶴(伊藤和恵)を母親に会わせるために江戸にある稲葉家の屋敷を目指す。

行程
  • 本部では東野英治郎がかなりの高齢になった為、里見浩太朗が裁きの啖呵を切るシーンがかなりある。
  • 第1話~第13話では志乃が、第14話~第27話では千鶴が旅に同行する。千鶴役の伊藤はこれがデビュー作であった。また伊藤は第27話「瞼の母娘にめぐる春」で二役を演じている。
  • 放送期間中、マラソンが流行していたためか第1話の冒頭で西山荘~水戸城往復マラソンのシーンがあり、光圀も先頭をきって走っていた。
  • 第8話に西村晃がゲスト出演している。この回が2年後の光圀役起用につながった。再放送では欠番となっているが、2003年7月25日に放送された水戸黄門のスペシャル番組で2代目・3代目の光圀役が決定するまでを紹介するコーナーがあり、この回の一部分が放送された。

[編集] 第13部

1982年10月18日-1983年4月11日放映(全26話、通算381回)

ストーリー

尾張徳川家転覆を企む一族の陰謀を阻止するため、尾張へ向かう。

行程
  • 東野黄門最終シリーズ。
  • 将軍綱吉役は長谷川哲夫になる。
  • 弥七の甥・梟の左源太(三浦浩一)、由美(白坂紀子)が登場した。第10話にゲスト出演している志垣太郎はこの共演で白坂と知り合い、結婚に至った。余談だが、志垣によると共演前から白坂のことが気になっていたとのこと。また志垣と白坂が絡むシーンはあまりない。
  • 第1話では助三郎が光圀に扮している。
  • 第26話では第1部でよく見られた「面が割れる」(=光圀を取り押さえた後取り調べたら印籠が出てきて正体が判り様相が一変というもの)が披露された。その時の光圀のセリフは「ばれましたか、フッフッフッ…」。
  • 光圀役の東野英治郎、格之進役の大和田伸也、山野辺兵庫役の大友柳太朗の最終シリーズである。東野は足掛け14年、全381回にわたり光圀を演じた。「この作品をライフワークにしよう」と言い続けていただけに心なしか淋しそうだった。降板の理由は高笑いが出来ず、「立ち回りがしんどい」と「体力が続かない」というもの。長年親しまれてきたせいか、視聴者からは「もうあんな黄門は見られなくなるのではないか」と危惧する声も聞かれた。
  • 第13部のポスターからそれまでの「○月○日放送開始」に変わって「○月○日スタート」という表記が使われるようになった。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク