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|2番組名= 昭和元禄落語心中 〜助六再び編〜 |
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2016年10月22日 (土) 12:50時点における版
昭和元禄落語心中 | |
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ジャンル | 青春、落語 |
漫画 | |
作者 | 雲田はるこ |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | ITAN |
レーベル | KCx ITAN |
発表号 | 2010年零号 - 2016年32号 |
巻数 | 全10巻 |
アニメ | |
原作 | 雲田はるこ |
監督 | 畠山守 |
シリーズ構成 | 熊谷純 |
キャラクターデザイン | 細居美恵子 |
音楽 | 澁江夏奈 |
アニメーション制作 | スタジオディーン |
製作 | 昭和元禄落語心中OAD 製作委員会(OVA) 落語心中協会(TV) |
放送局 | MBSほか |
放送期間 | 第1期:2016年1月 - 4月 第2期:2017年1月 - |
話数 | 第1期:全13話+OVA2話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
『昭和元禄落語心中』(しょうわげんろくらくごしんじゅう)は、雲田はるこによる日本の漫画で『ITAN』(講談社)2010年零号(創刊号)から2016年32号まで連載[1][2]。第17回2013年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を[3]、第38回(2014年度)講談社漫画賞一般部門でそれぞれ受賞している[4]。
2014年12月にテレビアニメ化が発表され、まず第1期が2016年1月から放映された[5]。第2期は2017年1月放送開始予定。
あらすじ
- 与太郎放浪篇
- 単行本第1巻から第2巻に収録。舞台は昭和50年代頃。落語が絶頂期を過ぎ、テレビや漫才ブームに圧されていた時代。
- 刑務所帰りの元チンピラ・強次は、1年前に慰問で訪れた八代目有楽亭八雲演じる落語『死神』を聞いて感動し、出所後そのまま八雲が出演している寄席に押しかけて弟子入りを申し出る。それまで「弟子は取らない」と言ってきた八雲だが、彼なりの考えで強次は付き人として行動を共にすることを許され、与太郎の名を与えられる。八雲の家に住み込むことになった与太郎は、八雲の養女・小夏と出会い、彼女の実父で早逝したかつての天才落語家・二代目有楽亭助六の芸風を気に入り、自らの芸に取り入れ精進するが、同時に助六の死と八雲、小夏にまつわる因縁の一端を徐々に知ることとなる。ある日与太郎は八雲の独演会で舞台の袖で居眠りしてしまい、激怒した八雲に破門されてしまう。雪の積もる夜、小夏立ち合いの下で必死に復帰を願い出る与太郎に対し、八雲は「破門しない代わりに三つの約束を守ること」を彼に命じ、自身と助六についての長い昔語りを始めた。
- 八雲と助六篇
- 単行本第2巻から第5巻に収録。舞台は太平洋戦争前から、昭和30年代頃の「落語黄金期」まで。
- 望まぬ落語界への入門を強いられ、また落語が上達しないことに日々苦悩し続けていた若き日の八雲・菊比古と、天才肌で華のある落語家としてめきめきと人気・実力をつけてゆく初太郎改め二代目 有楽亭助六。繊細で陰のある菊比古に対し、粗暴で明朗快活な助六という対照的な性格ながら、同い年で同じ日に師匠・七代目有楽亭八雲門下に入り、共に黄金期の落語界を支えた2人の青春模様と因縁、みよ吉と助六の最期の真相が明らかにされる。
- 助六再び篇
- 単行本第5巻以降に収録。舞台は昭和末期から平成初期頃。バブル景気およびその崩壊直後。
- 落語人気が完全に下火となり、都内に寄席が1軒だけになり落語の話題と言えばかつての名人の訃報ぐらいしかなかったこの時期、芸を磨いた与太郎は真打に昇進し、小夏の父の名跡を継いで三代目助六を名乗ることに。その頃小夏は未婚者で妊娠し、見かねた助六から夫婦になろうと迫られる。戸惑う小夏と、天涯孤独の身の上から「家族」への強いあこがれを口にする助六。一方、過去の因縁と迫り来る老いと1人孤独に葛藤していた八雲を病魔が襲う。信之助の誕生、落語保存の活動を始めた作家・樋口の出現など、否応なく進んでゆく時代の流れに巻き込まれながら変化してゆく八雲、助六、小夏の人生と、八雲が一度は自らと共に滅ぼそうとした「落語」の行く末が描かれる。
登場人物
声はアニメ版のもの。なお、本作品は時代の異なる3つの篇からなっているため時期によって高座名の異なる人物がいる。
『与太郎放浪篇』の主な登場人物
- 与太郎(よたろう)
- 声 - 関智一
- 主人公の元チンピラ。通称は「与太(ヨタ)」「ヨタちゃん」「ヨタさん」など。本名は強次(きょうじ)。
- お調子者で人懐っこく、自他ともに認める単純な性格だが、他者に強く共感する優しさを持っており、涙もろい所もある。兄貴曰く「一度受けた恩は犬ッコロのように忘れない」。
- 刑務所で服役中に聴いた八代目八雲の死神に感動し「出所後の行くべき所」と決め、「昭和最後の大名人」と称せられていた8代目八雲に弟子入りを志願。それまで1人の弟子も取ってこなかった八代目八雲が気まぐれでこれを許し、入門となる。落語好きの父親が居たが、幼少期に何らかの理由で後述のヤクザの兄貴に拾われ、数々の犯罪に手を染めながら育ってきたようである。入門時点では「天涯孤独の身」となっていて、本来なら仮出所も認められる模範囚だったのが刑期満了での出所となったのは、引取り人がいなかったためである。
- 入門後はしばらく師匠・八雲から稽古をつけてもらえない日々が続く一方、小夏が肌身離さず持っていた彼女の亡父・二代目助六のネタ帳やレコードから二代目助六と自身との気質の近しさを感じ、小夏の教えも受けつつその芸風を取り入れる。結果的にこれが三代目助六襲名のきっかけとなる。
- 年齢は入門直後で22歳(『与太郎放浪篇 其の三』より)。
- 八代目 有楽亭 八雲(ゆうらくてい やくも)
- 声 - 石田彰
- 「昭和最後の大名人」と称される人気落語家。住所にちなんで「向島のお師匠」とも。
- 常に仏頂面で、常に杖をついている。繊細かつ神経質な性格で芸事や礼儀作法には人一倍厳しく、辛辣で嫌味な物言いを多用する面を持つ一方、客人に対しては場面相応の愛想を欠かすことはない。弟子を取らないことで有名であったが、何かの気まぐれで与太郎を弟子に迎え入れる。
- 芸風は古典落語一筋で、艶笑噺や廓噺、怪談噺を得意とし、殊に登場する女性の描写においては同業者をして「惚れてしまう」と言わしめるほど。一方で明るく声を張るような陽気な噺は得意ではないとしている。歌や踊り、三味線といった落語以外の芸にも一通り精通しており、与太郎にもその稽古をつけている。
- 小夏(こなつ)
- 声 - 小林ゆう
- かつて稀代の天才と謳われながら早逝した落語家・二代目助六のひとり娘。両親を失い、父の兄弟弟子だった八雲の養女となる。
- 亡き実父を敬愛し、その落語を「最高」だったと言って憚らない一方、実父と因縁深い養父・八雲のことは「おっさん」呼ばわりし、「父ちゃんを殺した」と逆恨みに近い感情を抱いている。
- ヤクザ兄貴
- 声 - 加瀬康之
- 与太郎のチンピラ時代の育ての親。落語家に弟子入りしたという噂を聞きつけ八雲邸に押しかけ、与太郎にチンピラ復帰を唆すが居合わせた八代目八雲に「与太郎の落語を聞くのが兄貴分のお前さんの義務」と無理やり寄席に連れていかれ、彼の一席を八雲と共に見届ける。『助六再び篇』にも登場する。
『八雲と助六篇』の主な登場人物
- 菊比古(きくひこ)
- 声 - 石田彰、小林沙苗(幼少時)
- 八代目八雲の前座・二つ目時代の名前。真打昇進後も暫くは菊比古を名乗っていたが、二代目助六の死去後に八雲を襲名。通称は「菊」「菊さん」などで、兄弟弟子の二代目助六からは「坊(ボン)」と呼ばれる。
- 幼少の頃から常に仏頂面で、右足が不自由な為に外では杖が手放せない。芸者の家に生まれ、男子ながら踊り子の修行をしていたところ足の怪我でこれを断念、母親が世話になっていたという七代目八雲に引き取られる形で実家を追い出された。望まない形での入門となった落語には当初興味を持てなかったが、生来芸事が好きであったことと、後述の兄弟弟子・初太郎(二代目助六)の落語に惹きつけられ落語を続けていく。
- 二つ目昇進後は師匠の下を離れ、助六と二人暮らしを始める。生真面目で考え過ぎる性格が災いして客との距離感がつかめず、天才肌の助六に大きく水を空けられ悩んでいたが、落語二つ目だけで演じた鹿芝居(若手落語家による芝居[注 1])「弁天娘女男白浪」では女形(弁天小僧)を演じて観客の喝采を浴び、これをきっかけに自身の芸風を確立する。
- 初太郎(はつたろう) / 二代目 有楽亭 助六(ゆうらくてい すけろく)
- 声 - 山寺宏一、立川こはる(幼少時)
- 菊比古と同い年、同日入門の兄弟弟子。戦後、二つ目途中で助六を襲名。師匠・八雲からは「初太」と呼ばれ、菊比古からはその本名にちなんだ呼び名の「信さん」と呼ばれる。
- 入門のきっかけは菊比古とは対照的で、自ら「八雲」の名跡が欲しいと七代目に入門を志願した。幼少の頃から寄せ場で育った天涯孤独の身だったが、そこで親代わりだった初代助六(後述)が毎日のように落語を聞かせていた影響から、入門の時点で既にいくつかの落語を諳んじることが出来るほどであり、また入門後も菊比古と違って学業などはせず落語漬けの毎日を送ってメキメキと才能を伸ばし、菊比古からは憧れと嫉妬の入り混じった感情を抱かれるほどであった。
- 落語を生き残らせるためには伝統を守ると同時に変化を受け入れることも必要だと感じ、伝統を守る役目は菊比古のような落語家が担うべきだとして自身は世情に合わせて変化する新たな落語を志すが、師匠・八雲にとって因縁深い「助六」であったこともありその姿勢が師匠に認められず、口論の末に破門される。
- 七代目 有楽亭 八雲(ゆうらくてい やくも)
- 声 - 家中宏
- 菊比古と初太郎(二代目助六)の師匠。邸宅の場所は神楽坂。
- ツテあって迎え入れた菊比古には高等科にも通わせるなど厚遇していた一方、周囲に反抗的な初太郎(二代目助六)に対しては常に小言を言うなど菊比古ほどの厚遇はしなかった。ただし二代目助六に対しても「最後の弟子だ(から)特に目はかけてやりたい」と明かしており、最終的には変革と称して落語界の和を乱そうとする二代目助六と決裂するが、それ以前たびたびの素行不良で協会幹部から目を付けられていた助六を真打昇進に漕ぎ着けさせるまで尽力するなど弟子思いの師匠であった。なお菊比古と初太郎には複数の兄弟子がいたようだが、戦争中の混乱に伴って弟子を辞める者が相次ぎ、また初太郎・菊比古以降は弟子を取らなかったため七代目の弟子は2人だけとなっている。
- 戦時中は夫人と菊比古を田舎に疎開させた上で、初太郎とともに満州にて軍人たちを落語で慰問する旅に出るが、終戦後は命からがらで引き揚げてくることとなる。
- 十八番は「子別れ」。古典や落語界の格式や和を重んじる一方で、慰問先で出会ったみよ吉を愛人にするなど決して真面目一徹ではない一面も垣間見える。
- 助六破門後、菊比古との親子会での一席の後に倒れ、病床で自身と初代助六の因縁を菊比古に語った後に亡くなる。「有楽亭八雲」は作中の落語界においては有楽亭宗家の名であり、初代は寛政年間の人とされ、代々名人ばかりが継いできた大名跡である。七代目は六代目八雲の実子で、六代目によって八雲の名はさらに高まったが、七代目はそれを継いだ後に大名跡の重圧に悩んできた旨も明かし、自分には背負いきれなかったと悔いている。
- みよ吉(みよきち)
- 声 - 林原めぐみ
- 小夏の母で元芸者。本名は百合絵(ゆりえ)。年齢は菊比古・二代目助六の5歳上。
- 七代目八雲が満州で出会った当時は娼婦をしていて、彼の愛人となって内地に戻り、彼から向島の置屋での芸者仕事を紹介されている。歌舞伎観劇で知り合った菊比古を気に入り恋仲となるが、菊比古から師匠の命令で悲痛な心境で別れを告げられる。その後当てつけのように、師匠から破門され傷心となっていた二代目助六との同棲を始め妊娠。置屋の売上を持ち逃げした上で、2人で故郷である四国にやってくるが、やがて働きもしない夫に愛想を尽かせて家を出ていく。
- 小夏(こなつ)
- 声 - 小林ゆう
- 二代目助六の娘。働かない父親に代わって、子供ながら蕎麦屋で素人落語を披露するなどしていた。
- 初代 助六(すけろく)
- 声 - 神奈延年
- 寄せ場で暮らしていた幼少期の初太郎の親代わりだった男。天狗連にて「助六」を名乗って落語を披露していたが、本名は誰も知らない。初太郎の芸風は幼少期にこの助六の落語を毎日のように聞かされ続けていた影響が大きく、後に初太郎も「助六」の名を名乗ることになる。
- 実はかつて、七代目八雲より先に六代目八雲に弟子入りし(初代)有楽亭 助六を名乗っていた元・落語家で、七代目も認めざるを得ない才能の持ち主であったにも関わらず挫折して落語界から去った。その挫折の真相については七代目が、死の直前の病床で菊比古に打ち明けている。
『助六再び篇』の主な登場人物
- 三代目 有楽亭 助六(ゆうらくてい すけろく)
- 与太郎が『助六再び篇』の冒頭で真打に昇進し、同時に三代目助六を襲名。ボサボサだった髪もこれに合わせ角刈りにしている。しかし相変わらず前座・二つ目時代の名前「与太郎」にちなんだ通称「与太(ヨタ)」と呼ばれる機会も多い。
- 「テレビで見ない日はない」と言われる程の人気落語家に成長したにも関わらず、寄席に積極的に出演したり大師匠衆への気配りを忘れなかったりと、落語への真摯な姿勢は崩さない。
- 小夏に「家族になる」ことを提案、小夏と結婚して一児の父親となる。
- 背中に所謂「鯉金」の筋彫りがあったが、真打昇進を切っ掛けに色を入れて完成させた。しかしのちにこの入れ墨姿を写真週刊誌に隠し撮りされ「元ヤクザ」と書き立てられる。
- 八代目 有楽亭 八雲 (ゆうらくてい やくも)
- 落語協会会長も務める「落語界の重鎮」。自身の芸に衰えを感じつつも頑なに変化を拒み、落語と共に心中するつもりでいた心境が、三代目助六や信乃助、樋口などの登場により揺れ動きを見せる。
- 小夏(こなつ)
- 三代目助六と夫婦になる。出産を機に勤めていた料亭を辞め、長男・信乃助の成長後は寄席で出囃子を務める。
- 信乃助(しんのすけ)
- 三代目助六と小夏の長男(生物学的な父が誰かは不明)。名前の「信」の字は祖父・二代目助六の本名と共通し、髪型も祖父譲り。愛嬌があって、寄席の楽屋や周辺地域などの大人たちから可愛がられている。
- 樋口 栄助(ひぐち えいすけ)
- 人気作家。三代目助六のご贔屓筋。芸者衆の通称は「ひーさん」。落語に深く精通している。
- 学生時代、資産家の長男に生まれた重圧から逃げるように八代目八雲(当時・菊比古)に弟子入りを志願するも断られた経歴を持つ。
- 三代目助六に「落語の生きる道」の模索を提案し、頑なに心を閉ざす八代目八雲にその協力を求める。
- 城戸 績(きどいさお)
- 『助六再び篇』より登場。ヤクザ「吉切組」組長。チンピラ時代の強次(与太郎)のアニキの親分。与太郎の八雲入門を機に、八代目八雲と交流を持つ。
その他の登場人物
- 松田(まつだ)
- 声 - 牛山茂
- 七代目・八代目と2代に渡り八雲の身の回りの世話や運転手をしている付き人の老人。
- 八代目八雲が気を許す数少ない人物のひとり。物腰穏やかで丁寧な態度や、好々爺のような風貌とは裏腹に、三代目助六に「スパルタ」と言われる程に厳しくお茶の淹れ方を教えたり、小夏未婚で妊娠した際に烈火の如く怒ったりした。
- 八雲邸には住み込みではなく通いで勤めている。七代目八雲の死去を機に、体調を崩していた妻の看病のために一時期付き人を辞めているが、後に八代目の付き人となっている。『助六再び篇』では「孫がいる」ことが明かされている。
- アマケン
- 声 - 山口勝平
- 落語評論家。文芸評論家だった父・アマノ(声 - 山口勝平)以来親子2代にわたる八代目八雲の大ファンだが、無粋な物言いを嫌がる八雲当人からは嫌われている。
- 円屋 萬歳(つぶらや ばんさい)
- 声 - 茶風林
- 上方落語家。100人の弟子を持つ上方落語界の重鎮。本名淀川公男。八雲とは七代目・八代目を通じて毎年夏に京都で二人会を開催していた。
- 『与太郎放浪篇』においては、往時より衰えはあるものの落語を披露していたが、『助六再び篇』では既に故人となっている。『八雲と助六篇』には壮年期の萬歳が、幼少期の四代目萬月と思しき子供の写真を見せる場面が描かれている。
- 四代目 円屋 萬月(つぶらや まんげつ)
- 声 - 遊佐浩二
- 萬歳の弟子であり息子。上方の落語家ながら、八代目八雲の落語に惚れ込んでおり、弟子入りを志願して何度も東京に通うも断られた過去を持つ。
- 『与太郎放浪篇』では、八代目八雲唯一の弟子となった与太郎に対し嫉妬し、毒づく場面が描かれていた。
- 『助六再び篇』では、東京と比べても衰退著しかった上方落語の将来を悲観し、父の死を機に落語家を廃業したことを明かす。落語家廃業中は、父の人脈を活かしテレビ出演にて生計を立てていたが、後に上方落語を後世に残す必要性を感じ始め、三代目助六との二人会で高座に復帰する。三代目助六に対しては妬みを残しつつも、認めるようになった。
- 猫助師匠
- 声 - 林家しん平
- 『与太郎放浪篇』に登場した東京の落語家。林家しん平はアニメ版の落語監修を担当している。
- アニさん
- 声 - 須藤翔
- 前座(与太郎)時代の三代目助六に、楽屋でのお勤めや振る舞いについて教育した先輩落語家。芸歴は三代目助六の5年先輩。気配りが出来る一方、八代目八雲からは「好かれる前座は出世しない」と皮肉られていた。実際、のちに与太郎が真打昇進・助六襲名を果たした際には、未だ二ツ目だったアニさんを追い抜く形となっている。
- お千代
- 声 - 伊藤結衣
- 『八雲と助六篇』に登場。寄席の下座見習いをしていた少女で、前座だった菊比古が初めて付き合った相手。戦争の激化で菊比古より先に疎開し、菊比古と別れた。
- お栄(おえい)
- 声 - 斎藤恵理
- 小夏が勤めていた料亭の女将。料亭はもともと置屋だったものが戦後の法規制(売春防止法)により鞍替えしたもので、『八雲と助六篇』においてはお栄は置屋の娘、また小夏の母・みよ吉はそこの芸者という立場であった。
書誌情報
- 雲田はるこ『昭和元禄落語心中』 講談社〈KCx ITAN〉、全10巻
- 2011年7月7日発売 ISBN 978-4-06-380514-7
- 2012年1月6日発売 ISBN 978-4-06-380554-3
- 2012年10月5日発売 ISBN 978-4-06-380592-5
- 2013年6月7日発売 ISBN 978-4-06-380631-1
- 2014年2月7日発売 ISBN 978-4-06-380708-0
- 2014年8月7日発売 ISBN 978-4-06-380752-3
- DVD付き 特装版 ISBN 978-4-06-358742-5
- 2015年3月6日発売 ISBN 978-4-06-380788-2
- DVD付き 特装版 ISBN 978-4-06-358744-9
- 2015年8月7日発売 ISBN 978-4-06-380788-2
- 2016年2月5日発売 ISBN 978-4-06-380832-2
- 2016年9月7日発売 ISBN 978-4-06-380876-6
- 小冊子つき特装版 ISBN 978-4-06-362340-6
- 雲田はるこ・監修:ITAN編集部 『昭和元禄落語心中 アニメ公式ガイドブック』 講談社〈KCデラックス BE LOVE〉
- 2015年12月11日発売 ISBN 978-4-06-377392-7
アニメ
この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。 |
2015年3月発売の単行本第7巻と同年8月発売の第8巻にOVA収録のDVDが付く特装版が発売。全2巻で「与太郎放浪篇」がアニメ化された。
テレビシリーズは第1期が2016年1月より4月までMBSほか『アニメイズム』B2枠にて放送された。第1話はOVAにあたる「与太郎放浪篇」をテレビ放映向けに再編集した1時間編として放送し、第2話以降は「八雲と助六篇」を放送した[6]。
第2期「助六再び篇」は2017年1月より放送予定[7]。
スタッフ
特記なき場合はOVA・TVアニメ共通。
- 原作 - 雲田はるこ『昭和元禄落語心中』(講談社『ITAN』連載)
- 監督 - 畠山守
- 落語監修 - 林家しん平
- シリーズ構成 - 熊谷純
- キャラクターデザイン - 細居美恵子
- プロップ作画監督 - 石川洋一(OVA其ノ一、第2話 - )
- デザインワークス - 秋庭映美、大和田彩乃
- 美術監督・美術設定 - 黛昌樹
- 色彩設定 - 佐野ひとみ
- 撮影監督 - 浜尾繁光
- 3DCG監督 - 樋本悠貴
- 編集 - 松原理恵
- 音響監督 - 辻谷耕史
- 音楽 - 澁江夏奈
- 音楽制作 - スターチャイルドレコード
- プロデューサー - 折橋洋一(OVA)、矢田晶子・山崎慶彦・亀井博司(TV)
- アニメーションプロデューサー - 浦崎宣光
- アニメーション制作 - スタジオディーン
- 製作 - 昭和元禄落語心中OAD製作委員会(OVA)、落語心中協会(TV)
主題歌
TVアニメ版のみ。
- オープニングテーマ「薄ら氷心中(うすらひ しんじゅう)」
- 作詞・作曲・編曲 - 椎名林檎 / 木管編曲 - 村田陽一 / 歌 - 林原めぐみ[8][9]
- #1、#2、#11、#12はオープニングテーマなし、#1はエンディングテーマとして使用
- エンディングテーマ「かは、たれどき」
- 作曲・編曲 - 澁江夏奈
各話リスト
話数 | エピソード | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
OVA | ||||||
其ノ一 | 与太郎放浪篇 | 熊谷純 | 畠山守 | 赤城博昭 | 浅井昭人、森本浩文 | 石井明治 森本浩文 |
其ノニ | 竹下健一 | 石川洋一、木村友美 | 中嶋敦子 | |||
TVシリーズ | ||||||
第一話 | 与太郎放浪篇 | 熊谷純 | 畠山守 | 赤城博昭 竹下健一 |
浅井昭人、森本浩文 石川洋一、木村友美 |
石井明治 森本浩文 中嶋敦子 |
第二話 | 八雲と助六篇 | 久保太郎 | 加藤万由子、松尾亜希子 | 森本浩文 | ||
第三話 | 望月智充 | 村田尚樹 | 中島美子、ウクレレ善似郎 | 中嶋敦子 | ||
第四話 | 中西やすひろ | 田頭しのぶ | 上野史博 | 小林ゆかり | 森本浩文 | |
第五話 | 待田堂子 | 名村英敏 | 牧野友映 | 佐藤このみ、桜井正明 松尾亜希子、森本浩文 |
中嶋敦子 | |
第六話 | 柿原優子 | 中山奈緒美 | 村田尚樹 | 木村友美、小島絵美 | 森本浩文 | |
第七話 | 中西やすひろ | 望月智充 | 久保太郎 | 松尾亜希子、加藤万由子 名村英敏、佐藤このみ |
中嶋敦子 石井明治 森本浩文 | |
第八話 | 待田堂子 | 田頭しのぶ | 浅利藤彰 村田尚樹 |
石川洋一、ウクレレ善似郎 中島美子 |
森本浩文 | |
第九話 | 熊谷純 | 木村延景 | 森本浩文、佐藤このみ 藤田正幸 |
中嶋敦子 | ||
第十話 | 柿原優子 | 名村英敏 | 中村近世 | 小林ゆかり | 森本浩文 | |
第十一話 | 中西やすひろ | 園田雅裕 | 園田雅裕 村田尚樹 |
木村友美、石川洋一 森本浩文 |
中嶋敦子 | |
第十二話 | 熊谷純 | あべたつや | 松尾亜希子、石井明治 森本浩文、木村友美 中島美子 |
森本浩文 | ||
第十三話 | 畠山守 | 久保太郎 浅利藤彰 |
森本浩文、木村友美 佐藤このみ、ウクレレ善似郎 |
中嶋敦子 |
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [11] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2016年1月9日 - 4月2日 | 土曜 2:25 - 2:55(金曜深夜) | TBSテレビ | 関東広域圏 | |
土曜 2:40 - 3:10(金曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 | 製作局 | |
土曜 3:13 - 3:43(金曜深夜) | CBCテレビ | 中京広域圏 | ||
2016年1月10日 - 4月3日 | 日曜 0:30 - 1:00(土曜深夜) | BS-TBS | 日本全域 | BS放送 |
2016年1月20日 - 4月13日 | 水曜 21:30 - 22:00 | AT-X* | 日本全域 | CS放送 / リピート放送あり |
更新期間 | 更新時間 | 配信サイト | 備考 |
---|---|---|---|
2015年1月16日 - | 日曜 1:00(土曜深夜) 更新 | Amazonプライム・ビデオ | 第1話が1月7日に先行配信 |
BD / DVD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 | ||
---|---|---|---|---|---|
BD限定版 | BD通常版 | DVD限定版 | |||
1 | 2016年2月24日 | 第1話 | KIXA-90617 | KIXA-617 | KIBA-92265 |
2 | 2016年3月23日 | 第2話 - 第3話 | KIXA-90618 | KIXA-618 | KIBA-92266 |
3 | 2016年4月27日 | 第4話 - 第5話 | KIXA-90619 | KIXA-619 | KIBA-92267 |
4 | 2016年5月25日 | 第6話 - 第7話 | KIXA-90620 | KIXA-620 | KIBA-92268 |
5 | 2016年6月22日 | 第8話 - 第9話 | KIXA-90621 | KIXA-621 | KIBA-92269 |
6 | 2016年7月27日 | 第10話 - 第11話 | KIXA-90622 | KIXA-622 | KIBA-92270 |
7 | 2016年8月24日 | 第12話 - 第13話 | KIXA-90623 | KIXA-623 | KIBA-92271 |
第1巻収録の第1話はディレクターズ・カット版を収録。
登場する落語
- 第1話 - 死神、出来心、初天神、鰍沢
- 第2話 - 野ざらし、子ほめ、時そば
- 第3話 - 明烏、宮戸川、黄金餅、あくび指南、野ざらし、包丁
- 第4話 - 夢金、明烏
- 第5話 - 品川心中
- 第6話 - 牛ほめ、お血脈、品川心中
- 第7話 - 火焔太鼓、文違い、品川心中、五人廻し、らくだ
- 第8話 - 紺屋高尾、置泥、船徳、死神
- 第9話 - 居残り佐平次、紙入れ
- 第10話 - 子別れ、死神、野ざらし
- 第11話 - 酢豆腐、野ざらし
- 第12話 - 明烏、芝浜
- 第13話 - 野ざらし
- 第14話 - 野ざらし、死神、浮世床
脚注
注釈
- ^ 鹿は噺家(はなしか)の「しか」のもじり
出典
- ^ 文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞記念展『昭和元禄 落語心中』と雲田はるこ〜落語に行こうぜ!〜 - 明治大学
- ^ “昭和元禄落語心中:人気落語マンガが6年の連載に幕”. MANTANWEB. (2016年6月7日) 2016年6月7日閲覧。
- ^ “優秀賞 - 昭和元禄落語心中|受賞作品|マンガ部門|第17回 2013年|文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品”. 文化庁. 2015年11月24日閲覧。
- ^ “講談社漫画賞に昭和元禄落語心中、たいようのいえなど”. コミックナタリー (2014年5月8日). 2015年11月24日閲覧。
- ^ “雲田はるこ「昭和元禄落語心中」TVアニメ化!関智一、石田彰ら”. コミックナタリー (2014年12月5日). 2015年11月24日閲覧。
- ^ “アニメ「落語心中」初回は「与太郎放浪篇」をオンエア!新PV&カット公開”. コミックナタリー (2015年11月11日). 2015年11月11日閲覧。
- ^ “「昭和元禄落語心中」2017年1月より第2期放送スタート “助六再び篇”をアニメ化”. アニメ!アニメ! (2016年8月5日). 2016年8月23日閲覧。
- ^ “林原めぐみ×椎名林檎「昭和元禄落語心中」で相思相愛コラボ”. 音楽ナタリー (2015年10月7日). 2015年11月24日閲覧。
- ^ “アニメ「落語心中」林原めぐみ×椎名林檎の主題歌「薄ら氷心中」は2月発売”. コミックナタリー (2015年11月20日). 2015年11月24日閲覧。
- ^ “ON AIR”. アニメ「昭和元禄落語心中」. 2015年11月11日閲覧。
- ^ テレビ放送対象地域の出典:
- 政府規制等と競争政策に関する研究会 (2009年10月9日). “放送分野の動向及び規制・制度(資料2)” (PDF). 通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2. 2018年10月24日閲覧。
- “基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号. 総務省 (1988年10月1日). 2022年5月11日閲覧。
- “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2022年8月5日閲覧。
- ^ “ON AIR”. アニメ「昭和元禄落語心中」. 2016年1月12日閲覧。
外部リンク
- 公式サイト「昭和元禄落語心中」雲田はるこ|ITAN|講談社コミックプラス
- アニメ「昭和元禄落語心中」公式サイト
- TVアニメ「昭和元禄落語心中」番組サイト(MBS)
- アニメ「昭和元禄落語心中」 (@rakugoshinju) - X(旧Twitter)
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