傘寿まり子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
傘寿まり子
漫画
作者 おざわゆき
出版社 講談社
掲載誌 BE・LOVE
レーベル KCデラックス BE LOVE
発表号 2016年12号 -
発表期間 2016年6月1日 -
巻数 既刊6巻(2018年4月13日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

傘寿まり子』(さんじゅまりこ)は、おざわゆきによる日本漫画作品。『BE・LOVE』(講談社)に2016年12号より連載中。

概要[編集]

傘寿」は80歳を表す呼称であり、本作の主人公は80歳の高齢者である[1]。主人公が80歳で、高齢者問題を描く本作は現代的なリアリティがあり、現代社会の問題を凝縮していることから、好評を博している[1]

おざわゆきは、本作の執筆テーマとして、最近の高齢者はおざわが読んだ高齢者のエッセイなどのように煩悩が離れていった仙人のような達観した生き方ではなく、自身の母も含めて歳をとっても人間的には以前と変わらない、「年をとっても仙人にはなれない」というのを本作の1つとインタビューで答えている[2]

2018年には、第42回講談社漫画賞一般部門を受賞した[3]

あらすじ[編集]

幸田まり子は80歳のベテラン作家。息子夫婦と孫夫婦、ひ孫と同居し賑やかな老後を過ごしているように思えたが、息子夫婦と孫夫婦の間で住居問題が発生し、まり子は傘寿(80歳)にして家を出て「独立」することを決意する。

まず、まり子は民間賃貸住宅を借りようとするが、作家の仕事や年金の受給もあることから、家賃支払い能力が充分あるにも関わらず、高齢者ゆえの入居差別に遭い、住宅を借りられない[4][5]。ホテル住まいも金がかかるということで、まり子はネットカフェ難民となる[5]

そんな中、まり子はかつての作家仲間服部じゅん子の元夫八百坂親承と再会する。まり子と八百坂の間に恋心が芽生え、二人は八百坂の自宅で同棲を始め、まり子はネットカフェを引き払う。ある日、まり子は新作小説の取材旅行をすることになり、八百坂の運転で山梨県を目指す。高速道路に入った八百坂は交通事故を起こし、それによって二人の同棲が、八百坂の親族に知れることとなる。

登場人物[編集]

幸田まり子(こうだ まりこ)
本作の主人公。80歳のベテラン小説家で息子夫婦と孫夫婦とひ孫と同居している。夫とは死別している。仕事・経済面・家族にも恵まれているが、息子夫婦や孫夫婦の住居問題に巻き込まれたことを機に家を出て「独立」することを決意する。
「独立」決意後、アパートを借りようとするが高齢者ゆえの入居差別に家を借りる事が出来ず、ホテルもお金がかかる事から断念し行き場に困るまり子だったが、編集者の斉藤との会話の中でネットカフェの存在を知り、ネットカフェで生活を始める。
小説家としてずっと現役であり、主婦業には専念していないため、そういった観点からは少々浮世離れしている点もある[6]
おざわの願望も反映されており、身体の痛みなどは訴えないことから、意図せずして新しい高齢者像となった[6]
八百坂親承(やおさか ちかつぐ)
まり子の作家仲間だった服部じゅん子の元夫。じゅん子との間に娘を儲けたが離婚。彼女との離婚後はマンションで一人暮らしをしている。
幸田こうじ(こうだ こうじ)
まり子の息子で会社員。
幸田初子(こうだ はつこ)
こうじの妻で、ハヤトの母。世間体を強く気にするなど神経質ぎみな性格。
幸田ハヤト(こうだ ハヤト)
こうじ・初子夫妻の息子(つまり、まり子の孫)。妻の彩花とは「できちゃった結婚」という馴れ初めの為か、経済的に不安定なこともあり両親と同居している。
幸田彩花(こうだ あやか)
ハヤトの妻。明るい性格の女性だが、「できちゃった結婚」という馴れ初めの為か、家事や育児面で不十分な所があり、初子を苛立たせている。
幸田宙(こうだ そら)
まり子のひ孫でハヤト・彩花夫妻の息子。
斉藤(さいとう)
出版社社員。まり子の担当編集者。
服部じゅん子(はっとり じゅんこ)
まり子の作家仲間。故人。若いころは才色兼備な女性で、まり子の憧れの存在になるような華やかな女性だったが、晩年は病気がちで家族とも折り合いが悪く、自宅で「孤独死」した。
クロ
まり子が拾った黒色の猫。元々は飼い猫だっが、まり子に拾われた時はゴミやホコリの塊に間違えられるほど体が汚れていた。
ネットカフェのオーナー
まり子が来店したネットカフェの女性オーナー。不動産業を営んでおり、クロを連れてネットカフェに来店した事を告白したまり子に対し、自身の店子(入居者)の動物病院をまり子に紹介した。年齢はまり子と同世代と思われる。
ネットカフェの店員
若い男性店員。フルネームは不明だがオーナーから「島田」と呼ばれている描写がある。ネットカフェに高齢者の客が来ることは珍しい為か、まり子の事を気味悪がる。

書誌情報[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 藤田孝典 (2017年3月12日). “家族と一緒では生きづらい…超高齢化社会にひそむ「本当の問題」”. 現代ビジネス. p. 1. 2018年1月5日閲覧。
  2. ^ 松澤夏織 (2016年12月27日). “80歳のひ孫持ちヒロイン爆誕『傘寿まり子』漫画家に聞く”. エキサイトレビュー. p. 1. 2018年1月5日閲覧。
  3. ^ 講談社漫画賞はBEASTARS、透明なゆりかご、傘寿まり子、フラジャイルに決定”. コミックナタリー. ナターシャ (2018年5月10日). 2018年5月10日閲覧。
  4. ^ 藤田孝典 (2017年3月12日). “家族と一緒では生きづらい…超高齢化社会にひそむ「本当の問題」”. 現代ビジネス. p. 3. 2018年1月5日閲覧。
  5. ^ a b 「自分でもつらいのよ…”. 毎日新聞 (2017年3月5日). 2018年1月5日閲覧。
  6. ^ a b 松澤夏織 (2016年12月27日). “80歳のひ孫持ちヒロイン爆誕『傘寿まり子』漫画家に聞く”. エキサイトレビュー. p. 3. 2018年1月5日閲覧。
  7. ^ 『傘寿まり子 (1)』(おざわゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年5月10日閲覧。
  8. ^ 『傘寿まり子 (2)』(おざわゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年5月10日閲覧。
  9. ^ 『傘寿まり子 (3)』(おざわゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年5月10日閲覧。
  10. ^ 『傘寿まり子 (4)』(おざわゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年5月10日閲覧。
  11. ^ 『傘寿まり子 (5)』(おざわゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年5月10日閲覧。
  12. ^ 『傘寿まり子 (6)』(おざわゆき)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年5月10日閲覧。

外部リンク[編集]