3月のライオン

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3月のライオン
ジャンル 将棋青年漫画
漫画
作者 羽海野チカ
出版社 白泉社
掲載誌 ヤングアニマル
レーベル ジェッツコミックス
発表号 2007年14号 -
巻数 既刊11巻(2015年9月25日時点)
その他 監修:先崎学
取材協力:日本将棋連盟壽堂
漫画:3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代
原作・原案など 羽海野チカ(原案・監修)
作画 西川秀明
出版社 白泉社
掲載誌 ヤングアニマル
発表号 2015年9号 -
巻数 既刊2巻(2016年3月29日時点)
アニメ
原作 羽海野チカ
監督 新房昭之
キャラクターデザイン 杉山延寛
音楽 橋本由香利
アニメーション制作 シャフト
製作 「3月のライオン」アニメ製作委員会
放送局 NHK総合
放送期間 2016年秋 -
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

3月のライオン』(さんがつのライオン)は、羽海野チカによる日本漫画作品。将棋を題材としており、棋士先崎学が監修を務める。『ヤングアニマル』(白泉社)にて2007年第14号から連載中である。原則毎号連載だが休載が多いため実質不定期連載となっている(特にコミックス新刊発売前は2 - 3号程連続で休載し、新刊発売時に連載再開する際、発売されたコミックスの続きから本誌で読めるようになっている。)

棋戦について、作中では全部で7つのタイトル戦が存在するが、名人戦以外は棋戦の名称が現実のものと異なる架空のものとなっている。

2009年第2回マンガ大賞2009第3位、2011年全国書店員が選んだおすすめコミック2011」第2位、2015年SUGOI JAPAN AWARD 2015マンガ部門第4位に選ばれた。また、2010年に第1回ブクログ大賞マンガ部門大賞、2011年に第4回マンガ大賞2011および第35回講談社漫画賞一般部門、2014年に第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞している。同誌連載の『ベルセルク』作者・三浦建太郎から「アニマル一男らしいマンガ」と評価されている[1]

他業種とのコラボレーションも行っており、食品では雪見だいふくにイラストが掲載され[2]アーケードゲーム天下一将棋会2では、期間限定で本作品に登場するキャラクターとのCPU対局モードが公開された[3]。また、単行本10巻ではBUMP OF CHICKENのCDが付属した特装版が販売され[4][5]、本作品のファンブック『3月のライオン おさらい読本 初級編』に松井玲奈のコラボレーショングラビアが収録されている[6]

2015年4月24日発売のヤングアニマル9号より、羽海野チカ原案・監修、西川秀明執筆による「3月のライオン」のスピンオフ「3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代」が、スタートした[7]

2015年9月にテレビアニメ化と実写映画化が発表された[8]。2016年秋よりテレビアニメが放送予定[9]。2017年に映画化作品公開予定(後述)[10]

あらすじ[編集]

15歳で将棋のプロ棋士になった少年・桐山零(きりやま れい)は、幼い頃に交通事故で家族を失い、父の友人である棋士、幸田に内弟子として引き取られた。六月町にて1人暮らしを始めた零は高校へ進学しなかったが、プロ1年目は順調に5段に昇級する。その後1年遅れで高校に入学するが、周囲に溶け込めず校内で孤立し、将棋の対局においても2年目は昇級できなかった。自らの境遇を停滞していると感じていた零は、ある日先輩棋士に無理やり付き合わされたあげくに酔いつぶされ、倒れてこんでいたところをあかりに介抱されたことがきっかけで、橋向かいの三月町に住む川本家と出会い、夕食を共にするなど交流を持つようになる。

そんな折、獅子王戦トーナメントにて、義姉の香子を巡る因縁を持つ棋士・後藤との対決に零は気炎を上げるが、それを意識するあまりに己の分を見失い、格上であるA級棋士の島田をあなどっていたことを島田本人に見透かされて、大いに恥じる。その後、島田と後藤の対局を見た零は、ひとつ自分の殻を破り、島田の研究会に参加する。学校生活でも、担任の教師・林田の提案で将棋部を設立することになり、紆余曲折を経て放課後理科クラブと合体した放課後将棋科学部(将科部)に所属し、部活動を体験する。 こうして様々な人々に関わることで、少しずつ零の心境に変化が生じていった。

進級後しばらくして、零は川本家の次女・ひなたがいじめ問題に巻き込まれたことを知る。いじめられていた同級生をかばったことで、今度は自身がいじめの標的になり、それでも自分がしたことは間違っていないと叫ぶひなたを見て、幼いころ抱えた心の傷から救われた零は、何があっても彼女を守ると誓う。同じ頃、新人王トーナメントの対局中に二海堂が倒れ、重い病気(慢性の腎臓病)を隠しながら将棋を指し続けていたことを知った零は、自身の力を尽くさず、千日手に持ち込んで二海堂を棄権に追いやった行為に怒りを燃やし、山崎を決勝で破り新人王になる。その後、ひなたのいじめ問題が一応の解決を見、新人王を獲得して将科部の面々から祝福を受けた零は、名人位のタイトルホルダーである宗谷との記念対局に臨んだ。

夏休みに入り、零が通う高校への進学を決意したひなたのため、零は家庭教師としてひなたの受験勉強を支援する。ひなたは無事合格し、入学後すぐに友人もでき、明るく楽しげななひなたの様子に、零は遠くから見守りつつ安堵する。

しかし、川本家の祖父・相米二が不整脈で入院した直後に、家を出て行ったはずの3姉妹の実父・誠二郎が突然姿を現し、一緒に暮らそう(実は3姉妹を家から追い出し、新たな妻子とともに移り住もう)と提案する。3姉妹の伯母・美咲から事情を聞いた桐山はSNSなどで情報を集め、仕事もいい加減で馘首になり、社宅を追い出されそうなうえ、別の女に子供ができていることを知る。誠二郎の目論みを阻止するため、零はそれを川本家に暴露したうえ介入し、ひなたが婚約者(未プロポーズ)であると宣言する。

それでもあきらめない誠二郎は、零が大阪で藤本雷堂との対局の間に川本姉妹を言いくるめようとするが、対局を零が急戦で勝ち、更に投了しない藤本に婚約者を紹介するという約束をして急いで三月町に戻ることで零と姉妹の両方に合い、あかりの絶縁宣言を受け入れざるえず、情を引くための道具として連れてきた川本姉妹の異母妹と帰った。

登場人物[編集]

主人公[編集]

桐山零(きりやま れい)
演 - 神木隆之介[10]
本作の主人公であるプロ棋士の少年。年齢は物語開始時で17歳。単行本9巻以降の順位戦はB級2組に所属する。六月町という、東京都内にある架空の町に在住している。父方の実家は長野にあり、病院を経営しているが、跡継ぎであった実父の死後、自分の夫へとその席を狙った叔母によって遠ざけられ、以来父方の親類とは疎遠である。性格は大人しく引っ込み思案だが面倒見がよく、作中ではひなたや島田などからは母親みたいだと評されていた。集団に溶け込めず、幼少時は学校内でいじめられることが多かった。小学生の時に交通事故で両親と妹のちひろを亡くし、実父の友人で棋士である幸田の家に内弟子として引き取られた。作中において、史上5人目の中学生プロ棋士となり、中学卒業後は進学せずに幸田の家を出て一人暮らしを始めた。後に1年遅れで私立駒橋高校へ編入するが、友人を作れずに校内で孤立する。将棋の対局においても結果を残せず低迷し、自らの境遇を停滞していると感じていたが、川本家や放課後将棋科学部(将科部)などとの関わりを経て、少しずつ心境に変化が生じる。やがて川本ひなたを特別な存在と感じるようになり、彼女がいじめにあった際は親身になって解決策を考え、身を案じて修学旅行先の京都へかけつけるなどした。将科部が廃部となった後は、校長や教頭などを加えた将棋クラブが設立され、その部長となっている。棋風は居飛車も振飛車も指すオールラウンダーで、島田からは宗谷と雰囲気が似ていると評される。新人王トーナメントで優勝し、宗谷冬司と記念対局を行った。

川本家[編集]

川本あかり(かわもと あかり)
三月町という架空の町に住む川本家の長女。年齢は単行本9巻の時点で23歳。死んだ母親の代わりに妹たちの面倒を見ながら、昼は祖父の経営する和菓子屋・三日月堂の手伝いに従事し、夜は週に2回、伯母の経営する銀座の店・美咲でホステスとして働いている。評判の美人で、常連客である棋士たちにもファンが多い。猫・鳥・人間を問わず痩せている生物を放っておけない性質で、拾ってきては食べ物を与えて太らせる。妹たちの母親代わりを務めるため普段は気を張っているが、ひなたがいじめの標的にされた際は動揺し、時に涙を流すこともあった。料理が得意であり、ひなたと共に零を気にかけている。
川本ひなた(かわもと ひなた)
川本家の次女。初登場時は中学2年生で、単行本5巻以降は3年生に進学し、単行本9巻で零が通う私立駒橋高校に入学した。零を夕食に招待するなど、姉のあかりと共に零を気にかけている。佐倉ちほをいじめからかばったことで今度は自身がいじめの標的にされるが、泣きながらも「私は間違っていない」と叫ぶ姿は、零を過去の心の傷から救い出した。なお、このいじめに関するエピソードは、作者・羽海野の姪が、クラスでいじめられていた子をかばった実話を元にして描かれている[11]。高校へ進学した単行本9巻からは髪型がボブカットになった。高校では「手作り部」に入部し、つぐみという友人ができた。
川本モモ(かわもと モモ)
川本家の末っ子。保育園に通っている。天真爛漫で桐山や姉たちに甘え、作中に登場するアニメのキャラクター・ボドロに体型が似ている二海堂に懐く。
川本相米二(かわもと そめじ)
川本家の祖父。姉妹の母親である美加子の父親で、和菓子屋・三日月堂の店主を務める。孫娘たちをこよなく愛する。将棋ファンであり、零の対局について関心を寄せている。単行本10巻にて不整脈で倒れて入院する。幼くして両親を失い、また若年ながらプロの世界で戦い続けてきた零に、戦後の混乱の中で家族を失い、必死で生きてきた自身の過去を重ね合わせ、「世代を超えた戦友と感じている」と告げ、ひなたとの結婚を認める。
美咲(みさき)
3姉妹の伯母で、あかりが勤める銀座のスナック・美咲のママ。川本家の3姉妹を気にかけ、あかりを家事から解放するために店のホステスとして雇う反面、店を盛り上げるためにちゃっかり利用するなど、商売っ気の強いところもある。店の常連には、棋士や将棋連盟の関係者、企業主などが多い。
川本美加子(かわもと みかこ)
川本家の母親。物語開始時点で既に故人。夫(あかり・ひなた・モモの実父)であった誠二郎との離婚後、女手一つで娘達を育てていた。

島田研究会[編集]

島田開(しまだ かい)
30歳代後半。A級、八段。居飛車党。痩身で頭髪は薄く、奨励会に在籍していた頃から胃痛持ちであり、作中でもそれらをよくネタにされている。宗谷冬司と同じ年齢で奨励会の同期[12]である。二海堂の兄弟子で、二海堂とはお互いに「坊」「兄者」と呼び合う仲の良さである。ライバルの身を案じた二階堂からの願いがきっかけで零に興味を持ち、自らが主催する研究会に誘った。山形県天童市付近の村の出身で、果実の収穫や酪農などを手伝って奨励会への交通費を稼ぎ、棋士となった苦労人である。タイトルホルダーとなって故郷に錦を飾ることを目標とするが、将棋にのめり込むあまり恋人に愛想をつかされて、いまだ独身である。しかし後輩の面倒見がよく、また故郷の過疎問題に心を砕くその人柄から、周囲の棋士たちや記者に慕われている。獅子王戦で宗谷に挑戦するが、0勝4敗のストレートで敗北する。その後、棋匠戦で柳原に挑戦するが、2勝3敗とタイトル獲得はならなかった。
二海堂晴信(にかいどう はるのぶ)
C級2組、四段。単行本5巻以降はC級1組、五段である。零とは幼少期から子供将棋で対局を重ね、「心友」かつ「終生のライバル」を自称する。島田の弟弟子であり、島田の研究会に所属し、居飛車党で居飛車穴熊を好む。富裕な良家の子息だが、幼い頃から腎臓を患っている影響でふくよかな体型をしており、常に健康に不安を抱えている。そのため執事の花岡が付き従い、本人に内緒でGPSを持たされているため、どこにいても居場所を花岡に知られている。絵を描くのが好きで、豪華な装丁の将棋入門絵本を作成した。新人戦トーナメント準決勝で千日手の指し直しとなり、体調の悪化から持久戦に耐え切れず倒れて敗退したが、入院生活を経て玉将戦2次予選から復帰し、一手損角換わりで新手を指して勝利する。監修の先崎学は単行本の解説で、本作の各登場人物のモデルが誰かについては難しいとしつつも、二海堂については、夭折した村山聖との類似を指摘している。
重田盛夫(しげた もりお)
B級2組。島田と同期。無口だが、場に慣れると毒舌になる。二海堂と激しく口論するのが島田の胃痛の種だったが、零が研究会に参加するようになってから状況はさらに悪化した。振り飛車党である。

幸田家[編集]

幸田(こうだ)
零の師匠で棋士八段。目白在住。零の実父の友人で、過去には奨励会で競い合った仲であった。以前から零に才能を見出しており、家族を失った零を内弟子として引き取った。だが何事においても将棋を中心に据えてしまうため、将棋の才能で実子たちを抜き去った零を、そうと気づかぬまま特別扱いし、香子と歩の心を傷つけ、家庭の不和を招いてしまった。香子との親子関係に悩んでいるが、未だにその原因には気付いていない。
幸田香子(こうだ きょうこ)
幸田家の長女。零より4歳年上の女性で義姉にあたる。気性も棋風も激しいが、容姿に恵まれ、人を惹きつけるカリスマ性を持っている。奨励会に所属していたが、零に勝てないことを理由として中学2年生の時に辞めさせられたため、慕っていた父に人生を否定されたと感じて傷つき、その後は街で遊び回るようになる。父の愛情を奪った零に対しては、時に「ゼロ」と呼び、辛辣な態度で接する反面、部屋に上がり込んで自身の心情を吐露するなど、複雑な心情が描写されている。妻帯者で、幸田の弟弟子である後藤に好意を抱き、その関係に悩んでいる。現在は派遣社員として働いている。
幸田歩(こうだ あゆむ)
幸田家の長男。零と同じ歳だが、立場上は義弟にあたる。零に将棋の腕を追い抜かれて落ち込み、自ら将棋を放棄し、家にこもってテレビゲームばかりするようになった。香子と同様に、零に対して辛辣な態度を取る。現在は予備校に通っている。
幸田の妻
実子である香子・歩と、内弟子として幸田家にやってきた零を比較し、複雑な感情を抱いている。その一方、夫の一番の理解者は同じ境遇を歩んできた零であることにも気付いている。

棋士[編集]

タイトルホルダー[編集]

宗谷冬司(そうや とうじ)
30歳代後半。銀閣寺の近くで祖母と暮らしている。物語開始時点から名人に在位しており、他に獅子王・棋神・聖竜・玉将を獲得している。名人戦は6連覇で通算12期、玉将戦は5連覇の記録を持つ。中学在学時の15歳でプロ棋士になった後、21歳で史上最年少で名人位に就き、さらに史上初の7大タイトル独占を成し遂げた。島田と同年齢だが、宗谷の容姿はプロになった中学生の当時とほとんど変わらない。あらゆる戦型を指しこなすオールラウンダーである。劇中の10年ほど前から、ストレスが原因とされる突発性難聴を持病として抱え、時折耳が聞こえなくなるせいで言動がおかしく見えることもあるが、周囲からは天才ゆえの奇矯と受け取られており、彼の障害を認識しているのは会長の神宮寺や後に事情を知った桐山など、ごく僅かな人のみである。また、宗谷自身は静かでよいと神宮寺に告げ、途中で治療を止めている。モデルは谷川浩司羽生善治を「足して2で割っていない」キャラクター設定とされている[13]
藤本雷堂(ふじもと らいどう)
棋竜のタイトルホルダー。口が悪く大人気ない所があるが、その放言ぶりを喜んでいるファンもいる。才能のある若手を見ると、しつこくからむ悪癖があるが、ひねくれた愛情表現であり、どこか憎めない人物。
柳原朔太郎(やなぎはら さくたろう)
棋匠のタイトルホルダーで通算14期。現役最年長の老棋士で自称還暦前だが、実際は66歳で古稀前であることが後に判明した。神宮寺とは「徳ちゃん」「朔ちゃん」と呼び合う仲である。若手との対局では、ひらひらとかわしてからかうような棋風とされる。激闘の末島田とのタイトル戦に勝利し、棋匠の永世位を獲得した。また、新人王経験者で名人位を獲得したこともある。

A級[編集]

隈倉健吾(くまくら けんご)
九段。靴のサイズが29.5センチメートルの大柄な体格で、柔道五段・K-1から誘いがきたなどの噂がある。名人戦において第66期から第69期まで4期連続で宗谷に挑戦し、69期ではあと1勝で名人位奪取というところまで迫るが敗北。その後の記者会見でも泰然自若とした姿勢を崩さなかったが、悔しさのあまり旅館の壁を蹴り抜くなど、熱情を内に秘めている。甘党かつ酒豪であり、対局中にケーキ3個をほおばる姿は名人戦の名物とされ、また、ケーキをつまみに芋焼酎のボトルを空けた逸話の持ち主でもある。
後藤(ごとう)
40代。九段。居飛車穴熊など、厚く重い棋風。剛直な風貌と威圧感を備え、また激しい気性の持ち主で、香子の苦しみを見かねた零が絡んだ際には、容赦なく殴り倒している。しかし、真摯に勝負を挑んだ三角に対しては感想戦でアドバイスを送り、また実績の乏しい棋士が島田を揶揄したときは不快感を露わにし、鋭い一言を放って黙らせるなど、一本筋の通った人物である。長期入院中の妻がおり、香子に対しては零の前ではストーカー呼ばわりし、妻の日用品を買わせたり、家から叩き出したりと突き放すような態度を取っているが、その一方、腕時計を買い与えたり、無意識に抱き寄せたりもしている。幸田の弟弟子であった。
辻井武史(つじい たけし)
A級在位8年、九段。駄洒落が好き。第20期獅子王戦本戦トーナメント準々決勝で桐山と対局した。テレビに映りたい一心で、インフルエンザに罹患しているのを隠して立会人を務めようとしたり、天童市のイベントで「ラブミー・テンドゥ」と言い放ち会場を微妙な雰囲気にするなどの前科が多数あり、「残念なハンサム」と評されている。
土橋健司(どばし けんじ)
九段。第70回名人戦の挑戦者となるが、フルセットの末、宗谷に敗れる。宗谷とは少年時代からのライバルであり、名人戦の後、勉強会を始める約束をする。独身で父母と同居し、食事や睡眠などを除いた時間の大半を研究に費やしている。その将棋に対する凄まじいまでの姿勢と、実力のみで運に左右されない強さは、雷堂をして「(宗谷以外で)怖ろしい人物」と言わしめた。また、決まった飲食物を対局先に持ち込み、決まった時間に嗜むなど機械的なまでの生活リズムを持ち、松永に将棋ロボと評された。モデルは漫画家の三浦建太郎と棋士の三浦弘行の2人[14]

B級1組[編集]

櫻井岳人(さくらい がくと)
30歳。七段。華のある風貌と優美な振る舞いで、棋界での集客力はナンバー1とされる。棋匠戦の挑戦者決定戦で島田と対戦するが敗れ、自らのタイトル戦に注目を集めさせたかった柳原を落胆させた。登山が趣味で、先輩・後輩の別なく気に入った棋士を山に誘い、本人の意図しないうちに自身の信奉者を増やしている。
滑川臨也(なめりかわ いざや)
35歳。七段。実家は葬儀屋を営む。痩身でいつも黒いスーツを着用し、その風貌などから「立てば不吉」「座れば不気味」「歩く姿は疫病神」と言われ疎まれるが、本人は人間がとても好きであり、誤解を受けることが多いのも気にしていない。

B級2組[編集]

横溝億泰(よこみぞ おくやす)
30代。七段。初心者への指導将棋が上手であると評される。B級1組の順位戦最終局で滑川に敗れ、B級2組への降級が決まる。
三角龍雪(みすみ たつゆき)
26歳。六段。通称「スミス」。身長180センチメートル。軽妙な棋風で風車を得意とする。飄々とした人物で、零を後輩として可愛がっている一方、棋士としては一目置いている。後藤との対局に敗北した後に子猫を拾い、「いちご」と名づけて飼っている。
入江(いりえ)
B級2組3年目の棋士。23歳でプロ入り後、現在までの昇級には20年を費やしたが、その勝率は6割2分以上と驚異的である。小学生の時に体験した遠泳で溺れかけた経験から、決してパニックを起こさず常に冷静でいることを心がける。甘党で、対局の休憩中に温かい缶入り汁粉を飲む習慣を持つ。また、対局後には、ウイスキーを遠泳の思い出の冷やし飴で割ったものをたしなんでいる。

C級1組[編集]

蜂谷すばる(はちや すばる)
23歳。五段。早指しを得意とする攻撃的な棋風を持つ。20代若手棋士の中で一番の有望格とされている。対局中に舌打ちや貧乏ゆすり、扇子鳴らしを繰り返すため「東のイライラ王子」のあだ名で呼ばれている。他の棋士からは「ハッチ」の愛称とともに妙な人気がある。
安井(やすい)
六段。負けると家庭で荒れてDV行為を繰り返していたため、離婚する羽目になる。順位戦で零と対局するが、中盤のたった一度のミスで戦意を失い、立て直せないまま敗北する。対局後、自分の不満ぶりを零に転嫁し、零の心をかき乱した。

C級2組[編集]

松永正一(まつなが しょういち)
65歳。七段。福島県会津地方出身で、棋士歴40年のベテラン。C級1組の残留をかけて順位戦で零と対局したが、その間中奇矯な行動で零を困惑させ続け、対局後は八つ当たり気味に鰻重をおごらせるなど、夜中まで連れ回した。零との対局で負けた後は引退するかと思われていたが、将棋に対して抱く、好悪だけでは言い表せない感情を涙ながらに吐露した後、引退を撤回して棋士を続ける意思を表明した。大人げないが愛嬌のある好人物。舌禍癖があり、インタビューはテレビの放映にほとんど採用されない。
松本一砂(まつもと いっさ)
26歳。五段。身長181センチメートル。山形県出身。棋風は「攻撃的というより攻撃しかしてこない」と零に評されている。明るく素直な性格で、あかりのファンの一人。「大きな生き物同士」である三角と仲が良い。櫻井から登山に誘われた後は、すっかり櫻井の信奉者になってしまった。
山崎順慶(やまざき じゅんけい)
五段。スキンヘッドに眉なしの魁偉な風貌。五段で停滞したまま新人戦で4期の優勝を果たしたことから、あと1回の優勝で「永世新人王」になると周囲から陰口を叩かれる。厚い壁に当たり自身の限界を感じ始めると共に、桐山や二海堂に対して嫉妬や羨望を抱き、新人戦での対局を経て再起を誓う。趣味は将棋と共に祖父から教わった、レース鳩の育成。

その他[編集]

神宮寺崇徳(じんぐうじ たかのり)
作中で日本将棋連盟の会長を務める。第16世名人。新人王経験者で、過去に7期名人を務めていた。釣りが趣味。性格は陽気で自由奔放。歯に衣を着せぬ物言いをする一方で、若い才能が育つことを楽しみとする。また、公私にわたり宗谷のサポートを行っている。零がアパートを借りる際、保証人になった。
スピンオフ作品「灼熱の時代」の主人公。

私立駒橋高校[編集]

林田高志(はやしだ たかし)
駒橋高校の男性教師。零の高校1年時に担任を務めた。将棋雑誌に詰将棋の投稿作品が採用されたこともあるほどの将棋ファンであり、そのため、零が駒橋高校に編入した際にも、その素性にすぐ気付いた。以来、校内で孤立しがちな零を気にかけている。零の進級後は担任から外れたが、将科部の顧問となり、引き続き面倒を見るほか、ひなたが巻き込まれたいじめや、川本家と誠二郎の問題でも相談に乗っている。
野口英作(のぐち えいさく)
放課後理科クラブ(放科部)の部員で、零より1学年先輩の男子生徒。化学を愛し、色々な実験を行っているが、その内容にはジンジャーエールラムネ納豆の作成などなぜか食品が多い。実験で使用する材料を調達するため、校舎の裏にショウガなどを栽培している。天然パーマと髭を生やした外見、鷹揚で落ち着いた性格から、部活動の先輩からも先輩・部長と呼ばれていた。放科部は部員不足のため廃部の危機を迎えていたが、零を部員に加え、放課後将棋科学部(将科部)となった。
つぐみ
駒橋高校の入学後にできたひなたの友人。綺麗な顔立ちで、すらりとした体型の少女。実家は日暮里で手芸屋を営んでいる。ひなたと共に手作り部に所属し、手芸以外にも園芸や料理と色々な物を一緒に作る。

ひなたの中学校[編集]

高橋勇介(たかはし ゆうすけ)
ひなたの同級生で、幼馴染みかつ初恋の人物。祖父や父親が将棋好きであることから、零がプロ棋士であることを対面前から知っていた。野球部のエースで将来はプロ野球選手を目指しており、中学生でプロ棋士になった零に強い関心を抱き、真摯な質問を投げかけた。ひなたがいじめの標的になった際は、味方がいることを周囲に示した方がいいという理由から、彼女を昼休みのキャッチボールに誘った。甲子園出場を目指し、小学校時代の恩師の勧誘で四国の高校へ進学した。
佐倉ちほ(さくら ちほ)
ひなたの同級生で、小学生の頃からの幼馴染の少女。中学3年生に進学してほどなく、高城を首謀者とした同じ班のクラスメイトからいじめを受けて学校を休みがちになり、父親の単身赴任先である新潟へ引っ越していった。その後は心のケアセンターという施設で、農業の手伝いなどを行いながらカウンセリングを受けている。ひなたとは手紙で交流を続け、夏休みに会うという約束をする。
国分(こくぶ)
学年主任を務める男性教師。ひなたのクラスの担任が心労で入院した後、臨時の担任となる。クラスのいじめ問題に深く切り込み、ひとまずの平穏を取り戻した。その後も根本的な解決を目指し、指導を続けている。
高城めぐみ(たかぎ めぐみ)
ひなたのクラスの生徒でいじめの首謀者。モンスターペアレントの母親がいる。学校によるいじめ問題への介入後、表面上は態度を改めるが、まったく反省しなかったため、国分により指導を受ける。

その他[編集]

花岡(はなおか)
二海堂家の執事で穏やかな物腰の老紳士である。二海堂が子供の頃から世話をしており、常に彼の体調や対局の結果を気に掛けている。勤続45年のリフレッシュ休暇で世界一周旅行をプレゼントされるが、二海堂の健康状態がきがかりで全くリフレッシュできず、早々に帰国した。好物は三日月堂の名物菓子・三日月焼き。
誠二郎(せいじろう)
あかり・ひなた・モモの実父で、陽気だが気まぐれかつ無神経な性格をした男性。離婚しているため川本家とは絶縁状態になっている。以前は塾講師として勤めていたが、保護者と揉めごとを起こして突然退職。三日月堂の手伝いをするが、相米二と折り合いが悪く手伝いを止めて家に引きこもる。その後は仕事をせず、次第に外出が増え、最終的に浮気をして家を出て行った。離婚後は新しい家庭を作り音信不通だったが、相米二が不整脈で入院した直後に川本家を訪れ、新しい家族との同居を提案する。川本家に現れて同居を提案した理由は、現在の勤め先である中古車販売店で不倫騒動を起こし、会社を解雇されて家族寮の退出期限が迫ってきたためで、そのあまりの無責任ぶりは零たちを唖然とさせた。

既刊一覧[編集]

単行本[編集]

単行本は各話の他に、先崎学の将棋に関するコラムが収録されている。

ファンブック[編集]

テレビアニメ[編集]

NHK総合にて2016年秋より放送予定。シャフトがNHKのテレビアニメを制作をするのは、同社の第一作目である「十二戦支 爆烈エトレンジャー」以来20年ぶりとなる。

新房昭之監督作品のファンという羽海野は、「新房監督の作品が大好きで大好きで『新房監督でシャフトさんで!』。この夢がかえられないのならアニメ化はできなくてもいい…。そう思っていました。とても幸せです!」とのコメントを寄せた[15]

スタッフ(テレビアニメ)[編集]

映画[編集]

同名タイトルの実写映画作品が、前後2部作で2017年に公開予定。監督は大友啓史、主演は神木隆之介[10]

キャスト(映画)[編集]

スタッフ(映画)[編集]

コラボレーション[編集]

  • 2015年9月25日から29日まで、西武・池袋本店にて期間限定ショップ「ふくふく和菓子『三日月堂』」がオープンし、作品に登場する和菓子が実際に販売された。和菓子の監修は京都の老舗和菓子店「亀屋良長」が担当し、掛け紙にも描き下ろしイラストがあしらわれ、羽海野自らが監修。購入した人には先着でオリジナルしおりもプレゼントされた[16]
  • 2012年から夏に開催される『J:COM杯 子ども将棋大会』とコラボし、『J:COM杯 3月のライオン 子ども将棋大会』して開催している[17]
  • 2016年、島田開が山形県天童市出身の棋士であうことから、天童市と「ふるさと納税」でコラボレーションし、コラボ限定ノベルティや広報などに展開される[18]

脚注[編集]

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  1. ^ ベルセルク34・35巻巻末広告
  2. ^ 「雪見だいふく×3月のライオン」ふくが大きいオリジナル切手新発売!”. 2015年9月25日閲覧。
  3. ^ 『天下一将棋会2』×『3月のライオン』コラボ・イベント 『3月のライオンへ挑戦!』”. KONAMI. 2015年9月25日閲覧。
  4. ^ 3月のライオン meets BUMP OF CHICKEN”. 2015年9月25日閲覧。
  5. ^ 3月のライオン×BUMP、コラボ曲のジャケ公開”. コミックナタリー (2014年11月4日). 2015年9月25日閲覧。
  6. ^ 3月のライオンおさらい読本 初級編”. 白泉社. 2015年9月25日閲覧。
  7. ^ 「3月のライオン」スピンオフを西川秀明が描く!主役は若き神宮寺会長”. コミックナタリー (2015年4月10日). 2015年9月25日閲覧。
  8. ^ 羽海野チカ氏の大人気コミック『3月のライオン』、なんとTVアニメ化&実写映画化が決定!”. アニメイトTV (2015年9月25日). 2015年9月25日閲覧。
  9. ^ 漫画「3月のライオン」 今秋にアニメ化 NHK総合で放送、監督は新房昭之氏”. 産経ニュース (2016年1月7日). 2016年1月7日閲覧。
  10. ^ a b c “「3月のライオン」主演は神木隆之介!「るろうに剣心」の監督・大友啓史と再タッグ”. 映画ナタリー. (2016年3月16日). http://natalie.mu/eiga/news/179898 2016年3月16日閲覧。 
  11. ^ 『ヤングアニマル』2011年4号掲載(326ページ)の、『ニコ・ニコルソンのマンガ道場破り』より。
  12. ^ 単行本4巻39話
  13. ^ 【レポート】宗谷冬司というキャラクターのルーツ、そして「第2回将棋電王戦」の展望――ニコ生『3月のライオン』特番”. マイナビニュース (2013年3月23日). 2015年9月25日閲覧。
  14. ^ 『ヤングアニマル』2014年No.10に掲載された「3月のライオン連載100回記念座談会」(同誌33頁)より。
  15. ^ アニメ『3月のライオン』制作は新房昭之&シャフト NHKで今秋放送”. oricon style (2016年1月7日). 2016年1月7日閲覧。
  16. ^ 「3月のライオン」の三日月堂が西武に開店!作中に登場した和菓子を販売”. コミックナタリー (2015年9月16日). 2015年9月16日閲覧。
  17. ^ 大会の内容(2015年の第4回大会分)- J:COMホームページから
  18. ^ 3月のライオン:“将棋の街”山形・天童市とふるさと納税でコラボ”. MANTAN.WEB (2016年3月8日). 2016年3月9日閲覧。

外部リンク[編集]