ドラゴンヘッド

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ドラゴンヘッド』は、望月峯太郎による日本漫画作品。また、それを原作とした2003年実写映画を指す。『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて連載された。単行本は全10巻。

1997年、第21回講談社漫画賞一般部門受賞。累計発行部数650万部を記録。

作品概要[編集]

修学旅行の帰途、突如発生した大地震により、主人公青木輝(テル)らの乗車していた新幹線浜松付近のトンネルで脱線事故を起こしてしまう。出入り口は崩壊し、外界と完全に遮断されたトンネル内で、3人の生存者、テル、アコ、ノブオは救助の可能性に望みをかけて絶望的な状況を生きのびる術を模索する。死と表裏一体の極限状態に追い込まれた少年達の苦悩とそれに伴う狂気と暴力、災害で荒廃した世界を背景に人間の本質と「究極の恐怖」を描く。

登場人物[編集]

ここでは漫画上の設定について記述する。

テル(青木 輝、あおき てる)
主人公の中学生。地震発生時は生活指導の教員に叱られ、不貞腐れながらウォークマンを聞いていた。北東側に火柱が上がっているのを確認した直後に地震が発生し意識を失うが、一命を取り留める。その後アコやノブオに出会い、閉じ込められたトンネル内で生活する術や換気口を探索し、脱出口を発見したが、余震によりトンネルが崩れかけたため、発狂したノブオを置いてアコとともに脱出に成功するも外は一面荒廃していた。そこでテルはアコとともに東京へ向かうことを決意する。
アコ(瀬戸憧子、せと あこ)
テルと同級生の女子。地震発生時は熟睡していた。交通事故により両親を失っており、親戚に引き取られている模様。テルが換気口を捜索している間に寝ていた彼女は、ノブオによって体中に模様を描かれるなど悲惨な扱いを受けるが、テルとともに何とかトンネルから脱出する。ナルコレプシーと思われる描写がある。
ノブオ(高橋 ノブオ、たかはし のぶお)
テルと同級生の男子。元々いじめられていたせいか、挙動不審な所がある。地震発生時はトイレにいたため難を逃れる。出入り口が塞がれ、暗闇に覆われたトンネル内で次第に狂い始め、自分の体に化粧道具で模様を描き、生活指導の教員の遺体を祭り上げ、熟睡したアコに対して同じように模様を描くなど、奇怪な行動を取るようになる。そして自らを神格化し、その様子を見て憤慨したテルにも襲い掛かり負傷させる。テルやアコらとともに逃げようとするがトンネルの崩壊に巻き込まれ、その後は生死不明である。
美川(よしかわ)
ラジオの呼びかけに応じて東京へ向かっている少年少女グループのリーダー。グループのメンバーが奇怪な儀式を行なっている中で、その状況をテルやアコに説明していた。テルとアコが別行動を取ることが分かると食料を与え、東京で会うかもしれないことを告げるものの、その後どうなったかは不明。
仁村(にむら)
陸上自衛隊中部方面隊所属の隊員。刹那的で世の中を斜めに見ている。地震発生後、所属部隊とともにヘリで富士方面へ向かっていたが、静岡付近で仁村の搭乗したヘリだけ離脱。廃墟に降り、そこでテルを発見。退屈な状況に飽きた仁村は狩りと称し、山崎とともにテルに襲い掛かり、テルを負傷させる。
岩田(いわた)
陸上自衛隊中部方面隊所属の隊員。ヘリを操縦・整備することが出来、仁村に命令されて部隊から離脱した。最初は仁村に従っていたが、身勝手な態度や行動に失望し、反発するようになる。
山崎(やまざき)
陸上自衛隊中部方面隊所属の隊員。仁村とともにテルたちを襲撃し、アコを強姦しようとするが、返り討ちに遭い、負傷。逆上してアコを追い詰める。
大池(おおいけ)
陸上自衛隊中部方面隊所属の隊員。偵察に行った仁村を探していると、仁村に襲撃されて豹変したテルと遭遇し、火炎瓶を持っていたため、それを取り上げようとする。
傷頭(菊地、きくち)
伊豆半島の病院にいた、頭に手術痕のある男。うまく喋ることはできないが、アコに対して「りゅうず(竜頭)」と発するなど、この物語の重大なヒントを教える。
おばさん
地震当時、伊東市にいた中年女性。津波から逃れ、内陸部にある自宅跡で息子の遺体などを捜索していた。元々は医師の娘であり、病状や治療法などについて詳しい。

単行本[編集]

望月峯太郎 『ドラゴンヘッド』 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉 全10巻

『第1巻』 1995年3月6日初版発行、ISBN 4-06-323519-X, ISBN-13 978-4-06-323519-7
第1話「終学旅行」 第2話「ひとり」 第3話「生存者」 第4話「その日の終わり」 第5話「閉ざされた世界」
第6話「幽霊」 第7話「目覚め」 第8話「心に巣くうもの」 第9話「彼女のハンデ」 第10話「東の空」 第11話「家」収録
『第2巻』 1995年7月6日初版発行、ISBN 4-06-323549-1, ISBN-13 978-4-06-323549-4
第12話「不協和音」 第13話「化粧」 第14話「ミニラ」 第15話「睡魔」 第16話「闇の主」 第17話「導水」
第18話「逃避」 第19話「記憶」 第20話「闇への供物」 第21話「暴走」 第22話「殺し合い」 第23話「有様」収録
『第3巻』 1996年5月8日初版発行、ISBN 4-06-323597-1, ISBN-13 978-4-06-323597-5
第24話「崩落」 第25話「風」 第26話「廃墟」 第27話「TV」 第28話「放送局」 第29話「死の世界」 第30話「人影」 第31話「マスク」
第32話「少年達」 第33話「噂」 第34話「キャトル・ミューティレイション」 第35話「パースペクティブ」 第36話「出発」収録
『第4巻』 1996年12月6日初版発行、ISBN 4-06-336638-3, ISBN-13 978-4-06-336638-9
第37話「泥流」 第38話「ゴースト・タウン」 第39話「乗組員」 第40話「救助隊」 第41話「ダーク・サイド」
第42話「拳銃」 第43話「大火災」 第44話「避難場所」 第45話「火災旋風」 第46話「火葬場」 第47話「離陸」収録
『第5巻』 1997年8月6日初版発行、ISBN 4-06-336680-4, ISBN-13 978-4-06-336680-8
第48話「黒雲」 第49話「燃料」 第50話「陸地」 第51話「中年女性」 第52話「ワクチン」
第53話「伊豆の姿」 第54話「出発前」 第55話「トンネルの記憶」 第56話「死骸」 第57話「帽子の男」収録
『第6巻』 1998年3月6日初版発行、ISBN 4-06-336708-8, ISBN-13 978-4-06-336708-9
第58話「薬袋」 第59話「放置」 第60話「虜(とりこ)」 第61話「人身御供」
第62話「スケープゴート」 第63話「攻防①」 第64話「攻防②」収録
『第7巻』 1998年4月6日初版発行、ISBN 4-06-336731-2, ISBN-13 978-4-06-336731-7
第65話「疾走」 第66話「爆発」 第67話「目覚め」 第68話「別れ」
第69話「雲の中」 第70話「深淵」 第71話「ショッピング・センター」収録
『第8巻』 1999年9月6日初版発行、ISBN 4-06-336819-X, ISBN-13 978-4-06-336819-2
第72話「東方の火柱」 第73話「嵐」 第74話「逸(はぐ)れる」 第75話「行方」 第76話「包帯の男」収録
『第9巻』 1999年10月6日初版発行、ISBN 4-06-336826-2, ISBN-13 978-4-06-336826-0
第77話「音」 第78話「地下世界」 第79話「立入禁止区域」 第80話「倉庫」
第81話「地下の住人」 第82話「恐怖ジャンキー」 第83話「帰る場所」収録
『第10巻』 2000年4月21日初版発行、ISBN 4-06-336854-8, ISBN-13 978-4-06-336854-3
第84話「手紙」 第85話「登校」 第86話「テルと仁村」 第87話「ドキュメント」
第88話「ブロッケンの妖怪」 第89話「世界の終わりに独りは嫌だ」収録

映画版[編集]

ドラゴンヘッド
監督 飯田譲治
脚本 NAKA雅MURA
斉藤ひろし
飯田譲治
原作 望月峯太郎
製作 相賀昌宏
製作総指揮 近藤邦勝
出演者 妻夫木聡
SAYAKA
山田孝之
藤木直人
近藤芳正
根津甚八
寺田農
谷津勲
音楽 池頼広
主題歌 MISIA心ひとつ
撮影 林淳一郎
編集 大永昌弘
配給 東宝
公開 日本の旗 2003年8月30日
上映時間 122分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 6億円
興行収入 10.4億円
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2003年8月に公開。ウズベキスタンでの長期ロケ、迫力あふれるVFX神田沙也加(当時は「SAYAKA」名義)の映画初出演などで話題となった。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

関連商品[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]