きのう何食べた?

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きのう何食べた?』(きのうなにたべた?)は、よしながふみによる日本料理漫画作品。『モーニング』(講談社)2007年12号から月に1度のペースで連載中。

概要[編集]

几帳面な弁護士・筧史朗と、人当たりの良い美容師・矢吹賢二の2人が2LDKのアパートで暮らす毎日を、食生活メインに展開する物語。主人公2人はゲイのカップルであり、メインの食生活以外にも、ゲイが抱える諸事情や、筧家を舞台にしてゲイの息子とその両親がどう向き合うかも描かれている。基本的に毎回一話読み切り。登場人物たちは実際の年月の進みに合わせて年をとっていく。キャッチフレーズは「2LDK[1]男2人暮らし 食費、月3万円也。-ちょっと増えました-[2]」。話数のカウントは「#●」。

ストーリー内に於いて毎回かなりのページを史朗の調理のシーンに費やしており、それが話の本筋と密接に関わっているのが特徴。料理のシーンもほとんどレシピ本同然の詳細な描写があり、食材や調味料の代用は何がいいかなどのアドバイスなども折り込まれている。単行本には作品内に登場した料理のレシピも掲載されている。

2009年版「このマンガがすごい!」オトコ編6位。

2014年5月16日あさイチで紹介された。

マツコの知らない世界」(2017年1月24日放送分)の「マンガ飯の世界」で「レシピ本として使えるおすすめマンガ第1位」として紹介された。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

筧 史朗(かけい しろう)
52歳(#101時点、連載開始時では43歳)、弁護士。ゲイ(「どっちかといえばネコ」)。40歳の時、新宿二丁目の店で知り合った賢二と、賢二が勤める美容院で客として再会し、何度かデートらしき物を重ねるうちに恋人同士になり同棲中。だが、ゲイであることをカミングアウトしていないため、同僚には「彼女がいる」と思われている。仕事にはやりがいを求めず、帰宅後や休日に自宅で品数多くバランスの良い食事を作ることを楽しみにしている。若いころは料理はしていなかったが、30代に入ってから太った体を鏡で見てショックを受け、その直後に付き合った男性の作った料理を食べることで痩せたのをきっかけに自分も料理を始めた。大抵の料理はうまく作るが、思い切りがない性格ゆえ天麩羅(かき揚げ)が上手く作れないという一面も。
太らない努力[3]をしているため、年齢に似合わず若々しく一般的にはイケメンと評される外見。しかし、ゲイの世界ではモテるタイプではない。女性アイドルが好きだったりお弁当の見た目に無頓着だったりと、自分の趣向がゲイらしくないことに若干コンプレックスを抱いているが、逆に人前でゲイらしさが出ることを恐れてもおり、中途半端になってしまっていることにもまた悩んでいる。#71で老眼を自覚したり、賢二から「味覚がおじいちゃん」と言われるなど、加齢に伴い変化が生じている。
几帳面な性格で、毎日家計簿をつけて浮いた予算は貯金する倹約家(悪く言えばケチ)。近隣のスーパーの底値を把握しており、例えば「必ず牛肉でなければ」というメニュー以外は牛肉を使わないなど、家計をやりくりしている。
弁護士としては一般民事が主で、企業の顧問弁護士も務めているが、刑事訴訟の経験はあまり無いため、裁判員裁判が苦手。職場には定時で退社することを公言しているが、周囲から舞い込む相談には断りきれず、要領が悪いところがある。
ゲイであることが家族にばれたのは高校生の時。母親はショックのあまり新興宗教に走ってしまった。今でも家族仲が悪いわけではなく、お互いを思いやってはいるのだが、史朗は普通の家庭を持つことが出来ないという罪悪感から両親とは距離を置きたがり、実家は史朗宅から電車で30分程度の場所なのだが滅多に帰らない。だが、賢二に諌められて正月に帰省するようになり、ある年は賢二も一緒に実家に連れて行ったこともあったのだが(#50)、その後の両親の応対をきっかけに年末年始は帰省しないと実家に宣言した。
だがそれ以降は月に一度母親の誘いを断りきれずに嫌々帰省していたのが月に2、3回は自ら帰省するようになり、親子3人で旅行に行くなど親子関係自体はむしろ改善されている。
スイカが大好物で、それをきっかけに料理友達となる主婦・佳代子と知り合った。
矢吹 賢二(やぶき けんじ)
50歳(#101時点、連載開始時では41歳)。ゲイ(「どっちかって言うとタチ」)。史朗の恋人で、史朗のことを「シロさん」と呼ぶ。焼きもちやきで、史朗が女性の悪口を言っていると内心喜んでいる。ピンク色が好きだったり、細やかな気遣いができたりと、ゲイらしい趣向の持ち主。
美容師の仕事をしており、自宅で史朗の髪を切ることもある。自身は頭頂部が薄くなり始めたのをごまかすためにパーマをかけているとのこと。自宅から徒歩1分の所にある、美容学校時代の同級生である三宅の店に勤めており、店長である三宅からは年齢的に独立を促されることもあるが、経営には向いていないという理由で賢二にはその気は無い。また、美容師としての実力は人並みだが、明るい性格で非常に人当たりが良く、どんな客でも器用にさばけるため、面倒な客の対応に当たる爆弾処理班の役を担っており、賢二が居なくなると店としても困るという側面もある。
ゲイであることは周囲にカミングアウトしており、史朗とは違いゲイとして見られることに抵抗がない。史朗のことも「一緒に暮らす人、彼氏」として周囲に話している。
美容師になりたてのころは、それだけでは生活ができなかったため、水商売ホストクラブ)で黒服のアルバイトをしていたことがあり、その時は周囲の人間からは名字が有名漫画の主人公と同じだったため「ジョー」というあだ名で呼ばれていた。
実家は埼玉にあるが家庭環境はあまり良くなく、史朗と交際を始めてから父親の遺骨引き取り及び葬儀以外では一度も実家に帰っていないため、史朗は賢二の実家が岐阜県長野県あたりにあると長い間勘違いしていた。賢二はそうした家庭環境を重く思っている様子はないが、史朗が家族に対する愚痴を言った時に「シロさんは贅沢だよね」と珍しく静かに怒りを表したことがある(#17)。賢二がゲイであることは母も二人の姉も知っており、さすがに母はその事実を知った時は怒ったようだが、その後は落ち着き、姉たちも普通に賢二を可愛がっているようで、史朗と同じく家族仲は改善されている。
好き嫌いがあまりないようで、史朗が作った食事をどんなメニューでもいつも喜んで食べている。特に茄子が好物。料理は上手くなく手際も悪いが、「ためしてガッテン」で覚えた玉子焼きは得意。だが、その後徐々に料理の腕を上げている。インスタントラーメンはみそ派。喫煙者である。#56で仕事が忙しくなった史朗と食卓を共に出来なくなった寂しさから、喫煙で気を紛らわせる場面がある。
妻子ある男性と不倫をしたことがあるなど、過去に様々な恋愛経験をしたことがある。理想の男性はシティーハンターの主人公、冴羽で、史朗のことを「三次元の冴羽」と評している。ちなみに携帯の着メロもアニメ、シティーハンターのエンディングテーマ曲「Get Wild」。
元々痩せやすい体質のため、ストイックに己の肉体を管理する史朗と違い、これまで運動などは特にしてこなかったが、年齢相応に贅肉が付いてきたことを気にして#78で史朗と同じジムに入会して水泳(ただし賢二はいわゆる「カナヅチ」のため、実際は水泳でなく水中歩行)をするようになった。また、薄くなってきた頭頂部を目立たなくするために、やや伸ばし気味でゆるくパーマをかけていた髪を短髪にし、色も黒髪から金髪に変えた。
#89で母親から出張カットの話を聞き、賢二も美容院までなかなか来られなくなってしまった年配の顧客のために、自宅まで訪ねて出張カットをすることを思いつく。その後、他の顧客からも出張カットの要望がぽつぽつあることや、(主に、店長である三宅の浮気問題から)美容院の先行きの心配もあり、本格的に出張カットの仕事をすることを考え始めている。
#101で、自分が50歳に達した事実を認めることを頑なに拒否し、誕生会も嫌がったが、パートナーが無事に50歳を迎えたことを祝いたいという史朗の口八丁で丸め込まれて、とりあえず史朗と合同(史朗は53歳の誕生祝い)の誕生会だけは受け入れた。

筧 史朗の関係者[編集]

筧家[編集]

筧 久栄(かけい ひさえ)
史朗の母。史朗のことを「史朗さん」と呼んでいる。少し極端な性格で、史朗がゲイであることを知った時はショックのあまり新興宗教に走ってしまう。その後、史朗と夫・悟朗の尽力で脱会したものの、そのことが原因で実の妹、美沙江(史朗の叔母。名前は#75で判明)と絶縁するハメになった。史朗には「同性愛は恥ずかしいことではない」と言い、職場でのカミングアウトまで勧めているものの、その表情は明らかに無理をしており、根底ではゲイである史朗を受け入れられていない。実際の理解も乏しく、性同一性障害と混同するなどゲイ/同性愛そのものに対して誤った認識を持っている。
一方で史朗がパートナー(賢二)に捨てられないか心配するという面も徐々に見せるようになってはいるが、史朗が賢二を実家に連れてきた後、倒れて寝込んでしまう。
連載が開始された当初は常に和服を着ていたが、それはあくまでも着付け教室に通っていたころからのマイブームということで、現在は夫・悟朗の看病をきっかけに洋服を着るようになっている。#55では友人の遺産整理を史朗に依頼した。
#72では区民健診で肺がんを疑われ、詳しく検査したところ「ほぼ肺がんで間違いない」と診断され、#75で手術を受け、ステージIの初期癌だったこともあり、無事に成功する。
筧 悟朗(かけい ごろう)
史朗の父。物静かで史朗のことは温かく見守っているが、やはりゲイを理解できているわけではない。息子の結婚を望めない代わりに、妻と二人で近所の子供を自分の孫のように可愛がるなど、折り合いをつけ始めてはいる。
#15でステージIIIの食道癌が見つかり、手術を受ける(病名は#16で明らかに)。デジタル機器の使い方を史朗によく訊いてくる。
掃除や洗い物は自分でなんとかなるが、料理は一切出来ず、また銀行のATMも使えない。

上町法律事務所[編集]

銀座にある史朗の勤務先[4]

大町 美江(おおまち よしえ)
史朗の職場である「上町法律事務所」の女性所長。史朗ら職員には「大先生(おおせんせい)」と呼ばれている。(和臣)も弁護士だったが早くに亡くし、それからは息子・修を女手ひとつで育ててきた。修の嫁の春菜とあまり仲がよくないため、同居はせず一人暮らしをしている。事務所の行く末をどう考えているのか分からない、フワフワした修や史朗の頼りなさに憤りを覚えつつも、徐々に取引先を二人に譲り、第一線を退く準備を始めている。豚まんが大好物。
長らく苗字が不明であったが、#104において美江から史朗への取引先の顧問弁護士の引継の際の史朗の挨拶の中で判明。
修先生(おさむせんせい)
大先生の息子で史朗の同僚。「若先生(わかせんせい)」とも呼ばれている。既婚で専業主婦の(春菜)と2人の子供がいる。
小山 志乃(こやま しの)
26歳(#73時点)。史朗の職場事務員。実家は「小山軒」という老舗の洋食屋。かつては多額の負債を抱えて倒産寸前だったが、上町法律事務所の尽力により回避。だが借金は残っているため返済の手助けをするために高校卒業後に就職した。初登場時は20歳前後だったが、言葉遣いもしっかりして落ち着いた雰囲気の外見なので年相応に見られず、高校生時代のあだ名も「ちーママ」だったらしい。老け顔が悩みのため年齢の割に若く見える史朗を嫌っている。携帯電話メールを打つのが非常に速かったり、食欲旺盛で油っこいものを好んだりと、今時の若者らしい一面もある。
職場の面々からは「志乃さん」と呼ばれていて長らく苗字が不明だったが、#73で判明。同話では父親の一番弟子である片岡との婚約を事務所の面々に報告した。平日は上町法律事務所で働き、週末の土日は実家のホールを手伝っており、結婚したら事務所の方は当然辞めてしまうのだろうと、有能な志乃のことを大先生が惜しむが、本人は結婚しても当分は事務所を辞めないつもりだと言い、大先生、修先生、そして史朗を安心させた。
その後、#83で片岡と結婚。豊洲のマンションで新婚生活を送っている。
長森 夕未(ながもり ゆみ)
上町法律事務所に来た司法修習生。感じの良い子で、史朗の姿勢に憧れを抱きかけるが、史朗がつい口を滑らせ、担当を変えてもらう羽目になる。実家は結構な大金持ち。#48で大企業の御曹司と結婚した。
外山 まどか(とやま まどか)
#91で事務所に新しく入った事務員。見た目はしっかり物に見えるのだが、事務能力はさほど高くなく、それを細かく注意した志乃に「いじめられている」と大先生に訴え、短期間で辞めてしまった。
山田 瑞希(やまだ みずき)
大先生の従妹の娘。36歳。既婚者で小学校二年生と幼稚園児の兄妹の二児の母(#96)。結婚前は秘書の仕事をしており、一人目出産の際は育児休暇後に職場復帰したのだが、二人目出産時に保育園の空きがなく退職することになってしまった。その後、夫が会社から残業代カットを言い渡されたため、急遽仕事を探すことになり、母親の伝手で上町法律事務所で事務員として働くことになった。
童顔でおっとりとしたタイプに見えるが仕事に関しては有能(ただしドジ)。また、史朗がゲイであることを、ちょっとした会話や雰囲気から見抜いているなど鋭い一面もある。
#104で、午後2時半までのパートだった勤務形態がフルタイムへと変わった。

富永家[編集]

史朗の友人。なぜか賢二とは顔を合わせる機会がないままである。

富永 佳代子(とみなが かよこ)
史朗の料理友達。主婦。明るくさっぱりした性格で、主婦ならではの簡単料理のレパートリーが豊富。ニュータカラヤの店先でスイカを一玉買おうかどうか迷っていたところ、同じく迷っていた史朗と居合わせことがきっかけで知り合った。以降、史朗とはスーパーの特売品やもらい物を分け合う仲。史朗がゲイであることをあっさりと受け入れており、史朗の愚痴を聞いたり的確な一言を与えたりするよき相談相手。
富永
佳代子の夫。名前不明。すでに定年退職し、悠々自適の生活を送っている。毎週土曜日はテニスをやることを趣味にしている他、朗読のボランティアや街歩きの会、コーラスのサークルなど、多くのコミュニティに参加しており、非常に社交的で人寄せが大好きな性格。史朗のことはあっけらかんと「ゲイの人」と呼んでいる。本人に悪気はない。
渡辺 ミチル(わたなべ ‐)
富永夫妻の一人娘。30歳(#31時点)。実家近くのマンションで恋人の達也と8年に及ぶ同棲生活を送っていたが、お互い結婚の意思はなく、父親に心配されていた。後に達也と出来ちゃった婚をし、10月に長男悟朗を出産。悟朗の名前は史朗の名前からの連想で命名(史朗っていう名前はいいな→そのまま史朗だと筧さんがイヤかな→少し変えて悟朗。なお、この名前は史朗の父と同名だが、その点には史朗は特に反応していない)。性格は父親似で、史朗のことを父同様「ゲイの(人)」と呼んだり、#74ではもっと佳代子の所へ遊びに来て、息子の悟朗のことを孫のように可愛がってくれてもいい等、史朗の内心を突くようなことをズケズケと言うが本人にまったく悪気はない。
渡辺 達也(わたなべ たつや)
ミチルの夫。悪気なく失礼なことを言いがちであるミチルに優しくツッコミを入れ、周りへのフォローも忘れない貴重なパートナー。
渡辺 悟朗(わたなべ ごろう)
ミチルと達也の息子。1歳8ヶ月(#74時点)。共稼ぎのミチル夫婦に代わって、富永夫妻が悟朗の保育園の迎えや病院への付き添いなどするのはしょっちゅうで、ミチルも両親に甘えきっている。佳代子が作る料理が口に合うらしく、大人用の食べ物も平気で食べてしまうが、ミチルや祖父母はこれを特に止めず、そんな富永家の子育てを、史朗は内心「雑だ」と思っている。赤ちゃんのころからかなりの人見知りで、時折富永家を訪れる史朗が相当に苦手らしく、両親や祖父母に抱きついて離れない。

依頼人[編集]

逸見 大悟(いつみ だいご)
史朗が顧問をしている企業に勤務している会社員。妻の美香から網膜剥離火傷を負うほどの壮絶なDVを受け、心配した同僚に連れてこられた。美香の不幸な生い立ちに同情して暴力に耐えていたが、息子に殴られる姿を見せていては駄目だと思い離婚を決意。大柄な男性でありながら小柄な妻からのDVを受けていたことについて、周囲から「男のくせにだらしない」という言葉を投げかけられたが、「だらしない」と一言も言わず離婚合意に尽力をした史朗に感謝の言葉を伝えた。
今田 聖子(いまだ せいこ)
精神状態を悪くして入院している間に夫に勝手に離婚されていた女性。結婚時の苗字は「仁科」。元夫に引き取られた一人息子の大樹(だいき)が忘れられずに玄関先まで押し掛け、史朗を交えて元夫とモメた結果、「月に一度、遊園地で家族で遊んでいる大樹を遠くから見守る」という約束に史朗も付き合わされることになった。それから毎月史朗が遊園地へ立ち会っていたが、三年後、ようやく「見守り」を終えることを史朗に告げた。
諸住 直次(もろずみ なおつぐ)
ホームレス同士のケンカの末に相手を死なせてしまい、裁判員裁判の被告になった老人。ある理由で判決を受け入れる。
井形(いがた)
三谷まみの女性マネージャー。小日向の部下で、小日向の紹介により離婚案件で史朗の依頼人になる。史朗の独り言(#57)や小日向と史朗との会話(#58)には名前だけは出てくるが、作品に姿は未登場。まみからは「いがっちゃん」という愛称で呼ばれている。
竹中 真澄(たけなか ますみ)
今田聖子の従妹で月島在住。聖子の紹介で痴漢で逮捕された夫の弁護を史朗に依頼するはずだったが、史朗の説得により離婚に切り替える。史朗いわく「今田さんの従妹だけあってエキセントリックな人」。
池辺(いけべ)
初老の男性で、史朗が借りているマンションのオーナー。元は史朗の依頼人で、相続問題を史朗が担当して知り合った。史朗が現在住んでいるマンションの部屋は実は事故物件で、過去に殺人事件の現場となってしまっており、借り手が付かなくて困っているオーナーと、当時、職場に近くキッチン設備が充実している賃貸物件をちょうど探していた史朗とで利害が一致し、相場の三割引きの家賃(10万円)で部屋を借りることとなった。池辺から賢二との関係を聞かれた史朗はとっさに上手く誤魔化すことが出来ず、正直に恋人だと打ち明けてしまったため、身内を除くと史朗がゲイであることをカミングアウトした二人目(一人目は佳代子)の人物となった。
西松 紗奈(にしまつ さな)
正確には依頼ではなく、当番弁護士として史朗が担当することになった女性。売春防止法違反で2回目の逮捕となった。

弁護士仲間[編集]

塚本 雅志(つかもと まさし)
司法修習生時代の同期。異性愛者(ノンケ)。ハンサムで、史朗は修習生時代に淡い片思いをしていたが、本人は今に至るまで全く気づいていない。三十代で再会した時にはバーコード頭になっていて史朗を愕然とさせたが、その後、不摂生がたたって膵臓炎を発症。その後は節制して健康的な生活を送っている。
菅沼 晃一(すがぬま こういち)
司法修習生時代の同期。46歳でようやく結婚した。その結婚式の二次会の出来事をきっかけに、史朗が珍しく高価な買い物をすることになる。
北村 誠(きたむら まこと)
司法修習生時代の同期の中では最年長。60歳。食品会社に勤めながら司法試験を目指して14年で合格。自分がおもしろいと思った事件しか引き受けず、一匹狼で活動する変わり者だったのだが、突然大手事務所に移った。独身のため、史朗とは気があっている。
斉藤、渋谷、富村(さいとう、しぶや、とみむら)
いずれも司法修習生時代の同期で学究肌。斉藤は既婚の女性、渋谷と富村は男性。

過去の関係者[編集]

仁美(ひとみ)
名字不明。史朗が人生で唯一交際した女性。交際は#4の時点で「20年以上前」と史朗が言っているので大学生のころと推測される。当時は大柄でボーイッシュな感じだったので「女の子らしくないから大丈夫かもしれない」と思って付き合ったが、やはりうまくいかず半年で別れた。ある意味で自らをゲイだと史朗に認識させた人物。現在(#4)は既婚で中学生の子持ち。史朗と賢二のマンションの近くにパン屋を構え、そこで売られているパンを史朗は購入しているが、そのことにも賢二はヤキモチを焼いている。
マーちゃん
史朗のマエ彼の通称。史朗と同い年で、史朗を初めて二丁目に連れていった。賢二の友人でもあり、ある意味、史朗と賢二を引き合わせた存在。
伸彦(のぶひこ)
史朗の以前の同棲相手。排水溝の詰まった洗濯機を処理する史朗に「何やってるんだお前は」と叱るなど、冷たいところのある男で、賢二とは性格は正反対だが、史朗の好みのタイプだった。かぼすちゃんという名前の猫を飼っていた。

その他[編集]

我孫子(あびこ)
大日本テレビで「並んでもかまわない法律相談所」という番組のプロデューサー。史朗のハンサムなルックスに出演を強く依頼するが、史朗からある証言をされたことをきっかけに依頼を取り下げる。
オバちゃん
史朗が行きつけていたスーパー「ニュータカラヤ」のレジ担当の女性。レジ作業は早く、妙に美人なのだが無愛想。「ニュータカラヤ」閉店後、新たに居抜きで開店したスーパー「アキヨシ」でも雇用され、レジを担当している。店の方針なのか愛想がかなり良くなったのだが、史朗は「前の無愛想な対応が好きだった」と残念がっている。
三谷 まみ(みつや まみ)
小日向がかつて担当していたタレントの一人。既婚者だが、過去に一度離婚歴あり。史朗はまみの大ファンで本人出演のドラマをよく視聴していた。#43で史朗は小日向の草野球試合を応援しに行く代わりに、まんまとまみのディナーショーのチケットを小日向から入手し、大喜びしていた。#58ではまみのマネージャーの離婚案件を史朗が担当したお礼の夕食の場に、小日向がそのお礼の一環としてサプライズでまみ本人を呼んでおり、史朗はまみとの直接対面を果たした。
片岡 周平(かたおか しゅうへい)
志乃の実家である洋食屋「小山軒」に20年間勤めている腕利きコックで、志乃の父であるオーナーシェフの一番弟子。38歳(#73時点)。10年前、16歳だった志乃から告白されたが、志乃がまだ高校生なのと、当時、小山軒は支店をいくつか出しており、店を乗っ取る目的で志乃と付き合うのではと周りに勘ぐられるのが嫌という理由で振っている。しかし現在、一時は経営破綻しかけた小山軒は本店のみになっており、むしろオーナーの味を残していきたいと考え、志乃に結婚の意思がまだあるかどうかを確認、志乃はすんなりと片岡の求婚を承諾し婚約する。ちなみに10年前はシュッとした顔立ちの美青年だったが、勉強で食べ歩きをしなければならず、そのために現在は中年太りしている。
その後、#83で無事に志乃と結婚し、新婚生活を送っている。それまでは志乃のことを「お嬢」と呼んでいたが、結婚後は「志乃ちゃん」と名前で呼ぶようになった。

矢吹 賢二の主な関係者[編集]

フォーム[編集]

賢二の勤務先の美容院。

三宅 祐(みやけ ひろし)
賢二の美容学校時代の同級生で「フォーム」の店長を務めている。アフロヘアーが特長。賢二とはお互いのことを「ケンちゃん」「ヒロちゃん」と呼び合っている。インスタントラーメンは醤油派。既婚で一女一男の子持ちだが、かなりの浮気性で、店の客である妹島(せじま)という女性を浮気相手にしていて、一緒にいるところを当時中三の娘に目撃されてしまったことも(#32)。その後、妹島とは別れたが、浮気は続いている。
三宅 玲子(みやけ れいこ)
祐の妻。元美容師のエステティシャン。子育てが一段落したため、#52で「フォーム」の一廓にサロンを開業。祐の不倫相手である妹島を顧客の一人にしてしまったため、祐と賢二の悩みの種になったことも。
サロンの人気は順調で、一見すると祐とも仲睦まじくしているように見えるのだが、2、3年後には「フォーム」からサロンを独立させ、その後は離婚する心積もりがあるようなことを田渕に話している。(#86)
エリ
「フォーム」の女性店員。細身。インスタントラーメンは塩派
麻生 美香(あそう みか)
祐と賢二についで「フォーム」ではベテランのスタイリスト。黒髪で厚い唇が特徴。#52で故郷の栃木で独立するため退職。
田渕 剛(たぶち ごう)
#18から登場した長崎県出身の男性美容師。#62時点で27歳。性格はいまどきの若者でゴシップが好き。インスタントラーメンは塩派。麻生の退職とほぼ時を同じくしてアシスタントからスタイリストに昇格。
彼女を切らしたことが無く、一人暮らしを始めてから一度も家事をやったことが無い。物事に拘らないさっぱりとした性格で、彼女に別れを切り出されても縋ったりせずにあっさりと受け入れるため、これを賢二を始めとしたフォームの同僚から「何かよく分かんないけどかっこいい」と絶賛された。
ずけずけとなんでも言ってしまう性格のため、今まで付き合った女性は、そんな田渕でも受け入れてくれるという理由から全て年上だった。試しに年下とも付き合ったが、その性格が災いし即振られている。

矢吹家[編集]

矢吹 賢一(やぶき けんいち)
賢二の父。賢二が物心ついたときには既に浮気で家を出ていて、何年かに一度、暴力をふるって母親の金を奪うときしか帰ってこなかった。中三になって成長した賢二を見てたじろいでからは実家に寄り付かず、20年ほど前から千葉市生活保護を受けていたが#64で孤独死していた。殆ど家にいなかったため、賢二がゲイであることを知らなかった。
矢吹 峰子(やぶき みねこ)
賢二の母。高齢だが、埼玉で常連相手にいまだに美容師を続けている。賢二がゲイであることがバレたときはホウキをもって「親不孝者!」と追い掛け回し、孫の顔を見せないことに腹をたてたが、夫の葬式時には大分気持ちが落ち着いており、久しぶりに家に帰ってきた賢二に自分の美容院を継いでもらえないかと持ちかけている。
矢吹 政江(やぶき まさえ)
賢二の長姉。美容師資格を持っているが埼玉にある八百屋に嫁ぎ、長男真人(まさと)と長女めぐを出産。ちなみに真人は若いころの賢二に瓜二つ。便宜上、ここでは「矢吹 政江」と表記しているが結婚後の苗字は不明。
矢吹 智恵子(やぶき ちえこ)
賢二の次姉。政江と同様に美容師資格を持っているがデパートに就職。独身。

史朗と賢二の共通の関係者(ゲイ仲間)[編集]

本田 鉄郎(ほんだ てつろう)
通称「テツさん」。飲食店を何店か経営する実業家。両親は健在だが遺恨があるらしく「財産は故郷の両親にはびた一文だって渡したくない」と言っている。そのため史朗にある依頼をする。温和で丸顔。
長嶋 善之(ながしま よしゆき)
通称「ヨシさん」。テツさんの彼氏で料理の腕前は玄人はだし。料理の材料をオーガニックにするほどのこだわりがある。史朗のことを「筧氏」(かけいし)と呼んでいる。無口で面長。
小日向 大策(こひなた だいさく)
佳代子の夫のテニス仲間。「ゲイ同士だから仲良くなれるかと思って」という理由だけで#33で史朗に紹介された。大柄で無骨で、ゲイの世界ではモテるタイプの外見。普段は無表情だが、恋人・航の前では満面の笑みを浮かべ口調まで変わる、べた惚れ状態。わがままな航との日常を史朗に「悲しい出来事」として話すが、その全てが史朗からすると惚気話にしか聞こえない。しかし賢二だけは史朗と小日向が何かの拍子にデキてしまわないかと常々心配をしている。
「株式会社モリプロ」という芸能プロダクションに勤務し、マネージメントのグループリーダーをしている。住居は一等地にあるマンション、航との生活費は全て小日向が負担、小日向宅の冷蔵庫が壊れたため、史朗のところへ持ち込まれた食材は全て高級品(#66)、史朗と賢二の家で行ったパンケーキパーティー(#76)では高級食材は小日向が購入し持ち込むなど、収入はかなり良い様子。中学まで野球をやっていたので、会社の草野球チームに入っている。社内でもゲイということを隠していない模様。
航とは、小日向が大学生時代に家庭教師と生徒として知り合ったと聞いた史朗と賢二は、航が当時まだ12歳だったことを知って焦るが、小日向いわく深い関係になったのは航が17歳の時とのこと。
子供好きらしく、佳代子の一家と史朗と一緒に行った花見で孫の悟朗に会った時は「カワイイですね…♡」と頬を染めていた。(#82)
井上 航(いのうえ わたる)
小日向の恋人。わがままな性格で小日向を振り回している。小日向は「ジルベール似の美少年」と史朗に語っていたが、実際は無精髭を生やし、服装にも無頓着な外見の青年。小日向の航へのジルベール扱いは、航がまだ12歳の少年の時に知り合ったことが大きな理由らしい。小日向と賢二は彼のことは「ワタル君」と呼んでいるが、史朗だけは「ジルベール」と呼び、航本人もそれをまったく気にせず受け入れている。飄々としているようだがズバリと物事の核心をつく発言をするので、史朗は少し苦手としており、賢二とは、それぞれの恋人から如何に愛されているかという面で、お互いを少々ライバル視している。
小日向と暮らす前は会社の寮に住んでいたが、会社を辞めて寮も出なければならなくなり、小日向のマンションに転がり込む形で同棲が始まった。現在はデイトレードで日銭を稼いでいるが、どんなに勝っても一日に2万円稼いだら終了とし、月収は10万円程度で満足している。生活費は小日向が稼いでいるので、この航の収入は家計には入れていないらしい。
父親は一代で外食チェーンを築き上げた実業家で、航は「たたき上げの成金」と評している。実際、航が小学校低学年のころまでは貧乏だったらしい。家族は他に母親と弟がいる。家族は全員、航がゲイであることも小日向と恋人同士で同棲中であることも知っているが、それを受け入れているわけではなく、むしろ突き放しており、航が小日向と喧嘩をして家出をした際、心配して連絡を取ってきた小日向からの電話に対して「あんな奴をもう息子とは思っていない」と父親は発言している。そのためか愛情に飢えているような面が多々あり、小日向に対して愛情の試し行動が多い。

各話料理リスト[編集]

基本的に作中にレシピがある料理と、それらと一緒に食卓に並んだメニューを記載。
作中の表記の揺れ(「長ねぎ」と「長ネギ」等)はある程度統一。



書誌情報[編集]

脚注・出典[編集]

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  1. ^ #67の扉絵で間取りが描かれている。#67の時点で築28年、2LDK 58㎡。
  2. ^ 以前は金額の部分を「月2万5千円也」にしていたが、#65の話中で史朗が食費の増額を宣言、#66から変更。
  3. ^ ランニングや水泳をしている場面がある。
  4. ^ 掲げられている看板が#11に登場している。

外部リンク[編集]