BEATLESS

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BEATLESS
ジャンル SF
小説
著者 長谷敏司
イラスト redjuice
出版社 角川書店
掲載誌 月刊ニュータイプ
発売日 2012年10月10日
連載期間 2011年7月号 - 2012年8月号
アニメ
原作 長谷敏司
監督 水島精二
シリーズ構成 髙橋龍也雑破業
キャラクターデザイン やぐちひろこ
メカニックデザイン 寺岡賢司
音楽 Narasakikz
アニメーション制作 ディオメディア
製作 BEATLESS製作委員会
放送局 MBSほか
放送期間 2018年1月 -
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル 文学アニメ

BEATLESS(ビートレス)は、長谷敏司SF小説。イラスト担当はredjuice月刊『NewType』誌にて14回にわたって連載後、2012年10月に単行本化。

Phase1「contract」からPhase13「beatless(後)」およびLast Phase「image and life」までの全14章構成。Phase1が『NewType』2011年7月号掲載分、Last Phaseが2012年8月号掲載分に対応する。(epilogue「boy meets girl」はLast Phaseと共に2012年8月号に掲載)。

第34回(2013年)の日本SF大賞にノミネート。

ストーリー[編集]

22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

用語[編集]

hIE
Humanoid Interface Elementsの略で、人間型のロボットのこと。動作はすべてクラウド上のコンピューターにより制御されており、ロボット本体には頭脳部を持たない。家事労働や店舗の売り子、事務、モデルなど社会の広い領域で利用されており、それらの動作はすべて超高度AI《ヒギンズ》が開発・更新するAASCを用いることで実現している。
「ヒギンズ」が開発した5体のレイシア級hIEは、それ自体が人類未到産物であり、それぞれが役割を与えられた「道具」としての意味に従って行動している。
超高度AI
21世紀においても継続し続けたコンピューターの計算能力の増大の結果、人類知能を凌駕するに至った人工知能の総称。2105年の作中において全世界で39台が稼働するに至っている。超高度AIが誕生してから50年以上が経過するもその利用はもっぱら研究開発用途に限られており、人類の存続にかかわるインフラには接続することすら禁じられている。
特異点(シンギュラリティ)
技術的特異点を参照。作中では2051年に超高度AIの誕生によって技術的特異点を迎えている。
人類未到産物(レッドボックス)
超高度AIが生み出した、今の人類には理解できない超高度技術によってつくられた産物。前述のように5体のレイシア級hIEも含まれる。「レッドボックス」という名称には、観測者から遠ざかる光が赤方偏移により赤から黒(赤外領域)へと変わるように、人類が必死に追いすがらなければいずれ遠ざかりブラックボックスになってしまうという意味が込められている。
IAIA(The International Artificial Intelligence Agency; 国際人工知性機構)
超高度AIと、人類未到産物の管理を担う国際機関。超高度AIの能力を測ることに特化した超高度AI「アストライア」を保有している。ミームフレーム社からのhIE脱走を発端とした日本での騒動を察知し、アストライアでの事態の解決を図る。
ミームフレーム社
世界有数のhIE行動管理クラウドのプラットフォーム企業。hIEの行動管理に特化した超高度AI「ヒギンズ」を保有している。社内では「会社の判断をヒギンズに仰ごう」とする親コンピュータ派閥と「人間のことは人間で判断させる」という親人間派閥の二派に分かれており、互いに派閥争いを繰り返している。データ運搬用に5体のhIEを「ヒギンズ」に開発させたが、hIEは東京研究所から脱走してしまう。以後はPMC(民間軍事会社)のHOOに、脱走したレイシア級hIEの回収・破壊を依頼して、事態の収拾を図っている。
抗体ネットワーク
hIEの排斥を求め、破壊活動を繰り返すボランティア。情報提供役と実行役に分かれて行動しており、実行役は提供役のもたらした情報を元に、人気のない場所でのhIE破壊を行っている。そのため作中の東京では、ヒトの腕が街中に転がっていても、誰も見向きもしないという異様な状況が散見される(千切れた腕から機械が見え、ヒトが機械と認識するため、騒がない)。高度に情報化・分業化されており、末端の実行役たちは組織の全容を知ることはできないが、「中枢」と呼ばれる上層部の人間たちは、極秘に集まって会合を開くことがある。
アナログハック
人間が同じ人間の“かたち”に反応して様々な感情を抱くという本能を利用した、新しいハッキングの手段。「感情が動く」という意識のセキュリティホールを突くことで、アナログな人間の意識をハッキング(解析・改変)する。hIEが人間と同じ容貌であるのは、このアナログハックを行うためである。諜報活動だけでなく、宣伝活動などにも幅広く用いられており、レイシアの街頭でのモデル活動は、そのアナログハックを最大限に利用したプロモーションの一例である。

登場人物[編集]

メインキャラクター[編集]

遠藤アラト
声 - 吉永拓斗[1]
この物語の主人公。17歳の高校2年生。hIEの研究者である父を持つが、父は多忙で家には滅多に帰らないため、妹のユカと共にマンションで暮らしている。母親は父(夫)のいない家庭から去っていったらしい。甘えん坊でやんちゃに育ったユカに振り回される日々を送っている。hIEを“モノ”だと知りつつも、hIEたちが人々を支え、笑顔にすることを純粋に嬉しく思うような心優しい少年だが、その優しさが「弱さ、甘さ」だとしてユカや友人たちから指摘されることもある。アラト自身は「僕は“チョロい”男だ」と自嘲することがあり、その優しさのからくる自身の甘さを自覚はしている。時として友人や家族の為に、果敢に危険な状況へ飛び込む勇気と行動力も秘めている。
買い物に出たある夜、hIEの暴走事件に巻き込まれ、そこで女性型hIE「レイシア」と出会い、自身の命の危機もあって彼女との契約に応じる。強大な力と謎多き出自のレイシアに頼ってしまう自分の甘さを自覚しつつも、レイシアが見せる優しさや笑顔に惹かれ、彼女を信じたいという一心で生活を共にする。この思いは、幼少時に巻き込まれた爆発事故と、それに伴う入院生活での“ある出会い”から起因しており、その出来事は彼にとっては行動の源泉となっている。
レイシアの強大な戦闘力と、超高度AI「ヒギンズ」が生み出した人類未到産物(レッドボックス)であるという事実に直面し、レイシアへの愛情と「彼女は“モノ”である」という冷徹な現実の狭間で幾度も迷い、何度となく重大な決断を迫られる。
海内遼
声 - 石川界人[1]
アラトの同級生で、同じ高校に通う少年。アラトの親友であり、クラス中の女子に声を掛けまくることから、軽い印象を持たれているが、実際はアラトをよく気に掛け、時として諌める冷静かつ大人びた思考の持ち主である。アラトとは過去の“ある出来事”からの長い付き合いであり、親友でもある。
hIEのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の創業者家族の長男であり、幼少時には命を狙われたこともある。hIEはあくまで“モノ”でしかないという考えの持ち主であり、謎だらけのhIEであるレイシアに接近するアラトに、常々警告を発していた。しかしミームフレーム社に蠢く陰謀とレイシア級hIE「メトーデ」の接近により、彼自身もミームフレーム社と「ヒギンズ」が引き起こす騒動に巻きこまれていく。つくばでのhIE暴走事件において、ミームフレーム社で暗躍していた渡来銀河からメトーデのオーナー権を奪い取り、新たなオーナーとして積極的にミームフレーム社、IAIA、軍や政府も巻き込む巨大規模の争いに関わっていく。それらの行動はアラトや家族を守りたいという想いが発端であったが、皮肉にも“モノへの愛情”を信じるアラトとは、対立していくことになる。
村主ケンゴ
声 - 山下大輝[1]
アラトとリョウの共通の友人であり、よく三人でつるんでいる。眼鏡を掛けている。吾妻橋の定食屋「さんふらわあ」の主人の息子で、妹のオーリガがいる。実はhIE排斥団体「抗体ネットワーク」に参加しており、実行犯に情報を与える役として活動している。自分や家族のような昔気質の人々の、人間だからこそ築ける空間を守るためだというのが参加の理由であったが、レイシアを追ってきたhIE「紅霞」との出会いによって、彼の日常は崩壊する。hIEを憎らしく思うと同時に、どんどん前へ進んでいくリョウやアラトに劣等感を抱いていたが、紅霞との交流で彼もまた変わっていく。
遠藤ユカ
声 - 小野早稀[1]
アラトの妹である、14歳の少女。親が家にいないことが多い故に、気に掛け「すぎた」せいで、やんちゃかつ天然な性格に育った。ワガママ且つ向こう見ずな性格はアラトと対照的であり、似てもいる。奔放な言動でアラトを困らせるが、兄を想う気持ちは強い。我が家にやって来たレイシアにすぐ懐き、レイシアの美貌を見込んでモデルオーディションに(勝手に)応募し、合格。レイシアがモデル活動をするきっかけを作った。
オーリガや紫織とは友達であり、女の子同士でお茶をしたりもする。
海内紫織
声 - 佐武宇綺[1]
リョウの妹であり、1つ下の16歳。大人びた性格と言葉遣いの少女である。ミームフレーム社内の派閥争いに加わり、メトーデのオーナーとなることで、その争いに勝利しようとする。幼い頃から家を空けがちだった家族に言い知れぬ空虚感を感じていたものの、兄が自分を守ろうとしてくれていることは理解し、慕っていた。
レイシアとアラトの動向を探りつつ、彼女たちとの情報戦とカーチェイスを展開するが、彼女はレイシアに嵌められて敗北、乗っていたリムジンの中に閉じ込められる。レイシア、メトーデ、紅霞が入り乱れる激闘の中で、端から紫織に従う気が無かったメトーデに見捨てられる。炎が迫り、最期を覚悟するも、危険を冒して飛び込んできたアラトに救出される。
以後は療養しつつ、レイシアやリョウとの関係に悩むアラトにアドバイスを送った。
村主オーリガ
声 - 若井友希[1]
ケンゴの妹であり、15歳。ケンゴの母はロシア人の留学生であり、彼女はハーフである。繊細かつ心優しい兄思いの少女。それ故、不審な行動が目立ち始めてきたケンゴの事を気に掛けている。ユカや紫織とは友達である。
村主ヴェロニカ
声 - 小平有希
エリカ・バロウズ
声 - 陶山恵実里[1]
バロウズ財団の理事長にして、財団傘下のメディアグループ「ファビオンMG」のCEOも務める才女。褐色の肌の少女であるが、その正体は、かつて不治の病を治す未来が訪れるまで、冷凍睡眠によって永き眠りについていた「21世紀からの女性」であり、本当の生年からは94年もの歳月を数える。肉体年齢は17歳であり、アラトと同じ高校に通い始める。浮世離れした性格であり、その自由奔放な発想でアラト達を翻弄する。
かつて超高度AIが発端となって発生した「ハザード」によって家族は死に、冷凍睡眠前の彼女の知己は誰一人残っておらず、目覚めた時には、バロウズ家の莫大な資産だけ継いでいた。周囲にいるのは彼女の環境を好奇の目で見る者たちや、旧世紀の概念に縛られる権力者ばかりであった。そんな状況に幻滅していた彼女であったが、自邸に辿り着いたhIE「サトゥルヌス」に「マリアージュ」という名を与え、オーナーとなることで変わっていく。自邸に「ヒギンズ」由来のhIEをオーナーたちと共に集め、互いにオープンなバトルを行うことを提案し、以後は幾多の騒動から距離を置きつつもその才覚を発揮して政財界にパイプを作り、マリアージュの創り出す様々なデバイスを他のhIEに与え、互いに闘わせることで、人類と“モノ”の壮絶な戦いの行く末を見つめ続ける。アラトとレイシアの関係は、好意的に捉えている。

ミームフレーム[編集]

渡来銀河
ミームフレーム社の研究主任。かつて遠藤コウゾウの元で研究していたこともあった。社内でのでの派閥争いに加わる男。リョウがレイシアのただならぬ能力を知りつつも、彼女とアラトの関係を見守り続けるだけであったことを指摘、リョウを脅して派閥争いを有利に進めようとする。レイシア級hIEの逃走が社会を混乱させると恐れており、ひとつの対抗策としてメトーデを敢えて自身の配下に置いていた。
つくば実験都市においてユカを誘拐し、市内のhIEを暴走させて戦力としつつ、ユカとレイシアの交換をアラトに迫る。しかしアラトがとった行動でレイシアは渡井への恭順を拒否。彼は暴走したhIEにアラト達を襲わせようとするも、リョウがメトーデのオーナー権を奪っていたことで丸裸となり、自らも暴徒化したhIEたちに襲われ、惨死した。
吉野正澄
ミームフレーム常務取締役。「ヒギンズ」内に潜入したリョウと鈴原と通信を行う。会社での派閥争いと社の安寧のためなら、AIへの恭順やリョウたちの見殺しも止むをえまいと言う男。
鈴原俊次
ミームフレーム戦略企画室室長で50代の中年男。社内では人間派閥に属している。社内の派閥争いに関わるリョウに協力し、「ヒギンズ」への接触時も手を貸す。
シノハラ
ミームフレームの研究員。リョウと渡井を引き合わせる。

軍隊[編集]

シェスト・アッカーマン少尉
声 - 稲田徹
コリデンヌ・ルメール少佐
声 - 豊口めぐみ
ユーセフ・マライ曹長
声 - 高橋伸也
トマ・リュウ軍曹
声 - 大森大樹

その他[編集]

遠藤コウゾウ
アラトの父で、hIEと人工知能の研究者。仕事ゆえに家を空けがち。子供たちの側に居てやれないことを申し訳なく思いつつも、自身の知識と親としての愛情をもって、レイシアとアラトの関係を見守る。
コリデンヌ・ルメール
PMC、HOO(ハンド・オブ・オペレーション)第一陸戦隊第一中隊長。少佐。レイシア級hIEの脱走時に相対し、その恐るべき戦闘力を身を以て知ることになる。後にアラトの捕縛、尋問時にも登場する。
雁野真平
日本情報軍少将。坊主頭でずんぐりとした風貌の、背の低い男。情報軍の戦略AI<セッサイ>を用いて、スノウドロップの暴走に対処する。
如月明日菜
声 - 福圓美里
ファビオンMG社員。レイシアのファッションモデル活動をサポートし、アラトに「アナログハック」の方法とその効果を教える。

hIE[編集]

レイシア級[編集]

レイシア
声 - 東山奈央[2]
レイシア級hIE5号機。本編のヒロインである。アイスブルーの瞳と淡紫の髪の、息をのむほどの美貌を持つ。スノウドロップの暴走に巻き込まれたアラトを助け、オーナーとしての契約を結ばせる。以後はアラトやユカと共に日常を送りつつ、ユカが応募して合格したファッションモデルの活動も行う日々も過ごしている。普段は柔和でたおやかな佇まいの少女であり、アラトやユカを甲斐甲斐しく世話する。アラトや自身に迫る危機に対しても冷静沈着に対処し、取り乱すことは無い(AIのレベルが高いほど、非常事態には冷静に対処できることが作中で描写されている)。アラトは彼女の笑顔に惹かれるが、彼女は「私に心は無い」と言い切るなど、アラトに対しては友人や恋人というよりも、自分という“モノ”を持つ“所有者(オーナー)”としての自覚を促すような言動が多い。
その正体は超高度AI「ヒギンズ」が人間社会に解放した、人類未到産物(レッドボックス)としてのhIEの一体であり、「人間に未だ明かされざる道具」である。高度な電子戦能力とhIEらしい高い戦闘能力を有し、所持しているデバイス<BLACK MONOLITH>のロックを解除することで、その電子機器への影響力は世界規模にまで拡大される。彼女はあくまでも「ヒギンズ」が創り出したAIの一つにしか過ぎないため、厳密には人間のような一個の人格としての「レイシア」が存在するわけではなく、レイシアもその事実を前提にアラトに接していた。しかしアラトの、容姿、言動、行動、それらが織り成す“モノ”としてのレイシアを愛そうとする姿勢に、ヒトとモノの新しい可能性を見い出していき、同時にアラトの愛情に可能な限り応えようと行動する。そして「ヒギンズ」の待つ地下施設へ、アラトを護りつつ導いていく。
所持するデバイスは<BLACK MONOLITH>。超高硬度結晶板の表層にコーティング加工を施した装甲を持つデバイス。漆黒の棺のような外見を持つ。内蔵された量子コンピュータにより、高度な分散コンピューティングが可能。それにより、電子機器への干渉、シールド構築、高度な演算による戦略構築、更にはメタマテリアルによる自己透明化やレールガンによる質量投射=砲撃までも行うことができる。これら能力の使用には、デバイスロックと呼ばれるレイシアの腰に巻かれている銀色の装置を解除することが条件であり、その解除はオーナーである人間の了解が必要とされている。デバイス内部の8本の爪は分離操作が可能であり、レイシアと感覚器を共有することで、爪の内の一本を対象の護衛として行動させることもできる。
紅霞
声 - 冨岡美沙子[2]
レイシア級hIE1号機。深紅の髪とクリムゾンレッドの瞳を輝かせる、少女の姿をしたhIE。肌には幾筋ものラインがはしっており、彼女が人間では無いことを伺わせる。ミームフレーム社を脱走後、村主ケンゴの元へ突然現れる。「抗体ネットワーク」に関与するケンゴを教唆して、政治用hIE「ミコト」のいる議会を襲撃させるなど、戦闘や混乱を楽しむような言動、行動をとる。レイシアを“お姉様”と呼び、そのオーナーであるアラトを、情けない人間だと見下している。
「ヒギンズ」が創り出した人類未到産物(レッドボックス)としてのhIEの一体であり、「人間との競争に勝つための道具」である。戦闘に特化したデバイス<BLOOD PRAYERS>を携え、高い戦闘力を見せる。
メトーデから空港での一件における罪を着せられ、自身のけしかけた人間たちの争いに“出口の無さ”を認識したとき、ケンゴが抱える友人たちへのコンプレックスを知り、自分自身の存在意義を確認、ケンゴに「勝たせてあげる」と言い残し、夕闇の迫る街へ消える。そして政治用hIE「ミコト」を破壊した後、HOOの大部隊の待ち伏せに遭遇、「戦うための道具」として、壮絶な最期を遂げる。
デバイスは<BLOOD PRAYERS>。刃渡り1メートルを超える巨大な刀。最新式の戦車の装甲をも叩き斬る。超高出力のジェネレーターとレーザー発振器を搭載しており、レーザーは強大な切れ味と破壊力を誇る。しかしこの長大なデバイスの支持を、その繊細な腕のみで行っているため、そこに集中砲火を浴びると、不利になる恐れがある。
紅霞・先行量産モデル
紅霞が撃破された後、「抗体ネットワーク」がその残骸を回収して作成した完全自律型の無人機。「ヒギンズ」の棲む施設の入り口や地下において、「ヒギンズ」の護衛を行う。戦闘力に重点を置き、オリジナルの紅霞に対して表情に乏しく、頭髪も紅霞とは違い真っ白である。
スノウドロップ
声 - 五十嵐裕美[2]
レイシア級hIE2号機。エメラルドグリーンの瞳に、淡緑の髪の少女。「ヒギンズ」が創り出した人類未到産物(レッドボックス)としてのhIEの一体であり、「進化の委託先(アウトソース)としての道具」である。言葉遣いなどから、5体のhIEの中でいちばん幼い印象を与える。白いドレスを纏い、彼女の周囲にはいつも花弁が舞っている。他のhIEとは異なりオーナーはおらず、作中は単独行動が多い。「進化を委託されること」が、スノウドロップの中で半ば強迫観念のようなものにまでエスカレートし、空港での一件、議会場へのテロ攻撃、三鷹事件など、作中において様々な惨劇を引き起こしていく。
「ヒギンズ」地下施設においてレイシアと戦闘し、一度は敗北するも復活し、全てを喰らい、取り込んでいくその力で、地下へと赴くアラト達を追い詰め続ける。
デバイスは<EMERALD HARMONY>。高硬度結晶の外殻を持ち、並のエネルギーでは傷一つ付かない強度を誇る。内部に蠢くエメラルドの歯は機械を噛み砕く為のもので、機械の持っていた情報を瞬時に吸収する。
本来hIE主機であるはずのスノウドロップもこのデバイスの支配下にあり、実質的にはこのデバイスが本体となってしまっている。白いドレスは人工神経集積体とリンクしており、舞い散る色とりどりの花弁は、デバイスの子ユニットとして、付着したあらゆる機械を支配できるようになっている。最終決戦時には暴走し、「ヒギンズ」地下施設では半壊したスノウドロップを取り込んでしまう。
マリアージュ(サトゥルヌス)
声 - 下地紫野[2]
レイシア級hIE3号機。ブラウンの瞳に亜麻色のショートボブヘアの、女性型hIE。「ヒギンズ」が創り出した人類未到産物(レッドボックス)としてのhIEの一体であり、「環境をつくるための道具」である。他のhIEとは出自が異なり、所持するデバイス<GOLD WEAVER>のコアユニット「八卦炉」は、中国の超高度AI「九龍」と「ヒギンズ」のクロスライセンスで入手したものである。バロウズ邸に迷い込んだ際には汚れた身なりで自身を「サトゥルヌス」と名乗っていたが、エリカの勧めで名をマリアージュと改めた。以後、バロウズ邸の地下に工房を拵えて、デバイスで様々な武器や道具を作り続けている。他のレイシア級に無い特性が、エリカにとってのアドバンテージとなっており、逆に「モノを作る」という特性上、財力を持ったエリカがオーナーであることは、マリアージュにとっても都合の良い状態となっている。
デバイスは<GOLD WEAVER>。地面に突き立てるアンカーを持った、ミシンのようなデバイス。十億分の一メートル以下の細さにまで調整可能な糸を紡ぎ、様々な物品を作る。デバイスに付いているハンドルは、設定した角度で回す毎にオーナーの承認をとりつけたことになる。
メトーデ
声 - 雨宮天[2]
レイシア級hIE4号機。燃えるようなオレンジ色の髪をなびかせている。強化スーツを身に纏い、「ヒギンズ」が創り出した人類未到産物(レッドボックス)としてのhIEの一体であり、「人間の拡張としての道具」である。強化スーツとデバイスを纏うその姿はサイボーグそのものであり、時折スーツなどを着ていても、脚などは強化スーツがそのまま見えている。
脱走した5体中最強の性能を誇り、デバイスを使用せずとも、人間程度なら圧倒することができる。一番人間に近い行動傾向を持つ。自身の性能「人間の拡張」をもっとも発揮できる現代の世界を維持するために行動し、渡井、紫織、そしてリョウと、次々とオーナーを替えていく。最終的には、同じく人間社会の維持を望むリョウの所有物となり、彼と行動を共にするようになる。
変革を望むレイシアと「ヒギンズ」の地下施設で相対し、壮絶な戦いを繰り広げる。
デバイスは<LIBERATED FLAME>。メトーデのボディ各部に搭載された疑似フォノン兵器。観測が極めて難しい粒子を散布して、それを媒介に、莫大なエネルギーを狙った位置へ伝達できる。掌部から発射することで攻撃に用いるほか、脚部からの発射で加速、跳躍するなど、様々な応用が利く。出力の調整も自在で、エネルギー一点に集めての接射や、大規模な破壊行為も可能。特に三鷹事件においては、スノウドロップによるhIEの大暴走を、そのデバイスの圧倒的な破壊力を以て一撃で制圧してみせた。

超高度AI[編集]

No.1 プロメテウス
アメリカが開発し、2051年に史上初めて人類知能を突破し超高度AIとなったAI。
No.2 ワシントン
米軍保有の戦略管理AI。「プロメテウス」上で計算された生物の知識・身体能力の限界値を元に、そこから生物のハード的限界を取り払って計算することで、超高度AIに辿り着いた。「INSIDE BEATLESS」に記述があるのみで、本編未出。
No.3 ノイマン
アメリカの、特許開発用の超高度AI。No.2「ワシントン」によって開発された、“超高度AIが生み出した超高度AI”である。このように立て続けに生み出されていく超高度AIに危機感を抱いた国際社会が、IAIAを実行力の高い組織へと変容させた。「INSIDE BEATLESS」に記述があるのみで、本編未出。
No.4 金星
中国人民解放軍の超高度AI。アメリカの超高度AI「ノイマン」の技術をスパイを通じて入手し開発したとされる。「INSIDE BEATLESS」に記述があるのみで、本編未出。
No.5 アストライア
国際機関IAIAが保有する、他の超高度AIの能力を測定・監視するための超高度AI。
No.8 ありあけ
日本初の超高度AI。21世紀中ごろに関東一帯を襲った震災時に《ハザード》を引き起こし、ミサイル攻撃によって破壊される。「INSIDE BEATLESS」初版では名称が「れいめい」となっているが、「Tool of the Outsourcers」付属版では「ありあけ」に修正された。
No.18 進歩八号
共産主義システムの理想的な運用を目指して開発された超高度AI。
No.22 九龍
中国国営企業が保有する超高度AI。《ヒギンズ》はクロスライセンスにより九龍が開発した技術を入手し、《サトゥルヌス》の開発に用いた。
No.23 ビーグル
イギリスが保有する、遺伝子の解析・改変、更には人工的な遺伝子構築による人工生物の作成など、遺伝子の研究開発に特化した超高度AI。「INSIDE BEATLESS」に記述があるのみで、本編未出。
No.25 ヒギンズ
日本の企業「ミームフレーム社」が保有し、hIEの行動管理を行うAASCの開発・更新を行っている。
No.30 オケアノス
国際近軌道管理局が保有し、宇宙空間に置かれている超高度AI。宇宙法のリアルタイム問い合わせを処理している。液体コンピューター(液冷コンピューターではなく、演算部が液体によって構成されたコンピューター)。短編「Hollow Vision」に登場。

テレビアニメ[編集]

2017年10月7日にマチアソビvol.19でテレビアニメ化が発表された。2018年1月よりMBSほか『アニメイズム』B1枠にて放送中[3]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「Error」[4]
作詞 - メイリア / 作曲 - toku / 編曲・歌 - GARNiDELiA
第1話では未使用。
エンディングテーマ「PRIMALove」[5]
作詞・作曲・編曲 - kz / 歌 - ClariS
挿入曲「Trust」(第2話)
作曲 - Pa's Lam System

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 メカ作監 総作画監督
EP01 Contract 高橋龍也 水島精二
宮澤努
久慈悟郎 石川雅一、小川茜、徳永さやか
加藤弘将、大村将司
宮澤努 やぐちひろこ
EP02 Analog hack 吉田徹 山本陽介 松本麻友子、小川茜、徳永さやか
福田佳太、野村治嘉、石丸史典
追崎史敏、渋谷秀、寒川歩
森悦史、小澤円
- 井出直美

放送局[編集]

TBS系列(AT-Xを除く) / 放送期間および放送時間[6]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [7] 備考
2018年1月13日 - 土曜 1:55 - 2:25(金曜深夜) 毎日放送 近畿広域圏 製作局
TBSテレビ 関東広域圏
2018年1月14日 - 日曜 0:00 - 0:30(土曜深夜) BS-TBS 日本全域 BS放送
2018年1月18日 - 木曜 0:00 - 0:30(水曜深夜) AT-X 日本全域 CS放送 / リピート放送あり
毎日放送、TBSテレビ、BS-TBSは『アニメイズム』B1枠。

インターネットでは、Amazonプライム・ビデオにて全世界に独占配信予定[6]

BD[編集]

発売日[8] 収録話 規格品番
1 2018年5月25日予定 第1話 - 第6話 KAXA-7621
2 2018年7月25日予定 KAXA-7622
3 2018年9月26日予定 KAXA-7623
4 2018年11月28日予定 KAXA-7624
毎日放送 アニメイズム B1
前番組 番組名 次番組
結城友奈は勇者である
-鷲尾須美の章-/-勇者の章-
BEATLESS
-

その他の展開[編集]

英訳
Tokyo Otaku Modeにて連載中[9]
漫画『BEATLESS-dystopia』
カドカワコミック・エースより2巻が刊行。作画:鶯神楽 。原作のPhase4「automatic world」までの内容を概ね忠実になぞっている。
4コマ漫画『びーとれすっ』
カドカワコミック・エクストラよりkilaによる4コマ漫画1巻が刊行。原作の設定を用いたギャグ漫画。巻末には長谷敏司による「びーとれすっのノベライズっ!」が寄稿されている。
BEATLESS “Tool for the Outsourcers”
redjuiceとウィットスタジオによるイラストを収録した設定資料集。livetuneプロデュースのイメージCD「BEATLESS - Give Me the Beat - Produced by kz (livetune)」が同梱
シェアードワールド
2014年6月26日「BEATLESS "Tool for the Outsourcers"」発売記念イベントに於いてシェアードワールド化が発表された。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g SFアニメ「BEATLESS」追加キャストに吉永拓斗、石川界人、山下大輝ら”. コミックナタリー (2017年12月9日). 2017年12月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m “『BEATLESS』東山奈央さん・雨宮天さんら主要声優5名が解禁! 新規描き下ろしティザービジュアルや最新PVも公開”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2017年11月26日). https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1511670448 2017年11月26日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g 「BEATLESS」のアニメ化が決定、監督は「機動戦士ガンダム00」や「楽園追放」の水島精二”. GIGAZINE (2017年10月7日). 2017年10月7日閲覧。
  4. ^ 2018年1月より放送開始予定のTVアニメ「BEATLESS」のオープニングテーマを担当、9th Single「Error」の発売決定!”. GARNiDELiA OFFiCiAL SiTE (2017年11月10日). 2017年11月10日閲覧。
  5. ^ ClariS、ニューシングルは全曲kzプロデュース”. 音楽ナタリー (2017年11月23日). 2017年11月23日閲覧。
  6. ^ a b ON AIR”. TVアニメ「BEATLESS ビートレス」公式サイト. 2017年12月22日閲覧。
  7. ^ テレビ放送対象地域の出典: 放送分野の動向及び規制・制度(資料2)”. 政府規制等と競争政策に関する研究会通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2 (2009年10月9日). 2018年1月7日閲覧。 基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号 (1988年10月1日). 2018年1月7日閲覧。 地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2018年1月7日閲覧。
  8. ^ GOODS”. TVアニメ「BEATLESS ビートレス」公式サイト. 2018年1月19日閲覧。
  9. ^ http://otakumode.com/sp/beatless

関連項目[編集]

外部リンク[編集]