音楽ファンタジー・ゆめ

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音楽ファンタジー・ゆめ[3]』(おんがくファンタジーゆめ)は、NHK教育テレビジョンの「母と子のテレビタイム」枠にて1992年4月から1999年3月まで7年間放送されたCGアニメーションクラシック音楽ミニ番組である。

概要

5分番組で、2つのパートで構成されている。

前半のパートでは、後述のCGキャラクターのアニメーションが放映され、前半終了後、その回で取り上げる曲のタイトル・作曲者が紹介される[4]

続く後半のパートでは、音楽にのせて、曲のイメージの3DCGアニメーションが繰り広げられる[5][6]。時間の制限があるため、一部の楽章のみであったり、大幅な編曲がなされている場合も多い。また、使用された曲の大半は放送時点で物故者となっていた作曲者の作品で、著作権も切れている作品だったが、一部の作品は放送時点で著作権が切れていない作品であり(2015年現在は著作権の保護期限を満了したものもある)、『アランフエス協奏曲』については後述のように放送時点で存命の作曲者による作品だった。

エンディングでは、第1期は各話様々な立体図形の変形とそれに合わせた作曲者の似顔絵[7]の登場。第2期以降は統一されている。

BMGビクターからビデオ(全19巻)、日本クラウンからDVD(全10巻)が発売された(いずれも廃盤)。また、第2期の前半パートを原作とした絵本全3作がリトルモアより出版されている(#関連商品)。

放送時間

毎週月曜日に新作を放送し、同じ回を一週間放送していた。1992年度は、1年間通して第1期が放送され、1993年4月5日から1994年10月3日までは第1期が再放送された(例外あり)。

  • 本放送
    放送枠:母と子のテレビタイム
    • 1992年度:17:35 - 17:40
    • 1993年度:17:25 - 17:30
    • 1994年 - 1997年度:8:00 - 8:05、16:55 - 17:00、
    • 1997年度:16:20 - 16:25(1997年度後期)
    • 1998年度:7:30 - 7:35、16:20 - 16:25
  • Eテレセレクション
    放送枠:Eテレフリーゾーン
    • 2013年3月3日:15:30 - 16:30
      第1期「トルコ行進曲」・「ピアノ協奏曲第1番」・「春の祭典」、第2期「熊蜂の飛行」・「威風堂々[8]」、第3期「ユモレスク」の再放送。
    ウェブでの視聴者投票により再放送が決定されるシステムによるものであるが、2009年のETV50番組内企画「もう一度見たい教育テレビ」では11位と辛くも再放送には至らなかった[2]
    この他に一時期「ニャンちゅうといっしょ」内のコーナーとして放送されたこともあった。

主なキャラクター

フルーツ&ベジタブルオーケストラ(第1期)

八分音符の形をした指揮者と、野菜や果物で出来た楽器のキャラクター達。ほとんどのキャラは複数体存在する。メンバーの一部を除き英語しか話さない。後半は演奏をする。3期(ファイナルシーズン)で再登場した際は色が鮮やかになり、言葉は一切話さなかった。

指揮者
八分音符の形をしている。基本的には「Hi!」や「OK!」などの簡単な英語しか話さないが、曲名紹介の他、極初期でも劇中で日本語を披露している[9]
「時計交響曲」ではメトロノームと同時に指揮をした、「ラプソディー・イン・ブルー」と「春」は声が変わっている。
ヴァイオリンヴィオラ落花生
落花生に弦が4本張っており、手が生えた姿をしている。弓は持参している。メンバーの中で一番小さい。ヴィオラは「白鳥の湖」のみ登場。
チェロベース茄子
ナスに弦が4本張っており、手足が生えている。はヘッドになっており、f字孔はヒゲ。チェロはリボンと腕の色がピンクで弓を持参している。「新世界」では弓の代わりに箒やゴルフクラブ(ウッド)を使った。ベースはチェロより一回り大きく、リボンと腕の色が緑色で弓を持っていない。また双方しょっちゅう身体が上下に伸縮している。チェロは気が小さく、慌てん坊でドラムが少し苦手らしい。「ウィリアムテル序曲」では高い所が怖くて大嫌い。ベースは意地っ張りで頑丈で我慢強いの三拍子を備えていて、一人でいる事が多い。因みにチェロは、登場回数がメンバーの中で一番多い。「ペルシャの市場」でf字孔が通常より長い男爵風なチェロが登場。「アベ・マリア」ではチェロとサクソフォーンが昼寝の最中に、サクソフォーンのもの凄く大きいいびきに目を覚まし、1回目は止めさせたが2回目は怒った。「アランフェス協奏曲」でチェロ軍団がドラム軍団と決着をつけ、その後和解した。「ゴリウォーグのケーク・ウォーク」では足拍子を披露した。「春の声」ではチェロも老人だったが、「ゴリウォーグのケーク・ウォーク」からベースのみが老人となった。「月の光」では腕の色がピンク、リボンの色が緑のベースや、「アランフェス協奏曲」では体が赤紫、腕の色がピンク、リボンの色が青いチェロもいる。
トランペットなめこ
茎にピストンと手があり、傘から音が出る。3体でいる事が多い。「運命」「ワルキューレの騎行」では1体しか出てない、言葉を話さない。
サクソフォーン人参
手足が生えており、蔕から音を出す逆さまの人参(赤ちゃんを除く)。「春の祭典」では夫婦で赤ん坊をあやしたり、「アイネクライネナハトムジーク」では畑でできた赤ちゃん(稀に)が生える。「アベ・マリア」では寝てる時、いびきがもの凄く大きい。そのもの凄く大きいいびきのせいでチェロに止められたり、怒られる。
クラリネットネギ
手足が生えており、根から音が出る。少しお調子者。
ピッコロフルートインゲン豆
莢に手が生えた姿をしている。ピッコロは気が弱い女の子で、フルートはセレブな女性である。
ピアノナシ+バナナ
主体がナシ、鍵盤がバナナ、黒盤はヤシの枯れ葉になっている。メンバーの中で一番大きい。言葉を話さない。「英雄ポロネーズ」ではオルガンピアノも登場した(通常より小さく、赤く熟している)。
マリンバブドウ棚+キュウリ
音板がキュウリ、パイプがブドウになっている。「小犬のワルツ」では指揮者が大きくしたり小さくしたりさせた。言葉を話さない。
ドラムセットカボチャキノコ
バス・スネア・タム・フロアがカボチャ、ハイハット・サイド・トップがキノコになっている。主にバスのみが登場。手足が生えており、サングラスをかけている。上下左右の伸縮や手足をしまって転がることができる。悪役的存在の不良キャラで、主にチェロをいじめているが、「アランフェス協奏曲」でチェロ軍団と決着をつけ、その後和解した。また「ラデツキー行進曲」では練習遅刻した事もある。更に「トッカータとフーガ」ではサングラス無しの別のタイプが登場し、盆踊りを披露した。
ティンパニスイカ
半分に割れたスイカ。2体セットである。手足が生えており、バチは持参している。叩くと色が変わる。登場回数は4回しかない[10]

テクテクキッズ(第2期)

パソコンの兄弟「ハーディ」・「コミー」とその他個性的なキャラクター達。基本的には彼らはボディーランゲージのみで言葉を話さない。このため、曲名紹介は女性のナレーターだった。

ハーディ
青いパーソナルコンピュータ本体のキャラクター。コミーの兄。普段は温厚だが、罵られて怒るとコミーにも容赦がない。タイヤで移動する。フロッピーディスクは食べる形で挿入する。コミーと共に曲名紹介を披露し、音楽鑑賞をする。「動物の謝肉祭」では特定のフロッピーを食べてパワーアップしたり。ボッケリーニの「メヌエット」では、病院のフロッピーを食べて治療を行った。
コミー
ピーチ色マウスのキャラクター。ハーディの弟。好奇心旺盛で無邪気な性格。ハーディと同様にタイヤで移動する。尻尾はコードを兼ねており、普段はハーディと繋がっている。ハーディと共に曲名紹介を披露し、音楽鑑賞をする。「軍隊行進曲」ではハーディにエネルギーを送り込む事もできる。最終回「主よ、人の望みの喜びよ」ではドライブ中にボーリングのピンにぶつかり、救急車病院に搬送され応急処置手術)を受けた。最終回の曲名紹介とエンディングでは無事な姿を現し、生存している姿が描かれている。
ミニコンポ型のキャラクター
サングラスをかけている。陽気な性格で、ハーディやコミーを騒音で困らせる事もあるが、仲は良い模様。鼻の部分は音量調節のつまみになっている。
からくり時計の人形の女の子
「エリーゼのために」「威風堂々」に登場した「不思議の国のアリス」のアリスをモチーフにしたキャラ。ハーディの初恋相手。ハーディにインストールされたウイルス駆除ソフトではナース姿の彼女が登場する。
主人
男性。登場する度後ろ姿しか映されない。左利き。ハーディとコミーは、彼の入室中・作業中の間は通常のコンピュータの姿になっている。妻と娘がいる。ハーディとコミーを購入した際に家族と記念写真を撮っていたり、二体が被った埃をそっと拭いてあげたりするなど彼らを大切に扱っているが、「軍隊行進曲」ではハーディを一度処分しようとした事がある。

フルベジwithテクテクキッズ(第3期)

第1期と第2期のキャラクターが登場する。「with」とあるが、「フルベジ」パートと「テクテクキッズ」パートは二本立てとしてそれぞれ独立している上、「フルベジ」のキャラクターが一切登場しない回が大半であるため、構成上両者が直接共演するという形ではない[11]

作品概要

話数は便宜上のもの。

フルーツ&ベジタブルオーケストラ

第1期、全50作。
青紫バックに白字で[12]、左下から音符が登場して曲名を紹介する。効果音は何度か変更されている。CG紹介も白字。
エンディングにおいて作曲者の登場する際には名前が表示され、男性が英語で読み上げた。常に同じ曲が使用されるが、第3回「ノクターン」では無音だった。タイトルロゴ製作クレジット表記が右側であるため作曲者は必ず左下に表示される。

テクテクキッズ

第2期、全30作。
曲の紹介時、当初は効果音だけだったが後にナレーションが追加されるようになった。
今期のみ前半のBGMが後半の楽曲のアレンジではなかった。
今期以降、ハーディーとコミーがのそばで仲良く気持ち良く幸せに寝ているハッピーエンディング統一
第78回「シシリエンヌ」では彼らの名前が紹介された。編曲は第2期以降、辻陽が担当する。

フルベジwithテクテクキッズ

第3期(最終期)、全15作。

各作品リスト

作品は全部で95作。「G線上のアリア」以降から編曲者の名前が出るようになった。

スタッフ

CGアニメーション

主に後半パート担当
主に前半パート担当(第2・3期)
  • 清滝有里子(絵本「テクテク・キッズ ちいさなコミーとおおきなハーディ」シリーズ(後述)も手掛ける)
  • 奥井宏幸
  • 雨宮由里子[16]
  • 福田陽一

編曲

  • 上野千佳(みんなのうた『夢を盗むギャングたち』作曲[17]
  • 堤 照薫[18](作曲家・音楽教育家)「アランフェス協奏曲」ではCGアニメーションも担当
  • 巽 竜之介(巽竜ノ介名義もある)
  • 葵 新吾
  • 未来美音
  • 黒石ひとみ
  • 辻陽(作曲家、編曲家。第2期以降全ての回の編曲を担当)

関連商品

VHS
  • 『音楽ファンタジー・ゆめ』
    • 第1 - 5巻(1993/04/21)
    • 第6 - 10巻(1993/06/23)
    • 第11 - 16巻(1995/05/24)
    • 第17 - 19巻(1998/04/21)
DVD
  • 『音楽ファンタジー・ゆめ』
    • 第1 - 5巻(2001/11/21)
    • 第6 - 10巻(2001/12/16)
絵本
前述の通り「テクテクキッズ」を原作とした絵本「テクテク・キッズ ちいさなコミーとおおきなハーディ」シリーズが3作出版されている。morning landscape・著、清滝有里子・イラスト。
  • 『テクテク・キッズ ちいさなコミーとおおきなハーディ』シリーズ(リトルモア)

脚注

  1. ^ 再放送決定!「音楽ファンタジー・ゆめ」 - 日本放送協会(2013年6月28日閲覧)
  2. ^ a b ETV50 「もう一度見たい教育テレビ」 - Panorama Japan - 原田大三郎
  3. ^ 正式には中黒の入った『音楽ファンタジーゆめ』であることが明らかになった[1]。なおCGアニメスタッフの原田大三郎は2009年に自身のブログ[2]にて中黒入りで表記している。タイトルロゴでは『音楽ファンタジーゆめ』(ゆめの部分は太字)の下に「DREAMS」と英語タイトルが書かれており、ビデオ等では『音楽ファンタジーゆめ』として発売されていた。
  4. ^ 第2期以降のタイトル紹介は固定の女性の日本語によるナレーションだった。
  5. ^ ただし「ノクターン」、「ウィリアム・テル序曲」、「ピアノソナタ第15番」などのように、ほぼ全体が2Dセルアニメーションで構成される回もある。
  6. ^ アニメーションの中には効果音が鳴る回もある
  7. ^ 基本的に似顔絵は、抽象画風ながら本人の風貌やイメージに近いイラストになっている。但し、パッヘルベルについては一般に知られている肖像画((参照))が本人の存命中に描かれていないためか、肖像画とは全く似ていない似顔絵となった。
  8. ^ 「威風堂々」の前半は、光の点滅が激しい箇所が2つあったため編集された。
  9. ^ 実際には「トルコ行進曲」「ノクターン」だけ
  10. ^ 「フルーツ&ベジタブルオーケストラ」コール部分を除く。
  11. ^ 回によっては、「フルベジ」パートはハーディとコミーが読んでいた絵本の内容という扱いになっていたりする。
  12. ^ 「トルコ行進曲」、「パリのアメリカ人」等の例外もある。
  13. ^ 私の履歴書 | CMSを利用したonline履歴書です。学歴、職務経歴、業績や制作事例を掲載しています。
  14. ^ DIGITAL IMAGE / YASUI chihiro
  15. ^ DIGITAL IMAGE / Yoshiko Nakagawa
  16. ^ DIGITAL IMAGE / AMEMIYA Yuriko
  17. ^ NHK みんなのうた - 夢を盗むギャングたち - TinBin - 日本放送協会(2012年12月21日閲覧)
  18. ^ 株式会社サンレイクコミュニケーショズ:音楽家・堤 照薫(つつみ てるまさ)氏、独自の音楽教育プログラム『堤メソッド』を用いた日本での音楽指導を再開:Bizloop(ビズループ)サーチ

関連項目

外部リンク