アルバート・ケテルビー

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基本情報
出生 1875年8月9日
出身地 イギリスの旗 イギリス
死没 1959年11月26日(満84歳没)

アルバート・ウィリアム・ケテルビーAlbert William Ketèlbey, 1875年8月9日 - 1959年11月26日)はイングランド作曲家指揮者ピアニスト・音楽ディレクター。

生涯[編集]

バーミンガムの出身。版画師であった父親ジョージ・ケテルビー(George Ketelbey、アクサン・グラーヴは付かない)と母親セイラ・アストン(Sarah Aston)との間に出生。11歳のときには、習作のピアノ・ソナタをウォーチェスター音楽祭で演奏、作曲家・エルガーの賞賛にあった。

13歳で、ロンドントリニティ・カレッジ・音楽コース(Trinity College of Music)のヴィクトリア女王奨学金を受けて、ホルストに師事、才能を認められ、16歳でウィンブルドンのセント・ジョン教会のオルガン奏者に迎えられる。この頃、さまざまな楽器に習熟し、プロのオーケストラでもやっていける程の技量を身につける。

22歳で教会との契約期間が切れると、一転してヴォードヴィル劇場の音楽監督となり、軽音楽の編曲・指揮に才能を発揮し、ミュージカルは大衆受けし、「ラウル・クリフォード(Raul Clifford)」や「アントン・ヴォドリンスキ(Anton Vodorinski)」などのペンネームを使って初期の多作品を発表した。

その後、30歳を過ぎた頃には本格的な室内楽協奏曲にも傾注するが出版までには至らず、むしろポピュラーな軽音楽作曲家として名を挙げ、それらの作品はサイレント映画での伴奏音楽やカフェあるいはボールルームでのムード音楽などとしてもてはやされ、放送局やレコード会社などの当時新しいメディアでの音楽ディレクターとして活躍した。

1912年(37歳)、軽く書いたつもりの「ファントム・メロディ」が大ヒットしてからは、「ペルシャの市場にて」に代表されるようなエキゾチックな描写音楽の方面での才能が期待され、作曲・演奏したレコードは売れ、コンサートも大いに受けた。

その人気により、アムステルダムコンセルトヘボウの客演指揮者としても招かれたこともあるが、本格的なクラシック音楽の作曲家としては、1980年代に「The New Grove Dictionary of Music and Musicians」の改訂版に彼の名が載るまで認められなかった。アラビア東南アジア民族音楽や日本の国歌「君が代」をモチーフとして用いるなど、オリエンタリズムに基づいた異国趣味的な作品を多く遺しており、クラシック入門者のファンは多い。

避暑地として有名なワイト島の自宅において、悠々自適の生活ののち、84歳で亡くなった。

主要作品一覧[編集]

特に「ペルシャの市場にて」が有名

  • The Heart's Awakening (1908)
  • ファントム・メロディ Mélodie fantôme(1912)
  • 修道院の庭にて In a Monastery Garden (1915)
  • 弦楽四重奏のための幻想曲 Phantasy for String Quartet (1915)
  • 月の光に In the Moonlight (1919)
  • ペルシャの市場にて In a Persian Market (1920)
  • 牧場を渡る鐘 Bells Across The Meadow(1921)
  • ロマンティックな組曲 Romantic Suite (1922)
  • コクニー組曲 Cockney Suite (1924)
    『楽しいハムステッド地区』 Appy 'Ampstead が含まれる。
  • 序曲「チャル・ロマーノ」(ジプシーの少年)Chal Romano(Gypsy Lad) (1924)
  • 心の奥深く Sanctuary Of The Hart (1924)
  • 中国寺院の庭にてIn a Chinese Temple Garden (1925)
  • 水青きハワイの海にてBy the Blue Hawaiian Waters (1927)
  • 時計とドレスデン人形 The Clock And The Dresden Figures (1930)
  • エジプトの秘境にて In the Mystic Land of Egypt (1931)
  • 陽気なマスコットの踊り Dance of the Merry Mascots (1932)
  • 日本の屏風から From a Japanese Screen(1934)
  • イタリアのたそがれ Italian Twilight (1951)
  • ジャングルドラム Jungle Drums
  • Tangled Tunes
  • ウェッジウッドの青Wedgwood Blue
  • ギャラントリー Gallantry

参考書籍・外部リンク[編集]